説明

硬貨識別装置の検出部

【課題】硬貨識別装置の検出部において、硬貨の材質、外形、板厚データを、最小のセンサと最小の回路構成で検出する。
【解決手段】硬貨が通過する硬貨通路1とセンサS1とセンサS2と発信回路を備え、硬貨通路1にセンサS1とセンサS2を硬貨2の進行方向10に間隔をあけて、且つ硬貨通路を挟んで設置し、硬貨通路1の硬貨を横倒する方向に傾斜させて左側壁3に硬貨2を密着させて通過させたときの、センサS1とセンサS2を含む発信回路からの信号波形を演算処理部に入力し、波形の前半で硬貨の材質、波形の中間で硬貨の材質外形、波形の後半で板厚のデータを抽出し硬貨の金種と真偽を識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機、両替機等において、硬貨搬送通路を通過する硬貨の金種および真偽を識別する硬貨識別装置の検出部に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機、両替機等には、様々な金種の硬貨が扱えるように硬貨識別装置が備えられている。硬貨識別装置は、硬貨通路に沿って、硬貨の材質、外形、厚みを検出するセンサを個別に備え、各センサからの信号から硬貨の種別や真偽を識別する電子回路を備えている。
【0003】
上記の具体例としては、投入硬貨の材質、外形、板厚の検知を、1組の材質センサ、1組の外形センサ、1組の板厚センサを備え、それぞれの検出部の出力に接続された固有の検出回路を持ち、前記検出回路からの判定データをデジタル的に演算して硬貨の真偽判定を行っている。硬貨を検出するための要素は、3組のセンサと3つの検出回路とから構成されている。(特許文献1参照)
【0004】
また、投入硬貨の材質と外形の2種類の検知を、1つの正弦波信号発生部と、2組のセンサと、1つの検出回路より構成し、2組のセンサの間隔をとって配置し、2組のセンサは4つのコイルから構成され、前記4つのコイルを励磁する正弦波信号発信回路と検出回路を直列もしくは並列接続し、検出回路の出力を識別回路に入力して硬貨の真偽判定を行っている。この考案は、正弦波信号発生部と検出回路を共通化できる効果がある。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−167310号公報
【特許文献2】特開2009−26088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特開2009−26088号公報では、材質と外形検査を行う目的を、4つのコイルから構成される2つのセンサと、1つの検出回路で構成し、検出回路を1つ削減しているが、この方式は、板厚検出が無く、板厚検出機能を追加するためには、一般的に1組のセンサと1つの検出回路が新たに追加となる。よって、投入硬貨の材質、外形、板厚の3つの要素検知するためには、合計6個のコイルから構成される3組のセンサと、2個の検出回路で構成され、検出回路を1つ削減しているが、低コスト化としては不十分であった。
解決しようとする課題は、投入硬貨の材質、外形、板厚の3つの要素を検知する目的を、最小のセンサ数と最小の回路で構成する点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を果たすために、本発明は、左側壁と右側壁から構成される硬貨通路と、第1のコイルを内蔵する第1のセンサと、第2のコイルを内蔵する第2のセンサと、該第1のセンサと該第2のセンサに接続する発信回路と演算処理部を備え、前記第1のセンサと前記第2のセンサは、硬貨進行方向に相互間隔をとって、前記第1のセンサは、前記左側壁に配置し、前記第2のセンサは、前記右側壁に配置し、前記硬貨通路は、検査する硬貨を横倒する方向に傾斜する構造とし、前記演算処理部は、前記硬貨通路を通過する硬貨の材質と外形と板厚を、前記発信回路からの信号に基づいて判定するものとして備えることを主要な特徴とする。
【0008】
なお、前記硬貨通路の底面から前記第1のセンサの中心位置および前記第2のセンサの中心位置が、金種判定する最小径硬貨の半径よりも高い位置にあり、前記硬貨通路の底面から前記第1のセンサの外周上面の高さ、および前記第2のセンサの外周上面の高さが、金種判定する最小径硬貨の直径寸法以下であることが望ましい。
