磁場通信ネットワークのための無線通信方法及びコーディネータの復調装置
【課題】 多数のセンサーノードを短時間で認識することができるようにする磁場通信ネットワークのための無線通信方法及びコーディネータの復調装置を提供する。
【解決手段】 本発明の磁場通信ネットワークのための無線通信方法は、磁場通信ネットワークにおけるコーディネータにより行われ、応答を要請する要請信号をセンサーノードに送信する(a)段階と;センサーノードから受信した応答信号のうちいずれか1つを選択する(b)段階と;前記(b)段階で選択した応答信号に該当するセンサーノードに承認信号を伝送する (c)段階と;前記(c)段階の承認信号を受けられなかったセンサーノードが再送信する応答信号のうちいずれか1つを選択する(d)段階;及び前記(d)段階で選択した応答信号に該当するセンサーノードに承認信号を伝送する(e)段階とを含んでなる。
【解決手段】 本発明の磁場通信ネットワークのための無線通信方法は、磁場通信ネットワークにおけるコーディネータにより行われ、応答を要請する要請信号をセンサーノードに送信する(a)段階と;センサーノードから受信した応答信号のうちいずれか1つを選択する(b)段階と;前記(b)段階で選択した応答信号に該当するセンサーノードに承認信号を伝送する (c)段階と;前記(c)段階の承認信号を受けられなかったセンサーノードが再送信する応答信号のうちいずれか1つを選択する(d)段階;及び前記(d)段階で選択した応答信号に該当するセンサーノードに承認信号を伝送する(e)段階とを含んでなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁場通信ネットワークのための無線通信方法及びコーディネータの復調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は電磁波の発生原理を説明するための図面である。
【0003】
周知のように、アンテナ(例えば、ダイポールアンテナ)に交流電圧を印加すると電場が発生し、アンテナに交流電流が流れることになって磁場が発生する。この時、アンテナからの距離d(λ(波長)/2π)より電磁場がアンテナから分離されながら電磁波になって空間を伝播することになる。
【0004】
ここで、磁場領域(magnetic field)とは、アンテナからλ/2πまでの領域を称え、この領域内での通信を磁場通信という。
【0005】
このような磁場通信技術は既存のRFID技術及びUSN(ubiquitous sensor network)技術とは異なり、水、土、金属の周辺でも無線通信が可能な技術であって、既存の無線通信技術の限界点を克服することができる核心技術である。
【0006】
したがって、本出願人は磁場通信技術に対する知的財産権と連係された国家標準化及び国際標準化を通じて国家競争力を高め、また世界市場の先占のために磁場通信に関する標準技術を研究する中、本発明に至ることになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は多数のセンサーノードを認識することができるようにする磁場通信ネットワークのための無線通信方法及びコーディネータの復調装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明の磁場通信ネットワークのための無線通信方法は、磁場通信ネットワークにおけるコーディネータにより行われ、応答を要請する要請信号をセンサーノードに送信する(a)段階と;センサーノードから受信した応答信号のうちいずれか1つを選択する(b)段階と;前記(b)段階で選択した応答信号に該当するセンサーノードに承認信号を伝送する(c)段階と;前記(c)段階の承認信号を受けられなかったセンサーノードが再送信する応答信号のうちいずれか1つを選択する(d)段階;及び前記(d)段階で選択した応答信号に該当するセンサーノードに承認信号を伝送する(e)段階とを含んでなる。
【0009】
前記(b)段階は、センサーノードから受信した応答信号をクロック信号とミキシングするミキシング段階と;前記ミキシングされた信号を積分する積分段階と;前記ミキシングされた信号の1/2データシンボル区間ごとに、前記積分段階の積分結果である現在積分値と前記現在積分値の以前積分値とを比べる比較段階;及び前記比較段階の比較結果によって出力データを決定する段階とを含んでなることが望ましい。
【0010】
また、前記(a)段階は、前記コーディネータがセンサーノードに信号を送信することができる要請区間、センサーノードが前記コーディネータあるいは他のセンサーノードに信号を送信することができる応答区間及びデータ送受信区間の終わりを示す非活性区間から構成されたデータ送受信区間において、前記要請区間の時に行われることが望ましい。
【0011】
また、前記(c)段階及び前記(e)段階は、前記応答区間の時に行われることが望ましい。
【0012】
また、センサーノードにより行われる磁場通信ネットワークのための無線通信方法は、コーディネータが送信する応答を要請する要請信号を受信する(a)段階と;前記要請信号を受信することにより、応答信号を前記コーディネータに送信する(b)段階;及び前記コーディネータから承認信号が受信されない場合、前記応答信号を再送信する(c)段階とを含んでなる。ここで、前記(b)段階及び前記(c)段階は、前記応答区間の時に行われることが望ましい。
【0013】
また、前記センサーノードは、前記非活性区間の時に前記コーディネータとデータ送受信が可能である。
【0014】
また、磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置は、クロック信号を発生させるクロック発生部と;センサーノードから受信されるノード信号を前記クロック信号とミキシングするミキサーと;前記ミキシングされた信号を積分する積分器;及び前記ミキシングされた信号の1/2データシンボル区間ごとに、前記積分段階の積分結果である現在積分値と前記現在積分値の以前積分値とを比べ、前記比較の結果により出力データを決定するデータ演算部とを含んでなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の磁場通信ネットワークのための無線通信方法及びコーディネータの復調装置によれば、多数のセンサーノードが同時にコーディネータに応答して信号が重なってもコーディネータでは信号を取り出すことができる。これにより、磁場通信ネットワークにおいてコーディネータと多数のセンサーノードとの間には信号衝突の恐れがなく、円滑な通信が可能である。また、コーディネータは選択的な受信ができて多数のセンサーノードを短時間で認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電磁波の発生原理を説明するための図面である。
【図2】本発明の一実施例による磁場通信ネットワークの構成図である。
【図3】本発明によるデータ送受信区間の構造を示した図面である。
【図4】本発明によるフレーム構造を示した図面である。
【図5】本発明の一実施例による磁場通信ネットワークのための無線通信方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施例による磁場通信ネットワークのための無線通信方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明によるセンサーノードの状態ダイヤグラムを示した図面である。
【図8】本発明によるコーディネータの状態ダイヤグラムを示した図面である。
【図9】本発明の一実施例による磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置の構成図である。
【図10】本発明の他の実施例による磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置の構成図である。
