磁化可能な部分を備える包装材料
包装材料から形成される1つの包装につき少なくとも1つのスポットを備える、複数の磁化可能な部分をその上に備える包装材料が開示される。磁化可能な部分の少なくとも1つは、磁界パターンを担持する磁気マークを提供する。磁界パターンは、第1の極性を有する第1の磁界ピーク、及び第2の反対の極性を有する第2の磁界ピークを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば食品包装を形成するための、磁化可能な部分を備える包装材料に関する。
【背景技術】
【0002】
1つの包装材料から包装容器が形成される包装技術では、包装材料を、包装前又は包装中に形成されて包装容器になるウェブとして提供することが知られている。形成、封止、折畳みなど、包装を仕上げるときの作業を誘導するために、たとえば光学的に読み取るための誘導マークが設けられてきた。そのような誘導マークは、見当マークと呼ばれることがある。光学的な読取り用の見当マークは、包装材料の印刷中に設けられ、そこでたとえば、装飾又は製品情報が包装ラミネート上に印刷される。そのような見当マークに関する問題は、包装の外側となる無視できない面積をこのマークが使用することである。さらなる問題は、そのような見当マークは、その印刷が、ウェブ上で実行される他の動作と良好に位置合せされる必要があることである。したがって、包装材料のウェブのマーク付けを改善して行うことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許EP705759A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、包装材料上に磁気マークを設けることができるという理解に基づく。梱包材料内の磁気記録媒体内に情報を記憶させることが、たとえば欧州特許EP705759A1において提案された。本開示では、ウェブから形成される意図される包装1つにつき1つ又は複数のスポットがウェブ上に形成され、スポットは、磁気マーキングが可能となるように磁化可能な粒子を備えることが提案される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、包装材料から形成される1つの包装につき少なくとも1つのスポットを備える、複数の磁化可能な部分をその上に備える包装材料が提供される。磁化可能な部分の少なくとも1つは、磁界パターンを担持する磁気マークを提供する。磁界パターンは、第1の極性を有する第1の磁界ピーク、及び第2の反対の極性を有する第2の磁界ピークを備える。永久磁石によって安価に磁化することができる
【0006】
材料は、材料のウェブが巻き取られるときのロールの想像軸に対して平行な横方向、横方向に対して垂直の縦方向、及び第1のピークの中間点と磁界パターンの第2のピークとの間の想像線を規定し、磁界パターンは、想像線と縦方向との間の角度が−10°から10°の間、好ましくは−5°から5°の間、好ましくは約0°となるように構成することができる。磁気パターンのピークは、実質的に一定の磁界を磁気パターンの幅に沿って想像線に対して垂直方向に形成し、著しく減少する磁界を磁気パターンの幅の外側に想像線に対して垂直方向に形成する分布を有することができる。その幅は、少なくとも2mm、好ましくは少なくとも4mm、好ましくは少なくとも6mmとすることができる。
【0007】
第2の磁界ピークは、材料の平面内で第1のピークを取り囲み、第1の磁界ピークに対して第2の反対の極性を有するように分布させることができる。
【0008】
磁界パターンは、材料の平面内に位置を規定することができる。位置は、包装の仕上がりを強化するための前処理特徴部分に関して規定することができ、前処理特徴部分は、折れ目線、開口部、穴、包装の境界又は封止部、ウェブ開始部、ウェブの終端部、光学的マークの位置決め、包装の外側用の印刷を含む群のうちのいずれかを含む。前処理特徴部分の領域とその位置合せされる磁界マークとの間の距離は、少なくとも2mm、好ましくは少なくとも5mm、好ましくは少なくとも7mm、好ましくは少なくとも10mmである。
【0009】
形成される包装の磁気マークの少なくとも1つは、包装を形成する材料の縦縁部から、包装を形成するための材料の幅の20%以下、好ましくは5%から15%の間に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施例による包装ラミネートのウェブを示す概略図である。
【図2】ラミネート構造の一実例を示す図である。
【図3】一実施例による包装ラミネートのウェブを、磁化可能な部分の位置に関して示す概略図である。
【図4】磁化可能の部分の形状の様々な実例を示す図である。
【図5】一実施例による包装ラミネートのウェブを示す概略図である。
【図6】ラミネート構造の一実例を示す図である。
【図7】一実施例による包装ラミネートのウェブを示す概略図である。
【図8】一実施例による包装ラミネートのウェブを示す概略図である。
【図9】一実施例による磁化可能な部分を示す外略図である。
【図10a】一実施例による磁界パターンを示す図である。
【図10b】一実施例による磁界パターンを示す図である。
【図10c】一実施例による磁界パターンを示す図である。
【図11a】一実施例による磁界パターンを示す図である。
【図11b】一実施例による磁界パターンを示す図である。
【図12a】一実施例による磁界パターンの読取りを示す概略図である。
【図12b】一実施例による磁界パターンの読取りを示す概略図である。
【図12c】一実施例による磁界パターンの読取りを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、複数の磁化可能な部分102が設けられた、包装材料のウェブ100を示す。磁化可能な部分は、好ましくは、それらを印刷する際に、包装材料から形成される1つの包装104につき少なくとも1つの磁化可能な部分102が存在するように分布させられる。破線は想像線であり、包装を形成することになる複数の部分を示すことが意図される。磁気材料の消費、すなわち磁化可能なインクの消費を低減するために、磁化可能な部分は、磁気マークを位置づけることが意図される部分にスポットなどとして設けられる。磁気マークの印刷と割当てとの間の位置決めの精度が限られているので(前述の光学的マークに伴う問題と比較されたい)、スポットは、好ましくは磁気マークに必要とされる実際のサイズよりもわずかに大きい。したがって、通常の偏移には対処することができる。スポットはこうして、磁化可能な粒子を備え、磁気マークを備えることができ、以下でさらに明らかにするように、スポットの形及びサイズに応じて、より複雑な情報を変調された磁化により与えられることができる。包装材料は、好ましくはラミネートであり、又は、ポリマー材料など単層の材料である。
【0012】
図2は、梱包ラミネート200が、磁化可能な部分204の印刷を上に施すことができる紙の層202、及びプラスチックコーティング206の1つ又は複数の層を備えることができることを示す。ここでは、プラスチックコーティングという用語は、食品容器に適したポリマーを含む何らかのコーティングであると解釈されたい。梱包ラミネートはまた、金属箔の層も含むことができる。金属箔の層を通して磁気マークを書き込み、且つ読み取ることができるようにするために、金属は好ましくは、アルミニウムなど非強磁性である。磁化可能な部分の印刷は、好ましくは、層の片面上で行われ、形成される包装の内部となるところに面するラミネート上に印刷される。したがってこの印刷は、たとえば包装上の装飾又は製品情報などの外部印刷を邪魔しない。この印刷は、好ましくは、上記で明示したような磁化可能なインクを用い、乾燥したときに印刷が4μmから10μmの間、好ましくは6μmから8μmの厚さとなるように行われる。
