説明

研修施設および建物

【課題】 設備としての合理性を高めつつ、研修内容を受講者が体得しやすい環境を提供しやすい研修施設や研修用の建物を提供する。
【解決手段】 受講者の視覚および/または聴覚を刺激することで受講者に学習内容を体感させる体感装置を備えた体感スペース(20)と、前記体感装置が受講者へ向けて出力した内容に関わる実物またはその再現模型を受講者が触れることができるようにした体験スペース(30)と、前記実物または再現模型に触れて体験した体験に基づいたロールプレイを実行するための体得スペース(40)と、体感スペース(20)、体験スペース(30)および体得スペース(40)のいずれにも隣接したアクセススペース(50)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕事の研修や技術の学習に関する体験型の研修施設に関する。
【背景技術】
【0002】
情報技術の発達によって、仕事の研修や技術の学習の手法やツールも日進月歩している。 映像や音声を再現するオーディオヴィジュアル技術を駆使した現場の再現性能は、疑似体験とはいえ、現場にいるような感覚を得られるほどのレベルの技術も提供されている。
また、学習効果の採点手法などについても、出題、回答、採点に至るまで合理的で迅速な処理が可能なレベルの技術も提供されている。
【0003】
特許文献1に開示された技術は、回答者自身が作業する工事現場で各作業毎に撮影した動画を放映し、継いで、この動画の中から危険箇所が潜んでいる場面を演算装置の画面に静止画として表示するとともに、この静止画に対して回答者が危険と判断した箇所を画面上で指摘し、その指摘の正否を判定する、という技術である。
【0004】
また、特許文献2に開示された技術は、いわゆるウォークスルー型のソフトウェアに基づく安全教育システムを提供した技術である。
【0005】
また、特許文献3に開示された技術は、ヒューマンエラーを起こす可能性のある状況を意図的に作り出し、そのときの自らの行動や心理状況を作業者へ客観的に把握させることが可能なシミュレーション装置を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−57578号公報
【特許文献2】特開2007−226515号公報
【特許文献3】特開2007−304973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
疑似体験のレベルを向上させたとしても、それは「体感」に過ぎず、現実の現場を体験することには及ばない。しかし、現実の現場を体験する、という研修を、全ての社員に行わせることが困難な現場も少なくない。 だからこそ、先行技術においては、オーディオヴィジュアル技術を駆使して、疑似体験に近い「体感」を与えられるように工夫していると分析できる。
しかし、そうした設備を充実させることは、研修のためのスペースも拡大する傾向につながる。研修スペースを単に拡大させても、研修の効果を高めることとならない一方、設備の導入経費、設備の維持経費などが掛かってしまう。
【0008】
さて、研修内容の高度化、内容の増加などによって、受講者が未消化となってしまうおそれが高まっている。 しかし、労働者の安全を守るといった研修内容の場合、受講後に研修内容が身に付いていないと、労働の安全性を確保することが困難となってしまう。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、設備としての合理性を高めつつ、研修内容を受講者が体得しやすい環境を提供しやすい研修施設や研修用の建物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(第一の発明)
本願における第一の発明は、研修施設に係る。
すなわち、受講者の視覚および/または聴覚を刺激することで受講者に学習内容を体感させる体感装置を備えた体感スペース(20)と、 前記体感装置が受講者へ向けて出力した内容に関わる実物またはその再現模型を受講者が触れることができるようにした体験スペース(30)と、 前記実物または再現模型に触れて体験した体験に基づいたロールプレイを実行するための体得スペース(40)と、 前記の体感スペース(20)、体験スペース(30)および体得スペース(40)のいずれにも隣接したアクセススペース(50)と、を備え、 前記の体得スペース(40)は、ロールプレイの実行を記録する記録装置を備えた研修施設に係る。
【0011】
(用語説明)
「体感装置」とは、たとえば、静止画像および/または動画像と音声とを再生するオーディオヴィジュアル装置(21)およびそれによって再生されるソフト(ビデオ映像)である。 また、写真と説明文書とを組み合わせた展示パネル(22)、その展示パネルに関する補足説明を再生するスピーカ、効果的な照明なども、体感装置に含まれるものとする。 また、現場で用いる装備や設備などの展示品も、体感装置に含まれるものとする。
