説明

硫酸化多糖類のグループのための新しい治療用途

本発明は哺乳類における変形性関節症の治療又は予防のための医薬の製造のための、イヌリン硫酸、ゲラン硫酸、プルラン硫酸、カードラン硫酸、硫酸化アルギン酸、ラミナリン硫酸及びペクチン硫酸からなる群より選択される酸の形態の硫酸化多糖類又は生理学的に許容されるその塩の使用に関する。この硫酸化多糖類は、好ましくはイヌリン硫酸、より好ましくはイヌリンポリ硫酸ナトリウム塩である。本発明はまた哺乳類における変形性関節症の治療又は予防のための医薬の製造のための、イヌリン、ゲラン、プルラン、カードラン、アルギン酸、ラミナリン及びペクチンよりなる群から選択される多糖類から誘導した硫酸化オリゴ糖の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変形性関節症(arthrosis、関節症と称する場合もある)の治療又は予防のための医薬の製造のための硫酸化多糖類(sulphated polysaccharide)の使用に関する。同様に、本発明は変形性関節症の治療又は予防のための医薬の製造のための硫酸化オリゴ糖類(sulphated oligosaccharide)の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
骨関節炎(osteoarthritis)としても知られている、変形性関節症は、65歳以上の大部分の人々に影響を及ぼす変形性関節疾患(degenerative joint disease)であり、炎症及び疼痛の存在を伴った軟骨組織の段階的な変形を特徴とする。炎症は特に疾患が進行段階にある場合に生じ、そして関節リューマチ(rheumatoid arthritis、慢性関節リューマチと称する場合もある)で観察される炎症とは性質が異なっており、一般的には変形性関節症の僅かな要素(minority component)に過ぎない。変形性関節症はまた硝子軟骨および/または関節軟骨(hyaline articular cartilage)の変形としても定義される。その二次的な作用は、滑膜および肋軟骨下骨への影響(affectation)並びに関節表面の辺縁部(the margins)の新骨の形成である。変形性関節症の病因論は知られておらず、そしてその進展(evolution)はゆっくりである。
【0003】
軟骨は骨を、相互に滑らせて動かす。軟骨はまた物理的運動により生じる応力を吸収する。変形性関節症においては、軟骨表面が破壊され磨耗しており、骨を相互に対抗する(against)ように運動させ、これが摩擦(friction)、疼痛(pain)、浮腫(swelling)及び関節運動の消失(loss of joint movement)を誘発する。経時的に関節が変形する(deform)場合がある。
【0004】
変形性関節症の診断の一助として、主に2種の手法、即ち、関節での骨の変化を発見するための最も単純な方法であるX線、及びこれとは異なり全ての関節成分を同時に目視可能とする核磁気共鳴(NMR)が用いられている。
【0005】
正常な状態においては、軟骨の更新(renewal)は極めてゆっくりとした過程であり、これは細胞外マトリックス成分の一定の合成(同化作用)及び分解(異化作用)を含む。軟骨細胞は協調されなければならないこの代謝に関与する細胞である。
【0006】
病理的な状態においては、軟骨の更新が加速されるため、この過程は改変されるが、これが軟骨細胞の同化作用と異化作用のプログラムの間の不均衡により生じる軟骨性組織の早発性の修復(precocious repair)をもたらし、これが軟骨の分解(degradation)を誘発する。修復反応は軟骨細胞による軟骨細胞外マトリックス成分の合成における増大を伴ったこれらの細胞の過剰な増殖(hyperproliferation)の結果である(D.Hamermamら、N.Engl.J.Med.,320,1322−1330(1989))。したがって、このホメオスタシス反応(homeostatic reaction)を制御し、そして全身性のホルモン(systemic hormones)及び加齢と共に分泌が減少する成長因子に依存している軟骨の合成と分解との間の均衡が存在する。軟骨の分解は近接する組織の生産する酵素およびフリーラジカルにより調節(regulate)されるが、軟骨細胞自身によっても調節される。
【0007】
発明者らは変形性関節症のための以下に示す一般的な薬理学的治療(薬)に焦点をあてた。
【0008】
急速な作用を有する対症作用物質(symptomatic-action substances)、例えば鎮痛剤、非ステロイド抗炎症剤(NSAID)、コルチコイド及びシクロオキシゲナーゼ2阻害剤(cyclo-oxygenase 2 inhibitors、COX−2)。
【0009】
SYSADOA(Symptomatic Slow Acting Drug for Osteoarthritis:変形性関節症治療用遅効性薬剤)として知られている、より緩徐な態様で作用する、例えばヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸(塩)(chondroitin sulphate、硫酸コンドロイチンとも称する)及びグルコサミン硫酸(塩)(glucosamine sulphate、硫酸グルコサミンとも称する)を含む、対症作用物質(M.G.Lequesne, Rev.Rhum.(Eng./Ed.),61,69−73(1994))。このグループは作用が投与2〜3週の後に始まり、投与終了後2〜6ヶ月間持続することを特徴としている。
