説明

石英及びセラミック発光管のためのシュラウドホルダ

【課題】石英発光管とセラミック発光管のどちらにも使えるシュラウド/発光管支持体(クリップ)を提供すること。
【解決手段】支持体が、シュラウドに噛合するように形成された少なくとも1つの端部と、石英発光管の実質的に矩形状の圧着封止部を留めるための間隙を介在的に定める別個の付属脚部を形成しかつセラミック発光管の円筒状毛管を留めるように形成された中央区分を有している中間部材とを含むように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高輝度放電ランプ用の多機能型シュラウド/発光管支持体に関している。
【背景技術】
【0002】
メタルハライド放電ランプは、高い発光効率及び長い寿命を有するため、商業上の用途にてしばしば使用される。典型的なメタルハライド放電ランプは、石英または溶融シリカの発光管を有し、この発光管はホウケイ酸ガラスの外管に気密に封入されている。それ自体気密封入された発光管は、対向する両端部に封止されたタングステン電極を有しており、始動のために使用されるメタルハライド添加物及び希ガス、水銀を含む充填材料を有している。幾つかのケース、特にワット数が高いランプでは、窒素又は他の不活性ガスが、大気圧より低い圧力で外管に充填される。別のケース、特にワット数の低いランプでは、外管は排気される。
【0003】
その他のタイプのメタルハライドランプでは、突出する円筒状の毛管を備えたやや球状のボディを有するセラミック発光管が使用されている。この毛管は貫通型の電極を含んでいる。
【0004】
メタルハライド放電ランプにおいては、高い動作温度に耐えることができ、石英等のほぼ円筒状で光透過性材料から成るシュラウドを提供することが望ましい。発光管並びにシュラウドは、発光管がシュラウド内に配置されるように、ランプ外管内に同心的に取り付けられる。シュラウドは、両端部が開放された管であると有利である。別の場合には、シュラウドは、一方の端部が開放され、他方の端部はドーム状の輪郭を有している。メタルハライドク放電ランプのためのシュラウドについては、1985年2月12日発行のフォール(Fohl)他による米国特許第4499396号明細書、1986年4月8日発行のフォール(Fohl)他による米国特許第4580989号明細書に開示がある。また1981年7月28日発行のベッカード(Bechard)他による米国特許第4281274号明細書も参照される。
【0005】
シュラウドは、ランプ動作に対して幾つかの有利な効果を有している。特にガスの充填された外管を備えたランプにおいては、発光管からの対流的な熱損失が低減され、これによりランプの発光出力及び色温度が改善される。排気された外管を備えたランプにおいては、シュラウドは、発光管の温度を平衡させるのに役立つ。さらに、シュラウドは効果的に、ナトリウム損失を減じ、外管内面における蛍光体コーティングを有するメタルハライドランプにおける蛍光体効率の維持を改善させる。最後に、シュラウドは、発光管が破裂した場合の閉じ込め装置として働くことによりランプの安全性も向上する。
【0006】
クリップ(支持体)は特別にデザインされて、発光管とシュラウドを外管内に取り付けている。従来は多かれ少なかれその端部が矩形状に圧着封止されている石英発光管用と、円筒状毛管に発光管が終端しているセラミックタイプとで異なるデザインのクリップを使用する必要があった。
【0007】
もしこれらの両タイプの発光管の支持に単独のクリップが提供できるのならば、技術の進歩につながる。なぜならそのようなクリップは、ストックしておかなければならない部品数の大幅な低減につながるからである。
【特許文献1】米国特許第4499396号明細書
【特許文献2】米国特許第4580989号明細書
【特許文献3】米国特許第4281274号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それゆえに本発明の課題は、前述したような従来技術における欠点に鑑みこれを解消すべく改善を行うことである。本発明の別の課題は、メタルハライド放電ランプの製造を高めることである。また本発明の課題は、ストックしておかなければならない部品の数を低減させることである。さらに本発明の別の課題は、石英発光管とセラミック発光管のどちらにも使えるシュラウド/発光管支持体(クリップ)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は本発明により、支持体が、シュラウドに噛合するように形成された少なくとも1つの端部と、石英発光管の実質的に矩形状の圧着封止部を留めるための間隙を介在的に定める別個の付属脚部を形成しかつセラミック発光管の円筒状毛管を留めるように形成された中央区分を有している中間部材とを含むように構成されて解決される。
【発明の効果】
【0010】
このような石英発光管とセラミック発光管のどちらにも使えることのできるクリップないし支持体の提供によって、ストックしておかなければならない部品数が低減され、さらにランプの組み立てが大幅に改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明のよりよい理解のために、本発明の他の目的、利点及び構成とともに、以下の開示内容と後述の請求項について参照図面に基づいて説明を続ける。
【実施例】
【0012】