【図11】本発明のまた他の実施例による磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置の構成図である。
【図12】本発明のまた他の実施例による磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置の構成図である。
【図13】ノードA、ノードB、ノードCが同時に応答する場合、応答信号の搬送波信号を示したグラフである。
【図14】I1信号の入力を受けた第1積分器の積分値を示したグラフである。
【図15】FM0エンコーディング信号の基本関数を示したグラフである。
【図16】FM0エンコーディング信号のステートダイヤグラムである。
【図17】本発明の一実施例による積分器及びステートマシンの信号を示した概路図である。
【図18】本発明の一実施例による復調方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下には添付した図面を参照して本発明の望ましい実施例により磁場通信ネットワークのための無線通信方法及びコーディネータの復調装置について詳細に説明する。
【0018】
図2は本発明の一実施例による磁場通信ネットワーク(Magnetic Field Network;MFN)の構成図である。
【0019】
図2において、コーディネータ(MFN Coordinator: MFNC)10は自分との距離がd(λ/2π)以内にある、すなわち、磁場領域内にあるセンサーノード(MFN sensor Node; MFNN)と通信し、データの送受信区間を管理するものである。また、センサーノード20間の通信も可能である。また、磁場通信ネットワークに参与する器機は、その役目によりコーディネータ(以下、リーダーともいう)とセンサーノードに分けられるが、リーダーとセンサーノードの役目ができる。
【0020】
図2に示すように、コーディネータが応答要請パケットを送ると、センサーノードは応答パケットを送り、応答パケットを受けたコーディネータは直ぐ受信確認パケットを送る。また、コーティネートがデータ伝送要請パケットを送ると、該当センサーノードは目的ノードにデータを伝送し、データパケットを受けた目的ノードは直ぐ受信確認パケットを送る。また、センサーノードはコーディネータの応答要請パケットなしに、緊急状況(例えば、山崩れの感知)の時、先にデータパケットを伝送することができる。この時、データパケットを受けたコーディネータ(あるいはセンサーノード)は受信確認パケットを送る。
【0021】
図3は、本発明によるデータ送受信区間の構造を示したものである。
【0022】
図3に示すように、本発明によるデータ送受信区間は要請区間(Request Period)、応答区間(Receive Period)及び非活性区間(inactive Period)から構成される。要請区間はコーディネータがセンサーノードに応答要請パケットを伝送する時間区間であり、応答区間はコーディネータの応答要請によりセンサーノードが応答パケットを伝送することができる時間区間であって、ネットワークの中にあるセンサーノードの個数により複数の時間スロットに分けられる。ここで、時間スロットの長さは応答パケットの長さと受信確認パケットの長さによって可変的である。また、非活性区間はデータ送受信区間の終わりを示す時間区間である。普通、非活性区間では何らのセンサーノードもデータを伝送しない。但し、例外的にセンサーノードは緊急状況が発生した際、非活性区間でコーディネータ(あるいは他のセンサーノード)にデータパケットを伝送することができる。そして非活性区間はコーディネータが要請パケットを送信する時まで続く。
【0023】
図4は本発明によるフレーム構造を示したものである。
【0024】
図4に示すように、本発明によるフレーム構造はセンサーノードの固有アイディー(MFN ID)、フレームコントロール(Frame control)、データを送信するノードの住所(Source address)、データを受けるノードの住所(Destination address)、パケット番号(Sequence number)、ペイロード(payload)及びエラーチェックフィールド(Frame Check Sequence;FCS)から構成される。
【0025】
ここで、フレームコントロールはフレームタイプ(Frame type)、応答方式(ACK.method)、最初のパケット表示(First Fragment)、最後のパケット表示(Last Fragment)及びプロトコルバージョン(Protocol version)などで構成される。
【0026】
図5は本発明の一実施例による磁場通信ネットワークのための無線通信方法を説明するためのフローチャートである。
【0027】
まず、リーダー10は磁場領域内にどのようなセンサーノードがあるかを確認するか、磁場領域内に存在するセンサーノードにアイディーを割り当てるために、要請区間の時に接続応答信号を送信すると、該当の磁場領域内にある全てのセンサーノードは、応答信号をリーダー10に送ることになる。
【0028】
そうすると、リーダー10はセンサーノードから受信した応答信号のうちいずれか1つを選択し、選択した応答信号に該当するセンサーノード20bに承認信号を伝送することになる。この時、承認信号にはセンサーノードの識別情報(ID)が含まれることができる。また、承認信号の伝送は応答区間で行われることが望ましい。
【0029】
一方、承認信号を受けたセンサーノードは、もう応答信号を送信しなくなるが、他のセンサーノードは応答信号を再伝送することになる。すなわち、センサーノードは応答信号を送ったにもかかわらず、送った時間から一定時間以内に承認信号を受けられないと応答信号を再伝送することになる。そうすると、リーダー10は再伝送される応答信号のうちいずれか1つを選択し、選択した応答信号に該当するセンサーノード20aに承認信号を伝送することになる。この時の承認信号の伝送も応答区間で行われることが望ましい。
【0030】
このような本発明の一実施例による無線通信方法により、磁場領域内にある全てのセンサーノードはリーダー10との接続を完了することになる。
【0031】
図6は本発明の他の実施例による磁場通信ネットワークのための無線通信方法を説明するためのフローチャートである。
【0032】
上記のような接続過程が完了した後、リーダー10がセンシングデータを要請するデータ要請信号を送信すると、該当の磁場領域内にある全てのセンサーノードは、応答信号(センシングデータが含まれる)をリーダー10に送ることになる。
【0033】
そうすると、リーダー10はセンサーノードから受信した応答信号のうちいずれか1つを選択し、選択した応答信号に該当するセンサーノード20bに承認信号を伝送することになる。この時も承認信号の送信は応答区間で行われることが望ましい。
【0034】
一方、承認信号を受けたセンサーノードは、もう応答信号を送信しなくなるが、他のセンサーノードは応答信号を再伝送することになる。そうすると、リーダー10は再伝送される応答信号のうちいずれか1つを選択し、選択した応答信号に該当するセンサーノード20aに承認信号を伝送することになる。この時の承認信号の伝送も応答区間で行われることが望ましい。
【0035】
このような本発明の他の実施例による無線通信方法によって、リーダー10は磁場領域内にある全てのセンサーノードからデータを受信することができるようになる。
【0036】
図7は本発明によるセンサーノードの状態ダイヤグラムを示したものである。
【0037】
図7に示すように、本発明によるセンサーノードはリーダー10が送信するRF信号(キャリア信号)の電力により電源がオンとなる。このようにパワーオン(Power on)状態で要請信号を受信すると、受信した要請パケットを解釈する。解釈の結果、グループID及びノードIDが不一致する場合は電源はオフになり、一致する場合は応答パケットを生成してリーダー10に送信する。送信後、待機状態で自分に対する受信確認パケットをリーダー10から受信すると電源はオフになり、他のセンサーノードに対する受信確認パケットを受信するとまた応答パケットを生成して送信する。もし、待機状態で一定時間が過ぎても受信確認パケットが受信されない場合は電源はオフになる。また、待機状態で要請パケットを受信するとパケット解釈状態になり、また応答区間が始まる。
