説明

着色されたOSB板の製造法

基材としてOSB板に使用される木材ストランドを乾燥前または乾燥後に液状の着色剤調剤と接触させ、引続き常法でサイジングし、3層のマットに積み重ね、このマットを2つの被覆層を有する中間層からなる板に熱間圧縮することにより、着色されたOSB板を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色されたOSB板を製造するための新規方法に関する。
【0002】
木材材料の範囲でOSB板(オリエンテッド・ストランド・ボード(Oriented Strand Boards))の市場は、増加の一途をたどっている。OSBは、これまで専ら建築分野および包装分野で使用されてきた。粗大な木材繊維(ストランド)の配向を示す、OSB板の魅力のある表面構造のために、そうこうする間に、OSB板は、例えばメッセでの建築物の装飾範囲ならびに床板および家具にますます使用されている。この使用のためには、OSB板を着色して形成させることも望ましい。
【0003】
OSB板を製造する場合には、最初にストランドが製造され、このストランドは、連続型乾燥機中で乾燥される。乾燥の前後に、ストランドは、2つのフラクションに分割され(中間層および被覆層)、これらのフラクションは、タンブルミキサー中で別々にサイジングされる。結合剤としては、アミノプラスト(尿素−ホルムアルデヒド樹脂または尿素−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂)または殊に中間層にはイソシアネート(MDI:ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアナト)が使用される。サイジングされたストランドは、特殊な積重ね装置中で3層のマットに積み重ねられ、この場合中心層および被覆層の繊維方向は、できるだけ交叉するように存在する。更に、積み重ねられたマットは、連続的または非連続的に作業する熱間プレス中で180〜230℃で板に圧縮される。
【0004】
着色剤をサイジングの際に結合剤と一緒にかまたは結合剤とは別にストランド上に施こすような、OSB板を着色するための公知方法は、適度な結果を生じるにすぎない。それというのも、点状に着色された板のみを得ることができるにすぎないからである。
【0005】
従って、本発明は、OSB板をできるだけ均一に着色することができる1つの方法を開発し、この場合には、同時に典型的な”木材構造体”は目視的にそのままであるという課題に基づくものであった。
【0006】
それによれば、基材としてOSB板に使用される木材ストランドを乾燥前または乾燥後に液状の着色剤調剤と接触させ、引続き常法でサイジングし、3層のマットに積み重ね、このマットを2つの被覆層を有する中間層からなる板に熱間圧縮することによって特徴付けられる、着色されたOSB板の製造法が見出された。
【0007】
ストランドは、本発明によれば、有利に連続的に着色剤溶液または着色剤分散液中での噴霧または着色剤溶液または着色剤分散液中への浸漬によって着色される。
【0008】
この場合、ストランドは、1つまたは2つの被覆層のためにのみ着色することができるか、ストランドは、中心層のためにのみ着色することができるか、またはストランドは、3つの全ての層のために着色することができる。複数の層が着色される場合には、個々の層に対して異なる色調または同じ色調を選択することができる。
【0009】
本発明による方法にとって本質的なことは、いずれにせよ、着色およびサイジングが同時に行なわれるような木材材料の着色にとって常用の方法とは異なり、ストランドの着色がサイジング前に行なわれることである。こうして、均一かつ徹底的に着色されたOSB板を得ることができる。
【0010】
本発明による方法で使用される液状の着色剤調剤は、純粋な顔料調剤、純粋な染料調剤または顔料ならびに染料を含有する調剤であることができる。
【0011】
好ましくは、顔料ならびに染料を含有する調剤が使用され、それというのも、この調剤は、特に強力で光り輝く変色しない着色を生じるからである。この場合、特に好ましいのは、顔料に対して0.5〜10質量%の染料含量を有する調剤である。
【0012】
本発明による好ましい着色剤調剤は、通常、(A)少なくとも1つの顔料、(B)少なくとも1つの染料、(C)少なくとも1つの分散剤および(D)水または水と少なくとも1つの保水剤との混合物を含有する。
【0013】
本発明によれば、同様に使用可能な純粋な顔料調剤または染料調剤は、一般に前記成分を含有し、この場合分散剤(C)は、殊に染料が溶解されて存在する染料着色剤にとって不要である。
【0014】
本発明により好ましい着色剤調剤の成分(A)は、有機顔料であってもよいし、無機顔料であってもよい。勿論、着色剤調剤は、種々の有機顔料もしくは種々の無機顔料または有機顔料と無機顔料との混合物を含有することもできる。
【0015】
顔料は、有利に微粒状の形で存在する。それに応じて、顔料は、通常、0.1〜5μm、殊に0.1〜3μm、なかんずく0.1〜1μmの平均粒径を有する。
【0016】
有機顔料は、通常、多色顔料および黒色顔料である。無機顔料は、同様に有色顔料(多色顔料、黒色顔料および白色顔料)ならびに光沢顔料であることができる。
【0017】
以下には、適当な有機有色顔料の例が挙げられる:
−モノアゾ顔料:
C.I.ピグメントブラウン25;
C.I.ピグメントオレンジ5、13、36、38、64および67;
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、8、9、12、17、22、23、31、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、51:1、52:1、52:2、53、53:1、53:3、57:1、58:2、58:4、63、112、146、148、170、175、184、185、187、191:1、208、210、245、247および251;
C.I.ピグメントイエロー1、3、62、65、73、74、97、120、151、154、168、181、183および191;
C.I.ピグメントバイオレット32;
−ジスアゾ顔料:
C.I.ピグメントオレンジ16、34、44および72;
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、16、17、81、83、106、113、126、127、155、174、176、180および188;
−ジスアゾ縮合顔料:
C.I.ピグメントイエロー93、95および128;
