説明

知識検索システム及び報酬付与方法

【課題】Q&A形式の知識検索サービスにおいて、アフィリエイト・プログラムとの連携を行うことにより回答者のインセンティブを高める仕組みを備え、質問に対する回答の量及び質を向上させる知識検索システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る知識検索システムにおいて、知識検索サーバは、広告を含む質問と回答とを受け付ける受付手段と、質問と回答とを対応付けて記憶した記憶手段と、1の回答をベストアンサーとして特定する特定手段と、ベストアンサーと特定された回答の回答者の情報をアフィリエイトサーバに送信する送信手段とを備え、アフィリエイトサーバは、質問に含まれる広告に基づいて、質問者へ支払うアフィリエイト報酬額を記憶する記憶手段と、知識検索サーバから前記回答者の情報を受信すると、アフィリエイト報酬額に基づき、該回答者へ支払うベストアンサー報酬額を算出する算出手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知識検索システム及び報酬付与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネット広告において、報酬型広告であるアフィリエイト・プログラムが広く知られている。広告媒体となるウェブサイトに設置された広告によって、ウェブサイトの閲覧者が広告主の商品やサービス等を購入し、購入により得られた利益に応じてウェブサイト運営者(又は管理者)に対し、成功報酬としてその利益の一部が与えられる広告形態である。
【0003】
ウェブサイト運営者は、成功報酬をより得られるよう、ウェブサイトの閲覧者が広告主の商品やサービス等の購入を促すための様々な工夫を行っている。例えば、ウェブサイトの題材(トピック)に関連した商品の広告を扱うことは、そのウェブサイトに訪問した閲覧者の嗜好にマッチした商品である可能性が高い。またブログなどで、自身が購入した商品のコメントとともにその商品の広告を扱うことで、閲覧者の購入意欲を掻き立てる。
【0004】
ところで一方、インターネットコミュニティの1つに、Q&A(Question and Answer)形式の知識検索サービスが知られている。ウェブサイトの電子掲示板上で利用者同士がQ&A方式で知識や知恵を教え合うコミュニティーサービスである。質問者は疑問に思ったことや他の人に聞きたいことを質問Qとして投稿し、他の利用者がこの質問Qに対する回答Aを投稿する。
【0005】
通例、このようなQ&A形式の知識検索サービスにはポイント(貢献度)というものがあって、質問を行ったり回答を行ったりすると、利用者にはポイントが付与されるシステムとなっている。またポイントに応じて与えられるグレード(称号)も存在する。
【0006】
ポイント付与は、特に複数の回答の中から最も優秀な回答(ベストアンサー)として選出されたような場合、大きなポイントが付与される。選出方法は様々だが、例えば質問Qの質問者自身がこれと思うベストアンサーを選んだり、また例えば閲覧者の投票により多くの閲覧者が優秀であると考える回答Aがベストアンサーとなる。
【0007】
知識検索サービスではこのようなポイント制度を導入することにより、利用者のQ&A利用・参加の促進を図るとともに、特にベストアンサー制度によっては、回答者から質のよい回答が得られるよう工夫がなされている。
【0008】
これらに関する技術として、特許文献1には、質問者が回答者へポイントを付与することにより、有益な回答を収集する(ヘルプデスクの)システムが記載されている。また、特許文献2には、Q&Aデータベースにおいて、ベストアンサーを選択するに際し、ユーザインタフェースや回答の質を向上させることができる知識検索装置等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−058360号公報
【特許文献2】特開2005−302000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の知識検索サービスにおけるポイント制度は、利用者に対し一定の利用・参加を促すものではあるが、あくまで架空のポイントであったり架空のグレードであったため、回答者から質のよりよい回答が得られるインセンティブとはいいがたい側面があった。つまり従来のポイント制度下で、知識検索サービスは、回答者のボランティアによって回答され運営されていたという側面が大きかった。
【0011】
本発明は上記のような問題に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、Q&A形式の知識検索サービスにおいて、アフィリエイト・プログラムとの連携を行うことにより回答者のインセンティブを高める仕組みを備え、質問に対する回答の量及び質を向上させる知識検索システム及び報酬付与方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明に係る知識検索システムは、知識検索サーバと、アフィリエイトサーバと、ユーザの端末とがネットワークを介し接続された知識検索システムであって、知識検索サーバは、質問者の端末から広告を含む質問と、該質問に対する回答者の端末から回答とを受け付ける受付手段と、前記質問と、前記回答とを対応付けて記憶、管理した記憶手段と前記回答のうち、1の回答をベストアンサーとして特定する特定手段と、前記ベストアンサーと特定された回答の回答者の情報をアフィリエイトサーバに送信する送信手段と、を備え、アフィリエイトサーバは、前記質問に含まれる広告に基づいて、質問者へ支払うアフィリエイト報酬額を記憶する記憶手段と、知識検索サーバから前記回答者の情報を受信すると、前記アフィリエイト報酬額に基づき、該回答者へ支払うベストアンサー報酬額を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、上記の目的を達成するために、上記知識検索システムにおいて、前記記憶手段は、所定条件を満たす場合、該質問に対する回答者の端末から回答と受け付けられると、該回答ととともに、所定のBA報酬率上乗せ率を対応付けて記憶、管理し、前記送信手段は、前記回答者の情報とともに、前記所定のBA報酬率上乗せ率をアフィリエイトサーバに送信し、前記算出手段は、前記アフィリエイト報酬額に対し、所定のBA報酬率に前記所定のBA報酬率上乗せ率を上乗せしたBA報酬率を乗算することにより、回答者へ支払うベストアンサー報酬額を算出することを特徴とする。
