説明

着色安定性超吸収剤

式(I)[Mは水素原子、アンモニウムイオン、一価金属イオン、または周期表の第1、2、8、9、10、12または14族の1当量の二価金属イオンを表し;R1は、OHまたはNR45を表し、R4およびR5は、独立して、HまたはC1−C6−アルキルを表し;R2は、H、または独立してC1−C6−アルキル、OH、O−C1−C6−アルキル、ハロゲンおよびCF3から選択される1、2もしくは3個の置換基を場合により有するアルキル、アルケニル、シクロアルキルもしくはアリール基を表し;R3は、COOM、SO3M、COR4、CONR45またはCOOR4を表し、M、R4およびR5は、それぞれ以上に定義されている通りであり、あるいはR2が以上に示されているように場合により置換されているアリールを表す場合は、Hをも表す]の化合物、それらの塩あるいは当該化合物および/またはそれらの塩の混合物を含む超吸収剤は、高温または高い相対湿度下での貯蔵に際して変色に対する改良された安定性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色安定性超吸収剤、それを製造するための方法およびその使用、ならびにそれを含む衛生品に関する。着色安定性超吸収剤は、高温および大気湿度の下での貯蔵中に変色することがあっても、その程度がわずかな超吸収剤を指すものと理解される。
【0002】
超吸収剤は既知である。当該材料については、「高膨潤性ポリマー」、「ヒドロゲル」(乾燥した形でもしばしば使用される)、「ヒドロゲル形成ポリマー」、「吸水性ポリマー」、「吸収性ゲル形成材料」、「膨潤性樹脂」、「吸水性樹脂」等の名称も広く使用されている。当該物質は、架橋親水性ポリマー、特に(共)重合親水性モノマーのポリマー、好適なグラフトベース上の1つ以上の親水性モノマーのグラフト(コ)ポリマー、架橋セルロースエーテルまたはデンプンエーテル、架橋カルボキシメチルセルロース、部分架橋ポリアルキレンオキシド、または水性液体で膨潤可能な天然物、例えばグア誘導体であり、なかでも部分的に中和したアクリル酸に基づく吸水性ポリマーが最も普及している。超吸収剤の本質的な特性は、その質量の水性液体を数回吸収し、特定の圧力下でも液体を再び放出しない能力にある。乾燥粉末状で使用される超吸収剤は、液体を吸収するとゲルに変換され、従来どおり水を吸収するとヒドロゲルに変換される。ポリマーを水に不溶にするため、架橋は、合成超吸収剤に不可欠であり、通例の純粋な増粘剤との重要な差違である。可溶性物質は、超吸収剤として使用することはできない。超吸収剤が用いられる最も重要な分野は、体液の吸収である。超吸収剤は、例えば、幼児用オムツ、成人用失禁対応用品または女性衛生用品に使用される。他の使用分野は、例えば、市場園芸における保水剤として、火災からの保護のための貯水として、食品包装における液体吸収のため、または極一般的な吸湿のための使用である。
【0003】
超吸収剤は、その質量の水を数回吸収し、特定の圧力下でそれを保持することができる。概して、当該超吸収剤は、少なくとも5g/g、好ましくは少なくとも10g/g、より好ましくは少なくとも15g/gのCRC(「遠心分離保持能」、試験法については以下参照)を有している。「超吸収材」は、異なる個々の超吸収性物質の混合物、またはそれらが相互作用したときのみ超吸収特性を発揮する成分の混合物であってもよい;超吸収性としての物質の組成は、ここではさほど重要でない。
【0004】
超吸収剤にとって、その吸収能力だけでなく、圧力下で液体を保持する能力(保持率)および膨潤状態での輸液も重要である。膨潤ゲルは、未膨潤の超吸収剤への輸液を妨害または防止することができる(「ゲルブロッキング」)。液体のための良好な輸送特性は、例えば、膨潤状態で高いゲル強度を有するヒドロゲルによって保有される。低いゲル強度しか有さないゲルは、加圧(体圧)下で変形可能であり、超吸収剤/セルロース繊維吸引体における孔をブロックし、液体のさらなる吸収を防止する。ゲル強度の向上は、一般には、より高度な架橋を通じて達成されるが、それは、製品の吸収能力を低下させる。ゲル強度を向上させる簡潔な方法は、超吸収剤粒子の内部と比較して、粒子の表面における架橋度を大きくする方法である。このために、通常、表面後架橋工程で使用され、平均的な架橋密度を有する超吸収剤粒子は、その粒子の薄い表面層がさらに架橋される。表面後架橋は、超吸収剤粒子のシェルの架橋密度を増加させ、圧縮応力下での吸収をより高レベルに引き上げる。超吸収剤粒子の表面層の吸収能力は低下するが、移動ポリマー鎖が存在することで、そのコアの吸収能力はシェルと比較して向上するため、シェル構造は、ゲルブロッキングを生じることなく、液体伝達を確実に向上させる。さらに全体的に比較的高度に架橋された超吸収剤が得られ、続いて、粒子の内部の架橋度を粒子の外側シェルと比較して低下させられることも知られている。
【0005】
超吸収剤を製造するための方法も既知である。市販の最も一般的なアクリル酸に基づく超吸収剤は、アクリル酸を架橋剤(「内部架橋剤」)の存在下でフリーラジカル重合し、典型的には、アルカリ、通常は水酸化ナトリウム水溶液を添加することによって重合の前、後または部分的に前および部分的に後にアクリル酸をある程度まで中和して製造する。そうして得られたポリマーゲルは、粉砕され(使用する重合反応器に応じて、重合と同時に実施可能)、乾燥される。通常、そうして得られた乾燥粉末(「基材ポリマー」)は、粒子内部と比較して、より高度に架橋された表面層を得るために、さらなる架橋剤、例えば有機架橋剤または多価陽イオン、例えば(通常は硫酸アルミニウムの形で使用される)アルミニウムまたはその両方と反応させることによって、粒子の表面が後架橋される。
【0006】
超吸収剤にしばしば生じる問題は、高温または高い大気湿度下での貯蔵中に生じる変色である。当該状態は、熱帯国または亜熱帯国で超吸収剤を貯蔵する場合にしばしば生じる。超吸収剤は、当該条件下で黄変する傾向がある;さらには褐色、または黒色になることすらある。実質的に無色の超吸収剤粉末の変色は、特に所望の薄型衛生品で認識可能であるため、見苦しくて望ましくなく、消費者は、外観の悪い衛生品を認めない。変色の原因は完全には明らかにされていないが、重合による残留モノマーなど反応性化合物、いくつかの開始剤の使用、モノマーにおける不純物または中和剤、表面後架橋剤またはモノマーにおける安定剤の使用が関与しているものと思われる。
【0007】
Fredric L.BuchholzおよびAndrew T.Graham(編)は、"Modern Superabsorbent Polymer Technology",J.Wiley&Sons,New York,U.S.A./Wiley−VCH,Weinheim,Germany,1997,ISBN 0−471−19411−5において、超吸収剤、その特性および超吸収剤を製造するための方法の包括的概要を示している。
【0008】
WO2008/055856A1には、超吸収剤の製造の過程でアクリル酸の部分中和に使用される水酸化ナトリウム溶液の過度に高い鉄含有量によって引き起こされる超吸収剤の変色の、リン酸またはリン酸塩の添加による防止が教示されている。JP05/086251Aには、リン酸誘導体またはその塩、特に、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−二リン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)またはアルカリ金属もしくはそのアンモニウム塩の、変色に対する超吸収剤の安定剤としての使用が教示されている。WO03/059962A1またはそれに相当する特許出願US2005/0085604A1には、超吸収剤製造の任意の工程における金属キレート剤の使用、および変色対策としての含水ポリマーの乾燥前の還元剤または酸化剤の添加が開示されている。WO03/014172A2は、超吸収剤の変色を防止するための、特にアルデヒドが含まれていない、高純度のアクリル酸から形成された超吸収剤の使用に関する。WO00/55245A1には、無機還元剤および場合により金属塩での処理による変色に対する超吸収剤の安定化が教示されている。無機還元剤は、典型的には、次亜リン酸塩、亜リン酸塩、亜硫酸水素塩または亜硫酸塩である。金属塩は、典型的には、無色(「無色」の特性はしばしば単に「白色」とも称する)のリン酸塩、酢酸塩または乳酸塩であり、ハロゲン化物でない。WO2006/058682の教示によれば、超吸収剤の変色は、乾燥および後架橋反応が酸化気体を実質的に含まない雰囲気中で実施された場合、超吸収剤の変色は回避される。
【0009】
EP505163A1には、表面活性物質と、例えば非置換または置換アルキルもしくはアリールスルフィン酸またはそれらの塩を二重結合上に加える化合物とを併用して、超吸収剤における残留モノマーの量を低減することが開示されている。EP668080A2および部分出願EP1570869A1は、表面後架橋後に、残留する表面後架橋剤、特に表面後架橋剤として使用されたエポキシ化合物の量を低減するため、スルフィン酸を含むが、有機酸またはスルフィン酸の塩を除く有機酸、またはポリアミノ酸、あるいはそれらの塩の使用に関する。EP386897A2の教示によれば、EP441975A1およびEP605215A1には、重合による残留モノマーの量を低減するための亜硫酸塩、亜硫酸水素塩またはチオ硫酸塩の使用が教示されている。EP1645596A1には、無機塩、アミノカルボキシ酸キレート剤および有機抗酸化剤の添加による超吸収剤の安定化が教示されている。使用する無機塩は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ジチオン酸塩、トリチオ酸塩、テトラチオ酸塩、チオ硫酸塩または亜硝酸塩である。EP1577349A1には、同じ目的でのこれらの塩の使用が教示され、それらで処理された超吸収剤の鉄含有量は、1質量ppm未満に維持される。US2009/0023848A1には、変色に対する安定化を目的とする抗酸化剤、例えば2−ヒドロキシスルフィナト酢酸による超吸収剤の処理が開示されている。
【0010】
EP1199315A2には、重合反応を開始するための酸化還元開始剤系であって、還元性成分としてスルフィン酸またはスルフィン酸塩、特に2−ヒドロキシスルフィナト酢酸またはその塩を含む酸化還元開始剤系の使用が教示されている。WO99/18067A1には、特定のヒドロキシルもしくはアミノアルキルもしくはアリールスルフィン酸誘導体またはそれらの混合物、およびホルムアルデヒドを除去しない還元剤としてのそれらの使用が開示されている。WO2004/084962A1は、部分的に中和されたアクリル酸を超吸収剤に重合するための酸化還元開始剤の還元性成分としてのこれらのスルフィン酸誘導体の使用に関する。過度に多量の開始剤は、不必要に短いポリマー鎖をもたらし、結果、ポリマーにおける抽出物の含有量が不必要に高くなるため、開始剤は少量で使用される。酸化還元開始剤の構成成分は、重合の過程でさらに消耗され、完成ポリマーにおいて効果を示さず、通常は完成ポリマーにおいて検出不可能である。しかし、いくつかの開始剤の場合は、ポリマーに残留する有色反応生成物が望ましくない方法で形成する可能性もある。一般に、いくつかの慣例の試験において、好適な開始剤は十分検出可能である。
【0011】
先行技術の国際特許出願PCT/EP2008/051009には、とりわけ変色に対する安定性を向上させるための、二価金属陽イオンの塩基性塩の超吸収剤への添加が教示されている。先行する国際特許出願PCT/EP2008/051010には、同じ目的でのカルボン酸塩および/または三価金属陽イオンの塩基性塩の使用が開示されている。
【0012】
本発明の目的は、他の超吸収剤、あるいは変色、特に、高温および/または高い大気湿度下での貯蔵中の黄変または褐色化に対してより良好に安定化される超吸収剤を見いだすことである。これは、超吸収剤の使用特性、特に、圧力下を含む液体の吸収能力、および液体を伝達する能力のみならずその易流動性を損なうことがあったとしても微々たるものである。本発明のさらなる目的は、当該超吸収剤を製造するための方法、およびこの超吸収剤の使途を見いだすことにある。
【0013】
この目的は、式(I)
【化1】

[式中、
Mは水素原子、アンモニウムイオン、一価金属イオン、または周期表の第1、2、8、9、10、12もしくは14族の元素1当量の二価金属イオンであり;
1は、OHまたはNR45であり、R4およびR5は、それぞれ独立して、HまたはC1−C6−アルキルであり;
2は、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキルもしくはアリール基であり、この基は、それぞれ独立して、C1−C6−アルキル、OH、O−C1−C6−アルキル、ハロゲンおよびCF3から選択される1、2もしくは3個の置換基を場合により有し;
3は、COOM、SO3M、COR4、CONR45またはCOOR4であり、M、R4およびR5は、それぞれ以上に定義されている通りであり、あるいはR2が以上に示されているように場合により置換されている場合は、Hでもある]の化合物、その塩、または当該化合物および/またはそれらの塩の混合物を含む超吸収剤によって達成される。
【0014】
この超吸収剤を製造するための方法、この超吸収剤の使用、およびこの超吸収剤を含む衛生品がさらに見いだされた。
【0015】
その式によって表されるスルフィン酸誘導体を含む発明の超吸収剤は、それらの使用特性を損なうことなく、驚くほど良好な変色に対する安定性を示す。
【0016】
上式において、アルキルは、好ましくは1〜6個、特に1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基を表す。アルキル基の例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル等が挙げられる。O−アルキルにおけるアルキル基も同様である。アルケニルは、好ましくは3〜8個の炭素原子、特に3〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルケニル基を表す。好適なアルケニル基は、アリル基である。シクロアルキルは、特にC1−C6−シクロアルキルであり、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが特に好ましい。アリール(アラルキルを含む)は、好ましくはフェニルまたはナフチルである。アリール基がフェニル基であり、置換されている場合、好ましくは2個の置換基を有する。これらは、特に2および/または3位に存在する。
【0017】
ハロゲンは、F、Cl、BrおよびI、好ましくはClおよびBrである。
【0018】