【0009】
前記発信回路からの信号波形の材質取得タイミング(TZ)から材質、中間タイミング(T2)から外形、板厚取得タイミング(TA)から板厚を検出することより、材質、外形、板厚を検出できる。また、前記第1のセンサと前記第2のセンサの中心線上に第3のセンサを配置することにより、中間タイミング(T2)を確実に検出できる。
【0010】
本考案の「センサ」は、1個のポットコアと1個のコイルから構成されているが、先行技術文献で示すセンサ1組は、2個のポットコアに2個のコイルが硬貨通路を挟んで対向して構成されているため、先行技術文献のセンサ1組は、本考案のセンサ2個となる。
【0011】
「発信回路」は、自励発信回路、他励発信回路のどちらでもよく、発信回路に付属するフィルタや平滑回路を含む。他励発信回路の例として、特開2009−26088号公報に示す正弦波信号発生回路と作動増幅の組み合わせでも良い。
【0012】
前記発信回路からの信号波形のタイミングは、待機状態の波形から硬貨を検知して待機に戻るまでの時間を4等分し、検知開始から概略25%経過時を材質取得タイミング(TZ)、検知開始から概略50%経過時を中間タイミング、検知開始から概略75%経過時を後半タイミングとしている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の硬貨識別装置の検出部は、材質、外形、板厚の3つの要素を検出するために、2つセンサと1つのの検出回路で構成でき、コイル数を従来に比べて67%削減し、検出回路数を従来に比べて50%から67%削減する利点を持つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の硬貨識別装置は、自動販売機等の投入口から投入された所定の硬貨を識別して、硬貨集積部もしくは返却口へ案内する構成であり、硬貨を識別するための硬貨識別装置の検出部を説明する。本発明の硬貨識別装置の検出部は、硬貨の材質、外形、板厚を検出するために、硬貨通路に設けた2つのセンサの配置と通路構造と、検出回路から得られた波形を効率良く解析し、最小の部品で構成した。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例の硬貨通路1を上面から見た説明図であり、センサS1はコイルL1を内蔵し、左側壁3の外側に配置され、センサS2はコイルL2を内蔵し右側壁4の外側かつ進行方向10に間隔を持って配置される。硬貨通路1は、進行方向が低い構造であり、硬貨2が左側壁3と右側壁4の間を進行方向10に向かって自重で移動する。
センサS1のコイルL1と、センサS2のコイルL2の検知方向は、硬貨通路中央に向かっていて、硬貨2が移動すると、センサS1、S2により硬貨2を磁気的に検出できるようになっている。
【0016】
図2は、図1の矢印13から見た説明図で、左側壁3および右側壁4は、硬貨2が横倒しになる方向16に傾斜する構造にして、硬貨2を左側壁3に密着して通過させる。また、硬貨2を左側壁3に押し付ける部材、あるいは糸切り機構を右側壁4に設置して硬貨2を押し付けても良い。また、左側壁3および右側壁4に、硬貨2との摩擦を軽減するためのリブなどを設けることが好ましい。
通路幅12は、真偽判別する金種の中の硬貨の最大板厚よりも広く設定し、硬貨2がセンサS1、S2近傍を移動しているときには、図2で示すように硬貨通路に隙間11が発生する。右側壁4は、硬貨詰まりが発生した場合に、矢印14方向に開閉動作可能な構造としているが、詰まり解除後の通路幅12は、毎回規定位置に戻ることが望ましい。
【0017】
図3は、硬貨識別装置のブロック図を示し、コイルL1とコイルL2は、近似した磁気特性を持ち、前記2つのコイルは直列に接続され、発信回路6の内部コンデンサC1、C2との相互作用により発信し、発信周波数は、材質検知特性のある100KHz程度の設定となっている。周波数については、一例であり、センサの種類や大きさ、あるいは、検出する硬貨の種類により異なる。好ましくは、硬貨表面の浅い位置の材質を検出できる周波数設定とする。
