説明

磁性ワイヤー付与装置および方法

【課題】
この発明は、偽造防止や媒体の不正持ち出し、あるいは不正複写を防止するためのセキュリティー用として、所定の磁界を与えることで信号を発する磁性ワイヤーを必要に応じて媒体に付与する磁性ワイヤー付与装置および方法を提供する。
【解決手段】
磁性ワイヤーを媒体に付与する磁性ワイヤー付与装置において、磁性ワイヤーを供給する磁性ワイヤー供給手段と、媒体を湾曲させて固定する媒体固定手段と、媒体固定手段により固定された媒体を磁性ワイヤー供給手段で供給された磁性ワイヤーで串刺し状に貫通させて該媒体に磁性ワイヤーを付与する磁性ワイヤー付与手段と、磁性ワイヤー供給手段から供給される磁性ワイヤーから磁性ワイヤー付与手段により媒体に付与された磁性ワイヤーを切断する磁性ワイヤー切断手段と、磁性ワイヤー切断手段で切断された磁性ワイヤーを媒体に接着固定する接着手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、磁性ワイヤー付与装置および方法に関する。より詳しくは、偽造防止や媒体の不正持ち出し、あるいは不正複写を防止するためのセキュリティー用として、所定の磁界を与えることで信号を発する磁性ワイヤーを必要に応じて媒体に付与する磁性ワイヤー付与装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータや複合機およびネットワークの普及により、情報をネットワークを介して取得し、取得した情報を印刷及び複写することが容易に行なえるようになっている。
【0003】
また、高精度なスキャナー、プリンタ等の装置の技術進歩や普及により、これらの装置を用いた有価証券等の偽造や機密文書等の不正複写、不正持ち出し等を防止するようなセキュリティーを強化する種々の装置や方法の提供が望まれている。
【0004】
また、セキュリティー強化を目的として提供された装置や方法であっても、それらの装置や方法に要するコストが高価であればセキュリティー強化の目的を達成することが困難となる。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1には、偽造防止用紙に窓を設け、スレッドを表裏両方の面から見えるようにすることにより、価格を上げずに表裏のセキュリティーを強化したスレッド入り偽造防止用紙が提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、偽造防止のために紙層中に抄き込まれる糸状又はテープ状のスレッドにおいて、スレッド切れや歩留まりの低下等の作業性および紙層との接着力に優れ、しかもそれを用い、経時での接着力低下のない偽造防止用紙が提案されている。
【特許文献1】特開2001−172897号公報
【特許文献2】特開2002−347167号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に示される提案は、予めスレッドやワイヤが紙層間に挟み込まれた偽造防止用紙を提供するように構成されたものであり、ユーザが必要に応じて普通紙にワイヤを埋め込むことで偽造を防止する偽造防止用紙を生成するようには構成されていない。
【0008】
また、上記特許文献1及び特許文献2に示される提案では、ユーザは、予めスレッドやワイヤが挟み込まれた専用の偽造防止用紙を使用することとなるので、普通紙を使用する場合と比べて割高となる。
【0009】
そこで、この発明は、偽造防止や媒体の不正持ち出し、あるいは不正複写を防止するためのセキュリティー用として、所定の磁界を与えることで信号を発する磁性ワイヤーを必要に応じて媒体に付与する磁性ワイヤー付与装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、所定の磁界を受けることで信号を発する磁性ワイヤーを媒体に付与する磁性ワイヤー付与装置において、前記磁性ワイヤーを供給する磁性ワイヤー供給手段と、前記媒体を湾曲させて固定する媒体固定手段と、前記媒体固定手段により固定された媒体を前記磁性ワイヤー供給手段で供給された磁性ワイヤーで串刺し状に貫通させて該媒体に前記磁性ワイヤーを付与する磁性ワイヤー付与手段と、前記磁性ワイヤー供給手段から供給される磁性ワイヤーから前記磁性ワイヤー付与手段により前記媒体に付与された磁性ワイヤーを切断する磁性ワイヤー切断手段と、前記磁性ワイヤー切断手段で切断された前記磁性ワイヤーを前記媒体に接着固定する接着手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記媒体固定手段は、湾曲したガイド部材と、前記ガイド部材の湾曲面に前記媒体を吸引固定する吸引手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記磁性ワイヤー付与手段により前記媒体に前記磁性ワイヤーを付与した後、前記吸引手段による吸引を解除して前記ガイド部材から前記媒体を分離する分離手段を更に具備することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記磁性ワイヤー付与手段は、前記媒体を貫通して該媒体に貫通孔を形成する