説明

破砕装置

【課題】被破砕物の破砕片が上側引込みローラ上方に回り込まないようにする。
【解決手段】破砕作業室13内における上部空間Sの引込み口15側に一対の上側及び下側引込みローラ17,19を設けるとともに、破砕作業室13内の引込み口15から見て奥部で上側及び下側引込みローラ17,19側方に破砕ローラ21を隣設した破砕装置1において、上側引込みローラ17と破砕ローラ21との間に回転ローラ27を設け、破砕ローラ21により破砕されたガラス基板Gの破砕片gが上部空間Sの引込み口15上方の隅部Cに回り込むのを回転ローラ27で防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、平板状被破砕物を破砕する破砕装置の改良に関し、特に破砕片の回込みによる作動不良を防止する対策に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液晶表示パネルの製造過程で発生する規格外のガラス基板を再利用するため等に破砕する破砕装置が開示されている。この破砕装置は、互いに逆向きに回転することでガラス基板を挟みながら引き込む一対の上側及び下側引込みローラと、上側及び下側引込みローラ側方に隣設された破砕ローラとが内部に設けられた破砕作業室を備え、該破砕作業室内に上記上側及び下側引込みローラにより引き込まれたガラス基板を上記破砕ローラの回転動作により破砕し、破砕片(カレット)を回収ボックスに回収するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−216131号公報(段落0032欄〜段落0034欄、段落0038欄、段落0042欄、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の特許文献1を含めて一般の破砕装置では、ガラス基板等の平板状被破砕物引込み用の引込み口が破砕作業室の側壁上部に形成され、上側及び下側引込みローラが上記破砕作業室内における上部空間の引込み口側に配置されているとともに、破砕ローラが上記破砕作業室内の上記引込み口から見て奥部で上記上側及び下側引込みローラ側方に隣設され、該破砕ローラの下方に回収ボックスが配置されている。このため、破砕作業中に破砕ローラにより破砕された被破砕物の破砕片が破砕の勢いで舞い上がって上記上部空間の引込み口上方の側壁と天井壁と上側引込みローラとで囲まれた隅部に回り込み、当該隅部に堆積して上側及び下側引込みローラの回転、ひいては破砕作業に支障を来すおそれがある。
【0005】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被破砕物の破砕片が上側引込みローラ上方に回り込まないようにしたことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、この発明は、舞い上がった破砕片を破砕作業室内の引込み口上方の隅部手前で跳ね返すようにしたことを特徴とする。
【0007】
具体的には、この発明は、内部が外部と遮断され側壁上部に引込み口を有する破砕作業室と、該破砕作業室内における上部空間の引込み口側に設けられ、互いに逆向きに回転することで平板状被破砕物を挟みながら上記破砕作業室内に引き込む一対の上側及び下側引込みローラと、上記破砕作業室内の上記引込み口から見て奥部で上記上側及び下側引込みローラ側方に隣設され、該上側及び下側引込みローラにより引き込まれた被破砕物を回転動作により破砕する破砕ローラとを備えた破砕装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0008】
すなわち、第1の発明は、上記上側引込みローラと上記破砕ローラとの間には、該破砕ローラにより破砕された被破砕物の破砕片が上記上部空間の引込み口上方の隅部に回り込むのを防止する回込み防止手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、上記回込み防止手段は、外周面が滑らかな回転ローラからなることを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、上記回込み防止手段は、上下方向に延びる固定式又は揺動式板材からなることを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、第1の発明において、上記回込み防止手段は、周方向に延びる環状溝部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有する第1回転ローラと、周方向に延びる環状凸部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有し該環状凸部が上記第1回転ローラの環状溝部に係合する第2回転ローラとからなることを特徴とする。
【0012】
第5の発明は、第1の発明において、上記回込み防止手段は、周方向に延びる環状溝部又は環状凸部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有する回転ローラからなり、上記上側引込みローラも、周方向に延びる環状溝部又は環状凸部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有し、上記回転ローラと上側引込みローラとは、一方の環状凸部が他方の環状溝部に係合していることを特徴とする。