コイルL2からの信号15は、整流回路7で平滑され、演算処理部8のA/Dポートに入力される。演算処理部8は、整流回路7からの信号波形データを保存および演算し、メモリ9にあらかじめ設定されている真偽判定データを照合し、金種および真偽判定を行う。
【0018】
図4は、外形の異なる2つの硬貨とセンサ配置から検出面積を示す説明図で、外形が大きい硬貨2Aが通路底面5上を図の左から進行方向10に移動し、センサS1とセンサS2の中間に移動した位置を示し、外形の小さい硬貨2A(点線)は、比較説明するために記載されている。
補助線21は、識別する金種の中の最小径の硬貨の高さを示し、仮に識別硬貨が10円、50円、100円500円の4金種の場合、最小径は50円硬貨の21mmのため、通路底面5からの高さを21mmとし、通路底面5と平行とした。センサS1およびS2の外周は、補助線21よりも若干低い配置となっている。
【0019】
センサS1、S2を若干低い配置とした理由は、センサS1、S2は後述する材質検出において、センサS1の全面で硬貨を検知する必要があり、硬貨2Bの中心がセンサS1から出る補助線22の位置に移動したときに、センサS1の外周高さ23は、硬貨2B直径31よりも低く設定する。
上記センサ配置で、外形の大きい硬貨2Aは、センサS1、S2に対し大きな面積で接しているが、外形の小さな硬貨2Bは小さな面積で接する。
硬貨2Aと硬貨2Bの検知する面積の差は、黒塗り部17と18の合計となる。
【0020】
図4の点線24、25は、低い位置にセンサを配置した場合を想定したもので、硬貨2Aと硬貨2Bの検知する面積の差は、黒塗り部26、27の合計になる。このようにセンサ位置が高い場合の検知面積差は、黒塗り部17と18の合計で、センサ位置が低い場合の検知面積差は、黒塗り部26と27の合計となり、センサ位置を硬貨通路上部に設置することにより、硬貨の外形寸法の変化に対し、検知面積の変化量が大きくなるため、外形検出に対し有利となる。センサS1、S2の配置の高さは、センサS1、S2の中心28、29を、最小径硬貨の半径(30)よりも高い位置に設置すると外形寸法の変化を確実に測定できる。
【0021】
センサS1とセンサS2相互の間隔の最適寸法は、外形検知の特徴を出すために、最大径の硬貨である500円の外形26.5mmの外周からセンサS1、S2の外周が、はみ出さない寸法の最大値とすると、硬貨の外形寸法変化に対し、検知面積差が大きく取れる。
センサS1とセンサS2相互の間隔の最小値は、センサ直径でセンサS1とセンサS2が重ならない寸法が好ましいが、センサ外形が大きい場合は、この限りでなく、前記寸法最適値よりも 大きくなることもある。
【0022】
図5は、図4で示す外形の大きい硬貨2Aが、通路底面5の上を左から進行方向10に移動したときの、図3の演算処理部8のA/Dへの入力信号の波形W1を示している。図4の硬貨2AがセンサS1よりも上流に位置するときは、図5の横軸の時間T0の状態で、硬貨2AからセンサS1,S2への作用は無く、電圧V0が発生している。図4の硬貨2AがセンサS1に到達タイミング(T1)になると図5の波形W1で示す電圧は減少を開始し、図4のセンサS1に硬貨2Aが全面重なると図5の波形W1は示す電圧V1まで低下する。このときの電圧V1は、硬貨2Aの材質固有の値を示す。図4の硬貨2Aが更に進行方向10に移動し、センサS1とセンサS2の中間点に達すると図5の中間タイミングT2となり入力信号は電圧V2の最低電圧になる。
図4の硬貨2AがセンサS2付近通過後センサS2を離脱すると、図5で示す波形W1は、板厚取得タイミング(TA)となり電圧V3を検知後、離脱タイミング(T3)では、波形W1は電圧V0に戻る。
【0023】
波形W1は、図3演算処理部8に一旦記憶され、硬貨の金種や真偽の判定を行う。演算処理部8は、図5の波形W1の到達タイミングT1と離脱了タイミングT3を演算により検出する。続いて到達タイミング(T1)と離脱了タイミング(T3)の時間を2分割し、中間点を求めその結果を中間タイミング(T2)とし、中間タイミング(T2)の前後のデータの最大電圧もしくは最小電圧を求める。通常、最大電圧もしくは最小電圧は、タイミング(T2)付近となる。最小電圧、最大電圧もしくは中間タイミング(T2)のときの電圧が、硬貨外形データとなる。