【0014】
また、上記の目的を達成するために、上記知識検索システムにおいて、前記所定条件は、質問に対し受け付けられた回答の数が所定数以下である場合、又は質問が属するカテゴリ内において受け付けられた回答の総数が所定数以下である条件であることを特徴とする。
【0015】
また、上記の目的を達成するために、上記知識検索システムにおいて、知識検索サーバは、前記回答者に対し評価値を与えるとともに、回答者毎に評価値を記憶したユーザ評価手段を備え、前記所定条件は、質問に対し受け付けられた回答を行った回答者の前記評価値が所定値以上である条件であることを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するために、上記知識検索システムにおいて、前記所定条件は、質問に対し受け付けられた回答の受付時刻が、該質問が受け付けられた受付時刻から所定時間経過前である条件であることを特徴とする。
【0017】
また、上記の目的を達成するために、上記知識検索システムにおいて、前記所定のBA報酬率は、質問者によって任意に指定されたれた値、又は予め定められた値であること、を特徴とする。
【0018】
また、上記の目的を達成するために、上記知識検索システムにおいて、前記知識検索サーバと前記アフィリエイトサーバとは、1のサーバに構築されたサーバであること、を特徴とする。
【0019】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、Q&A形式の知識検索サービスにおいて、アフィリエイト・プログラムとの連携を行うことにより回答者のインセンティブを高める仕組みを備え、質問に対する回答の量及び質を向上させる知識検索システム及び報酬付与方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態に係るネットワーク構成図である。
【図2】知識検索サーバ1、アフィリエイトサーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る知識検索システム100の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。
【図4】広告商品DB22の一例を示す。
【図5】Q&ADB12の一例を示す。
【図6】質問Qの一例を示す。
【図7】アフィリエイトDB23(その1)の一例を示す。
【図8】報酬額DB25の一例を示す。
【図9】Q&A投稿処理を説明するシーケンス図である。
【図10】広告商品の成約処理を説明するシーケンス図である。
【図11】BA特定及び報酬の算出処理を説明するシーケンス図である。
【図12】Q&ADB12の一例(その2)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0023】
[概要]
本実施形態において、Q&A形式の知識検索サービスの質問者はアフィリエイト・プログラム参加者である。従って自身が運営するウェブサイト(広告媒体)に設置された広告によって、ウェブサイトの閲覧者が広告主の商品(商品の他、サービス等も含むが以下単に商品という)を購入した場合、成功報酬としてその利益の一部が与えられる。
【0024】
ここで、この質問者がQ&A形式の知識検索サービスを利用し、Q&A形式の知識検索サービスを運営するウェブサイトが提供する電子掲示板な[YJ1]どで質問Qを投稿する。このとき質問Qは、商品(商品Aとする)に関する質問であるとする。例えば商品Aがゲームソフトであるならば、ゲームの楽しみ方や攻略方法等を質問内容として投稿する。またことのき、質問者は質問Qの投稿内容に、商品Aの広告を設置しておく。広告設置方法はアフィリエイト・プログラムによるが、例えば質問文脈中の「商品A」なる用語にハイパーリンクをつけたり、「商品A」の画像がある場合は、画像にハイパーリンクをつける。いうまでもなく、どのウェブサイトから購入成約したかを追跡できるようリンクには、アフィリエイト・プログラム参加者を識別する識別子(ID等)の情報が含まれる。
【0025】
一方、回答者はこの質問Qに対する回答Aを投稿する。大抵の場合時間経過とともに複数の回答Aが順次投稿されていく。そしてある時刻時点で、複数の回答Aのうち最も優秀な回答Aがベストアンサーとして選出(決定)されることになる。この時点で質問Qに対する複数の回答Aが投稿されており、またその中からベストアンサーが選出されているため、この質問Qはひとまずはクローズしたといってよい。
【0026】
また一方、例えば利用者(質問者、回答者以外の第3者)は、電子掲示板上の質問者の質問Q、回答者の回答Aの投稿履歴を見れば、質問Qと同じ疑問を持っていれば自身の疑問を概ね解消することができる。また興味から各種の投稿履歴を見ている利用者もいるであろう。ここで、ある利用者が質問Q及び回答Aの投稿履歴を見ているうちに、質問の題材となっている商品Aに興味を覚え、質問Qの投稿内の商品Aの広告によって、利用者が広告主の商品Aを購入する。この場合、アフィリエイト・プログラム参加者でもある質問者には、成功報酬としてその利益の一部が与えられる。
【0027】
そして本実施形態においては、アフィリエイト・プログラム参加者でもある質問者が得た成功報酬のうち、ベストアンサーと選出された回答者に対し、その成功報酬の所定分を分配(還元)する仕組みを導入する。つまり、回答者(特にベストアンサーを行った回答者)に対し、従来のポイントやグレードといったものではなく、広告商品の購入によって発生した成功報酬の所定分を分配するようにすることで、回答者のインセンティブを高める仕組みを導入する。
【0028】
このように、回答者のインセンティブを高めることにより、多くの回答が投稿され、またより質の高い回答が投稿されることが期待される。これにより、Q&A形式の知識検索サービスにおいて、電子掲示板上の質問Qに対する回答Aの投稿の充実を図ることができる。
【0029】
また別の側面からみれば、回答者のインセンティブを高めることにより、多くの回答が投稿され、またより質の高い回答が投稿されるので、第3者の利用者の閲覧を促進し、利用者が広告の商品やサービスを購入する可能性、成約率を高めることができる。この場合、アフィリエイト・プログラム参加者でもある質問者には、成功報酬として一層の利益を得ることができる。そしてまた、成功報酬の所定分がベストアンサーを行った回答者に分配(還元)される。