C.I.ピグメントレッド144、166、214、220、221、242および262;
C.I.ピグメントブラウン23および41;
−アンサントロン顔料(Anthanthronpigmente):
C.I.ピグメントレッド168;
−アントラキノン顔料:
C.I.ピグメントイエロー147、177および199;
C.I.ピグメントバイオレット31;
−アントラピリミジン顔料:
C.I.ピグメントイエロー108;
−キナクリドン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ48および49;
C.I.ピグメントレッド122、202、206および209;
C.I.ピグメントバイオレット19;
−キノフタロン顔料:
C.I.イエロー138;
−ジケトピロロピロール顔料:
C.I.ピグメントオレンジ71、73および81;
C.I.ピグメントレッド254、255、264、270および272;
−ジオキサジン顔料:
C.I.ピグメントバイオレット23および37;
C.I.ピグメントブルー80;
−フラバントロン顔料:
C.I.ピグメントイエロー24;
−インダントロン顔料:
C.I.ピグメントブルー60および64;
−イソインドリン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ61および69;
C.I.ピグメントレッド260;
C.I.ピグメントイエロー139および185;
−イソインドリノン顔料:
C.I.ピグメントイエロー109、110および173;
−イソビオラントロン顔料:
C.I.ピグメントバイオレット31;
−金属錯体顔料:
C.I.ピグメントレッド257;
C.I.ピグメントイエロー117、129、150、153および177;
C.I.ピグメントグリーン8;
−ペリノン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ43;
C.I.ピグメントレッド194;
−ペリレン顔料:
C.I.ピグメントブラック31および32;
C.I.ピグメントレッド123、149、178、179、190および224;
C.I.ピグメントバイオレット29;
−フタロシアニン顔料:
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6および16;
C.I.ピグメントグリーン7および16;
−ピラントロン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ51;
C.I.ピグメントレッド216;
−ピラゾロキナゾロン顔料:
C.I.ピグメントオレンジ67;
C.I.ピグメントレッド251;
−チオインジゴ顔料:
C.I.ピグメントレッド88および181;
C.I.ピグメントバイオレット38;
−トリアリールカルボニウム顔料;
C.I.ピグメントブルー1、61および62;
C.I.ピグメントグリーン1;
C.I.ピグメントレッド81;81:1および169;
C.I.ピグメントバイオレット1、2、3および27;
−C.I.ピグメントブラック1(アニリンブラック);
−C.I.ピグメントイエロー101(アルダジンイエロー);
−C.I.ピグメントブラウン22。
【0018】
適当な無機有色顔料は、例えば次の通りである:
−白色顔料:
二酸化チタン(C.I.ピグメントホワイト6)、亜鉛ホワイト、染料酸化亜鉛;硫化亜鉛、リトポン;
−黒色顔料:
酸化鉄黒(C.I.ピグメントブラック11)、鉄−マンガン−黒、スピネル黒(Spinellschwarz)(C.I.ピグメントブラック27);カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7);
−多色顔料:
酸化クロム、酸化クロム水和物緑;クロム緑(C.I.ピグメントグリーン48);コバルトグリーン(C.I.ピグメントグリーン50);ウルトラマリングリーン;
コバルトブルー(C.I.ピグメントブルー28および36;C.I.ピグメントブルー72);ウルトラマリンブルー;マンガンブルー;
ウルトラマリンバイオレット;コバルトバイオレットおよびマンガンバイオレット;
酸化鉄赤(C.I.ピグメントレッド10);カドミウムスルホセレニド(C.I.ピグメントレッド108);硫化セリウム(C.I.ピグメントレッド265);モリブデン酸塩赤(C.I.ピグメントレッド104);ウルトラマリーンレッド;
酸化鉄ブラウン(C.I.ピグメントブラウン6および7)、混合褐色、スピネルおよびコランダム相(C.I.ピグメントブラウン29、31、33、34、35、37、39および40)、クロムチタン黄(C.I.ピグメントブラウン24)、クロムオレンジ;
硫化セリウム(C.I.ピグメントオレンジ75);
酸化鉄黄(C.I.ピグメントイエロー42);ニッケルチタン黄(C.I.ピグメントイエロー53;C.I.ピグメントイエロー157、158、159、160、161、162、163、164および189);クロムチタン黄;スピネル相(C.I.ピグメントイエロー119);硫化カドミウムおよびカドミウム亜鉛スルフィド(C.I.ピグメントイエロー37および35);クロムイエロー(C.I.ピグメントイエロー34);バナジン酸ビスマス(C.I.ピグメントイエロー184)。
【0019】
光沢顔料は、単相または多層に形成された小板状顔料であり、この小板状顔料の色彩の多様な変化は、干渉現象、反射現象および吸収現象から構成された色彩の多様な変化によって顕著である。例としては、アルミニウム小板ならびに1回または数回、殊に金属酸化物で被覆されたアルミニウム小板、酸化鉄小板および雲母小板が挙げられる。
【0020】
一般に、本発明により有利に使用される着色剤調剤は、顔料(A)を10〜70質量%、有利に10〜60質量%含有する。
【0021】
本発明による好ましい着色剤調剤は、成分(B)として少なくとも1つの染料を含有する。この場合には、殊に水中で可溶性であるかまたは水と混合可能な有機溶剤中または水中で可溶性の有機溶剤中で可溶性である染料が適している。好ましくは、使用される染料(B)は、顔料(A)とそれぞれ比較可能な色調を有する。それというのも、こうして木材材料の特に強力な着色を達成させることができるからである。しかし、また、色調が偏倚した染料(B)を使用することもでき、それによって、着色の濃淡が可能になる。
【0022】
殊に、陽イオン染料および陰イオン染料が適しており、この場合には、陽イオン染料が好ましい。
【0023】
