説明

磁性粒子を使用する横方向流アッセイおよびデバイス

金属コロイドに結合した磁性粒子を含む複合体。該複合体は、被検物質を決定する方法で使用するための試薬の一部とすることができる。試薬は、被検物質に特異的な結合パートナーを含むことができる。試薬は、さらに、被検物質を検出するために使用される第2の標識とは区別可能な第1の標識を含むことができる。試薬は、サンプル中の被検物質を検出するためのキットおよび方法において使用される。それらの方法には、第1の標識がアッセイを較正するために使用される方法などの、免疫測定方法が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、本発明は、サンプル中の被検物質の検出に関する。より詳細には、本発明は、横方向流マトリックスと磁性粒子とを含むデバイスおよびキットを使用する、被検物質の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学的または非生物学的流体中に存在し得る、目的とする物質の存在および/若しくは量または臨床的有意性を決定するために、様々な分析手法およびデバイスが、特異的結合アッセイにおいて一般的に使用されている。そのような物質は、一般に「被検物質(analytes)」と呼ばれ、抗体、抗原、薬物、ホルモンなどが含まれる。
【0003】
目的とする被検物質に特異的に結合する物質を使用しうることが、結合アッセイの使用に基づいた、急成長する診断デバイス市場を生み出してきた。結合アッセイは、抗体および抗原免疫反応物質によって代表される特異的結合メンバーを組み込み、ここでは、特異的結合対の1つのメンバーが、信号発生化合物(例えば、酵素で標識された抗体、蛍光化合物、化学発光化合物、放射性同位体、直接視覚的標識など)によって標識される。例えば、結合アッセイでは、被検物質を含有すると思われる試験サンプルを、標識された抗被検物質抗体、すなわち、コンジュゲートと混合し、免疫反応が起こるのに十分な時間にわたってインキュベートすることができる。続いて、反応混合物を分析して、被検物質/コンジュゲート複合体(結合したコンジュゲート)に結び付いた標識、または被検物質と複合体を形成していない標識(結合していないコンジュゲート)のいずれかを検出する。その結果、これらの種の1つにおける標識の量を試験サンプル中の被検物質の量と相関させることができる。
【0004】
固相アッセイフォーマットは、一般的に使用される結合アッセイ技術である。被検物質の存在がコンジュゲートおよび/または固定化された相補的結合メンバーへの被検物質の結合によって示される、多数のアッセイデバイスおよび手法がある。固定化された結合メンバーは、ディップスティック、試験ストリップ、フロースルーパッド、紙、繊維マトリックス、または他の好適な固相材料などの固相に結合しており、またはアッセイの間にそれらの固相と結合する。被検物質とアッセイ試薬との間の結合反応は、固相上で固定化されたものと、結合していないままのものとの間で、コンジュゲートの分配をもたらす。試験サンプル中の被検物質の存在または量は、通常、コンジュゲートが固相材料上で固定化される程度によって示される。
【0005】
特異的結合アッセイにおける、試薬を含浸させた試験ストリップの使用も周知である。そのような手法では、試験サンプルが、試験ストリップの一部分に適用されて、ストリップ材料を移動するか、または毛管作用によって吸い上げられる。ゆえに、検出若しくは測定されるべき被検物質は、材料内を、または材料に沿って通過し、これは試験サンプル自体若しくは別個に添加される溶液とすることのできる溶出液を利用して行ってもよい。被検物質は、試験ストリップ上の捕捉または検出ゾーンへと移動し、ここには、被検物質に対する相補的結合メンバーが固定化されている。被検物質が検出ゾーン内で結合する程度は、コンジュゲートを用いて決定することができ、これは試験ストリップに組み込んでもよく、別個に適用してもよい。
【0006】
他の検出技術は、磁性粒子またはマイクロビーズを使用する。これは、時にはより具体的に超常磁性酸化鉄を含浸させたポリマービーズとも呼ばれる。これらのビーズは、試験しているサンプル中の標的被検物質と結合し、次いで、通常、磁気的に溶液から単離または分離される。単離が行われた後には、直接光学的にせよカメラを用いるにせよ、特定の画像を観察することなどの他の試験を実施することができる。
【0007】
典型的な試験ストリップフォーマットアッセイは、対費用効果および使用の簡単さを有しているが、従来のフォーマットよりも精確でなく、精密でなく、被検物質の存在に対する感度が低い。そのような欠点の結果、試験ストリップフォーマットアッセイの利用は、半定量的または定性的なアッセイのみに限られてきた。試験ストリップフォーマットアッセイの不精確性および不精密性に寄与するより重要な因子としては、結合した捕捉ラインまたはスポットの製造および使用が挙げられる。常に一様な捕捉ラインを製造するためには、入念な材料管理と、狭い許容範囲内で作用しなければならない厳格な仕様を備えた製造プロセスとが必要であることが、一般に認識されている。さらに、適正に機能するためには、ほとんどの試験ストリップフォーマットは、検出されるべき被検物質が試験ストリップ上の精密な位置において精密な幾何学形状で一様に捕捉されなければならないことを必要とし、試験ストリップ製造の時点で存在する周囲湿度、そのような製造プロセスで使用される膜の種類、捕捉試薬受容体自体などの因子が、アッセイの不精確性および誤った読取値に大きく寄与する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、試験ストリップの対費用効果および使用の簡単さを有するが、少量の被検物質を定量的に検出するために必要な確度および精度を備えた、被検物質を検出する方法およびデバイスが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、本発明は、金属コロイドに結合した磁性ナノ粒子の複合体に関する。磁性ナノ粒子は、酸化鉄およびポリマーを含むことができ、約50〜1000ナノメートルの直径を有する。金属は、金、銀、または希土類金属とすることができる。第1の標識、例えば蛍光性の金属キレートを、コロイドに取り付けることができる。ナノ粒子またはコロイドのいずれかは、被検物質特異的結合パートナーを含むことができる。複合体、標識、および結合パートナーは、被検物質を検出する微粒子試薬を提供するように様々な方法で組み合わせることができる。
【0010】
他の態様では、本発明は、被検物質を検出するためのデバイスおよびキットに関する。デバイスは、磁石を含む検出ゾーンと、金属コロイドに結合した磁性粒子の複合体を含む微粒子試薬の実質的に妨げられない横方向流れを可能にする平均孔隙サイズとを有する、多孔質キャリアマトリックスを含む。試薬がマトリックスに適用されるときに、磁場が試薬を引き付けて検出ゾーン内に実質的に閉じ込めるように、磁石を検出ゾーンに結び付けることができる。マトリックスは、また、検出ゾーンから横方向に離隔されたサンプル適用ゾーンを含むことができる。キットは、被検物質特異的結合パートナー若しくは被検物質類似体に結合した第2の標識を有する、コンジュゲート試薬を含む。第2の標識からの信号は、コロイドに取り付けられた標識からの信号とは区別可能である。
【0011】