Mは、好ましくは、アンモニウムイオン、アルキル金属イオンまたは1当量のアルカリ土類金属もしくは亜鉛イオンである。好適なアルカリ金属イオンは、特にナトリウムイオンおよびカリウムイオンである;好適なアルカリ土類金属イオンは、特に、マグネシウム、ストロンチウムおよびカルシウムイオンである。
【0019】
1は、好ましくは、ヒドロキシルまたはアミノ基である。
【0020】
2は、好ましくは、水素原子、または以上のように置換されていてよいアルキルもしくはアリール基である。それは、好ましくは、1つまたは2つのヒドロキシルおよび/またはアルコキシ置換基を有する。
【0021】
3は、好ましくは、COOMまたはCOOR4(MおよびR4は、それぞれ以上に定義されている通りである)であり、R1が以上に示されるように置換されていてよいアリールである場合は、水素原子でもある。
【0022】
好適な実施形態において、超吸収剤は、Mがアルカリ金属イオンまたは1当量のアルカリ土類金属もしくは亜鉛イオンであり;R1がヒドロキシルまたはアミノ基であり;R2がHまたはアルキルであり、R3がCOOMまたはCOOR4であり、R3がCOOMである場合は、このCOOM基におけるMがH、アルカリ金属イオンまたは1当量のアルカリ土類金属イオンであり、R3がCOOR4である場合は、R4がC1−C6−アルキルである上式の化合物を含む。
【0023】
さらに好適な実施形態において、超吸収剤は、Mがアルカリ金属イオンまたは1当量のアルカリ土類金属もしくは亜鉛イオンであり;R1がヒドロキシルまたはアミノ基であり;R2が以上に示されるように場合により置換されたアリール、特にヒドロキシフェニルC1−C4−アルコキシフェニルであり;R3が水素原子である上式の化合物を含む。
【0024】
化学分野の命名法に携わる国際機関である現行のIUPAC番号付け(International Union of Pure and Applied Chemistry,104 T.W.Alexander Drive,Building 19,Research Triangle Park,NC 27709,U.S.A.,www.iupac.org)における元素周期表の第1族(H、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr)、第2族(Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、第8族(Fe、Ru、Os)、第9族(Co、Rh、Ir)、第10族(Ni、Pd、Pt)、第12族(Zn、Cd、Hg)および第14族(C、Si、Ge、Sn、Pb)は、CAS(Chmical Abstracts Service,2540 Olentangry River Road,Columbus,OH 43202,U.S.A.,www.cas.org)に使用される番号付けにおける第Ia族、IIa族、IIb族、IVa族およびVIIIb族に対応する。
【0025】
上式のスルフィン酸誘導体を純粋な形だけでなく、場合により、対応する金属イオンの亜硫酸塩と、当該化合物の製造により通例の方法で得られる、対応するスルホン酸との混合物で使用することもできる。上式の当該スルフィン酸誘導体の製造は既知であり、例えばWO99/18067A1に記載されている。それらは、また、従来の商品であり、例えば、L.Brueggemann KG(Salzstrasse 131,74076 Heilbronn,Germany,www.Brueggemann.com)からBRUEGGOLIT(登録商標)FF6MまたはBRUEGGOLIT(登録商標)FF7、あるいはBRUGGOLITE(登録商標)FF6MまたはBRUGGOLITE(登録商標)FF7の名称で、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸のナトリウム塩と2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩と亜硫酸水素ナトリウムとの混合物の形で入手可能である。
【0026】
発明の超吸収剤を製造するために、それ自体既知の超吸収剤と、式(I)の化合物、その塩あるいは式(I)の化合物および/またはその塩との混合物とを混合する。簡略化のため、以降は単に「式(I)の化合物」または「スルフィン酸誘導体」と記載するが、これは、当該化合物の塩ならびに当該化合物および/またはそれらの塩の混合物を除外することを意図するのでなく、単にそれらを常に記載することを避けるためである。
【0027】
概して、発明の超吸収剤は、それぞれの場合において発明の超吸収剤の全質量に基づき、少なくとも0.0001質量%、好ましくは少なくとも0.001質量%、より好ましくは少なくとも0.025質量%、例えば、少なくとも0.05質量%または少なくとも0.1質量%、一般には多くとも3質量%、好ましくは多くとも2質量%、より好ましくは多くとも0.5質量%、例えば、多くとも0.35質量%または0.2質量%のスルフィン酸誘導体を含む。
【0028】
それ自体既知の超吸収剤と式(I)の化合物との混合を任意の既知の混合方法によって実施することができる。式(I)の化合物を溶媒または懸濁媒体の溶液または懸濁液として大量に混入することができる;均一分布がより容易であるため、それは、好ましくは溶液または懸濁液として混入される。これは、機械的手段によって簡単に分離可能なそれ自体既知の超吸収剤と式(I)のスルフィン酸誘導体との物理的混合物を必ずしも生成しない。スルフィン酸誘導体は、恐らくは、例えば比較的強固に接着する表面層の形または超吸収剤粒子の表面に強固に接着するスルフィン酸誘導体の粒子の形で超吸収剤とより限定的に結合することができる。それ自体既知の超吸収剤へのスルフィン酸誘導体への混入を、恐らくは、「コーティング」と理解し、そのように呼ぶことができる。
【0029】
それ自体既知の超吸収剤をスルフィン酸誘導体の溶液または懸濁液と混合する場合は、使用する溶媒または懸濁媒体は、超吸収剤およびスルフィン酸誘導体の双方と化学的相溶性がある、すなわちそれとの望ましくない化学反応を生じない溶媒または懸濁媒体である。典型的には、水または有機溶媒、例えばアルコールまたはポリオール、あるいはそれらの混合物が使用される。好適な溶媒または懸濁媒体の例として、水、イソプロパン/水、1,3−プロパンジオール/水およびプロピレングリコール/水が挙げられ、質量混合比は、好ましくは20:80〜40:60である。界面活性剤を溶液または懸濁液に添加することができる。
【0030】
スルフィン酸誘導体は、一般には、表面後架橋剤を含む溶液または懸濁液と全く同じ方法で、それ自体既知の超吸収剤と混合され、以下に記載されるように表面後架橋のために超吸収剤に塗布される。スルフィン酸誘導体を、表面後架橋のために塗布される溶液、またはその成分の1つの構成成分として、(まだ)後架橋されていない超吸収剤(「基材ポリマー」)に塗布することができる。すなわち、スルフィン酸誘導体は、表面後架橋剤の溶液またはその成分の1つに添加される。次いで、表面後架橋剤およびスルフィン酸誘導体が塗布された超吸収剤には、表面後架橋に必要なさらなる処理工程、例えば、表面後架橋剤と超吸収剤との熱誘発反応が施される。この方法は、比較的簡単で採算の合うものである。
【0031】
変色に対する極めて高い安定性が不可欠な場合、スルフィン酸誘導体は、好ましくは、表面架橋後に専用の処理工程で塗布される。スルフィン酸誘導体が溶液または懸濁液の形で塗布される場合、既に表面後架橋された超吸収剤への塗布は、基材ポリマーへの表面後架橋剤の塗布と同じ方法で実施される。通常は、表面後架橋工程と全く同様に、超吸収剤を再び乾燥させるため、この後加熱が行われるが、必ずしもそうとは限らない。しかし、この乾燥工程において設定される温度は、スルフィン酸誘導体の望ましくない反応を防ぐため、一般には高くとも110℃、好ましくは高くとも100℃、より好ましくは高くとも90℃である。温度は、乾燥装置での滞留時間に鑑みて、超吸収剤の所望の含水量が達成されるように調整される。スルフィン酸誘導体を個々に、または他の通例の補助剤、例えば、除塵剤、凝固防止剤、または超吸収剤を再加湿するための水と一緒に、例えば表面後架橋工程の下流に接続された冷却器において、これらの補助剤について以下に記載されているように添加することも全面的に可能かつ便利である。この場合のポリマー粒子の温度は、0℃〜190℃、好ましくは160℃未満、より好ましくは130℃未満、さらにより好ましくは100℃未満、および最も好ましくは70℃未満である。ポリマー粒子は、場合によりコーティングの後、スルフィン酸誘導体の分解温度より低い温度まで急速に冷却される。
【0032】
スルフィン酸誘導体が混入されるため発明の超吸収剤になるそれ自体既知の超吸収剤は、任意の超吸収剤であってよい。概して、当該超吸収剤は、架橋親水性ポリマー、特に、(共)重合された親水性モノマーのポリマー、好適なグラフト基材上の1つ以上の親水性モノマーのグラフト(コ)ポリマー、架橋セルロースもしくはデンプンエーテル、架橋カルボキシメチルセルロース、部分架橋ポリアルキレンオキシド、または水性液体で膨潤可能な天然物、例えばグア誘導体である。部分的に中和されたアクリル酸に基づく超吸収剤を使用することが好ましい。超吸収剤は、特に、液体を吸収および保持するその能力によって特徴づけられる。本発明によるスルフィン酸誘導体が塗布される超吸収剤として、完成超吸収剤が少なくとも5g/g、好ましくは少なくとも10g/g、より好ましくは少なくとも20g/gの遠心分離保持能(CRC、試験法については以下参照)を有するように選択される。CRCのさらに好適な最小値は、例えば、25g/g、30g/gまたは35g/gである。それは、典型的には40g/g以下である。現在市販されている、本発明により使用可能な多くの超吸収剤のCRCは、28〜33g/gである。
【0033】
本発明に従ってスルフィン酸誘導体が塗布される超吸収剤は、さらに、完成超吸収剤が、典型的には、少なくとも18g/g、好ましくは少なくとも20g/g、優先的には少なくとも22g/g、より好ましくは少なくとも23g/g、さらにより好ましくは少なくとも24g/gであり、典型的には30g/g以下の荷重下での吸収度(AUL0.7psi、試験法については以下参照)を有するように選択される。
【0034】
本発明に従ってスルフィン酸誘導体が塗布される超吸収剤は、さらに、完成超吸収剤が、典型的には、少なくとも10×10-7cm3s/g、好ましくは少なくとも30×10-7cm3s/g、優先的には少なくとも50×10-7cm3s/g、より好ましくは少なくとも80×10-7cm3s/g、より好ましくは少なくとも100×10-7cm3s/gであり、典型的には1000×10-7cm3s/g以下の生理食塩水流れ誘導性(SFC、試験法については以下参照)を有するように選択される。
【0035】
超吸収剤のCRC、AULおよびSFCは、一般に、スルフィン酸誘導体を超吸収剤に塗布することによって有意に影響されない。これらのパラメータは、既知であり、通例の超吸収剤の製造法で調整される。スルフィン酸誘導体が、基材ポリマーの表面後架橋の過程で、または超吸収剤のこうした特性に影響を与える他の添加剤と同時に添加される場合、これらのパラメータの調整は、勿論、超吸収剤をスルフィン酸誘導体で塗布する最中に行われる。しかし、これは、これらの他の手段によって決定され、スルフィン酸誘導体の存在によって決定されることはない。
【0036】
本発明に従ってスルフィン酸誘導体が塗布される超吸収剤は、例えば、
a)酸基を担持し、場合により少なくとも部分的に塩の形で存在する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、
b)少なくとも1つの架橋剤と、
c)少なくとも1つの開始剤と、
d)場合によりa)に示されたモノマーと共重合可能な1つ以上のエチレン性不飽和モノマーと、
e)場合により1つ以上の水溶性ポリマーと
を含むモノマー混合物の水溶液重合によって製造される。
【0037】
モノマーa)は、好ましくは水溶性である。すなわち23℃における水への溶解度は、典型的には少なくとも1g/水100g、好ましくは少なくとも5g/水100g、より好ましくは少なくとも25g/水100g、最も好ましくは少なくとも35g/水100gである。
【0038】
好適なモノマーa)として、例えば、エチレン性不飽和カルボン酸またはそれらの塩、例えば、アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの塩、無水マレイン酸およびイタコン酸またはそれらの塩が挙げられる。特に好適なモノマーとして、アクリル酸およびメタクリル酸が挙げられる。アクリル酸が特に好ましい。
【0039】
さらなる好適なモノマーa)として、例えば、エチレン不飽和スルホン酸、例えば、スチレンスルホン酸および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)が挙げられる。
【0040】
不純物は、重合に相当な影響を与える。したがって、使用される原料は、最大限の純度を有すべきである。したがって、モノマーa)を特別に精製することがしばしば有利である。好適な精製方法は、例えば、WO2002/055469A1、WO2003/078378A1およびWO2004/035514A1に記載されている。好適なモノマーa)は、例えば、99.8460質量%のアクリル酸、0.0950質量%の酢酸、0.0332質量%の水、0.0203質量%のプロピオン酸、0.0001質量%のフルフラール、0.0001質量%の無水マレイン酸、0.0003質量%のジアクリル酸および0.0050質量%のヒドロキノンモノメチルエーテルを含む、WO2004/035514A1に従って精製されたアクリル酸である。
【0041】
モノマーa)の全質量におけるアクリル酸および/またはその塩の比率は、好ましくは、少なくとも50モル%、より好ましくは少なくとも90モル%、最も好ましくは少なくとも95質量%である。
【0042】
モノマー溶液は、それぞれの場合において未中和のモノマーa)に基づき、好ましくは多くとも250質量ppm、好ましくは多くとも130質量ppm、より好ましくは多くとも70質量ppm、好ましくは少なくとも10質量ppm、より好ましくは少なくとも約30質量ppm、特に約50質量ppmのヒドロキノンモノエーテルを含む;中和モノマーa)、すなわちモノマーa)の塩は、未中和モノマーとして計算の目的で考慮される。例えば、モノマー溶液を、適切な含有量のヒドロキノンモノエーテルとともに、酸基を担持するエチレン性不飽和モノマーを使用し製造することができる。
【0043】
好適なヒドロキノンモノエーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)および/またはアルファ−トコフェロール(ビタミンE)である。
