説明

硬貨処理装置

【課題】収容硬貨の回収を容易にし、また清掃を容易に可能とすることで硬貨詰りを防止することができる硬貨収納カセットを備えた硬貨処理装置を提供する。
【解決手段】投入された硬貨を識別し金種別に積み重ねて収納する硬貨収納カセット7を着脱自在に備えた硬貨処理装置1において、硬貨収納カセット7は、金種別に硬貨を積重して収容するとともに硬貨を残す最下層部を有する複数のチューブ15〜19と、複数のチューブ15〜19の最下層部を残しそれを半割状に開放可能に覆う蓋体部12と、複数のチューブ15〜19の最下層部において蓋体部12と隣接してその下方に半割状に構成され、上下方向にスライド移動可能に構成された下部移動体部13と、備え、蓋体部12は支軸32aを介して回動することにより複数のチューブ15〜19を開閉し、下部移動体部13は上下方向に移動することで複数のチューブ15〜19の最下層部を開閉する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入された硬貨を識別し金種別に積重して収容する硬貨収納カセットを備えた硬貨処理装置に関し、特に硬貨収納カセット内の硬貨の回収や、硬貨の補給が可能に構成される硬貨処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこのような硬貨処理装置として、先に公開された特開2010−146314号公報(特許文献1)に記載されるような硬貨収容カセット(硬貨収納カセット)を備えた硬貨処理装置が知られている。この特許文献1に記載される硬貨収容カセットは、金種別に硬貨を積層して収容する複数のチューブと、その複数のチューブを半割状に開放可能な回動蓋を備えた硬貨収容カセットであって、その回動蓋は複数のチューブを上下に分割して開閉可能なように上下にそれぞれ回動可能に分けて二つ構成され、さらに、硬貨収容カセット内の硬貨を回収する際に、各々のチューブに積層された硬貨を釣銭用として所定枚数残すために、その下側の回動蓋の高さをその所定枚数の硬貨の積層高さに合わせて形成したものである。そして、これによれば、硬貨回収カセットに収納された硬貨を所定枚数残して回収するときは、上側の蓋を回動してチューブの上側部分を開放し、その上側に露出した硬貨のみを回収し、下側の蓋で覆われている硬貨を残すことで、所望の枚数の硬貨を残すことが簡単にできるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−146314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような従来の硬貨収容カセットにおいては、その各々のチューブの最下層部が開放不可能な筒状に形成され、さらに、その最下層部に下側の蓋の回動支軸が設けられている。このため、下側の蓋を回動して各チューブを開放してもその最下層部に収容された硬貨を露出することはできない。したがって、硬貨収容カセットの各々のチューブに積層された硬貨を全て回収する場合は、その全体を揺すったり、傾けたりして各チューブの最下層部に収容される硬貨をその上方の開放領域に移動させて取り出す必要があった。そのため、全ての硬貨を回収する場合は手間が掛かるとともに、それらの操作により硬貨が硬貨収容カセットから飛び出して散逸する虞があった。また、硬貨が積層、載置される各チューブの底面が最下層部の奥まった位置にあって清掃し難いため、その汚れにより硬貨詰りが発生する虞があるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に対応するため、硬貨収納カセット(硬貨収容カセット)の各チューブを開放する蓋を備えるとともに、各チューブの最下層部を開放可能にすることにより、全ての収容硬貨の回収を容易にし、また、各チューブの底面を容易に清掃可能にして硬貨詰りを防止することができる硬貨収納カセットを備えた硬貨処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、投入された硬貨を識別し金種別に積み重ねて収納する硬貨収納カセットを着脱自在に備えた硬貨処理装置において、前記硬貨収納カセットは、金種別に硬貨を積重して収容するとともに所定枚数の硬貨を残すための最下層部を有する複数のチューブと、前記複数のチューブの最下層部を残して当該チューブを半割状に開放可能に覆う蓋体部と、前記複数のチューブの最下層部において前記蓋体部と隣接してその下方に半割状に構成され、上下方向にスライド移動可能に構成された下部移動体部と、備え、前記蓋体部は支軸を介して回動することにより前記複数のチューブを開閉し、前記下部移動体部は上下方向に移動することにより前記複数のチューブの最下層部を開閉するものである。