【0013】
第6の発明は、第1の発明において、上記回込み防止手段は、周方向に延びる環状溝部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有する第1回転ローラと、周方向に延びる環状凸部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有し該環状凸部が上記第1回転ローラの環状溝部に係合する第2回転ローラとからなり、上記上側引込みローラも、周方向に延びる環状溝部又は環状凸部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有し、上記上側引込みローラ側の回転ローラと上側引込みローラとは、一方の環状凸部が他方の環状溝部に係合していることを特徴とする。
【0014】
第7の発明は、第1の発明において、上記回込み防止手段は、回転軸方向に延びる突出部を外周面に周方向に間隔をあけて複数有する回転ローラからなることを特徴とする。
【0015】
第8の発明は、第1の発明において、上記回込み防止手段は、上記回込み防止手段は、回転軸方向に延びる噛合歯を外周面に周方向に間隔をあけて複数有し互いに噛合歯が噛合する一対の第1及び第2回転ローラからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明によれば、破砕作業中に破砕ローラにより被破砕物が破砕されてその勢いで舞い上がろうとする破砕片は、回込み防止手段に衝突して破砕作業室における上部空間の引込み口上方の側壁と天井壁と上側引込みローラとで囲まれた隅部手前で跳ね返されて当該隅部に回り込まない。したがって、破砕片が破砕作業室の上記隅部に堆積する事態が発生せず、上側及び下側引込みローラが破砕片に邪魔されることなく確実に回転し、破砕作業を円滑に行うことができる。
【0017】
第2の発明によれば、破砕片を回転ローラで跳ね返すことができる。
【0018】
第3の発明によれば、破砕片を固定式又は揺動式板材で跳ね返すことができる。特に、揺動式板材の場合には、破砕片が板材と上側引込みローラとの間に侵入しても、板材が揺動することで破砕片が板材と上側引込みローラとの間に噛み込まない。
【0019】
第4の発明によれば、破砕片を互いに係合する第1及び第2回転ローラで跳ね返すことができる。
【0020】
第5の発明によれば、破砕片を互いに係合する回転ローラ及び上側引込みローラで跳ね返すことができる。
【0021】
第6の発明によれば、破砕片を互いに係合する第1回転ローラ、第2回転ローラ及び上側引込みローラで跳ね返すことができる。
【0022】
第7の発明によれば、破砕片を回転ローラの突出部で跳ね返すことができる。
【0023】
第8の発明によれば、破砕片を互いに噛合する第1及び第2回転ローラで跳ね返すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態1に係る破砕装置の概略構成図である。
【図2】(a)は実施形態2の回込み防止手段、(b)は実施形態3の回込み防止手段、(c)は実施形態4の回込み防止手段、(d)は実施形態5の回込み防止手段、(e)は実施形態6の回込み防止手段である。
【図3】(a)は実施形態7の回込み防止手段、(b)はその変形例1、(c)は変形例2、(d)は変形例3である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0026】
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る破砕装置1の概略構成図を示す。この実施形態1では、破砕対象である被破砕物として、液晶表示パネル等、各種表示パネルを構成するガラス基板Gを例示する。このガラス基板Gは、表示パネルの製造過程で発生する規格外のものであり、廃棄や再利用のため等に破砕されるが、これに限らず、市場にて廃棄された表示装置等の解体処理により発生するガラス基板Gも含む。また、ガラス基板Gのほかに、金属以外の平板状物で破砕可能な材質であればよく、プラスチック材や建築材(石膏ボード、パーティクルボード等)をも被破砕物として含む。後述の実施形態2〜7においても同様である。
【0027】
上記破砕装置1の側方には、前後一対のロール3にエンドレスベルト5を巻き掛けたベルトコンベアからなる搬入コンベア7が水平に延びるように並設され、該搬入コンベア7の上流端には、複数のコロ9を並列に配置してなるコロコンベアからなる移送コンベア11が水平に連続するように並設されている。
【0028】
上記破砕装置1は、内部が外部と遮断された破砕作業室13を備え、該破砕作業室13の一方(図1で右側)の側壁13a上部には、ガラス基板引込み用の引込み口15が形成され、該引込み口15に上記搬入コンベア7の下流端が臨み、ガラス基板Gを上記移送コンベア11で搬入コンベア7に移送した後、該搬入コンベア7で破砕作業室13の引込み口15に向かって搬入するようになっている。
【0029】