【0030】
以下詳細に説明していく。
【0031】
[システム構成]
(ネットワーク構成)
はじめに、本発明を実施するにあたってのネットワーク構成について説明する。図1は、本実施形態に係るネットワーク構成図である。図に示されるように本実施形態に係る知識検索システム100においては、知識検索サーバ1、アフィリエイトサーバ2、質問者の端末3、回答者の端末4が、インターネット等のネットワーク5を介して接続されている。
【0032】
知識検索サーバ1は、上述したように、ウェブサイトの電子掲示板上で利用者同士がQ&A方式で知識や知恵を教え合う知識検索のコミュニティーサービスを提供するサーバである。質問者は、知識検索サーバ1のウェブサイトの電子掲示板上において、疑問に思ったことや他の人に聞きたいことを質問Qとして投稿し、他の利用者がこの質問Qに対する回答Aを投稿する。
【0033】
アフィリエイトサーバ2は、インターネット広告において、アフィリエイト広告を提供するとともに、アフィリエイト・プログラムを運営・管理するサーバである。アフィリエイト広告に基づき、ウェブサイトの閲覧者が広告主の商品やサービス等を購入した際、購入により得られた利益に応じてウェブサイト運営者(又は管理者、アフィリエイト・プログラム参加者)に対する成功報酬を管理している。
【0034】
質問者の端末3、回答者の端末4は、いずれも知識検索サービスを利用するためユーザ端末(例えばPC等)である。説明の便宜上、質問者の端末3と回答者の端末4を分けている。
【0035】
(ハードウェア構成)
ここで本実施形態に係る知識検索サーバ1、アフィリエイトサーバ2のハードウェア構成について簡単に説明しておく。図2は、知識検索サーバ1、アフィリエイトサーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
【0036】
図2において、知識検索サーバ1、アフィリエイトサーバ2は、システムバス111に接続されたCPU112、ROM113、RAM114、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)115、I/F(Interface)116と、I/F116に接続された、キーボード、マウス、モニタ、CD/DVD(Compact Disk/Digital Versatile Disk)ドライブ等のI/O(Input/Output Device)117、HDD118、NIC(Network Interface Card)119を備えている。Mはプログラムもしくはデータが格納されたCD/DVD等のメディア(記録媒体)である。
【0037】
なお、各装置は単体のコンピュータ装置で構成される必要はなく、複数のコンピュータ装置による複合装置であってもよい。なお端末3、4については、携帯電話等の移動体端末を含む一般のPCにて構成可能であり、図2と同様のハードウェア構成で実現可能である。
【0038】
(機能構成)
次に、本実施形態に係る知識検索システム100において各装置の主要機能構成についてそれぞれ説明する。図3は、本実施形態に係る知識検索システム100の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。
【0039】
図に示すように知識検索サーバ1は、主要な機能として、Q&A受付部11、Q&ADB(記憶部)12、BA特定部13、BA回答者送信部14を有している。
【0040】
Q&A受付部11は、質問者の端末3から広告を含む質問Qと、該質問に対する回答者の端末4から回答Aを受け付ける。具体的には、質問者から質問Qを受け付けると、電子掲示板上に質問Qをアップし、その質問Qを閲覧した回答者がその質問に対する回答Aを受け付けると、電子掲示板上に回答Aを質問Qと対応させてアップする。
【0041】
Q&ADB(記憶部)12は、アップされた質問Qと、質問Qに対する回答Aとを対応付けて記憶、管理したQ&ADB(データベース)である。一の質問Qに対し、回答A(複数可)が紐付けられて管理される。Q&ADB12の具体例については後述する。
【0042】
BA特定部13は、Q&ADB12の1又は複数の回答Aの中から、1の回答Aをベストアンサー(Best Answer)として特定する。特定方法は、上述したように様々ありうるが、本実施形態では、質問Qの質問者自身がこれと思うベストアンサーを選出する方法であるものとする。すなわち、BA特定部13は、端末3のBA入力部33によりベストアンサーとして入力された1の回答Aに関する情報に基づいて、ベストアンサーを特定する。
【0043】
BA回答者送信部14は、BA特定部13にてベストアンサーと特定された回答の回答者の情報をアフィリエイトサーバ2に送信する。
【0044】
次にアフィリエイトサーバ2は、主要な機能として、アフィリエイト管理部21、商品DB22、アフィリエイトDB23、報酬額決定部24、報酬額DB25を有している。
【0045】
アフィリエイト管理部21[YJ2]は、アフィリエイト・プログラムを全般的に運営・管理する機能部である。アフィリエイト質問Qに含まれる広告に基づいて、成約履歴(購入履歴)や質問者へ支払うアフィリエイト報酬額を管理し、これをアフィリエイトDB23に記録する。
【0046】
広告商品DB22は、アフィリエイト広告商品の広告データを保持したDBである。商品DB22の具体例については後述する。
【0047】
アフィリエイトDB23は、広告商品の成約履歴や、アフィリエイト・プログラム参加者(本実施形態では質問者)に対するアフィリエイト報酬額などが記録されたDBである。アフィリエイトDB23の具体例については後述する。
【0048】
報酬額決定部24は、知識検索サーバ1から回答者の情報を受信すると、アフィリエイト・プログラム参加者(本実施形態では質問者)に対するアフィリエイト報酬額に基づき、ベストアンサーを行った回答者へ支払うベストアンサー報酬額を算出する。ベストアンサー報酬額は、所定の方法により算出されるがこの点は後述する。
【0049】
報酬額(明細)DB25は、アフィリエイト・プログラム参加者へ対する報酬や、報酬額決定部24にて算出されたベストアンサー報酬額が記憶されるDBである。アフィリエイト・プログラム参加者やベストアンサーを行った回答者に対し、この報酬額が報酬として支払われる。
【0050】
