説明

硬貨識別装置

【課題】自動販売機等に用いられる硬貨識別装置に関し、設定変更のためのスイッチ数を少なくして、小型で安価かつ設定変更が容易な硬貨識別装置を提供することを目的とする。
【解決手段】通常動作モード又は設定変更モードに切替えるモード切替手段41を設けると共に、スイッチ部40に世代指定スイッチ43a、43b、43cと金額指定スイッチ44a、44b、44c、44dを設け、設定変更モードにおいて、世代指定スイッチ43a〜43cと金額指定スイッチ44a〜44dの操作によって設定変更部42が識別対象の金種を設定することによって、少ないスイッチ数で多種類の金種が識別できるため、小型で安価な硬貨識別装置を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機等に用いられ、投入された硬貨の正偽や金種等の識別を行う硬貨識別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、硬貨識別装置において、硬貨が改鋳されて新硬貨が発行され、旧硬貨と新硬貨が複数混在して流通されるのに伴い、硬貨の正偽や金額や新旧などの様々な金種を確実に識別可能なものが求められている。
【0003】
このような従来の硬貨識別装置について、図4を用いて説明する。
【0004】
図4は従来の硬貨識別装置の構成図であり、同図において、1は硬貨を投入する投入口、2は硬貨が移動する通路、3は硬貨の凹凸、材質及び材厚などの特徴量を検出する検出部で、投入口1に投入された硬貨がやや傾斜した通路2を移動しながら、検出部3を通過する際に、その凹凸、材質、及び材厚などの特徴量を検出部3が検出する。
【0005】
そして、4は判定部や記憶部等を備えたマイコン等の制御部で、判定部が検出部3からの硬貨の特徴量に関する出力値と記憶部に記憶された許容範囲の判定値とを比較して、投入された硬貨が正貨又は偽貨かの正偽やその金種、即ち硬貨の金額や新旧を判定する。
【0006】
また、6はゲート部、7は振り分け部で、判定された硬貨が正貨の場合はゲート部6と振り分け部7を介して所定の金額の硬貨収納部8や予備の硬貨収納部8aに収納され、偽貨の場合はゲート部6を介して出口10へ導出される。
【0007】
さらに、11は複数のスイッチが配設されたスイッチ部で、複数の金種スイッチ12や予備の硬貨収納部8aの回収スイッチであるSUBスイッチ13及び払い出しを停止するOFFスイッチ14が設けられている。
【0008】
なお、金種スイッチ12には、例えば現在流通している硬貨で識別対象となる10円、50円、100円、500円の各硬貨に対応して「10」、「50」、「100」、「500」が表示された金種スイッチ12a、12b、12c、12dが、新たに発行される予定の100円、500円の各硬貨に対応して「新100」、「新500」が表示された金種スイッチ12e、12fが、さらに、「予備」が表示された予備の金種スイッチ12g、12hが設けられている。
【0009】
そして、15は制御部4内に設けられ、スイッチ部11に接続された設定変更部で、後述する硬貨識別装置の設定変更モードにおいて、スイッチ部12の操作に応じて所定の設定が行われるようにして硬貨識別装置が構成されている。
【0010】
以上の構成において、通常の硬貨識別処理を行う通常動作モードでは、硬貨20を投入後、検出部3で投入された硬貨20の特徴量が検出され、制御部4の判定部で記憶部のデータとの比較により硬貨20の正偽や金種が判定される。
【0011】
そして、新たな硬貨が発行される時には、識別対象とする金種を設定変更するため、モード切替手段として例えば所定のスイッチ操作を行うと、通常動作モードから設定変更モードへ切替わる。
【0012】
次に、例えば金種スイッチ12eや12fを操作した後、SUBスイッチ13を操作するなどの所定の操作を行い、新10円硬貨と新100円硬貨を識別対象の金種として追加設定するものであった。
【0013】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平4−184590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記の従来の硬貨識別装置においては、設定変更モードにおいて、新旧の世代別で金額の種類毎に識別対象とする金種スイッチを設ける必要があり、金種スイッチが多数必要となって、装置が大型化すると共にコストが高いものになり易く、将来、金種がさらに増えた場合に金種スイッチを増設し難いという課題があった。