【0044】
好適な架橋剤b)は、架橋に好適な少なくとも2つの基を有する化合物である。当該基は、例えば、遊離ラジカル重合してポリマー鎖にすることができるエチレン性不飽和基、およびモノマーa)の酸基と共有結合を形成することができる官能基である。加えて、モノマーa)の少なくとも2つの酸基と配位結合を形成することができる多価金属塩も架橋剤b)として好適である。
【0045】
架橋剤b)は、好ましくは、ポリマーネットワークに遊離ラジカル重合することができる少なくとも2つの重合性基を有する化合物である。好適な架橋剤b)は、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、メタクリル酸アリル、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリアリルアミン、塩化テトラアリルアンモニウム、EP530438A1に記載のテトラアリルオキシエタン、EP547847A1、EP559476A1、EP632068A1、WO93/21237A1、WO2003/104299A1、WO2003/104300A1、WO2003/104301A1およびDE10331450A1に記載のジおよびトリアクリレート、アクリレート基とともにさらなるエチレン性不飽和基を含むDE10331456A1およびDE10355401A1に記載の混合アクリレート、または例えばDE19543368A1、DE19646484A1、WO90/15830A1およびWO2002/32962A2に記載の架橋剤混合物である。
【0046】
好適な架橋剤b)は、ペンタエリスリチルトリアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、メチレンビスメタクリルアミド、15〜20回エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、15〜20回エトキシ化グリセリルトリアクリレート、分子鎖に4から45個の−CH2CH2O−単位を有するポリエチレングリコールジアクリレート、トリアクリル酸トリメチロールプロパンおよびトリアリルアミンである。
【0047】
極めて好適な架橋剤b)は、例えばWO2003/104301A1に記載されているように、ジまたはトリアクリレートを得るためにアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化されたポリエトキシ化および/またはポリプロポキシ化グリセロールである。3〜10回エトキシ化グリセロールのジおよび/またはトリアクリレートが特に有利である。1〜5回エトキシ化および/またはプロポキシ化グリセロールのジまたはトリアクリレートが極めて好適である。3〜5回エトキシ化および/またはプロポキシ化グリセロールのトリアクリレート、特に3回エトキシ化グリセロールのトリアクリレートが最も好適である。
【0048】
架橋剤b)の量は、好ましくは、それぞれの場合においてモノマーa)に基づき、0.05〜1.5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%、最も好ましくは0.3〜0.6質量%である。架橋剤含有量が増加するにつれ、遠心分離保持能(CRC)が低下し、0.3psi(AUL0.3psi)の圧力下の吸収が増大する。
【0049】
開始剤c)は、重合条件下で遊離ラジカルを生成するすべての化合物、例えば、熱開始剤、酸化還元開始剤、光開始剤であってよい。好適な酸化還元開始剤は、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/アスコルビン酸、過酸化水素/アスコルビン酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/重亜硫酸ナトリウムおよび過酸化水素/重亜硫酸ナトリウムである。熱開始剤および酸化還元開始剤の混合物、例えば、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/過酸化水素/アスコルビン酸を使用することが好ましい。しかし、使用する還元性成分は、好ましくは2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸のナトリウム塩と2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩と重亜硫酸ナトリウムとの上記混合物である(Brueggolit(登録商標)FF6MまたはBrueggolit(登録商標)FF7)。
【0050】
酸基を担持するエチレン性不飽和モノマーa)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーd)は、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、マレイン酸またはその塩および無水マレイン酸である。
【0051】
使用する水溶性ポリマーe)は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、変性セルロース、例えば、メチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリグリコールまたはポリアクリル酸、好ましくはデンプン、デンプン誘導体および変性セルロースであってよい。
【0052】
典型的には、モノマー水溶液が使用される。モノマー溶液の含水量は、好ましくは、40〜75質量%、より好ましくは45〜70質量%、最も好ましくは50〜65質量%である。モノマー懸濁液、すなわち過剰飽和モノマー溶液を使用することもできる。含水量が増加するにつれ、後の乾燥に必要なエネルギーが増大し、含水量が低下するにつれ、重合の熱を十分に除去することができなくなる。
【0053】
最適な作用のために、好適な重合阻害剤は、溶存酸素を必要とする。したがって、不活性化、すなわち不活性ガス、好ましくは窒素または二酸化炭素を流すことによって重合前に溶存酸素をモノマー溶液から除去することができる。モノマー溶液の酸素含有量を、好ましくは、重合前に1質量ppm未満、より好ましくは0.5質量ppm未満、最も好ましくは0.1質量ppm未満に減少させる。
【0054】
モノマー混合物は、さらなる成分を含むことができる。この種のモノマー混合物に使用するさらなる成分の例として、例えば、金属イオンを溶液に保持するためのキレート剤が挙げられる。
【0055】
好適な重合反応器は、例えば、混練反応器またはベルト反応器である。WO2001/38402A1に記載されているように、混練機において、モノマー水溶液または懸濁液の重合で形成されたポリマーゲルを、例えば逆回転撹拌軸によって連続的に粉砕する。ベルトによる重合は、例えばDE3825366A1およびUS6,241,928に記載されている。ベルト反応器での重合は、例えば挽肉器、押出機または混練機でのさらなる処理工程で粉砕しなければならないポリマーゲルを形成する。しかし、懸濁、噴霧または溶滴重合法によって球状または異なる形状の超吸収剤粒子を製造することもできる。
【0056】
得られたポリマーゲルの酸基は、典型的には、部分的に中和されている。中和は、好ましくは、モノマーの段階で実施される;換言すれば、酸基を担持するモノマーの塩、詳細には酸基を担持するモノマーと、酸基を担持するモノマーの塩(「部分的に中和された酸」)との混合物が重合において成分a)として使用される。これは、典型的には、水溶液、または好ましくは固体としての中和剤を、重合用モノマー混合物、または好ましくは酸基を担持するモノマーもしくはその溶液に混入することによって行われる。中和の程度は、好ましくは、25〜95モル%、より好ましくは50〜80モル%、最も好ましくは65〜72モル%であり、そのために、通例の中和剤、好ましくは、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩およびそれらの混合物を使用することができる。アルカリ金属塩の代わりに、アンモニウム塩を使用することもできる。特に好適なアルカリ金属は、ナトリウムおよびカリウムであるが、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムおよびそれらの混合物が極めて好ましい。
【0057】
しかし、重合で形成されたポリマーゲルの段階において、重合後に中和を実施することもできる。中和剤の一部を実際にモノマー溶液に添加し、重合後に初めて所望の最終中和度を設定することによりポリマーゲルの段階において、重合前に酸基の40モル%まで、好ましくは10〜30モル%、より好ましくは15〜25モル%を中和することもできる。重合後にポリマーゲルが少なくとも部分的に中和されると、ポリマーゲルは、好ましくは、例えば押出機によって機械的に粉砕され、その場合、中和剤を噴霧し、散布し、または注入し、次いで慎重に混入することができる。このために、得られたゲル塊を均質化のために繰り返し押し出すことができる。
【0058】
しかし、中和をモノマー段階で実施することが好ましい。換言すれば:極めて好適な実施形態において、使用するモノマーa)は、25〜95モル%、より好ましくは50〜80モル%、より好ましくは65〜72モル%の酸基を担持するモノマーの塩と、100モル%からそれを引いた残りの酸基を担持するモノマーとの混合物である。この混合物は、例えば、アクリル酸ナトリウムとアクリル酸との混合物、またはアクリル酸カリウムとアクリル酸との混合物である。
【0059】
好適な実施形態において、中和のために使用される中和剤は、その鉄含有量が通常10質量ppm未満、好ましくは2質量ppm未満、より好ましくは1質量ppm未満のものである。同様に塩化物および塩素の酸素酸の陰イオン含有量が低いことが望ましい。好適な中和剤は、例えば、一般的には「メンブレングレード」として市販されている50質量%の水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液である;典型的には「アマルガムグレード」または「水銀プロセス」として市販されている50質量%の水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液は、さらにより高い純度を有し、同様に好適であるが、高価でもある。
【0060】
次いで、水溶液重合および任意のそれに続く中和から得られたポリマーゲルは、好ましくは、残留湿分が好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%、最も好ましくは2〜8質量%になるまでベルト乾燥器で乾燥される(試験法については以下の残留湿分または水分を参照)。残留水分が多すぎる場合、乾燥ポリマーゲルは、ガラス転移温度Tgが低すぎるため、困難を伴わずにさらに処理することはできない。残留水分が少なすぎる場合、乾燥ポリマーゲルは、極めて脆く、後の粉砕工程において、粒径が小さすぎる、望ましくないほど大量のポリマー粒子(「微粒子」)が得られる。乾燥前のゲル固形分は、一般に、25〜90質量%、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは35〜70質量%、最も好ましくは40〜60質量%である。しかし、場合により、流動床乾燥器、または機械的混合装置を備えた加熱可能ミキサー、例えば、パドル乾燥器、または異なる設計の混合手段を備えた同様の乾燥器を使用して乾燥することもできる。場合により、酸化性黄色化プロセスを防止するために、窒素もしくは別の非酸化性不活性ガス、または少なくとも低酸素分圧下で乾燥器を作動させることができる。しかし、概して、十分な換気および水蒸気の除去によって合格品が得られる。非常に短い乾燥時間は、一般に色および製造物の品質の点で有利である。
【0061】
乾燥中、ポリマー粒子における残留モノマー含有量も減少し、開始剤の最終残留物が破壊される。
【0062】
その後、乾燥されたポリマーゲルは、粉砕・分級され、その粉砕に使用可能な装置は、典型的には一段または多段ロールミル、好ましくは二段または三段ロールミル、ピンミル、ハンマーミルまたは振動ミルを含む。内側でしばしば乾燥されなかった大型のゲル塊は弾性であり、粉砕に際しての問題を引き起こし、好ましくは、粉砕前に除去され、それをウィンドシフトによって、またはスクリーン(ミルの「保護スクリーン」)によって簡単に実施することができる。使用するミルに鑑みて、スクリーンのメッシュサイズは、大型の弾性粒子に起因する破壊の程度が最小になるよう選択されるべきである。
【0063】
過度に大きく、微粉砕が不十分な超吸収剤粒子は、たいていの用途、オムツなどの衛生品において粗粒子として認知できる;それらは、また、超吸収剤の平均初期膨潤率を低下させる。いずれも望ましくない。したがって、有利には、ポリマー粗粒子が製造物から除去される。これは、典型的には、分級法、例えばウィンドシフト、または最大で1000μm、好ましくは最大で900μm、より好ましくは最大で850μmおよび最も好ましくは最大で800μmのメッシュサイズの篩を介する篩分によって実施される。例えば、メッシュサイズ700μm、650μmまたは600μmの篩が使用される。除去されたポリマー粗粒子(「大型粒子」)を、コスト最適化のために、粉砕および篩分サイクルに戻し、さらに個別に処理することができる。
【0064】
粒径が小さすぎるポリマー粒子は、透過性(SFC)を低下させる。したがって、有利には、微小ポリマー粒子もこの分級で除去される。篩分が実施される場合、最大で300μm、好ましくは最大で200μm、より好ましくは最大で150μm、最も好ましくは最大で100μmのメッシュサイズの篩を介してこれを都合よく使用することができる。除去されたポリマー微粒子(「小型」または「微小」)を、コスト最適化のために、必要に応じて、ゲルの乾燥前にモノマー流、重合ゲルまたは完全重合ゲルに戻すことができる。
【0065】
生産物画分として除去されたポリマー粒子の平均粒径は、一般に少なくとも200μm、好ましくは少なくとも250μm、より好ましくは少なくとも300μmであり、一般には最大で600μm、より好ましくは最大で500μmである。粒径が少なくとも150μmの粒子の割合は、一般に少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%、最も好ましくは少なくとも98質量%である。粒径が最大で850μmの粒子の割合は、一般に少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%、最も好ましくは少なくとも98質量%である。
【0066】