上記破砕作業室13内における上部空間Sの引込み口15側には、一対の上側及び下側引込みローラ17,19が回転可能に配置され、これら上側及び下側引込みローラ17,19のうち下側引込みローラ19は、外周上端が上記搬入コンベア7のエンドレスベルト5上面と略同一高さに位置付けられ、上側引込みローラ17は、下側引込みローラ19の上方に該下側引込みローラ19とでガラス基板Gを挟んで引込み可能な間隔をあけて配置されている。そして、上記上側引込みローラ17が図1で時計回りに、上記下側引込みローラ19が図1で反時計回りに互いに逆向きに回転することで、上記搬入コンベア7で引込み口15前に搬入されたガラス基板Gを挟みながら破砕作業室13内に引き込むようにしている。
【0030】
上記破砕作業室13内の上記引込み口15から見て奥部(図1左側)で上記上側及び下側引込みローラ17,19側方には、回転軸方向に延びる破砕刃21aを外周面に周方向に間隔をあけて複数有する破砕ローラ21が回転可能に隣設され、該破砕ローラ21の下方には回収シュート23が配置され、該回収シュート23の下方には回収ボックス25が配置されている。そして、上記上側及び下側引込みローラ17,19により破砕作業室13内に引き込まれたガラス基板Gを上記破砕ローラ21の図1で時計回りの回転動作により破砕刃21aで衝撃を与えて破砕し、破砕されて小片化された破砕片(カレット)gを上記回収シュート23を経て回収ボックス25内に落下させて回収するようにしている。なお、上記破砕ローラ21として、打撃式破砕機をイメージして説明したが、外周面に破砕刃を複数有する一軸破砕機や二軸破砕機を用いてもよい。
【0031】
上記上側引込みローラ17と上記破砕ローラ21との間には、外周面が滑らかな1個の回転ローラ27が上記上側引込みローラ17と微小隙間をあけて接近して回転可能に配置されている。この回転ローラ27が実施形態1で最大の特徴とする回込み防止手段を構成している。そして、上記破砕ローラ21により破砕されたガラス基板Gの破砕片gが上記破砕作業室13内における上部空間Sの引込み口15上方の側壁13aと天井壁13bと上側引込みローラ17とで囲まれた隅部Cに回り込むのを、上記回転ローラ27の図1で時計回りの回転動作により防止するようにしている。
【0032】
つまり、破砕作業中に破砕ローラ21によりガラス基板Gが破砕されて小片化された破砕片gは、その勢いで舞い上がろうとするが、上記回転ローラ27に衝突して破砕作業室13における上部空間Sの引込み口15上方の隅部C手前で跳ね返されて当該隅部Cに回り込む事態が回避される。これにより、破砕片gは破砕作業室13の上記隅部Cに堆積せず、上側及び下側引込みローラ17,19の回転動作を破砕片gに邪魔されることなく確実に行い得て、円滑な破砕作業を実行することができる。
【0033】
また、上記回転ローラ27は、上側引込みローラ17と微小隙間をあけて接近配置されているので、破砕片gが回転ローラ27と上側引込みローラ17との間から擦り抜けて、破砕作業室13における上部空間Sの引込み口15上方の隅部Cに回り込むのを確実に防止でき、しかも、互いの回転動作を阻害することがない。なお、回転ローラ27及び上側引込みローラ17の回転動作に支障を来さない程度であれば、両者を互いに当接させてもよい。
【0034】
(実施形態2)
図2(a)は実施形態2の回込み防止手段を示す。この実施形態2では、回込み防止手段の構成が実施形態1と異なるほかは実施形態1と同様に構成されているので、構成の異なる回込み防止手段についてのみ説明し、同一構成箇所は図1に基づく実施形態1の説明に譲ることにして詳細な説明を割愛する。以下に説明する実施形態3〜7についても同様である。
【0035】
すなわち、実施形態2で採用した回込み防止手段は、引込み口15側(上側引込みローラ17側)の第1回転ローラ29と、奥部側の第2回転ローラ31との2個の回転可能な回転ローラからなる。上記第1回転ローラ29の外周面には、周方向に延びる複数の環状溝部29aが回転軸方向に間隔をあけて形成され、一方、上記第2回転ローラ31の外周面には、周方向に延びる複数の環状凸部31aが回転軸方向に間隔をあけて形成され、該環状凸部31aは上記第1回転ローラ29の環状溝部29aに係合している。また、第1回転ローラ29は、上側引込みローラ17と微小隙間をあけて接近して配置されている。なお、上記とは逆に、第2回転ローラ31を引込み口15側に、第1回転ローラ29を奥部側に配置してもよい。また、引込み口15側の第1回転ローラ29及び上側引込みローラ17の回転動作に支障を来さない程度であれば、両者を互いに当接させてもよい。
【0036】
したがって、この実施形態2では、破砕片gを互いに係合する第1及び第2回転ローラ29,31で跳ね返すことができる。そのほかは実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0037】
(実施形態3)
図2(b)は実施形態3の回込み防止手段を示す。実施形態3で採用した回込み防止手段は、1個の回転可能な回転ローラ33からなる。該回転ローラ33の外周面には、周方向に延びる複数の環状凸部33aが回転軸方向に間隔をあけて形成され、一方、上側引込みローラ17の外周面には、周方向に延びる複数の環状溝部17aが回転軸方向に間隔をあけて形成され、上記回転ローラ33の環状凸部33aは上記上側引込みローラ17の環状溝部17aに係合している。なお、上記とは逆に、回転ローラ33に環状溝部を、上側引込みローラ17に環状凸部をそれぞれ形成してもよい。
