説明

磁性検知タグ失効装置及び磁性検知タグ失効システム

【課題】 失効動作の作業性が良好であると共に、失効精度を一段と高めることができる磁性検知タグ失効装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、磁性検知タグを失効化させる磁性検知タグ失効装置に関する。そして、周面がN極及び又はS極に磁化された円筒状の1個又は複数の単位永久磁石を軸方向に沿って配列している失効ローラを少なくとも1個有し、磁性検知タグ及び失効ローラの相対的移動により、磁性検知タグを失効化させることを特徴とする。ここで、失効ローラが回転可能に取り付けられていることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁性検知タグ失効装置及び磁性検知タグ失効システムに関し、例えば、万引き防止用の磁性検知タグが貼付された商品が購買された際にその磁性検知タグを失効させる装置及びシステムに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、万引き防止用の装置においては、磁性検知タグが貼付された商品の正当な購買者が、検知タグ検出用ゲート装置を通過した際に、検知タグ検出用ゲート装置が誤って検出動作しないように、レジ店員が、その商品に貼付の磁性検知タグを、検知タグ検出用ゲート装置が検出できない失効状態にすることが行われる。ここで、磁性検知タグは、基材に設けられた感磁性素子と、その感磁性素子の近傍又は表面に設けられた失効用の硬磁性材料からなり、硬磁性材料をN極及びS極の交互配列によって磁化させることで失効状態にすることができる(特許文献1参照)。
【0003】
磁性検知タグを失効状態にする従来の磁性検知タグ失効装置として、据置型やハンディタイプのものがあるが、いずれも、図9に示すように、2mm程度のN極ストライプ及びS極ストライプが交互に配列されている平面でなる失効面を有するものであった。据置型の場合であれば、商品に貼付の磁性検知タグ面を下にして失効装置の失効面に載置、接触させ、また、ハンディタイプの場合であれば、商品に貼付の磁性検知タグ面に、失効装置の失効面を接触させ、磁性検知タグを失効させる。なお、N極ストライプ及びS極ストライプの交互配列方向に、磁性検知タグの長手方向が沿うように接触させることにより、多くのストライプの磁束が磁性検知タグに与えられて失効の精度が高くなる。
【特許文献1】特開平10−188151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような磁性検知タグ面を失効装置の失効面に接触させる従来の失効方法では、接触時に、磁性検知タグが失効面から相対的に少しでも動くか、また、接触方向を間違ったとき、十分に失効がなされないという課題がある。
【0005】
また、飲料用のカンやビンに貼付されたような磁性検知タグが曲面を有する場合も、失効装置の失効面との接触が不十分な箇所も生じやすく、十分に失効がなされないことがある。
【0006】
さらに、失効動作はレジ店員の作業となることが多いが、販売品の精算処理に加え、磁性検知タグ面を失効装置の失効面に接触させる作業や、失効が確実になされていることの確認作業を実行しなければならず、加えて、精算処理がバーコードリーダーにバーコードをかざす処理であるのに比較し、失効処理は、磁性検知タグ面を失効装置の失効面に確実に接触させる作業であり、作業負担は大きい。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、失効動作の作業性が良好であると共に、失効精度を一段と高めることができる磁性検知タグ失効装置及び磁性検知タグ失効システムを提供しようとしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、請求項1の本発明は、磁性検知タグを失効させる磁性検知タグ失効装置において、周面がN極及び又はS極に磁化された円筒状の1個又は複数の単位永久磁石を軸方向に沿って配列している失効ローラを少なくとも1個有し、上記磁性検知タグ及び上記失効ローラの相対的移動により、磁性検知タグを失効化させることを特徴とする。
【0009】
請求項2の本発明は、請求項1の磁性検知タグ失効装置において、上記失効ローラが回転可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の本発明は、請求項1又は2の磁性検知タグ失効装置において、複数の上記失効ローラは、その軸方向の位置により半径が変化しているものであることを特徴とする。
【0011】
請求項4の本発明は、請求項1〜3のいずれかの磁性検知タグ失効装置において、軸方向が互いに平行になるように、複数の上記失効ローラを配列していることを特徴とする。