【0038】
一方、センサーノードは、緊急状況の発生により自分の通信モジュールと連結されたシステムでインタラプトが発生すると電源がオンとなり、その時システムからデータを受信するとデータパケットを生成してリーダー10又は、他のセンサーノードに送信することになる。
【0039】
図8は本発明によるコーディネータの状態ダイヤグラムを示したものである。
【0040】
図8に示すように、本発明によるリーダー10は非活性区間の時にホストコンピューター(不図示)から要請信号を伝送しろという命令を受けることになる。このような伝送命令により要請パケットをセンサーノードに送信する。この後、センサーノードから応答パケットを受信すると受信した応答パケットを解釈し、受信確認パケットをセンサーノードに伝送する。その後、いずれのセンサーノードも応答信号を送らないことになると非活性区間の状態に切り替える。一方、パケット解釈状態でリーダー10が要請パケットをまた送信するとスーパーフレームが新しく始まる。
【0041】
以下では、図9乃至図18を参照にして本発明によるコーディネータが多数の応答信号のうちいずれか1つを選択する方法についてより具体的に説明する。
【0042】
図9は本発明の一実施例による磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置の構成図であり、図10は本発明の他の実施例による磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置の構成図である。
【0043】
図9に示すように、本発明の一実施例による復調装置はミキサー110、クロック発生部210、積分器310及びデータ演算部410を含んでなる。
【0044】
一方、図10に示すように、本発明の他の実施例による復調装置は第1ミキサーと第2ミキサー110、120、クロック発生部210、第1積分器と第2積分器310、320及び第1データ演算部と第2データ演算部410、420を含んでなる。
【0045】
クロック発生部210はCW信号(クロック信号)を発生させる。
【0046】
ミキサー110、120はノードから受信されたRF信号(例えば、ASK信号)とCW信号の入力を受けて混合して出力する。この時、第1ミキサー110及び第2ミキサー120に入力されるCW信号は相互90゜の位相差を有する。すなわち、クロック発生部210で生成されたCW信号(以下、CW−1信号)は第1ミキサー110に直接入力され、第2ミキサー120には90゜位相変化器220を通じて位相変化されたCW信号(以下、CW−2信号)が入力される。この時、ミキサー110、120に入力されるRF信号のビットデータはFM0またはミラー方式でエンコーディングされた信号である。
【0047】
積分器310、 320はミキサーで混合した信号を積分する。この時、積分器の積分値はノードから受信されたRF信号の中、入力されたレファレンス信号と位相差が最も小さなものの影響を最も大きく受ける。このような積分器310、320の積分はデータシンボルの1/2区間ごとに行われる。
【0048】
データ演算部410は積分器310、320で積分された信号を格納し、所定のシンボル区間ごとに上記積分された信号値の変化を演算して出力データを決定し、制御器411、シンボルバウンダリー検出器418、第1バッファー412、第1比較器413、 第2バッファー414、第3バッファー415、第2比較器416及びデータ決定器417を含んで構成される。
【0049】
シンボルバウンダリー検出器418はデータシンボルの1/2区間を検出する。
【0050】
積分器310の積分値は1/2シンボル区間ごとに第1バッファー412に格納され、各バッファー412、414、415は1/2シンボル区間ごとにデータを格納する。
【0051】
第1比較器413は、毎1/2シンボル区間ごとに、第1バッファー412に格納された積分値と現在積分器310の積分値とを比べて符号値を出力する。
【0052】
第2比較器416は、毎1シンボル区間ごとに、第3バッファー415に格納されている第1比較器の結果符号値(すなわち、1シンボル区間以前に出力された第1比較器の結果符号値)と現在第1比較器413の結果符号値とを比べる。
【0053】
制御器411はシンボルバウンダリー検出器418で検出されたデータシンボルの 1/2区間ごとに、積分器310、比較器414、415及びバッファー413、415、416を動作するように制御する。また制御器411は、第1比較器413及び第2比較器416のデータ比較時点を決定するステートマシン(不図示)を含む。
【0054】
データ決定器417は第2比較器416の比較結果によってデータを決定する。例えば、ビットデータがFM0エンコーディングされたRF信号の場合、データ決定器417は第2比較器416の比較結果によって2つの値(現在第1比較器の結果符号値及び1シンボル区間以前の第1比較器の結果符号値)が同一であると、「0」を出力し、2つの値が異なると「1」を出力する。
【0055】
ビットデータがミラーエンコーディングされたRF信号の場合には、データ決定器417は第2比較器416の比較結果によって2つの値(現在第1比較器の結果符号値及び1シンボル区間以前の第1比較器の結果符号値)が同一であると「1」を出力し、2つの値が異なると「0」を出力する。
【0056】
図11及び図12は本発明のまた他の実施例による復調装置の構成図であり、本発明のまた他の実施例による復調装置はADコンバーター(ADC)を更に含んでなることができる。
【0057】
以下、図13乃至図17を参考して、本発明による復調装置の実施例を詳しく説明する。
【0058】
図13はノードA、ノードB、ノードCが同時に応答する場合、応答信号の搬送波(Carrier)信号を示したグラフである。この時、ノードA、B、Cの応答信号はFM0エンコーディングとASKモジュレーションされた信号である。
【0059】
図13に示すように、ノードAの搬送波信号(Node A)はクロック発生部210で生成されたCW−1信号と位相が一致し、ノードBの搬送波信号(Node B)は位相変化器220で90゜位相変化されたCW−2信号と位相が一致し、ノードCの搬送波信号(Node C)はCW−2よりCW−1との位相差が小さい信号である。また、3つのノードの搬送波信号の大きさは同一である。このような場合、第1積分器310に入力される信号(I1)は以下の数式1のような信号であり、第2積分器320に入力される信号(I2)は以下の数式2のような信号である。
【0060】
【数1】
【0061】
【数2】
【0062】
図14はI1信号の入力を受けた第1積分器の積分値を示したグラフである。
【0063】
図14に示すように、ノードCの信号(Node C)とCW−1の位相差がノードAの信号(Node A)とCW−1の位相差より大きいため、(Node C * CW−1)信号の積分値が(Node A * CW−1)信号の積分値より小さい。
【0064】
図15はFM0エンコーディング信号の基本関数を示したグラフであり、図16はFM0エンコーディング信号のステートダイヤグラムである。
【0065】
図15に示すように、FM0エンコーディング信号は全てのシンボルのスタートで信号レベルが変わる。そしてデータが「0」の場合にはシンボルの中間で信号レベルがもう一回変わる。
【0066】
このような信号の特性を考え、本発明は1/2シンボル区間ごとに積分値の増減結果を比べる。
【0067】
図17は本発明の一実施例による積分器及びステートマシンの信号を示した概路図である。
【0068】
以下の実施例では、ノードAはデータ「0 0 1 0」を伝送し、ノードCはデータ「1 0 0 0」を伝送する。また容易に説明するために100%ASKモジュレーション及びN_Carrier(1シンボル当たりCarrier個数)=16に基づいて本実施例を説明するが、これは本発明のASKモジュレーションインデックス及びN_Carrier値を前述の値に限定するものではない。