【0038】
したがって、この実施形態3では、破砕片gを互いに係合する回転ローラ33及び上側引込みローラ17で跳ね返すことができる。そのほかは実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0039】
(実施形態4)
図2(c)は実施形態4の回込み防止手段を示す。実施形態4で採用した回込み防止手段は、実施形態2と同様に2個の回転可能な第1及び第2回転ローラ29,31とからなる。つまり、上記第1回転ローラ29の外周面には、周方向に延びる複数の環状溝部29aが回転軸方向に間隔をあけて形成され、一方、上記第2回転ローラ31の外周面には、周方向に延びる複数の環状凸部31aが回転軸方向に間隔をあけて形成され、該環状凸部31aは上記第1回転ローラ29の環状溝部29aに係合している。
【0040】
また、上側引込みローラ17の外周面には、周方向に延びる複数の環状凸部17bが回転軸方向に間隔をあけて形成され、上記上記上側引込みローラ17の環状凸部17bは第1回転ローラ29の環状溝部29aに係合している。なお、なお、上記とは逆に、第2回転ローラ31を引込み口15側に、第1回転ローラ29を奥部側に配置してもよい。この場合には、上側引込みローラ17に環状溝部を形成することになる。
【0041】
したがって、この実施形態4では、破砕片gを互いに係合する第1回転ローラ29、第2回転ローラ31及び上側引込みローラ17で跳ね返すことができる。そのほかは実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0042】
(実施形態5)
図2(d)は実施形態5の回込み防止手段を示す。実施形態5で採用した回込み防止手段は、1個の回転可能な回転ローラ35からなる。該回転ローラ35の外周面には、回転軸方向に延びる複数の突出部35aが周方向に間隔をあけて形成され、該回転ローラ35は、上側引込みローラ17と微小隙間をあけて接近して配置されている。なお、回転ローラ35及び上側引込みローラ17の回転動作に支障を来さない程度であれば、回転ローラ35の突出部35aを上側引込みローラ17に当接させてもよい。
【0043】
したがって、この実施形態4では、破砕片gを回転ローラ35で跳ね返すことができる。そのほかは実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0044】
(実施形態6)
図2(e)は実施形態6の回込み防止手段を示す。実施形態6で採用した回込み防止手段は、一対の回転可能な第1及び第2回転ローラ37,39からなる。これら第1及び第2回転ローラ37,39の外周面には、回転軸方向に延び互いに噛合する複数の噛合歯37a,39aが周方向に間隔をあけてそれぞれ形成されている。また、上記引込み口15側の第1回転ローラ37は、上側引込みローラ17と微小隙間をあけて接近して配置されている。なお、引込み口15側の第1回転ローラ37及び上側引込みローラ17の回転動作に支障を来さない程度であれば、第1回転ローラ37の噛合歯37aを上側引込みローラ17に当接させてもよい。
【0045】
したがって、この実施形態6では、破砕片gを互いに係合する噛合する第1及び第2回転ローラ37,39で跳ね返すことができる。そのほかは実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0046】
(実施形態7)
図3(a)は実施形態7の回込み防止手段、図3(b)はその変形例1、図3(c)は変形例2、図3(d)は変形例3をそれぞれ示す。
【0047】
実施形態7で採用した回込み防止手段は、破砕作業室13の天井壁13bに上端が固定された上下方向に延びる固定式板材41からなり、下端が上記上側引込みローラ17と微小隙間をあけて接近している。
【0048】
変形例1の回込み防止手段は、破砕作業室13の天井壁13bに上端が支軸43で揺動自在に支持された上下方向に延びる揺動式板材45からなり、実施形態7と同様に、下端が上記上側引込みローラ17と微小隙間をあけて接近している。
【0049】
変形例2の回込み防止手段は、破砕作業室13の天井壁13bに上端が固定された上下方向に延びる固定式板材47からなり、下端の斜めに傾斜する傾斜部47aが上側引込みローラ17下側と微小隙間をあけて接近している。
【0050】
変形例3の回込み防止手段は、破砕作業室13の天井壁13bに上端が支軸43で揺動自在に支持された上下方向に延びる揺動式板材49からなり、下端の斜めに傾斜する傾斜部49aが上側引込みローラ17下側と微小隙間をあけて接近している。
【0051】
なお、これら実施形態7及び変形例1〜3において、上側引込みローラ17の回転動作に支障を来さない程度であれば、各々の下端を上側引込みローラ17に当接させてもよい。
【0052】