【0012】
請求項5の本発明は、請求項1〜4のいずれかの磁性検知タグ失効装置において、上記失効ローラに近接して磁化されていない搬送ローラを有することを特徴とする。
【0013】
請求項6の本発明は、請求項1〜3のいずれかの磁性検知タグ失効装置において、軸方向が平行でない、複数の上記失効ローラが設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項7の本発明は、磁性検知タグを失効させる磁性検知タグ失効装置と、この磁性検知タグ失効装置による失効動作後の磁性検知タグが失効されているか否かを確認する失効確認装置とを有する磁性検知タグ失効システムにおいて、上記磁性検知タグ失効装置として、請求項1〜6のいずれかに記載の磁性検知タグ失効装置を適用したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の磁性検知タグ失効装置及び磁性検知タグ失効システムによれば、周面がN極及び又はS極に磁化された円筒状の1個又は複数の単位永久磁石によって構成されている失効ローラを有しているので、失効動作の作業性が良好であり、かつ、失効精度を一段と高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(A)第1の実施形態
以下、本発明に係る磁性検知タグ失効装置及び磁性検知タグ失効システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0017】
図1は、第1の実施形態の磁性検知タグ失効装置を含む、販売店のレジの近傍の装置配置を示す概略斜視図である。
【0018】
図1において、商品の流れに沿って、第1の実施形態の磁性検知タグ失効装置10、失効確認装置11及び商品情報取得装置12が順に配置されている。なお、第1の実施形態の磁性検知タグ失効装置10及び失効確認装置11によって、第1の実施形態の磁性検知タグ失効システムが構成されている。
【0019】
失効確認装置11は、既存の装置と同様なものであり、第1の実施形態の磁性検知タグ失効装置10によって失効処理が施された商品貼付の磁性検知タグが確実に失効状態になっていることを確認するものである。本発明での失効確認装置11は、検知タグ検出用ゲート装置と同様な検出処理を行い、失効しているか否かを判別するものである。
【0020】
商品情報取得装置12は、例えば、既存のバーコードリーダーやICタグリーダー等が該当し、商品に貼付又は記載されている商品情報標識(例えばバーコードやICタグ等)から商品情報を自動的に取得するものである。なお、商品情報取得装置12は、磁性検知タグ失効装置10及び失効確認装置11の上流側にあっても良く、磁性検知タグ失効装置10及び失効確認装置11の間にあっても良い。
【0021】
図1において、失効確認装置11及び商品情報取得装置12の上流に設けられる、第1の実施形態の磁性検知タグ失効装置10は、複数の失効ローラ13と複数の搬送ローラ14とからなる。これら失効ローラ13及び搬送ローラ14は共に、少なくとも上流から下流への商品移動に応じられるように少なくとも一方向に回転可能となされている。ここで、失効ローラ13と搬送ローラ14を回転可能なように支持する構成としては、既存のいかなる構成も適用することができる。なお、複数の失効ローラ13と複数の搬送ローラ14は、同一の高さに設けられていても良いが、レジ店員が全区間の移動をしなくても、当該磁性検知タグ失効装置10の上を商品が自動的に移動するように、例えば、上流側に位置する失効ローラや搬送ローラほど高い位置に設けられるようにしていても良い。
【0022】
また、図1の場合、複数の失効ローラ13と搬送ローラ14との軸方向は平行であるが、軸方向を徐々に変化させて、複数の失効ローラ13と複数の搬送ローラ14を設けるようにしても良い。例えば、商品を磁性検知タグ失効装置10上で円弧状に移動させるように、複数の失効ローラ13と複数の搬送ローラ14の軸方向が徐々に変化しているものであっても良い。
【0023】
失効ローラ13は、少なくとも1個は設けられるものであり、商品に貼付の磁性検知タグを失効させるものである。図2及び図3はそれぞれ、失効ローラ13の詳細構成の説明図である。
【0024】
各失効ローラ13はそれぞれ、図2に示すような円筒状の単位永久磁石20を複数(m個)、図3に示すように、並べて設けたものである。ここで用いる単位永久磁石20としては、磁束密度が1mT以上のものが好ましく、10mT以上のものがさらに好ましい。
【0025】