【0013】
図3は、複数の磁化可能な部分302を備える包装材料300のウェブを示す。磁化可能な部分は、包装材料300から形成される1つの包装につき、少なくとも1つ又は複数の磁化可能な部分が存在するように分布させることができる。磁化可能な部分は、たとえば上記で示したような磁気インクによってもたらされる、磁化可能な粒子を備える。磁気可能な部分又は「スポット」は、磁気マーク及びそれが担持することになる磁気マークの意図に応じて、図4に示すように、様々な形状を有することができる。スポットは、正方形、長方形、円形、楕円形とすることができ、又はウェブの縦又は横方向に向けられる細長い形状を有することができる。スポットのサイズは、スポットが担持することになるマークのサイズに応じて選択される。好ましくは、スポットのサイズは、スポットの印刷とそれに対して設けられる磁気マークとの間の位置決めの偏移における何らかの問題を軽減するために、わずかに大きい。より大きいスポットは当然、より強い磁化力をもつことができ、情報が少ないマークの磁界を増大させるために用いることができ、そのマークは、特に厳しい信号状態における読取りがより容易になり、或いは、ウェブ又はウェブの特定の部分についての情報を担持するなど、より複雑な情報を有することになる。情報が少ないマークでは、スポットは250mm2以下の面積を有することができ、これは、正方形スポットでは1辺が約15〜16mm、又は約17〜18mmの直径を有する円形スポットに相当する。多くの応用例では、150mm2以下の面積で十分であり、いくつかの応用例では、25mm2又はさらに小さい面積で十分となることがある。複雑なデータを担持するための磁化可能な部分には、細長いスポット又はバーが適当となる可能性がある。細長い部分を、ウェブの縦方向に広がるように設けることによって、後の複雑なデータの連続的書込み及び読取りが、ウェブの製造中及び/又は包装の仕上げ中にウェブが動くときに、首尾よく可能になる。
【0014】
印刷されたスポットは好ましくは、スポット面積1m2あたり0.5gから4gの間の、一定量の磁気粒子を備える。より少ない量では、磁気情報を提供する能力が減少するおそれがあり、より多い量では、情報担持能力を改善することなく磁化可能なインクの消費が増加するだけとなるおそれがある。より高速に印刷することもまた、インクが裏移りするという問題を生じるおそれがあるため、特に高速印刷で問題となることがある。様々な条件下で情報担持能力を保証するための好ましい量は、1m2あたり1.5gから4gの間である。確実な読取り/書込み、印刷、及びインク消費の経済性のバランスをとると、1m2あたり約2gとなる。
【0015】
細長いスポット又はバーの位置は、ウェブの方向の縁から所定の距離に位置決めされ、バー内に提供されるデータは、いくつかの応用例においてウェブを位置合せするために用いることもできる。
【0016】
細長いスポット又はバーは、ウェブに沿った細長い帯状の部分とすることができ、形成される各包装につき1つの部分が存在するように、区分的に分割される。その分割は、好ましくは、磁化可能な印刷が存在しない分割位置にて、形成される包装を封止することが可能となるように位置決めされる。帯は、封止位置から所定の距離に配置されることにより、封止位置を指示する磁気マークを有することができる。
【0017】
図5は、ここでは点として図示される複数の磁化可能な部分502をその上に備える、包装材料のウェブ500を示す。ウェブ500は、たとえば食品又は液体の包装用の、複数の包装を形成することが意図される。破線は想像線であり、包装を形成することになる複数の部分を示すことが意図される。ウェブ500は、1つの包装につき少なくとも1つの磁化可能な部分を備える。こうして、包装材料から包装が形成されるとき、それぞれの包装はそれぞれ少なくとも1つの磁化可能な部分を有することになる。スポットは、好ましくは、幾何学形状、印刷、及び磁化可能なインクに関して、上記で示したものによる特徴の何らかの適当な組合せを有する。
【0018】
材料は、たとえば複数の層を備える複合ラミネートなどのラミネートとすることができ、それぞれの層は、最終的な包装に所望の特性をもたらすために選択される。たとえば紙の層を水分から保護するため、最終的な包装を扱うことを容易にし、環境への露出に強くするため、且つ/又は単に最終的な包装の外見をよりよくするために、たとえばさらなるポリマー層610を設けることができる。ラミネートはまた、それが最終的な包装に所望の特性をもたらす場合、ラミネートと称されてはいるが、単一のポリマー層など単一の層を含むこともできる。ラミネート600は、図6に示すように、紙の第1の層602及びプラスチック被覆の第2の層604を備えることができる。次いで磁化可能な部分は、たとえばスポットの形、又は幾何学形状に関して上記で示したような他の形状の、紙の層上に作り出される印刷608とすることができる。金属箔の第3の層606など、さらなる層が存在する可能性もある。最終的な包装の望ましい特性をもたらすために、異なる材料のさらなる又はより少ない層を設けることができる。ラミネートが金属箔層606を備える場合、ラミネートは、磁気的に記憶された情報及び/又は位置の印刷及び読取りのために、磁化可能な部分が金属箔を通して電磁的にアクセス可能となるように、好ましくはアルミニウムなど非強磁性金属で製作される。
【0019】
それぞれの包装上に存在する少なくともいくつかのスポットは、最終的な包装の外側から見えないように印刷される。その理由はたとえば、包装の外側が、装飾及び/又は製品情報用に利用可能であるべきであるというものである。すなわち印刷は、好ましくは、包装の内側に面することが意図されるウェブの面上、又は少なくとも、上記のような紙の層など、包装の内側に面することが意図される適当な層上に施される。
【0020】
図7は、複数の磁化可能な部分702をその上に備える、包装ラミネートのウェブ700を示す。ウェブ700は、包装ラミネートから形成される1つの包装につき、少なくとも1つのスポットを備える。さらに、包装の仕上げをより良くするための少なくとも1つの前処理特徴部分が、ウェブに設けられる。少なくとも1つの前処理特徴部分は、少なくとも1つの磁化可能な部分内の磁界マークと位置合せされる。たとえば、図7に示すように、包装の迅速且つ信頼性の高い仕上げを可能にするために、折れ目線がウェブ内に作られる。折れ目線を製作するときに、マークは、折れ目線の製作と同時に、磁化可能な部分内に所定の磁界として形成される。折れ目線を製作するための機構、すなわちパターン化された溝/突起を有するローラは、磁化要素を備えることができる。これにより磁気マークは折れ目線製作動作と確実に位置合せされる。磁化要素は、磁界マークを設けるための永久磁石又は電磁石とすることができる。折り目ローラの円周に設けられた磁石が磁化可能な部分のごく付近にくるとき、磁化可能な部分の磁化可能な粒子が磁化され、磁界パターンが磁化可能な部分に残る。こうして、磁界マークが設けられる。好ましくは、磁化可能な部分は、磁界マーク、すなわち残っている磁性を有する磁化可能な部分の幾何学的サイズよりも、わずかに大きい。したがって、磁化可能な部分自体の印刷ではなく、磁界マークが正確な位置を提供する要素となるので、磁化可能な部分の位置合せは極めて重大な問題ではなくなる。適当な磁気パターンを設けることにより、以下で議論するように、正確な磁界マークを正確に読み取ることもできる。