【0069】
図17に示すように、ノードA及びノードCの信号が入力されると、制御器411に含まれたステートマシン(不図示)は1シンボル間隔で値が循環される。
【0070】
ステートマシンの値が0の時、第1比較器413は積分器310の現在の積分値と第1バッファー412に格納された積分値とを比べてその符号を格納する。最初のシンボルでは現在の積分値がもっと大きいので「+」が第2バッファー414に格納される。
【0071】
その後、第1比較器413はまたステートマシン値が0になる時、積分器310の現在の積分値と第1バッファー412に格納された積分値とを比べ、その比較結果符号値は「+」値になり、その値は第2バッファー414に格納される。第2バッファー414に格納されていた値はステートマシン値が変わるごとに、すなわち1/2シンボルごとに第3バッファー415に伝達される。
【0072】
第2比較器416は現在の第1比較器414の符号値と1シンボルの前に格納された第1比較器414の符号値(この値は現在第3バッファー415に格納されている)とを比べる。その比較結果、データ決定器417は2つの値が同一であるので「0」でデコーディングを行う。
【0073】
このような段階を繰り返して、またステートマシン値が「0」になると第2比較器416は2つの値を比べ、現在の符号値は「−」であり、1シンボル前の符号値は「+」であるので、2つの符号値が異なって「1」でデコーディングされる。
【0074】
前述のような段階を繰り返しながら、第1データ演算部410はノードAの信号をデコーディングする。
【0075】
このように、本発明はシンボルのバウンダリーで積分値の増減を比べてデコーディングすることにより、多数個のノードが同時に応答して信号が重ね合った場合でも一番大きい信号を取り出してデコーディングを行うことができる。
【0076】
また、前述の手続きと同様に、第2積分器320と第2データ演算部420によりノードBの信号がデコーディングされる。したがって、同時に2つのノード信号が入力されてもこれをそれぞれ区別してデコーディングを行うことができる。
【0077】
図18は本発明の一実施例による復調方法を説明するためのフローチャートである。
【0078】
図18に示すように、本発明による復調方法は、ミキシング段階、積分段階及びデータ演算段階を含む。
【0079】
ミキサー110はCW信号とRF信号の入力を受けてその2つの信号を混合する。
【0080】
積分器310はミキサーで混合した信号を積分する。
【0081】
第1比較器414は1/2シンボル区間ごとに現在積分段階の積分値と以前積分段階の積分値とを比べて(S802)、その符号値を決定して格納する(S803)。
【0082】
第2比較器416は1シンボル区間ごとに第1比較器の現在符号値と第1比較器の 1シンボル区間以前の符号値とを比べる(S804)。
【0083】
第2比較器416による第2比較段階の比較結果により、データ決定器417は2つの値が同一であると出力データを「0」で決定し(S806)、2つの値が異なると出力データを「1」で決定して(S807)これを出力する。
【0084】
前述の手続きは、シンボルバウンダリー検出器418によって検出された1/2シンボル区間ごとに行われ(S801)、これは入力信号の終了時まで行う(S808)。
【0085】
所定のシンボル区間ごとに現在積分段階の積分値と以前積分段階の積分値とを比べる比較段階及び、その比較結果により出力データを決定するデータ決定段階を含み、比較段階及びデータ決定段階はシンボルバウンダリー検出段階で検出された毎1/2シンボル区間ごとに実行される。
【0086】
本発明の磁場通信ネットワークのための無線通信方法及びコーディネータの復調装置は前述の実施例に限らず、本発明の技術思想が許容する範囲で多様に変形して実施することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は磁場通信ネットワークのための無線通信方法及びコーディネータの復調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は電磁波の発生原理を説明するための図面である。
【0003】
周知のように、アンテナ(例えば、ダイポールアンテナ)に交流電圧を印加すると電場が発生し、アンテナに交流電流が流れることになって磁場が発生する。この時、アンテナからの距離d(λ(波長)/2π)より電磁場がアンテナから分離されながら電磁波になって空間を伝播することになる。
【0004】
ここで、磁場領域(magnetic field)とは、アンテナからλ/2πまでの領域を称え、この領域内での通信を磁場通信という。
【0005】
このような磁場通信技術は既存のRFID技術及びUSN(ubiquitous sensor network)技術とは異なり、水、土、金属の周辺でも無線通信が可能な技術であって、既存の無線通信技術の限界点を克服することができる核心技術である。
【0006】
したがって、本出願人は磁場通信技術に対する知的財産権と連係された国家標準化及び国際標準化を通じて国家競争力を高め、また世界市場の先占のために磁場通信に関する標準技術を研究する中、本発明に至ることになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は多数のセンサーノードを認識することができるようにする磁場通信ネットワークのための無線通信方法及びコーディネータの復調装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明の磁場通信ネットワークのための無線通信方法は、磁場通信ネットワークにおけるコーディネータにより行われ、応答を要請する要請信号をセンサーノードに送信する(a)段階と;センサーノードから受信した応答信号のうちいずれか1つを選択する(b)段階と;前記(b)段階で選択した応答信号に該当するセンサーノードに承認信号を伝送する(c)段階と;前記(c)段階の承認信号を受けられなかったセンサーノードが再送信する応答信号のうちいずれか1つを選択する(d)段階;及び前記(d)段階で選択した応答信号に該当するセンサーノードに承認信号を伝送する(e)段階とを含んでなる。
【0009】
前記(b)段階は、センサーノードから受信した応答信号をクロック信号とミキシングするミキシング段階と;前記ミキシングされた信号を積分する積分段階と;前記ミキシングされた信号の1/2データシンボル区間ごとに、前記積分段階の積分結果である現在積分値と前記現在積分値の以前積分値とを比べる比較段階;及び前記比較段階の比較結果によって出力データを決定する段階とを含んでなることが望ましい。
【0010】
また、前記(a)段階は、前記コーディネータがセンサーノードに信号を送信することができる要請区間、センサーノードが前記コーディネータあるいは他のセンサーノードに信号を送信することができる応答区間及びデータ送受信区間の終わりを示す非活性区間から構成されたデータ送受信区間において、前記要請区間の時に行われることが望ましい。
【0011】
また、前記(c)段階及び前記(e)段階は、前記応答区間の時に行われることが望ましい。
【0012】
また、センサーノードにより行われる磁場通信ネットワークのための無線通信方法は、コーディネータが送信する応答を要請する要請信号を受信する(a)段階と;前記要請信号を受信することにより、応答信号を前記コーディネータに送信する(b)段階;及び前記コーディネータから承認信号が受信されない場合、前記応答信号を再送信する(c)段階とを含んでなる。ここで、前記(b)段階及び前記(c)段階は、前記応答区間の時に行われることが望ましい。
【0013】
また、前記センサーノードは、前記非活性区間の時に前記コーディネータとデータ送受信が可能である。
【0014】