したがって、この実施形態7及び変形例2では、破砕片gを固定式板材41,47で跳ね返すことができる。変形例1及び変形例3では、破砕片gを揺動式板材45,49で跳ね返すことができる。特に、変形例1及び変形例3では、破砕片gが揺動式板材45,49の傾斜部45a,49aと上側引込みローラ17との間に侵入しても、揺動式板材45,49が支軸43を支点に揺動することで破砕片gが揺動式板材45,49と上側引込みローラ17との間に噛み込まないという利点を有する。そのほかは実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
この発明は、例えば、液晶表示パネルの製造過程で発生する規格外のガラス基板等の平板状被破砕物を廃棄したり、再利用するため等に破砕する破砕装置について有用である。
【符号の説明】
【0054】
1 破砕装置
13 破砕作業室
13a 側壁
15 引込み口
17 上側引込みローラ
17a 環状溝部
17b 環状凸部
19 下側引込みローラ
21 破砕ローラ
27 外周面が滑らかな回転ローラ(回込み防止手段)
29 第1回転ローラ(回込み防止手段)
29a 環状溝部
31 第2回転ローラ(回込み防止手段)
31a 環状凸部
33 回転ローラ(回込み防止手段)
33a 環状凸部
35 回転ローラ(回込み防止手段)
35a 突出部
37 第1回転ローラ(回込み防止手段)
37a 噛合歯
39 第2回転ローラ(回込み防止手段)
39a 噛合歯
41,47 固定式板材(回込み防止手段)
45,49 揺動式板材(回込み防止手段)
C 隅部
G ガラス基板(被破砕物)
g 破砕片
S 上部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が外部と遮断され側壁上部に引込み口を有する破砕作業室と、
該破砕作業室内における上部空間の引込み口側に設けられ、互いに逆向きに回転することで平板状被破砕物を挟みながら上記破砕作業室内に引き込む一対の上側及び下側引込みローラと、
上記破砕作業室内の上記引込み口から見て奥部で上記上側及び下側引込みローラ側方に隣設され、該上側及び下側引込みローラにより引き込まれた被破砕物を回転動作により破砕する破砕ローラとを備えた破砕装置であって、
上記上側引込みローラと上記破砕ローラとの間には、該破砕ローラにより破砕された被破砕物の破砕片が上記上部空間の引込み口上方の隅部に回り込むのを防止する回込み防止手段が設けられていることを特徴とする破砕装置。
【請求項2】
請求項1に記載の破砕装置において、
上記回込み防止手段は、外周面が滑らかな回転ローラからなることを特徴とする破砕装置。
【請求項3】
請求項1に記載の破砕装置において、
上記回込み防止手段は、上下方向に延びる固定式又は揺動式板材からなることを特徴とする破砕装置。
【請求項4】
請求項1に記載の破砕装置において、
上記回込み防止手段は、周方向に延びる環状溝部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有する第1回転ローラと、周方向に延びる環状凸部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有し該環状凸部が上記第1回転ローラの環状溝部に係合する第2回転ローラとからなることを特徴とする破砕装置。
【請求項5】
請求項1に記載の破砕装置において、
上記回込み防止手段は、周方向に延びる環状溝部又は環状凸部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有する回転ローラからなり、
上記上側引込みローラも、周方向に延びる環状溝部又は環状凸部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有し、
上記回転ローラと上側引込みローラとは、一方の環状凸部が他方の環状溝部に係合していることを特徴とする破砕装置。
【請求項6】
請求項1に記載の破砕装置において、
上記回込み防止手段は、周方向に延びる環状溝部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有する第1回転ローラと、周方向に延びる環状凸部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有し該環状凸部が上記第1回転ローラの環状溝部に係合する第2回転ローラとからなり、
上記上側引込みローラも、周方向に延びる環状溝部又は環状凸部を外周面に回転軸方向に間隔をあけて複数有し、
上記上側引込みローラ側の回転ローラと上側引込みローラとは、一方の環状凸部が他方の環状溝部に係合していることを特徴とする破砕装置。
【請求項7】
請求項1に記載の破砕装置において、
上記回込み防止手段は、回転軸方向に延びる突出部を外周面に周方向に間隔をあけて複数有する回転ローラからなることを特徴とする破砕装置。
【請求項8】
請求項1に記載の破砕装置において、
上記回込み防止手段は、回転軸方向に延びる噛合歯を外周面に周方向に間隔をあけて複数有し互いに噛合歯が噛合する一対の第1及び第2回転ローラからなることを特徴とする破砕装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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