【0021】
前処理特徴部分は、折れ目線を設ける以外に、開口部、穴などを設けて形成することもできる。位置合せは同じ原理に従い、すなわち、位置合せが構造により固有となるように、磁化する部分は前処理特徴部分を設ける機構に設けられる。
【0022】
前処理特徴部分を実行する機構内に磁化要素を適用することにより、いくつかの問題が生じることがある。磁化要素はたとえば、前処理特徴部分が、折れ目線の形成又は穴のパンチングなど包装ラミネートとの機械的相互作用を要求する位置に設けることができない場合がある。したがって、好ましくは、そのような前処理特徴部分とその位置合せされる磁界マークとの間に距離を設ける。さらに、上述のような相互作用を実行するツールを、強磁性材料で製作することができる。磁界マークの適用を改善するために、距離をさらに増大することができるアルミニウムなど非強磁性材料製の保持又は取付け手段を、磁化要素に設けることが必要となることがある。こうして、前処理特徴部分の動作、及びそれを実行するツールに応じて、距離は好ましくは、たとえば少なくとも5mm、少なくとも7mm、又は少なくとも10mmとなる。
【0023】
特徴部分の前処理を実行するいくつかの作業において、そのようなそれぞれの動作がその位置合せされた磁界マークを有することが好ましい。それらの様々な磁界マークは、それぞれ好ましくは、動作のための位置内に適合されたそれぞれの磁化可能な部分内に製作される。いくつかの動作が相互作用することがあるので、1つの動作は、別の動作によりマスターマークとして製作された磁界マークを用いることができ、又は、いかなる特徴部分の前処理動作とも固有に位置合せされない、ある専用のマスターマークを設けることができ、そのマークは、後に実行される動作によって参照するためにのみ使用される。
【0024】
他の磁界マークは、複雑なデータを保持することができ、たとえば長い長方形スポット、すなわち帯(ストリップ)として設けることができる。帯は、包装を仕上げるときに切断されることが意図される部分で中断され、又は中断されずに、ウェブ全体に沿って設けることができる。複雑なデータを保持する磁界マークは、たとえば、固有のコードを提供することができ、そこからウェブ及びウェブの一部も識別することができる。複雑なデータはまた、位置情報、包装を仕上げるための指示などを与えることもできる。
【0025】
図8は、ウェブ800の一例を示し、ウェブ800は、折れ目線802と、位置合せされた磁界マークによる折れ目線のための位置情報を保持する、磁化可能な部分804とを備える。ウェブ800はまた、形成される各包装用のパンチングされた穴806、及び、位置合せされた磁界マークによる、それぞれのパンチングされた穴806のための位置情報を保持する磁化可能な部分808も備える。この磁界マークは、たとえば、再び閉じることができる開口部を、完成時に包装上に成形するときに使用することができる。ウェブ800はまた、たとえば上記で説明したような複雑なデータを保持する、帯810を備える。
【0026】
さらなる位置情報は、動作がウェブを分割して包装を形成する部分にするため、又はそれぞれの包装を封止するための、包装の境界又は封止部とすることができる。
【0027】
磁化可能な部分が保持することができるさらなる位置情報は、ウェブの接合時に接合部を位置合せすることができるように、包装材料のウェブの端部、すなわちウェブの開始部及び/又はウェブの終端部にある磁気位置マークである。
【0028】
さらなる位置情報は、光学的マークの位置決めであり、これは、位置決め情報の光学的読取り又は磁気的読取りのいずれかを有する包装機械のために、有益な互換性となることがある。好ましくは、この情報を保持するスポットの位置は、光学的マークと同様に、ただし包装の内側となることが意図される面上に配置される。光学的マークは通常、包装の底部を形成することが意図される部分上に設けられるので、対応する磁化可能な部分が、それに応じて位置決めされる。この磁化可能な部分における磁気マークは、光学的マークと同様の情報を提供することができるようにされ、包装機械の光学的読取器は、磁気的読取器で単純に置き換えることができる。実際には、光学的読取器が磁気的読取器で置き換えられ、磁気マークが上記のように光学的マークに置き換わる場合、光学的マークは不必要である。その場合、包装機械内の読取器の取付け位置が同じであるという意味で互換性がある。
【0029】
さらなる位置情報は、包装の外側用の印刷のためのものとすることができる。この位置情報は、印刷と、包装及び包装の他の特徴部分の前処理とを、確実に正しく位置合せするために有益となる可能性がある。
【0030】
磁界マークを製作する際に、磁界マークを書き込む手段、たとえば永久磁石又はコイル構成が、互いにほとんど又は全く相対運動をせず、又は磁化可能な部分に対して少なくともほぼ一定の相対運動をすることが有益となる場合がある。これは、たとえば折れ目線を製作するためのローラなどと書込み手段を一体化することによって達成され、ローラの円周とウェブが同じ速度で同じ方向に動くので、相対運動が存在しない。相対運動を全く又はほとんど生じない、或いは磁化可能な部分に対して少なくともほぼ一定の相対運動を生じる別の方法は、書込みの位置の運動を制御することである。これは、この位置での速度を、ウェブの速度と無関係にその位置の前後で制御することができるように、書込み位置の前後の両方にウェブのたるんだ部分を有することによって行うことができる。たるみは、ウェブを波形通路に沿って動かすことにより実現することができ、波のサイズは、様々なたるみをもたらすように調整可能である。こうして、書込み動作中に、書込み位置にて速度を制御することができ、ウェブは、書込み動作の間に、ウェブの平均速度に適合するように加速又は減速される。
【0031】
形成されるそれぞれの包装のスポットの少なくとも1つは、包装を形成する材料の縦縁部から、包装を形成する材料の幅の20%以下、好ましくは5%から15%の間に位置決めすることができる。そのようなスポットでの磁界マークは、次いで、包装を形成するときに材料のねじりを制御するために使用することができる。包装の形成は、通常、ある種の管によって行われ、これは次いで、なんらかのやり方でその端部で封止され、所望の形状に形成される。管はその後、不本意にねじられる可能性があり、それにより包装の形成が損なわれるおそれがある。したがって、そのような磁界マークは、包装を確実に形成するために、管のいかなるねじりの制御も助けることができる。これらの磁気マークを、管を形成するために接合される縦縁部の比較的近くに有することにより、磁界マークの読取りを包装の接合が行われる面から行うことができるので、制御がさらに向上する。
【0032】