これによれば、前記硬貨収納カセットを前記硬貨処理装置の本体から取外した後、前記蓋体部を前記支軸を介して回動することにより前記複数のチューブを開放し、その内部に収容される硬貨を露出させて回収し、さらに前記下部移動体部を上方にスライド移動することにより前記複数のチューブの最下層部を開放し、そこに収容される硬貨を回収することができる。また、前記下部移動体部を上方にスライド移動することにより前記複数のチューブの最下層部を開放し、その底面を露出させることができる。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の硬貨処理装置において、前記蓋体部は前記複数のチューブの本体側に設けられた係合部材と係合して前記複数のチューブを閉塞状態に保持する係合保持部を備え、前記支軸が前記下部移動体部に回動自在に支持され、前記複数のチューブを閉塞した状態で前記下部移動体と連動して上下方向に移動可能に設けられ、前記蓋体部と連動する前記下部移動体部が前記複数のチューブの最下層部に位置するとき、前記係合保持部と前記係合部材との係合を解除し、前記支軸を介して回動することにより前記複数のチューブを開放可能に構成するものである。
【0008】
これによれば、前記下部移動体部が前記複数のチューブの最下層部に位置するとき、前記蓋体部を回動して前記複数のチューブを開放することができる。また、前記下部移動体部を前記複数のチューブの最下層部から上方に移動するとき、前記蓋体部を前記複数のチューブを閉塞する状態に保持することができる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、硬貨収納カセットを硬貨処理装置の本体から取外した後、その蓋体部を支軸を介して回動することにより複数のチューブを開放し、その内部に収容される硬貨を露出させて回収し、さらに下部移動体部を上方にスライド移動することにより複数のチューブの最下層部を開放し、そこに収容される硬貨を露出して回収することができるから、硬貨収容カセット内に収容される全ての硬貨の回収を容易にすることができる硬貨処理装置を提供することができる。また、下部移動体部を上方にスライド移動することにより複数のチューブの最下層部を開放し、その底面を露出させることができるから、各チューブの底面を容易に清掃可能にして硬貨詰りを防止することができる硬貨処理装置を提供することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、移動体部が複数のチューブの最下層部に位置するとき、蓋体部を回動して複数のチューブを開放することができるから、下部移動体部の位置する複数のチューブの最下層部に対応する位置に所定枚数の釣銭硬貨を残してチューブの開放部分に露出する硬貨を容易に回収することができる硬貨処理装置を提供することができる。また、下部移動体部を複数のチューブの最下層部から上方に移動するとき、蓋体部を前記複数のチューブを閉塞する状態に保持して移動することができるから、複数のチューブの最下層部に位置する硬貨を回収するときや、各チューブの底面を清掃する場合に、蓋体部や下部移動体部が本体から外れて紛失するようなことがなく、使い勝手の良い硬貨収容カセットを備えた硬貨処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態の硬貨収納カセットを備えた硬貨処理装置を示す図であって、(a)は外観を示す外観斜視図、(b)は硬貨収納カセットを取り外した状態を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の硬貨処理装置に備えられる硬貨収納カセットを背面側から、見た斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態の硬貨処理装置に備えられる硬貨収納カセットから硬貨を回収する場合の操作を説明する示す図であって、(a)は背面カバーを開放した状態を示す斜視図、(b)は下部移動体部と背面カバーを連動して上方に移動した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態の硬貨収容カセットを備えた硬貨処理装置を示す図であって、(a)は外観を示す外観斜視図、(b)は硬貨収納カセットを取り外した状態を示す分解斜視図である。図2は、本発明の実施の形態の硬貨処理装置に備えられる硬貨収納カセットを背面側(硬貨処理装置に取り付けた状態における内側)から、見た斜視図である。図3は、本発明の硬貨処理装置に備えられる硬貨収納カセットの取り扱い説明する示す図であって、(a)は背面カバーを開放した状態を示す斜視図、(b)は下部移動体部と背面カバーを連動して上方に移動した状態を示す斜視図である。