また、単位永久磁石20の外周面には、多極が着磁されている(図2(A)では4極のものを示しているが、2極、6極以上であっても良い)。なお、図2や図3のものとは異なるが、失効ローラ13は、外周がN極、内周(中心孔)がS極(従って外周面は1極)のものや、外周がS極、内周がN極のものであっても良く、このような場合には、これら2種類の失効ローラ13が軸方向に交互に配列されることになる。
【0026】
単位永久磁石20は、軸部材が貫通する中心孔を有する円筒状のものが好ましく、例えば、図2(B1)、図2(B2)に示されるように円筒の直径をR、厚さをdとしたとき、直径Rは厚さdの2倍程度のものである。
【0027】
複数の単位永久磁石20−1〜20−mをそれぞれ接着剤などで固定的に連結させたものであっても良い。また、固定的に連結させるのではなく、隣り合う単位永久磁石20間の磁力吸引力によって緩やかに連結させたものであっても良い。さらに、複数の単位永久磁石20−1〜20−mを図示しない軸部材に対して固着し、軸部材ごと回転するものであっても良く、複数の単位永久磁石20−1〜20−mを軸部材に対して遊挿させ、複数の単位永久磁石20−1〜20−mだけが回転するものであっても良い。
【0028】
図4は、着磁可能な磁性体面上を、1個の失効ローラ13を回転させて移動させた後での着磁結果のイメージ(以下、着磁パターンという)を示している。言い換えると、仮に、1個の失効ローラ13上を磁性検知タグが接触して直線移動した場合には、磁性検知タグ(の硬磁性材料)は、図4に示すように着磁されることになる。このことは、1個の失効ローラ13のみでも、磁性検知タグを失効させることができ、このような失効ローラ13が複数あればより確実に失効させることができる。
【0029】
図4に示すように、1個の失効ローラ13を回転させたときの着磁パターンは、単位永久磁石20の直径R、厚さd、極数によって定まるので、失効対象の磁性検知タグ(の硬磁性材料)の特性や大きさに応じて、単位永久磁石20の直径R、厚さd、極数を選定すれば良い。例えば、市販されている磁性検知タグが、16mm×26mm、又は、12.5mm×21mmの大きさを有するので、図4に示すような格子状の着磁パターンでの1個の格子が一辺が3mm以下の正方形又は長方形になるように、単位永久磁石20の直径R、厚さd、極数を選定すれば良い。
【0030】
搬送ローラ14は、主として、失効確認装置11側に1個又は複数個設けられている。搬送ローラ14は、磁化されておらず、基本的には、商品の移動(搬送)に機能するものである。なお、図1とは異なるが、最も上流側の数個の回転ローラも搬送ローラ14であっても良い。また、搬送ローラ14は、失効ローラ13間に設けられていても良く、失効ローラ13の一つおき又は二つおきに設けられても良い。
【0031】
なお、図1に示すように、失効ローラ13の下流側に搬送ローラ14を設け、搬送ローラ14の下流側に失効確認装置11を設けると、レジ作業の作業性の面からも好ましい。
【0032】
販売店のレジ店員は、顧客の購買商品を精算処理を行う際には、その商品に貼付の磁性検知タグを下向きにして、磁性検知タグ失効装置10の失効ローラ13及び搬送ローラ14上を移動させる。この際、失効ローラ13の磁束により、磁性検知タグは失効する。搬送ローラ14の存在により、レジ店員は、その商品を容易に失効確認装置11上に移動でき、失効確認装置11によって失効を確認できる。そして次に、レジ店員は、商品情報取得装置12により、商品に貼付又は記載されている商品情報標識(例えばバーコード、ICタグ等)を読み取らせる。これにより、自動的に取得された商品情報が図示しないレジPOS装置に与えられ、購入金額などの表示などがなされる。
【0033】
第1の実施形態の磁性検知タグ失効装置によれば、周面がN極及び又はS極に磁化された円筒状の1個又は複数の単位永久磁石によって構成されている回転可能な失効ローラによって磁性検知タグを失効させているので、平面上に一旦載置することを有する従来方法に比較して、失効動作の作業性が良好である。
【0034】
また、失効ローラの着磁パターンが図4に示すような格子状となることが好ましく、着磁パターンがストライプ配置のものに比較して、より確実に失効させることができる。例えば、実験では、磁性検知タグを、その長手方向、短手方向、対角方向のいずれに沿って、失効ローラ上を移動させても失効できた。一方、N極ストライプ及びS極ストライプが交互に配列されている平面の失効面(図9参照)を有する従来装置に対して、失効実験を行い、以下の結果を得た。磁性検知タグの長手方向を、ストライプ方向と直角に載置した際には失効できたが、磁性検知タグの長手方向を、ストライプ方向と平行に載置した際には失効できなかった。また、従来装置に対し、磁性検知タグの長手方向を、ストライプ方向と直角に沿わせたが、載置ではなくこする程度の接触では失効できなかった。
【0035】
(B)第2の実施形態
