説明

石油化学製品を浄化する方法及び手段

約2から約6バールの圧力で循環する回路で石油化学製品を浄化する方法及び手段において、石油化学製品を加熱してその温度を約100℃に維持し、前記製品を約0.7から約1.2mmのノズルに通過させて前記製品の速度を増加し、これにより製品の種々の成分を分離し、分離した清浄な石油化学製品を回路に戻し、蒸気及びガス部分を排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油化学製品から異質液体を除去する方法及び手段に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業は、潤滑、種々の動力伝達、変換(油圧、ギヤ、弁等)用の石油化学製品中の異質液体汚染の問題をかかえている。これらの汚染は主に、水(凝縮、漏洩、着霜等から)、未燃焼燃料残留物、酸、場合により地域の状況に依存する他の異質液体からなる。酸は水が存在するときのみに形成される。
【発明の開示】
【0003】
この産業では、液体石油化学製品をそのような液体汚染が無い状態に維持することが重要である。これは、特許請求の範囲で述べられる特徴により規定される本発明の方法により達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
図1は本発明による石油化学製品用の濾過器と浄化器を組み合わせたものの長手方向断面図を示し、図2は本発明による特殊な蒸留エレメントの全体図を示し、図3はエレメントのノズルの長手方向断面を示し、図4はエレメントの垂直断面を示し、図5はエレメントの側面図を示し、図6はエレメントの頂部とチャンバの頂部の拡大断面図を示す。
【0005】
本発明による特殊な蒸留エレメント(distillation element)1は、フィルタチャンバ10と蓋又はカバー3からなるフィルタ及び浄化手段の一部として、換気チャンバ(ventilated chamber)2内に垂直に設置されている。換気チャンバ2には、液体石油化学製品が、20−35リッター毎時の流量と2−6バールの圧力でチューブ8を通って流入する。チューブ8は加熱され約100°の一定温度に維持される。その後、液体が0.7−1.2mmの開口を有する計量噴出口又はノズル(metering jet or nozzle)5を通過し、ここで突然の圧力解放により液体の速度が加速される。一つは油、水、燃料等の通過する混合液体の種々の成分の異なる温度特性のために、これらの成分は、温度、圧力、速度の突然の変化に様々に反応する。
【0006】
成分の分別分離(fractional separation)が生じ、これらの分離物質は、スプレー又は噴水のように計量ノズル5を離れるときに、一部はガスの形態であり、他は液体であり、チャンバ2の天井を形成するカバー3に当たる。チャンバ2の天井は、ノズル5の真上に内側が反転したようにドーム4が形成されている。ガス又は蒸発状態の物質、水や酸からの蒸気のようなガス、ある場合にはガソリン、及び異質液体は、ガス形成により生じる過剰圧力により、図示しない換気孔を介して放出される。ディーゼル燃料の軽い油希釈部分(light and oil-diluting parts)はこの過程で蒸発する。
【0007】
石油化学液体はチャンバ2の天井にあるドーム4で下方に反射して、蒸留エレメント1のヘッド9に落ち、約100℃に加熱されている表面を流動する。この面は、異質液体残留物質を「蒸留(distillate)」するために、液体の表面速度を遅らせる溝を備えた西洋ナシ又はキノコのように形成されている。液体は蒸留チャンバ2の底に流れ、ここで図示しない出口を通って流出し実際の設備に戻る。
【0008】
本発明の重要な部分は、蒸留エレメントと、チャンバ2の天井に逆ドーム4を備えた換気チャンバ2の形状である。
【0009】
蒸留エレメント1は、良好な熱伝導性のために、好ましくはアルミニウムで形成されている。エレメント1はキノコ又は西洋ナシのような形状を有している。
【0010】
蒸留エレメントを加熱する電気加熱エレメントが加熱エレメント穴7に挿入されている。蒸留エレメント1のヘッドの温度を制御するサーモスタットが蒸留エレメント1のヘッドのサーモスタット穴6に設置されている。
【0011】
蒸留エレメント1の表面は、液体流れを捕獲し又は減速する溝を備えている。
【0012】
本発明による蒸留エレメントは少ない部品で高性能を提供する。その部品は製造するのが安価である。この定価格は、高性能に比べると特に注目に値する。さらに、本発明による蒸留エレメントは、設置と使用が容易であり、メインテナンスを必要としない。
【0013】
本発明による方法と手段は、油圧用オイル、燃焼エンジン用オイル、ガソリン、ディーゼル油等などのようなオイルから水を除去するのに特に適している。蒸留エレメント1は、回路に単独で使用してもよいし、図1に記載したような濾過及び浄化ボックスのフィルタチャンバ10にフィルタパケット11と組み合わせて使用してもよい。オイルはポート12を通ってフィルタボックスに進入し、フィルタ11の外側に沿って下方に流れ、フィルタ11に浸透し、蒸留エレメント1のパイプ8に進入する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による石油化学製品用の濾過器と浄化器を組み合わせたものの長手方向断面図。
【図2】本発明による特殊な蒸留エレメントの全体図。
【図3】エレメントのノズルの長手方向断面。
【図4】エレメントの垂直断面を示す。
【図5】エレメントの側面図。
【図6】エレメントの頂部とチャンバの頂部の拡大断面図。
【符号の説明】
【0015】
1 蒸留エレメント
2 換気チャンバ
3 蓋又はカバー
4 ドーム
5 計量ノズル
6 サーモスタット穴
7 加熱エレメント穴
8 チューブ
9 ヘッド
10 フィルタチャンバ
11 フィルタパケット
12 ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約2から約6バールの圧力で循環する回路で石油化学製品を浄化する方法において、
石油化学製品を加熱してその温度を約100℃に維持し、
前記製品を約0.7から約1.2mmのノズルに通過させて前記製品の速度を増加し、
これにより製品の種々の成分を分離し、
分離した清浄な石油化学製品を回路に戻し、
蒸気及びガス部分を排出する、
ことを特徴とする石油化学製品の浄化方法。
【請求項2】
ディーゼル油のような水汚染燃料を流入して、ほぼ全ての水を除去することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
カバー(3)と入口チャンバ(10)からなり、約2から約6バールの圧力で循環する回路で石油化学製品を浄化する手段において、
加熱される入口パイプ(8)を有する蒸留エレメント(1)と、
約0.7から約1.2mmの開口を有し、前記カバー(3)の天井にあるドーム(4)に出口流れを向ける噴出口又はノズル(5)とを備え、
前記パイプ(8)と前記エレメント(1)の少なくとも1つは加熱エレメントを備え、前記エレメント(1)はガスを解放した後に液体を受け入れる上面又はヘッド(9)を有する、
ことを特徴とする石油化学製品の浄化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−503228(P2009−503228A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524924(P2008−524924)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【国際出願番号】PCT/NO2005/000286
【国際公開番号】WO2007/015644
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(508032929)
【氏名又は名称原語表記】Jan Ingolf KRISTIANSEN
【Fターム(参考)】