【0010】
本発明の硫酸化多糖類に関する他の用途については文献中に記述が存在している。
【0011】
R.V.Jonesはアルカリ金属を用いたイヌリン硫酸塩(inulin sulphate salts、硫酸イヌリン塩とも称する)の製造方法を開示している(US2,686,779)。該特許において、種々の硫酸化度(sulphation)を有するイヌリン硫酸アルカリ塩(inulin sulphate alkaline salts)がペースト濃化剤(paste thickener)、接着剤及び油田採掘で使用する土壌添加剤など化学産業に適用されることが強調されている。
【0012】
イヌリン硫酸(塩)は抗凝固性(anti-coagulant)を示し(Arkiv for kemi,mineralogi o.geologi.,Bd 24B(5),1−4(1946))、また、抗脂血活性(antilipemic activity)を示す(Arch.Int.Pharmacodyn,XCIX,334(1954))ことが記載されている。
【0013】
V.G.Nairらは、イヌリンポリ硫酸塩(inulin polysulphate salts、ポリ硫酸イヌリン塩とも称する)(完全硫酸化(completely sulphated))が彼らの発明によれば、関節リューマチ、全身性エリテマトーデス(systemic erythematous lupus)、特定の型の血管炎(vasculitis)等のような疾患の治療に使用できるような、補体抑制活性(complement-inhibiting activity)を有することを明らかにしている(US4,021,545)。
【0014】
G.Franzらはプルラン硫酸(塩)(pullulan sulphate、硫酸プルランとも称する)の抗凝固及び抗血栓(anti-thrombotic)活性について記載している(Bioactive Carbohydrate Polymers, 47−58, Kluwer Academic Publishers, Netherlands,2000)。
【0015】
C.C.Leeは実施例において記載していないものの、天然の潤滑液を補うためにカラギーナンを含有してよい注射可能な組成物について特許請求の範囲に記載している(EP499.164)。この引用文献においてカラギーナンポリ硫酸(塩)(carrageenan polysulphate、ポリ硫酸カラギーナンとも称する)の記載は無い。
【0016】
T.Kanamaruらはカードラン硫酸(塩)(curdlan sulphate、硫酸カードランとも称する)が血管新生抑制剤(angiostatic agent)であることを開示している(US5,135,920)。S.Albanらは同化合物が抗凝固剤及び抗血栓剤として作用することについて記載している(Thromb. Res. 78(3),201−10(1995))。
【0017】
T.Hataらは化粧品製剤中の保湿剤(moisturising agent)としての硫酸化アルギン酸(alginic acid sulphate、アルギン酸スルファートとも称する)の適用を示している(JP04257509)。L.Langeらは膵臓コレステロール(pancreatic cholesterol)の抑制のための硫酸化アルギン酸塩(alginate sulphate、硫酸アルギネートとも称する)の使用を記載している(ES2.064.736)。
【0018】
E.Bestermanは多糖類、ラミナリン硫酸(塩)(polysaccharide laminarin sulphate、硫酸ラミナリンとも称する)が抗脂血活性(antilipemic activity)を示すことを記載している(Brit.Med.J.,310(1957,I))。H.Q.Miaoらはラミナリン硫酸(塩)の抗転移(anti-metastatic)活性を明らかにしている(Int.J.Cancer,83(3),424−31(1999))。P.Bohlenらは請求項(クレイム)に、糖尿病又は関節炎(arthritis)に、中でも炎症過程(inflammatory processes)に関連するヘパラナーゼ活性を多糖類、ラミナリン硫酸(塩)が阻害することを記載している(WO03/006645)。
【0019】
L.Langeらは多糖類、ペクチン硫酸(塩)(polysaccharide pectin sulphate、硫酸ペクチンとも称する)が高い血中コレステロール濃度を治療するために有用であることを明らかにしている(ES2.064.736)。
【0020】
【特許文献1】米国特許第2,686,779号明細書
【特許文献2】米国特許第4,021,545号明細書
【特許文献3】米国特許第5,135,920号明細書
【特許文献4】特開平4−257509号公報
【特許文献5】国際公開第03/006645号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