そのようにして製造されたポリマーは、超吸収特性を有し、「超吸収剤」という用語に包含される。そのCRCは典型的には比較的高いが、AULまたはSFCは比較的低い。この種の表面後架橋されていない超吸収剤は、それから製造された表面後架橋超吸収剤と区別するために、しばしば「基材ポリマー」と称される。本発明の文脈において、恐らくは、表面後架橋をせずとも、スルフィン酸誘導体を添加することで基材ポリマーを発明の超吸収剤に加工することができる。
【0067】
その特性さらに向上させ、特に(CRC値を低下させる)AULおよびSFC値を上げるために、超吸収剤粒子を表面後架橋することができる。好適な後架橋剤は、超吸収剤粒子の少なくとも2つの官能基と結合を形成することができる基を含む化合物である。市場で主流のアクリル酸/アクリル酸ナトリウム系超吸収剤の場合、好適な表面後架橋剤は、少なくとも2つのカルボキシレート基と結合を形成することができる基を含む化合物である。好適な後架橋剤は、一般式(II)
【化2】

[式中、
6は、C1−C12−アルキル、C2−C12−ヒドロキシアルキル、C2−C12−アルケニルまたはC6−C12−アリールであり、
7は、XまたはOR11であり、
8は、水素、C1−C12−アルキル、C2−C12−ヒドロキシアルキル、C2−C12−アルケニルまたはC6−C12−アリール、あるいはXであり、
9は、C1−C12−アルキル、C2−C12−ヒドロキシアルキル、C2−C12−アルケニルまたはC6−C12−アリールであり、
10は、水素、C1−C12−アルキル、C2−C12−ヒドロキシアルキル、C2−C12−アルケニル、C1−C12−アシルまたはC6−C12−アリールであり、
11は、C1−C12−アルキル、C2−C12−ヒドロキシアルキル、C2−C12−アルケニルまたはC6−C12−アリールであり、
Xは、R7およびR8基両方に対するカルボニル酸素であり、
6およびR9および/またはR10およびR11は、架橋C2−C6−アルカンジイルであってよく、前記R6およびR11基は、全部で1から2つの自由原子価を有することもでき、これらの自由原子価によって少なくとも1つの好適な塩基構造に結合されていてよい]のアミドアセタールまたはカルバメート、あるいは多価アルコールであり、
該多価アルコールは
好ましくはヒドロキシル基1個あたり100g/モル未満、好ましくは90g/モル未満、より好ましくは80g/モル未満、最も好ましくは70g/モル未満の分子量を有し、ビシナル、ジェミナル、二級または三級ヒドロキシル基を有さず、多価アルコールは一般式(IIIa)
【化3】

[式中、
12は、式−(CH2n−[nは3から20、好ましくは3から12の整数である]の非分枝状ジアルキル基であり、両ヒドロキシル基は末端基であり、あるいはR12は、非分枝状、分枝状または環式ジアルキルラジカルである]のジオール、あるいは
一般式(IIIb)
【化4】

[式中、
13、R14、R15、R16は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルオキシメチル、1−ヒドロキシプロパ−2−イルオキシメチル、2−ヒドロキシプロピルオキシメチル、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピルまたは4−ヒドロキシブチルであり、全部で2、3または4個、好ましくは2から3個のヒドロキシル基が存在し、R13、R14、R15およびR16基のうちの1つ以下の基がヒドロキシルである]のポリオール、あるいは
一般式(IV)
【化5】

[式中、
17、R18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルまたはイソブチルであり、nは0または1である]の環式カーボネート、あるいは
一般式(V)
【化6】

[式中、
23、R24、R25、R26、R27、R28、R29およびR30はそれぞれ独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルまたはイソブチルであり、R31は、一重結合、直鎖状、分枝状もしくは環式C2−C12−ジアルキル基、あるいは例えばポリグリコールジカルボン酸によって保有される、1から10個のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位から形成されたポリアルコキシジイル基である]のビスオキサゾリンである。
【0068】
さらなる好適な後架橋剤は、(VI)β−ヒドロキシアルキルアミド(例えば、EMS−Chemie(Reichenauerstrasse、7013Domat/Ems、スイスが販売するPrimid(登録商標)XL−512)、(VII)ポリエポキシド、(VIII)ポリアジリデンおよび(IX)オキセタン誘導体である。
【0069】
一般式(II)の好適な後架橋剤は、2−オキサゾリドン、例えば、2−オキサゾリドンおよびN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドン、N−メチル−2−オキサゾリドン、N−アシル−2−オキサゾリドン、例えば、N−アセチル−2−オキサゾリドン、2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン、二環式アミドアセタール、例えば、5−メチル−1−アザ−4,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、1−アザ−4,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタンおよび5−イソプロピル−1−アザ−4,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、ビス−2−オキサゾリドンおよびポリ−2−オキサゾリドンである。
【0070】
一般式(II)の特に好適な後架橋剤は、2−オキサゾリドン、N−メチル−2−オキサゾリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドンおよびN−ヒドロキシプロピル−2−オキサゾリドンである。
【0071】
一般式(IIIa)の好適な後架橋剤は、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよび1,7−ヘプタンジオールである。式(IIa)の後架橋剤の例として、1,3−ブタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールおよび1,10−デカンジオールをさらに挙げる。
【0072】
ジオールは、好ましくは水溶性であり、一般式(IIIa)のジオール、例えば1,3−プロパンジオールおよび1,7−ヘプタンジオールは、23℃にて少なくとも30質量%程度、好ましくは少なくとも40質量%程度、より好ましくは少なくとも50質量%程度、最も好ましくは60質量%程度水溶性である。25℃で液体である後架橋剤がさらにより好適である。
【0073】
一般式(IIIb)の好適な後架橋剤は、ブタン−1,2,3−トリオール、ブタン−1,2,4−トリオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、(1分子当たり)1〜3回エトキシ化グリセロール、トリメチロールエタンもしくはトリメチロールプロパンおよび(1分子当たり)1〜3回プロポキシ化グリセロール、トリメチロールエタンもしくはトリメチロールプロパンである。また、2回エトキシ化またはプロポキシ化ネオペンチルグリコールが好適である。2回および3回エトキシ化グリセロール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオールおよびトリメチロールプロパンが特に好ましい。
【0074】
好適な多価アルコール(IIIa)および(IIIb)は、23℃で3000mPas未満、好ましくは1500mPas未満、好ましくは1000mPas未満、より好ましくは500mPas未満、最も好ましくは300mPas未満の粘度を有する。
【0075】
一般式(IV)の特に好適な後架橋剤は、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンである。
【0076】
一般式(V)の特に好適な後架橋剤は、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)である。
【0077】
好適な後架橋剤は、揮発性を有するため悪臭を放つ化合物もたらす副反応および後続反応を最小限に抑える。したがって、好適な後架橋剤を用いて製造された吸水性ポリマーは、加湿状態でも無臭である。さらに、好適な後架橋剤は、毒性学的に格段に安全である。
【0078】
以上の選択による個々の後架橋剤または異なる後架橋剤のあらゆる混合物を使用することができる。
【0079】
後架橋剤は、それぞれの場合、基材ポリマーの質量に基づき、一般には少なくとも0.001質量%、好ましくは少なくとも0.02質量%、より好ましくは少なくとも0.05質量%、一般には多くとも2質量%、好ましくは多くとも1質量%、より好ましくは多くとも0.3質量%、例えば多くとも0.15質量%または多くとも0.095質量%である。
【0080】
後架橋は、典型的に、後架橋剤の溶液が乾燥基材ポリマー粒子に噴霧されるようにして実施される。噴霧塗布後に、後架橋剤が塗布されたポリマー粒子は、熱乾燥され、乾燥の前または後に後架橋反応を行ってよい。重合性基を有する表面後架橋剤が使用される場合、一般的な遊離ラジカル形成装置または高エネルギー放射線、例えばUV光による当該基の遊離ラジカル誘発重合によって表面後架橋を実施することもできる。これを並行して、または基材ポリマー粒子表面の官能基に対して共有結合またはイオン結合を形成する後架橋剤を使用する代わりに実施することができる。
【0081】
後架橋剤溶液の噴霧塗布は、好ましくは、スクリューミキサー、ディスクミキサーもしくはパドルミキサーなどの移動混合手段を備えたミキサー、または他の混合手段を備えたミキサーで実施される。垂直ミキサーが特に好ましい。しかし、流動床にて後架橋剤を噴霧することもできる。好適なミキサーは、例えば、Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH(Elsener−Strasse7−9、33102 Paderborn、ドイツ)からPflugschar(登録商標)プラウシェアミキサーとして、またはHosokawa Micron BV(Gildenstraat26、7000AB Doetinchem、オランダ)からSchugi(登録商標)Flexomix(登録商標)ミキサー、Vrieco−Nauta(登録商標)ミキサーもしくはTurbulizer(登録商標)ミキサーとして入手可能である。
【0082】
使用可能な噴霧ノズルに制限はない。好適なノズルおよび霧化システムは、例えば、以下の文献:Zerstaeuben von Fluessigkeiten[Atomization of Liquids],Expert−Verlag,vol.660,Reihe Kontakt&Studium,Thomas Richter(2004)およびZerstaeubungstechnik[Atomization Technology],Springer−Verlag,VDI−Reihe,Guenter Wozniak(2002)に記載されている。単分散および多分散噴霧システムを使用することができる。多分散システムの中でも、(噴流または層流形成)一成分加圧ノズル、回転式噴霧器、二成分噴霧器、超音波噴霧器および衝突ノズルが好適である。二成分噴霧器の場合、液相を内的または外的に気相と混合することができる。ノズルの噴霧プロファイルは重要でなく、任意の所望の形、例えば、円形噴流、平面噴流、広角円形ビームまたは円環噴霧プロファイルをとることができる。二成分噴霧器が使用される場合、非酸化性ガスを使用することが有利であり、窒素、アルゴンまたは二酸化炭素が特に好ましい。噴霧する液体を圧力下で当該ノズルに供給することができる。噴霧する液体を、特定の最小速度に到達した時点でダイボアにて圧縮することにより霧化することができる。加えて、発明の目的のために、一成分ノズル、例えば、スロットダイまたは衝突チャンバ(フルコーンノズル)(例えば、Duesen−Schlick GmbH(ドイツ)またはSpraying Systems Deutschland GmbH(ドイツ))を使用することもできる。当該ノズルは、EP0534228A1およびEP1191051A2にも記載されている。
【0083】
後架橋剤は、典型的には、水溶液の形で使用される。溶媒として専ら水が使用される場合は、有利には、界面活性剤または解凝集助剤が後架橋剤溶液、または実際に塩基ポリマーに添加される。これは、湿潤性能を向上させ、塊を形成する傾向を抑える。
【0084】
すべての陰イオン性、陽イオン性、非イオン性および両性界面活性剤が解凝集助剤として好適であるが、皮膚との相溶性の理由から、非イオン性および両性界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、窒素を含むこともできる。例えば、ソルビタンモノエステル、例えばヤシ油脂肪酸ソルビタンおよびモノラウリン酸ソルビタン、またはそれらのエトキシ化変形、例えばPolysorbat20(登録商標)が添加される。さらに好適な解凝集助剤は、Lutensol XL(登録商標)およびLutensol XP(登録商標)のブランド(BASF SE、Carl−Bosch−Strasse 38、67056 Ludwigshafen(ドイツ))で販売されている2−プロピルヘプタノールのエトキシ化およびアルコキシ化誘導体である。
【0085】
解凝集助剤を個別に計量導入、または後架橋剤溶液に添加することができる。解凝集助剤を単に後架橋剤溶液に添加することが好ましい。
【0086】
基材ポリマーに基づく解凝集助剤の使用量は、例えば、0〜0.1質量%、好ましくは0〜0.01質量%、より好ましくは0〜0.002質量%である。解凝集助剤は、好ましくは、膨潤性基材ポリマーおよび/または膨潤性後架橋吸水性ポリマーの23℃での表面張力が少なくとも0.060N/m、好ましくは少なくとも0.062N/m、より好ましくは少なくとも0.065N/m、有利には最大で0.072N/mになるように計量導入される。
【0087】
後架橋剤水溶液は、少なくとも1つの後架橋剤とともに共溶媒を含むこともできる。非水性溶媒の含有量または溶媒の全量を使用して、後架橋剤のポリマー粒子への透過深さを調整することができる。工業的に容易に入手可能な共溶媒は、C1−C6−アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールもしくは2−メチル−1−プロパノール、C2−C5−ジオール、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコールもしくは1,4−ブタンジオール、ケトン、例えばアセトン、またはカルボン酸エステル、例えば酢酸エチルである。これらの共溶媒のいくつかの短所として、典型的な固有の臭いを有することがある。