次に端末3は、主要な機能として、広告商品選択部31、Q投稿部32、BA入力部33を有している。
【0051】
広告商品選択部31は、アフィリエイト・プログラム参加者がウェブページ(質問Qもウェブページの一形態)に広告を埋め込む際、広告商品DB22にアクセスし、広告とする広告商品を選択する機能部である。
【0052】
Q投稿部32は、質問Qを知識検索サーバ1に投稿する。具体的には、質問者が広告を含む質問Qを作成し、知識検索サーバ1のウェブサイトの電子掲示板上にアップする。
【0053】
BA入力部33は、Q&ADB12の1又は複数の回答Aの中から、1の回答Aをベストアンサーとして特定する。具体的には、質問者がQ&ADB12にアクセスし、自身が質問した質問Qに対する回答Aの中から、最も優れた回答と思う1の回答Aをベストアンサーに特定(決定)する。
【0054】
次に端末4は、主要な機能として、A投稿部41を有している。
【0055】
A投稿部41は、回答Aを知識検索サーバ1に投稿する。具体的には、質問者により投稿されている質問Qを閲覧し、質問Qに対する回答Aを作成し、知識検索サーバ1の電子掲示板上にアップする。
【0056】
以上これらの機能は、実際には各装置のCPUが実行するプログラムによりコンピュータに実現させるものである。
【0057】
なおまた、知識検索サーバ1とアフィリエイトサーバ2との機能をそれぞれ分けて説明したが、両サーバを1のサーバに構築することも可能である。この場合、その1のサーバに上述両サーバの機能を設けるようにすればよい。またこの場合には、1のサーバであるため、いうまでもなくBA回答者送信部14は省略できる。
【0058】
(広告商品DB22)
図4は、広告商品DB22の一例を示す。広告商品DB22は、アフィリエイト・プログラム参加者がウェブサイト(例えば質問Q)に広告を埋め込む際に参照され、広告商品の情報が保持されているDBである。図に示されるように、広告商品DB22は、「商品ID」、「商品情報」、「価格」、「報酬率」、「広告データ」等の情報が格納される。
【0059】
「商品ID」は、管理上商品毎に一意に付与される商品識別子を示す。「商品情報」は、その商品の説明情報であったり、広告的な商品アピールポイントの情報を示す。「価格」は、その商品の販売価格を示し、「報酬率」は、その商品が成約したときにアフィリエイト・プログラム参加者に報酬と支払われる販売価格に対する報酬率を示す。「広告データ」は、アフィリエイト・プログラム参加者がウェブサイト(例えば質問Q)に広告を埋め込む広告データ(リンク情報)を示す。広告データ中、パラメータID1には広告商品の商品ID、ID2にはアフィリエイト・プログラム参加者に与えられているアフィリエイトID、ID3には投稿する質問ID(質問番号)に修正して埋め込む。質問ID(質問番号)については、質問Qの投稿後、知識検索サーバ1で自動付番、入力されてもよい。
【0060】
(Q&ADB12)
図5は、Q&ADB12の一例を示す。Q&ADB12は、アップされた質問Qと、質問Qに対する回答Aとを対応付けて記憶、管理したQ&ADB(データベース)である。図に示されるように、Q&ADB12の(a)は、「Q_ID」、「投稿データ」、「投稿日時」、「ユーザID」、「アフィリエイトユーザID」等の情報が格納される。
【0061】
「Q_ID」は、質問者の質問IDであり、管理上質問毎に一意に付与される質問識別子を示す。「投稿データ」は、投稿内容(質問内容)を示す。「投稿日時」は、質問が投稿された日時(日時刻)を示す。「ユーザID」は、知識検索サービス上のユーザとして与えられている質問者のユーザIDを示す。「アフィリエイトユーザID」は、アフィリエイト・プログラム参加者に与えられているユーザIDを示す。広告データ内から取得したり、又は別途質問Qの投稿時入力される。本実施形態では、質問者はアフィリエイト・プログラム参加者でもあるので、「ユーザID」、「アフィリエイトユーザID」の2つのIDを有する。
【0062】
また、Q&ADB12の(b)は、(a)の「Q_ID」毎に保持される情報である。つまり、質問者が行った1の質問(「Q_ID」)に対して回答された回答情報となっている。Q&ADB12の(b)は、「Q_ID」、「A_ID」、「投稿データ」、「投稿日時」、「ユーザID」、「BA」等の情報が格納される。
【0063】
「Q_ID」は、(a)の質問識別子と対応する。この図例の場合、「Q_ID」に対する回答であるので、全て「Q_ID」はQ001である。「A_ID」は、管理上質問毎に一意に付与される回答識別子を示す。「投稿データ」は、投稿内容(回答内容)を示す。「投稿日時」は、回答が投稿された日時を示す。「ユーザID」は、知識検索サービス上のユーザとして与えられている回答者のユーザIDを示す。「BA」は、「1」のフラグによってベストアンサーを示す。例えばベストアンサーとして特定された1の回答に対し、「1」のフラグを立てる。
【0064】
図6は、質問Qの一例を示す。これは、「user1111」である質問者が質問IDである「Q_ID」がQ001である質問を投稿したものである。なお、投稿データ中の「ロールプレイング○○○ゲーム」は広告に相当し、ハイパーリンク情報「http://・・・/?ID1=X001?ID2=user0123?ID3=Q001」が埋め込まれている。ここで「X001」はゲームソフトの商品IDであり、「user0123」はアフィリエイトユーザID、「Q001」は当質問Qの質問識別子である。これらパラメータは、リンク情報に埋め込まれることにより、広告に基づき広告商品が購入された際、アフィリエイトサーバ2側(アフィリエイトDB23)で把握されうる。つまりどの商品が、どのウェブサイトで、どのアフィリエイト・プログラム参加者の貢献によって購入されたかを追跡するものである。
【0065】
質問Qを閲覧したユーザが広告をクリックすると、即ちリンク情報「http://・・・/?ID1=X001?ID2=user0123?ID3=Q001」をクリックすると、広告商品サイト「http://・・・/」にジャンプする。そしてユーザがこのサイトで商品を購入すると、アフィリエイトサーバ2に対し、成約(購入)が通知されるが、このときにアフィリエイト情報である「ID1=X001」、「ID2=user0123」、「ID3=Q001」の情報が渡される。
【0066】
(アフィリエイトDB23)