これまで、変形性関節症の治療又は予防における何れかの硫酸化度のイヌリン硫酸(塩)、ゲラン硫酸(塩)(gellan sulphate、硫酸ゲランとも称する)、プルラン硫酸(塩)、カードラン硫酸(塩)、硫酸化アルギン酸、ラミナリン硫酸(塩)及びペクチン硫酸(塩)、又は、カラギーナンポリ硫酸(塩)の使用の記載は発見されていない。
【0022】
これまで、本発明者らは変形性関節症の治療又は予防における上記硫酸化多糖類に相当する硫酸化オリゴ糖の使用の如何なる記載も発見していない。
【0023】
上記全てより、本発明者らは変形性関節症の治療のための有用な薬剤を提供することはなお治療上の課題であると結論した。
【0024】
本発明により解決される課題は変形性関節症の治療又は予防において使用される、代替となる硫酸化多糖類を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の第1の特徴に相当する解決法は、哺乳類における変形性関節症の治療又は予防のための医薬の製造のための、イヌリン硫酸、ゲラン硫酸、プルラン硫酸、カードラン硫酸、硫酸化アルギン酸、ラミナリン硫酸及びペクチン硫酸からなる群より選択される、酸の形態の硫酸化多糖類又はその生理学的に許容される塩の使用を指す。
【0026】
好ましい実施の形態においては、硫酸化多糖類はイヌリン硫酸、ゲラン硫酸、プルラン硫酸及びカードラン硫酸からなる群より選択される。これらのうち、最も好ましいものはイヌリン硫酸およびゲラン硫酸である。
【0027】
より好ましい実施の形態においては、硫酸化多糖類は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属で完全又は部分的に塩化(salify)されている。好ましくは、アルカリ金属はナトリウムであり、そして好ましい多糖類はイヌリン硫酸ナトリウム塩(inulin sulphate sodium salt)である。多糖類、ゲラン硫酸ナトリウム塩も同様に好ましい。
【0028】
無水物基準で(on anhydrous base)25%〜62%の硫酸化度を示すイヌリン硫酸ナトリウム塩がより好ましい。
【0029】
硫酸化度が無水物基準で55%〜62%であるイヌリン硫酸ナトリウム塩が更に好ましい。
【0030】
別の同様に好ましい実施の形態において、硫酸化多糖類は部分的に加水分解されている。
【0031】
別の同様に好ましい実施の形態において、硫酸化多糖類はイヌリンポリ硫酸(inulin polysulphate、ポリ硫酸イヌリンとも称する、以下同様)、ゲランポリ硫酸、プルランポリ硫酸、カードランポリ硫酸、ポリ硫酸化アルギン酸、ラミナリンポリ硫酸及びペクチンポリ硫酸からなる群から選択される多硫酸化多糖類(polysulphated polysaccharide)である。これらのうち、最も好ましいものはイヌリンポリ硫酸であり、好ましくは、イヌリンポリ硫酸ナトリウム塩である。同様に好ましいものはゲランポリ硫酸、好ましくは、ゲランポリ硫酸ナトリウム塩である。
【0032】
本発明の別の特徴は、哺乳類における変形性関節症の治療又は予防のための医薬の製造のためのカラギーナンポリ硫酸の使用である。
【0033】
本発明の別の特徴は哺乳類における変形性関節症の治療又は予防のための医薬の製造に対する、イヌリン、ゲラン、プルラン、カードラン、アルギン酸、ラミナリン及びペクチンからなる群より選択される多糖類から誘導した、酸の形態の硫酸化オリゴ糖又はその生理学的に許容される塩の使用である。好ましくは、硫酸化オリゴ糖はイヌリンから誘導される。同様に好ましくは、硫酸化オリゴ糖はゲランから誘導される。
【0034】
好ましい実施の形態においては、硫酸化オリゴ糖は多硫酸化オリゴ糖である。
【0035】
本発明の別の特徴は、哺乳類における変形性関節症の治療又は予防のための医薬の製造に対する、自身の構造がイヌリン硫酸、ゲラン硫酸、プルラン硫酸、カードラン硫酸、硫酸化アルギン酸、ラミナリン硫酸及びペクチン硫酸からなる群より選択される硫酸化多糖類の構造の部分に相当する、化学合成により製造された、酸の形態の硫酸化オリゴ糖又はその生理学的に許容される塩の使用である。
【0036】
特に好ましい実施の形態においては、医薬は経口投与に適応する。
【0037】
同様に、特に好ましい実施の形態においては、薬剤は関節内投与に適応する。
【0038】
本発明の硫酸化多糖類はよく知られており、そして、多糖類構造中、すなわちイヌリン、ゲラン、プルラン、カードラン、アルギン酸、ラミナリン及びペクチン中に存在する遊離のヒドロキシル基の部分的又は完全なスルホン化(sulphonation)により製造してよい。カラギーナンポリ硫酸はカラギーナン中に存在する遊離のヒドロキシルの全スルホン化により製造する。
【0039】
ヒドロキシル基のスルホン化により、対応するスルファート基が生じる。
【0040】
カラギーナンはその構造内に既に数個のスルファート基を含有している。本発明においてはカラギーナンポリ硫酸を使用する。
【0041】
本明細書において硫酸化度(the degree of sulphation)に言及する場合は、これは(分子に関して)無水物基準のスルファート基の%を指す。
【0042】