突刺しパイプを具備し、前記突刺しパイプ内に前記磁性ワイヤーを挿入し、その後該磁性ワイヤーを前記媒体に残して該突刺しパイプを抜き取ることにより前記媒体に前記該磁性ワイヤーを付与することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、所定の磁界を受けることで信号を発する磁性ワイヤーを媒体に付与する磁性ワイヤー付与方法において、前記媒体を媒体固定手段で湾曲させて固定し、前記媒体固定手段により固定された媒体に対して磁性ワイヤー付与手段により磁性ワイヤー供給手段から供給される磁性ワイヤーで串刺し状に貫通させて該媒体に前記磁性ワイヤーを付与し、前記磁性ワイヤー供給手段から供給される磁性ワイヤーから前記磁性ワイヤー付与手段により前記媒体に付与された磁性ワイヤーを磁性ワイヤー切断手段で切断し、前記磁性ワイヤー切断手段で切断された前記磁性ワイヤーを前記媒体に接着手段で接着固定することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記媒体固定手段は、湾曲したガイド部材と吸引手段とで前記ガイド部材の湾曲面に前記媒体を吸引固定することを特徴とする。
【0016】
また、請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記磁性ワイヤー付与手段により前記媒体に前記磁性ワイヤーを付与した後、更に前記吸引手段による吸引を解除して前記ガイド部材から前記媒体を分離手段により分離することを特徴とする。
【0017】
また、請求項8の発明は、請求項5乃至7のいずれかの発明において、前記磁性ワイヤー付与手段は、前記媒体を貫通して該媒体に貫通孔を形成する突刺しパイプを具備し、前記突刺しパイプ内に前記磁性ワイヤーを挿入し、その後該磁性ワイヤーを前記媒体に残して該突刺しパイプを抜き取ることにより前記媒体に前記該磁性ワイヤーを付与することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
この発明の磁性ワイヤー付与装置によれば、ユーザは、偽造防止や媒体の不正持ち出し、あるいは不正複写を防止するためのセキュリティー用として専用紙を用いることなく、必要に応じて普通紙に磁性ワイヤーを付与し、よりセキュリティーを向上させた用紙を提供することができる。
【0019】
また、印刷データを印刷する際に、印刷データの機密性に応じて印刷データが印刷された印刷物に磁性ワイヤーを付与し、その印刷物が不正に持ち出される、あるいは不正複写されることを防止することができる。
【0020】
また、偽造防止や不正複写等のセキュリティーを向上させるために必要に応じて普通紙に磁性ワイヤーを付与することでセキュリティーを向上させた用紙が提供できるので予めスレッドやワイヤが紙層間に挟み込まれた専用紙を用いる場合と比べてコストが低減されるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係わる磁性ワイヤー付与装置および方法を印刷装置に適用した一例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
なお、本発明に係わる磁性ワイヤー付与装置および方法は、偽造防止や不正複写、不正持ち出しの防止等のセキュリティー強化を目的として、所定の磁界を与えることで信号を発する磁性ワイヤーを必要に応じて用紙に付与するように構成されており、磁性ワイヤーを検知する検知装置を備えた複写機や盗難防止装置等が用紙に付与された磁性ワイヤーを検知することで複写禁止あるいは持出し禁止の処理動作を行うことで機密情報が印刷された用紙が不正複写または不正持ち出しされることを防止することができるように構成されている。
【0023】
また、磁性ワイヤーは、大バルクハウゼン効果を有する線径が例えば約20〜30μm程度の磁性ワイヤーであり、Co−Fe系アモルファス軟磁性材で形成されている。
【0024】
なお、応用上の要求から、ワイア表面が絶縁材等の被覆材で被覆される場合もある。
【0025】
磁性ワイヤーは、所定の磁界を受けると磁化反転時に急峻な磁気パルスを発するので、用紙に磁性ワイヤーが付与されているか否かは、用紙に対して所定の磁界を与え、その際に磁気パルスが検知されたか否かにより検知することができる。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明に係わる磁性ワイヤー付与装置100の機能的な構成を示すブロック図である。
【0027】
なお、図1は、磁性ワイヤー付与装置100を印刷装置1に適用した場合を想定した一例を示したものであり、説明の便宜上、磁性ワイヤー付与装置100の他に印刷装置1と磁性ワイヤーが付与された印刷物2も示してある。
【0028】
図1に示すように、磁性ワイヤー付与装置100は、搬送機構110と、用紙固定部120と、磁性ワイヤ付与部130と、磁性ワイヤ固定部140と、外部インタフェース部150と、制御部160とを備えている。
【0029】
搬送機構110は、制御部160の指令に基づき印刷装置1で印刷データが用紙上に印刷された印刷物2を取り込み、用紙固定部120へ搬送する。
【0030】