適当な陽イオン染料(B)は、殊にジアリールメタン系列およびトリアリールメタン系列、キサンテン系列、アゾ系列、シアニン系列、アザシアニン系列、メチン系列、アクリジン系列、サフラニン系列、オキサジン系列、インジュリン系列、ニグロシン系列およびフェナジン系列に由来し、この場合には、アゾ系列、トリアリールメタン系列およびキサンテン系列が好ましい。
【0024】
詳細には、例示的に次のものが記載される:C.I.ベーシックイエロー1、2および37;C.I.ベーシックオレンジ2;C.I.ベーシックレッド1および108;C.I.ベーシックブルー1、7および26;C.I.ベーシックバイオレット1、3、4、10、11および49;C.I.ベーシックグリーン1および4;C.I.ベーシックブラウン1および4。
【0025】
陽イオン染料(B)は、外部の塩基性基を含有する染料であることもできる。この場合、適当な例は、C.I.ベーシックブルー15および161である。
【0026】
また、陽イオン染料(B)としては、相応する色素塩基は、可溶性にする酸性薬剤の存在で使用されてもよい。例としては、次のものが挙げられる:C.I.ソルベントイエロー34;C.I.ソルベントオレンジ3;C.I.ソルベントレッド49;C.I.ソルベントバイオレット8および9;C.I.ソルベントブルー2および4;C.I.ソルベントブラック7。
【0027】
適当な陰イオン染料は、殊に一連のアゾ系列、アントラキノン系列、金属錯体系列、トリアリールメタン系列、キサンテン系列およびスチルベン系列からのスルホン酸基含有化合物であり、この場合には、トリアリール系列、アゾ系列および金属錯体系列(なかんずく合錯体系列、クロム系列およびコバルト系列)からの染料が好ましい。
【0028】
詳細には、例えば次のものが挙げられる:C.I.アシッドイエロー3、19、36および204;C.I.アシッドオレンジ7、8および142;C.I.アシッドレッド52、88、351および357;C.I.アシッドバイオレット17および90;C.I.アシッドブルー9、193および199;C.I.アシッドブラック194;陰イオンクロム錯体染料、例えばC.I.アシッドバイオレット46、56、58および65;C.I.アシッドイエロー59;C.I.アシッドオレンジ44、74および92;C.I.アシッドレッド195;C.I.アシッドブラウン355およびC.I.アシッドブラック52;陰イオンコバルト錯体染料、例えばC.I.アシッドイエロー119および204;C.I.ダイレクトレッド80および81。
【0029】
好ましいのは、水溶性染料である。
【0030】
この場合、水溶性を補助する陽イオンとしては、殊にアルカリ金属陽イオン、例えばLi、Na、K、アンモニウムイオンおよび置換されたアンモニウムイオン、殊にアルカノールアンモニウムイオンを挙げることができる。
【0031】
本発明により有利に使用される着色剤調剤は、染料(B)を一般にそれぞれ顔料(A)に対して0.5〜10質量%、有利に1〜8質量%の量で含有する。これは、調剤の全質量に対して一般に0.05〜7質量%、なかんずく0.1〜5.6質量%の量に相当する。
【0032】
好ましい顔料/染料組合せ物は、例えば次のものである:C.I.ピグメントピグメントブルー15:1およびC.I.ベーシックバイオレット4;C.I.ピグメントグリーン7およびC.I.ベーシックグリーン4;C.I.ピグメントレッド48:2およびC.I.ダイレクトレッド80;C.I.ピグメントブラック7およびC.I.ベーシックバイオレット3。
【0033】
本発明による好ましい着色剤調剤中には、成分(C)として少なくとも1つの分散剤が含有されている。
【0034】
特に好ましい分散剤(C)は、非イオン界面活性添加剤および陰イオン界面活性添加剤ならびにこれらの添加剤の混合物である。
【0035】
好ましい非イオン界面活性添加剤(C)は、殊にポリエーテルを基礎とする。
【0036】
混合されていないポリアルキレンオキシド、有利にC〜C−アルキレンオキシドおよびフェニル基置換されたC〜C−アルキレンオキシド、殊にポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよびポリ(フェニルエチレンオキシド)と共に、なかんずくブロックコポリマー、殊にポリプロピレンオキシドブロックおよびポリエチレンオキシドブロックまたはポリ(フェニルエチレンオキシド)ブロックおよびポリエチレンオキシドブロックを有するポリマーならびに前記のアルキレンオキシドのランダムコポリマーが適している。
【0037】
前記のポリアルキレンオキシドは、アルキレンオキシドを開始剤分子、例えば飽和または不飽和の脂肪族アルコールおよび芳香族アルコール、それぞれアルキル、殊にC〜C12−アルキル、有利にC〜C12−アルキルまたはC〜C−アルキルによって置換されていてよいフェノールまたはナフトール、飽和または不飽和の脂肪族アミンおよび芳香族アミン、飽和または不飽和の脂肪族カルボン酸およびカルボン酸アミドに重付加させることによって製造される。通常、開始剤分子1モル当たりアルキレンオキシド1〜300モル、有利に3〜150モルが使用される。
【0038】
この場合適当な脂肪族アルコールは、一般に6〜26個のC原子、有利に8〜18個のC原子を含有し、非分枝鎖状、分枝鎖状または環状に形成されていてよい。例としては、オクタノール、ノナノール、デカノール、イソデカノール、ウンデカノール、ドデカノール、2−ブチルオクタノール、トリデカノール、イソトリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール(セチルアルコール)、2−ヘキシルデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、2−ヘプチルウンデカノール、2−オクチルデカノール、2−ノニルトリデカノール、2−デシルテトラデカノール、オレイルアルコールおよび9−オクタデセノールならびに前記アルコール、例えばC/C10−アルコール、C13/C15−アルコールおよびC16/C18−アルコールの混合物が挙げられる。特に重要なのは、天然の原料からの脂肪分解および還元によって取得される飽和脂肪アルコールおよび不飽和アルコールならびにオキソ合成からの合成脂肪アルコールである。前記アルコールへのアルキレンオキシド付加物は、通常、200〜5000の平均分子量Mを有する。
【0039】
上記の芳香族アルコールの例としては、置換されていないフェノールならびにα−ナフトールおよびβ−ナフトールと共に、ヘキシルフェノール、ヘプチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェニール、イソノニルフェノール、ウンデシルフェノール、ドデシルフェノール、ジブチルフェノールおよびトリブチルフェノールならびにジノニルフェノールが挙げられる。