本明細書において硫酸化多糖類に言及する場合は、これは何れかの硫酸化度を有する硫酸化多糖類に関する。文献においては、高い硫酸化度を有する硫酸化多糖類は通常は多硫酸化多糖類と称されており、そして当然ながら、多糖類が完全に硫酸化されている場合は、やはり多硫酸化多糖類と称される。結果として、本発明は多硫酸化多糖類(イヌリンポリ硫酸、カラギーナンポリ硫酸、ゲランポリ硫酸、プルランポリ硫酸、カードランポリ硫酸、ポリ硫酸化アルギン酸(アルギン酸ポリスルファートとも称する)、ラミナリンポリ硫酸及びペクチンポリ硫酸)を包含する。
【0043】
硫酸化多糖類は文献記載の操作法、例えば、クロロスルホン酸/ピリジンを用いることによる方法(T.Astrupら、Acta Physiol. Scand.,8,215−226(1944))、また他には、クロロスルホン酸/ジメチルホルムミドを用いることによる方法(P.Vongchan,Carbohydrate Research,337,1239−1242(2002))、また他には、ピペリジン−N−スルホン酸を用いる方法(N.Kinzoら、Carbohyd.Res.,21,420−426(1972))、また他には、3酸化イオウ−ピリジン複合体(the sulphur trioxide-pyridine complex)を用いる方法(C.Mahnerら、Carbohyd.Res.,331,203−208(2001))により、上述した市販の多糖類中の遊離ヒドロキシルの部分的又は完全なスルホン化により製造してよい。
【0044】
種々の硫酸化度を得るために(試薬濃度、反応温度、反応時間等を変更し)、上述の操作法を改変してもよい。更にまた所望により、異なる多糖類ヒドロキシルを多糖類ヒドロキシルの保護/脱保護により選択的にスルホン化してよい。
【0045】
原料多糖類の平均分子量が高すぎる場合は、所望によりスルホン化の前後に部分的に加水分解することができる。
【0046】
本発明において使用される硫酸化オリゴ糖は市販の多糖類の酵素的又は化学的な加水分解(文献既知の操作法)とその後のスルホン化によるか、又は、硫酸化多糖類の酵素的又は化学的加水分解により直接製造してよい。それらはまた化学合成により製造してよい。
【0047】
本明細書において生理学的に許容される塩について言及する場合は、これは例えばナトリウム又はカリウムのようなアルカリ金属の塩、例えばカルシウム又はマグネシウムのようなアルカリ土類金属の塩、又は、例えばトリメチルアミンを有する塩、トリエチルアミンを有する塩、又は、例えばリジン、アルギニン、プロリン、グリシンまたはセリンのようなアミノ酸を有する塩、のような有機塩、を指す。
【0048】
硫酸化多糖類の塩化は、単純なよく知られた化学的操作法により行ってよい。
【0049】
変形性関節症の治療又は予防に使用するためには、本発明の硫酸化多糖類は、酸形態又はその生理学的に許容される塩のいずれの場合も、Remington’s Pharmaceutical Sciences Handboock, Mack Pub.Co.,N.Y.,USAに記載されているもののような従来の手法及び賦形剤又は担体を用いて、適切な医薬組成物中に製剤される。
【0050】
本発明の医薬組成物は所望の用量において患者に投与してよい。組成物の投与は種々の手段、例えば経口、静脈内、腹腔内、関節内、皮下、筋肉内、局所、舌下、皮内又は鼻腔内に対して行ってよい。本発明の医薬組成物は酸の形態において、又は生理学的に許容されるその塩として、硫酸化多糖類の治療的有効量を含み、その量は多くの要因、例えば患者の身体的状態、年齢、性別、特定の化合物(specific compound)、投与手段及び当該分野でよく知られた他の要因により異なる。更にまた、活性化合物の用量(dosage)は所望の治療効果を得るために単回又は複数回の用量(single- or multiple-dose units)において投与してよい。所望により、他の治療薬を本発明により提供されるものと組み合わせて使用してよい。
【0051】
一般的に、本発明の医薬品調製物は固体又は液体の形態、又は、ゲルの形態となる。本発明に従って製造してよい固体形態の医薬品調製物は粉末、微細顆粒(ペレット)、丸薬、分散性顆粒(dispersible granules)、カプセル、坐剤及び他の固体の生薬形態を包含する。液体形態の調製物は溶液、懸濁液、乳液及びマイクロスフィアを包含する。使用直前に経口、非経口(parenteral)又は関節内投与用の液体調製物に変換してよい固体形態の調製物もまた意図される。このような液体形態には溶液、懸濁液及び乳液が包含される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下の実施例は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0053】
[化学実施例]
例1:イヌリンポリ硫酸ナトリウム塩の製造
1−A:クロロスルホン酸/ピリジンを用いたイヌリンポリ硫酸ナトリウム塩の製造