複数の磁化可能な部分をその上に備える包装材料について考えると、包装材料から形成される1つの包装につき少なくとも1つのスポットが含まれ、磁化可能な部分の少なくとも1つは、磁界パターンを担持する磁気マークを提供することができる。こうして、磁気マークは、情報担体となる。担持される情報は、それがウェブ上の特定の位置上に製作されるという意味で幾何学的であり、材料の製造から包装の仕上げまでの様々な工程ステップを通じて維持される。この情報はまた、磁界のパターンの意味であり、このパターンは、信頼性の高い位置検出のためのパターンとすることができる。
【0033】
磁化可能な部分902を有する包装材料のウェブ900の一部を図示する図9を参照しながら、磁界パターンのいくつかの例について議論する。ウェブが巻き取られるときのローラの想像軸に対して平行に規定される横方向T、及び横方向に対して垂直な縦方向Lを規定することができ、横断線t1及びt2が、図10及び図11における例示的な磁界を図示するために割り当てられる。
【0034】
磁界パターンは、第1の極性を有する第1の磁界ピーク、及び第2の反対の極性を有する第2の磁界ピークを備える。図10は、この一例を示し、図10aは、縦方向Lに沿った磁界パターンを示す図であり、図10bは、線t1に沿った磁界パターンを示す図であり、図10cは、線t2に沿った磁界パターンを示す図である。そのような磁界パターンは、磁気マークの適用中に磁化可能な部分の付近に配置される、N極及びS極を有する永久磁石など単一の磁石によって実現することができ、磁化可能な部分の磁気インクの磁気粒子に残る磁界は、たとえば、図10に示すもののようになる。縦方向L内の位置は、次いで、好ましくは磁界の移動を観察することによって検出され、これにより、縦方向Lにおける非常に正確な位置指示がもたらされる。横方向Tにおける位置は、好ましくは、たとえば差動測定技術などにより磁界の側面を観察することによって検出され、横方向Tにおける正確な追跡を可能にする。
【0035】
図10に示されるパターンは、方向T及びLと完全に位置合せされる。ただし、そのような完全な位置合せは必ずしも必要ではない。磁界パターンの第1のピークの中間点及び第2のピークの間の想像線について考えると、磁界パターンは、想像線と縦方向Lとの間の角度が−10°から10°の間となるように構成することができる。好ましい実施例では、角度は−5°から5°の間である。ただし、多くの応用例では、図10に示すように、角度は好ましくは約0°である。磁気パターンのピークは、たとえば図10b及び図10cに示すように、ほぼ一定の磁界を磁気パターンの幅に沿って想像線に対して垂直方向に形成し、著しく減少する磁界を磁気パターンの幅の外側に想像線に対して垂直方向に形成する分布を有する。この幅は、干渉なしで側面の検出を可能にするためには、好ましくは少なくとも2mmである。信頼性をより高めるためには、この幅は、好ましくは少なくとも4mmであり、いくつかの応用例では、好ましくは少なくとも6mmである。
【0036】
図11に示すような、磁界パターンの構成の別の実施例によれば、磁界パターンは、第1の極性を有する第1の磁界ピークと、及び第1のピークを取り囲むように分布し第2の反対の極性を有する、第2の磁界ピークとを有する。方向T及びLのこの磁界パターンを観察することで、磁界パターンの線対称特性が示される。こうして、同じ原則に従う検出を、いかなる方向にも行うことができる。たとえば、様々な測定技術を用いて、磁界の2つのゼロ交差を観察することができる。別の例は、単純に、磁界パターンの主な中央ピークを観察することである。
【0037】
実際は、磁気マークを読み取るとき、コイル構成など読取り手段は包装材料を相対的に通過し、その極を相対運動の方向に有する図12aに示すような磁気マークからの磁界線は、図12bに示すような読取りをもたらす。相対運動の方向にわずかに離隔された2つの読取り手段を設けることにより、及びそれらから差分信号を取ることにより、読取りは、代わりに図12cに示すようなものになる。この読取りから、誤差を生じにくい位置検出の結果を得ることができる。また、図12aに示すもののような磁気マークは、材料に対する磁気マークの極性の方向を選択することにより、1ビットの情報を提供するように構成することができる。読取りは次いで、全く同様に、図12b及び図12cの図と比較される。1ビットの情報は、たとえば、磁気マークが位置合せされる材料の前処理特徴部分のタイプを指示することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば食品包装を形成するための、磁化可能な部分を備える包装材料に関する。
【背景技術】
【0002】
1つの包装材料から包装容器が形成される包装技術では、包装材料を、包装前又は包装中に形成されて包装容器になるウェブとして提供することが知られている。形成、封止、折畳みなど、包装を仕上げるときの作業を誘導するために、たとえば光学的に読み取るための誘導マークが設けられてきた。そのような誘導マークは、見当マークと呼ばれることがある。光学的な読取り用の見当マークは、包装材料の印刷中に設けられ、そこでたとえば、装飾又は製品情報が包装ラミネート上に印刷される。そのような見当マークに関する問題は、包装の外側となる無視できない面積をこのマークが使用することである。さらなる問題は、そのような見当マークは、その印刷が、ウェブ上で実行される他の動作と良好に位置合せされる必要があることである。したがって、包装材料のウェブのマーク付けを改善して行うことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許EP705759A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、包装材料上に磁気マークを設けることができるという理解に基づく。梱包材料内の磁気記録媒体内に情報を記憶させることが、たとえば欧州特許EP705759A1において提案された。本開示では、ウェブから形成される意図される包装1つにつき1つ又は複数のスポットがウェブ上に形成され、スポットは、磁気マーキングが可能となるように磁化可能な粒子を備えることが提案される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、包装材料から形成される1つの包装につき少なくとも1つのスポットを備える、複数の磁化可能な部分をその上に備える包装材料が提供される。磁化可能な部分の少なくとも1つは、磁界パターンを担持する磁気マークを提供する。磁界パターンは、第1の極性を有する第1の磁界ピーク、及び第2の反対の極性を有する第2の磁界ピークを備える。永久磁石によって安価に磁化することができる
【0006】
材料は、材料のウェブが巻き取られるときのロールの想像軸に対して平行な横方向、横方向に対して垂直の縦方向、及び第1のピークの中間点と磁界パターンの第2のピークとの間の想像線を規定し、磁界パターンは、想像線と縦方向との間の角度が−10°から10°の間、好ましくは−5°から5°の間、好ましくは約0°となるように構成することができる。磁気パターンのピークは、実質的に一定の磁界を磁気パターンの幅に沿って想像線に対して垂直方向に形成し、著しく減少する磁界を磁気パターンの幅の外側に想像線に対して垂直方向に形成する分布を有することができる。その幅は、少なくとも2mm、好ましくは少なくとも4mm、好ましくは少なくとも6mmとすることができる。
【0007】
第2の磁界ピークは、材料の平面内で第1のピークを取り囲み、第1の磁界ピークに対して第2の反対の極性を有するように分布させることができる。