「アクセススペース(50)」とは、独立した部屋というべき空間のほか、廊下も含まれる。 また、体感スペース(20)、体験スペース(30)、体得スペース(40)が異なるフロアに存在する場合には、階段(51)もアクセススペースの一種となる(図8参照)。
また、「隣接」とは、同じフロアとして隣り合う場合のほか、異なる階に存在するものの垂直方向には隣り合っている場合も含む。
【0012】
(作用)
本発明に係る研修施設において、研修を受けようという受講者は、最初に体感スペース(20)において、体感装置を介して研修目的の内容を体感する。
次に受講者は、体験スペース(30)において、前記の体感装置を介して受講者へ向けて出力した内容に関わる実物またはその再現模型に触れることができ、研修目的に係る内容を体験する。
更に受講者は、体得スペース(40)において、実物または再現模型に触れて体験した体験に基づいたロールプレイを実行する。 体感し、体験した内容を、ロールプレイにて学ぶことで、受講者は研修内容を体得できる可能性が高められる。
【0013】
体感スペース(20)、体験スペース(30)および体得スペース(40)が物理的に区切られているので、複数のグループを時間差で進行させる場合に受講者の区別が容易となる。
また、スペースを明確に分ける事によって、受講者自身が自分の研修フェーズを自覚でき、体得意識を高める事ができる。
体感スペース(20)および体験スペース(30)にて見聞きし、模擬体験した後に、体得スペース(40)にて、更に考え、あるいは他人の考え方を見聞きすることで、研修内容の体得に効果を発揮する。
また、現場の設備や装備品、作業手順などに関する改善、改良のためのアイディアが出てくることも期待できる。
【0014】
(第一の発明のバリエーション1)
前記の体験スペース(30)は、前記の体感スペース(20)に隣接させるとともに、 前記の体得スペース(40)は、前記の体験スペース(30)に隣接させてもよい。
この場合の「隣接」も、同じフロアとして隣り合う場合のほか、異なる階に存在するものの垂直方向には隣り合っている場合も含む。
【0015】
(作用)
体感スペース(20)、体験スペース(30)および体得スペース(40)が物理的に区切られているものの連続しているので、研修としての一体感を、受講者に与えることが容易である。
また、受講者が移動する際に、受講者の動線が円滑で短くなる。
【0016】
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明は、前記の体得スペース(40)に、ロールプレイの実行を記録する記録装置を備えてもよい。
ここで、「記録装置」とは、たとえば、静止画像を撮影するデジタルカメラ、動画像および音声を記録するビデオカメラ、音声のみを録音する音声レコーダ、確認テスト集計のコンピュータまたはそれらの組み合わせである。 ここで、「確認テスト装置」とは、たとえば、受講者に向かって確認テスト問題を画面出力し、受講者毎に用意された回答装置からの入力を集計する、といった装置である。
【0017】
(作用)
体得スペース(40)において実行されるロールプレイについては、記録装置に実行記録が残されるので、その実行記録を用いて受講者が復習したり、研修の企画者が研修内容を見直したりすることができる。
【0018】
(第一の発明のバリエーション3)
第一の発明は、前記の体験スペース(30)は、体感スペース(20)よりも垂直方向の寸法を大きく形成してもよい。
ここで、「体感スペース(20)よりも垂直方向の寸法を大きく形成」する、とは、たとえば、体感スペース(20)の存在するフロアの上の階または下の階、あるいは両方の階を吹き抜けで形成するのである。
【0019】
(作用)
体験スペース(30)は、前記体感装置によって受講者へ向けて出力した内容に関わる実物またはその再現模型のサイズが大きい場合があるので、そうした実物や再現模型を設置するのに必要となる場合がある。
【0020】
(第一の発明のバリエーション4)
第一の発明は、前記の体験スペース(30)は、屋外に隣接させて形成してもよい。
受講者が、前記体感装置によって受講者へ向けて出力した内容に関わる実物またはその再現模型を用いて実体験をするのに、屋外の方が都合よい場合があるからである。
【0021】
(第一の発明のバリエーション5)
第一の発明は、 前記の体感スペース(20)、体験スペース(30)および体得スペース(40)を、平面形状がコ字形となるように配置するとともに、 前記のアクセススペース(50)は、体感スペース(20)、体験スペース(30)および体得スペース(40)に囲まれた位置に配置してもよい。
【0022】