6℃未満の温度で一定の攪拌下に、クロロスルホン酸88mL(1.32モル;1.8水酸化当量(eq/OH))を乾燥ピリジン580mL(7.20モル)に滴下した。得られた混合物を75℃まで加熱し、その後イヌリン(Fibruline Standar,Trades S.A.より販売)40g(0.25モル)を添加した。攪拌及び100℃加熱を5時間継続した。その後、反応混合物を約50℃まで放冷し、そして脱イオン水50mLを添加することにより過剰なクロロスルホン酸を破壊(destroy)した。この工程の間、周囲温度は僅かに上昇し、2層が生じた。
【0054】
粗製の反応生成物を周囲温度に到達するまで放置した。上方の(ピリジン)層を吸引により分離し、一方、下方の油層はメタノール中の酢酸ナトリウム10%溶液に注ぎこんだ。形成した沈殿を沈降させた。上澄みを傾瀉(decanting)により分離し、廃棄した。
【0055】
この酢酸ナトリウム・メタノール溶液を用いた処理を2回反復し、最終工程において、k−100深型フィルター(Pall Corporation.Seitz−k−100)を用いて真空濾過することにより固体を分離した。
【0056】
濾過物(茶色固体)を蒸留水に溶解させて、得られた溶液をk−100深型フィルターで真空濾過することにより反応により生じた不溶性物質の残渣を除去した。
【0057】
前の工程より生じた濾液は暗褐色の溶液であり、これを第四(級)アンモニウム(コータミン)で処理した。その結果、極めて大量の(abundant)固体が形成され、これをハイフロー・アース・プレ−レイヤー(Hyflo earth pre-layer)(100g)を用いて真空濾過することにより単離した。フィルターは蒸留水で十分洗浄した。
【0058】
イヌリンポリ硫酸−コータミン複合体(-Quartamin complex)を濾材(filtering earths)から慎重に分離し、80℃において2時間、20%NaCl水溶液で処理した。
【0059】
2時間の反応が終了した時点で、加熱を停止し、周囲温度が60℃に達した時点でイソプロパノールを添加した。攪拌を30分間継続し、そしてその後、混合物を傾瀉用漏斗(decanting funnel)に注ぎ込み、水相を有機相と分離した。
【0060】
有機相(イソプロパノール+第四(級)アンモニウム)を廃棄した。水相を真空濾過してハイフロー・アースの残渣を除去した。
【0061】
メタノール/アセトン混合物を水相に注ぎ込んだ。形成した茶色の沈殿を沈降させた。上澄みを傾瀉により分離し、廃棄した。沈降物をメタノールで洗浄し、その後脱イオン水に溶解した。
【0062】
得られた溶液のpHを10%NaOHで10.5〜11に調整した。溶液を50℃まで加熱し、15分間Hで処理した。最後に加熱を停止し、この中間物(medium)のpHを2%酢酸溶液で5.5に調整した。
【0063】
変色した溶液が周囲温度に達した時点で10%メタノール/酢酸ナトリウム溶液を注ぎ込んだ。白色又は僅かに黄色の沈殿が即座に形成し、沈降した。
【0064】
上澄みを傾瀉により分離し、沈降物をメタノールで十分脱水した。
【0065】
イヌリン硫酸をNo.3多孔性プレートを用いて真空濾過することにより分離し、メタノール濃度が0.3%以下になるまで30℃の真空ヒーター中で乾燥した。
【0066】
生成物は微細な不定形の粉末の形態で生成され、白色又は僅かに黄色であった。
【0067】
生成したイヌリンポリ硫酸ナトリウム塩における硫酸化度(有機スルファート)の測定
生成物150mgを正確に計量し、水に溶解し、得られた溶液を同じ溶媒で250mLにした。この溶液5mLをピペットで50mLビーカーに移し、水25mLを添加した。0.1%(0.00279M)N−セチルピリジニウムクロリド(CPC)溶液を用いて、420nmで光学的に(photometrically)評価した。
【0068】
スルファート含有量は以下の式を用いて計算した。
【0069】
【数1】

【0070】
ここで、
V:消費された0.1%CPC溶液の容量 (mL)
W:試料の重量 (mg)
PPS:生成物の乾燥による重量損失(105℃、4時間) (%)
得られた硫酸化度:無水物基準で表示して58.0%、これは完全に硫酸化されたイヌリン分子に相当(全ヒドロキシルのスルホン化)
遊離の残留ピリジン及び塩形態のピリジン:127ppm(許容限度は200ppm)
遊離の硫酸塩:0.08%
IR (KBr) cm-1:2900(C-O-H), 1247(S=O), 800(C-S-O)
【0071】
1−B:クロロスルホン酸/ジメチルホルムアミド(DMF)を用いたイヌリンポリ硫酸ナトリウム塩の製造
温度計及び2つの添加漏斗を有する三つ口(three-neck)反応器(2L)中、乾燥DMF1,000mLを窒素気流下に添加した。溶媒を6℃未満の温度に冷却し、一定攪拌下にクロロスルホン酸112mL(1.68モル;1.8水酸化当量)を滴下した。
【0072】
反応器の温度を15℃まで到達させ、その後乾燥DMF400mL中イヌリン52.6gの溶液を添加した。反応は3時間未満周囲温度に維持した。
【0073】
その後、反応混合物を冷水に注ぎ込んだ。得られた溶液のpHを30%NaOHで7〜8まで上昇させ、その後溶液をメタノール中酢酸ナトリウムの10%溶液に注ぎ込んだ。沈殿した固体を沈降させ、上澄みから分離した。
【0074】
ブフナー漏斗を用いながら真空濾過することにより固体を分離した。これをプロセス水(process water)1,500mLに溶解し、溶液を第四(級)アンモニウム(コータミン)350mLで処理した。形成した白色固体を、ハイフロー・アース・プレ−レイヤー(100g)を用いて真空濾過することにより単離した。