【0040】
適当な脂肪族アミンは、上記の脂肪族アルコールに相当する。この場合も、有利に14〜20個のC原子を有する飽和脂肪アミンおよび不飽和脂肪アミンは、特に重要である。芳香族アミンとしては、例えばアニリンおよびその誘導体が挙げられる。
【0041】
脂肪族カルボン酸としては、殊に有利に14〜20個のC原子を有する飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸、および水素化された樹脂酸、部分的に水素化された樹脂酸および水素化されていない樹脂酸ならびに多価カルボン酸、例えばジカルボン酸、例えばマレイン酸が適している。
【0042】
適当なカルボン酸アミドは、前記のカルボン酸に由来する。
【0043】
1価アミンおよびアルコールへのアルキレンオキシド付加物と共に、少なくとも二官能性のアミンおよびアルコールへのアルキレンオキシド付加物は、特に重要である。
【0044】
少なくとも二官能性のアミンとしては、殊に式HN−(R−NR−H(R:C〜C−アルキレン;R:水素またはC〜C−アルキル;n:1〜5)に相当する2価〜5価のアミンが好ましい。詳細には、例示的に次のものが挙げられる:エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン−1,3、ジプロピレントリアミン、3−アミノ−1−エチレンアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、ジヘキサメチレントリアミン、1,6−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)ヘキサンおよびN−メチルジプロピレントリアミン、この場合ヘキサメチレンジアミンおよびジエチレントリアミンは、特に好ましく、エチレンジアミンは、殊に好ましい。
【0045】
特に、前記アミンは、最初に酸化プロピレンと反応され、引続きエチレンオキシドと反応される。エチレンオキシドに対するブロックコポリマーの含量は、通常、約10〜90質量%である。
【0046】
多価アミンを基礎とするブロックコポリマーは、一般に1000〜40000、有利に1500〜30000の平均分子量Mを有する。
【0047】
少なくとも二官能性のアルコールとしては、2価〜5価のアルコールが好ましい。例えば、C2〜C6−アルキレングリコールならびに相応するジアルキレングリコールおよびポリアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール−1,2およびプロピレングリコール−1,3、ブチレングリコール−1,2およびブチレングリコール−1,4、ヘキシレングリコール−1,6、ジプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール、グリセリンおよびペンタエリトリットが挙げられ、この場合エチレングリコールおよびポリエチレングリコールは、特に好ましく、プロピレングリコールおよびジプロピレングリコールは、殊に好ましい。
【0048】
少なくとも二官能性のアルコールへの特に好ましいアルキレンオキシド付加物は、中心のポリプロピレンオキシドブロックを有し、即ちプロピレングリコールまたはポリプロピレングリコールから出発し、最初に他の酸化プロピレンと反応され、次にエチレンオキシドと反応される。エチレンオキシドに対するブロックコポリマーの含量は、通常、10〜90質量%である。
【0049】
多価アルコールを基礎とするブロックコポリマーは、一般に1000〜20000、有利に1000〜15000の平均分子量Mを有する。
【0050】
この種のアルキレンオキシドブロックコポリマーは、公知であり、市場で、例えばTetronic(登録商標)およびPluronic(登録商標)(BASF)の名称で入手可能である。
【0051】
陰イオン界面活性添加剤(C)は、殊にスルホネート、スルフェート、ホスホネートまたはホスフェートならびにカルボキシレート基含有界面活性ポリマーを基礎とする。
【0052】
適当なスルホネートの例は、芳香族スルホネート、例えばp−C〜C20−アルキルベンゼンスルホネート、ジ−(C〜C−アルキル)ナフタリンスルホネートおよびナフタリンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ならびに脂肪族スルホネート、例えばC12〜C18−アルカンスルホネート、α−スルホ脂肪酸−C〜C−アルキルエステル、スルホコハク酸エステルならびにアルコキシアルカンスルホネート、アシルオキシアルカンスルホネートおよびアシルアミノアルカンスルホネートである。
【0053】
好ましいのは、アリールスルホネートであり、この場合ジ−(C〜C−アルキル)ナフタリンスルホネートは、特に好ましい。殊に好ましいのは、ジイソブチルナフタリンスルホネートおよびジイソプロピルナフタリンスルホネートである。
【0054】
適当なスルフェートの例は、C〜C20−アルキルスルフェートである。
【0055】
更に、陰イオン界面活性添加剤(C)の重要な群は、非イオン添加剤として記載されたポリエーテルのスルホネート、スルフェート、ホスホネートおよびホスフェートを形成する。
【0056】
前記群は、燐酸、五酸化燐およびホスホン酸または硫酸およびスルホン酸との反応によって燐酸モノエステルもしくは燐酸ジエステルおよびホスホン酸エステルまたは硫酸モノエステルおよびスルホン酸エステルに変換されてよい。これらの酸エステルは、他の上記のスルホネートおよびスルフェートと同様に、有利に水溶性塩の形で、殊にアルカリ金属塩、なかんずくナトリウム塩およびアンモニウム塩として存在するが、しかし、前記の酸エステルは、遊離酸の形で使用されてもよい。
【0057】
好ましいホスフェートおよびホスホネートは、なかんずくアルコキシル化、殊にエトキシル化された脂肪アルコールおよびオキソアルコール、アルキルフェノール、脂肪アミン、脂肪酸および樹脂酸に由来し、好ましいスルフェートおよびスルホネートは、殊にアルコキシル化、なかんずくエトキシル化された脂肪アルコール、アルキルフェノールおよびアミン、また多価アミン、例えばヘキサメチレンジアミンを基礎とする。
【0058】