また、磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置は、クロック信号を発生させるクロック発生部と;センサーノードから受信されるノード信号を前記クロック信号とミキシングするミキサーと;前記ミキシングされた信号を積分する積分器;及び前記ミキシングされた信号の1/2データシンボル区間ごとに、前記積分段階の積分結果である現在積分値と前記現在積分値の以前積分値とを比べ、前記比較の結果により出力データを決定するデータ演算部とを含んでなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の磁場通信ネットワークのための無線通信方法及びコーディネータの復調装置によれば、多数のセンサーノードが同時にコーディネータに応答して信号が重なってもコーディネータでは信号を取り出すことができる。これにより、磁場通信ネットワークにおいてコーディネータと多数のセンサーノードとの間には信号衝突の恐れがなく、円滑な通信が可能である。また、コーディネータは選択的な受信ができて多数のセンサーノードを短時間で認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電磁波の発生原理を説明するための図面である。
【図2】本発明の一実施例による磁場通信ネットワークの構成図である。
【図3】本発明によるデータ送受信区間の構造を示した図面である。
【図4】本発明によるフレーム構造を示した図面である。
【図5】本発明の一実施例による磁場通信ネットワークのための無線通信方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施例による磁場通信ネットワークのための無線通信方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明によるセンサーノードの状態ダイヤグラムを示した図面である。
【図8】本発明によるコーディネータの状態ダイヤグラムを示した図面である。
【図9】本発明の一実施例による磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置の構成図である。
【図10】本発明の他の実施例による磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置の構成図である。
【図11】本発明のまた他の実施例による磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置の構成図である。
【図12】本発明のまた他の実施例による磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置の構成図である。
【図13】ノードA、ノードB、ノードCが同時に応答する場合、応答信号の搬送波信号を示したグラフである。
【図14】I1信号の入力を受けた第1積分器の積分値を示したグラフである。
【図15】FM0エンコーディング信号の基本関数を示したグラフである。
【図16】FM0エンコーディング信号のステートダイヤグラムである。
【図17】本発明の一実施例による積分器及びステートマシンの信号を示した概路図である。
【図18】本発明の一実施例による復調方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下には添付した図面を参照して本発明の望ましい実施例により磁場通信ネットワークのための無線通信方法及びコーディネータの復調装置について詳細に説明する。
【0018】
図2は本発明の一実施例による磁場通信ネットワーク(Magnetic Field Network;MFN)の構成図である。
【0019】
図2において、コーディネータ(MFN Coordinator: MFNC)10は自分との距離がd(λ/2π)以内にある、すなわち、磁場領域内にあるセンサーノード(MFN sensor Node; MFNN)と通信し、データの送受信区間を管理するものである。また、センサーノード20間の通信も可能である。また、磁場通信ネットワークに参与する器機は、その役目によりコーディネータ(以下、リーダーともいう)とセンサーノードに分けられるが、リーダーとセンサーノードの役目ができる。
【0020】
図2に示すように、コーディネータが応答要請パケットを送ると、センサーノードは応答パケットを送り、応答パケットを受けたコーディネータは直ぐ受信確認パケットを送る。また、コーティネートがデータ伝送要請パケットを送ると、該当センサーノードは目的ノードにデータを伝送し、データパケットを受けた目的ノードは直ぐ受信確認パケットを送る。また、センサーノードはコーディネータの応答要請パケットなしに、緊急状況(例えば、山崩れの感知)の時、先にデータパケットを伝送することができる。この時、データパケットを受けたコーディネータ(あるいはセンサーノード)は受信確認パケットを送る。
【0021】
図3は、本発明によるデータ送受信区間の構造を示したものである。
【0022】
図3に示すように、本発明によるデータ送受信区間は要請区間(Request Period)、応答区間(Receive Period)及び非活性区間(inactive Period)から構成される。要請区間はコーディネータがセンサーノードに応答要請パケットを伝送する時間区間であり、応答区間はコーディネータの応答要請によりセンサーノードが応答パケットを伝送することができる時間区間であって、ネットワークの中にあるセンサーノードの個数により複数の時間スロットに分けられる。ここで、時間スロットの長さは応答パケットの長さと受信確認パケットの長さによって可変的である。また、非活性区間はデータ送受信区間の終わりを示す時間区間である。普通、非活性区間では何らのセンサーノードもデータを伝送しない。但し、例外的にセンサーノードは緊急状況が発生した際、非活性区間でコーディネータ(あるいは他のセンサーノード)にデータパケットを伝送することができる。そして非活性区間はコーディネータが要請パケットを送信する時まで続く。
【0023】
図4は本発明によるフレーム構造を示したものである。
【0024】
図4に示すように、本発明によるフレーム構造はセンサーノードの固有アイディー(MFN ID)、フレームコントロール(Frame control)、データを送信するノードの住所(Source address)、データを受けるノードの住所(Destination address)、パケット番号(Sequence number)、ペイロード(payload)及びエラーチェックフィールド(Frame Check Sequence;FCS)から構成される。
【0025】
ここで、フレームコントロールはフレームタイプ(Frame type)、応答方式(ACK.method)、最初のパケット表示(First Fragment)、最後のパケット表示(Last Fragment)及びプロトコルバージョン(Protocol version)などで構成される。
【0026】
図5は本発明の一実施例による磁場通信ネットワークのための無線通信方法を説明するためのフローチャートである。
【0027】
まず、リーダー10は磁場領域内にどのようなセンサーノードがあるかを確認するか、磁場領域内に存在するセンサーノードにアイディーを割り当てるために、要請区間の時に接続応答信号を送信すると、該当の磁場領域内にある全てのセンサーノードは、応答信号をリーダー10に送ることになる。
【0028】
そうすると、リーダー10はセンサーノードから受信した応答信号のうちいずれか1つを選択し、選択した応答信号に該当するセンサーノード20bに承認信号を伝送することになる。この時、承認信号にはセンサーノードの識別情報(ID)が含まれることができる。また、承認信号の伝送は応答区間で行われることが望ましい。
【0029】