【0008】
磁界パターンは、材料の平面内に位置を規定することができる。位置は、包装の仕上がりを強化するための前処理特徴部分に関して規定することができ、前処理特徴部分は、折れ目線、開口部、穴、包装の境界又は封止部、ウェブ開始部、ウェブの終端部、光学的マークの位置決め、包装の外側用の印刷を含む群のうちのいずれかを含む。前処理特徴部分の領域とその位置合せされる磁界マークとの間の距離は、少なくとも2mm、好ましくは少なくとも5mm、好ましくは少なくとも7mm、好ましくは少なくとも10mmである。
【0009】
形成される包装の磁気マークの少なくとも1つは、包装を形成する材料の縦縁部から、包装を形成するための材料の幅の20%以下、好ましくは5%から15%の間に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施例による包装ラミネートのウェブを示す概略図である。
【図2】ラミネート構造の一実例を示す図である。
【図3】一実施例による包装ラミネートのウェブを、磁化可能な部分の位置に関して示す概略図である。
【図4】磁化可能の部分の形状の様々な実例を示す図である。
【図5】一実施例による包装ラミネートのウェブを示す概略図である。
【図6】ラミネート構造の一実例を示す図である。
【図7】一実施例による包装ラミネートのウェブを示す概略図である。
【図8】一実施例による包装ラミネートのウェブを示す概略図である。
【図9】一実施例による磁化可能な部分を示す外略図である。
【図10a】一実施例による磁界パターンを示す図である。
【図10b】一実施例による磁界パターンを示す図である。
【図10c】一実施例による磁界パターンを示す図である。
【図11a】一実施例による磁界パターンを示す図である。
【図11b】一実施例による磁界パターンを示す図である。
【図12a】一実施例による磁界パターンの読取りを示す概略図である。
【図12b】一実施例による磁界パターンの読取りを示す概略図である。
【図12c】一実施例による磁界パターンの読取りを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、複数の磁化可能な部分102が設けられた、包装材料のウェブ100を示す。磁化可能な部分は、好ましくは、それらを印刷する際に、包装材料から形成される1つの包装104につき少なくとも1つの磁化可能な部分102が存在するように分布させられる。破線は想像線であり、包装を形成することになる複数の部分を示すことが意図される。磁気材料の消費、すなわち磁化可能なインクの消費を低減するために、磁化可能な部分は、磁気マークを位置づけることが意図される部分にスポットなどとして設けられる。磁気マークの印刷と割当てとの間の位置決めの精度が限られているので(前述の光学的マークに伴う問題と比較されたい)、スポットは、好ましくは磁気マークに必要とされる実際のサイズよりもわずかに大きい。したがって、通常の偏移には対処することができる。スポットはこうして、磁化可能な粒子を備え、磁気マークを備えることができ、以下でさらに明らかにするように、スポットの形及びサイズに応じて、より複雑な情報を変調された磁化により与えられることができる。包装材料は、好ましくはラミネートであり、又は、ポリマー材料など単層の材料である。
【0012】
図2は、梱包ラミネート200が、磁化可能な部分204の印刷を上に施すことができる紙の層202、及びプラスチックコーティング206の1つ又は複数の層を備えることができることを示す。ここでは、プラスチックコーティングという用語は、食品容器に適したポリマーを含む何らかのコーティングであると解釈されたい。梱包ラミネートはまた、金属箔の層も含むことができる。金属箔の層を通して磁気マークを書き込み、且つ読み取ることができるようにするために、金属は好ましくは、アルミニウムなど非強磁性である。磁化可能な部分の印刷は、好ましくは、層の片面上で行われ、形成される包装の内部となるところに面するラミネート上に印刷される。したがってこの印刷は、たとえば包装上の装飾又は製品情報などの外部印刷を邪魔しない。この印刷は、好ましくは、上記で明示したような磁化可能なインクを用い、乾燥したときに印刷が4μmから10μmの間、好ましくは6μmから8μmの厚さとなるように行われる。
【0013】
図3は、複数の磁化可能な部分302を備える包装材料300のウェブを示す。磁化可能な部分は、包装材料300から形成される1つの包装につき、少なくとも1つ又は複数の磁化可能な部分が存在するように分布させることができる。磁化可能な部分は、たとえば上記で示したような磁気インクによってもたらされる、磁化可能な粒子を備える。磁気可能な部分又は「スポット」は、磁気マーク及びそれが担持することになる磁気マークの意図に応じて、図4に示すように、様々な形状を有することができる。スポットは、正方形、長方形、円形、楕円形とすることができ、又はウェブの縦又は横方向に向けられる細長い形状を有することができる。スポットのサイズは、スポットが担持することになるマークのサイズに応じて選択される。好ましくは、スポットのサイズは、スポットの印刷とそれに対して設けられる磁気マークとの間の位置決めの偏移における何らかの問題を軽減するために、わずかに大きい。より大きいスポットは当然、より強い磁化力をもつことができ、情報が少ないマークの磁界を増大させるために用いることができ、そのマークは、特に厳しい信号状態における読取りがより容易になり、或いは、ウェブ又はウェブの特定の部分についての情報を担持するなど、より複雑な情報を有することになる。情報が少ないマークでは、スポットは250mm2以下の面積を有することができ、これは、正方形スポットでは1辺が約15〜16mm、又は約17〜18mmの直径を有する円形スポットに相当する。多くの応用例では、150mm2以下の面積で十分であり、いくつかの応用例では、25mm2又はさらに小さい面積で十分となることがある。複雑なデータを担持するための磁化可能な部分には、細長いスポット又はバーが適当となる可能性がある。細長い部分を、ウェブの縦方向に広がるように設けることによって、後の複雑なデータの連続的書込み及び読取りが、ウェブの製造中及び/又は包装の仕上げ中にウェブが動くときに、首尾よく可能になる。
【0014】
印刷されたスポットは好ましくは、スポット面積1m2あたり0.5gから4gの間の、一定量の磁気粒子を備える。より少ない量では、磁気情報を提供する能力が減少するおそれがあり、より多い量では、情報担持能力を改善することなく磁化可能なインクの消費が増加するだけとなるおそれがある。より高速に印刷することもまた、インクが裏移りするという問題を生じるおそれがあるため、特に高速印刷で問題となることがある。様々な条件下で情報担持能力を保証するための好ましい量は、1m2あたり1.5gから4gの間である。確実な読取り/書込み、印刷、及びインク消費の経済性のバランスをとると、1m2あたり約2gとなる。
【0015】
細長いスポット又はバーの位置は、ウェブの方向の縁から所定の距離に位置決めされ、バー内に提供されるデータは、いくつかの応用例においてウェブを位置合せするために用いることもできる。
【0016】