【0016】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、設定変更するためのスイッチ部のスイッチ数を少なくでき、小型で安価かつ設定変更が容易な硬貨識別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0018】
本発明の請求項1に記載の発明は、硬貨の特徴を検出する検出部と、判定値が記憶された記憶部と、前記検出部からの出力値と前記判定値とを比較し、前記硬貨の金種を判定する判定部と、複数のスイッチを備えたスイッチ部と、このスイッチ部からの出力により各種設定を変更する設定変更部からなり、通常動作モード又は設定変更モードに切替えるモード切替手段を設けると共に、前記スイッチ部に世代指定スイッチと金額指定スイッチを設け、前記設定変更モードにおいて、前記世代指定スイッチと前記金額指定スイッチの操作によって前記設定変更部が識別対象の前記金種を設定するようにして硬貨識別装置を構成したものであり、例えば、現硬貨、新硬貨、新々硬貨の3種類の世代指定スイッチと10円、50円、100円、500円の4種類の金額指定スイッチの計7個で、最大12種類の金種を識別対象として設定でき、少ないスイッチ数で多種類の金種が識別できるため、小型で安価な硬貨識別装置を得ることができるという作用を有する。
【0019】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記世代指定スイッチと前記金額指定スイッチを操作して硬貨の金種を設定時に、前記金額指定スイッチの操作回数に応じて、設定変更部が判定の許容範囲の設定又は受入禁止の設定を設定するようにしたものであり、所定のスイッチの一連の操作で金種設定に加え判定の許容範囲や受入禁止の設定も可能なため、さらに少ないスイッチで設定変更が容易なものにすることができるという作用を有する。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、記憶部が所定の金種の有効/無効を記憶すると共に、設定された金種について設定変更部が記憶部の記憶に基づき有効/無効を判断するようにしたものであり、硬貨が改鋳された場合に記憶部の記憶内容を書き換えるだけで、市場に使われている硬貨識別装置を新硬貨に迅速に対応させることができるという作用を有する。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によれば、スイッチ部のスイッチ数が少なく、小型で安価かつ設定変更が容易な硬貨識別装置を実現することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態による硬貨識別装置のブロック図
【図2】同構成図
【図3】他実施の形態によるスイッチ部構成図
【図4】従来の硬貨識別装置の構成図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0024】
なお、背景技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【0025】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による硬貨識別装置のブロック図、図2は同じく構成図であり、同図において、1は上方に開口を設けた硬貨の投入口、1aは投入口に連結したガイド部、2は水平面に対し10度から12度傾いた通路である。
【0026】
そして、3は検出部で、コイルを通路2近傍の所定位置に配置した測定部3a、3b、3cとこれらに各々接続され、発振回路や整流回路及び硬貨の特徴を表す特徴量として出力する特徴量抽出部を有する検知部3d、3e、3fからなり、検知部3dは硬貨の凹凸を、検知部3eは材質を、検知部3fは材厚を各々検出し特徴量として出力する。
【0027】
また、33は検出部3に接続された判定部、34は判定部33に接続された記憶部で、判定部33は検出部3から出力された硬貨の特徴量と記憶部34に記憶された判定値である許容範囲のデータとを比較して、投入された硬貨が正貨又は偽貨かの正偽やその金種、即ち硬貨の金額や新旧等を判定する。
【0028】
なお、記憶部34には、(表1)の金種構成に示すように、例えば硬貨の発行順に硬貨世代である「現(旧)」、「新」、「新々」と金額の「10円」、「50円」、「100円」、「500円」の2次元配列形式の組合せで、「現10円」、「現50円」、「現100円」、「旧500円」や「新500円」の金種が記憶されると共に、その金種が存在する場合には「有効」として、また、組合せで存在しない金種については「無効」として記憶されている。
【0029】
【表1】