この種の陰イオン界面活性添加剤は、公知であり、市場で、例えばNekal(登録商標)(BASF)、Tamol(登録商標)(BASF)、Crodafos(登録商標)(Croda)、Rhodafac(登録商標)(Rhodia)、Maphos(登録商標)(BASF)、Texapon(登録商標)(Cognis)、Empicol(登録商標)(Albright & Wilson)、Matexil(登録商標)(ICI)、Soprophor(登録商標)(Rhodia)およびLutensit(登録商標)(BASF)の名称で入手可能である。
【0059】
更に、適当な陰イオン界面活性添加剤(C)は、水溶性のカルボキシレート基含有ポリマーを基礎とする。この陰イオン界面活性添加剤は、含有されている極性基と非極性との比を調節することによって有利にそれぞれの使用目的およびそれぞれの顔料に適合させることができる。
【0060】
前記添加剤の製造に使用されるモノマーは、殊にエチレン系不飽和モノカルボン酸、エチレン系不飽和ジカルボン酸ならびに酸官能基を有しないビニル誘導体である。
【0061】
前記のモノマー群のための例としては、次のものが挙げられる:
− アクリル酸、メタクリル酸およびクロトン酸;
− マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸モノアミド、マレイン酸とアミノキシド基含有誘導体に酸化されていてよいジアミンとの反応生成物およびフマル酸、この場合マレイン酸、マレイン酸無水物およびマレイン酸モノアミドが好ましい;
− ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、メチルスチレンおよびビニルトルエン;エチレン、プロピレン、イソブテン;直鎖状または分枝鎖状のモノカルボン酸のビニルエステル、例えばビニルアセテートおよびビニルプロピオネート;エチレン系不飽和モノカルボン酸のアルキルエステルおよびアリールエステル、殊にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシエチル(メタ)アクリレートならびにフェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレートおよびベンジル(メタ)アクリレート;エチレン系不飽和ジカルボン酸のジアルキルエステル、例えばジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジプロピルマレエート、ジイソプロピルマレエート、ジブチルマレエート、ジペンチルマレエート、ジヘキシルマレエート、ジ−2−エチルヘキシルマレエート、ジノニルマレエート、ジラウリルマレエートおよびジ−2−ヒドロキシエチルマレエートならびにジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジプロピルフマレート、ジイソプロピルフマレート、ジブチルフマレート、ジペンチルフマレート、ジヘキシルフマレート、ジ−2−エチルヘキシルフマレート、ジノニルフマレート、ジラウリルフマレートおよびジ−2−ヒドロキシエチルフマレート;ビニルピロリドン;アクリルニトリルおよびメタクリルニトリル、この場合には、スチレンが好ましい。
【0062】
前記モノマーのホモポリマー、殊にポリアクリル酸と共に、なかんずく記載されたモノマーのコポリマーは、添加剤(C)として適当である。コポリマーは、ランダムなコポリマー、ブロックコポリマーおよびグラフトコポリマーである。
【0063】
特に、ポリマーの添加剤(C)のカルボキシル基は、少なくとも部分的に塩の形で存在し、水溶性を保証する。例えば、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩およびカリウム塩ならびにアンモニウム塩が適当である。
【0064】
通常、ポリマー添加剤(C)は、1000〜250000の平均分子量Mwを有し、酸価は、一般に40〜800である。
【0065】
好ましいポリマーの添加剤(C)の例は、ポリアクリル酸ならびにそれぞれ付加的なモノマー成分としてアクリル酸エステルおよび/またはマレイン酸エステルを含有することができるスチレン/アクリル酸−コポリマー、アクリル酸/マレイン酸−コポリマー、ブタジエン/アクリル酸−コポリマーおよびスチレン/マレイン酸−コポリマーである。
【0066】
特に好ましいポリマー添加剤(C)は、一般に1000〜250000の平均分子量Mwおよび200以上の酸価を有するポリアクリル酸および一般に1000〜50000の平均分子量Mwおよび50以上の酸価を有するスチレン/アクリル酸−コポリマーである。
【0067】
この種の陰イオン界面活性添加剤は、同様に公知であり、市場で例えばSokolan(登録商標)(BASF)、Joncryl(登録商標)(Johnson Polymer)、Neoresin(登録商標)(Avecia)ならびにOrotan(登録商標)およびMorez(登録商標)(Rohm & Haas)の名称で得ることができる。
【0068】
本発明により有利に使用される着色剤調剤は、通常、1〜50質量%、殊に1〜40質量%の分散剤(C)の含量を有する。
【0069】
水は、本発明により使用される着色剤調剤の液状の担持材料を形成する。
【0070】
特に、着色剤調剤は、水と保水剤との混合物を液相として含有する。保水剤としては、殊に難蒸発性であり(即ち、一般に100℃を上廻る沸点を有する)、したがって保水作用を有し、水中で可溶性であるかまたは水と混合可能である有機溶剤が使用される。
【0071】
適当な保水剤の例は、多価アルコール、有利に2〜8個のC原子、殊に3〜6個のC原子を有する非分枝鎖状多価アルコールおよび分枝鎖状多価アルコール、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコールおよび1,3−プロピレングリコール、グリセリン、エリトリット、ペンタエリトリット、ペンチトール、例えばアラビトール、アドニトールおよびキシリトール、ならびにヘキシトール、例えばソルビトール、マンニトールおよびズルシトールである。更に、例えばジアルキレングリコール、トリアルキレングリコールおよびテトラアルキレングリコールならびにこれらのモノー(なかんずくC〜C−、殊にC〜C−)アルキルエーテルも適当である。例示的に、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルおよびジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテルおよびトリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジ−1,2−プロピレングリコール、トリ−1,2−プロピレングリコールおよびテトラ−1,2−プロピレングリコールならびにジ−1,3−プロピレングリコール、トリ−1,3−プロピレングリコールおよびテトラ−1,3−プロピレングリコール、ならびに