さらに他の態様では、本発明は、サンプル中の被検物質の存在または量を決定する方法に関する。該方法には、サンドイッチ免疫測定フォーマットおよび競合免疫測定フォーマットの両方が含まれる。例えば、競合方法は、サンプルと、第1の標識を有する微粒子試薬と、標識と被検物質若しくは被検物質類似体に特異的な結合パートナーとのコンジュゲート試薬と、の混合物を形成する工程を含む。混合物は、磁石を含む検出ゾーンを有する多孔質キャリアマトリックスを有するデバイスと接触させられる。マトリックスは、試薬の実質的に妨げられない横方向流れを可能にする平均孔隙サイズを有する。該方法は、さらに、検出ゾーンの領域でマトリックスから混合物を洗浄する工程と、検出ゾーン内の第1の標識および第2の標識からの信号を同時にまたは順次検出して、サンプル中の被検物質の存在または量を決定する工程とを含む。
【0012】
本発明のさらに他の態様には、サンプル中の被検物質を検出するためのアッセイを較正する方法が含まれ、該アッセイは、サンプルと、被検物質特異的結合パートナー若しくは被検物質類似体に取り付けられた標識を有するコンジュゲート試薬とを接触させる工程を含む。該方法は、サンプルと標識を有する微粒子試薬との混合物を形成する工程を含む。混合物は、磁石を含む検出ゾーンを有する多孔質キャリアマトリックスを有するデバイスと接触させられる。多孔質キャリアは、微粒子試薬の実質的に妨げられない横方向流れを可能にする平均孔隙サイズを有する。検出ゾーン内の微粒子試薬の標識に関連した信号の量が測定され、それによってアッセイを較正する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、多孔質キャリアマトリックス内を通る横方向流れの原理を使用して特異的結合対アッセイを実施する、サンプル中の選択された被検物質の定性的または定量的分析のためのデバイス、キット、および方法を提供する。本発明は、リガンド系および非リガンド系の両方の、多種多様なアッセイに使用することができる。利用可能なリガンド系の方法としては、限定されるものではないが、競合免疫測定法、非競合またはいわゆるサンドイッチ技術免疫測定法、およびブロッキングアッセイが挙げられる。本発明の使用は、いずれか特定の被検物質に限定されない。本明細書に記載の実施形態は、単に説明を目的とするものにすぎず、本発明の範囲を特定の結合パートナーの組またはアッセイフォーマットに制限しようとするものではない。
【0014】
本発明は、被検物質特異的結合試薬および/または標識が結合している磁性粒子に関連する。さらに、本発明は、サンプルや他の液体試薬などのキャリア液体中に懸濁された磁性粒子の妨げられない流れを可能にする多孔質キャリアマトリックスを提供する。多孔質キャリアマトリックスは、磁石に結び付けられた、マトリックス内の粒子の流れを止めるが液体の流れは止めない地点への、磁性粒子を含む液体の横方向流れを可能にする。磁性粒子を運ぶ液体が磁場を通過するとき、粒子は、磁場に引き付けられて、マトリックス上の個々の場所に検出ゾーンを形成する。被検物質は、検出ゾーン内で捕捉され、標識によって検出される。
【0015】
一態様では、粒子は、被検物質を検出するために使用される標識とは異なる独立した標識を含む。粒子に結び付けられた標識は、多孔質キャリア上の検出ゾーン内に存在する被検物質結合試薬の量の決定を可能にすることによって、アッセイの内部較正を可能にする。粒子に結び付けられた標識と、被検物質を検出するために使用される標識とは、同時に検出することも順次検出することもできる。粒子に結び付けられた標識に対応する信号の量を使用して、被検物質を検出するために使用される標識によって生成される信号に関連した被検物質の量を定量的に決定することができる。
【0016】
被検物質特異的試薬を多孔質キャリアマトリックス上で共有結合させて乾燥させる必要がないので、そのような技術を必要とするシステムよりも試薬の反応性および多様性をより大幅に制御することができる。加えて、粒子に結び付けられた標識は、マトリックス内の粒子流れの効率、磁石における粒子捕捉の効率、並びに希釈およびピペッティング体積の変動性に関わる変数などの多数の変数を補償することによって、被検物質の量の精確な検出を可能にする。同様に、被検物質(例えば、被検物質類似体)の検出で使用される被検物質結合試薬または他の試薬の量の変動性など、試薬の凍結乾燥に起因する可能性のある変数は、粒子からの信号の量と被検物質検出に関連した信号の量とを比較することによって考慮することができる。
【0017】
本発明について詳細に説明する前に、いくつかの用語を定義する。本明細書で使用するとき、文脈上他の意味を明確に指示する場合を除き、単数形「a」、「an」、および「the」には、複数形の指示対象が含まれる。
【0018】
「被検物質」は、検出されるべき分子または物質を意味する。例えば、本明細書で使用するとき、被検物質は、モノ−またはポリエピトープの、抗原性またはハプテン性である、リガンドであることができ;単一の化合物であっても、少なくとも1つの共通のエピトープ部位を共有する複数の化合物であってもよく;また、受容体または抗体であることができる。
【0019】
「サンプル」は、目的とする被検物質を含有する、または含有すると思われる、任意の物質のアリコートを指す。例えば、サンプルとしては、動物から採取されるサンプル(例えば、唾液、全血、血清および血漿、尿、涙など)、細胞培養物、植物などの生物学的サンプル;環境サンプル(例えば、水);並びに工業サンプルが挙げられる。サンプルは、本発明の方法で使用する前に調製する必要のある場合がある。例えば、サンプルは、本発明とともに使用する前に、希釈、フィルタ処理、遠心分離、または安定化を必要とする場合がある。本明細書の目的では、「サンプル」は、手を加えていないサンプルまたは調製済みサンプルを指す。
【0020】
「結合特異性」または「特異的結合」は、第2の分子に対する第1の分子の実質的な認識、例えば、ポリペプチドおよび多クローン性若しくは単クローン性抗体、ポリペプチドに特異的な抗体フラグメント(例えば、Fv、単鎖Fv、Fab’、若しくはF(ab’)2フラグメント)、酵素−基質相互作用、並びにポリヌクレオチド・ハイブリダイゼーション相互作用を指す。
【0021】
「非特異的結合」は、特定の表面構造から比較的独立した、分子間の非共有結合を指す。非特異的結合は、分子間の静電相互作用および疎水性相互作用を含めたいくつかの因子に起因する可能性がある。
【0022】
「特異的結合対のメンバー」または「特異的結合パートナー」は、2つの異なる分子のうちの一方であって、表面上若しくはキャビティ内にある領域を有し、他方の分子の特定の空間的および極性構成に特異的に結合し、したがって他方の分子に相補的であるとして定義される分子を指す。特異的結合対のメンバーは、リガンドおよび受容体(アンチリガンド)と呼ばれる。これらは、通常、抗原−抗体などの免疫学的対のメンバーである。ただし、ビオチン−アビジン、ホルモン−ホルモン受容体、IgG−プロテインA、DNA−DNAやDNA−RNAなどのポリヌクレオチド対などの他の特異的結合対は、免疫学的対ではないが、本発明において特異的結合対メンバーの定義に含まれる。
【0023】
「被検物質特異的結合パートナー」は、被検物質に特異的である特異的結合パートナーを指す。
【0024】