【0012】
図1(a)に示すように、この硬貨処理装置1は、硬貨を受け入れる投入口3と、その下方で硬貨を識別する識別部4と、識別された硬貨を一時的に保留する保留部5と、硬貨を収納する着脱可能な硬貨収納カセット7を備えている。このように構成される硬貨識別装置1において、投入口3から投入された硬貨は、識別部4で本物であるかどうかが識別された後、保留部5に一時保留される。ここで、本物でないとして識別された硬貨は、保留部5から図示しない制御部からの振分指令により返却口9を介して外部に返却される。また、識別部4で本物として識別された硬貨は、図示しない制御部からの振分入金指令により、保留部5から硬貨収納カセット7に金種別に振り分けられて収容される。なお、このとき硬貨の返却指令があった場合は、保留部5に一時保留された硬貨が返却口9から外部に返却される。なお、保留部5に一時保留する硬貨を高額硬貨(例えば100円、500円)に限定し、他の硬貨(例えば、10円、50円)については、識別部4で識別後一時保留せずに、直接に返却口9を介して返却し、あるいは硬貨収納カセット7に金種別に収容しても良い。
【0013】
図1(b)に示すように、本発明の実施の形態の硬貨処理装置1は、硬貨収納カセット7を着脱自在に備えている。そして、図2に示すようにこの硬貨収納カセット7は、カセット本体部(本体)11と、カセット本体部11の背面側を開閉自在に覆う背面カバー部(蓋体部)12と、背面カバー部12の下側にカセット本体部11と対向して上下方向に移動自在に設けられる下部移動体部13とを備えている。ここで、図3に示すようにカセット本体部11には、上下方向に延びる複数の半円形の溝15a、16a,17a,18a,19aが並列に設けられている。一方、これを覆うように構成される背面カバー部12および下部移動体部13にも、カセット本体部11の溝15a、16a,17a,18a,19aと対向するように半円形の溝15b,16b,17b,18b,19bが形成されている。そして、これらの対向する溝が合わさって、硬貨収容カセット7内に、硬貨を金種別に積重して収納する複数の円筒状のコインチューブ(チューブ)15〜19が形成されている。
【0014】
カセット本体部11には背面カバー部12に設けられる後述の係合穴部(係合保持部)26と係合して、背面カバー部12をカセット本体部11の背面を覆う状態に保持する一対の係合爪部(係合部材)27が背面側に突出して設けられている。なお、係合爪部27は係合穴部26を貫通する基端部27aと、この基端部27aの先端に互いに反対方向(左右側面方向)を向いた爪部27bを備えてなる。また、カセット本体部11の底部には、各コインチューブ15〜19に重積される硬貨が載置されるコイン受部28が各コインチューブ15〜19毎に形成され、さらにその両側面には、下部移動体部13が最下部に位置するとき、それをカセット本体部11の背面を覆う状態に保持するアーム部31が形成されている。また、カセット本体部11の底部のコイン受部28の上面側には、その各コイン受部28に重積される最下位の硬貨を複数まとめて外部に払い出す薄板状の払出板38が、前後にスライド移動可能に取り付けられている。
【0015】
背面カバー部12には、カセット本体部11の係合爪部27と係合する一対の係合穴部26が設けられている。この係合穴部26は、係合爪部27が係合された状態で、背面カバー部12がカセット本体部11を覆って上下にスライド可能なように、縦長に形成されている。なお、一対の係合穴部26の互いに内側に張り出して形成された上部開口26aは、係合爪部27の爪部27bの幅より幅広に形成され、その係合穴部26の上部開口26aに係合爪部27が位置するとき、爪部27bが上部開口26aに対峙するように一対の係合爪部27を内側に撓ませることによりそれらの係合が解除できるように構成されている。また、背面カバー部12の下部両側には、その下方に設けられる下部移動体部13に支持される支軸32aを備えたヒンジ部32が設けられている。
