説明

研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造

【課題】研磨および接着剤による接着が必要ない靴底を提供する。
【解決手段】
複数の部材が縫合されてなる靴本体10、靴本体10底部と接続された靴内底4、靴本体10底部に巻設され、複数の孔20を有する側部シート2および靴本体10と側部シート2との間の空間部21からなる。熔融された靴外底3の材料が靴が設置された金型に注入され、それぞれの空間部21と側部シート2の孔20に容易に充填され、強固に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側部シートおよび靴外底を有し、靴外底と靴本体および側部シートは接着剤を使用した接着や縫合による接続ではない方式によって接続される研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、靴外底は接着剤による接着や縫合によって靴本体と接続される。縫合による方式は技術者が大量の縫合機器を操作し、多くの時間が必要とされる。靴製造に多くの労力と時間が必要になるので、そのコストも高くなる。接着剤で接着する方式では、高品質の接着剤と接着部分を研磨してざらざらにし、接着効果を高める必要がある。しかし、殆どの工業用接着剤は有害な化学物質を含み、また、研磨作業の過程で靴本体と靴外底の微粒子が発生し、作業者の肺の健康が脅かされる恐れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、靴本体と、側部シートと、靴外底とからなり、靴本体は、靴外底と接続される靴内底を有し、側部シートは、靴本体下部に巻設され、複数の孔および靴本体と側部シートとの間の少なくとも一つの空間部を有し、靴外底は、側部シートと靴内底とを被覆し、少なくとも一つの空間部と孔とに充填されることを特徴とする研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造である。
【0005】
請求項2の発明は、側部シートは、折目部を有し、側部シートの上端および靴外底の上端は折目部の下まで延伸していることを特徴とする請求項1記載の研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造である。
【0006】
請求項3の発明は、接続部材が側部シートの底端、靴本体の下端および内底の両端を接続していることを特徴とする請求項1記載の研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造である。
【0007】
請求項4の発明は、靴本体は、複数の部材が縫合されてなることを特徴とする請求項1記載の研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は縫合も接着剤による接着も必要なく、熔融された靴外底の材料が空間部と側部シートの孔に充填されることによって靴外底と靴本体とを強固に接続できる。また、製造時間も短縮でき、本構造は大量生産に適する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1、2、3、4、5に示すように、本発明の研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造は、複数の部材が縫合されてなる靴本体10、靴本体10底部と接続された靴内底4、靴本体10底部に巻設され、複数の孔20を有する側部シート2および靴本体10と側部シート2との間の空間部21からなる。側部シート2は折目部22を有し、その上端および接続部材5は側部シート2の底端、靴本体10下端および靴内底4の両端を接続している。
【0010】
靴外底3は側部シート2を被覆しており、靴外底3(例えばゴム)は少なくとも一つの空間部21および孔20に充填される。靴外底3の上端は折目部22の下まで延伸している。靴外底3の材料は熔融され、靴が設置された金型に注入されることによって、それぞれの空間部21と側部シート2の孔20に容易に充填される。
【0011】
本発明は縫合も接着剤による接着も必要なく、靴外底3と靴本体10とを強固に接続できる。また、製造時間も短縮でき、本構造は大量生産に適する。
【0012】
上述の詳細な説明は本発明の実施例を示したものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において各種修飾や変更を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造の靴外底を設置する前の状態を示す斜視図である。
【図2】本発明による研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造の靴外底を設置する前の空間部を示す模式図である。
【図3】本発明による研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造の靴外底を設置した後の状態を示す模式図である。
【図4】本発明による研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造の靴外底を設置した後の状態を示す模式図である。
【図5】本発明による研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造の靴外底を設置した後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0014】
1 研磨および接着剤による接着が必要ない靴底
10 靴本体
2 側部シート
20 孔
21 空間部
22 折目部
3 靴外底
4 靴内底
5 接続部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴本体と、側部シートと、靴外底とからなり、
前記靴本体は、靴外底と接続される靴内底を有し、
前記側部シートは、靴本体下部に巻設され、複数の孔および靴本体と側部シートとの間の少なくとも一つの空間部を有し、
前記靴外底は、側部シートと靴内底とを被覆し、少なくとも一つの空間部と孔とに充填されることを特徴とする研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造。
【請求項2】
前記側部シートは、折目部を有し、側部シートの上端および靴外底の上端は折目部の下まで延伸していることを特徴とする請求項1記載の研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造。
【請求項3】
接続部材が側部シートの底端、靴本体の下端および内底の両端を接続していることを特徴とする請求項1記載の研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造。
【請求項4】
前記靴本体は、複数の部材が縫合されてなることを特徴とする請求項1記載の研磨および接着剤による接着が必要ない靴底構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−75595(P2006−75595A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257211(P2005−257211)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(505337537)
【Fターム(参考)】