「実質的結合」または「実質的に結合する」は、特定のアッセイ条件下におけるアッセイ混合物中の分子間のある量の特異的結合または認識を指す。その最も広い態様では、実質的結合は、第1の分子が第2の分子に結合不可能若しくは第2の分子を認識不可能であることと、第1の分子が第3の分子に結合可能若しくは第3の分子を認識可能であることの間の差に関し、この差は、分子の相対濃度並びにインキュベーションの時間および温度などの特定の組のアッセイ条件下で特異的結合を識別する意味のあるアッセイを実施できるようにするのに十分なものである。他の態様では、1つの分子は、交差反応性の意味で実質的に他の分子に結合不可能若しくは他の分子を認識不可能であり、その際、分子の相対濃度およびインキュベーションなどの特定の組のアッセイ条件下で、第1の分子が第2の分子に対して示す反応性は、第3の分子に対して示す反応性の25%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満である。特異的結合は、広く知られている多くの方法、例えば、免疫組織化学法、酵素免疫測定法(ELISA:enzyme−linked immunosorbent assay)、放射免疫測定法(RIA:radioimmunoassay)、またはウエスタンブロット法を使用して試験することができる。
【0025】
「リガンド」は、それに対する受容体が天然に存在するかまたは調製できる、任意の有機化合物を指す。
【0026】
「被検物質類似体」または「被検物質の類似体」は、ある受容体について被検物質と競合できる、被検物質の修飾された形態を指しており、修飾は、被検物質を他の分子に結び付けるための手段を提供する。被検物質類似体は、通常、被検物質類似体をハブ(hub)または標識に連結する結合で水素が置き換えられている以外の点で被検物質とは異なるが、必ずしもそうである必要はない。被検物質類似体は、被検物質に類似の方式で受容体に結合することができる。
【0027】
「受容体」は、分子の特定の空間的および極性構成、例えば、エピトープまたは決定部位を認識しうる任意の化合物または組成物を指す。例示的な受容体としては、天然に生ずる受容体、例えば、チロキシン結合グロブリン、抗体、酵素、Fabフラグメント、レクチン、核酸、プロテインA、相補的構成成分C1qなどが挙げられる。
【0028】
「抗体」は、他の分子に特異的に結合し、したがって他の分子の特定の空間的および極性構成に相補的であるとして定義される、免疫グロブリンを指す。抗体は、単クローン性または多クローン性のものとすることができ、宿主の免疫化や血清の採取など、当業者に周知の技術によって(多クローン性)、または、連続するハイブリッド細胞株を調製し、分泌されるタンパク質を収集することによって(単クローン性)、または、天然の抗体の特異的結合に必要なアミノ酸配列を少なくともコードするヌクレオチド配列若しくはそれらの突然変異型をクローニングして発現させることによって、調製することができる。抗体には、完全な免疫グロブリンまたはその断片が含まれ、それらの免疫グロブリンとしては、IgA、IgD、IgE、IgG1、IgG2a、IgG2b、およびIgG3、IgMなど、様々なクラス並びにイソタイプが挙げられる。それらの断片としては、Fab、Fv、およびF(ab’)2、Fab’などが挙げられる。加えて、特定の分子に対する結合親和性が維持される限り、適切な場合には、免疫グロブリン若しくはそれらの断片の凝集体、重合体、およびコンジュゲートを使用することができる。
【0029】
多孔質キャリアマトリックス
本発明は、液体試験サンプルおよび/または液体試薬に横方向流れを提供できる多孔質キャリアマトリックスを使用する。一般に、多孔質キャリアマトリックスは、適切な厚さ、孔隙サイズ、横方向流量、および色を有する利用可能な任意の材料から選択することができる。横方向流れは、サンプルのクロマトグラフィ分離など、液体の1つ若しくは複数の構成成分の選択的な保持とは対照的に、液体の溶解または分散した構成成分すべてが、ほぼ等しい速度で、マトリックスを横方向に通り抜ける比較的損なわれていない流れで運ばれる、液体の流れを指す。好適な多孔質キャリアマトリックスの例としては、ガラス繊維マット、不織合成マット、焼結微粒子構造、キャスト若しくは押出マトリックス材料、または材料内の接着力の存在によって特徴付けられる他の材料が挙げられる。これらの材料は、ナイロンやニトロセルロースなどの開孔構造から形成(成形若しくはキャスティング)することができる。多孔質キャリアマトリックスは、また、ガラス粒子やポリマー粒子などの微粒子材料とすることもできる。
【0030】
多孔質キャリアマトリックスは、被検物質および試験試薬に対して低い親和性を有する材料から作製することができる。これは、被検物質および/若しくは試薬の非特異的結合を妨げるための試験マトリックスの前処理を最小限に抑えるまたは回避するためである。ただし、前処理を必要とする材料が、前処理を必要としない材料に優る利点をもたらす場合もある。したがって、単に前処理を必要とするという理由のみで材料を避ける必要はない。親水性マトリックスは、一般にマトリックスへの非特異的結合の量を低減する。
【0031】
一態様では、多孔質キャリアマトリックスは、平均孔径1〜250マイクロメートル、他の態様では約3〜100マイクロメートル、または約10〜約50マイクロメートルの開孔構造を有する。マトリックスは、2、3mil(0.001インチ)〜数mil、通常は5若しくは10milから最大200milまでの範囲の厚さである。マトリックスは、該マトリックスの厚さ全体を通じた光および/若しくは色の視覚化または光度定量を可能にするために、半透明であるべきである。マトリックスは、概ね不透水性の層で裏打ちすることもでき、または完全に独立したものとすることもできる。
【0032】
横方向流れが生じる好適な多孔質キャリアマトリックスの一例は、米国ジョージア州フェアバーン(Fairburn)のポーレックス・テクノロジーズ社(Porex Technologies Corp.)製の高密度または超高分子量ポリエチレンシート材料である。この材料は、超高分子量ポリエチレン(UHWM−PE)の融着球状粒子から焼結によって作製される。これは、平均孔隙サイズ8ミクロンの多孔質構造を作り出す。ポリエチレン表面は、酸素プラズマで処理され、次いでポリエチレンイミン(PEI)とポリアクリル酸(PAA)との交互の層でコーティングされて、70秒/4cmの吸上速度を有する界面活性剤フリーの親水性表面を作り出す。
【0033】
ポリエチレン製のマトリックスは、きわめて満足のいくものであることがわかっているが、他のオレフィン若しくは他の熱可塑性材料、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ビニルアセテートとビニルクロリドとのコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレンなどで形成される横方向流材料を使用することができる。好適な材料の例としては、GEオスモニクス社(GE Osmonics)(ミネソタ州ミネトンカ(Minnetonka))のマグナナイロン支持膜(Magna Nylon Supported Membrane)、CUNO社(CUNO Inc.)(コネチカット州メリデン(Meriden))のノビロンナイロン膜(Novylon Nylon Membrane)、ミリポア社(Millipore)(マサチューセッツ州ビルリカ(Billerica))のデュラポア膜(Durapore Membrane)が挙げられる。
【0034】
マトリックス材料は、デバイスに組み込む前に、切込みを入れて、切断して、ダイカットして、または穴をあけて、様々な形状にすることができる。マトリックスの代替的な形状の例としては、円形、正方形/長方形、扁平楕円形、または三角形が挙げられる。本発明の焦点ではないが、所望であれば、所望の形状を形成する前または形成した後に、生物学的試薬を材料に適用することができる。生物学的試薬は、用途およびアッセイに応じて、利用可能な任意の方法によって、例えば、受動的に、拡散的に、非拡散的に、吸収によって、または共有結合的に、材料に取り付けることができる。
【0035】