用紙固定部120は、制御部160の指令に基づき搬送機構110により搬送された印刷物2を所定の断面形状を有する後述の可動ガイド121(図2参照)表面に吸着させ印刷物2を波状に撓ならせて固定する。
【0031】
磁性ワイヤ付与部130は、制御部160の指令に基づき用紙固定部120で波状に撓なって固定された印刷物2を後述の突刺しパイプ138(図2参照)で串刺し状に貫通させ、磁性ワイヤーを印刷物2へ付与する。
【0032】
磁性ワイヤ固定部140は、制御部160の指令に基づき印刷物2に付与された磁性ワイヤーと印刷物2とを接着固定させ、印刷物2を磁性ワイヤー付与装置100から排紙する。
【0033】
外部インタフェース部150は、磁性ワイヤー付与装置100と印刷装置1との間の制御信号の授受を行う。
【0034】
制御部160は、搬送機構制御部161と、用紙固定制御部162と、磁性ワイヤ付与制御部163と、磁性ワイヤ固定制御部164とを備えており、搬送機構110を主に搬送機構制御部161が制御し、用紙固定部120を主に用紙固定制御部162が制御し、磁性ワイヤ付与部130を主に磁性ワイヤ付与制御部163が制御し、磁性ワイヤ固定制御部164を主に磁性ワイヤ固定制御部164が制御すると共に、外部インタフェース部150及び磁性ワイヤー付与装置100の全体を統括制御する。
【0035】
図2は、図1で示した磁性ワイヤー付与装置100の搬送機構110と、用紙固定部120と、磁性ワイヤ付与部130と、磁性ワイヤ固定部140の要部の構成を示す構成図である。
【0036】
図2において、図2(a)は、磁性ワイヤー付与装置100の要部の構成を概略的に示した側面図であり、図2(b)は、図2(a)の側面図に対応した平面図である。
【0037】
なお、図2(b)において、磁性ワイヤー付与装置100の搬送機構110は、説明の便宜上、省略してある。
【0038】
また、図2において、説明の便宜上、磁性ワイヤー付与装置100の他に印刷装置1と磁性ワイヤーが付与された印刷物2も示してある。
【0039】
図2(a)、(b)に示すように、磁性ワイヤー付与装置100は、印刷装置1の用紙搬出側に取り付けられ、印刷装置1によって印刷データが用紙上に印刷された印刷物2を取り込み、その印刷物2に対して必要に応じて磁性ワイヤー133を付与して搬出するように構成されている。
【0040】
印刷物2への磁性ワイヤー133の付与は、印刷物2が不正複写あるいは不正持ち出しされることを防止する等、セキュリティー強化を目的として付与するものであり、磁性ワイヤー付与装置100は、所定の磁界を与えることで信号を発する磁性ワイヤー133を印刷装置1から出力される印刷物2に対して必要に応じて付与できるように構成されている。
【0041】
また、磁性ワイヤー付与装置100により磁性ワイヤー133が付与された印刷物2は、磁性ワイヤー133を検知する検知装置を備えた複写機や盗難防止装置等により印刷物2に付与された磁性ワイヤー133が検知され、複写禁止あるいは持出し禁止の処理動作が行なわれることで機密情報等が印刷された印刷物2が不正複写または不正持ち出しされることを防止することができる。
【0042】
図2(a)に示すように、磁性ワイヤー付与装置100(一点鎖線で囲まれた部分)は、前にも述べたように搬送機構110と、用紙固定部120と、磁性ワイヤ付与部130と、磁性ワイヤ固定部140とを備えている。
【0043】
搬送機構110は、複数の搬送ローラ111a〜搬送ローラ111h(以下、説明の便宜上、総称して単に「複数の搬送ローラ111」と言う)を備えており、制御部160の指令に基づき印刷装置1から出力された印刷物2を取り込み、用紙固定部120へ搬送する。
【0044】
用紙固定部120は、可動ガイド121と、固定ガイド122とで構成されており、固定ガイド122は、可動ガイド121を支持すると共に、可動ガイド121が図中の矢印方向125へ可動できるように構成されている。
【0045】
搬送機構110により搬送されて用紙固定部120の上部空間に出力された印刷物2は、自然落下して可動ガイド121の表面に張り付き固定される。
【0046】
可動ガイド121の表面(上部)の断面形状は、波状に形成されており、その表面には図2(b)に示すように、多数の小孔123が形成されている。
【0047】
可動ガイド121の表面に形成された多数の小孔123は、可動ガイド121の内部を介して図示せぬ吸気装置と接続されており、可動ガイド121の表面に落下した印刷物2は、可動ガイド121の表面に形成された多数の小孔123により吸引されて可動ガイド121の表面に張り付き、可動ガイド121の表面の断面形状に沿って波状に撓なって固定されるように構成されている。
【0048】
また、可動ガイド121の表面は、多数の小孔123の他に、表面中央近傍に矩形状の穴124(以下、説明の便宜上、「貫通溝124」という)が可動ガイド121の表面(上部)から裏面(下部)に貫通して形成されており、可動ガイド121の表面に波状に撓って張り付いて固定された印刷物2に対して磁性ワイヤ付与部130の突刺しパイプ138が貫通溝124を通過し、撓って可動ガイド121の表面に張り付いている印刷物2を串刺し状に貫通できるように形成されている。