下部移動体部13は、その両側面において背面カバー部12の支軸32aを回動自在に支持している。また、その両側面の下部には、カセット本体部11のアーム部31と係合して、これをカセット本体部11の最下層部を覆って閉塞し、脱落しないように保持する係合リブ部35を備えている。
【0016】
背面カバー部12と下部移動体部13は、上述のように上下に隣接して設けられ、背面カバー部12のヒンジ部32に設けられた支軸32aにより両者が連結されている。そして、これらは協働してカセット本体部11を覆って、複数のコインコインチューブ15〜19を閉塞した状態に保持する。また、これらは連動して上下方向にスライド移動可能に構成されている。
このように構成される硬貨収納カセット7から、所定枚数の釣銭硬貨を内部に残して、硬貨を回収する場合について説明する。先ず、図3(a)に示すように、下部移動体13を複数のコインチューブ15〜19の最下層部を閉塞する状態に保持する。このとき下部移動体13の係合リブ部35はカセット本体部11のアーム部31に係合し、下部移動体部13はカセット本体部11に係合されて固定された状態に保持される。また、このときカセット本体部11に設けられる係合爪部27は、下部移動体13と連動する背面カバー部12の係合穴部26の上部開口26aに位置している。ここで、この係合穴部26の上部開口26aは、上述のように係合爪部27の爪部27bの幅よりも広く形成されているので、一対に設けられる係合爪部27をそれぞれ内側に寄せるように撓ませて、係合爪部27の爪部27bと係合穴部26の係合を解消する。そして、背面カバー部12を支軸32aを介して手前に回動し、複数のコインチューブ15〜19を半割状態で開放する。 ここで、複数のコインチューブ15〜19に収納されている硬貨が露出されるから、それらの露出された硬貨を回収する。ここで、複数のコインチューブ15〜19の最下層部にあって、下部移動体13により覆われる硬貨は、露出されないので、回収せずに内部に残せば良い。なお、複数のコインチューブ15〜19において下部移動体13により覆われる部分を、釣銭として内部に残す硬貨の枚数に応じて構成すれば、釣銭として所定枚数の硬貨を硬貨収納カセット7内に容易に残すことができる。
【0017】
また、硬貨収納カセット7内の硬貨を全て回収する場合は、上述のように背面カバー部12を開放して露出した硬貨を回収した後、コインチューブ15〜19の最下層部を覆う下部移動体部13をコインチューブ15〜19の上方にスライド移動し、カセット本体部11のアーム部31と下部移動体部13の係合リブ部35の係合を外して、下部移動体部13およびこれと連結された背面カバー部12をカセット本体部から取外し、下部移動体部13に覆われていた残りの硬貨を露出させて回収する。このようにして全ての硬貨を容易に回収することができる。
【0018】
なお、背面カバー部12を開放して露出した硬貨を回収した後、その背面カバー部12を再び閉じて元に戻し、背面カバー部12をカセット本体部11に係合した状態で、背面カバー部12に連結された下部移動体部13をコインチューブ15〜19の上方にスライド移動させ、下部移動体部13と背面カバー部12をカセット本体部11に装着した状態で、コインチューブ15〜19の最下層部の硬貨を露出させて回収することもできる。これによれば、背面カバー部12や下部移動体部13をカセット本体部11から取り外すことなく全ての硬貨を回収することができる。なお、これらのようにコインチューブ15〜19の最下層部に位置する下部移動体部13を上方にスライド移動させることで、コインチューブ15〜19の底部において硬貨が載置されるコイン受部28を露出させることができるから、その清掃を容易にすることができる。
【0019】
以上のように、本発明の硬貨収納カセット7を備えた硬貨処理装置1においては、硬貨収納カセット7を硬貨処理装置1の本体から取外した後、その背面カバー部12を支軸32aを介して回動することにより複数のコインチューブ15〜19を開放し、その内部に収容される硬貨を露出して回収し、さらに下部移動体部13を上方にスライド移動することにより複数のコインチューブ15〜19の最下層部を開放し、そこに収容される硬貨を露出して回収することができるから、硬貨収納カセット7内に収納される全ての硬貨の回収を容易にすることができる硬貨処理装置を提供することができる。また、下部移動体部13を上方にスライド移動することにより複数のコインチューブ15〜19の最下層部を開放し、その底面のコイン受部28を露出させることができるから、各コインチューブ15〜19の底面を容易に清掃可能にして硬貨詰りを防止することができる硬貨処理装置を提供することができる。