細長いスポット又はバーは、ウェブに沿った細長い帯状の部分とすることができ、形成される各包装につき1つの部分が存在するように、区分的に分割される。その分割は、好ましくは、磁化可能な印刷が存在しない分割位置にて、形成される包装を封止することが可能となるように位置決めされる。帯は、封止位置から所定の距離に配置されることにより、封止位置を指示する磁気マークを有することができる。
【0017】
図5は、ここでは点として図示される複数の磁化可能な部分502をその上に備える、包装材料のウェブ500を示す。ウェブ500は、たとえば食品又は液体の包装用の、複数の包装を形成することが意図される。破線は想像線であり、包装を形成することになる複数の部分を示すことが意図される。ウェブ500は、1つの包装につき少なくとも1つの磁化可能な部分を備える。こうして、包装材料から包装が形成されるとき、それぞれの包装はそれぞれ少なくとも1つの磁化可能な部分を有することになる。スポットは、好ましくは、幾何学形状、印刷、及び磁化可能なインクに関して、上記で示したものによる特徴の何らかの適当な組合せを有する。
【0018】
材料は、たとえば複数の層を備える複合ラミネートなどのラミネートとすることができ、それぞれの層は、最終的な包装に所望の特性をもたらすために選択される。たとえば紙の層を水分から保護するため、最終的な包装を扱うことを容易にし、環境への露出に強くするため、且つ/又は単に最終的な包装の外見をよりよくするために、たとえばさらなるポリマー層610を設けることができる。ラミネートはまた、それが最終的な包装に所望の特性をもたらす場合、ラミネートと称されてはいるが、単一のポリマー層など単一の層を含むこともできる。ラミネート600は、図6に示すように、紙の第1の層602及びプラスチック被覆の第2の層604を備えることができる。次いで磁化可能な部分は、たとえばスポットの形、又は幾何学形状に関して上記で示したような他の形状の、紙の層上に作り出される印刷608とすることができる。金属箔の第3の層606など、さらなる層が存在する可能性もある。最終的な包装の望ましい特性をもたらすために、異なる材料のさらなる又はより少ない層を設けることができる。ラミネートが金属箔層606を備える場合、ラミネートは、磁気的に記憶された情報及び/又は位置の印刷及び読取りのために、磁化可能な部分が金属箔を通して電磁的にアクセス可能となるように、好ましくはアルミニウムなど非強磁性金属で製作される。
【0019】
それぞれの包装上に存在する少なくともいくつかのスポットは、最終的な包装の外側から見えないように印刷される。その理由はたとえば、包装の外側が、装飾及び/又は製品情報用に利用可能であるべきであるというものである。すなわち印刷は、好ましくは、包装の内側に面することが意図されるウェブの面上、又は少なくとも、上記のような紙の層など、包装の内側に面することが意図される適当な層上に施される。
【0020】
図7は、複数の磁化可能な部分702をその上に備える、包装ラミネートのウェブ700を示す。ウェブ700は、包装ラミネートから形成される1つの包装につき、少なくとも1つのスポットを備える。さらに、包装の仕上げをより良くするための少なくとも1つの前処理特徴部分が、ウェブに設けられる。少なくとも1つの前処理特徴部分は、少なくとも1つの磁化可能な部分内の磁界マークと位置合せされる。たとえば、図7に示すように、包装の迅速且つ信頼性の高い仕上げを可能にするために、折れ目線がウェブ内に作られる。折れ目線を製作するときに、マークは、折れ目線の製作と同時に、磁化可能な部分内に所定の磁界として形成される。折れ目線を製作するための機構、すなわちパターン化された溝/突起を有するローラは、磁化要素を備えることができる。これにより磁気マークは折れ目線製作動作と確実に位置合せされる。磁化要素は、磁界マークを設けるための永久磁石又は電磁石とすることができる。折り目ローラの円周に設けられた磁石が磁化可能な部分のごく付近にくるとき、磁化可能な部分の磁化可能な粒子が磁化され、磁界パターンが磁化可能な部分に残る。こうして、磁界マークが設けられる。好ましくは、磁化可能な部分は、磁界マーク、すなわち残っている磁性を有する磁化可能な部分の幾何学的サイズよりも、わずかに大きい。したがって、磁化可能な部分自体の印刷ではなく、磁界マークが正確な位置を提供する要素となるので、磁化可能な部分の位置合せは極めて重大な問題ではなくなる。適当な磁気パターンを設けることにより、以下で議論するように、正確な磁界マークを正確に読み取ることもできる。
【0021】
前処理特徴部分は、折れ目線を設ける以外に、開口部、穴などを設けて形成することもできる。位置合せは同じ原理に従い、すなわち、位置合せが構造により固有となるように、磁化する部分は前処理特徴部分を設ける機構に設けられる。
【0022】
前処理特徴部分を実行する機構内に磁化要素を適用することにより、いくつかの問題が生じることがある。磁化要素はたとえば、前処理特徴部分が、折れ目線の形成又は穴のパンチングなど包装ラミネートとの機械的相互作用を要求する位置に設けることができない場合がある。したがって、好ましくは、そのような前処理特徴部分とその位置合せされる磁界マークとの間に距離を設ける。さらに、上述のような相互作用を実行するツールを、強磁性材料で製作することができる。磁界マークの適用を改善するために、距離をさらに増大することができるアルミニウムなど非強磁性材料製の保持又は取付け手段を、磁化要素に設けることが必要となることがある。こうして、前処理特徴部分の動作、及びそれを実行するツールに応じて、距離は好ましくは、たとえば少なくとも5mm、少なくとも7mm、又は少なくとも10mmとなる。
【0023】
特徴部分の前処理を実行するいくつかの作業において、そのようなそれぞれの動作がその位置合せされた磁界マークを有することが好ましい。それらの様々な磁界マークは、それぞれ好ましくは、動作のための位置内に適合されたそれぞれの磁化可能な部分内に製作される。いくつかの動作が相互作用することがあるので、1つの動作は、別の動作によりマスターマークとして製作された磁界マークを用いることができ、又は、いかなる特徴部分の前処理動作とも固有に位置合せされない、ある専用のマスターマークを設けることができ、そのマークは、後に実行される動作によって参照するためにのみ使用される。
【0024】
他の磁界マークは、複雑なデータを保持することができ、たとえば長い長方形スポット、すなわち帯(ストリップ)として設けることができる。帯は、包装を仕上げるときに切断されることが意図される部分で中断され、又は中断されずに、ウェブ全体に沿って設けることができる。複雑なデータを保持する磁界マークは、たとえば、固有のコードを提供することができ、そこからウェブ及びウェブの一部も識別することができる。複雑なデータはまた、位置情報、包装を仕上げるための指示などを与えることもできる。
【0025】
図8は、ウェブ800の一例を示し、ウェブ800は、折れ目線802と、位置合せされた磁界マークによる折れ目線のための位置情報を保持する、磁化可能な部分804とを備える。ウェブ800はまた、形成される各包装用のパンチングされた穴806、及び、位置合せされた磁界マークによる、それぞれのパンチングされた穴806のための位置情報を保持する磁化可能な部分808も備える。この磁界マークは、たとえば、再び閉じることができる開口部を、完成時に包装上に成形するときに使用することができる。ウェブ800はまた、たとえば上記で説明したような複雑なデータを保持する、帯810を備える。