図7は、アフィリエイトDB23(その1)の一例を示す。アフィリエイトDB23は、広告商品の成約履歴(購入履歴)や、アフィリエイト・プログラム参加者に対するアフィリエイト報酬額などが記録されたDBである。図に示されるように、アフィリエイトDB23は、「成約ID」、「成約日時」、「商品ID」、「アフィリエイトユーザID」、「Q_ID」、「報酬額」、「BA報酬額」等の情報が格納される。
【0067】
「成約ID」は、管理上成約毎に一意に付与される成約識別子を示す。「成約日時」は、商品が成約(購入)された日時を示す。「商品ID」は、成約した商品の商品識別子を示す。「アフィリエイトユーザID」は、成約した商品の広告が掲載されていたウェブサイトのアフィリエイト・プログラム参加者のユーザIDを示す。「Q_ID」は、成約した商品の広告が掲載されていたウェブサイトである質問の質問識別子である質問IDを示す。「報酬額」は、アフィリエイト・プログラム参加者への報酬額を示す。例えば商品の価格に対し所定の報酬率を乗じた額が報酬額となる。「BA報酬額」(ベストアンサー報酬額)は、ベストアンサーとして特定された回答を行った回答者への報酬額を示す。例えばアフィリエイト・プログラム参加者への報酬額に対し所定の報酬率を乗じた額がBA報酬額となる。
【0068】
(報酬額DB25)
図8は、報酬額DB25の一例を示す。報酬額DB25は、アフィリエイトDB23を集計することによって得られ、アフィリエイト・プログラム参加者に対する報酬や、報酬額決定部24にて算出されたベストアンサー報酬額が記憶されるDBである。アフィリエイト・プログラム参加者やベストアンサーを行った回答者に対し、この報酬額が報酬として支払われる。
【0069】
図に示されるように報酬額DB25は、「成約ID」、「成約日時」、「商品ID」、「アフィリエイトユーザID」、「Q_ID」、「報酬額」、「BA報酬額」等の情報が格納される。アフィリエイトDB23から抽出したものであるのでアフィリエイトDB23と同様であるが、これに加え集計された最終報酬額の情報が保持される。
【0070】
図8(a)を参照する。(a)は、アフィリエイトDB23のアフィリエイトユーザIDが「user0123」である記録・行を抽出したもので、アフィリエイトユーザIDが「user0123」であるアフィリエイト・プログラム参加者に対しての報酬額を示す。成約ID「S001」、「S201」を見ると、Q_IDが「Q001」である質問(ウェブサイト)に設置された商品ID「X001」の広告によって、商品ID「X001」の購入が2件成約したことが分かる。また成約ID「S004」を見ると、Q_IDが「Q025」である質問(ウェブサイト)に設置された商品ID「X142」の広告によって、商品ID「X142」の購入が1件成約したことが分かる。そしてこれら3件のアフィリエイト・プログラム参加者に対する合計報酬額は「340(円)」801であり、このうちベストアンサーを行った回答者に対する合計報酬額は「130(円)」802であるから、この額を除算し、アフィリエイト・プログラム参加者に対する最終報酬額は「210(円)」803と算出される。
【0071】
図8(b)を参照する。(b)は、アフィリエイトDB23のQ_IDが「Q001」である記録・行を抽出したもので、Q_IDが「Q001」の質問に対するベストアンサーを行った回答者であるユーザID「user0010」への報酬額を示す。成約ID「S001」、「S201」を見ると、Q_IDが「Q001」である質問(ウェブサイト)に設置された商品ID「X001」の広告によって、商品ID「X001」の購入が2件成約したことが分かる。そしてQ_IDが「Q001」である質問に対してベストアンサーを行ったユーザID「user0010」に対する最終BA報酬額は「80(円)」804と算出される。
【0072】
なおこれら報酬額は、アフィリエイトサーバ2のユーザ管理画面等から参照できる。例えばアフィリエイト・プログラム参加者である「user0123」は、アフィリエイトサーバ2にアクセスし、アフィリエイトユーザ管理画面において最終報酬額を確認できる。一方、ベストアンサーを行った回答者であるユーザID「user0010」はアフィリエイト・プログラム参加者ではない可能性もあるので、この場合、知識検索サーバ2と連携し、知識検索サーバ2のユーザ管理画面において最終BA報酬額を確認できるようにするとよい。
【0073】
[情報処理]
本実施形態1に係る知識検索システム100の情報処理を説明する。上述の[概要]に沿って以下図を参照しながら説明する。
【0074】
(Q&A投稿)
図9は、Q&A投稿処理を説明するシーケンス図である。
【0075】
S1:質問者は端末3を操作し、アフィリエイトサーバ2の広告商品DB22にアクセスする。端末3の広告商品選択部31は、広告商品DB22を参照し、広告すべき商品を選択する。
【0076】
S2:質問者は端末3を操作し、端末3のQ投稿部32は、知識検索サーバ1に対し質問Qを投稿する。このとき質問Qには広告を設置しておく(例えば図6参照)。
【0077】
S3:知識検索サーバ1のQ&A受付部11は、質問Qを受け付けると、Q&ADB12に質問Qを登録する。図5(a)に示されるように、質問Qには、その「投稿データ」のほか、「Q_ID」、「投稿日時」、質問者の「ユーザID」、質問者の「アフィリエイトユーザID」等の情報も併せて格納される。
【0078】
S4:一方、回答者は端末4を操作し、知識検索サーバ1の質問Qを閲覧する。
【0079】
S5:回答者は端末4を操作し、端末4のA投稿部41は、知識検索サーバ1に対し回答Aを投稿する[YJ3]。
【0080】
S6:知識検索サーバ1のQ&A受付部11は、回答Aを受け付けると、Q&ADB12に質問Qに対応付けて回答A(複数可)を登録する。図5(b)に示されるように、質問Qには、その「投稿データ」のほか、「Q_ID」、「A_ID」、「投稿日時」、回答者の「ユーザID」等の情報が併せて格納される。
【0081】
(広告商品の成約)
図10は、広告商品の成約処理を説明するシーケンス図である。
【0082】
S11:一般任意の閲覧者は端末X(任意端末)を操作し、知識検索サーバ1の質問Q及び回答Aを閲覧する。
【0083】
S12:一般の閲覧者は端末Xを操作し、質問Qに設置されている広告を操作(例えばクリック)する。上述のように、広告にはハイパーリンク情報(例えば図6参照)が埋め込まれているのでリンク先である広告商品サイトYに画面遷移する。