【0024】
図5の到達タイミング(T1)と中間タイミング(T2)の中間点を演算した結果は、材質検知タイミング(TZ)となり、波形W1の材質検知タイミング(TZ)の電圧V1が硬貨の材質データとなる。また、材質データは、材質検知タイミング(TZ)の前後のデータを平均化する方法でもよい。
中間タイミング(T2)と離脱タイミング(T3)の中間点を演算した結果は、板厚取得タイミング(TA)となり、波形W1の板厚取得タイミング(TA)の電圧V3が硬貨の板厚データとなる。板厚データは、板厚取得タイミング(TA)の前後のデータを平均化する方法でもよい。
【0025】
図6の波形W1、W2は、材質と板厚が同等であるが、外形の異なる硬貨2Aと硬貨2Bが、図4の通路底面5の上を左から進行方向10に移動した場合の図3の演算処理部8の入力信号示し、外形の小さい硬貨2Bは、図6の波形W2であり、外形の大きい硬貨2Aの信号波形W1は、比較のために点線で示されている。
図6のタイミング(T4)は、波形W2の材質検知タイミングで、図4の硬貨2BがセンサS1のみで検知される位置にあり、このときの入力信号は図6の電圧V4になり、外形の大きい硬貨2Aの入力信号電圧V2と等しくなる。
【0026】
図4の硬貨2Bが更に進行方向10に移動し、センサS1とセンサS2の中間点である図6のタイミングT5に達すると入力信号波形W2は電圧V5となる。検出電圧V2とV5の差は、図4説明の外形寸法によるセンサに接する面積差17、18の影響によるものであり、図6のタイミング(T5)の入力信号の電圧は、硬貨の外形を検出するためのデータとして使用する。
【0027】
図4の硬貨2Bが更に進行方向10に移動し、センサS2付近を通過すると、入力信号は図6の電圧V6となり、外形の大きい硬貨2Aの入力信号電圧V3と同等の特性を示し、S2を離脱すると電圧V0に戻る。
【0028】
図7は、図4の硬貨2Aの材質と外形寸法が同一で、板厚の異なる硬貨を移動させたときの、入力信号波形を示す説明図で、硬貨2Aを移動させたときの波形W1(点線)と、硬貨2Aよりも薄い硬貨の波形をW3(実線)で示している。
図4の硬貨2Aおよび硬貨2BがセンサS1中央付近にあるとき、硬貨は図2で示すように左側壁3に密着して移動し、センサS1により硬貨表面に近い位置の材質特性を検出している。このときの図7の波形W1と波形W2はタイミング(T7)の位置で、硬貨の板厚に影響されず、同等の電圧を示す。図4の硬貨2Aおよび硬貨2BがセンサS1とセンサS2の中間点にあるとき、外形検出と同様に検出するため省略する。
【0029】
図4の硬貨がセンサS2中央付近に達した位置は、センサS1の影響はなくセンサS2の影響を受ける。前記タイミングは、図7のタイミング(T8)となり、薄い硬貨の波形W3の電圧はV8となり、硬貨2Aの波形W1の電圧V3よりも高い値となっている。これは、図2の硬貨2とセンサS2との隙間11による影響で、薄い板厚の硬貨は、隙間11が大きくなり電磁結合が減少するためである。
このように、図7のタイミング(T8)付近の電圧を検知することにより、硬貨2の板厚を測定できる。また、タイミング(T7)付近の電圧V7とタイミング(T8)付近の電圧V8の差や変化の割合を演算して、板厚データとしてもよい。
【0030】
このように、材質を検出するセンサS1とS2の配置と波形からのデータを解析することにより、外形と板厚を検出する硬貨識別装置の検出が可能となった。また、1つの回路で検出が構成されているため、回路間の温度変動の補正なども難しい処理も不要となった。
【実施例2】
【0031】
図8は、第3のセンサの一例としてエッジ検出を行うためセンサを追加した説明図であり、エッジセンサ20は、センサS1とセンサS2の中心線19上の通路底面5付近に設置されている。この通路に硬貨が移動すると図9の波形W4を取得でき、W4の最小電圧V9を測定することにより、センサS1、センサS2の中心に硬貨が移動したタイミング(T9)が取得できる。