ジ−1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテル、トリ−1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびテトラ−1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテルならびにジ−1,3−プロピレングリコールモノメチルエーテル、トリ−1,3−プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびテトラ−1,3−プロピレングリコールモノメチルエーテル、
ジ−1,2−プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリ−1,2−プロピレングリコールモノエチルエーテルおよびテトラ−1,2−プロピレングリコールモノエチルエーテルならびにジ−1,3−プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリ−1,3−プロピレングリコールモノエチルエーテルおよびテトラ−1,3−プロピレングリコールモノエチルエーテル、
ジ−1,2−プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリ−1,2−プロピレングリコールモノプロピルエーテルおよびテトラ−1,2−プロピレングリコールモノプロピルエーテルならびにジ−1,3−プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリ−1,3−プロピレングリコールモノプロピルエーテルおよびテトラ−1,3−プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ならびに
ジ−1,2−プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリ−1,2−プロピレングリコールモノブチルエーテルおよびテトラ−1,2−プロピレングリコールモノブチルエーテルならびにジ−1,3−プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリ−1,3−プロピレングリコールモノブチルエーテルおよびテトラ−1,3−プロピレングリコールモノブチルエーテル挙げられる。
【0072】
一般に、本発明により有利に使用される着色剤調剤は、液相(D)を10〜88.95質量%、有利に10〜80質量%含有する。水が保水性の有機溶剤との混合物で存在する場合には、この溶剤は、一般に相(D)に対して1〜80質量%、有利に1〜60質量%を占める。
【0073】
更に、着色剤調剤は、なお通常の添加剤、例えば殺菌剤、消泡剤、抗沈殿剤およびレオロジー変性剤を含有することができ、この場合この添加剤の含量は、一般に5質量%までであることができる。
【0074】
本発明による好ましい、顔料ならびに染料を含有する着色剤調剤は、種々の方法で得ることができる。特に、最初に顔料分散液が製造され、この顔料分散液には、染料が固体として添加されるかまたは殊に溶解された形で添加される。
【0075】
実施例
1.着色剤調剤の製造
OSB板の着色のためには、次の着色剤調剤が使用された。
【0076】
1.1緑の顔料調剤
湿式粉砕によって撹拌型ボールミル中で得られた、
C.I.ピグメントグリーン7 40質量%、
40質量%のエチレンオキシド含量および6500の平均分子量Mnを有する、エチレンジアミン/プロピレンオキシド/エチレンオキシドを基礎とするブロックコポリマー
8質量%、
ジプロピレングリコール 15質量%、
水 37質量%からなる混合物。
【0077】
1.2赤の顔料調剤
湿式粉砕によって撹拌型ボールミル中で得られた、
C.I.ピグメントレッド48:2 30質量%、
216mg KOH/gの酸価および9200の平均分子量Mnを有するアクリル酸/スチレン−コポリマーの26質量%のアンモニア溶液 29質量%
ジプロピレングリコール 1質量%、
水 40質量%からなる混合物。
【0078】
1.3黒の顔料調剤
湿式粉砕によって撹拌型ボールミル中で得られた、
C.I.ピグメントブラック7 40質量%、
40質量%のエチレンオキシド含量および12000の平均分子量Mnを有する、エチレンジアミン/プロピレンオキシド/エチレンオキシドを基礎とするブロックコポリマー
10質量%、
ジプロピレングリコール 22質量%、
水 28質量%からなる混合物。
【0079】
1.4青の顔料調剤
湿式粉砕によって撹拌型ボールミル中で得られた、
C.I.ピグメントブルー15:1 40質量%、
40質量%のエチレンオキシド含量および6700の平均分子量Mnを有する、エチレンジアミン/プロピレンオキシド/エチレンオキシドを基礎とするブロックコポリマー
8質量%、
ジプロピレングリコール 10質量%、
水 42質量%からなる混合物。
【0080】
1.5緑の着色剤調剤
緑の顔料調剤No.1.1 25質量%および48質量%の酢酸中のC.I.ベーシックグリーンの47質量%の溶液7質量%ならびに水68質量%からなる混合物。
【0081】
1.6赤の着色剤調剤
湿式粉砕によって撹拌型ボールミル中で得られた、
C.I.ピグメントレッド48:2 26質量%、
C.I.ダイレクトレッド80 5質量%、
216mg KOH/gの酸価および9200の平均分子量Mnを有する、アクリル酸/スチレン−コポリマーの26質量%のアンモニア溶液
24質量%、
ジプロピレングリコール 5質量%、
水 40質量%からなる混合物。
【0082】
1.7黒の着色剤調剤
黒の顔料調剤No.1.3 94質量%および30質量%の酢酸中のC.I.ベーシックバイオレット3の10質量%の溶液6質量%からなる混合物。
【0083】
1.8青の着色剤調剤
青の顔料調剤No.1.4 90質量%および30質量%の酢酸中のC.I.ベーシックバイオレット4の10質量%の溶液10質量%からなる混合物。
【0084】
1.9バイオレットの着色剤調剤
30質量%の酢酸中のC.I.ベーシックバイオレット4の10質量%の溶液。
【0085】
1.10緑の着色剤調剤
48質量%の酢酸中のC.I.ベーシックグリーン4の47質量%の溶液。
【0086】
2.着色されたOSB板の製造
OSB板の製造のために、次表中に記載されたサイズ剤バッチ量を使用した:
【0087】
【表1】

【0088】