【0084】
S13:一般の閲覧者は端末Xを操作し、広告商品サイトYにおいて広告商品を購入する。具体的には例えば、広告商品サイトYにおいて商品を指定し、購入の申込を行う。
【0085】
S14:広告商品サイトYは、広告商品の購入処理を行う。またこの購入処理において、広告商品サイトYはアフィリエイトサーバ2に対し、広告商品の成約情報を通知する。具体的には、どのウェブサイトで、どのアフィリエイト・プログラム参加者の貢献によって購入されたかの成約情報として、「成約日時」のほか、リンク情報に含まれている「商品ID」(例えばX001)、であり、「アフィリエイトユーザID」(例えばuser0123)、「Q_ID」(例えばQ001)などを通知する。
【0086】
S15:アフィリエイトサーバ2は、広告商品サイトYから広告商品の成約情報を受けると、アフィリエイトDB23に成約情報を登録する(例えば図7参照)。登録時、「報酬額」は広告商品DB22の「価格」、「報酬率」を参照することにより算出し登録できる。「BA報酬額」は、「報酬額」及び所定の「BA報酬率」に基づき算出し登録できる。なお、この所定の「BA報酬率」については後述する。
【0087】
(BA特定及び報酬の算出)
図11は、BA特定及び報酬の算出処理を説明するシーケンス図である。
【0088】
S21:質問者は端末3を操作し、知識検索サーバ1の回答A[YJ4]を閲覧する。
【0089】
S22:質問者は端末3を操作し、複数の回答Aの中から最もよいと思う1の回答をベストアンサーとして選出し、知識検索サーバ1に対し1の回答をベストアンサーとして入力する。具体的には、端末3のBA入力部33は、最も優れた回答と思う1の回答Aをベストアンサーに特定(決定)し、知識検索サーバ1に対し1の回答をベストアンサーとして入力する。
【0090】
S23:知識検索サーバ1のBA特定部14は、ベストアンサーの入力を受けると、Q&ADB12において「BA」のフラグを立てる(例えば図5(b)参照)。
【0091】
S24:また知識検索サーバ1のBA特定部14は、ベストアンサーを特定すると、Q&ADB122の「BA」のフラグ1が立っている記録・行を参照し、ベストアンサーを行ったその回答者の情報をアフィリエイトサーバ2に送信する。なおこのとき、回答者の情報には、ベストアンサー回答者の「ユーザID」(例えばQ0010)のほか、少なくとも「Q_ID」(例えばQ001)も含めて送信する。
【0092】
S25:アフィリエイトサーバ2は、回答者の情報を受信すると、アフィリエイトDB23を参照し、報酬額を算出する。算出した報酬額を報酬額DB25に登録する(例えば図8参照)。
【0093】
特に、ベストアンサーを行った回答者に対する報酬額を算出するにあたっては、まずアフィリエイトDB23の記録・行の中から、当回答者がベストアンサーを行った質問Qの「Q_ID」(例えばQ001)をキーとして、当回答者がベストアンサーを行った質問Qに基づく成約履歴を抽出する。具体的に、図7のアフィリエイトDB23の記録・行の中には、「Q_ID」がQ001である記録・行は「成約ID」がA001、S201の2件である。そしての2件を抽出したものが図8(b)であり、「BA報酬額」の合計である「最終BA報酬額」804がベストアンサーを行った回答者(「ユーザID」:Q0010)に対し支払われることになる。
【0094】
[BA報酬率]
上述の実施形態においては、アフィリエイト・プログラム参加者でもある質問者が得た成功報酬のうち、ベストアンサーと選出された回答者に対し、その成功報酬の所定分を分配(還元)する仕組みを導入した。これにより回答者のインセンティブを高めることができるので、多くの回答が投稿され、またより質の高い回答が投稿されることが期待され、ひいてはQ&A形式の知識検索サービスにおいて、電子掲示板上の質問Qに対する回答Aの投稿の充実を図ることができる。
【0095】
ここで、BA報酬率について言及する。BA報酬率は、標準BA報酬率を予め決めておく。標準BA報酬率は、知識検索サービス提供者が一律に定めることもできるし、質問者(アフィリエイト・プログラム参加者)が都度、標準BA報酬率を定めることができる。例えば再び図8(b)を参照すると、成約ID「S001」や「S201」では、アフィリエイト・プログラム参加者への報酬額が120円であるのに対し、BA報酬額が40円である。この例の場合、標準BA報酬率は33%に定められているからである。なお標準BA報酬率はそしてさらに、一層の回答の投稿の充実を図るため、以下の所定条件を満たす場合BA報酬率を次のように定める。
【0096】
(量の担保)
BA報酬率を、質問に対し投稿された回答の数が少ないほど高く設定する。またもしくは、質問が属するカテゴリ内において投稿された回答の数が少ないほど高く設定する。
【0097】
回答の数が少ない場合、原因はいくつか考えられる。例えば、その回答が難易度の高い場合(回答できる人が少ない)、質問自体に魅力がない場合などである。後者はさておき、前者の場合、質問に対し投稿された回答の数が少ないほどBA報酬率を高く設定することにより、知識のある回答者を誘引したり、回答量を高めることができるので、知識検索サービスの投稿の充実を図ることができる。
【0098】
また、あるカテゴリ(分野)では投稿回答数が充実している分野もあれば、一方カテゴリ内の質問全般に渡って投稿回答数が少ない分野もある。これは特定分野において回答できる人が少ないと考えられる。従って質問が属するカテゴリ内(例えば図6、左上のカテゴリ参照)において投稿された回答の数が少ないほどBA報酬率を高く設定することにより、知識のある回答者を誘引したり、回答量を高めることができるので、知識検索サービスの投稿の充実を図ることができる。
【0099】
具体的には、回答数が所定数以下の場合、またもしくはカテゴリにおいて1質問単位あたりの回答数が所定数以下の場合、標準BA報酬率に対してさらに例えば所定%のBA報酬率を上乗せする。そしてまた電子掲示板上などには、例えば「現在この質問に回答し、ベストアンサーに選ばれると、標準BA報酬率に対してさらにBA報酬率が3%加算されます。」などの表示を行う。
【0100】
(質の担保)