【0026】
さらなる位置情報は、動作がウェブを分割して包装を形成する部分にするため、又はそれぞれの包装を封止するための、包装の境界又は封止部とすることができる。
【0027】
磁化可能な部分が保持することができるさらなる位置情報は、ウェブの接合時に接合部を位置合せすることができるように、包装材料のウェブの端部、すなわちウェブの開始部及び/又はウェブの終端部にある磁気位置マークである。
【0028】
さらなる位置情報は、光学的マークの位置決めであり、これは、位置決め情報の光学的読取り又は磁気的読取りのいずれかを有する包装機械のために、有益な互換性となることがある。好ましくは、この情報を保持するスポットの位置は、光学的マークと同様に、ただし包装の内側となることが意図される面上に配置される。光学的マークは通常、包装の底部を形成することが意図される部分上に設けられるので、対応する磁化可能な部分が、それに応じて位置決めされる。この磁化可能な部分における磁気マークは、光学的マークと同様の情報を提供することができるようにされ、包装機械の光学的読取器は、磁気的読取器で単純に置き換えることができる。実際には、光学的読取器が磁気的読取器で置き換えられ、磁気マークが上記のように光学的マークに置き換わる場合、光学的マークは不必要である。その場合、包装機械内の読取器の取付け位置が同じであるという意味で互換性がある。
【0029】
さらなる位置情報は、包装の外側用の印刷のためのものとすることができる。この位置情報は、印刷と、包装及び包装の他の特徴部分の前処理とを、確実に正しく位置合せするために有益となる可能性がある。
【0030】
磁界マークを製作する際に、磁界マークを書き込む手段、たとえば永久磁石又はコイル構成が、互いにほとんど又は全く相対運動をせず、又は磁化可能な部分に対して少なくともほぼ一定の相対運動をすることが有益となる場合がある。これは、たとえば折れ目線を製作するためのローラなどと書込み手段を一体化することによって達成され、ローラの円周とウェブが同じ速度で同じ方向に動くので、相対運動が存在しない。相対運動を全く又はほとんど生じない、或いは磁化可能な部分に対して少なくともほぼ一定の相対運動を生じる別の方法は、書込みの位置の運動を制御することである。これは、この位置での速度を、ウェブの速度と無関係にその位置の前後で制御することができるように、書込み位置の前後の両方にウェブのたるんだ部分を有することによって行うことができる。たるみは、ウェブを波形通路に沿って動かすことにより実現することができ、波のサイズは、様々なたるみをもたらすように調整可能である。こうして、書込み動作中に、書込み位置にて速度を制御することができ、ウェブは、書込み動作の間に、ウェブの平均速度に適合するように加速又は減速される。
【0031】
形成されるそれぞれの包装のスポットの少なくとも1つは、包装を形成する材料の縦縁部から、包装を形成する材料の幅の20%以下、好ましくは5%から15%の間に位置決めすることができる。そのようなスポットでの磁界マークは、次いで、包装を形成するときに材料のねじりを制御するために使用することができる。包装の形成は、通常、ある種の管によって行われ、これは次いで、なんらかのやり方でその端部で封止され、所望の形状に形成される。管はその後、不本意にねじられる可能性があり、それにより包装の形成が損なわれるおそれがある。したがって、そのような磁界マークは、包装を確実に形成するために、管のいかなるねじりの制御も助けることができる。これらの磁気マークを、管を形成するために接合される縦縁部の比較的近くに有することにより、磁界マークの読取りを包装の接合が行われる面から行うことができるので、制御がさらに向上する。
【0032】
複数の磁化可能な部分をその上に備える包装材料について考えると、包装材料から形成される1つの包装につき少なくとも1つのスポットが含まれ、磁化可能な部分の少なくとも1つは、磁界パターンを担持する磁気マークを提供することができる。こうして、磁気マークは、情報担体となる。担持される情報は、それがウェブ上の特定の位置上に製作されるという意味で幾何学的であり、材料の製造から包装の仕上げまでの様々な工程ステップを通じて維持される。この情報はまた、磁界のパターンの意味であり、このパターンは、信頼性の高い位置検出のためのパターンとすることができる。
【0033】
磁化可能な部分902を有する包装材料のウェブ900の一部を図示する図9を参照しながら、磁界パターンのいくつかの例について議論する。ウェブが巻き取られるときのローラの想像軸に対して平行に規定される横方向T、及び横方向に対して垂直な縦方向Lを規定することができ、横断線t1及びt2が、図10及び図11における例示的な磁界を図示するために割り当てられる。
【0034】
磁界パターンは、第1の極性を有する第1の磁界ピーク、及び第2の反対の極性を有する第2の磁界ピークを備える。図10は、この一例を示し、図10aは、縦方向Lに沿った磁界パターンを示す図であり、図10bは、線t1に沿った磁界パターンを示す図であり、図10cは、線t2に沿った磁界パターンを示す図である。そのような磁界パターンは、磁気マークの適用中に磁化可能な部分の付近に配置される、N極及びS極を有する永久磁石など単一の磁石によって実現することができ、磁化可能な部分の磁気インクの磁気粒子に残る磁界は、たとえば、図10に示すもののようになる。縦方向L内の位置は、次いで、好ましくは磁界の移動を観察することによって検出され、これにより、縦方向Lにおける非常に正確な位置指示がもたらされる。横方向Tにおける位置は、好ましくは、たとえば差動測定技術などにより磁界の側面を観察することによって検出され、横方向Tにおける正確な追跡を可能にする。
【0035】
図10に示されるパターンは、方向T及びLと完全に位置合せされる。ただし、そのような完全な位置合せは必ずしも必要ではない。磁界パターンの第1のピークの中間点及び第2のピークの間の想像線について考えると、磁界パターンは、想像線と縦方向Lとの間の角度が−10°から10°の間となるように構成することができる。好ましい実施例では、角度は−5°から5°の間である。ただし、多くの応用例では、図10に示すように、角度は好ましくは約0°である。磁気パターンのピークは、たとえば図10b及び図10cに示すように、ほぼ一定の磁界を磁気パターンの幅に沿って想像線に対して垂直方向に形成し、著しく減少する磁界を磁気パターンの幅の外側に想像線に対して垂直方向に形成する分布を有する。この幅は、干渉なしで側面の検出を可能にするためには、好ましくは少なくとも2mmである。信頼性をより高めるためには、この幅は、好ましくは少なくとも4mmであり、いくつかの応用例では、好ましくは少なくとも6mmである。
【0036】
図11に示すような、磁界パターンの構成の別の実施例によれば、磁界パターンは、第1の極性を有する第1の磁界ピークと、及び第1のピークを取り囲むように分布し第2の反対の極性を有する、第2の磁界ピークとを有する。方向T及びLのこの磁界パターンを観察することで、磁界パターンの線対称特性が示される。こうして、同じ原則に従う検出を、いかなる方向にも行うことができる。たとえば、様々な測定技術を用いて、磁界の2つのゼロ交差を観察することができる。別の例は、単純に、磁界パターンの主な中央ピークを観察することである。
【0037】