【0088】
共溶媒自体は、理想的には、反応条件下で後架橋剤でない。しかし、境界の状態において、滞留時間および温度に応じて、共溶媒が部分的に架橋に寄与することがあり得る。これは、特に、例えば一般式(IV)の環式カーボネート、一般式(IIIa)のジオールまたは一般式(IIIb)のポリオールの場合のように、後架橋剤が比較的緩いためそれ自体の共溶媒になり得る場合に当てはまる。後に、実際の後架橋反応をより反応性の強い架橋剤の不在下で、より低い温度および/またはより短い滞留時間で実施可能なため、当該後架橋剤をより反応性の強い後架橋剤との混合物または共溶媒としての機能に使用することができる。共溶媒は、比較的大量に使用され、部分的に製造物に残留するため、有毒であってはならない。
【0089】
一般式(IIIa)のジオール、一般式(IIIb)のポリオールおよび一般式(IV)の環式カーボネートも本発明による方法における共溶媒として好適である。それらは、一般式(II)および/または(V)の反応性後架橋剤、および/またはジもしくはトリグリシジル化合物の存在下でこの機能を果たす。しかし、本発明による方法における好適な共溶媒は、特に、ヒドロキシル基の反応が近隣の基によって立体的に阻害される場合、特に一般式(IIIa)のジオールである。基本的に当該ジオールも後架橋剤として好適であるが、これは、立体的に阻害されていないジオールより有意に高い反応温度、または場合により多くの使用量を必要とする。
【0090】
共溶媒としての低反応性の後架橋剤と反応性後架橋剤との特に好適な組合せは、好適な多価アルコール、一般式(IIIa)のジオールおよび一般式(IIIb)のポリオールと一般式(II)のアミドアセタールまたはカルバメートとの組合せである。
【0091】
好適な組合せは、例えば、2−オキサゾリドン/1,2−プロパンジオールおよびN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドン/1,2−プロパンジオール、ならびにエチレングリコールジグリシジルエーテル/1,2−プロパンジオールである。
【0092】
極めて好適な組合せは、2−オキサゾリドン/1,3−プロパンジオールおよびN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドン/1,3−プロパンジオールである。
【0093】
さらに好適な組合せは、エチレングリコールジグリシジルエーテルまたはグリシジルジもしくはトリグリシジルエーテルと以下の溶媒、共溶媒または補助架橋剤:イソプロパノール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコールまたはそれらの混合物との組合せである。
【0094】
さらに好適な組合せは、以下の溶媒、共溶媒または補助架橋剤:イソプロパノール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートまたはそれらの混合物中の2−オキサゾリドンまたは(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドンとの組合せである。
【0095】
往々にして、後架橋剤水溶液における共溶媒の濃度は、後架橋剤溶液に基づき、15〜50質量%、好ましくは15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。混和性がごく限られた共溶媒の場合、後架橋剤水溶液は、有利には、場合により共溶媒の濃度を下げることによって、1つの層のみが存在するよう調整される。
【0096】
好適な実施形態において、共溶媒は使用されない、次いで、場合により解凝集助剤を添加することにより、後架橋剤は水中で溶液としてのみ採用される。
【0097】
後架橋剤水溶液における少なくとも1つの後架橋剤の濃度は、後架橋剤溶液に基づき、典型的には1〜20質量%、好ましくは1.5〜10質量%、より好ましくは2〜5質量%である。
【0098】
基材ポリマーに基づく後架橋剤溶液の全量は、典型的に、0.3〜15質量%、好ましくは2〜6質量%である。
【0099】
表面後架橋剤と基材ポリマー粒子表面の官能基との反応による実際の表面後架橋は、通常、表面後架橋剤溶液で湿潤された基材ポリマーを加熱すること、典型的には所謂「乾燥」によって実施される(ただし、典型的にははるかに大量の液体を除去しなければならない重合によるポリマーゲルの上記乾燥と混同すべきでない)。ジャケットを加熱することによって、熱交換面を利用して、または温ガスを吹き付けることによって、ミキサー内で乾燥が実施可能である。超吸収剤と表面後架橋剤との混合と乾燥とを例えば流動床乾燥器にて同時に実施することができる。しかし、乾燥は、通常、下流乾燥器、例えば、トレー乾燥器、回転管加熱炉、パドルもしくはディスク乾燥器または加熱可能スクリューで実施される。好適な乾燥器は、例えば、Bepex International LLC(333N.E.Taft Street、Minneapolis、MN 55413、米国)からSolidair(登録商標)またはTorusdisc(登録商標)乾燥器として、あるいはNara Machinery Co.,Ltd.(European Branch、Europaallee 46、50226 Frechen、ドイツ)からパドル乾燥器または流動床乾燥器として入手可能である。
【0100】
乾燥および表面後架橋の実施を目的とする下流乾燥器での接触表面によって、または高温不活性ガスの供給によって、もしくは1つ以上の不活性ガスと水蒸気との混合物によって、または水蒸気単独によってポリマー粒子を加熱することができる。接触面による熱供給の場合、わずかに、または十分に減圧された圧力での不活性ガス下で反応が実施可能である。ポリマー粒子を直接加熱するために水蒸気を使用する場合、本発明によれば、標準圧力または高圧下で乾燥器を作動させることが望ましい。この場合、後架橋工程を、水蒸気を用いる加熱工程と不活性ガス下で水蒸気を用いない反応工程とに分けることが好適であり得る。これを1つ以上の装置で達成することができる。本発明によれば、ポリマー粒子を、後架橋ミキサーと同じくらい早く水蒸気で加熱することができる。使用する基材ポリマーは、前の処理工程からの10〜120℃の温度を有し続けることができる。後架橋溶液は、0〜70℃の温度を有することができる。特に、後架橋溶液を加熱して粘度を下げることができる。
【0101】
好適な乾燥温度は、100〜250℃、好ましくは120〜220℃、より好ましくは130〜210℃、最も好ましくは150〜200℃の範囲である。反応ミキサーまたは乾燥器におけるこの温度での好適な滞留時間は、好ましくは少なくとも10分間、より好ましくは少なくとも20分間、最も好ましくは少なくとも30分間、典型的には多くとも60分間である。典型的には、乾燥は、超吸収剤が、一般には少なくとも0.1質量%、好ましくは少なくとも0.2質量%、最も好ましくは少なくとも0.5質量%、一般には多くとも15質量%、好ましくは多くとも10質量%、より好ましくは多くとも8質量%の残留水分を有するように実施される。
【0102】
後架橋は、標準的な大気条件下で起こり得る。「標準的な大気条件」は、主に後架橋反応が実施される装置(「後架橋反応器」、典型的には乾燥器)において、大気酸素の分圧などの酸化ガスの分圧を下げるために、技術的措置が講じられないことを意味する。しかし、低減された酸素ガス分圧下で後架橋反応を実施することが好ましい。酸化ガスは、23℃にて、少なくとも1013mbarの蒸気圧を有し、燃焼過程で酸化剤として作用する物質、例えば、酸素、酸化窒素および二酸化窒素、特に酸素である。酸化ガスの分圧は、好ましくは140mbar未満、好ましくは100mbar未満、より好ましくは50mbar未満、最も好ましくは10mbar未満である。熱後架橋を大気圧、すなわち1013mbar付近の全圧で実施する場合、酸化ガスの全分圧は、それらの容量比率によって決まる。酸化ガスの比率は、好ましくは、14容量%未満、好ましくは10容量%未満、より好ましくは5容量%未満、最も好ましくは1容量%未満である。
【0103】
後架橋を減圧下、すなわち1013mbarの全圧で実施することができる。全圧は、典型的には670mbar未満、好ましくは480mbar未満、より好ましくは300mbar未満、最も好ましくは200mbar未満である。乾燥および後架橋を、酸素含有量が20.8容量%の空気下で実施する場合、上記全圧に対応する部分酸素圧は、139mbar(670mbar)、100mbar(480mbar)、62mar(300mbar)および42mbar(200mbar)である(特定の全圧が括弧内に記載されている)。酸化ガスの分圧を下げる別の手段は、非酸化ガス、特に不活性ガスを後架橋に使用する装置に導入することである。好適な不活性ガスは、後架橋温度および所定の圧力において後架橋乾燥器内で気体の形で存在し、これらの条件下で乾燥ポリマー粒子の構成成分に酸化作用を及ぼさない物質、例えば、窒素、二酸化炭素、アルゴン、水蒸気があり、窒素が好ましい。不活性ガスの量は、1kgの超吸収剤に基づき、一般に0.0001〜10m3、好ましくは0.001〜5m3、より好ましくは0.005〜1m3、および最も好ましくは0.005〜1m3である。
【0104】
本発明による方法において、不活性ガスが水蒸気を含まない場合、ノズルを介して不活性ガスを後架橋乾燥器に吹き込むことができる。しかし、超吸収剤と表面後架橋剤を混合することにより、実際にミキサー内またはミキサーのちょうど上流においてノズルを介してポリマー粒子流に不活性ガスを添加することが特に好ましい。
【0105】
乾燥器から除去された共溶媒の蒸気を乾燥器の外側で再び凝縮し、場合によりリサイクルすることができる。
【0106】
本発明の好適な実施形態において、後架橋の前、最中または後に、後架橋剤に加えて、多価陽イオンが粒子表面に添加される。これは、基本的に、イオン性非共有結合によるさらなる表面後架橋であって、場合により当該金属イオンとの「錯化」、または単に当該物質(「錯化剤」)の「塗布」とも呼ばれる。
【0107】
この多価陽イオンの添加は、二価または多価陽イオン、通常は二価、三価または四価金属陽イオンだけでなく、多価陽イオンの溶液、例えば、正式には全面的または部分的にビニルアミンモノマーから形成されたポリマー、例えば、そのアミン基が非常に高いpH値においても常に部分的にプロトン化形態で存在しアンモニウム基を与える部分または完全加水分解ポリビニルアミド(所謂「ポリビニルアミン」)の噴霧塗布によって実施される。使用可能な二価金属陽イオンの例として、特に、元素周期表の第2族の金属(特にMg、Ca、Sr、Ba)、第7族の金属(特にMn)、第8族の金属(特にFe)、第9族の金属(特にCo)、第10族の金属(特にNi)、第11族の金属(特にCu)および第12族の金属(特にZn)の二価陽イオンが挙げられる。使用可能な三価金属陽イオンの例として、特に、元素周期表のランタニドを含む第3族の金属(特にSc、Y、La、Ce)、第8族の金属(特にFe)、第11族の金属(特にAu)および第13族の金属(特にAl)の三価陽イオンが挙げられる。使用可能な四価陽イオンの例として、特に、元素周期表のランタニドの金属(特にCe)および第4族の金属(特にTi、Zr、Hf)が挙げられる。金属陽イオンを単独で、または互いの混合物で使用することができる。三価金属陽イオンの使用が特に好ましい。アンモニウム陽イオンの使用が極めて好ましい。
【0108】
記載の金属陽イオンのなかで、好適な金属塩は、使用される溶媒に対して十分な溶解度を有するものすべてである。特に好適な金属塩は、弱錯化陰イオンを有する塩、例えば、塩化物、硝酸塩および硫酸塩、硫酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩またはリン酸二水素塩である。モノおよびジカルボン酸、ヒドロキシ酸、ケト酸およびアミノ酸の塩または塩基性塩が好ましい。例として、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩が挙げられる。水酸化物の使用も同様に好適である。クエン酸塩および乳酸塩など2−ヒドロキシカルボン酸塩の使用が特に好ましい。特に好適な金属塩の例として、アルカリ金属およびアルカリ土類金属アルミン酸塩およびそれらの水和物、例えば、アルミン酸ナトリウムおよびその水和物、酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、クエン酸アルミニウムおよび乳酸アルミニウムが挙げられる。
【0109】
記載の陽イオンおよび塩を純粋な形で、あるいは異なる陽イオンまたは塩の混合物として使用することができる。使用される二価および/または三価金属陽イオンの塩は、未中和のカルボン酸および/または中和カルボン酸のアルカリ金属塩などさらなる二次的な構成成分を含むことができる。好適なアルカリ金属塩は、ナトリウムおよびカリウムのアルカリ金属塩ならびにアンモニウムのアルカリ金属塩である。それらは、典型的に、固体の塩を水に溶解させることによって得られる水溶液、また、好ましくは、乾燥および精製工程を回避する直接的な溶解によって得られる水溶液の形で使用される。有利には、しばしば無水塩より迅速に水に溶解する記載の塩の水和物を使用することも可能である。
【0110】
使用される金属塩の量は、それぞれの場合において基材ポリマーの質量に基づき、一般には少なくとも0.001質量%、好ましくは少なくとも0.01質量%、より好ましくは少なくとも0.1質量%、例えば少なくとも0.4質量%、一般には多くとも5質量%、好ましくは多くとも2.5質量%、より好ましくは多くとも1質量%、例えば多くとも0.7質量%である。
【0111】
三価金属陽イオンの塩を溶液または懸濁液の形で使用することができる。金属塩に使用される溶媒は、水、アルコール、DMF、DMSOおよびこれらの成分の混合物であってよい。水および水/アルコール混合物、例えば、水/メタノール、水/1,2−プロパンジオールおよび水/1,3−プロパンジオールが特に好ましい。
【0112】
基材ポリマーは、乾燥工程を含め、表面後架橋剤による処理と同様にして二価または多価陽イオンの溶液で処理される。表面後架橋および多価陽イオンを混合溶液で、または個別の溶液として噴霧することができる。金属塩溶液の超吸収剤粒子への噴霧塗布を表面後架橋の前または後に実施することができる。特に好適な方法において、金属塩溶液の噴霧塗布は、架橋剤溶液の噴霧塗布と同じ工程で実施され、両方の溶液を、個別にかつ連続的に、または2つのノズルを介して同時に噴霧する、あるいは架橋剤および金属塩溶液を、1つのノズルを介して一緒に噴霧することができる。
