説明

石油暖房機

【課題】衝撃により枠体が変形するのを防止する石油暖房機を提供する。
【解決手段】
上面板2と、略コの字状の枠体3と、前面板4とからなる機器本体1を載置する置台5を備え、置台5に曲げ部止め孔13が形成された係合部14を立設し、枠体3両端に止め孔12が形成された曲げ部10を形成し、曲げ部止め孔13と止め孔12とをねじ16にて係合して枠体3を置台5に固定する石油暖房機において、枠体3の底部左右に底部曲げ部11を形成し、置台5には枠体3を固定した時底部曲げ部11の前方となる位置に底部曲げ部用係合部15を立設したので、落下等による衝撃が加わった時枠体3の底部曲げ部11の先端が置台5の底部曲げ部用係合部15に当接して、枠体3の曲げ部10が変形するのを防止できるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、石油ファンヒータや石油ストーブなどの石油暖房機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種のものに於いては、置台に立設する枠体取付け片に係止孔を設け、枠体の下部に設けた係止片には突起を形成し、枠体の係止片の突起が置台の枠体取付け片の係止孔に係合するように構成し、それにより枠体を置台の所定の位置に位置決めすることができると共に、枠体取付け片と係止片のネジ孔の位置合わせができ、ネジ孔に装着する固定ネジのネジ止め作業時に枠体を支える必要がなくなって作業性を向上させていた。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−93095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、枠体の係止片と置台の枠体取付け片とはネジ止めされているため、輸送時の振動や衝撃、誤って落下させてしまった時の衝撃が枠体に掛かって枠体が変形してしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為、特にその構成を請求項1では、上面板と、略コの字状の枠体と、前面板とから構成される機器本体と、該機器本体を載置する置台とを備えると共に、前記置台には曲げ部止め孔が形成された係合部を立設し、前記枠体両端には止め孔が形成された曲げ部が形成され、前記曲げ部止め孔と止め孔とをねじにて係合することにより枠体を置台に固定する石油暖房機において、前記枠体の底部左右に底部曲げ部を形成し、置台には枠体を固定した時前記底部曲げ部の前方となる位置に底部曲げ部用係合部を立設したものである。
【0006】
又請求項2に係る石油暖房機では、特にその構成を請求項1に於いて、前記置台に枠体を固定した時、前記底部曲げ部と底部曲げ部用係合部との間に隙間を形成したものである。
【0007】
又請求項3に係る石油暖房機では、特にその構成を請求項1に於いて、前記置台に枠体を固定した時、前記底部曲げ部と底部曲げ部用係合部とが当接したものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、前記枠体の底部左右に底部曲げ部を形成し、置台には枠体を固定した時前記底部曲げ部の前方となる位置に底部曲げ部用係合部を立設したので、落下等による衝撃が加わった時、枠体の底部曲げ部の先端が置台の底部曲げ部用係合部に当接するので、枠体の曲げ部が変形するのを防止できるものである。
【0009】
又、本発明の請求項2に記載の石油暖房機によれば、前記置台に枠体を固定した時、前記底部曲げ部と底部曲げ部用係合部との間に隙間を形成したので、落下等による衝撃が加わった時、枠体の曲げ部の曲げ部分が移動することでその衝撃を受けつつ、枠体の底部曲げ部の先端が置台の底部曲げ部用係合部に当接するので、衝撃が枠体に掛からないようにしつつ枠体の曲げ部が変形するのを防止できるものである。
【0010】
又本発明の請求項3に記載の石油暖房機によれば、前記置台に枠体を固定した時、前記底部曲げ部と底部曲げ部用係合部とが当接したので、落下等による衝撃が加わった時、衝撃を枠体の曲げ部の止め孔と置台の係合部の曲げ部止め孔とをねじ止めした部分と、底部曲げ部用係合部と底部曲げ部の先端とが当接した部分とで分散して受け止め、枠体の曲げ部の曲げ部分が移動しないようにして、枠体の曲げ部が変形するのを防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の一実施形態を示す石油暖房機の斜視図。
【図2】同機器本体と置台とを示す概略図。
【図3】同底部曲げ部と底部曲げ部用係合部とを示す要部拡大図。
【図4】同要部側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る発明の1実施形態を図面に基づいて説明する。
1は燃焼部(図示せず)を備えた機器本体であり、2は機器本体1の上面を構成する上面板、3は略コの字状の枠体、4は前面板、5は機器本体1を載置する置台、6は上面板2にあり各種スイッチで操作を行う操作部、7は操作部6で行った操作内容等を液晶画面に表示する表示部、8は前面板4に形成され開閉シャッタ9により開閉される温風吹出口である。