一方、承認信号を受けたセンサーノードは、もう応答信号を送信しなくなるが、他のセンサーノードは応答信号を再伝送することになる。すなわち、センサーノードは応答信号を送ったにもかかわらず、送った時間から一定時間以内に承認信号を受けられないと応答信号を再伝送することになる。そうすると、リーダー10は再伝送される応答信号のうちいずれか1つを選択し、選択した応答信号に該当するセンサーノード20aに承認信号を伝送することになる。この時の承認信号の伝送も応答区間で行われることが望ましい。
【0030】
このような本発明の一実施例による無線通信方法により、磁場領域内にある全てのセンサーノードはリーダー10との接続を完了することになる。
【0031】
図6は本発明の他の実施例による磁場通信ネットワークのための無線通信方法を説明するためのフローチャートである。
【0032】
上記のような接続過程が完了した後、リーダー10がセンシングデータを要請するデータ要請信号を送信すると、該当の磁場領域内にある全てのセンサーノードは、応答信号(センシングデータが含まれる)をリーダー10に送ることになる。
【0033】
そうすると、リーダー10はセンサーノードから受信した応答信号のうちいずれか1つを選択し、選択した応答信号に該当するセンサーノード20bに承認信号を伝送することになる。この時も承認信号の送信は応答区間で行われることが望ましい。
【0034】
一方、承認信号を受けたセンサーノードは、もう応答信号を送信しなくなるが、他のセンサーノードは応答信号を再伝送することになる。そうすると、リーダー10は再伝送される応答信号のうちいずれか1つを選択し、選択した応答信号に該当するセンサーノード20aに承認信号を伝送することになる。この時の承認信号の伝送も応答区間で行われることが望ましい。
【0035】
このような本発明の他の実施例による無線通信方法によって、リーダー10は磁場領域内にある全てのセンサーノードからデータを受信することができるようになる。
【0036】
図7は本発明によるセンサーノードの状態ダイヤグラムを示したものである。
【0037】
図7に示すように、本発明によるセンサーノードはリーダー10が送信するRF信号(キャリア信号)の電力により電源がオンとなる。このようにパワーオン(Power on)状態で要請信号を受信すると、受信した要請パケットを解釈する。解釈の結果、グループID及びノードIDが不一致する場合は電源はオフになり、一致する場合は応答パケットを生成してリーダー10に送信する。送信後、待機状態で自分に対する受信確認パケットをリーダー10から受信すると電源はオフになり、他のセンサーノードに対する受信確認パケットを受信するとまた応答パケットを生成して送信する。もし、待機状態で一定時間が過ぎても受信確認パケットが受信されない場合は電源はオフになる。また、待機状態で要請パケットを受信するとパケット解釈状態になり、また応答区間が始まる。
【0038】
一方、センサーノードは、緊急状況の発生により自分の通信モジュールと連結されたシステムでインタラプトが発生すると電源がオンとなり、その時システムからデータを受信するとデータパケットを生成してリーダー10又は、他のセンサーノードに送信することになる。
【0039】
図8は本発明によるコーディネータの状態ダイヤグラムを示したものである。
【0040】
図8に示すように、本発明によるリーダー10は非活性区間の時にホストコンピューター(不図示)から要請信号を伝送しろという命令を受けることになる。このような伝送命令により要請パケットをセンサーノードに送信する。この後、センサーノードから応答パケットを受信すると受信した応答パケットを解釈し、受信確認パケットをセンサーノードに伝送する。その後、いずれのセンサーノードも応答信号を送らないことになると非活性区間の状態に切り替える。一方、パケット解釈状態でリーダー10が要請パケットをまた送信するとスーパーフレームが新しく始まる。
【0041】
以下では、図9乃至図18を参照にして本発明によるコーディネータが多数の応答信号のうちいずれか1つを選択する方法についてより具体的に説明する。
【0042】
図9は本発明の一実施例による磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置の構成図であり、図10は本発明の他の実施例による磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置の構成図である。
【0043】
図9に示すように、本発明の一実施例による復調装置はミキサー110、クロック発生部210、積分器310及びデータ演算部410を含んでなる。
【0044】
一方、図10に示すように、本発明の他の実施例による復調装置は第1ミキサーと第2ミキサー110、120、クロック発生部210、第1積分器と第2積分器310、320及び第1データ演算部と第2データ演算部410、420を含んでなる。
【0045】
クロック発生部210はCW信号(クロック信号)を発生させる。
【0046】
ミキサー110、120はノードから受信されたRF信号(例えば、ASK信号)とCW信号の入力を受けて混合して出力する。この時、第1ミキサー110及び第2ミキサー120に入力されるCW信号は相互90゜の位相差を有する。すなわち、クロック発生部210で生成されたCW信号(以下、CW−1信号)は第1ミキサー110に直接入力され、第2ミキサー120には90゜位相変化器220を通じて位相変化されたCW信号(以下、CW−2信号)が入力される。この時、ミキサー110、120に入力されるRF信号のビットデータはFM0またはミラー方式でエンコーディングされた信号である。
【0047】
積分器310、 320はミキサーで混合した信号を積分する。この時、積分器の積分値はノードから受信されたRF信号の中、入力されたレファレンス信号と位相差が最も小さなものの影響を最も大きく受ける。このような積分器310、320の積分はデータシンボルの1/2区間ごとに行われる。
【0048】
データ演算部410は積分器310、320で積分された信号を格納し、所定のシンボル区間ごとに上記積分された信号値の変化を演算して出力データを決定し、制御器411、シンボルバウンダリー検出器418、第1バッファー412、第1比較器413、 第2バッファー414、第3バッファー415、第2比較器416及びデータ決定器417を含んで構成される。
【0049】
シンボルバウンダリー検出器418はデータシンボルの1/2区間を検出する。
【0050】
積分器310の積分値は1/2シンボル区間ごとに第1バッファー412に格納され、各バッファー412、414、415は1/2シンボル区間ごとにデータを格納する。
【0051】
第1比較器413は、毎1/2シンボル区間ごとに、第1バッファー412に格納された積分値と現在積分器310の積分値とを比べて符号値を出力する。
【0052】
第2比較器416は、毎1シンボル区間ごとに、第3バッファー415に格納されている第1比較器の結果符号値(すなわち、1シンボル区間以前に出力された第1比較器の結果符号値)と現在第1比較器413の結果符号値とを比べる。
【0053】
制御器411はシンボルバウンダリー検出器418で検出されたデータシンボルの 1/2区間ごとに、積分器310、比較器414、415及びバッファー413、415、416を動作するように制御する。また制御器411は、第1比較器413及び第2比較器416のデータ比較時点を決定するステートマシン(不図示)を含む。
【0054】
データ決定器417は第2比較器416の比較結果によってデータを決定する。例えば、ビットデータがFM0エンコーディングされたRF信号の場合、データ決定器417は第2比較器416の比較結果によって2つの値(現在第1比較器の結果符号値及び1シンボル区間以前の第1比較器の結果符号値)が同一であると、「0」を出力し、2つの値が異なると「1」を出力する。
【0055】
ビットデータがミラーエンコーディングされたRF信号の場合には、データ決定器417は第2比較器416の比較結果によって2つの値(現在第1比較器の結果符号値及び1シンボル区間以前の第1比較器の結果符号値)が同一であると「1」を出力し、2つの値が異なると「0」を出力する。
【0056】