(作用)
バリエーション5のように研修施設を形成すると、建築構造物としてコンパクトで合理的なスペース配置となる。 また、受講者の動線も合理的な動線として確保できる。
【0023】
(第一の発明のバリエーション6)
第一の発明における体得スペース(40)には、体得レベルを確認するための確認テスト装置を備えてもよい。
ここで、「確認テスト装置」とは、たとえば、受講者に向かって確認テスト問題を画面出力し、受講者毎に用意された回答装置からの入力を集計する、といった装置である。
【0024】
(第二の発明)
第二の発明は、第一の発明に係る研修施設を備えた建物に係る。
たとえば、研修棟というような名称が付けられる独立した建物でもよいし、研修施設をあるフロアに備えた建物でもよい。
【発明の効果】
【0025】
第一の発明によれば、設備としての合理性を高めつつ、研修内容を受講者が体得しやすい環境を提供しやすい研修施設を提供することができた。
第二の発明によれば、設備としての合理性を高めつつ、研修内容を受講者が体得しやすい環境を提供しやすい研修施設を備えた建物を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第一の実施形態を示すレイアウト図である。
【図2】体感スペースに設置された体感装置を示す図である。
【図3】体験スペースにおける三種類の体験を示す写真である。
【図4】体験スペースとしての屋外スペースを示す写真である。
【図5】ロールプレイの実施状況を示す写真である。
【図6】体得スペースに設置された確認テストの出力や回答装置を示す図である。
【図7】第二の実施形態を示すレイアウト図である。
【図8】第三の実施形態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本願発明を実施形態に基づいて更に詳しく説明する。 ここで使用する図面は、図1から図8である。
【0028】
図1には、第一の実施形態に係る研修施設のレイアウトを示す。
この研修施設は、安全について考えて行動することを身につけるための研修施設として設計されている。 体感スペース20、体験スペース30、体得スペース40を一つのフロアでコ字形に連続させて配置している。 コ字形に囲まれた空間はアクセススペース50であり、いずれのスペース20,30,40にも出入りすることができる。
体感スペース20における体験スペース30とは反対側には、導入スペース10が配置されている。この導入スペース10は、この研修施設をどのように使うのか、などの趣旨説明を行うためのスペースとなっている。
【0029】
体験スペース30と体得スペース40との間には、予備スペース60が設けられており、体得スペース40を利用する前の受講者が待機するスペースとして使うほか、体験スペース30または体得スペース40を拡張することができる。また、複数グループの進行のズレを吸収するための待機場所としても利用できる。
本実施形態においては、導入スペース10から体感スペース20までの長さは、約39メートル、体感スペース20から体験スペース30までの長さは、約36メートルである。
【0030】
(体感スペース20)
体感スペース20は、職場での事故や災害に関して、受講者自身の身にも起こりえることである、という感覚で捉えてもらうために、「体感」してもらうスペースである。
図2に示すように、受講者の視覚および聴覚を刺激することで受講者に体験学習させるための体感装置を備えている。体感装置としては、オーディオヴィジュアル装置21が代表的である。少なくとも一台以上を備える。また、展示を効果的に見せるスポットライト、ピンライトも備える。
前記のオーディオヴィジュアル装置21によって、たとえば、仕事の作業場にて起きた事故を再現した映像を流したりする。
【0031】
また、写真と説明文書とを組み合わせて表現された展示パネル22も、体感装置の一種である。
この展示パネル22には、たとえば、仕事の作業場にて起きた事故を端的に表現した写真や、事故の原因を分析した文章、自己に関する統計データなどが記載されている。 たとえば、被災の怖さ、悲惨さを印象付けるため、被災した患部の写真や遺族からの手紙などを用いて被災の具体的な様子を伝える。
【0032】
展示パネル22の近傍には、受講者が操作できるボタンを用意しておき、そのボタンを受講者が押すと、効果的な照明とともに展示パネル22に関する補足説明が音声データとしてスピーカから流れるようにしている。このスピーカも体感装置の一部であるとも言える。
なお、オーディオヴィジュアル装置21や展示パネル22による一方的な説明について補足説明をしたり、質問を受けて答えたりするための説明員23が待機する場合もある。
【0033】