磁性ナノ粒子
本発明は、従来の磁石によって溶液から分離可能な磁性ナノ粒子を使用する。そのような粒子は、通常、それらがしばしば呼ばれるように、磁性流体またはフェロ流体(ferrofluids)として提供され、主に、キャリア液体中に懸濁されたナノサイズの酸化鉄粒子(Fe34またはγ−Fe23)から成る。本発明の粒子は、一般的に磁性により特徴付けられるが、超常磁性粒子も含まれる。これは、粒子を外部磁場によって容易に磁化させ、磁石が除去されるとすぐに再分散させることができることを意味する。粒子は、小さなサイズ分布および一様な表面特性をもつべきである。
【0036】
磁性粒子は、確立された様々な方法によって、一般には、ポリマーの存在下での酸化鉄の沈殿によって、コア−シェル原理にしたがって酸化鉄をポリマーでコーティングすることによって、または高圧均質化によって、調製することができる。沈殿法は、一般に50〜100ナノメートルの直径を有する粒子を提供し、コアシェル法は、直径約200〜500ナノメートルの粒子を提供し、均質化技術は、一般に、それらの範囲の中間の粒子を提供する。
【0037】
例えば、水酸化ナトリウムの存在下での第二鉄塩および第一鉄塩の沈殿と、その後の水による洗浄とにより、粒子を超常磁性酸化鉄によって調製することができる。酸化鉄コアのサイズは、光子相関分光法(PCS:photon correlation spectroscopy)によって決定することができる。酸化鉄コアは、デキストラン、デンプン、キトサン、およびフィセル(ficell)などの多糖類でコーティングすることもでき、または、水へのポリマーの溶解度に応じた温度で、合成ポリマーであるポリエチレンイミンおよびポリビニルピロリジンでコーティングすることもできる。一般に、ポリマーの分子量は、磁性粒子のサイズに対応する。酸化鉄沈殿のために適用される塩基の温度および強度は、粒子のサイズおよび粒子内の酸化鉄のパーセンテージに影響を与えることがある。使用されるポリマーは、粒子中の酸化鉄の量にも影響を与えることがある。グリュットナー(Gruttner,C.)ら、「インビボ用途のための磁性ナノスフィアの調製および特性評価(Preparation and Characterization of Magnetic Nanospheres for In Vivo Application)」、磁性キャリアの科学的および臨床的応用(Scientific and Clinical Applications of Magnetic Carriers)内、ヘフェリ(Haefeli)ら編、プレナムプレス(Plenum Press)、ニューヨーク、1997、53〜67頁を参照されたい。
【0038】
他の例では、非毒性の生分解可能な磁性金属酸化物ナノ相(すなわち、Fe34またはγ−Fe23)と活性t−PAとの混合物を含む生分解可能な磁性ナノ粒子が、100nm〜数ミクロンにわたるサイズを有する生分解可能なポリ(乳酸)(PLA)ナノスフィア内に充填される。PLAナノスフィアは、サンプル構成成分との非特異的結合から保護するために、ポリ(エチレングリコール)(PEG)でカプセル化される。
【0039】
磁性粒子は、粒子を分子または生体分子に結合させる表面を提供するように官能化させることができる。ポリマーに応じて、当業者にはすぐにわかる様々な官能基で表面を活性化することができる。これらの基には、例えば、アミノ、カルボキシ、アルコール、およびアルデヒド基が含まれる。本発明の一態様では、粒子は、金属コロイドに取り付けられる。共有結合的な付着、または特異的結合パートナーを通じた付着などの、様々な付着化学反応を使用することができる。また、連結分子を使用してもよい。
【0040】
現時点で利用可能な粒子の形態は、大まかに、修飾されていない若しくは裸の粒子、一般的な特異性リガンドをもつ化学的に誘導体化された粒子(ストレプトアビジン、プロテインAなど)、並びに単クローン性および多クローン性抗体などの特異的認識群をもつ化学的に誘導体化された粒子に分類することができる。50〜1000ナノメートルにわたる直径をもつ、様々な表面によって官能化された好適な粒子は、Micromod Partikeltechnologie GmbH社(ドイツ、ロストク−バルネミュンデ(Rostock−Warnemuende))、Ademtech社(フランス、Parc scientifique Unitec 1,4, Allee du Doyen George Brus,33600 Pessac)、およびEMDバイオサイエンス社(EMD Biosciences Inc.)、エスタポール(Estapor)(登録商標)マイクロスフィア(Microspheres)(生命科学製品部門(Division Life Science Products)(米国イリノイ州ネイパービル(Naperville)1658Apache Dr.)を含め、いくつもの供給元から入手可能である。
【0041】
標識
一態様では、本発明のアッセイ方法は、2つの標識を使用する。第1の標識は、本発明で使用される磁性粒子と結び付けられる。第2の標識は、標識と、被検物質特異的結合パートナー若しくは被検物質類似体とを含む、コンジュゲート試薬の一部である。「標識」は、他の分子または固体支持体に結合し(共有結合若しくは非共有結合手段によって、単独で若しくはカプセル化されて)、標識された分子の検出を可能にする特異的な特徴について選択される、任意の分子である。一般に、標識としては、限定されないが、次の種類:微粒子金属および金属誘導体、放射性同位体、触媒若しくは酵素に基づくの反応物質、発色性基質および発色団、蛍光および化学発光分子、並びに蛍光体が挙げられる。標識を利用すると、信号が生成され、これを電磁放射線の検出または直接視覚化などの手段によって検出でき、任意に測定できる。
【0042】
本発明の一態様では、磁性ナノ粒子は、金属コロイドに取り付けられる。典型的な免疫測定法では、コロイド金が視覚的または定性的な検出のための標識を提供する。しかし、本発明の主態様では、コロイドは、異なる標識のためのキャリアの役割を果たす。混乱を避けるために、金属コロイドによって担持される標識を、この標識とコロイド自体とを区別するために、コロイドに取り付けられた標識と呼ぶ。例えば、近年、コロイド金粒子が蛍光金属キレートでコーティングされている。米国特許出願公開第20040082768号は、コロイド金粒子上にコーティングされたユーロピウムキレートについて記載しており、その特許出願公開の全体を参照により本明細書に組み込む。また、コロイドは、例えば、フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッド、ルミノール、アントラセン、ルシフェラーゼ、ペルオキシダーゼ、デヒドロゲナーゼ、およびその他のものなどの、従来の、並びにこれまでにない、他の蛍光、化学発光、および酵素標識に結び付けることもできる。コロイドに取り付けられた標識の可能性は広範にわたるが、標識は、コンジュゲート試薬の標識による信号生成とは区別可能な信号を生成しなければならない。本発明の一態様では、標識は、水性環境において、好ましくは従来の器具によって定量化可能な信号を生成可能なものであるべきである。
【0043】
金属コロイドは、主に金および銀であるが、他の金属、特に希土類金属は、適している。取り付けられたときにコロイドおよび磁性粒子がキャリア液体中で懸濁液であり続けることができる限り、コロイドのサイズは、重要ではない。
【0044】