図11及び図12は本発明のまた他の実施例による復調装置の構成図であり、本発明のまた他の実施例による復調装置はADコンバーター(ADC)を更に含んでなることができる。
【0057】
以下、図13乃至図17を参考して、本発明による復調装置の実施例を詳しく説明する。
【0058】
図13はノードA、ノードB、ノードCが同時に応答する場合、応答信号の搬送波(Carrier)信号を示したグラフである。この時、ノードA、B、Cの応答信号はFM0エンコーディングとASKモジュレーションされた信号である。
【0059】
図13に示すように、ノードAの搬送波信号(Node A)はクロック発生部210で生成されたCW−1信号と位相が一致し、ノードBの搬送波信号(Node B)は位相変化器220で90゜位相変化されたCW−2信号と位相が一致し、ノードCの搬送波信号(Node C)はCW−2よりCW−1との位相差が小さい信号である。また、3つのノードの搬送波信号の大きさは同一である。このような場合、第1積分器310に入力される信号(I1)は以下の数式1のような信号であり、第2積分器320に入力される信号(I2)は以下の数式2のような信号である。
【0060】
【数1】
【0061】
【数2】
【0062】
図14はI1信号の入力を受けた第1積分器の積分値を示したグラフである。
【0063】
図14に示すように、ノードCの信号(Node C)とCW−1の位相差がノードAの信号(Node A)とCW−1の位相差より大きいため、(Node C * CW−1)信号の積分値が(Node A * CW−1)信号の積分値より小さい。
【0064】
図15はFM0エンコーディング信号の基本関数を示したグラフであり、図16はFM0エンコーディング信号のステートダイヤグラムである。
【0065】
図15に示すように、FM0エンコーディング信号は全てのシンボルのスタートで信号レベルが変わる。そしてデータが「0」の場合にはシンボルの中間で信号レベルがもう一回変わる。
【0066】
このような信号の特性を考え、本発明は1/2シンボル区間ごとに積分値の増減結果を比べる。
【0067】
図17は本発明の一実施例による積分器及びステートマシンの信号を示した概路図である。
【0068】
以下の実施例では、ノードAはデータ「0 0 1 0」を伝送し、ノードCはデータ「1 0 0 0」を伝送する。また容易に説明するために100%ASKモジュレーション及びN_Carrier(1シンボル当たりCarrier個数)=16に基づいて本実施例を説明するが、これは本発明のASKモジュレーションインデックス及びN_Carrier値を前述の値に限定するものではない。
【0069】
図17に示すように、ノードA及びノードCの信号が入力されると、制御器411に含まれたステートマシン(不図示)は1シンボル間隔で値が循環される。
【0070】
ステートマシンの値が0の時、第1比較器413は積分器310の現在の積分値と第1バッファー412に格納された積分値とを比べてその符号を格納する。最初のシンボルでは現在の積分値がもっと大きいので「+」が第2バッファー414に格納される。
【0071】
その後、第1比較器413はまたステートマシン値が0になる時、積分器310の現在の積分値と第1バッファー412に格納された積分値とを比べ、その比較結果符号値は「+」値になり、その値は第2バッファー414に格納される。第2バッファー414に格納されていた値はステートマシン値が変わるごとに、すなわち1/2シンボルごとに第3バッファー415に伝達される。
【0072】
第2比較器416は現在の第1比較器414の符号値と1シンボルの前に格納された第1比較器414の符号値(この値は現在第3バッファー415に格納されている)とを比べる。その比較結果、データ決定器417は2つの値が同一であるので「0」でデコーディングを行う。
【0073】
このような段階を繰り返して、またステートマシン値が「0」になると第2比較器416は2つの値を比べ、現在の符号値は「−」であり、1シンボル前の符号値は「+」であるので、2つの符号値が異なって「1」でデコーディングされる。
【0074】
前述のような段階を繰り返しながら、第1データ演算部410はノードAの信号をデコーディングする。
【0075】
このように、本発明はシンボルのバウンダリーで積分値の増減を比べてデコーディングすることにより、多数個のノードが同時に応答して信号が重ね合った場合でも一番大きい信号を取り出してデコーディングを行うことができる。
【0076】
また、前述の手続きと同様に、第2積分器320と第2データ演算部420によりノードBの信号がデコーディングされる。したがって、同時に2つのノード信号が入力されてもこれをそれぞれ区別してデコーディングを行うことができる。
【0077】
図18は本発明の一実施例による復調方法を説明するためのフローチャートである。
【0078】
図18に示すように、本発明による復調方法は、ミキシング段階、積分段階及びデータ演算段階を含む。
【0079】
ミキサー110はCW信号とRF信号の入力を受けてその2つの信号を混合する。
【0080】
積分器310はミキサーで混合した信号を積分する。
【0081】
第1比較器414は1/2シンボル区間ごとに現在積分段階の積分値と以前積分段階の積分値とを比べて(S802)、その符号値を決定して格納する(S803)。
【0082】
第2比較器416は1シンボル区間ごとに第1比較器の現在符号値と第1比較器の 1シンボル区間以前の符号値とを比べる(S804)。
【0083】
第2比較器416による第2比較段階の比較結果により、データ決定器417は2つの値が同一であると出力データを「0」で決定し(S806)、2つの値が異なると出力データを「1」で決定して(S807)これを出力する。
【0084】
前述の手続きは、シンボルバウンダリー検出器418によって検出された1/2シンボル区間ごとに行われ(S801)、これは入力信号の終了時まで行う(S808)。
【0085】
所定のシンボル区間ごとに現在積分段階の積分値と以前積分段階の積分値とを比べる比較段階及び、その比較結果により出力データを決定するデータ決定段階を含み、比較段階及びデータ決定段階はシンボルバウンダリー検出段階で検出された毎1/2シンボル区間ごとに実行される。
【0086】
本発明の磁場通信ネットワークのための無線通信方法及びコーディネータの復調装置は前述の実施例に限らず、本発明の技術思想が許容する範囲で多様に変形して実施することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁場通信ネットワークにおけるコーディネータにより行われ、
応答を要請する要請信号をセンサーノードに送信する(a)段階と;
センサーノードから受信した応答信号のうちいずれか1つを選択する(b)段階と;
前記(b)段階で選択した応答信号に該当するセンサーノードに承認信号を伝送する(c)段階と;
前記(c)段階の承認信号を受けられなかったセンサーノードが再送信する応答信号のうちいずれか1つを選択する(d)段階;及び
前記(d)段階で選択した応答信号に該当するセンサーノードに承認信号を伝送する(e)段階とを含んでなる磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項2】
前記(b)段階は、
センサーノードから受信した応答信号をクロック信号とミキシングするミキシング段階と;
前記ミキシングされた信号を積分する積分段階と;
前記ミキシングされた信号の1/2データシンボル区間ごとに、前記積分段階の積分結果である現在積分値と前記現在積分値の以前積分値とを比べる比較段階;及び
前記比較段階の比較結果によって出力データを決定する段階とを含んでなることを特徴とする請求項1記載の磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項3】
前記(a)段階は、