【0049】
なお、可動ガイド121表面の断面形状は、図1で示した形状に限定されるものではなく、印刷物2を突刺しパイプ138が貫通することで突刺しパイプ138が印刷物2を串刺し状に貫通できるような形状であればよい。
【0050】
また、磁性ワイヤー133を印刷物2に付与する位置及び印刷物2の各面(表裏)上に形成される磁性ワイヤー133の長さに応じた断面形状を有する可動ガイド121が選択されるものとする。
【0051】
磁性ワイヤ付与部130は、可動筐体131とレール132とで構成されており、可動筐体131がレール132上を図中の前進方向(矢印139aの方向)と後進方向(矢印139bの方向)とに移動可能なように構成されている。
【0052】
可動筐体131の前進方向の先端部には、可動ガイド121表面の断面形状に沿って撓った状態で吸着固定された印刷物2を突き刺して貫通する突刺しパイプ138が形成されている。
【0053】
また、可動筐体131内には、磁性ワイヤー133が巻かれて収納された磁性ワイヤーリール134と、磁性ワイヤーリール134を支持するリール支持台135及び磁性ワイヤーリール134に巻かれた磁性ワイヤー133を突刺しパイプ138内に導入する、もしくは突刺しパイプ138内に導入された磁性ワイヤー133を引き戻す導入ローラ136a、136bを備えている。
【0054】
可動筐体131がレール132上を前進方向(矢印139aの方向)へ移動することで可動ガイド121表面の断面形状に沿って撓った状態で吸着固定された印刷物2が突刺しパイプ138により串刺し状に突き刺され、その後、磁性ワイヤー133を突刺しパイプ138内に導入し、突刺しパイプ138のみを印刷物2から引き抜くことで印刷物2の両面に磁性ワイヤー133が付与される。
【0055】
磁性ワイヤ固定部140は、磁性ワイヤー133が付与された印刷物2を搬送する搬送ローラ143a〜143af(以下、説明の便宜上、総称して単に「搬送ローラ143」という。)と、印刷物2の両面に付与された磁性ワイヤー133を印刷物2に接着固定する接着剤を収納した接着収納部141と、接着収納部141から供給される接着剤を印刷物2に付与された磁性ワイヤー133を覆うように接着剤の層を形成し圧着する接着ローラ142と備えており、用紙固定部121で磁性ワイヤー133が付与された印刷物2を取り込み、磁性ワイヤー133と印刷物2とを接着固定する。
【0056】
このように構成された磁性ワイヤー付与装置100が磁性ワイヤー付与の指令を受けることで印刷装置1から出力された印刷物2に対して磁性ワイヤーを付与する動作について図3のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0057】
ユーザにより印刷データの印刷と、当該印刷データが印刷された印刷物への磁性ワイヤー付与が指示されると、印刷装置1は、ユーザが印刷指示した印刷データを用紙上に印刷した印刷物2を出力すると共に、印刷装置1から磁性ワイヤー付与装置100に対して当該印刷物2に対する磁性ワイヤー付与する旨の信号が転送される。
【0058】
磁性ワイヤー付与装置100が磁性ワイヤー付与の指令信号を受信すると(ステップS301)、制御部160の搬送機構制御部161が搬送機構110に対して搬送制御の指令信号を転送し、搬送機構110が指令信号に基づき印刷装置1から出力された印刷物2を取り込み、用紙固定部120へ搬送する(ステップS302)。
【0059】
印刷物2が、搬送機構110によって用紙固定部120へ搬送され、用紙固定部120の上部空間に排紙されると、制御部160の用紙固定制御部162が用紙固定部120に対して印刷物2を可動ガイド121の表面(上部)に吸引固定する制御の指令信号を転送し、指令信号を受けた用紙固定部120は、可動ガイド121の表面(上部)の多数の小孔123で自然落下する印刷物2を吸引し、可動ガイド121表面(上部)に吸引固定する(ステップS303)。
【0060】
なお、多数の小孔123による印刷物2の吸引は、多数の小孔123と接続された図示せぬ吸気装置の起動による圧力差により印刷部2を吸引する。
【0061】
印刷物2が可動ガイド121表面に吸引固定されると、制御部160の磁性ワイヤ付与制御部163が磁性ワイヤ付与部130に対して用紙固定部120の可動ガイド121表面に吸引固定された印刷物2に対して磁性ワイヤー133を付与する制御の指令信号を転送し、指令信号を受けた磁性ワイヤ付与部130が印刷物2に磁性ワイヤー133を付与する(ステップS304)。
【0062】
具体的には、指令信号を受けた磁性ワイヤ付与部130は、図4(a)に示すように、所定位置(初期状態)に設定されている可動筐体131を前進方向(矢印139aの方向)へ移動させて可動筐体131の突刺しパイプ138を可動ガイド121の貫通溝124(図2(b)参照)を通過させ、可動ガイド121の表面(上部)の断面形状に沿って撓った状態で可動ガイド121表面に吸引固定された印刷物2を貫通させて突刺しパイプ138が印刷物2を串刺し状に貫通した状態まで移動させる。
【0063】