【0075】
フィルター上に保持された固体をハイフロー・アース・プレ−レイヤーと共に冷媒とメカニカルスターラーを装着した反応器に移し、これに20%NaCl溶液3,000mLを添加した。混合物を6時間80℃で攪拌し、次に濾紙を用いて真空加熱濾過した。濾液(A)を確保し、ブフナー漏斗に保持されている固体を再度反応器に移し、全く同じ条件下に複合体分解工程を反復した。この反復で得られた濾液(B)を(A)と混合し、残存固体を廃棄した。
【0076】
メタノール/アセトン混合物3.3容量(部)を濾液(A)および(B)を合わせたものから製造した溶液に注ぎ込んだ。沈殿した固体を沈降させ、上澄みを吸引することにより単離した。沈降物をメタノールで洗浄し、ブフナー漏斗を介して真空脱液し、プロセス水に溶解した。この溶液中のNaCl含有量を測定し、10%(w/V)に調整した。
【0077】
メタノール/アセトンを用いた沈殿工程を反復し、容器底部に沈着した固体を脱イオン水に溶解した。
【0078】
この溶液の塩化ナトリウム濃度を2%(w/V)に調整し、その後メタノール2容量(部)を添加した。混合物を静置した。生成物は容器底部に堆積した。上澄みを吸引することにより分離し、生成物をプロセス水に溶解することにより約5%(w/V)の濃度を有する溶液を得た。この溶液を再生セルロースメンブレン(フィルター)MWCO(分画分子量)=5,000−1,000Daを通して透析濾過(ダイアフィルトレーション)した。この工程の間に発生した透過物(permeate)は周期的にAgNOで検査した。透析濾過は塩化物分析(chloride assay)が陰性結果を示した時点で終了とみなした。
【0079】
透析濾過溶液を凍結乾燥した。生成した凍結乾燥物を粉砕して分篩した。イヌリンポリ硫酸ナトリウム塩を白色〜僅かに黄色の不定形の粉末形態として生成した。
【0080】
[薬理学的実施例]
軟骨の抵抗性及び修復の能力は細胞外マトリックスの、特にアグリカンのプロテオグリカンにより決定される。関節の軟骨細胞によるこれらのアグリカンの合成及びその質は、変形性関節症の発症(development)に関与する主な要因の1つである年齢と共に低下する。
【0081】
例1:ヒト軟骨細胞の一次培養物中の細胞外アグリカンの合成に対するイヌリンポリ硫酸のインビトロの作用の評価
この手順を本発明の硫酸化多糖類の評価に適用してよい。
【0082】
1A:35Sの取り込みにより測定したアグリカンのレベル
<材料及び方法>
ヒト関節軟骨細胞をW.T.Green Jr.(Clin.Orthop.,75,248−260(1971))及びK.E.Kuettnerら(J.Cell.Biol.,93,743−750(1982))により記述された方法に従って単離した。
【0083】
これらの軟骨細胞をP.D.Benyaらにより記述され(Cell,30,215−224,(1982))、G.Verbruggenら(Clin.Exp.Rheumatol.,8,371−378(1990))およびM.Cornelissenら(J.Tiss.Cult.Meth.,15,139−146(1993))により修正された方法に従ってアガロースゲル中で培養した。
【0084】
アグリカンの合成は放射性前駆体として標識付けされた硫酸ナトリウムNa35SOを用いた35Sの取り込みにより測定した。2週間の培養の後、放射標識前駆体(radio-labelled precursor)10μCi/mLを種々の濃度(0.0、0.1、0.5、1.0、5.0μg/mL)において試験すべき化合物(化学実施例1におけるイヌリンポリ硫酸)と同様に48時間培地に導入した。
【0085】
合成された35Sアグリカンは、再度、細胞内アガロースマトリックス中に部分的に蓄積するか、又はインキュベーション培地中に放出される。
【0086】
インキュベーション時間終了後、アガロースゲルを機械的に分解し、その後、プロテイナーゼ阻害剤の存在下、0.067Mリン酸塩緩衝液(pH6.0)中、50U/mLアガロース溶液3mLを用いて消化した。
【0087】
このようにして形成された懸濁液を遠心分離し;領域内マトリックスの35Sアグリカンを含有する上澄み及び細胞外マトリックスに放出された35Sアグリカン代謝産物を含有するインキュベーション培地を、後にクロマトグラフィーを用いて一体にした(united)。
【0088】
軟骨細胞及び会合した35Sアグリカンを含有する残留物を、プロテイナーゼ阻害剤を含有する0.05M酢酸塩緩衝液(pH5.8)中、4.0Mの塩化グアニジウム溶液1mLで48時間処理した。
【0089】
この作業の目的は細胞と会合している35Sアグリカンを抽出することである。得られた溶液を遠心分離することにより上澄みから細胞を分離し、これをその後クロマトグラフィーにより分離した。得られた種々の画分に対するクロマトグラフィー作業は、遊離のNa35SOから35Sアグリカンを分離するために0.01MのNaSOを含有するリン酸塩緩衝液(pH6.8)中のセファデックスG25ゲル上で実施した。
【0090】