【0030】
また、記憶部34には、上記のように存在する金種の各特徴に対応して、例えば比較的広い許容範囲である通常範囲と、正貨も一部排除する可能性はあるが偽貨を確実に排除する狭い許容範囲である狭範囲、これらの間の中間範囲の合計3段階の複数の許容範囲のデータが記憶されている。
【0031】
したがって、周囲温度による特徴量の分布の変化や、発生する偽貨の正貨との近似状態に応じて、各金種毎に通常範囲、中間範囲、狭範囲の許容範囲データのいずれかを硬貨の判定値として設定することにより、適切な識別が可能になっている。
【0032】
そして、6は通路2の終端に連結されたゲート部、7は振り分け部、8は金額別に複数の収納部を有する硬貨収納部、8aは予備の硬貨収納部で、判定部33によって判定された硬貨が正貨の場合は、ゲート部6と振り分け部7を介して判定された金額の硬貨収納部8に収納され、偽貨の場合はゲート部6を介して出口10へ導出される。
【0033】
また、40は装置の右上方に装着されたスイッチ部で、硬貨の金額10円、50円、100円、500円に対応して「10」、「50」、「100」「500」が表示された金額指定スイッチ44a、44b、44c、44dが配設され、予備の硬貨用として「SUB」表示されたSUBスイッチ47が、各種のOFF機能用として「OFF」表示されたOFFスイッチ41aが各々配設されると共に、上方には「現」、「新」、「新々」が表示された世代指定スイッチ43a、43b、43cが配設されている。
【0034】
さらに、世代指定スイッチ43a〜43cの上方には、モードや世代指定状態等を表示する発光ダイオード等の表示部46a、46b、46cが配設されている。
【0035】
そして、42は所定の操作により各種設定を変更する設定変更部、41は通常の硬貨識別処理を行う通常動作モード又は各種設定を変更するモードである設定変更モードに切替えるモード切替手段で、設定変更部42にモード切替手段41や世代指定スイッチ43a〜43c、金額指定スイッチ44a〜44dが接続されると共に、タイマ45や表示部46a〜46cが接続されている。
【0036】
また、設定変更部42に払出部9の動作を制御する払出制御部51や、判定部33が接続された記憶部34が接続されると共に、設定変更部42やタイマ45、払出制御部51、記憶部34、判定部33がマイコン等からなる制御部48内に設けられて硬貨識別装置が構成されている。
【0037】
以上のように構成された硬貨識別装置について、その通常動作モードの動作について説明する。
【0038】
まず、硬貨20を投入口1から投入すると、ガイド部1aを通過して、通路2を転動しながら右方へ移動すると共に、測定部3a〜3cを通過し、この時、硬貨20の凹凸や材質及び材厚が測定され、それらの測定波形が検知部3d〜3fを介して特徴量としてを判定部33へ出力される。
【0039】
そして、判定部33は記憶部34に記憶された判定値である許容範囲データと比較し、投入された硬貨20の正偽や金種を判定する。
【0040】
次に、判定結果により判定部33がゲート駆動部35を制御して、正貨の場合はゲート部6と振り分け部7を介して金額に応じた所定の硬貨収納部8に収納され、偽貨の場合はゲート部6を介して出口10へ導出されて、硬貨20が識別処理される。
【0041】
また、硬貨収納部8に収納された硬貨20を払出部9から払い出して回収する場合には、例えば「10」の金額指定スイッチ44aを操作すると、金額指定スイッチ44aからの出力により設定変更部42及び払出制御部51を介して、10円の硬貨収納部8から硬貨が払い出され、払い出しの途中でOFFスイッチ41aを操作すると、払い出しが停止する。
【0042】
つまり、通常動作モードでは払い出す対象の金額指定スイッチ44a〜44dのいずれかを操作すると、これに対応して指定された金額の硬貨収納部8から硬貨が払い出されるようにして、金額指定スイッチ44a〜44dは硬貨の回収スイッチとして機能している。
【0043】
なお、硬貨収納部8を手動で開閉して払い出しを行うようにすれば、金額指定スイッチ44a〜44dを回収スイッチとして用いる必要はない。
【0044】
次に、新硬貨や記念硬貨の発行に伴い、識別対象の金種等を設定変更する場合の設定変更モードの動作について説明する。
【0045】
まず、設定変更する場合には、通常動作モードの状態でモード切替手段41としてOFFスイッチ41aを例えば5秒間長押しすると、設定変更部42が通常動作モードから設定変更モードに切替え、表示部46a〜46cの全て又は少なくとも1個が一定時間、高速点滅して設定変更モードであることを明示する。
【0046】