図4(b)に示すように、突刺しパイプ138が印刷物2を串刺し状に貫通すると、用紙固定部120の可動ガイド121表面の多数の小孔123による印刷物2の吸引を停止させ、可動ガイド121を下方(図2の矢印方向125を参照)へ移動させて可動ガイド121を印刷物2から離脱させる。
【0064】
図4(c)に示すように、可動ガイド121が印刷物2から離脱することで可動ガイド121表面の断面形状に沿って波状に屈曲していた印刷物2が大きく屈曲した状態から開放されて伸びた状態となる。
【0065】
なお、可動ガイド121が印刷物2から離脱後、印刷物2を把持して強制的に引き伸ばすような構成としてもよく、印刷物2を大きく屈曲した状態から開放するタイミングは、後述するように印刷物2から突刺しパイプ138を引き抜いた後でもよく特に限定されるものではない。
【0066】
可動ガイド121を印刷物2から離脱後、磁性ワイヤーリール134に巻かれた磁性ワイヤー133を突刺しパイプ138内に導入し、磁性ワイヤー133が突刺しパイプ138の先端部から出るまで送り込む。
【0067】
突刺しパイプ138内への磁性ワイヤー133の導入は、導入ローラ136a、136bを正転させることで磁性ワイヤー133が突刺しパイプ138内を突刺しパイプ138の先端部に向かって移動し、導入ローラ136a、136bを反転させることで突刺しパイプ138内に導入された磁性ワイヤー133を引き戻すことができる。
【0068】
なお、磁性ワイヤーリール134は、導入ローラ136a、136bと同期回転するように駆動制御されるように構成されている。
【0069】
また、磁性ワイヤー133を突刺しパイプ138内に導入する方法としては、磁性ワイヤー133が極細で靱性に乏しい場合は、突刺しパイプ138の外部表面に磁石を配設し、磁石を突刺しパイプ136の付け根(可動筐体131と突刺しパイプ136との接続部)側から先端部へ移動させることで突刺しパイプ138内に導入された磁性ワイヤー133を突刺しパイプ138内の先端部まで導入するようにしてもよい。
【0070】
また、先端部が磁化された棒を突刺しパイプ138内に突刺しパイプ138の先端部から挿入し、突刺しパイプ138内に導入された磁性ワイヤーを磁力で付着させながら突刺しパイプ138の先端部に磁性ワイヤー133を引っ張り出してもよい。
【0071】
また、突刺しパイプ138の先端部を吸引装置と接続させ、突刺しパイプ138内に導入された磁性ワイヤー133を吸引して突刺しパイプ138内にある磁性ワイヤーを突刺しパイプ138の先端部に引っ張り出してもよい。
【0072】
また、予め磁性ワイヤー133を突刺しパイプ138内の先端部まで導入した状態で可動ガイド121表面に吸引固定され印刷物2を突刺しパイプ138で突き刺すようにしてもよく、この場合は、突刺しパイプ138が印刷物2を貫通後、突刺しパイプ138の付け根(可動筐体131と突刺しパイプ136との接続部)近傍で磁性ワイヤー133を図示せぬ磁性ワイヤーカッターで切断し、突刺しパイプ138の先端部の外部表面近傍に配設したリング状の磁石を突刺しパイプ136の先端部側へ移動させることで突刺しパイプ138内に予め導入されている磁性ワイヤー133を突刺しパイプ138の先端部に引っ張り出してもよい。
【0073】
導入ローラ136a、136bの回転により磁性ワイヤー133が突刺しパイプ138内の先端部まで到達し、内部先端部から突刺しパイプ138外へ突き出たところで導入ローラ136a、136bの回転が停止し、突刺しパイプ138の先端部から突き出た磁性ワイヤー133は、磁性ワイヤ固定部140の搬送ローラ143aに押さえられて仮固定される。
【0074】
なお、この状態では、搬送ローラ143aは、磁性ワイヤー133を押さえるだけで回転はしていないものとする。
【0075】
磁性ワイヤー133が搬送ローラ143aにより押さえられて仮固定されたところで磁性ワイヤ付与部130の可動筐体131を後進方向(矢印139bの方向)に移動させ、印刷物2を串刺し状に貫通していた突刺しパイプ138を印刷物2から引き抜く。
【0076】
なお、印刷物2から突刺しパイプ138が引き抜かれると、図5(a)、(b)に示すように、磁性ワイヤー133は、印刷物2に対して磁性ワイヤー133でなみ縫いしたように磁性ワイヤー133が印刷物2に付与される。
【0077】
なお、図5(a)は、印刷物2に磁性ワイヤー133が付与された状態を概略的に示した俯瞰図であり、図5(b)は、図5(a)に示した俯瞰図に対応した側面図である。
【0078】
可動筐体131を後進方向(図2(a)の矢印方向139bを参照)に移動させ、印刷物2から突刺しパイプ138が引き抜かれると、突刺しパイプ138の先端部近傍に配設された図示せぬ磁性ワイヤーカッターで磁気ワイヤーリール134から供給される磁気ワイヤー133の部分と、印刷物2上に付与された磁気ワイヤー133の部分とを切断して分離させる(ステップS305)。
【0079】
磁性ワイヤーカッターにより磁性ワイヤー133が切断されると、導入ローラ136a、136b及び磁気ワイヤーリール134を逆転させて磁性ワイヤー133の先端を所定の位置まで巻き戻す。
【0080】