安全装備品の実物も体感装置の一つである。安全装備品の現行品を展示し、そうした装備品が現行品となるまでの歴史や背景などを、前述の展示パネル22などとともに説明する。以前の安全装備品との比較展示をする場合もある。
上記の体感装置は、受講者のスキルレベルや、部門に応じて、あるいは時期に応じて変更することも可能である。
【0034】
(体験スペース30)
体験スペース30は、前記の体感装置が受講者へ向けて出力した内容に関わる実物またはその原寸模型にて、受講者が災害について模擬体験をすることができるようにした空間であり、各種の体験用設備が用意されている。
図1に示しているように、体感スペース20に隣り合う標準スペース31と、その標準スペース31の一部を垂直下方向に拡張した縦方向拡張スペース32とを備えている。 この縦方向拡張スペース32は、受講者が体験のための実物や模型、高所からの転落など体験すべき体験を再現する場合において一つの階の垂直方向寸法では足りないものがあるからである。
【0035】
体験スペース30に用意される体験用設備としては、例えば、命綱または安全帯やマットなどで危険ではない状態とした上で、高所から墜落をする模擬体験を行えるスペースが代表的なものである。
また、大型機械に巻き込まれる疑似体験として、巻き込まれていくロープを受講者が引っ張ってみて、その機械の巻き込む力を体験させる、といったものもある。
上記の体験用設備もまた、受講者に応じて、あるいは時期に応じて変更することも可能である。
【0036】
図3(A)には、電柱が体験スペース30内に設けられ、その電柱に折り畳み梯子を掛けて高所作業を体験している様子を示している。 安全帯の重要性や、梯子の固定の重要性などを体験できる。
図3(B)には、安全帯や命綱をした状態で、高所から落ちてみて、床(地面)直前で止まることで落ちた衝撃を体験する様子を示している。
図3(C)には、電圧の弱い状態で、感電を体験する様子を示している。
【0037】
図4に示すのは、体験スペースの一部としての屋外スペース33を示している。本実施形態に係る研修施設を備えた建物およびその屋外を示している。
研修施設の外壁を使って、折り畳み梯子を掛けて高所作業を体験している。 体験スペース30の垂直方向寸法が足りない場合や、屋外の方が研修として都合がよい場合などには、このように、建物に隣接したスペースを体験スペースの一部とすることも可能である。
【0038】
(体得スペース40)
体得スペース40とは、前述の体感スペース20および体験スペース30にて研修した受講者が、ロールプレイングをして振り返る、あるいはロールプレイをする受講者を見学、審査する、といった研修を実行するためのスペースである。
図に示すように、作業員の役および監理員の役は、体感スペース20および体験スペース30にて研修をしてきた受講者が割り振られる。 受講者が多い場合などは、ロールプレイの見学者として、特に役柄が与えられない場合もある。
【0039】
作業員の役および監理員の役は、予め用意されたロールプレイの台本(体感および体験した研修内容あるいはその研修内容を応用した事例)に従って、役割を演じてみる。 この台本を準備したり、ロールプレイの進行は、事務局が担当したり、専門のファシリテータが担当したりする。
【0040】
ロールプレイングでは、たとえば、施工打ち合わせ、現場パトロールなどの場面想定をした後、危険状態の察知、危険ポイントの監理などを演習したり、監理者として留意すべき点などを確認したりする。
ロールプレイの見学者や審査官は、気づいたことをメモしたりして、後のディスカッションや講評に役立てる。
【0041】
図示を省略するが、ロールプレイの実行を記録する記録装置(デジタルビデオカメラ、音声記録装置など)を備えている。 また、その記録装置の操作については、事務局が担当する。
台本に沿ったロールプレイが終了したら、ロールプレイでは出てこなかったポイントの説明などを、事務局またはファシリテータが口頭で説明する。
また、ロールプレイングを振り返ってのディスカッションを行ったり、審査官が講評したりする。
【0042】
図6(A)に示すのは、体得スペース40に設置された確認テスト出力装置41である。大画面の液晶に動画が映し出され、作業中のポイントとなるべき点で動画が停止され、画面の隅に「Yes or No」と出力表示42が出る。
その出力表示42に対して、作業員の役および監理員の役を終えた受講者や、ロールプレイの見学者は、図6(B)に示されるような回答集計装置43を用いて回答する。
回答結果については、回答集計装置が集計し、事務局が監理する。
【0043】
以上のような、体感スペース20、体験スペース30および体得スペース40を使った研修では、体感、体験、体得という異なる刺激を受けつつ、主たるテーマをこなすので、受講生における研修効果が高い。 特に、体得スペース40においては、外部から受け身として刺激を受けるだけではなく、自ら考える機会が強制されるので、単なる受け身の研修よりも身につく(体得が可能である)。