得られた巨大分子の溶出液の各々の放射能を測定し、これを初期培養物中に含有されていた軟骨細胞の数と関連付け、1時間当たり軟骨細胞100万個当たりのアグリカンに取り込まれた35SOのpg(ピコグラム)として表示した。
【0091】
[結果]
表1、2及び3に結果を示す。
【0092】
表は再合成されたアグリコンの総生成量における化学実施例1におけるイヌリンポリ硫酸の顕著な有効性を示している(表3)。化学実施例1におけるイヌリンポリ硫酸はまた領域内マトリックス中のアグリカン並びに細胞に会合しているアグリカンの生成を増大させることも可能である(表2)。
【0093】
至適活性は約0.5μg/mLの濃度で観察されている。
【0094】
【表1】

【0095】
【表2】

【0096】
【表3】

【0097】
1B:免疫細胞化学により測定したアグリカンのレベル
<材料及び方法>
ヒト関節軟骨細胞を単離し、前述した方法に従って培養した。
【0098】
軟骨細胞に会合したアグリカンの蓄積はL.Wangら(Osteoarthritis Cart.,9,248−260(2001))により記載された免疫細胞化学法を用いて1週間培養後に測定した。軟骨細胞にインターロイキン−1(IL−1)を投与することにより炎症及び異化の状況をシミュレーションした。化学実施例1のイヌリンポリ硫酸をIL−1と共に添加した。
【0099】
インキュベーション時間終了後、軟骨細胞を記載した方法に従ってアガロースゲルから遊離させた。軟骨細胞及び会合しているアグリカンをアグリカンの蛋白部分に対して特異的に指向させたモノクローナル抗体を用いてフラックスサイトメトリーにより試験した。
【0100】
[結果]
表4に結果を示す。
【0101】
本表は細胞に会合しているアグリカンの生産に対する化学実施例1のイヌリンポリ硫酸の有効性を確認するものである。
【0102】
更にまた、化合物が高用量であるほど細胞に会合したアグリカンの生産の増大が高値であるため、用量作用関係(dose-effect relationship)が存在することがわかる。
【0103】
【表4】

【0104】
例2:IL−1αにより誘導されたアグリカン分解を抑制するイヌリンポリ硫酸の能力の[測定]
この手順を本発明の何れかの硫酸化多糖類の評価に適用してよい。
【0105】
<材料及び方法>
試験はLTCと称されるラット軟骨肉腫細胞系統由来の軟骨細胞培養物に対して実施した。
【0106】
LTC細胞は重炭酸ナトリウム(3.7g/L)、グルタミン(2mM)、アスコルビン酸(50mg/L)、ゲンタマイシン(50mg/L)及びウシ胎児血清ヒアロン(10%)を添加したpH7.4のGibcoDMEM培地(Dulbecco´s Modification of Eagle´s Medium、Dulbeccoの変性イーグル培地)(グルコース4.5g/L含有)中で単層培養において維持した。
【0107】
コンフルエントとなったLTC(the confluent LTC)細胞培養物をトリプシン処理し、培養物0.5mL当たり40,000個の細胞を48穴(well)プレートに播種した。これを5日間維持し、その間、各ウェルにグリコサミノグリカン(GAG)15〜30μgを付着させた。
【0108】
培地を分離し、細胞の膜を異化培地{重炭酸ナトリウム(3.7g/L)、グルタミン(2mM)および10ng/mLのIL−1α(インターロイキン−1α)を添加したDMEM+4.5g/Lグルコース、pH7.4}5×1mLを添加することにより洗浄した。その後、培養をこの培地200μL中に維持し、4日間、化学実施例1のイヌリンポリ硫酸ナトリウム塩を添加又は無添加として、37℃で培地を交換することなく行った。
【0109】
イヌリンポリ硫酸ナトリウム塩のアグリカン分解に対する作用を確認するために、ウエスタンブロット(Western Blot)を行った。
【0110】
ウエスタンブロットのためにpH7.3の50mMトリス酢酸塩20μLを各ウェルに添加した。培養物(培地+細胞の膜)を4時間37℃でコンドロイチナーゼABC50mUを用いて脱グリコシル化した。その後各ウェルの試料を回収し、10分間1,460gで遠心分離した。上澄み25μL画分を電気泳動で分離し(ゲル勾配8〜12%SDS PAGE)、抗アグリカン抗体G1を用いてウエスタンブロットにより分析した。G1はやはり抗NITGEネオエピトープ特異性(neo-epiyope-specific)抗体を用いた免疫反応性により確認されたアグリカナーゼ活性の生成物である。抗血清を1:5,000希釈で使用し、パーオキシダーゼコンジュゲートヤギ抗−(ウサギIgG)はAmershamECLキットを用いて検出した。
【0111】
[結果]