前記コーディネータがセンサーノードに信号を送信することができる要請区間、センサーノードが前記コーディネータあるいは他のセンサーノードに信号を送信することができる応答区間及びデータ送受信区間の終わりを示す非活性区間から構成されたデータ送受信区間において、前記要請区間の時に行われることを特徴とする請求項2に記載の磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項4】
前記(c)段階及び前記(e)段階は、
前記応答区間の時に行われることを特徴とする請求項3に記載の磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項5】
前記承認信号にはセンサーノードの識別情報(ID)が含まれることができることを特徴とする請求項3に記載の磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項6】
磁場通信ネットワークにおけるセンサーノードにより行われ、
コーディネータが送信する応答を要請する要請信号を受信する(a)段階と;
前記要請信号を受信することにより、応答信号を前記コーディネータに送信する(b)段階;及び
前記コーディネータから承認信号が受信されない場合、前記応答信号を再送信する(c)段階とを含んでなるが、
前記(b)段階及び前記(c)段階は、前記コーディネータがセンサーノードに信号を送信することができる要請区間、センサーノードが前記コーディネータあるいは他のセンサーノードに信号を送信することができる応答区間及びデータ送受信区間の終わりを示す非活性区間から構成されたデータ送受信区間において、前記応答区間の時に行われることを特徴とする磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項7】
前記センサーノードは、前記非活性区間の時に前記コーディネータとデータ送受信が可能であることを特徴とする請求項6に記載の磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項8】
クロック信号を発生させるクロック発生部と;
センサーノードから受信されるノード信号を前記クロック信号とミキシングするミキサーと;
前記ミキシングされた信号を積分する積分器;及び
前記ミキシングされた信号の1/2データシンボル区間ごとに、前記積分段階の積分結果である現在積分値と前記現在積分値の以前積分値とを比べ、前記比較の結果により出力データを決定するデータ演算部とを含んでなる磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置。
【請求項1】
磁場通信ネットワークにおけるコーディネータにより行われ、
応答を要請する要請信号をセンサーノードに送信する(a)段階と;
センサーノードから受信した応答信号のうちいずれか1つを選択する(b)段階と;
前記(b)段階で選択した応答信号に該当するセンサーノードに承認信号を伝送する(c)段階と;
前記(c)段階の承認信号を受けられなかったセンサーノードが再送信する応答信号のうちいずれか1つを選択する(d)段階;及び
前記(d)段階で選択した応答信号に該当するセンサーノードに承認信号を伝送する(e)段階とを含んでなる磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項2】
前記(b)段階は、
センサーノードから受信した応答信号をクロック信号とミキシングするミキシング段階と;
前記ミキシングされた信号を積分する積分段階と;
前記ミキシングされた信号の1/2データシンボル区間ごとに、前記積分段階の積分結果である現在積分値と前記現在積分値の以前積分値とを比べる比較段階;及び
前記比較段階の比較結果によって出力データを決定する段階とを含んでなることを特徴とする請求項1記載の磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項3】
前記(a)段階は、
前記コーディネータがセンサーノードに信号を送信することができる要請区間、センサーノードが前記コーディネータあるいは他のセンサーノードに信号を送信することができる応答区間及びデータ送受信区間の終わりを示す非活性区間から構成されたデータ送受信区間において、前記要請区間の時に行われることを特徴とする請求項2に記載の磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項4】
前記(c)段階及び前記(e)段階は、
前記応答区間の時に行われることを特徴とする請求項3に記載の磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項5】
前記承認信号にはセンサーノードの識別情報(ID)が含まれることができることを特徴とする請求項3に記載の磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項6】
磁場通信ネットワークにおけるセンサーノードにより行われ、
コーディネータが送信する応答を要請する要請信号を受信する(a)段階と;
前記要請信号を受信することにより、応答信号を前記コーディネータに送信する(b)段階;及び
前記コーディネータから承認信号が受信されない場合、前記応答信号を再送信する(c)段階とを含んでなるが、
前記(b)段階及び前記(c)段階は、前記コーディネータがセンサーノードに信号を送信することができる要請区間、センサーノードが前記コーディネータあるいは他のセンサーノードに信号を送信することができる応答区間及びデータ送受信区間の終わりを示す非活性区間から構成されたデータ送受信区間において、前記応答区間の時に行われることを特徴とする磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項7】
前記センサーノードは、前記非活性区間の時に前記コーディネータとデータ送受信が可能であることを特徴とする請求項6に記載の磁場通信ネットワークのための無線通信方法。
【請求項8】
クロック信号を発生させるクロック発生部と;
センサーノードから受信されるノード信号を前記クロック信号とミキシングするミキサーと;
前記ミキシングされた信号を積分する積分器;及び
前記ミキシングされた信号の1/2データシンボル区間ごとに、前記積分段階の積分結果である現在積分値と前記現在積分値の以前積分値とを比べ、前記比較の結果により出力データを決定するデータ演算部とを含んでなる磁場通信ネットワークのためのコーディネータの復調装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−234188(P2011−234188A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103547(P2010−103547)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(599028364)電子部品研究院 (28)
【氏名又は名称原語表記】KOREA ELECTRONICS TECHNOLOGY INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】68 Yatap−dong, Bundang−gu, Seongnam−si, Gyeonggi−do 463−816, Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(599028364)電子部品研究院 (28)
【氏名又は名称原語表記】KOREA ELECTRONICS TECHNOLOGY INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】68 Yatap−dong, Bundang−gu, Seongnam−si, Gyeonggi−do 463−816, Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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