【0044】
図7に示すのは、第二の実施形態に係る研修施設のレイアウトである。
この研修施設も、第一の実施形態と同じように、体感スペース20、体験スペース30、体得スペース40を一つのフロアでコ字形に連続させて配置している。
体験スペース30と体得スペース40との間には、予備スペース60が設けられており、体得スペース40を利用する前の受講者が待機するスペースとして使うほか、体験スペース30または体得スペース40を拡張することができる。
【0045】
コ字形に囲まれた空間はアクセススペース50であり、いずれのスペース20,30,40にも出入りすることができる。 第一の実施形態と異なるのは、このアクセススペース50の中に予備スペース60が設けられていることであり、アクセススペース50もまたコ字形をなしている。
また、体験スペース30が他のスペースと垂直方向寸法が同じである点も、第一の実施形態と異なる。
更に、体得スペース40が予め二つの空間として用意されている点も異なる。これは、研修の受講者をグループ分けしてロールプレイングを体験してもらうとか、ロールプレイングとそのロールプレイングの後のディスカッションを異なる部屋で行うとか、といった使い方をすることができるように意図したものである。
【0046】
第二の実施形態は、体験スペースが垂直方向に大きくなくても十分である場合や、屋外スペースを活用した方が全体として合理的である場合などに適している。
【0047】
図8に示すのは、第三の実施形態に係る研修施設としてのビル80における縦断面のレイアウトである。
1階が体感スペース20であり、2階が体験スペース30であり、3階が体得スペース40である。それぞれのスペースの行き来は、階段51にて行う。
このような研修施設であれば、土地を有効活用できる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本願発明は、鉄道運輸業、土木建設業、建設建築業、内装設備業、オーディオヴィジュアル装置の製造業などにおいて、利用可能性を有する。
また、本願発明に係る研修設備において用いる研修用のソフトウェアを開発するソフトウェア開発業、本願発明に係る研修設備を運用する研修代行業などにおいても、利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0049】
10 導入スペース
20 体感スペース 21 オーディオヴィジュアル装置
22 展示パネル
30 体験スペース 31 標準スペース
32 縦方向拡張スペース 33 屋外スペース
40 体得スペース 41 確認テスト出力装置
42 確認出力表示 43 回答装置
50 アクセススペース 51 階段
60 予備スペース
80 ビル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受講者の視覚および/または聴覚を刺激することで受講者に学習内容を体感させる体感装置を備えた体感スペースと、
前記体感装置が受講者へ向けて出力した内容に関わる実物またはその再現模型を受講者が触れることができるようにした体験スペースと、
前記実物または再現模型に触れて体験した体験に基づいたロールプレイを実行するための体得スペースと、
前記の体感スペース、体験スペースおよび体得スペースのいずれにも隣接したアクセススペースと、を備えた研修施設。
【請求項2】
前記の体験スペースは、前記の体感スペースに隣接させるとともに、
前記の体得スペースは、前記の体験スペースに隣接させた請求項1に記載の研修施設。
【請求項3】
前記の体得スペースには、ロールプレイの実行を記録する記録装置を備えた請求項1または請求項2のいずれかに記載の研修施設。
【請求項4】
前記の体験スペースは、体感スペースよりも垂直方向の寸法を大きく形成した請求項1から請求項3のいずれかに記載の研修施設。
【請求項5】
前記の体験スペースは、屋外に隣接させて形成した請求項1から請求項4のいずれかに記載の研修施設。
【請求項6】
前記の体感スペース、体験スペースおよび体得スペースを、平面形状がコ字形となるように配置するとともに、
前記のアクセススペースは、体感スペース、体験スペースおよび体得スペースに囲まれた位置に配置した請求項項1から請求項5のいずれかに記載の研修施設。
【請求項7】
前記の体得スペースには、体得レベルを確認するための確認テスト装置を備えた請求項1から請求項6のいずれかに記載の研修施設。
【請求項8】
請求項1から請求項7に係る研修施設を備えた建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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