以下、本発明に係る磁性検知タグ失効装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0036】
上述した第1の実施形態の磁性検知タグ失効装置10は据置型のものであったが、この第2の実施形態の磁性検知タグ失効装置30は、ハンディタイプのものであり、図5の斜視図に示すような概略構成を有する。
【0037】
第2の実施形態の磁性検知タグ失効装置30は、第1の実施形態で説明した1個又は複数の失効ローラ(図5は1個の場合を示している)13と、失効動作を行う作業者が把持する把持部材31と、その把持部材31の一方の先端から二股に分かれている二股部材32と、失効ローラ13の中心孔を貫通しており、その両端がそれぞれ、二股部材32の対応する先端部位に固着されている軸部材33とを有する。
【0038】
この第2の実施形態の場合、失効ローラ13は、その複数の単位永久磁石20−1〜20−mが軸部材33に対して遊挿されているものであり、かつ、複数の単位永久磁石20−1〜20−mが隣り合う単位永久磁石20間の磁力吸引力によって緩やかに連結されたものであることが好ましい。また、軸部材33も弾性変形が可能な材料でできていることが好ましく、天然繊維、プラスチック、ゴム、金属等のひも状またはワイヤー状にものが例示でき、なかでも非磁性材料のものがより好ましい。
【0039】
作業者が、この第2の実施形態の磁性検知タグ失効装置30によって、磁性検知タグを失効させるときには、把持部分31を把持し、磁性検知タグの一辺から対向する一辺に向けて失効ローラ13を回転移動させれば良い。この際、磁性検知タグがビンやカンなどに貼付されている曲面のものであっても、単位永久磁石20間が固着されておらず、しかも、軸部材33が弾性変形可能なものであるので、その曲面になじんで失効ローラ13が接触し、確実に失効させることができる。なお、上述した第1の実施形態における失効ローラ13についても、同様な軸部材の材料選定や、単位永久磁石20間の連結方法により、曲面に対応させるようにしても良い。
【0040】
第2の実施形態の磁性検知タグ失効装置によっても、据置型に対するハンディタイプの利点を除けば、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0041】
(C)他の実施形態
上記各実施形態の説明でも、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
【0042】
上記各実施形態においては、失効ローラ13の断面外形が円形である円筒状であることが好ましい旨を述べたが、他の形状であっても良い。例えば、断面外形が正八角形や正六角形などの正多角形であっても良く、その場合、角部を丸めておくことが好ましい(特許請求の範囲における、単位永久磁石の「円筒状」という表現は、このような正多角形の場合をも含むものとする)。また例えば、図6(A)に示すような中央部分が両端部分より半径が小さな円筒状のものであっても良く、また、図6(B)に示すような中央部分が両端部分より半径が大きな円筒状のものであっても良い。例えば、曲面形状の商品に磁性検知ダグが貼付されている場合、図6に示すような失効ローラを有する専用のハンディタイプの磁性検知タグ失効装置を適用することができる。
【0043】
上記第1の実施形態では、磁性検知タグ失効装置と失効確認装置とが別体のものを示したが、磁性検知タグ失効装置と失効確認装置とが一体のものであっても良い。
【0044】
また、ハンディタイプの磁性検知タグ失効装置における作業者が把持する部分の構成などは、上記第2の実施形態の構成に限定されないことは勿論である。例えば、図7に示すような把持部材31が平板状のものを挙げることができる。
【0045】
さらに、上記各実施形態では、複数の失効ローラ13の軸方向が平行なものを示したが、軸方向が平行でないように、複数の失効ローラを設けたものであっても良い。例えば、図8の概略平面図に示すような、2個の失効ローラ13の軸方向が直角である磁性検知タグ失効装置を提供するようにしても良い。例えば、包装用段ボールなどの2面に目的が異なる磁性検知タグが貼付されている場合において、これらを同時に失効させるような場合に、図8に示すような磁性検知タグ失効装置を適用することができる。
【0046】
上記各実施形態では、隣り合う単位永久磁石を直接接触させるものを示したが、薄いスペーサを介して、隣り合う単位永久磁石を連結させるようにしても良い。
【0047】