これは図1に示す通りであり、ここではウエスタンブロットを示すが、これはラット軟骨肉腫軟骨細胞培養に対して適用した種々の投与の結果を示している。この図において、IL−1αを軟骨細胞に投与したところアグリカン分解の増大が生じ、抗体NITGE G1で標識付けされたアグリカンフラグメントのバンドがより濃くなっている。一方、培養物にIL−1αの存在下又は非存在下に化学実施例1のイヌリンポリ硫酸を投与したところ、アグリカンの分解は抑制され、上記したバンドはほぼ消失するまで狭小化した。結果として、イヌリンポリ硫酸は軟骨細胞培養物のアグリカン分解を低減することができ、この理由のため、変形性関節症を有する患者の症例における細胞外マトリックスの分解も停止できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】ウエスタンブロットを示す図である。上側の矢印は未損傷のアグリカンの領域を示し、下側の矢印は抗体NITGE G1で標識したアグリカンフラグメントの領域を示す。ウェルの第1番目には対照試料(無投与);第2番目にはインターロイキン−1(IL−1α)を投与した試料;第3番目には化学実施例1のイヌリンポリ硫酸100μg/mlを投与した試料;そして第4番目にはIL−1αおよび化学実施例1のイヌリンポリ硫酸100μg/mlを投与した試料を播種した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類における変形性関節症の治療又は予防のための医薬の製造のための、イヌリン硫酸、ゲラン硫酸、プルラン硫酸、カードラン硫酸、硫酸化アルギン酸、ラミナリン硫酸及びペクチン硫酸からなる群より選択される、酸の形態の硫酸化多糖類又はその生理学的に許容される塩の使用。
【請求項2】
酸の形態の硫酸化多糖類又はその生理学的に許容される塩が、イヌリン硫酸、ゲラン硫酸、プルラン硫酸及びカードラン硫酸からなる群より選択される、請求項1記載の使用。
【請求項3】
前記硫酸化多糖類がイヌリン硫酸である、請求項2記載の使用。
【請求項4】
前記硫酸化多糖類がゲラン硫酸である、請求項2記載の使用。
【請求項5】
前記硫酸化多糖類がアルカリ金属又はアルカリ土類金属で完全又は部分的に塩化されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
前記アルカリ金属がナトリウムである、請求項5記載の使用。
【請求項7】
ナトリウム塩の形態の硫酸化多糖類がイヌリン硫酸ナトリウム塩である、請求項6記載の使用。
【請求項8】
ナトリウム塩の形態の硫酸化多糖類がゲラン硫酸ナトリウム塩である、請求項6記載の使用。
【請求項9】
前記イヌリン硫酸ナトリウム塩が無水物基準で25%から62%の硫酸化度を示す、請求項7記載の使用。
【請求項10】
前記硫酸化度が無水物基準で55%から62%である、請求項9記載の使用。
【請求項11】
前記硫酸化多糖類が部分的に加水分解されている、請求項1記載の使用。
【請求項12】
前記硫酸化多糖類が多硫酸化多糖類である、請求項1または11に記載の使用。
【請求項13】
前記多硫酸化多糖類がイヌリンポリ硫酸、ゲランポリ硫酸、プルランポリ硫酸、カードランポリ硫酸、ポリ硫酸化アルギン酸、ラミナリンポリ硫酸及びペクチンポリ硫酸からなる群より選択される、請求項12記載の使用。
【請求項14】
前記多硫酸化多糖類がイヌリンポリ硫酸である、請求項13記載の使用。
【請求項15】
前記イヌリンポリ硫酸がイヌリンポリ硫酸ナトリウム塩である、請求項14記載の使用。
【請求項16】
前記多硫酸化多糖類がゲランポリ硫酸である、請求項13記載の使用。
【請求項17】
前記ゲランポリ硫酸がゲランポリ硫酸ナトリウム塩である、請求項16記載の使用。
【請求項18】
哺乳類における変形性関節症の治療又は予防のための医薬の製造のためのカラギーナンポリ硫酸の使用。
【請求項19】
哺乳類における変形性関節症の治療又は予防のための医薬の製造のための、イヌリン、ゲラン、プルラン、カードラン、アルギン酸、ラミナリン及びペクチンからなる群より選択される多糖類から誘導した、酸の形態の硫酸化オリゴ糖又はその生理学的に許容される塩の使用。
【請求項20】
前記硫酸化オリゴ糖がイヌリンから誘導される、請求項19記載の使用。
【請求項21】
前記硫酸化オリゴ糖がゲランから誘導される、請求項19記載の使用。
【請求項22】
前記硫酸化オリゴ糖が多硫酸化オリゴ糖である、請求項19から21のいずれか1項に記載の使用。
【請求項23】
哺乳類における変形性関節症の治療又は予防のための医薬の製造のための、自身の構造がイヌリン硫酸、ゲラン硫酸、プルラン硫酸、カードラン硫酸、硫酸化アルギン酸、ラミナリン硫酸及びペクチン硫酸からなる群より選択される硫酸化多糖類の構造の部分に相当する、化学合成により製造された、酸の形態の硫酸化オリゴ糖又はその生理学的に許容される塩の使用。
【請求項24】
前記医薬が経口投与のために適合される、請求項1から23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項25】
前記医薬が関節内投与のために適合される、請求項1から23のいずれか1項に記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2007−523925(P2007−523925A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500092(P2007−500092)
【出願日】平成17年2月11日(2005.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001390
【国際公開番号】WO2005/084610
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(506041707)バイオイベリカ ソシエダッド アノニマ (6)
【Fターム(参考)】