2.1緑に着色されたOSB板の製造
ストランドを乾燥前に水中の顔料調剤No.1.1の0.5質量%の分散液での噴霧によって着色し、ドラム乾燥機中で1〜2質量%の湿分に乾燥した。
【0089】
その後に、着色されたストランドを中心層フラクションと被覆層フラクションとに分割し、別々の連続混合装置中で表中に記載されたサイズ剤バッチ量でサイジングした。
【0090】
サイジングされたストランドを通常の方法でマットに積み重ね、200℃で板に圧縮した。
【0091】
得られたOSB板は、均質で濃厚な緑色を示した。木材構造は、研磨後に目視可能であった。
【0092】
2.2イソシアネート結合された中間層を有する赤に着色されたOSB板の製造
ストランドを乾燥前に水中の顔料調剤No.1.2の0.2質量%の分散液への浸漬によって着色し、ドラム乾燥機中で1〜2質量%の湿分に乾燥した。
【0093】
その後に、着色されたストランドを中心層フラクションと被覆層フラクションとに分割し、別々の連続混合装置中でサイジングした。被覆層のストランドには、表中に記載されたサイズ剤バッチ量を使用した。中心層のためのストランドをイソシアネート4質量%(MDI)でサイジングし、この場合には、このイソシアネートは、サイジングの直前に水中(質量比1:1)で乳化された。
【0094】
サイジングされたストランドを通常の方法でマットに積み重ね、200℃で板に圧縮した。
【0095】
得られたOSB板は、均質で濃厚な赤色を示した。木材構造は、研磨後に目視可能であった。
【0096】
2.3イソシアネート結合された中間層を有する黒に着色されたOSB板の製造
ストランドを乾燥前に水中の顔料調剤No.1.3の5質量%の分散液への浸漬によって着色し、引続き1〜3質量%の湿分に乾燥した。
【0097】
その後に、着色されたストランドを中心層フラクションと被覆層フラクションとに分割し、別々の連続混合装置中でサイジングした。被覆層のストランドには、表中に記載されたサイズ剤バッチ量を使用した。中心層のためのストランドをイソシアネート4質量%(MDI)でサイジングし、この場合には、このイソシアネートは、サイジングの直前に水中(質量比1:1)で乳化された。
【0098】
サイジングされたストランドを通常の方法でマットに積み重ね、200℃で板に圧縮した。
【0099】
得られたOSB板は、均質で光り輝く濃厚な黒色を示した。木材構造は、研磨後に目視可能であった。
【0100】
2.4青に着色されたOSB板の製造
ストランドを乾燥前に水中の染料調剤No.1.43の0.5質量%の溶液への浸漬によって着色し、ドラム乾燥機中で1〜2質量%の湿分に乾燥した。
【0101】
その後に、着色されたストランドを中心層フラクションと被覆層フラクションとに分割し、別々の連続混合装置中で表中に記載されたサイズ剤バッチ量を用いてサイジングした。
【0102】
サイジングされたストランドを通常の方法でマットに積み重ね、200℃で板に圧縮した。
【0103】
得られたOSB板は、均質で濃厚な青色を示した。木材構造は、研磨後に目視可能であった。
【0104】
2.5緑に着色されたOSB板の製造
ストランドを乾燥前に水中の顔料調剤No.1.5の0.6質量%の分散液への浸漬によって着色し、ドラム乾燥機中で1〜2質量%の湿分に乾燥した。
【0105】
その後に、着色されたストランドを中心層フラクションと被覆層フラクションとに分割し、別々の連続混合装置中で表中に記載されたサイズ剤バッチ量を用いてサイジングした。
【0106】
サイジングされたストランドを通常の方法でマットに積み重ね、200℃で板に圧縮した。
【0107】
得られたOSB板は、均質で濃厚な緑色を示した。木材構造は、研磨後に目視可能であった。
【0108】
2.6赤に着色された被覆層およびイソシアネート結合された中心層を有するOSB板の製造
乾燥されたストランドを中心層フラクションと被覆層フラクションとに分割した。
【0109】
被覆層のためのストランドを水中の着色剤調剤No.1.6の5質量%の分散液への浸漬によって着色し、引続き表中に被覆層のために記載されたサイズ剤バッチ量でサイジングした。
【0110】
中心層のためのストランドをイソシアネート4質量%(NDI)でサイジングし、この場合には、このイソシアネートは、サイジングの直前に水中(質量比1:1)で乳化された。
【0111】
サイジングされたストランドを通常の方法でマットに積み重ね、200℃で板に圧縮した。
【0112】
得られたOSB板は、被覆層の1つが均質で光り輝く濃厚な赤色を示した。木材構造は、研磨後に目視可能であった。
【0113】
2.7黒に着色されたOSB板の製造
ストランドを乾燥前に水中の染料調剤No.1.7の3質量%の溶液への浸漬によって着色し、ドラム乾燥機中で1〜2質量%の湿分に乾燥した。
【0114】
その後に、着色されたストランドを中心層フラクションと被覆層フラクションとに分割し、別々の連続混合装置中で表中に記載されたサイズ剤バッチ量を用いてサイジングした。
【0115】
サイジングされたストランドを通常の方法でマットに積み重ね、200℃で板に圧縮した。
【0116】
得られたOSB板は、均質で濃厚な黒色を示した。木材構造は、研磨後に目視可能であった。
【0117】
2.8青に着色された被覆層およびイソシアネート結合された中心層を有するOSB板の製造
乾燥されたストランドを中心層フラクションと被覆層フラクションとに分割した。
【0118】
被覆層のためのストランドを水中の着色剤調剤No.1.8の5質量%の分散液への浸漬によって着色し、引続き表中に被覆層のために記載されたサイズ剤バッチ量でサイジングした。
【0119】
中心層のためのストランドをイソシアネート4質量%(NDI)でサイジングし、この場合には、このイソシアネートは、サイジングの直前に水中(質量比1:1)で乳化された。
【0120】
サイジングされたストランドを通常の方法でマットに積み重ね、200℃で板に圧縮した。
【0121】
得られたOSB板は、被覆層の1つが均質で光り輝く濃厚な青色を示した。木材構造は、研磨後に目視可能であった。
【0122】
2.9バイオレットに着色されたOSB板の製造
ストランドを乾燥前に水中の顔料調剤No.1.9の0.3質量%の分散液での噴霧によって着色し、ドラム乾燥機中で1〜2質量%の湿分に乾燥した。
【0123】
その後に、着色されたストランドを中心層フラクションと被覆層フラクションとに分割し、別々の連続混合装置中で表中に記載されたサイズ剤バッチ量を用いてサイジングした。
【0124】
サイジングされたストランドを通常の方法でマットに積み重ね、200℃で板に圧縮した。