BA報酬率を、回答を投稿するユーザ(回答者)に対するユーザ評価に応じて決定する。一般にもコミュニティーサイトではお互いのユーザを評価し合う仕組み(ユーザ評価手段)が知られている。従って、質の高い質問や回答を行うユーザに対しては、他のユーザから高い評価(評価値)が与えられているため、このようなユーザ評価が高いユーザに対しては、BA報酬率を高く設定することにより、回答の質を高めることができるので、知識検索サービスの投稿の充実を図ることができる。
【0101】
具体的には、回答者のユーザ評価が所定以上であるの場合、標準BA報酬率に対してさらに例えば所定%のBA報酬率を上乗せする。そしてユーザ管理画面やお知らせなどには、例えば「あなたはユーザ評価Aですので、ベストアンサーに選ばれると、標準BA報酬率に対してさらにBA報酬率が3%加算されます。」などの表示を行う。
【0102】
また、BA報酬率を、回答に対するユーザ評価に応じて決定してもよい。例えば、回答に対して、「役に立った!」等の他のユーザからの評価を可能とする仕組みを用いて、所定%のBA報酬率を上乗せする。
【0103】
(早さの担保)
BA報酬率を、質問が投稿されてからの経過時間が短いほど高く設定する。迅速な回答を促すためである。これにより回答者はできる限り早く回答を行うので、知識検索サービスの投稿の充実を図ることができる。
【0104】
具体的には、質問が投稿されてからの所定経過時間以内の場合、標準BA報酬率に対してさらに例えば所定%のBA報酬率を上乗せする。そしてまた電子掲示板上などには、例えば「現在この質問に回答し、ベストアンサーに選ばれると、標準BA報酬率に対してさらにBA報酬率が3%加算されます。」などの表示を行う。また例えば、1時間以内には3%、2時間以内には2%、1時間以内には1%などのように、経過時間に段階を設けることも可能である。
【0105】
(実施例)
図12は、Q&ADB12の一例(その2)を示す。図5と比べ、図12(a)には「標準BA報酬率」、図12(b)には「BA報酬上乗せ率」の項目が追加されている。標準BA報酬率が一律(固定)の場合は、図7のように、アフィリエイトサーバ2側で標準BA報酬率の値を保持しておけばよいが、上述の例のように状況によってBA報酬率が上乗せされる場合には、知識検索サーバ1側でも仕組みが必要である。
【0106】
ここでは「BA報酬率を質問に対し投稿された回答の数が少ないほど高く設定する場合」を例に図を参照して説明する。質問者は、質問Qを投稿するとき、標準BA報酬率を指定する。指定しない場合、規定の標準BA報酬率となる。知識検索サーバ1のQ&A受付部11は、質問者からの質問Qを受け付けると、Q&ADB12に質問Qを登録する(図9のS3、図12(a))。質問Qには、「投稿データ」等のほか、質問者が標準BA報酬率を指定している場合、その標準BA報酬率がQ&ADB12の「標準BA報酬率」に保持される。一方、標準BA報酬率を指定していない場合は、空欄(規定の標準BA報酬率が適用)である。
【0107】
質問Q投稿後、知識検索サーバ1は質問Qに対する回答数を常に把握しておく。回答数が所定数以下の場合、電子掲示板上などに、「現在この質問に回答し、ベストアンサーに選ばれると、標準BA報酬率に対してさらにBA報酬率が3%加算されます。」などの表示を行う。そして表示中に回答者により回答がなされた場合、その回答に対し3%加算分の記録を「BA報酬上乗せ率」で行っておく。
【0108】
知識検索サーバ1のQ&A受付部11は、回答者からの回答Aを受け付けると、Q&ADB12に質問Qに対応付けて回答Aを登録する(図9のS6、図12(b))。回答Aには、「投稿データ」等のほか、BA報酬率上乗せ率がQ&ADB12の「BA報酬上乗せ率」に保持される。
【0109】
図12を参照すると、「Q_ID」がQ001の質問の場合、その質問者は標準BA報酬率を指定していておらず、「A_ID」がA002、A003の回答に対しては、回答数所定数以下の時点で回答されたため、BA報酬率上乗せ率3%となっている。なおこの時点ではまだBAは選出されていないことから、図中の「BA」には括弧を付け(1)と表記している。
【0110】
その後、ベストアンサーが選出され特定されると(図11のS22、S23)、知識検索サーバ1のBA特定部14は、Q&ADB122の「BA」のフラグ1が立っている記録・行を参照し、ベストアンサーを行ったその回答者の情報をアフィリエイトサーバ2に送信するが(図11のS24)、このとき、回答者の情報には、ベストアンサー回答者の「ユーザID」(例えばQ0010)、「Q_ID」(例えばQ001)に加え、「標準BA報酬率」、「BA報酬上乗せ率」の値も含めて送信する。
【0111】
アフィリエイトサーバ2は、回答者の情報を受信すると、アフィリエイトDB23を参照し、報酬額を算出する。算出した報酬額を報酬額DB25に登録する(図11のS25)。
【0112】
ベストアンサーを行った回答者に対する報酬額を算出するにあたっては、まずアフィリエイトDB23の記録・行の中から、当回答者がベストアンサーを行った質問Qの「Q_ID」(例えばQ001)をキーとして、当回答者がベストアンサーを行った質問Qに基づく成約履歴を抽出する。具体的に、図7のアフィリエイトDB23の記録・行の中には、「Q_ID」がQ001である記録・行は「成約ID」がA001、S201の2件である。そしての2件を抽出したものが図8(b)であり、「BA報酬額」の合計である「最終BA報酬額」804は、規定の標準BA報酬率(ここでは33%)が適用されたときのベストアンサーを行った回答者に対し支払われることになる最終BA報酬額である。しかしここでは、回答者の情報に含まれる上述の「標準BA報酬率」、「BA報酬上乗せ率」の値に基づき再計算する。例えば「標準BA報酬率」が空欄(規定の標準BA報酬率)、「BA報酬上乗せ率」が3%であるので、BA報酬率は36%(33%+3%)となり、再計算後の最終BA報酬額は、240円×36%≒86円となる。
【0113】
これは、ベストアンサーを行った回答者が回答数の少ないときに回答を行ったため、本来のBA報酬額80円に比べ、6円分が上乗せされたことを意味する。即ちこの上乗せ分が、回答者に対しインセンティブとして機能し、質問に対する回答量を高めることができるものである。
【0114】
なお、質を担保する場合、早さを担保する場合についても概ね同様の構成で実現できる。具体的に、質を担保する場合、回答A投稿時、別途管理されている回答者のユーザ評価を参照し、評価値が所定値以上であれば、例えば3%加算分の記録を「BA報酬上乗せ率」で行っておく。また早さを担保する場合、回答A投稿時、質問QA投稿時刻と回答A投稿時刻と比較し、所定時間経過前であれば、例えば3%加算分の記録を「BA報酬上乗せ率」で行っておく。