【0013】
前記枠体3の両端は略直角に曲げられた曲げ部10が形成されていると共に、枠体3の底部の左右及び背面部分にも底部曲げ部11が形成されている。
又、枠体3の曲げ部10の下方に止め孔12が形成されていると共に、前記置台5の正面前方両端部分には、曲げ部止め孔13が形成された係合部14が切り起こされて立設され、更に該係合部14の外側には、平常時には底部曲げ部11の先端とは当接せず、機器本体1に衝撃等が加わった時に底部曲げ部11の先端と当接する底部曲げ部用係合部15が切り起こされて立設されている。
【0014】
次に、枠体3と置台5との組み付け状態について説明する。
枠体3には、その両端の曲げ部10の下方に止め孔120が形成されていると共に、背面部分の下方の両端と略中央の三カ所にも止め孔(図示せず)が形成されており、又置台5の正面前方両端部分には、曲げ部10の止め孔12と係合する曲げ部止め孔13が形成された係合部14が切り起こされて立設されていると共に、背面の部分の両端と略中央の三カ所にも、枠体3背面部分の下方の止め孔と係合する背面部止め孔(図示せず)が形成された背面係合部(図示せず)が切り起こされて立設されており、枠体3の曲げ部10の止め孔12と置台5の係合部14の曲げ部止め孔13がねじ16にてねじ止めされ、枠体3の止め孔と置台5の背面係合部の背面部止め孔がねじ(図示せず)にてねじ止めされている。
【0015】
この状態で輸送時の振動や衝撃、誤って落下させてしまった時の衝撃が枠体3に掛かった時、置台5の背面から正面に向かって力が掛かると、置台5の背面係合部と係合している枠体3背面部分は、力が置台5の背面係合部に掛かかるが、枠体3の両端部分は掛かった力により前方向に変形しようとする。
【0016】
枠体3の前方部分は両端の曲げ部10が置台5の係合部14にねじ止めされているため、枠体3の両端部分に掛かった力は、曲げ部10の曲げ部分に掛かって曲げ部10の曲げ部分を前方向に変形させようとする。
【0017】
この時枠体3の曲げ部10の曲げ部分が、衝撃により瞬間的に前に移動しようとするが、枠体3の底部曲げ部11の先端が置台5の底部曲げ部用係合部15に当接して枠体3の曲げ部10が変形するのを防止し、衝撃が掛かった後、枠体3は復元力により元の位置に戻って枠体3の底部曲げ部11の先端が置台5の底部曲げ部用係合部15に当接しない状態になるものである。
【0018】
これにより、枠体3と置台5とは、枠体3の曲げ部10の止め孔12と置台5の係合部14の曲げ部止め孔13とをねじ止めすることで係合でき、落下等による衝撃が加わった時、枠体3の曲げ部10の曲げ部分が移動することでその衝撃を受けつつ、枠体3の底部曲げ部11の先端が置台5の底部曲げ部用係合部15に当接するので、衝撃が枠体3に掛からないようにしつつ枠体3の曲げ部10が変形するのを防止できるものである。
【0019】
尚、本実施例では、平常時には底部曲げ部用係合部15は底部曲げ部11の先端とは当接しないがこれに限定されず、平常時から底部曲げ部11の先端と当接していてもよいものである。
【0020】
この場合は、落下等による衝撃が加わった時、衝撃を枠体3の曲げ部10の止め孔12と置台5の係合部14の曲げ部止め孔13とをねじ止めした部分と、底部曲げ部用係合部15と底部曲げ部11の先端とが当接した部分とで分散して受け止め、枠体3の曲げ部10の曲げ部分が移動しないようにして、枠体3の曲げ部10が変形するのを防止できるものである。
【符号の説明】
【0021】
1 機器本体
2 上面板
3 枠体
4 前面板
5 置台
10 曲げ部
11 底部曲げ部
12 止め孔
13 曲げ部止め孔
14 係合部
15 底部曲げ部用係合部
16 ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面板と、略コの字状の枠体と、前面板とから構成される機器本体と、該機器本体を載置する置台とを備えると共に、前記置台には曲げ部止め孔が形成された係合部を立設し、前記枠体両端には止め孔が形成された曲げ部が形成され、前記曲げ部止め孔と止め孔とをねじにて係合することにより枠体を置台に固定する石油暖房機において、前記枠体の底部左右に底部曲げ部を形成し、置台には枠体を固定した時前記底部曲げ部の前方となる位置に底部曲げ部用係合部を立設したことを特徴とする石油暖房機。
【請求項2】
前記置台に枠体を固定した時、前記底部曲げ部と底部曲げ部用係合部との間に隙間を形成したことを特徴とする請求項1記載の石油暖房機。
【請求項3】
前記置台に枠体を固定した時、前記底部曲げ部と底部曲げ部用係合部とが当接したことを特徴とする請求項1記載の石油暖房機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−83046(P2012−83046A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230644(P2010−230644)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】