【0032】
タイミング(T9)を取得することにより、同じタイミングで電圧V2の測定を同時にでき、外形寸法がわかり、タイミングT9以前のデータは、材質、タイミングT9以降は、板厚測定とソフトウエアの負担が軽減できる。第3のセンサは、エッジ検出以外に異なる周波数による材質検出や光学的な位置検出でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】硬貨通路の上面から見た説明図である。(実施例1)
【図2】硬貨通路の側面から見た説明図である。(実施例1)
【図3】硬貨識別装置一例を示すブロック図である。(実施例1)
【図4】外形の異なる2つの硬貨とセンサの検知面積を説明図である。(実施例1)
【図5】硬貨が硬貨通路を移動するときの波形である。(実施例1)
【図6】外形の異なる硬貨が硬貨通路を移動するときの波形の差を示す説明図である。(実施例1)
【図7】板厚の異なる硬貨が硬貨通路を移動するときの波形の差を示す説明図である。(実施例1)
【図8】センサ配置の上面およびと正面から見た説明図である。(実施例2)
【図9】エッジ検出センサの波形を示す説明図である。(実施例2)
【符号の説明】
【0034】
1 硬貨通路2 硬貨 3 左側壁 4 右側壁5 通路底面 6 発信回路 7 整流回路 8 演算処理部 9 メモリ 10 進行方向 16 横倒し方向 23 第1のセンサおよび第2のセンサの外周高さ 28 第1のセンサの中心位置 29 第2のセンサの中心位置 30 最小径硬貨の半径 31 最小径硬貨の直径 S1、S2 第1のセンサ、第2のセンサ L1、L2 第1のコイル、第2のコイル T2 中間タイミング TA 板厚取得タイミング TZ 材質取得タイミング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左側壁と右側壁から構成される硬貨通路と、第1のコイルを内蔵する第1のセンサと、第2のコイルを内蔵する第2のセンサと、該第1のセンサと該第2のセンサに接続する発信回路と演算処理部を備え、前記第1のセンサと前記第2のセンサは、硬貨進行方向に相互間隔をとって、前記第1のセンサは、前記左側壁に配置し、前記第2のセンサは、前記右側壁に配置し、前記硬貨通路は、検査する硬貨を横倒する方向に傾斜する構造とし、前記演算処理部は、前記硬貨通路を通過する硬貨の材質と外形と板厚を、前記発信回路からの信号に基づいて判定することを特徴とする硬貨識別装置の検出部。
【請求項2】
前記硬貨通路の底面から前記第1のセンサの中心位置および前記第2のセンサの中心位置が、金種判定する最小径硬貨の半径よりも高い位置にあり、前記硬貨通路の底面から前記第1のセンサの外周高さ、および前記第2のセンサの外周高さが、金種判定する最小径硬貨の直径寸法以下であることを特徴とする請求項1記載の硬貨識別装置の検出部。
【請求項3】
前記第1のセンサ外周および前記第2のセンサ外周が、金種判定する最大径硬貨の外周の内側に接する位置にあることを特徴とする請求項1および2記載の硬貨識別装置の検出部。
【請求項4】
前記発信回路からの信号波形から前記演算処理部の演算により、材質取得タイミング(TZ)から材質、中間タイミング(T2)から外形、板厚取得タイミング(TA)から板厚を検出することを特徴とする請求項1記載の硬貨識別装置の検出部。
【請求項5】
請求項1記載の硬貨識別装置の検出部において、前記第1のセンサと前記第2のセンサの中心線上に第3のセンサを配置したことを特徴とする硬貨識別装置の検出部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−180958(P2011−180958A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46355(P2010−46355)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(706002511)
【Fターム(参考)】