本発明の特定の態様では、コロイドに取り付けられる標識には、Eu3+、Tb3+、およびSm3+など、3価のランタニド陽イオンのキレートが含まれる。これらのキレートには、キレート配位子、増強イオン、および標識からの信号の強度を高めるための相乗剤を含めることができる。特定の態様では、コロイドに取り付けられた標識は、時間分解蛍光測定法の原理に基づいて、バックグラウンド信号の影響をなくし、アッセイの感度を高める働きをする。
【0045】
3価のランタニド陽イオン、特に、Eu3+、Yb3+、およびSm3+のキレートの蛍光特性は、時間分解蛍光測定法に特に適している。これらのキレートでは、強いイオン放出は、キレート内エネルギー移動によって生じ、その際、有機配位子が、紫外(UV)範囲の励起放射線を吸収し、励起エネルギーを放出イオンへと移動させる。イオンの周りの配位子場は、また、水溶液中で効率的な非活性化経路を生み出す傾向にある配位水分子によって引き起こされるクエンチングを妨げる。イオンに特異的な放出は、長いストークスシフト(230〜300nm)を備え、長い波長(Tb3+ 544nm、Eu3+ 613nm、Sm3+ 643nm)において狭帯域線で現われる。この状況で最も重要な特徴は、バックグラウンドの効果的な除去のための時間分解検出の適用と感度の向上とを可能にする、1μsから2ms以上にわたる長い蛍光寿命である。
【0046】
ランタニド蛍光を増加させるための配位子として、β−ジケトンが最も広く使用されている。それらは、二座キレート剤として比較的安定したキレートを形成し、キレート構造に関与する六員環は、励起光を直接吸収し、エネルギーをキレート化されたイオンへと効率的に移動させる。ただし、一部のキレートの場合、蛍光は、基本的に有機溶媒に限られているため、それらのキレートは生物学的用途には魅力的でない、または実用的でない。本発明の一態様では、コロイドに取り付けられた標識は、米国特許出願第20040082768号に記載のように、水性溶媒中でランタニド(III)希土類金属イオンとともに蛍光キレートを形成するβ−ジケトンである。この標識は、360nm以上のエネルギーを標識に照射し、標識からの蛍光を検出することによって検出することができる。さらに、スー・Y(Xu,Y)ら、「時間分解蛍光免疫測定法における共蛍光効果:概説(Co−fluorescence Effect in Time−resolved Fluoroimmunoassay: A Review)」、アナリスト(Analyst)1992(117:1061〜1069)に記載のように、他のいくつかのβ−ジケトンも公知の有効なキレート剤である:
テノイルトリフルオロアセトン(TTA)
ベンゾイルトリフルオロアセトン(BTA)
2−フロイルトリフルオロアセトン(FTA)
p−フルオロベンゾイルトリフルオロアセトン(FBTA)
β−ナフトイルトリフルオロアセトン(β−NTA)
1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−5−フェニルペンタン−3,5−ジオン(PFPP)
ジベンゾイルメタン(DBM)
ジ−p−フルオロベンゾイルメタン(DFBM)
ピバロイルトリフルオロアセトン(PTA)
1,1,1−トリフルオロ−6−メチルヘプタン−2,4−ジオン(TFMH)
ジピバロイルメタン(DPM)
1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン(HFAcA)
1,1,1,2,2−ペンタフルオロヘキサン−3,5−ジオン(PFH)
1,1,1,2.2−ペンタフルオロ−6,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン(PFDMH)
1,1,12,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチルオクタン−4,6−ジオン(HFDMO)
1,1,1,2,2−ペンタフルオロテトラデカン−2,4−ジオン(PFTD)
1,1,1−トリフルオロトリデカン−2,4−ジオン(TFTD)
1,1,1−トリフルオロアセチルアセトン(TFAcA)
アセチルアセトン(AcA)
【0047】
多くの場合、ランタニドβ−ジケトンキレートの強い蛍光強度は、非水性キレート環境を必要とする。例えば、トリス−キレート中の3つのβ−ジケトン分子は、イオンの利用可能な9つの配位部位のうちの6つしか占有せず、依然として水によるクエンチングの影響を受けやすい。相乗的な配位子(若しくは相乗剤)が配位子場から水分子に置き替わるようにキレート構造に関与する、「絶縁シート」として働くように、相乗剤配位子が導入されてきた。この剤は、シールドの役割を果たして、キレートを外部相互作用から保護し、したがって非放射性エネルギー劣化を効率的に低減することができる。共蛍光増強に利用可能な相乗的な配位子の例は、1,10−フェナントロリン(Phen)およびその誘導体、例えば、4,7−(または5,6)−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2.9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、ピリジン誘導体、例えば、2,2’−ジピリジル(DP)、2,2’−ジピリジルアミン、2,4.6−トリメチルピリジン、2,2’:6’,2’’−テトラピリジン、および1.3−ジフェニルグアニジンである。トリ−n−オクチル−ホスフェンオキシド(TOPO)が最も効果的な相乗剤の1つであることがわかっている。通常、ランタニドキレート上の蛍光は、最大且つほぼ安定した蛍光に達するまで、相乗的な配位子の濃度増加とともに増加する。
【0048】
他の態様では、蛍光標識を、増強イオンの存在下で使用することができる。一般に適用される増強イオンは、Gd3+、Tb3+、Lu3+、La3+、およびYb3+である。増強イオンは、時間分解蛍光測定法が関与するいくつかの条件下で、例えばYb3+およびDy3+によって弱い共蛍光増強効果が得られるので、有用である。これは、共蛍光増強系では、使用される増強イオンが、使用されるβ−ジケトンの励起三重項準位よりも下に位置する4fまたは4d順位を励起させるはずがないからである。したがって、これらのキレートによって吸収されるエネルギーは、これらの存在しないエネルギー準位を通じて消失することがない。その代わりに、エネルギーは、分子間エネルギー移動を通じて蛍光イオンへと移される。増強イオンは、アクセプタ検出のための線形応答を保証するために三重項増感剤の過剰な高いモル濃度を提供するために必要とされる。高い濃度は、また、エネルギー移動に必要な凝集体を作り出すために必要とされる。
【0049】
非イオン性洗剤が、キレートを非放射性プロセスに対して保護し、沈降を妨げることによってキレートを可溶化し、溶液を安定させることがわかっている。好適な洗剤の例としては、TRITON(登録商標)X−100およびTWEEN(登録商標)20が挙げられる。また、蛍光を増強させるために、水溶性の有機溶媒も使用することができる。
【0050】
本発明の他の態様では、コンジュゲート試薬は、被検物質を検出するための標識を含む。この標識は、被検物質特異的結合パートナー若しくは被検物質類似体に取り付けられる。この標識は、コロイドに取り付けられた標識とは異なる独立したものであり、その信号は、コロイドに取り付けられた標識とは区別可能でなければならない。本発明の様々な態様では、2つの標識は、順次または同時に検出される。被検物質特異的結合パートナーへの標識の取付けは、当該技術分野で周知のように、直接的に、リンカーを通じて、または1対の特異的結合パートナー(例えば、ビオチン/アビジン)を通じて、達成することができる。コンジュゲート試薬上の標識とコロイドに取り付けられた標識との両方が蛍光標識である場合、それらの標識は、例えば、異なる波長での励起によって、または異なる発光スペクトルによって、区別可能であるべきである。