【0020】
また、下部移動体部13が複数のコインチューブ15〜19の最下層部に位置するとき、背面カバー部12を回動して複数のコインチューブ15〜19を開放することができるから、下部移動体部13の位置する複数のコインチューブ15〜19の最下層部に対応する位置に所定枚数の釣銭硬貨を残してコインチューブ15〜19の開放部分に露出する硬貨を容易に回収することができる硬貨処理装置1を提供することができる。また、下部移動体部13を複数のコインチューブ15〜19の最下層部から上方に移動するとき、背面カバー部12を前記複数のコインチューブ15〜19を閉塞する状態に保持して上方に移動することができるから、複数のコインチューブ15〜19の最下層部に位置する硬貨を回収するときや、各コインチューブ15〜19の底面を成すコイン受部28を清掃する場合に、背面カバー部12や下部移動体部13が本体から外れて紛失するようなことがなく、使い勝手の良い硬貨収容カセット7を備えた硬貨処理装置1を提供することができる。またこの場合、背面カバー部12と下部移動体部13を一遍に上方に移動し、複数のコインチューブ15〜19の最下層部から、硬貨自重等を利用して全ての硬貨を回収することもできるから、硬貨の回収を手間を掛けずにより簡単に行うこともできる。
なお、本発明は、言うまでもなく本実施の形態に示す装置にのみ限定されず、その趣旨の包含する範囲で応用変更が可能である。例えば、カセット本体部11の背面側を開閉自在に覆う背面カバー部12や、背面カバー部12の下側にカセット本体部11と対向して上下方向に移動自在に設けられる下部移動体部13、あるいは、カセット本体部11に設けられ背面カバー部12をカセット本体部11を覆う閉塞状態に保持する係合爪部27、背面カバー部12に設けられ係合爪部27と係合する係合穴部26等の形状や構成等は、本発明を実施する硬貨処理装置1の態様、構成に応じて適宜に設定されるものである。
【符号の説明】
【0021】
1 硬貨処理装置
7 硬貨収納カセット外扉
11 カセット本体部(複数のチューブの本体側)
12 背面カバー部(蓋体部)
13 下部移動体部
15〜19 コインチューブ(チューブ)
26 係合穴部(係合保持部)
27 係合爪部(係合部材)
28 コイン受部
32a 支軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された硬貨を識別し金種別に積み重ねて収納する硬貨収納カセットを着脱自在に備えた硬貨処理装置において、前記硬貨収納カセットは、金種別に硬貨を積重して収容するとともに所定枚数の硬貨を残すための最下層部を有する複数のチューブと、前記複数のチューブの最下層部を残して当該チューブを半割状に開放可能に覆う蓋体部と、前記複数のチューブの最下層部において前記蓋体部と隣接してその下方に半割状に構成され、上下方向にスライド移動可能に構成された下部移動体部と、備え、前記蓋体部は支軸を介して回動することにより前記複数のチューブを開閉し、前記下部移動体部は上下方向に移動することにより前記複数のチューブの最下層部を開閉することを特徴とする硬貨処理装置。
【請求項2】
前記蓋体部は前記複数のチューブの本体側に設けられた係合部材と係合して前記複数のチューブを閉塞状態に保持する係合保持部を備え、前記支軸が前記下部移動体部に回動自在に支持され、前記複数のチューブを閉塞した状態で前記下部移動体と連動して上下方向に移動可能に設けられ、前記蓋体部と連動する前記下部移動体部が前記複数のチューブの最下層部に位置するとき、前記係合保持部と前記係合部材との係合を解除し、前記支軸を介して回動することにより前記複数のチューブを開放可能に構成することを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−103932(P2012−103932A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252474(P2010−252474)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】