実際は、磁気マークを読み取るとき、コイル構成など読取り手段は包装材料を相対的に通過し、その極を相対運動の方向に有する図12aに示すような磁気マークからの磁界線は、図12bに示すような読取りをもたらす。相対運動の方向にわずかに離隔された2つの読取り手段を設けることにより、及びそれらから差分信号を取ることにより、読取りは、代わりに図12cに示すようなものになる。この読取りから、誤差を生じにくい位置検出の結果を得ることができる。また、図12aに示すもののような磁気マークは、材料に対する磁気マークの極性の方向を選択することにより、1ビットの情報を提供するように構成することができる。読取りは次いで、全く同様に、図12b及び図12cの図と比較される。1ビットの情報は、たとえば、磁気マークが位置合せされる材料の前処理特徴部分のタイプを指示することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の磁化可能な部分をその上に備える包装材料であって、前記包装材料から形成される1つの包装につき少なくとも1つのスポットを備え、前記磁化可能な部分の少なくとも1つが、磁界パターンを担持する磁気マークを提供し、前記磁界パターンが、第1の極性を有する第1の磁界ピーク及び第2の反対の極性を有する第2の磁界ピークを備える、材料。
【請求項2】
前記包装の底部と頂部を連結するフランジ又はジョイントと平行に規定される縦方向、前記縦方向に対して垂直の横方向、及び前記第1のピークの中間点と前記磁界パターンの前記第2のピークとの間の想像線を備え、前記想像線と前記縦方向との間の角度が−10°から10°の間、好ましくは−5°から5°の間、好ましくは約0°となるように前記磁界パターンが構成される、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
前記磁気パターンの前記ピークが、実質的に一定の磁界強度を前記磁気パターンの幅に沿って前記想像線に対して垂直方向に形成し、著しく減少する磁界強度を前記磁気パターンの前記幅の外側に前記想像線に対して前記垂直方向に形成する分布を有する、請求項2に記載の材料。
【請求項4】
前記幅が、少なくとも2mm、好ましくは少なくとも4mm、好ましくは少なくとも6mmである、請求項3に記載の材料。
【請求項5】
前記第2の磁界ピークが、前記材料の平面内で前記第1のピークを取り囲み、前記第1の磁界ピークに対する第2の反対の極性を有するように分布させられる、請求項1に記載の材料。
【請求項6】
前記磁界パターンが、前記材料の平面内に位置を規定する、請求項1から5までのいずれかに記載の材料。
【請求項7】
前記位置が、包装の仕上がりを強化するための前処理特徴部分に関して規定され、前記前処理特徴部分が、折れ目線、開口部、穴、包装の境界又は封止部、ウェブ開始部、ウェブの終端部、光学的マークの位置決め、包装の外側用の印刷を含む群のうちのいずれかを含む、請求項6に記載の材料。
【請求項8】
前処理特徴部分の領域とその位置合せされる磁界マークとの間の距離が、少なくとも5mm、好ましくは少なくとも7mm、好ましくは少なくとも10mmである、請求項7に記載の材料。
【請求項9】
形成される包装のための前記磁気マークの少なくとも1つが、包装を形成する前記材料の縦縁部から、前記包装を形成するための前記材料の幅の20%以下、好ましくは5%から15%の間に位置決めされる、請求項1から8までのいずれかに記載の材料。
【請求項1】
複数の磁化可能な部分をその上に備える包装材料であって、前記包装材料から形成される1つの包装につき少なくとも1つのスポットを備え、前記磁化可能な部分の少なくとも1つが、磁界パターンを担持する磁気マークを提供し、前記磁界パターンが、第1の極性を有する第1の磁界ピーク及び第2の反対の極性を有する第2の磁界ピークを備える、材料。
【請求項2】
前記包装の底部と頂部を連結するフランジ又はジョイントと平行に規定される縦方向、前記縦方向に対して垂直の横方向、及び前記第1のピークの中間点と前記磁界パターンの前記第2のピークとの間の想像線を備え、前記想像線と前記縦方向との間の角度が−10°から10°の間、好ましくは−5°から5°の間、好ましくは約0°となるように前記磁界パターンが構成される、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
前記磁気パターンの前記ピークが、実質的に一定の磁界強度を前記磁気パターンの幅に沿って前記想像線に対して垂直方向に形成し、著しく減少する磁界強度を前記磁気パターンの前記幅の外側に前記想像線に対して前記垂直方向に形成する分布を有する、請求項2に記載の材料。
【請求項4】
前記幅が、少なくとも2mm、好ましくは少なくとも4mm、好ましくは少なくとも6mmである、請求項3に記載の材料。
【請求項5】
前記第2の磁界ピークが、前記材料の平面内で前記第1のピークを取り囲み、前記第1の磁界ピークに対する第2の反対の極性を有するように分布させられる、請求項1に記載の材料。
【請求項6】
前記磁界パターンが、前記材料の平面内に位置を規定する、請求項1から5までのいずれかに記載の材料。
【請求項7】
前記位置が、包装の仕上がりを強化するための前処理特徴部分に関して規定され、前記前処理特徴部分が、折れ目線、開口部、穴、包装の境界又は封止部、ウェブ開始部、ウェブの終端部、光学的マークの位置決め、包装の外側用の印刷を含む群のうちのいずれかを含む、請求項6に記載の材料。
【請求項8】
前処理特徴部分の領域とその位置合せされる磁界マークとの間の距離が、少なくとも5mm、好ましくは少なくとも7mm、好ましくは少なくとも10mmである、請求項7に記載の材料。
【請求項9】
形成される包装のための前記磁気マークの少なくとも1つが、包装を形成する前記材料の縦縁部から、前記包装を形成するための前記材料の幅の20%以下、好ましくは5%から15%の間に位置決めされる、請求項1から8までのいずれかに記載の材料。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A)】
【図4B)】
【図4C)】
【図4D)】
【図4E)】
【図4F)】
【図4G)】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図2】
【図3】
【図4A)】
【図4B)】
【図4C)】
【図4D)】
【図4E)】
【図4F)】
【図4G)】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【公表番号】特表2012−528050(P2012−528050A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513008(P2012−513008)
【出願日】平成22年5月5日(2010.5.5)
【国際出願番号】PCT/SE2010/000122
【国際公開番号】WO2010/138049
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月5日(2010.5.5)
【国際出願番号】PCT/SE2010/000122
【国際公開番号】WO2010/138049
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】
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