また、磁性ワイヤーカッターで磁気ワイヤーリール134から供給される磁気ワイヤー133の部分と、印刷物2上に付与された磁気ワイヤー133の部分とが切断されて分離されると、磁性ワイヤ固定部140の搬送ローラ143aが磁性ワイヤー133が付与された印刷物2を取り込み搬送するように回転駆動され、磁性ワイヤ固定部140に取り込まれた印刷物2は、図6(a)、(b)に示すように、接着ローラ142により接着収納部141から供給される接着剤145で印刷物2に付与された磁性ワイヤー133と印刷物2とが圧着固定され、搬送ローラ143により磁性ワイヤ固定部140から排紙される(ステップS306)。
【0081】
なお、磁性ワイヤ固定部140による磁性ワイヤー133と印刷物2との接着固定する方法としては、図6(b)に示すように、印刷物2の片面に対して、磁性ワイヤー133と印刷物2とを接着固定してもよく、印刷物2の両面に対して磁性ワイヤー133と印刷物2とを接着固定するような構成としてもよい。
【0082】
前に述べたように、本発明に係わる磁性ワイヤー付与装置100は、印刷物2に付与する磁性ワイヤー133の位置及び印刷物2の各面(表裏)上に形成される磁性ワイヤー133の長さに応じて用紙固定部120の可動ガイド121表面の断面形状が選択されるように構成されている。
【0083】
図7は、図2に示した磁性ワイヤー付与装置100の可動ガイド121の表面の断面形状とは他の断面形状を有する可動ガイド221と、可動ガイド221の適用により印刷物2に付与された磁性ワイヤー133の状態の一例を示す図である。
【0084】
図7において、図7(a)は、磁性ワイヤー付与装置100の用紙固定部120に可動ガイド221を適用した場合の一例を示した側面図であり、図7(b)は、図7(a)に対応した平面図、図7(c)は、可動ガイド221を適用した場合での印刷物2に付与された磁性ワイヤー133の状態を示す断面図である。
【0085】
図7(a)、(b)に示すように、可動ガイド221の表面(上部)の断面形状は、曲率の異なる複数のアーチ状の形状が接続されたように形成されており、可動ガイド221表面に吸着固定された印刷物2に突刺しパイプ138を突き刺した後、突刺しパイプ138を印刷物2から引き抜くことで、突刺しパイプ138内に導入された磁性ワイヤー133が印刷物2に縫い込まれ、その縫い込まれた印刷物2の各面(表裏)での磁性ワイヤー133の長さを変化させて付与できるように構成されている。
【0086】
具体的には、可動ガイド221表面に吸着固定された印刷物2に対して突刺しパイプ138を貫通後、可動ガイド221を移動させて可動ガイド221と印刷物2とを離脱させることで印刷物2が可動ガイド221表面の断面形状に沿って大きく屈曲した状態から開放されて伸びた状態となり、その後磁性ワイヤー133を突刺しパイプ138内の先端部まで導入し、先端部の磁性ワイヤー133を固定して突刺しパイプ138を印刷物2から引き抜き抜くと、図7(c)に示すように、印刷物2の表面には磁性ワイヤー133がL2、L4の長さで露出し、裏面にはL1、L3、L5の長さで露出した状態で付与される。
【0087】
図8は、印刷物2の所定の一部の領域に磁性ワイヤー133が付与できるように構成した可動ガイド321を適用した場合の磁性ワイヤー付与装置100とは他の磁性ワイヤー付与装置300の要部の構成と、可動ガイド321の適用により印刷物2に付与された磁性ワイヤー133の状態の一例を示す図である。
【0088】
なお、磁性ワイヤー付与装置300は、図2で示した磁性ワイヤー付与装置100における磁性ワイヤ付与部130の突刺しパイプ138を可動ガイド321に対応して短くした突刺しパイプ338とし、用紙固定部120の可動ガイド121を可動ガイド321と置き換えた他は磁性ワイヤー付与装置100と同様な構成であるので磁性ワイヤー付与装置100と同様な構成および動作する磁性ワイヤー付与装置300の各部については説明の便宜上、同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0089】
図8において、図8(a)は、可動ガイド321を適用した磁性ワイヤー付与装置300の用紙固定部120の概略の側面図であり、図8(b)は、図8(a)に対応した平面図、図8(c)は、磁性ワイヤー付与装置300の磁性ワイヤ付与部130の突刺しパイプ338の長さの特徴を示す図、図8(d)は、可動ガイド321を適用した磁性ワイヤー付与装置300で印刷物2に付与される磁性ワイヤー133の状態を示す断面図である。
図8(a)、(b)に示すように、可動ガイド321の表面(上部)の断面形状は、一つのアーチ状の形状が形成されており、可動ガイド321表面に吸着固定された印刷物2に突刺しパイプ338を突き刺した後、突刺しパイプ338を印刷物2から引き抜くことで、突刺しパイプ338内に導入された磁性ワイヤー133が印刷物2の所定の一部の領域に磁性ワイヤー133が縫い込まれて付与できるように構成されている。
【0090】
また、図8(c)に示すように、磁性ワイヤ付与部130の突刺しパイプ338の長さは、可動ガイド321表面の断面形状に対応して可動ガイド321表面のアーチ状の形状に沿って撓った印刷物2に対して突刺しパイプ338が印刷物2の表面から裏面、裏面から表面と貫通できるだけの必要最少限の長さで配設されており、印刷物2貫通後の突刺しパイプ338内に導入された磁性ワイヤー133は、突刺しパイプ338の先端部方向から磁性ワイヤー133を引っ張り出して固定する図示せぬ引出固定装置により突刺しパイプ338内から引き出されて固定されるように構成されている。