【0051】
一態様では、本発明は、標識が取り付けられている金属コロイドを含む、サンプル中の被検物質を検出するための試薬に関する。該試薬は、また、抗体、抗原、ストレプトアビジン、若しくはビオチンなど、被検物質特異的結合パートナー、タンパク質、または他の(非被検物質)特異的結合パートナーのうちの1つ若しくは複数を含むことができる。(非被検物質)特異的結合パートナーおよびタンパク質を使用して、粒子上の相補的結合パートナーによって、または適切なリンカー分子を通じて、コロイドを磁性粒子に結び付けることができる。
【0052】
微粒子試薬
本発明の一態様は、磁性粒子と金属コロイドとの複合体を含む微粒子試薬に関する。この態様では、金属コロイドは、該コロイドに取り付けられた標識によって官能化される。
【0053】
コロイドと粒子とは、周知の連結化学反応を使用して取り付けることができる。これらの化学反応には、例えば、EDCなどのゼロリンカー(zero linkers)および長鎖リンカーを使用する直接取付け、またはビオチンやアビジン/ストレプトアビジン/ニュートラアビジンなどの1対の結合パートナーを通じた間接的なものが含まれる。連結を助けるために、磁性粒子を、アミノ、アルデヒド、ヒドロキシル、またはカルボキシル基によって官能化することができる。
【0054】
コロイド金は免疫測定法における標識として広く使用されている。したがって、コロイドを官能化し、それらを様々な分子に取り付ける方法は、十分に特徴付けられている。例えば、米国特許出願公開第20040082768号は、ユーロピウムキレートでコーティングされ、抗体に結合した金コロイドについて記載している。
【0055】
本発明の他の態様では、コロイドは、被検物質特異的結合パートナーを含む。標識および結合パートナーがともにコロイドに添加されるときには、初めに標識が添加されて、順次添加される。一般に、標識および結合パートナーの特定の濃度は、同じ濃度に保たれるが、結合パートナーに応じて濃度を多様にすることができる。3つの構成成分(すなわち、標識、特異的結合パートナー、および被検物質特異的結合パートナー)すべてがコロイド上に含まれるときには、構成成分は、標識、被検物質特異的結合パートナー、特異的結合パートナーの順序で添加される。
【0056】
一般に、微粒子試薬は、コロイドに取り付けられた標識を含む。コンジュゲート試薬に結び付けられた第2の標識が、サンプル中の被検物質の存在または量を検出するために使用される。ただし、一実施形態では、第2の標識は、コロイドまたは粒子に(連結基を通じて、若しくは1対の結合パートナーを通じて)取り付けられる。ゆえに、この試薬は、サンプル中の被検物質の存在にかかわらず2つの信号を提供することになる。したがって、この試薬は、基質試薬など、アッセイにおいて他の試薬の品質を判定するための対照として使用することができる。
【0057】
一態様では、微粒子試薬は、商用アッセイでのそれらの便利な使用を可能にする、凍結乾燥された形態で提供される。微粒子試薬は、標準的な凍結乾燥プロトコルによって凍結乾燥することができる。一般に、微粒子試薬は、トレハロース(若しくは他の任意の凍結保護物質)と混合され、個々のバイアルに分注される。それらは、次いで、標準的な凍結乾燥プロトコルを使用して凍結乾燥され、真空下若しくは乾燥窒素下で栓をされる。凍結乾燥後のメルトバックを軽減するために、凍結乾燥された材料は、凍結乾燥サイクルの完了後、上昇させた温度で長時間にわたって、例えば、45℃で少なくとも60時間にわたって乾燥される。
【0058】
デバイス
他の態様では、本発明は、サンプル中の被検物質の存在を検出するためのデバイスを提供する。該デバイスは、多孔質キャリアマトリックスと磁石とを含む。デバイスの操作の一例では、サンプルと、微粒子試薬と、適切なリポーター分子で標識された検出試薬とを含有する溶液がデバイスに適用される。磁石は、磁場が粒子を引き付けてマトリックス上の個々の場所で実質的に保持するように、多孔質キャリアマトリックスと結び付けられる。
【0059】
多孔質キャリアの形状は、アッセイを実施するのに好適なフォーマットを提供する範囲においてのみ重要である。その最も単純な形態では、キャリアは、サンプル適用ゾーンと検出ゾーンとを有するストリップであり、それらサンプル適用ゾーンと検出ゾーンとは、同一のゾーンであってもよい。磁場が磁性粒子を引き付けて検出ゾーン内で保持するように、磁石は、磁場が検出ゾーンを画定するように該検出ゾーンと結び付けられる。例えば、検出ゾーンを流れ過ぎる溶液中の粒子の横方向流れが止められるように、磁石を多孔質キャリアの下に配置することができる。溶液はマトリックスを横断し続けるが、粒子は、磁場によって適所で保持されることになる。
【0060】
検出ゾーン内の磁場が、検出ゾーンをほぼすべての粒子が通過するのを妨げるのに十分に強いものであれば、磁性物質を、直接マトリックスに当てて保持しても、任意の程度までマトリックスから離隔させてもよい。「ほぼすべて」は、すべての粒子が検出ゾーン内で保持されていた場合とでアッセイの感度が大幅には異ならないように、粒子が検出ゾーンを通過するのを磁石が妨げることを意味する。ほぼすべての粒子は、粒子の少なくとも大部分であり、好ましくは粒子の少なくとも約70%、約80%、約90%、または約95%が検出ゾーン内で保持されるべきであり、より好ましくは約99%以上が保持される。
【0061】
磁性物質は、接着剤、クランプ、または磁石を検出ゾーン内の適所で維持する他の任意のデバイスによって適所で保持することができる。一態様では、多孔質キャリアマトリックスは、操作者による取扱いが便利なように剛体内で保持される。磁石およびマトリックスは、磁石の場所がマトリックスに対して固定されるように、剛体内の適所で保持することができる。剛体のための材料は、それがサンプルおよび試薬と適合性があり、磁場に影響を与えない限り、重要ではない。好ましくは、剛体は、容易且つ安価に製造され、包装される。
【0062】
デバイスは、サンプル適用ゾーンを含むことができ、該サンプル適用ゾーンは、検出ゾーンから横方向に離隔されていてよい。サンプル適用ゾーンは、マトリックス上の個々の場所でのサンプル溶液および/若しくは他の試薬の適用を容易にする、別個のパッド、カップ、ウエル、または他の部材を含むことができる。サンプル適用ゾーンは、また、サンプル溶液が添加されると該溶液によってコンジュゲート試薬が可溶化されるように、マトリックス、別個のパッド、若しくは他の部材に非拡散的に結合したコンジュゲート試薬も含むことができる。
【0063】
一般に、マトリックスの形状は、検出される1つ若しくは複数の被検物質に適したものであるべきである。マトリックスは、サンプル中の多数の被検物質を測定するための2つ以上の個々のチャネルを含むことができる。マトリックスは、チャネル間に流体不透過性バリアを設けること、またはマトリックスを液体流れ不透過性にする試薬でマトリックスの個々の領域を処理することなどによって、物理的に分割することができる。例えば、フルオロメタクリレートポリマーを使用して、マトリックスの一部分を液体不透過性にすることによってマトリックス中に個々のチャネルを作り出すことができる。
【0064】
検出ゾーンの形状は、一般に、磁場の形状によって画定され、磁場の形状は、一般に、磁石の形状である。一例では、マトリックスは、ストリップであり、磁石は、ストリップの下に配置された円形ディスクである。操作時には、検出ゾーンは、円形のマトリックス表面形状を呈する。他の形状は、マトリックスの形状および検討中の被検物質の数と適合性があるべきである。磁性粒子が検出領域の上流に堆積され、磁石へと流されるときには、横方向に流れる溶媒の最前部が初めに磁場と接触する場所で粒子の大部分が保持されることがわかった。