【0125】
得られたOSB板は、均質で濃厚なバイオレット色を示した。木材構造は、研磨後に目視可能であった。
【0126】
2.10緑に着色された被覆層およびイソシアネート結合された中心層を有するOSB板の製造
乾燥されたストランドを中心層フラクションと被覆層フラクションとに分割した。
【0127】
被覆層のためのストランドを水中の着色剤調剤No.1.10の5質量%の分散液への浸漬によって着色し、引続き表中に被覆層のために記載されたサイズ剤バッチ量でサイジングした。
【0128】
中心層のためのストランドをイソシアネート4質量%(NDI)でサイジングし、この場合には、このイソシアネートは、サイジングの直前に水中(質量比1:1)で乳化された。
【0129】
サイジングされたストランドを通常の方法でマットに積み重ね、200℃で板に圧縮した。
【0130】
得られたOSB板は、被覆層の1つが均質で光り輝く濃厚な緑色を示した。木材構造は、研磨後に目視可能であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色されたOSB板の製造法において、基材としてOSB板に使用される木材ストランドを乾燥前または乾燥後に液状の着色剤調剤と接触させ、引続き常法でサイジングし、3層のマットに積み重ね、このマットを2つの被覆層を有する中間層からなる板に熱間圧縮することを特徴とする、着色されたOSB板の製造法。
【請求項2】
ストランドを連続的に着色剤溶液または着色剤分散液中での噴霧または着色剤溶液または着色剤分散液中への浸漬によって着色する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ストランドをOSB板の被覆層および/または中間層のために着色する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
着色剤調剤として顔料調剤、染料調剤または顔料および染料を含有する調剤を使用する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの顔料および顔料に対して少なくとも1つの染料を0.5〜10質量%含有する着色剤調剤を使用する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
(A)少なくとも1つの顔料10〜70質量%、
(B)少なくとも1つの染料0.05〜7質量%、
(C)少なくとも1つの分散剤1〜50質量%、
(D)水または水と少なくとも1つの保水剤との混合物10〜88.95質量%および
(E)着色剤調剤にとって常用の他の成分0〜5質量%を含有する着色剤調剤を使用する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
成分(B)として少なくとも1つの陰イオン染料または陽イオン染料を含有する着色剤調剤を使用する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
成分(C)として少なくとも1つの非イオン界面活性添加剤、少なくとも1つの陰イオン界面活性添加剤またはこれら界面活性添加剤の混合物を含有する着色剤調剤を使用する、請求項6記載の方法。
【請求項9】
保水剤として水中で可溶性かまたは水と混合可能な難蒸発性の有機溶剤を含有する着色剤調剤を使用する、請求項6記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの顔料および顔料に対して少なくとも1つの染料を0.5〜10質量%含有する着色剤調剤で着色されたOSB板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色されたOSB板の製造法において、基材としてOSB板に使用される木材ストランドを乾燥前または乾燥後に顔料および染料を含有する液状の着色剤調剤と接触させ、引続き常法でサイジングし、3層のマットに積み重ね、このマットを2つの被覆層を有する中間層からなる板に熱間圧縮することを特徴とする、着色されたOSB板の製造法。
【請求項2】
ストランドを連続的に着色剤溶液または着色剤分散液中での噴霧または着色剤溶液または着色剤分散液中への浸漬によって着色する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ストランドをOSB板の被覆層および/または中間層のために着色する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの顔料および顔料に対して少なくとも1つの染料を0.5〜10質量%含有する着色剤調剤を使用する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
(A)少なくとも1つの顔料10〜70質量%、
(B)少なくとも1つの染料0.05〜7質量%、
(C)少なくとも1つの分散剤1〜50質量%、
(D)水または水と少なくとも1つの保水剤との混合物10〜88.95質量%および
(E)着色剤調剤にとって常用の他の成分0〜5質量%を含有する着色剤調剤を使用する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
成分(B)として少なくとも1つの陰イオン染料または陽イオン染料を含有する着色剤調剤を使用する、請求項記載の方法。
【請求項7】
成分(C)として少なくとも1つの非イオン界面活性添加剤、少なくとも1つの陰イオン界面活性添加剤またはこれら界面活性添加剤の混合物を含有する着色剤調剤を使用する、請求項記載の方法。
【請求項8】
保水剤として水中で可溶性かまたは水と混合可能な難蒸発性の有機溶剤を含有する着色剤調剤を使用する、請求項記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの顔料および顔料に対して少なくとも1つの染料を0.5〜10質量%含有する着色剤調剤で着色されたOSB板。

【公表番号】特表2006−516106(P2006−516106A)
【公表日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−544079(P2004−544079)
【出願日】平成15年10月6日(2003.10.6)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011012
【国際公開番号】WO2004/035277
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】