【0091】
このように構成された磁性ワイヤー付与装置300は、可動ガイド321表面に吸着固定された印刷物2に対して突刺しパイプ338を貫通後、可動ガイド321を移動させて可動ガイド321と印刷物2とを離脱させることで印刷物2が可動ガイド321表面の断面形状に沿って大きく屈曲した状態から開放されて伸びた状態となり、その後磁性ワイヤー133を突刺しパイプ138内の先端部まで導入し、先端部の磁性ワイヤー133を引出固定装置により突刺しパイプ138内の先端部から引き出して固定し、その後突刺しパイプ338を印刷物2から引き抜き抜くことで、図8(d)に示すように印刷物2の所定の一部の領域に磁性ワイヤー133が付与される。
【0092】
図9は、磁性ワイヤー付与装置300とは他の磁性ワイヤー付与装置400の一例を示す要部の構成を示す構成図である。
【0093】
磁性ワイヤー付与装置400は、図2で示した磁性ワイヤー付与装置100の用紙固定部120において、印刷物2を固定する際に吸引することなく印刷物2自体の撓りを利用してガイドに張り付き固定されるように構成されたものである。
【0094】
磁性ワイヤー付与装置400は、用紙固定部420のガイドの形状と、印刷物2を搬送する搬送機構410と、磁性ワイヤ付与部130を可動筐体131の突刺しパイプ438が印刷物2を印刷物2の搬送方向に対して垂直方向から突き刺すように配設された他は磁性ワイヤー付与装置100と同様な構成であるので磁性ワイヤー付与装置100と同様な構成および動作する磁性ワイヤー付与装置400の各部については説明の便宜上、同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0095】
図9に示すように、磁性ワイヤー付与装置400の用紙固定部420のガイド421の表面(上部)の断面形状は、印刷物2が搬送機構110によりガイド421に沿って搬送されることで印刷物2の先端部分の一部が半円状にループを描いて反転するような形状に形成されている。
【0096】
印刷装置1から出力された印刷物2は、搬送機構110の搬送ローラ411a〜搬送ローラ411gによって用紙固定部420のガイド421に搬送され、印刷物2の搬送方向に対して印刷物2の後端部が搬送ローラ411f、搬送ローラ411gに達したところで印刷物2の搬送を停止させる。
【0097】
この状態では、印刷物2の後端部が搬送ローラ411f、搬送ローラ411gで把持されると共に印刷物2の先端部がガイド421の表面(上部)の断面形状に沿って半円状に反った状態でガイド421の表面に張り付き固定される。
【0098】
ガイド421表面に沿って半円状に反った状態でガイド421表面に張り付いている印刷物2に対して磁性ワイヤ付与部130の突刺しパイプ438を印刷物2に突き刺し貫通後、突刺しパイプ338内に磁性ワイヤー133を導入し、図示せぬ引出固定装置により突刺しパイプ438内に導入された磁性ワイヤー133を突刺しパイプ438の先端部方向から引き出し固定する。
【0099】
その後、突刺しパイプ438を印刷物2から引き抜き、印刷物2の後端部を把持した搬送ローラ411f、搬送ローラ411gを反転させながら突刺しパイプ438の先端部近傍で磁性ワイヤー133を切断することで磁性ワイヤー133が付与された印刷物2が搬送機構110の搬送ローラ411e、搬送ローラ411h〜搬送ローラ411lにより磁性ワイヤ固定部149へ搬送され、磁性ワイヤ固定部149で印刷物2に付与された磁性ワイヤー133が印刷物2に接着固定されて排紙される。
【0100】
以上説明したように、本発明に係わる磁性ワイヤー付与装置および方法によれば、必要に応じて用紙に磁性ワイヤーを付与することができるので偽造防止や媒体の不正持ち出し、あるいは不正複写を防止するためのセキュリティー向上させた用紙を容易に低コストで実現することができる。
【0101】
なお、これまでの説明では、本発明に係わる磁性ワイヤー付与装置を印刷装置に適用し、印刷装置で印刷データが用紙上に形成されて出力された印刷物に対して必要に応じて磁性ワイヤーを付与する場合を想定して説明したが、印刷データが用紙に形成される前の用紙に対して必要に応じて磁性ワイヤーを付与するような構成としてもよい。
【0102】
また、印刷装置の他に複写機やファックス機、複合機等のように用紙上に印刷データを形成する装置であれば何れの装置にも適用可能である。
【0103】
また、本発明に係わる磁性ワイヤー付与装置のみで磁性ワイヤーを付与したい用紙や媒体を磁性ワイヤー付与装置に取り込み磁性ワイヤーを付与するような構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明に係わる磁性ワイヤー付与装置100の機能的な構成を示すブロック図
【図2】磁性ワイヤー付与装置100の要部の構成を示す構成図である。
【図3】磁性ワイヤー付与装置100の要部の動作を示すフローチャート