【0065】
2以上の被検物質を測定するデバイスでは、マトリックスのいくつかの個々の部分の下に位置する1つの磁石など、1つの磁石がいくつかの個々の検出ゾーンに磁場を与える働きをすることもでき、または各ゾーンがそれぞれ独自の磁石を有することもできる。2以上の磁石が使用されるときには、1つの磁石からの磁場は、他の(1つ若しくは複数の)磁石の磁場へと引き付けられることが意図される粒子を引き付けてはならない。
【0066】
一般に、デバイスのサイズは、操作者による取扱いを容易にし、またさらに、視覚的に、光度測定的に、または分光光度測定的に信号を検出できるように、標識から十分な信号を提供する。一態様では、多孔質キャリアは、約6mm×約100mmのストリップであり、デバイスは、ストリップおよび磁石を固定された関係で保持するのに適したサイズの剛体を含む。
【0067】
好適な磁石は、多数ある。一例は、0.25インチ×0.25インチの希土類ネオジム−鉄−ホウ素棒磁石である。この磁石は、40MGOe(メガガウス・エルステッド)の強度をもつ。また、他のサイズの、ディスクおよびキューブなどの他の幾何学構造も適している。様々な強度の磁石が利用可能であるが、マトリックスから磁石までの距離は、粒子の捕捉効率に影響を与える。例えば、40MGOe磁石がマトリックスから0.25インチ離して置かれる場合、磁石がマトリックスの下側に触れているときにはわずか0.8%の粒子しか見られないことがわかった。
【0068】
方法およびデバイスは、様々な試薬の使用を含む。これらの試薬は、サンプルとは別個にデバイスに添加することもでき、サンプルを含有する混合物に添加することもでき、またはデバイス上に載せられた状態で保管することもできる。試薬には、結合していない反応材料を検出ゾーンから除去する洗浄試薬、検出ゾーン内の被検物質の存在を検出する検出試薬、非特異的結合を低減するためにサンプルの添加前に多孔質マトリックスを処理するプレウェッティング試薬が含まれる。
【0069】
洗浄試薬は、横方向流デバイスの技術分野の技術者には周知である。結合していない反応物質を検出ゾーンから除去可能な試薬が適している。これらの試薬は、一般に、低分子量キャリアタンパク質と、洗剤と、防腐剤との組み合わせである。そのような1つの試薬は、SNAP(登録商標)FeLV/FIVコンボアッセイ(IDEXXラボラトリーズ社(IDEXX Laboratories))の構成成分である。
【0070】
コンジュゲート試薬上の標識が酵素であるときには、検出試薬は、検出ゾーン内で酵素と反応すると検出可能な信号を生み出す基質を含むことができる。例えば、十分に特徴付けられた酵素である西洋ワサビペルオキシダーゼは、基質4−クロロ−1−ナフトールと反応したときに有色の生成物を生成する。市販されている1つの基質溶液は、TSIインコーポレーテッド社(TSI Incorporated)(マサチューセッツ州ウースター(Worcester))から入手可能なTMブルー(TM Blue)である。また興味深いものは、過酸化水素の生成と、染料前駆体を酸化して染料にするための過酸化水素の使用を利用する酵素である。特定の組合せとしては、過酸化水素を使用して染料前駆体を酸化する酵素、例えば、ペルオキシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、およびシトクロムCオキシダーゼと結合した、サッカライドオキシダーゼ、例えば、グルコースおよびガラクトースオキシダーゼ、または、ウリカーゼやキサンチンオキシダーゼなどの複素環オキシダーゼが挙げられる。他の周知の酵素反応は、化学発光(例えば、ルミナル(luminal)およびHRP)、または蛍光(例えば、メチルウンベリフェロンおよびアルカリホスファターゼ)信号をもたらす。場合によっては、洗浄試薬と検出試薬とが同一の試薬であり、このことにより基質試薬は、検出反応にも関わりながら、結合していない反応物質を検出ゾーンから除去することができる。
【0071】
洗浄試薬および検出試薬は、米国特許第5726010号に記載のように、破壊可能な貯蔵容器内で、デバイス上に載せられた状態で保管することができ、その特許の全体を参照により本明細書に組み込む。試薬は、試薬供給芯によって多孔質マトリックスに供給することができる。供給芯は、貯蔵容器に穴をあけ、流れマトリックスに試薬を供給する働きをする、ランスを含むことができる。この連結は、単一の動作で、保管された2つの液体試薬を放出することを容易にする。また、2つの試薬の順次使用、すなわち、洗浄試薬使用後に検出器試薬を使用することができる。試薬は、また、規定された場所において規定された速度および体積で試薬を多孔質マトリックス上に分注する、自動ピペッティングステーションを通じて供給することもできる。
【0072】
本発明のデバイスは、また、過剰なサンプルおよび試薬を吸収する吸収剤リザーバを含むことができる。吸収剤リザーバとして使用するのに適した材料は、好ましくはきわめて吸収性が高く、流体サンプルと添加される液体試薬との体積を超える容量を提供し、2つの材料間の流体移動の唯一の手段としての物理的接触によって、流れマトリックスから液体を吸収することができる。様々な材料および構造がこれらの要件に合致している。セルロースや誘導体化されたセルロース(例えば、セルロースアセテート)などの天然および合成繊維の繊維状構造が、この用途に好ましい。材料の繊維は、特定の軸線に沿って配向(すなわち、整列)していてもよく、またはランダムであってもよい。本発明の好ましい一実施形態は、密度範囲が1立方センチメートル当たり0.1〜0.3グラムで、空隙容積が60〜95パーセントである、非整列セルロースアセテート繊維を使用する。そのような1つの材料は、アメリカン・フィルトロナ・コーポレーション社(American Filtrona Corporation)(バージニア州リッチモンド(Richmond))から入手可能なR−13948トランソーブリザーバ(R−13948 Transorb Reservoir)である。
【0073】
デバイスの操作
本発明の方法およびデバイスは、サンドイッチまたは競合型の特異的結合アッセイを容易にする。本発明によれば、被検物質特異的結合パートナーは、該パートナーをマトリックスに直接的または間接的に取り付ける必要なしに検出ゾーン内で保持される。一般に、サンプルをデバイスに添加する前に、該サンプルに微粒子試薬を添加することができる。コンジュゲート試薬は、サンプルに添加することもでき、または微粒子試薬がサンプルと反応した後でデバイスに添加することもできる。別法として、サンプル溶液が試薬を可溶化するように、コンジュゲート試薬がデバイス上に可溶化可能な形態で存在してもよい。他の態様では、例えばデバイスの製造時など、試薬の添加前に微粒子試薬をデバイスに添加することができる。
【0074】
サンドイッチアッセイの場合、被検物質特異的結合試薬(例えば、抗体)は、微粒子試薬上にそれが存在する結果として検出ゾーン内で固定化される。サンプル被検物質がその結合パートナーに結合した後、複合体は、コンジュゲート試薬上の標識によって検出される。被検物質は、微粒子試薬上の被検物質特異的結合パートナーとコンジュゲート試薬上の被検物質特異的結合パートナーとの間に挟まれる。被検物質特異的結合パートナーは、同一のものであっても異なるものであってもよい。
【0075】