なお、設定変更モードへの切替え方法として、硬貨識別装置の電源をONした後、30秒以内に世代指定スイッチ又は金額指定スイッチを操作すると切替えることでモード切替手段41としても良い。
【0047】
そして、例えば新500円の金種を識別対象として設定する場合には、世代指定スイッチ43a〜43cの内、「新」の世代指定スイッチ43bを操作すると、これに対応して上方の表示部46bが点灯し、世代「新」が指定されると共に表示部46bによってこの世代指定が明示される。
【0048】
続いて、「500」の金額指定スイッチ44dを操作すると、世代が「新」で金額「500円」が指定されて「新500円」が指定されると共に、設定変更部42は記憶部34に記憶された金種毎の有効/無効のデータと照合して、新500円が有効の場合には指定が有効となり、無効の場合には指定が無効となり指定できない。
【0049】
つまり、誤って存在しない金種を指定した場合には、無効とみなされ金種が設定されない。
【0050】
そして、この時、金額指定スイッチ44dの1回の操作に応じて、硬貨を判定する際の許容範囲として例えば通常範囲に指定され、表示部46aが1回点滅して許容範囲が通常範囲であることが明示される。
【0051】
また、許容範囲を中間範囲や狭範囲に設定する場合、同じ金額指定スイッチ44dを続けて1回、計2回操作すると中間範囲に指定され、加えて1回、計3回操作すると狭範囲に指定されると共に、表示部46aは指定された許容範囲に対応して2回、3回と各々点滅する。
【0052】
さらに、現在指定中の金種を金種として受け付けない設定である受入禁止に設定する場合には、上記のように金額指定スイッチ44dが3回操作された後に、加えて1回、計4回操作すると受入禁止に設定される。
【0053】
このように、金額指定スイッチ44dの操作回数に応じて硬貨を判定する際の複数の許容範囲の内の一許容範囲や受入禁止を設定できると共に、許容範囲の種類や受入禁止に応じて表示部46aが所定回数点滅して、許容範囲の種類や受入禁止が判別できるようになっている。
【0054】
なお、世代指定や金額指定及び許容範囲等の設定時の表示部46a〜46cの上記とは異なる表示方法として、世代指定の時には表示部46aが指定中の世代に応じた所定回数の点滅を繰り返し、また、金額指定の時には表示部46bが指定中の金額に応じた所定回数の点滅を繰り返し、さらに、許容範囲又は受入禁止の指定の時には表示部46cが指定中の内容に応じた所定回数の点滅を繰り返すようにして、各表示部46a〜46cによって設定対象となる世代、金額、許容範囲などが各々判別できるようにしても良い。
【0055】
そして、最後にOFFスイッチ41aを操作すると設定変更が終了し、設定変更モードから通常動作モードに切替わる。
【0056】
同様に、新々500円の金種を追加する設定変更する場合には、設定変更モードに切替えた後、「新々」の世代指定スイッチ43cを操作後、「500」の金額指定スイッチ44dを操作し、次に、例えば許容範囲を狭範囲に設定する場合には金額指定スイッチ44dを2回操作して計3回操作して、新々500円が識別対象の金種で、許容範囲が狭範囲で設定される。
【0057】
したがって、3種類の世代指定スイッチ43a〜43cと4種類の金額指定スイッチ44a〜44dの計7個のスイッチによって、これらの世代と金額の組合わせによる12種類の金種について、記憶部34内に書き込まれたデータに応じて、設計変更モードにおいて設定可能となっている。
【0058】
このように本実施の形態によれば、スイッチ部40に世代指定スイッチ43a〜43cと金額指定スイッチ44a〜44dを設けて、OFFスイッチ41aを所定時間長押しするなどのモード切替手段41により通常動作モードから切替えた設定変更モードにおいて、世代指定スイッチ43a〜43cのいずれかを操作して指定すると共に、金額指定スイッチ44a〜44dのいずれかを操作して指定することによって金種を設定できるため、金種毎のスイッチを設ける必要がなく、少ないスイッチ数で多種類の金種が識別できると共に、将来、新硬貨が発行された場合でも、新たな金種が容易に設定可能な硬貨識別装置を実現することができる。
【0059】
また、設定変更モードにおいて、世代指定スイッチ43a〜43cのいずれかを操作し、金額指定スイッチ44a〜44dのいずれかを操作して硬貨の金種を設定時に、続けて同じ金額指定スイッチを所定回数操作することによって、操作回数に応じて、硬貨を判定する際の複数の許容範囲の内の一許容範囲や受入禁止が設定され、金種設定に加え許容範囲や受入禁止の設定も可能なため、さらに少ないスイッチで多様な設定変更が容易なものにすることができる。