また、上記各実施形態では、失効ローラ13を構成する単位永久磁石20が全体が1部材で構成されているものを示したが、上記実施形態の単位永久磁石20と同様な機能を実現できるのであれば、2部材以上で単位永久磁石20を構成しても良い。例えば、樹脂、磁器、木材、ゴム等からなる幅の狭い円筒体の表面に、N極及び又はS極に磁化された帯状狭幅の磁気シートを巻回して単位永久磁石20を構成しても良い(この場合も、「単位永久磁石」の用語の範囲に含めるものとする)。さらに、失効ローラ13そのものが、1個の単位永久磁石だけで構成されていても良い。この場合においても、樹脂、磁器、木材、ゴム等からなる幅の広い円筒体の表面に、N極及びS極に磁化された幅の広い磁気シート(磁化パターンがストライプ状でも格子状でも良い)を巻回してその1個の単位永久磁石20を構成するようにしても良い。
【0048】
さらに、上記各実施形態では、失効ローラ13の表面(磁性面)が露出しているものを示したが、表面が被覆されていても良い。例えば、失効ローラ13の表面に、ゴムシートやプラスチックシートを巻くようにしても良い。
【0049】
さらにまた、上記各実施形態では、失効ローラ13が回転するものを示したが、失効ローラ13が回転しないものであっても良い。回転しない場合であっても、失効ローラ13を円筒状とすることにより、相対移動時に磁性検知タグ面と良くなじませることができる。
【0050】
本発明の磁性検知タグ失効装置や磁性検知タグ失効システムによる失効対象の磁性検知タグの用途は、商品に貼付のもの(万引き防止)に限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】第1の実施形態の磁性検知タグ失効装置を含む、販売店のレジ近傍の装置配置を示す概略斜視図である。
【図2】第1の実施形態の単位永久磁石の構造説明図である。
【図3】第1の実施形態の失効ローラを示す概略斜視図である。
【図4】第1の実施形態の失効ローラによる着磁パターンの説明図である。
【図5】第2の実施形態の磁性検知タグ失効装置を示す概略斜視図である。
【図6】他の実施形態(1)での失効ローラの形状を示す概略斜視図である。
【図7】他の実施形態(2)の磁性検知タグ失効装置を示す概略斜視図である。
【図8】他の実施形態(3)の磁性検知タグ失効装置を示す概略平面図である。
【図9】従来の磁性検知タグ失効装置の失効方法の説明図である。
【符号の説明】
【0052】
10…磁性検知タグ失効装置、11…失効確認装置、13…失効ローラ、20−1〜20−m…単位永久磁石、33…軸部材。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性検知タグを失効させる磁性検知タグ失効装置において、
周面がN極及び又はS極に磁化された円筒状の1個又は複数の単位永久磁石を軸方向に沿って配列している失効ローラを少なくとも1個有し、上記磁性検知タグ及び上記失効ローラの相対的移動により、磁性検知タグを失効化させることを特徴とする磁性検知タグ失効装置。
【請求項2】
上記失効ローラが回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁性検知タグ失効装置。
【請求項3】
複数の上記失効ローラは、その軸方向の位置により半径が変化しているものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性検知タグ失効装置。
【請求項4】
軸方向が互いに平行になるように、複数の上記失効ローラを配列していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁性検知タグ失効装置。
【請求項5】
上記失効ローラに近接して磁化されていない搬送ローラを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の磁性検知タグ失効装置。
【請求項6】
軸方向が平行でない、複数の上記失効ローラが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁性検知タグ失効装置。
【請求項7】
磁性検知タグを失効させる磁性検知タグ失効装置と、この磁性検知タグ失効装置による失効動作後の磁性検知タグが失効されているか否かを確認する失効確認装置とを有する磁性検知タグ失効システムにおいて、
上記磁性検知タグ失効装置として、請求項1〜6のいずれかに記載の磁性検知タグ失効装置を適用したことを特徴とする磁性検知タグ失効システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−227984(P2006−227984A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42056(P2005−42056)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【出願人】(597019609)株式会社 シーディエヌ (22)
【Fターム(参考)】