【0113】
特に、アルミニウムなどの三価以上の金属陽イオンを錯化に使用する場合、二価金属陽イオンの塩基性塩または当該塩の混合物も場合により添加される。塩基性塩は、酸性水溶液、好ましくは0.1N塩酸のpHを上昇させるのに好適な塩である。塩基性塩は、典型的には、強塩基と弱酸の塩である。
【0114】
任意の塩基性塩の二価金属陽イオンは、好ましくは、元素周期表の第2族の金属陽イオン、より好ましくは、カルシウムまたはストロンチウム、最も好ましくはカルシウムの金属陽イオンである。
【0115】
二価金属陽イオンの塩基性塩は、好ましくは、弱無機酸の塩、弱有機酸の塩および/またはアミノ酸の塩、より好ましくは、水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩および/またはフマル酸塩、最も好ましくは水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、プロピオン酸塩および/または乳酸塩である。塩基性塩は、好ましくは水溶性である。水溶性の塩は、20℃にて、水1l当たり少なくとも0.5g、好ましくは水1l当たり少なくとも1g、優先的には水1l当たり少なくとも10g、より好ましくは水1l当たり少なくとも100g、最も好ましくは水1l当たり200gの水溶解度を有する塩である。しかし、本発明によれば、噴霧溶液の噴霧塗布温度においてこの最小限の溶解度を有する塩を使用することもできる。有利には、しばしば無水塩より迅速に水に溶解する記載の塩の水和物を使用することもできる。
【0116】
二価金属陽イオンの好適な塩基性塩は、例えば、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ストロンチウム、乳酸カルシウム、乳酸ストロンチウム、炭酸カルシウムおよび炭酸ストロンチウムである。
【0117】
所望の濃度の噴霧溶液を製造するのに水溶解度が不十分な場合、固体塩のその飽和水溶液の分散体を使用することもできる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸ストロンチウム、リン酸カルシウムおよびリン酸ストロンチウムを水性分散体として使用することができる。
【0118】
基材ポリマーの質量に基づく二価金属陽イオンの塩基性塩の量は、典型的には、0.001〜5質量%、好ましくは0.01〜2.5質量%、好ましくは0.1〜1.5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%、最も好ましくは0.4〜0.7質量%である。
【0119】
二価金属陽イオンの塩基性塩を溶液または懸濁液の形で使用することができる。それらの例として、乳酸カルシウム溶液または水酸化カルシウム懸濁液が挙げられる。典型的には、塩は、超吸収剤に基づき、15質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下、最も好ましくは2質量%以下の量で噴霧される。
【0120】
塩基性塩の水溶液を超吸収剤に噴霧することが好ましい。便利には、塩基性塩は、表面後架橋剤、錯化剤、またはこれらの薬剤の溶液のさらなる構成成分と同時に添加される。これらの塩基性塩では、錯化剤との混合物での添加が好ましい。塩基性塩の溶液が析出することなく錯化剤の溶液と混和しない場合、溶液を連続的に個別に、または2つのノズルから同時に噴霧することができる。
【0121】
表面後架橋および/または錯化剤による処理の後、乾燥工程が実施される場合は、乾燥工程後に製造物を冷却することが有利であるが、不可欠ではない。冷却を連続的に、またはバッチ式で実施することができる;このため、製造物は、便利には、乾燥器の下流に接続された冷却器に連続的に送り込まれる。このため、粉末状の固体からの熱を除去することが知られる任意の装置、特に、壁を介して、構造によっては撹拌装置または他の熱交換面をも介して熱が超吸収剤に導入されず、そこから除去されるように、加熱媒体でなく冷却媒体、例えば冷却水が充填されるのであれば、乾燥装置として以上に記載されている任意の装置を使用することができる。製造物を除去する冷却器、すなわち冷却ミキサー、例えばパドル冷却器またはディスク冷却器の使用が好ましい。低温空気などの冷却ガスを吹き込むことによって超吸収剤を流動床にて冷却することもできる。冷却条件は、さらなる処理に所望される温度の超吸収剤が得られるように設定される。典型的には、一般には少なくとも1分間、好ましくは少なくとも3分間、より好ましくは少なくとも5分間、一般には多くとも6時間、好ましくは多くとも2時間、より好ましくは多くとも1時間の冷却器での平均滞留時間が設定され、冷却性能としては、得られた製造物が一般には低くとも0℃、好ましくは低くとも10℃、より好ましくは低くとも20℃、一般には高くとも100℃、好ましくは高くとも80℃、より好ましくは高くとも60℃の温度を有する。
【0122】
表面後架橋超吸収剤は、場合により、通例の方法で粉砕および/または篩分される。粉砕は、典型的にはここでは必要とされないが、形成された凝集体または微粉の篩分は、通常、製造物の所望の粒径分布を確立するのに適切である。凝集体および微粉は、破棄され、また好ましくは好適な点において既知の方法でプロセスにリサイクルされる;凝集体は粉砕後の凝集体である。表面後架橋超吸収剤に望ましい粒径は、基材ポリマーの場合と同じである。
【0123】
必要であれば、製造法の任意の処理工程において、非後架橋であるか後架橋であるかにかかわらず、あらゆる既知の塗料、例えば、膜形成ポリマー、熱可塑性ポリマー、デンドリマー、ポリカチオンポリマー(例えば、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミンまたはポリアリルアミン)、水溶性多価金属塩、例えば、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムまたはリン酸カルシウム、当業者に既知のあらゆる水溶性一価または多価金属塩、例えば、硫酸アルミニウム、ナトリウム塩、カリウム塩、ジルコニウム塩または鉄塩、あるいは親水性無機粒子、例えば、粘土鉱物、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカゾル、例えば、Levasil(登録商標)、二酸化チタン、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムを超吸収剤粒子の表面にさらに塗布することが場合により可能である。有用なアルカリ金属塩の例として、硫酸ナトリウムおよびカリウム、ならびに乳酸、クエン酸およびソルビン酸ナトリウムおよびカリウムが挙げられる。これにより、さらなる効果、例えば、最終製造物、または製造法の特定の処理工程における中間体の固化傾向の抑制、加工特性の向上、あるいは生理食塩水流れ誘導性(SFC)のさらなる向上が達成される。添加剤を使用し、分散体の形で噴霧する場合、好ましくは、水性分散体として使用され、吸水性ポリマーの表面に添加剤を固定するため除塵剤をさらに塗布することが好ましい。次いで、除塵剤は、無機粉末状添加剤の分散体に直接添加され;場合により、噴霧塗布による無機粉末状添加剤の塗布の前、最中または後に個別の溶液として添加することもできる。後架橋工程において後架橋剤、除塵剤および粉末状無機添加剤を同時に噴霧塗布することが最も好適である。しかし、さらに好適な別法において、除塵剤は、例えば、上方、下方または側方からの噴霧塗布によって冷却器に個別に加えられる。吸水性ポリマー粒子の表面に粉末状無機添加剤を固定するように機能することもできる特に好適な除塵剤は、400〜20000g/molの分子量を有するポリエチレングリコール、3〜100回エトキシ化ポリオール、例えば、トリメチロールプロパン、グリセロール、ソルビトールおよびネオペンチルグリコールである。7〜20回エトキシ化グリセロールまたはトリメチロールプロパン、例えば、Polyol TP70(登録商標)(Perstorp(スウェーデン))が特に好適である。しかも後者は、特に、吸水性ポリマー粒子の水性抽出物の表面張力をわずかしか低下させないという利点がある。
【0124】
水を加えることによって発明の超吸収剤を所望の含水量に調整することも同様に可能である。
【0125】
場合により、本発明の超吸収剤に、変色に対して安定性を有するさらなる添加剤が供給される。例として、変色に対する特に既知の安定剤、特に還元性物質が挙げられる。なかでも、ホスフィン酸(H3PO2)の固体または溶解塩および酸そのものが好ましい。例えば、アンモニウムを含むアルカリ金属、およびアルカリ土類金属のあらゆるホスフィン酸塩が好適である。ホスフィン酸イオンおよびナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、マグネシウムから選択される少なくとも1つの陽イオンを含むホスフィン酸の水溶液が特に好ましい。ホスフィン酸(H3PO3)の塩およびこの酸そのものも同様に好適である。例えば、アンモニウムを含むアルカリ金属、およびアルカリ土類金属のあらゆる一級および二級ホスホン酸塩が好適である。一級および/または二級ホスホン酸イオンならびにナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウムから選択される少なくとも1つの陽イオンを含むホスフィン酸の水溶液が特に好ましい。
【0126】
すべての塗料、固体、添加剤および助剤をそれぞれ個別の処理工程で添加することができるが、最も便利な方法は、通常、基材ポリマーと表面後架橋剤との混合中に添加されないのであれば、それらを例えば溶液の噴霧塗布または微細固体の形もしくは液体の形での添加によって冷却器内の超吸収剤に添加することである。
【0127】
超吸収剤のL値(CIE色数)は、非貯蔵状態において、典型的には少なくとも75、好ましくは少なくとも80、より好ましくは少なくとも85、さらにより好ましくは少なくとも90であり、多くとも100である。
【0128】
超吸収剤のa値(CIE色数)は、非貯蔵状態で、典型的には−2.5〜+2.5、好ましくは−2.0〜+2.0、より好ましくは−1.5〜+1.5である。
【0129】
超吸収剤のb値(CIE色数)は、非貯蔵状態で、典型的には0〜12、好ましくは2〜11である。
【0130】
高い大気湿度下の高温での貯蔵後に、発明の超吸収剤は、L値およびa値に対する分析後、非貯蔵状態のサンプルの領域の結果を有し、100時間の貯蔵後でも、好ましくは12以下、より好ましくは10以下のb値を有し、300時間の貯蔵後でも、好ましくは15以下、より好ましくは12以下のb値を有する。12超のb値は、女性衛生用品および極薄オムツでは臨界値である。16超のb値は、この変色が使用に際して消費者に知覚され得るため、従来のオムツでも臨界値である。
【0131】
加えて、本発明の超吸収剤は、特に使用時に不快な臭いをもたらす化合物を実質的に含まない。
【0132】
本発明の好適な実施形態において、スルフィン酸誘導体は、表面後架橋工程の下流に接続された冷却器内および/または個別の下流ミキサー内で後架橋ポリマー粒子の表面に塗布され、ポリマーを製造するための開始剤系は、ペルオキソ二硫酸塩またはペルオキソ二リン酸塩および2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸の発明の塩および2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸またはその遊離酸の少なくとも1つ、ならびに場合によりさらなる補助開始剤を含む。
【0133】
本発明のさらなる好適な実施形態において、後架橋剤(好ましくは2−オキサゾリドンまたはN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドンおよび/または1,3−プロパンジオール)、有機溶媒および/または共溶媒(好ましくはイソプロパノールおよび/または1,2−プロパンジオール)、ならびに場合により界面活性剤(好ましくは、「Span(登録商標)20」(ICI American Inc.(Wilmington、Delaware、米国))として多くの製造者から入手可能なモノラウリル酸ソルビタン)が水に溶解され、次いで噴霧垂直ミキサー(好ましくはSchugi(登録商標)Flexomix(登録商標))を用い、二成分ノズルまたは一成分ノズルによりポリマー粒子に塗布され、ミキサーも下流に直接接続された乾燥器も、これらの装置における酸素の容量比率が14容量%未満、好ましくは10容量%未満、より好ましくは5容量%未満、最も好ましくは1容量%未満になるよう不活性ガス(好ましくは窒素)でパージされる。この後架橋溶液と同時に、式(I)の少なくとも1つのスルフィン酸誘導体および場合により多価金属塩またはさらなる添加剤の溶液が、個別の供給装置を介して噴霧される。あるいは、スルフィン酸誘導体を後架橋溶液またはその成分の1つに溶解させ、後架橋溶液と一緒に噴霧することもできる。
【0134】
本発明のさらなる好適な実施形態において、後架橋剤(好ましくは、2−オキサゾリドンまたはN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドンおよび/または1,3−プロパンジオール)、有機溶媒(好ましくはイソプロパノール)、乳酸アルミニウム、場合によりさらなるカルシウム塩および場合により界面活性剤(好ましくはモノラウリル酸ソルビタン)が水に溶解され、次いで噴霧垂直ミキサー(好ましくはSchugi(登録商標)Flexomix(登録商標))を用い、二成分ノズルまたは一成分ノズルによりポリマー粒子に塗布され、ミキサーも下流に直接接続された乾燥器も、これらの装置における酸素の容量比率が14容量%未満、好ましくは10容量%未満、より好ましくは5容量%未満、最も好ましくは1容量%未満になるように不活性ガス(好ましくは窒素)でパージされる。この後架橋溶液と同時に、式(I)の少なくとも1つのスルフィン酸誘導体および場合により多価金属塩またはさらなる添加剤の溶液が、個別の供給装置を介して噴霧される。あるいは、スルフィン酸誘導体を後架橋溶液またはその成分の1つに溶解させ、後架橋溶液と一緒に噴霧することもできる。
【0135】