【0060】
さらに、記憶部34が所定の金種の有効/無効を記憶すると共に、設定された金種について設定変更部42が記憶部34の記憶に基づき有効/無効を判断するようにすることによって、硬貨が改鋳された場合に記憶部34の記憶内容を書き換えるだけで、市場に使われている硬貨識別装置を新硬貨に迅速に対応させることができる。
【0061】
なお、以上の説明では、スイッチ部40に世代指定用として「現」、「新」、「新々」の世代指定スイッ43a〜43cを設けて、設定変更モードにおいて設定しようとする世代指定スイッ43a〜43cを操作して世代を指定するものとして説明したが、スイッチ部の他の一つのスイッチを世代指定スイッチとして共用させても良い。
【0062】
つまり、図3のスイッチ部構成図に示すように、金額指定スイッチとして金額10円、50円、100円、500円に対応した金額指定スイッチ54a、54b、54c、54dやOFFスイッチ52が配設され、予備の硬貨収納部8aの回収スイッチであるSUBスイッチ53を世代指定スイッチとして共用して設けると共に、上方には、モードや世代指定状態等を表示する表示部56が配設されて構成されるものである。
【0063】
そして、設定変更モードでは、SUBスイッチ53を1回操作すると世代を「現」に、2回操作すると「新」に、3回操作すると「新々」と世代を各々指定すると共に、表示部56が指定された世代に応じて所定回数点滅するようになっている。
【0064】
すなわち、世代指定スイッチとしてSUBスイッチ53を操作し、その操作回数に応じて対応する世代を指定すると共に、表示部の点滅回数で指定された世代が認識できるため、専用の世代指定スイッチや世代毎の表示部を設ける必要がなく、さらにスイッチや表示部を少なくすることができ、より小型で安価なものにすることができる。
【0065】
なお、世代を指定する方法として、SUBスイッチ53を押圧操作し続けた時間をタイマ45が計測して、その時間に応じて世代を指定させても良い。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明による硬貨識別装置は、設定変更するためのスイッチ部のスイッチ数を少なくでき、小型で安価かつ設定変更が容易なものを実現でき、自動販売機等に用いられる硬貨識別装置等に有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 投入口
1a ガイド部
2 通路
3 検出部
3a〜3c 測定部
3d〜3f 検知部
6 ゲート部
7 振り分け部
8、8a 硬貨収納部
9 払出部
10 出口
20 硬貨
33 判定部
34 記憶部
35 ゲート駆動部
40 スイッチ部
41 モード切替手段
41a、52 OFFスイッチ
42 設定変更部
43a、43b、43c 世代指定スイッチ
44a、44b、44c、44d、54a、54b、54c、54d 金額指定スイッチ
45 タイマ
46a、46b、46c、56 表示部
47、53 SUBスイッチ
51 払出制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬貨の特徴を検出する検出部と、判定値が記憶された記憶部と、前記検出部からの出力値と前記判定値とを比較し、前記硬貨の金種を判定する判定部と、複数のスイッチを備えたスイッチ部とこのスイッチ部からの出力により各種設定を変更する設定変更部からなり、通常動作モード又は設定変更モードに切替えるモード切替手段を設けると共に、前記スイッチ部に世代指定スイッチと金額指定スイッチを設け、前記設定変更モードにおいて、前記世代指定スイッチと前記金額指定スイッチの操作によって前記設定変更部が識別対象の前記金種を設定する硬貨識別装置。
【請求項2】
世代指定スイッチと金額指定スイッチを操作して硬貨の金種を設定時に、前記金額指定スイッチの操作回数に応じて、設定変更部が判定の許容範囲又は受入禁止を設定する請求項1記載の硬貨識別装置。
【請求項3】
記憶部が所定の金種の有効/無効を記憶すると共に、設定された前記金種について設定変更部が前記記憶部の記憶に基づき有効/無効を判断する請求項1記載の硬貨識別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−141711(P2011−141711A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1675(P2010−1675)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】