【0115】
[総括]
以上本実施形態に係る知識検索システム100においては、アフィリエイト・プログラム参加者でもある質問者が得た成功報酬のうち、ベストアンサーと選出された回答者に対し、その成功報酬の所定分を分配(還元)する仕組みを導入した。これにより回答者のインセンティブを高めることができるので、多くの回答が投稿され、またより質の高い回答が投稿されることが期待され、ひいてはQ&A形式の知識検索サービスにおいて、電子掲示板上の質問Qに対する回答Aの投稿の充実を図ることができる。
【0116】
また別の側面からみれば、回答者のインセンティブを高めることにより、多くの回答が投稿され、またより質の高い回答が投稿されるので、第3者の利用者の閲覧を促進し、利用者が広告の商品やサービスを購入する可能性、成約率を高めることができる。この場合、アフィリエイト・プログラム参加者でもある質問者には、成功報酬として一層の利益を得ることができる。そしてまた、成功報酬の所定分がベストアンサーを行った回答者に分配(還元)される。
【0117】
即ち上述の本実施形態によれば、Q&A形式の知識検索サービスにおいて、アフィリエイト・プログラムとの連携を行うことにより回答者のインセンティブを高める仕組みを備え、質問に対する回答の量及び質を向上させる知識検索システム等を提供することが可能となる。
【0118】
なお各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記各実施形態にあげたその他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。また、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【符号の説明】
【0119】
1 知識検索サーバ
2 アフィリエイトサーバ
3、4 端末
5 ネットワーク
11 Q&A受付部
12 Q&ADB
13 BA特定部
14 BA回答者送信部
21 アフィリエイト管理部
22 商品DB
23 アフィリエイトDB
24 報酬額決定部
25 報酬額DB
31 広告商品選択部
32 Q投稿部
33 BA入力部
111 システムバス
112 CPU
113 ROM
114 RAM
115 NVRAM
116 I/F
117 I/O
118 HDD
119 NIC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
知識検索サーバと、アフィリエイトサーバと、ユーザの端末とがネットワークを介し接続された知識検索システムであって[YJ5]、
知識検索サーバは、
質問者の端末から広告を含む質問と、該質問に対する回答者の端末から回答とを受け付ける受付手段と、
前記質問と、前記回答とを対応付けて記憶、管理した記憶手段と
前記回答のうち、1の回答をベストアンサーとして特定する特定手段と、
前記ベストアンサーと特定された回答の回答者の情報をアフィリエイトサーバに送信する送信手段[YJ6]と、
を備え、
アフィリエイトサーバは、
前記質問に含まれる広告に基づいて、質問者へ支払うアフィリエイト報酬額を記憶する記憶手段と、
知識検索サーバから前記回答者の情報を受信すると、前記アフィリエイト報酬額に基づき、該回答者へ支払うベストアンサー報酬額を算出する算出手段と、
を備えることを特徴とする知識検索システム。
【請求項2】
前記記憶手段は、所定条件を満たす場合、該質問に対する回答者の端末から回答と受け付けられると、該回答ととともに、所定のBA報酬率上乗せ率を対応付けて記憶、管理し、
前記送信手段は、前記回答者の情報とともに、前記所定のBA報酬率上乗せ率をアフィリエイトサーバに送信し、
前記算出手段は、前記アフィリエイト報酬額に対し、所定のBA報酬率に前記所定のBA報酬率上乗せ率を上乗せしたBA報酬率を乗算することにより、回答者へ支払うベストアンサー報酬額を算出すること、
を特徴とする請求項1記載の知識検索システム。
【請求項3】
前記所定条件は、質問に対し受け付けられた回答の数が所定数以下である場合、又は質問が属するカテゴリ内において受け付けられた回答の総数が所定数以下である条件であること、
を特徴とする請求項2記載の知識検索システム。
【請求項4】
知識検索サーバは、
前記回答者に対し評価値を与えるとともに、回答者毎に評価値を記憶したユーザ評価手段を備え、
前記所定条件は、質問に対し受け付けられた回答を行った回答者の前記評価値が所定値以上である条件であること、
を特徴とする請求項2記載の知識検索システム。
【請求項5】
前記所定条件は、質問に対し受け付けられた回答の受付時刻が、該質問が受け付けられた受付時刻から所定時間経過前である条件であること、
を特徴とする請求項2記載の知識検索システム。
【請求項6】
前記所定のBA報酬率は、質問者によって任意に指定されたれた値、又は予め定められた値であること、
を特徴とする請求項1ないし5何れか一項記載の知識検索システム。
【請求項7】
前記知識検索サーバと前記アフィリエイトサーバとは、1のサーバに構築されたサーバであること、
を特徴とする請求項1ないし6何れか一項記載の知識検索システム。
【請求項8】
知識検索サーバと、アフィリエイトサーバと、ユーザの端末とがネットワークを介し接続された知識検索システムにおける質問に対する回答を行った回答者への報酬付与方法であって、
知識検索サーバは、
質問者の端末から広告を含む質問と、該質問に対する回答者の端末から回答とを受け付ける受付手順と、
前記質問と、前記回答とを対応付けて記憶、管理した記憶手順と
前記回答のうち、1の回答をベストアンサーとして特定する特定手順と、
前記ベストアンサーと特定された回答の回答者の情報をアフィリエイトサーバに送信する送信手順と、
を備え、
アフィリエイトサーバは、
前記質問に含まれる広告に基づいて、質問者へ支払うアフィリエイト報酬額を記憶する記憶手順と、
知識検索サーバから前記回答者の情報を受信すると、前記アフィリエイト報酬額に基づき、該回答者へ支払うベストアンサー報酬額を算出する算出手順と、
を備えることを特徴とする報酬付与方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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