【図4】突刺しパイプ138が印刷物2を突き刺す過程を示す説明図
【図5】磁性ワイヤーが付与された印刷物2の状態を示す図
【図6】磁性ワイヤーが印刷物2に接着固定される過程を示す説明図
【図7】可動ガイド121とは他の断面形状を有する可動ガイド221と、印刷物2に付与された磁性ワイヤーの状態を示す図
【図8】磁性ワイヤー付与装置100とは他の磁性ワイヤー付与装置300の要部の構成と、印刷物2に付与された磁性ワイヤーの状態を示す図
【図9】磁性ワイヤー付与装置300とは他の磁性ワイヤー付与装置400の要部の構成を示す構成図
【符号の説明】
【0105】
1 印刷装置
2 印刷物
100、300、400 磁性ワイヤー付与装置
110、410 搬送機構
120、420 用紙固定部
121、321 可動ガイド
122 固定ガイド
130 磁性ワイヤ付与部
131 可動筐体
132 レール
133 磁性ワイヤー
134 磁性ワイヤーリール
135 リール支持台
136a、136b 導入ローラ
138、338、438 突刺しパイプ
140 磁性ワイヤ固定部
141 接着収納部
142 接着ローラ
150 外部インタフェース
160 制御部
161 搬送機構制御部
162 用紙固定制御部
163 磁性ワイヤ付与制御部
164 磁性ワイヤ固定制御部
111a、111b、111c、111d、111e、111f、111g、111h、143a、143b、143c、143d、143e、143f、410a、410b、410c、410d、410e、410f、410g、410h 搬送ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の磁界を受けることで信号を発する磁性ワイヤーを媒体に付与する磁性ワイヤー付与装置において、
前記磁性ワイヤーを供給する磁性ワイヤー供給手段と、
前記媒体を湾曲させて固定する媒体固定手段と、
前記媒体固定手段により固定された媒体を前記磁性ワイヤー供給手段で供給された磁性ワイヤーで串刺し状に貫通させて該媒体に前記磁性ワイヤーを付与する磁性ワイヤー付与手段と、
前記磁性ワイヤー供給手段から供給される磁性ワイヤーから前記磁性ワイヤー付与手段により前記媒体に付与された磁性ワイヤーを切断する磁性ワイヤー切断手段と、
前記磁性ワイヤー切断手段で切断された前記磁性ワイヤーを前記媒体に接着固定する接着手段と
を具備することを特徴とする磁性ワイヤー付与装置。
【請求項2】
前記媒体固定手段は、
湾曲したガイド部材と、
前記ガイド部材の湾曲面に前記媒体を吸引固定する吸引手段と
を具備することを特徴とする請求項1記載の磁性ワイヤー付与装置。
【請求項3】
前記磁性ワイヤー付与手段により前記媒体に前記磁性ワイヤーを付与した後、前記吸引手段による吸引を解除して前記ガイド部材から前記媒体を分離する分離手段
を更に具備することを特徴とする請求項2記載の磁性ワイヤー付与装置。
【請求項4】
前記磁性ワイヤー付与手段は、
前記媒体を貫通して該媒体に貫通孔を形成する突刺しパイプ
を具備し、
前記突刺しパイプ内に前記磁性ワイヤーを挿入し、その後該磁性ワイヤーを前記媒体に残して該突刺しパイプを抜き取ることにより前記媒体に前記該磁性ワイヤーを付与する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性ワイヤー付与装置。
【請求項5】
所定の磁界を受けることで信号を発する磁性ワイヤーを媒体に付与する磁性ワイヤー付与方法において、
前記媒体を媒体固定手段で湾曲させて固定し、
前記媒体固定手段により固定された媒体に対して磁性ワイヤー付与手段により磁性ワイヤー供給手段から供給される磁性ワイヤーで串刺し状に貫通させて該媒体に前記磁性ワイヤーを付与し、
前記磁性ワイヤー供給手段から供給される磁性ワイヤーから前記磁性ワイヤー付与手段により前記媒体に付与された磁性ワイヤーを磁性ワイヤー切断手段で切断し、
前記磁性ワイヤー切断手段で切断された前記磁性ワイヤーを前記媒体に接着手段で接着固定する
ことを特徴とする磁性ワイヤー付与方法。
【請求項6】
前記媒体固定手段は、
湾曲したガイド部材と吸引手段とで前記ガイド部材の湾曲面に前記媒体を吸引固定することを特徴とする請求項5記載の磁性ワイヤー付与方法。
【請求項7】
前記磁性ワイヤー付与手段により前記媒体に前記磁性ワイヤーを付与した後、更に前記吸引手段による吸引を解除して前記ガイド部材から前記媒体を分離手段により分離する
ことを特徴とする請求項6記載の磁性ワイヤー付与方法。
【請求項8】
前記磁性ワイヤー付与手段は、
前記媒体を貫通して該媒体に貫通孔を形成する突刺しパイプ
を具備し、
前記突刺しパイプ内に前記磁性ワイヤーを挿入し、その後該磁性ワイヤーを前記媒体に残して該突刺しパイプを抜き取ることにより前記媒体に前記該磁性ワイヤーを付与する
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の磁性ワイヤー付与方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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