本発明のさらなる好適な実施形態において、架橋剤(好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルまたは2−オキサゾリドンもしくはN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドンおよび/または1,3−プロパンジオールおよび/または1,2−プロパンジオール)、場合により有機溶媒(好ましくはイソプロパノール)および場合により界面活性剤(好ましくはモノラウリル酸ソルビタン)が水に溶解され、次いで噴霧垂直ミキサー(好ましくはSchugi(登録商標)Flexomix(登録商標))を用い、二成分ノズルまたは一成分ノズルによりポリマー粒子に塗布され、ミキサーも下流に直接接続された乾燥器も、これらの装置における酸素の容量比率が14容量%未満、好ましくは10容量%未満、より好ましくは5容量%未満、最も好ましくは1容量%未満になるよう不活性ガス(好ましくは窒素)でパージされる。この好適な実施形態において、後架橋ポリマーの冷却の最中または後に、少なくとも1つのスルフィン酸誘導体が、好ましくは水溶液でポリマー粒子に塗布される。
【0136】
本発明のさらなる実施形態において、(好ましくは、エチレングリコールジグリシジルエーテル、炭酸エチレン、β−ヒドロキシアルキルアミド、ポリオール、2−オキサゾリドンもしくはN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドンおよび/または1,3−プロパンジオールおよび/または1,2−プロパンジオールから選択される)後架橋剤、場合により有機溶媒および場合により少量の界面活性剤(好ましくはモノラウリン酸ソルビタン)が水に溶解され、次いで噴霧垂直ミキサー(好ましくはSchugi(登録商標)Flexomix(登録商標))を用い、二成分ノズルまたは一成分ノズルによりポリマー粒子に塗布され、ミキサーおよび下流に直接接続された乾燥機は不活性ガスでパージされない。この実施形態において、後架橋ポリマーの冷却の最中または後に、式(I)の少なくとも1つのスルフィン酸誘導体がポリマー粒子に塗布される。この実施形態において、式(I)の少なくとも1つのスルフィン酸誘導体が、大気酸素によって引き起こされる黄変を抑えるため、後架橋の前または最中にポリマー粒子に場合によりさらに塗布される。
【0137】
本発明は、さらに、本発明の超吸収剤を含む衛生品、好ましくは、勿論吸収層のシェルを除いて、50〜100質量%、好ましくは60〜100質量%、優先的には70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、最も好ましくは90〜100質量%の本発明の超吸収剤からなる吸収層を含む極薄オムツを提供する。
【0138】
本発明の超吸収剤は、例えばUS2003/0181115およびUS2004/0019342に記載の積層体および複合構造体の製造に特に有利である。当該新規の吸収構造体の製造のための両文献に記載の熱溶融性接着剤、特に、US2003/0181115に記載され、超吸収剤粒子が接着される熱溶融性接着剤で構成される繊維に加えて、本発明の超吸収剤は、例えばAC Resin(登録商標)(BASF SE、ドイツ)として販売されているUV架橋性熱溶融性接着剤を使用して全体的に類似した構造体を製造するのにも好適である。これらのUV架橋性熱溶融性接着剤には、120〜140℃でも加工性を有するという利点がある;したがって、それらは、多くの熱可塑性基板との相溶性が良好である。さらなる有意な利点には、UV架橋性熱溶融性接着剤は毒性学的に完全に安全であり、衛生品において蒸発を引き起こさないことがある。発明の超吸収剤に関連する非常に有意な利点は、処理および架橋時に黄変する傾向のないUV架橋性熱溶融性接着剤の特性である。これは、極薄のまたは部分的に透明な衛生品の製造時、特に有利である。したがって、本発明の超吸収剤とUV架橋性熱溶融性接着剤との組合せが特に有利である。好適なUV架橋性熱溶融性接着剤は、例えば、EP0377199A2、EP0445641A1、US5,026,806、EP0655465A1およびEP0377191A2に記載されている。
【0139】
液体、特に水または水溶液を吸収する他の工業分野に本発明の超吸収剤を使用することもできる。これらの分野は、例えば、貯蔵、包装、輸送(水または湿気に敏感な製品、例えば花を輸送するための包装材料の構成成分、ならびに機械的効果に対する保護として);動物衛生用品(ネコのトイレ);食品包装(魚、鮮肉の輸送;鮮魚または肉の包装における水、血液の吸収);薬(絆創膏、火傷を手当てするため、湿った傷口のための吸水性材料)、化粧品(薬品および医薬品の担持材料、リウマチ様プラスター、超音波ゲル、冷却ゲル、化粧品増粘剤、日焼け止め);油/水または水/油エマルジョンの増粘剤;織物(織物、靴の中敷における湿気調整、例えば保護衣、手袋、ヘッドバンドにおける蒸発冷却);化学工学用途(有機反応のための触媒としての用途、酵素などの大型の機能分子の固定のための用途、凝集における接着剤、熱貯蔵物、濾過補助剤、ポリマー積層体における親水性成分、分散剤、液化剤として);建築および建設工業における粉末射出成形の助剤(架設、壌土系下塗材、振動抑制媒体、水分の多い土地におけるトンネル掘削の助剤、ケーブル外装として);水処理、廃棄物除去、水除去(氷結防止剤、再利用可能なサンドバッグ);洗浄;農薬産業(灌漑、解氷水および露堆積物の保持、堆肥化添加剤、森林の真菌/昆虫寄生からの保護、植物に対する活性成分の放出の遅延);消火または防火;(例えば、多層フィルムの親水性化のための)熱可塑性ポリマーにおける共押出剤;吸水可能なフィルムおよび熱可塑性成形品(例えば、農業用雨および露を貯蔵するフィルム;湿性フィルムで包装された果物および野菜の鮮度を維持するための超吸収剤を含むフィルム;例えば、肉、魚、鶏肉、果物および野菜などの食品を包装するための超吸収ポリスチレン共押出物);あるいは活性成分製剤(医薬、作物保護)における担体物質である。
【0140】
液体を吸収するための本発明の物品は、本発明の超吸収剤を含むという点で既知の例と異なる。
【0141】
液体を吸収するための物品、特に衛生品を製造するための方法であって、当該物品の製造に少なくとも1つの本発明の超吸収剤を使用することを含む方法も見いだされた。加えて、超吸収剤を使用して当該物品を製造するための方法が既知である。
【0142】
試験方法
超吸収剤を下記の試験方法によって試験する。
【0143】
下記の「WSP」と称される標準試験方法は、Worldwide Strategic Partners EDANA(European Disposables and Nonwovens Association,Avenue Eugene Plasky,157,1030 Brussels,Belgium,www.edana.org)およびINDA(Association of the Nonwoven Fabrics Industry,1100 Crescent Green,Suite 115,Cary,North Carolina 27518,U.S.A.,www.inda.org)によって共同出版された『Standard Test Methods for the Nonwovens Industry』2005年版に記載されている。この出版物は、EDANA、INDA双方から入手可能である。
【0144】
他に指定する場合を除き、下記のすべての測定を23±2℃の室温および50±10%の相対大気湿度で実施すべきである。他に指定する場合を除き、超吸収剤粒子を測定前に十分に混合する。
【0145】
遠心分離保持能(CRC)
超吸収剤の遠心分離保持能を標準試験方法WSP241.5−02「遠心分離保持能」によって測定する。
【0146】
0.3psi(AUL0.3psi)荷重下での吸収度
超吸収剤の2068Pa(0.3psi)荷重下での吸収度を標準試験方法WSP242.2−05「加圧下の吸収」によって測定する。
【0147】
0.7psi(AUL0.7psi)荷重下での吸収度
超吸収剤の4826Pa(0.7psi)荷重下での吸収度を、(0.3psiの荷重をもたらす)21g/cm2の重量の代わりに(0.7psiの荷重をもたらす)49g/cm2の重量を使用することを除き、標準試験方法WSP242.2−05「加圧下の吸収」と同様にして測定する。
【0148】
生理食塩水流れ誘導性(SFC)
液体吸収の結果、超吸収剤によって形成された膨潤ゲル層の生理食塩水流れ誘導性を、超吸収剤粒子の膨潤ゲル層のゲル層透過性として、EP0640330A1に記載されているように0.3psi(2086Pa)の圧力下で測定し、ガラスフリット(40)を使用せず、プランジャ(39)がシリンダ(37)と同じポリマー材料からなり、接触部全体に均一に分布した等しい径の21個の孔を含むように、前記特許出願の19頁および図8に記載の装置を改造する。測定の手順および評価は、EP0640330A1と同じである。流量を自動的に検知する。
【0149】
生理食塩水流れ誘導性(SFC)を以下のように計算する。
【0150】
SFC[cm3s/g]=(Fg(t=0)×L0)/(dxAxWP)
式中、Fg(t=0)は、t=0に対する外挿による流量測定のFg(t)データの線形回帰解析を参照して得られるg/s単位のNaCl溶液の流量であり、L0は、cm単位のゲル層の厚さであり、dは、g/cm3単位のNaClの密度であり、Aは、cm2単位のゲル層の面積であり、WPは、dyn/cm2単位のゲル層に対する静水圧である。
【0151】
ヒドロゲルの湿分(残留湿分、含水量)
吸水性ポリマー粒子の含水量を、標準試験方法WSP230.2−05「湿分」によって測定する。
【0152】
平均粒径
製造物フラクションの平均粒径を標準試験方法WSP220.2−05「粒径分布」によって測定する。
【0153】
CIE色数(Lab)
「LabScan XE S/N LX17309」比色計(HunterLab(Reston、米国))を用いてCIELAB法(Hunterlab、Volume 8、1996、Book 7、1〜4頁)に従って色分析を実施する。この方法では、三次元系のL、aおよびb座標を介して色を表す。Lは輝度を示し、L=0は黒色を、L=100は白色を指す。aおよびbの値は、それぞれ赤色/緑色および黄色/青色軸上の色の位置を指し、+aは赤色を、−aは緑色を表し、+bは黄色を、−bは青色を表す。
【0154】
色測定は、DIN5033−6による三区域法に対応する。
【0155】
貯蔵試験
測定1:内径9cm、高さ1.5cmのガラス皿に吸水性ポリマー粒子を過剰充填し、刃で縁を平坦にし、CIE色数を測定する。
【0156】
測定2a:内径9cm、高さ1.5cmのガラス皿に15gの超吸収剤粒子を充填し、ナイフで平坦にする。次いで、皿を65℃に加熱された気候制御キャビネットに90%の一定の相対大気湿度にてオープンな状態で入れる。7日後、皿を取り出し、内容物を混合し、撹拌によって滑らかにする。室温まで冷却した後、CIE色数を測定する。
【0157】
測定2b:内径9cm、高さ1.5cmのガラス皿に12gの超吸収剤粒子を、底が均一に被覆されるように充填する。次いで、皿を70℃に加熱された気候制御キャビネットに75%の一定の相対大気湿度にて、ガラス蓋で覆った状態で入れる。6日後、皿を取り出し、粒子を平滑な表面に堆積させ、サンプルを室温まで冷却した後、CIE色数を最上部に位置するサンプルの下面について測定する。
【0158】
実施例
実施例1(比較):
最初に、重合反応器として使用される加熱ジャケット付容量5lのPflugschar(登録商標)パドル乾燥器(製造者:Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH(Elsener−Strasse 7−9、33102 Paderborn、ドイツ);型式VT 5R−MK)に206.5gの水、(0.02質量%のヒドロキノンモノメチルエーテルで安定化された)271.6gのアクリル酸、ヒドロキノンモノメチルエーテルを除去する目的で予め活性化炭素で濾過された(中和度100モル%の)2115.6gの37.3質量%のアクリル酸ナトリウム溶液、および3.5gのトリエトキシ化グリセロールのトリアクリレートを充填し、20分間にわたって窒素を散布し不活性化させた。反応器の軸を毎分100回転で絶えず回転させた。アクリル酸+アクリル酸として計数されるアクリレートに基づくヒドロキノンモノメチルエーテルの含有量は、約0.0064質量%であった。後の開始剤の添加が約20℃で実施されるよう、反応混合物を外部から(冷媒が流れる反応器ジャケットにより)冷却した。最後に、(12gの水に溶解した)0.4gの過硫酸ナトリウムおよび(10gの水に溶解した)0.13gのBrueggolit(登録商標)FF7で構成された開始剤混合物も撹拌しながら反応器に添加し、冷却をオフに切り換えた。反応が迅速に開始した。反応器の内部温度が30℃に達してから、反応をできるだけ断熱状態で実施し完了させるために、ジャケットを80℃の熱媒体で加熱した。最高温度に達した時点で、製造物を再び(−12℃の冷却液で)冷却し、得られたゲルを50℃未満まで冷却し、排出した。
【0159】
形成したゲルを2つの金属ワイヤメッシュシートに分配し、強制空気乾燥キャビネットにて160℃で乾燥させた。続いて、超遠心ミルで粉砕し、製造物を150〜710μmの粒径に選別した。そのようにして調製された基材ポリマーは、35.8g/gのCRCおよび17.5g/gのAUL(0.3psi)を有していた。
【0160】
表面後架橋については、そのようにして調製された基材ポリマーに、加熱ジャケット付のPflugschar(登録商標)ミキサー(製造者:Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH(Elsener−Strasse 7−9、33102 Paderborn、ドイツ);型式M5)にて、室温および毎分450回転の軸速度で、2つの二成分噴霧ノズルによって以下の溶液を塗布した:
溶液1:基材ポリマーに基づく0.1質量%のエチレングリコールジグリシジルエーテル(Nagase ChemteX Corporation(大阪、日本)のDenacol(登録商標)EX−810)
基材ポリマーに基づく0.6質量%の1,2−プロパンジオール
基材ポリマーに基づく0.75質量%の水
溶液2:基材ポリマーに基づく3.0質量%の硫酸アルミニウム水溶液(26.8質量%)。
【0161】
噴霧塗布後、製造物温度を170℃に上げ、反応混合物をこの温度に維持し、45分間毎分80回転の軸速度を維持した。得られた製造物を再び室温まで冷却し、篩分した。表面後架橋ポリマー(超吸収剤)を粒径が160μmおよび850μmの篩分画分として得た。
【0162】
実施例2(比較)
実施例1で製造された超吸収剤を加熱ジャケット付のPflugschar(登録商標)ミキサー(製造者:Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH(Elsener−Strasse 7−9、33102 Paderborn、ドイツ);型式M5)にて、20分以内に毎分450回転の軸速度で0.10質量%のSipernat(登録商標)D17と均一に混合し、(それぞれの場合に使用した基材ポリマーに基づき)0.08質量%のポリエチレングリコール−400の水溶液および2.0質量%の水を室温で二成分噴霧ノズルによって同時に塗布する。