図1の概略図には、従来技術によるメタルハライド放電ランプ10が示されており、このランプは、ランプ外管12と、該外管内にマウントフレーム16によって取付けられている発光管14を含んでいる。この発光管は、シュラウド20内に位置付けされており、このシュラウドも前記マウントフレーム6によって支持可能である。電気的なエネルギは、口金22と、ランプステム24と、該ステム24内へ接合されている電気的なリード導体26,28を介して結合される。発光管は、周知のようにその中で点弧が開始された場合に光を供給する化学的充填量ないし分量の材料を含んでいる。シュラウド20は、石英のような光透過性でかつ耐熱性材料の円筒管からなる。
【0013】
当該の実施例では、ランプ外管12内でマウントフレーム16が、発光管14とシュラウド20の両方を支持している。このマウントフレーム16は、金属性の支持ロッド30を含んでおり、この支持ロッド30は、ストラップ31によってランプステム24に取り付けられている。前記支持ロッド30は、図示の実施例では、従来技法において周知のように、ランプ外管12の上端部において内方突起32にはめられているが、他の支持系を使用することも可能である。この支持ロッド30の中央部位は、発光管14とシュラウド20の中心軸に並行している。マウントフレーム16はさらに対になったクリップ40を含んでいる。このクリップ対はそれぞれシュラウドの各端部に取り付けられ、発光管14とシュラウド20の両方を支持ロッド30に固定している。前記2つのクリップ40は、支持ロッド30に有利には溶接によって取り付けられている。
【0014】
本発明に特に関係しているのは特にクリップ(支持体)である。
【0015】
以下では図3から図6に基づいて、高輝度放電ランプ10用の本発明による多機能型シュラウド/発光管支持体ないしクリップ40aを説明する。この支持体40aは、シュラウド20を嵌め込めるように形成された片側端部を有している。図示の実施例では、この片側端部42が、弓形部材43として形成されている。中間部材44は、別個の付属脚部46,48を形成しており、これらの脚部はそれらの間で石英発光管14のほぼ矩形状の圧着封止部52を留めるための間隙50を定めている、中央区分53は、図2bに示されているように、セラミック発光管14aの円筒状毛管54を留めるように形成されている。この実施例では、中央区分53は、U字型に形成された脚部対の湾曲部からなり、この湾曲部は、対向する実質的に半円筒形の凹面53aを備えている。
【0016】
支持体40aは、ロッド30と噛合する突出ウイング60を備えていてもよい。
【0017】
支持体40aは、図2aに示されている石英発光管14のように圧着封止部を有する発光管と共に使用することもできるし、図2bに示されているように延在した円筒状毛管54を有するセラミック発光管14aと共に使用することも可能である。このメタルハライド放電管の2つの異なるタイプに適用できる単独の支持体は、ストックしておかなければならない部品を低減させ、製造を容易にさせる。
【0018】
ここでは、本発明の有利な実施形態とされている構成を図示し説明してきたが、当業者であれば、後述の請求項によって定義される本発明の趣旨から逸脱することなく種々の変更が可能であることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来の支持体クリップを使用したアーク放電ランプの透視図
【図2a】石英発光管を用いた本発明による実施例の透視図
【図2b】セラミック発光管を用いた本発明による実施例の透視図
【図3】本発明の実施例によるサポートクリップの透視図
【図4】図3のクリップの側面図
【図5】図4のライン5−5に沿った平面図
【図6】図4のライン6−6に沿った断面図
【符号の説明】
【0020】
10 メタルハライド放電ランプ
12 ランプ外管
14 発光管
16 マウントフレーム
20 シュラウド
22 口金
24 ランプステム
26,28 リード導体
40 支持体
40a 支持体
43 弓形部材
44 中間部材
46,48 付属脚部
53 中央区分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高輝度放電ランプ10用の多機能型シュラウド/発光管支持体において、
前記支持体が、
シュラウドに噛合するように形成された少なくとも1つの端部と、
石英発光管の実質的に矩形状の圧着封止部を留めるための間隙を介在的に定める別個の付属脚部を形成しかつセラミック発光管の円筒状毛管を留めるように形成された中央区分を有している中間部材とを含むように構成されていることを特徴とする、多機能型シュラウド/発光管支持体。
【請求項2】
前記付属脚部は、2つのU字型に形成された脚部であり、円筒形の凹面で形成されたそれぞれU字形の湾曲部を有している、請求項1記載の多機能型シュラウド/発光管支持体。
【請求項3】
前記支持体の各端部は、フレーム部材に噛合するための突出ウイングを含んでいる、請求項2記載の多機能型シュラウド/発光管支持体。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−222086(P2006−222086A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−31537(P2006−31537)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(596104131)オスラム シルヴェニア インコーポレイテッド (72)
【氏名又は名称原語表記】OSRAM SYLVANIA Inc.
【住所又は居所原語表記】100 Endicott Street, Danvers, Massachusetts 01923, USA
【Fターム(参考)】