【0163】
実施例3(比較例)
実施例1で製造された超吸収剤を加熱ジャケット付のPflugschar(登録商標)ミキサー(製造者:Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH(Elsener−Strasse 7−9、33102 Paderborn、ドイツ);型式M5)にて、20分以内に毎分450回転の軸速度で0.10質量%のSipernat(登録商標)D17と均一に混合し、(それぞれの場合に使用した基材ポリマーに基づき)0.08質量%のポリエチレングリコール−400の水溶液、0.40質量%の重亜硫酸ナトリウムおよび2.0質量%の水を室温で二成分噴霧ノズルによって同時に塗布する。
【0164】
実施例4(比較)
手順は、0.80質量%の重亜硫酸ナトリウムを使用したことを除いては実施例3と同様であった。
【0165】
実施例5(比較)
手順は、1.20質量%の重亜硫酸ナトリウムを使用したことを除いては実施例3と同様であった。
【0166】
実施例6(比較):
手順は、1.29gのトリエトキシ化グリセロールのトリアクリレート、0.618gの過硫酸ナトリウム、および10gの水中Brueggolit(登録商標)FF7の代わりに9.12gの水中0.013gのアスコルビン酸を使用したことを除いては実施例1における基材ポリマーの調製と同様であった。得られた製造物をさらに最終的に200〜600μmの粒径に篩分し、表面後架橋しなかった。
【0167】
実施例7:
基材ポリマー(通常、CRC=36g/g、AUL(0.3psi)=16g/gおよび粒径分布(平均値)<150μm=0.5質量%;>150μm=15.8質量%;>300μm=70.9質量%;>600μm=12.8質量%および>710μm=0.05質量%の表面非後架橋ポリアクリレート超吸収剤)を表面後架橋のためにミキサー(Schugi(登録商標)Flexomix(登録商標)型式100D、製造者:Hosokawa Micron B.V.(Gildenstraat 26、7005 BL Doetinchem、オランダ)に通した。基材ポリマーを重量測定法により計量導入した;スループットは80kg/hであった。軸を毎分3400回転で回転させた;パドルは水平であった。同時に、2つの溶液または分散液IおよびIIを調整された連続質量流で、1つの二成分ノズルを介してそれぞれポリマーに噴霧した:
溶液Iは、それぞれの場合においてそれにより処理される基材ポリマーに基づき、0.2質量%の水と、0.8質量%の乳酸アルミニウム水溶液(25質量%の水溶液;Dr.Paul Lohmann GmbH KG(Hauptstrasse 2、31860 Emmerthal、ドイツ)、www.lohmann−chemikalien.deのLohtragon(登録商標)AL250)と、0.05質量%の2−ヒドロキシエチルオキサゾリジノンと、0.05質量%の1,3−プロパンジオールと、0.5質量%の1,2−プロピレングリコール、0.008質量%のモノラウリル酸ソルビタンと、0.87質量%のイソプロパノールとの混合物であった。溶液Iを、1.982kg/hの量で、その中心軸から90°傾斜したSchugi(登録商標)Flexomix(登録商標)の固体導入口の高さに配置された微小液体ノズル(Spraying Systems Deutschland GmbH(Grossmoorkehre 1、21079 Hamburg、ドイツ)のJ−2850−SS型+J−73328−SSガスノズル)を介して噴霧した。使用した噴霧ガスは、それぞれの場合において2バールの圧力の窒素であった。
【0168】
溶液II(実際には分散液)は、それぞれの場合においてそれにより処理される基材ポリマーに基づき、0.875質量%の水、0.4質量%の乳酸アルミニウム溶液(25質量%の水溶液;Dr.Paul Lohmann GmbH KG(Hauptstrasse 2、31860 Emmerthal、ドイツ)、www.lohmann−chemikalien.deのLohtragon(登録商標)AL250)、0.3質量%のC53−80リン酸三カルシウム(Chemische Fabrik Budenheim KG(Rheinstrasse 27、55257 Budenheim、ドイツ)および0.05質量%のBrueggolit(登録商標)FF7(L.Brueggemann KG(Salzstrasse 131、74076 Heilbronn、ドイツ、www.brueggemann.com)からなっていた。最初にBrueggolit(登録商標)FF7を水に溶解し、乳酸アルミニウム溶液を添加し、次いで高速撹拌機(S50KR軸を備えたUltra−Turrax(登録商標)T50、IKA(登録商標)Werke GmbH&Co.KG、Janke&Kunkel−Str.10(79219 Staufen、ドイツ))を用いてこの溶液にリン酸三カルシウムを分散した。この初期充填容器において、懸濁液を撹拌によって均一に維持した。溶液IIを1.30kg/hの量で、その中心軸に対して270°傾斜したSchugi(登録商標)Flexomix(登録商標)の固体導入口の高さに配置されたより粗い液体ノズル(Spraying Systems Deutschland GmbH(Grossmoorkehre 1、21079 Hamburg、ドイツ)のJ−60100−SS型+J−125328−SSガスノズル)を介して噴霧した。それぞれの場合において2バールの圧力の窒素を噴霧ガスとして用いた。
【0169】
湿性ポリマーをSchugi(登録商標)Flexomix(登録商標)ミキサーから蒸気加熱パドル乾燥器(Nara Machinery Co.Ltd.、ヨーロッパ支社(Europaallee 46、50226 Frechen、ドイツ)から購入したNPD 1.6W型)に直接移した。乾燥器内の温度を、187℃の乾燥器出口における製造物温度の目標値が達成されるように調整した。排出方向の傾斜が3°、堰高さが約95%の充填量に対応する約64mm、軸の回転が14rpmに乾燥器を調整することで、乾燥器における製造物の平均滞留時間を約35分に設定した。製造物を約50℃まで冷却する容量50lのスクリュー冷却器(製造者:Lurgi Gesellschaft fuer Waermetechnik mbH(Frankfurt/Main、ドイツ)を乾燥器の下流に接続した。続いて、製造物を、2つの篩分デッキ(150μm/710μm)を備えたス篩分装置に通し、主に粗製物として(使用する基材ポリマーに基づき)約3質量%のポリマーを除去した。篩分画分(150〜710μm)の超吸収剤を所望の製造物として除去した。
【0170】
実施例8:Brueggolit(登録商標)FF7で後処理された実施例7の超吸収剤
実施例7の超吸収剤を二回目も同様にして、実施例7に記載した表面後架橋のための同じ装置に通し、Schugi(登録商標)Flexomix(登録商標)において、超吸収剤の質量に基づき0.95質量%の水および0.05質量%のBrueggolit(登録商標)FF7の溶液のみ、90°の位置に配置されたノズルを介して噴霧し、パドル乾燥器における温度を、100°の出口における製造物の目標値が達成されるように調整したことを除いては同じパラメータを確立した。
【0171】
実施例9:乳酸アルミニウムおよびBrueggolit(登録商標)FF7を含む超吸収剤
Schugi(登録商標)Flexomix(登録商標)において、1つの溶液のみ、等しい分量で2つのノズルを介して噴霧し、さらに同一のノズル(J−2850−SS型+J−73328−SSガスノズル)を使用したことを除いては実施例7を繰り返した。噴霧した溶液の組成は、それぞれの場合において使用する基材ポリマーに基づき0.76質量%の水、0.075質量%のBrueggolit(登録商標)FF7、1.8質量%の乳酸アルミニウム溶液(25%水溶液;Lohtragon(登録商標)AL250)、0.05質量%の2−ヒドロキシエチルオキサジリジノン、0.5質量%の1,2−プロピレングリコール、0.008質量%のモノラウリル酸ソルビタンおよび0.91質量%のイソプロパノールであった。
【0172】
実施例10(比較):
表面後架橋時にBrueggolit(登録商標)を添加しなかったことを除いては実施例7を繰り返した。
【0173】
実施例11:
40.8gの水、0.12gのBrueggolit(登録商標)FF7および0.72gの乳酸カルシウムの溶液を、2分間以内に、二成分噴霧ノズルによって毎分450回転の軸速度で加熱ジャケット付のPflugschar(登録商標)ミキサー(製造者:Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH(Elsener−Strasse 7−9、33102 Paderborn、ドイツ);M5型)にて、実施例10で調製した1200gの超吸収剤に噴霧した。続いて、得られたポリマーを強制空気乾燥キャビネットにて100℃で60分間乾燥させた。メッシュサイズ850μmの篩を用いて、粗画分を除去した。
【0174】
実施例1から11の超吸収剤に貯蔵試験を施した。測定1aおよび測定2bに従って色数を得た。結果を以下の表に整理する。
【0175】
実施例1から11の超吸収剤の吸収特性は、以下の通りであった:
【表1】

【0176】
実施例1〜11の超吸収剤に貯蔵試験を施した。結果を以下の表に整理する:
【表2】

【0177】
実施例2〜5の測定値を比較すると、貯蔵の過程でサンプルが有意に変色し、先行技術により亜硫酸水素ナトリウムで処理されたサンプルは、この変色に対して有意に安定化されているが、実施例5の比較的高い亜硫酸水素塩含有量においてSFCが幾分減少していることがわかる。
【0178】
(スルフィン酸塩開始剤を用いない)実施例6と(スルフィン酸塩開始剤を用いた)実施例1とを比較すると、重合後の製造物にさらなる開始剤が存在しないが、先行技術により酸化還元開始剤の一部としてスルフィン酸塩を使用しても色安定性が向上しないことがわかる。しかし、本発明による重合後のスルフィン酸誘導体の添加は、色安定性のさらなる向上を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
Mは水素原子、アンモニウムイオン、一価金属イオン、または元素周期表の第1、2、8、9、10、12もしくは14族の1当量の二価金属イオンであり;
1は、OHまたはNR45であり、R4およびR5は、それぞれ独立して、HまたはC1−C6−アルキルであり;
2は、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキルもしくはアリール基であり、この基は、それぞれ独立して、C1−C6−アルキル、OH、O−C1−C6−アルキル、ハロゲンおよびCF3から選択される1、2もしくは3個の置換基を場合により有し;
3は、COOM、SO3M、COR4、CONR45またはCOOR4であり、M、R4およびR5は、それぞれ以上に定義されている通りであり、あるいはR2が以上に示されているように場合により置換されているアリールである場合は、Hでもある]の化合物、その塩、または当該化合物および/またはそれらの塩の混合物を含む超吸収剤。
【請求項2】
Mがアルカリ金属イオンまたは1当量のアルカリ土類金属もしくは亜鉛イオンであり;R1がヒドロキシルまたはアミノ基であり;R2がHまたはアルキルであり、R3がCOOMまたはCOOR4であり、R3がCOOMである場合、このCOOM基におけるMがH、アルカリ金属イオンまたは1当量のアルカリ土類金属イオンであり、R3がCOOR4である場合は、R4がC1−C6−アルキルであることを特徴とする、請求項1に記載の超吸収剤。
【請求項3】
Mがアルカリ金属イオンまたは1当量のアルカリ土類金属もしくは亜鉛イオンであり;R1がヒドロキシルまたはアミノ基であり;R2が場合により置換されたアリールであり;R3が水素原子であることを特徴とする、請求項1に記載の超吸収剤。
【請求項4】
2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸のナトリウム塩と、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩と、重亜硫酸ナトリウムとの混合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の超吸収剤。
【請求項5】
それぞれの場合において本発明の超吸収剤の全質量に基づき、少なくとも0.0001質量%および多くとも3質量%の式(I)の化合物、その塩、あるいは当該化合物および/またはそれらの塩の混合物を含むことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の超吸収剤。
【請求項6】
表面後架橋されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載の超吸収剤。
【請求項7】
ホスフィン酸塩および/またはホスホン酸塩をさらに含むことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の超吸収剤。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の超吸収剤を製造するための方法であって、式(I)の化合物、その塩あるいは当該化合物および/またはそれらの塩の混合物、ならびに場合によりホスフィン酸塩および/またはホスホン酸塩と、超吸収剤とを混合することを含む前記方法。
【請求項9】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の超吸収剤を含む、液体を吸収するための物品。
【請求項10】
液体を吸収するための物品を製造するための方法であって、請求項1から7までのいずれか1項に記載の超吸収剤を製造に使用することを特徴とする前記方法。

【公表番号】特表2011−529516(P2011−529516A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520501(P2011−520501)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059793
【国際公開番号】WO2010/012762
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】