競合アッセイの場合、微粒子試薬の組成およびアッセイの順序に応じて、多くのアッセイフォーマットが可能である。競合フォーマットには、例えば、被検物質特異的結合パートナーを含有する微粒子試薬を同時にサンプルと標識された被検物質類似体とに接触させる、1段階アッセイが含まれる。1段階アッセイは、また、被検物質類似体が微粒子試薬上にあり、被検物質特異的結合パートナーが適切なリポーター分子で標識されている場合にも達成することができる。2段階の競合アッセイでは、サンプルを、1つのアッセイ構成成分(例えば、標識された被検物質類似体)と混合し、次いで一定期間のインキュベーション後に残りのアッセイ構成成分(すなわち、被検物質特異的結合パートナーを有する微粒子試薬)と混合する。1段階アッセイと同様に、被検物質類似体または被検物質特異的結合パートナーのいずれか一方を微粒子試薬上に配置し、他方を標識することができる。2段階フォーマットの一例では、微粒子試薬上に配置された被検物質類似体を、ある時間にわたってサンプルと混合する。次いで、標識された被検物質特異的結合パートナーを、反応混合物に添加して、第2のインキュベーションを行う。アッセイフォーマットにかかわらず、検出ゾーンで検出される標識の量は、サンプル中の被検物質の量に反比例する。
【0076】
試薬およびサンプルを、サンプル適用ゾーンで多孔質マトリックスと接触させる。横方向流れを達成するデバイスの特性の結果として、液体試薬がサンプル適用ゾーンから検出ゾーンへと流れて該検出ゾーンを通り抜けるように、サンプル適用ゾーンは、通常、検出ゾーンの上流にある。過剰な液体は、吸収剤リザーバ内で捕捉することができる。洗浄および/若しくは検出試薬を添加することもでき、または洗浄および/若しくは検出試薬はデバイス上に載せられた状態で存在することもできる。サンプルおよび試薬をデバイスに添加するためには特別の方法は必要ない。液体サンプルおよび試薬をデバイス上に滴下することによってサンプルを適用してもよく、またはデバイスを試薬に浸漬してもよい。サンプル適用ゾーンは、任意に、サンプル液体と接触すると可溶化される乾燥試薬を含む別個のマトリックスを含むこともできる。例えば、コンジュゲート試薬は、乾燥形態で存在し、サンプル液体と接触したときに可溶化されて検出反応に関与することができる。試薬は、別個のマトリックス中に存在してもよいが、該試薬が検出ゾーンへと流れて検出反応に関与できるように、サンプル液体または他の液体による該試薬の可溶化を可能にする場所で多孔質マトリックス上に存在することができる。
【0077】
サンプル適用ゾーンは、部分的にまたは完全に検出ゾーンに重なっていてよい。ただし、サンプル適用ゾーンが検出ゾーンから横方向に離隔された状態で、デバイスの最適な性能が達成されることがわかっている。その距離は、結合した材料と結合していない材料との分離を可能にし、このことにより例えばマトリックスとコンジュゲート試薬との間の非特異的結合を低減しうるものであることが望ましい。一般に、この距離は、約4mm〜10mmの間である。距離は、一般に、より大きな分離を可能にするより長い距離と、磁性試薬が磁石に引き付けられることに一部起因する、アッセイのスピードを高めるより短い距離との間の妥協である。サンプル適用ゾーンと検出ゾーンとの間の距離は、マトリックスの材料によって異なるであろう。横方向流量70mm/4分を有する多孔質キャリアマトリックスを使用する本発明の一態様では、検出ゾーンは、サンプル適用ゾーンから約10mmにある。
【0078】
マトリックスは、予め、すなわち、サンプルの添加前に、材料の疎水性を改善する試薬によって濡らすことができる。プレウェッティング試薬は、適用ゾーン、検出ゾーン、およびゾーン間の経路を含む領域全体を該試薬が流れる限り、マトリックスの任意の部分に添加することができる。プレウェッティング試薬の例としては、単独の、または予め混合された形態の2つ若しくは3つの試薬の組合せの、緩衝剤、洗剤、および低分子量のキャリアタンパク質が挙げられる。
【0079】
デバイスへのサンプルおよび試薬の添加後、コンジュゲート試薬上の標識は、使用される標識に適した方法によって測定される。標識からの信号を視覚的に検出できるように、または、例えば光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)、および電荷結合素子(CCD)などの、光を測定若しくは検出可能な任意のデバイスによって検出できるように、デバイスは、検出ゾーンの領域に開口部または透明窓を提供すべきである。2つの標識が微粒子試薬と結び付けられるとき、例えば、コロイドに取り付けられた標識が化学発光標識であり、コロイドがコンジュゲート試薬を通じて結合した蛍光標識を有するときには、2つの標識からの信号は、順次検出される。コロイドに取り付けられた蛍光標識は、その標識を適切な波長で励起し、発光を検出することによって、検出される。化学発光信号は、酵素基質の添加後に直接読み取られる。同一の検出デバイスを使用して蛍光信号および化学発光信号の両方を測定することもでき、または、各信号を独立した検出システム上で読み取ることもできる。使用される検出システムは、同一のものであってもよく、または異なるタイプのものであってもよく、その際の主な要件は、感度がアッセイを実施するのに十分なことである。
【0080】
較正
一態様では、本発明は、アッセイを較正する方法に関し、この方法は、未知のサンプル中の被検物質の測定と並行してまたはその測定の前に較正曲線を引くという標準技法に頼らない。
【0081】
この態様では、本発明は、被検物質の存在に関連した信号(被検物質信号)とは無関係に微粒子試薬の量の定量化を可能にする。例えば、コロイドに取り付けられた標識は、検出ゾーンからの信号を提供し、この信号から検出ゾーン内の被検物質特異的結合パートナーの量を決定できる。検出ゾーン内の微粒子試薬の量は一般にアッセイ信号に比例するので、検出領域内の微粒子試薬の量の小さな変化に起因した被検物質特異的結合パートナーからの信号の小さな変化を考慮することが可能である。すなわち、例えば、コロイドに取り付けられた標識からの信号が10%低下する場合、被検物質特異的結合パートナーからの信号の10%低下を予想することができる。図1は、様々な濃度の微粒子試薬を使用する2つの実験の結果を示しており、これらの実施形態では、微粒子試薬は、化学発光標識および蛍光標識の両方を含む(粒子は、HRP酵素でコーティングされた)。蛍光信号の変化は、化学発光信号の変化に比例する。
【0082】
微粒子試薬のコロイド上に標識があると、これはサンプル中の被検物質の存在に関連した信号(被検物質信号)とは無関係な信号を提供するので、アッセイは、試薬の希釈およびピペッティングに起因する変動、並びにマトリックス内の試薬の動きの潜在的な変動に起因する、被検物質信号強度の変動を考慮することができる。また、較正システムは、試薬の移動の失敗や、検出ゾーンでの微粒子試薬の捕捉の失敗など、カタストロフ的な失敗を操作者に警告する作用もする。
【0083】
同じく重要なことに、コロイド上の標識の存在は、凍結乾燥状態からの再水和後の微粒子試薬の濃度の決定を可能にする。例えば、本発明は、対照アッセイを実施することなく、または材料の濃度を独立して決定できる標識を用いて、再水和された材料の濃度の精確な決定を可能にする。本発明を使用すれば、凍結乾燥された微粒子試薬が誤って必要な液体の体積の2倍の体積で最水和されると、コロイドに取り付けられた標識から測定される信号は、通常予想される信号の半分となる。その場合、アッセイ試薬のこの変化を考慮することができ、アッセイを、それでもその操作パラメータを満たすように調節することができる。例えば、図2は、これを、蛍光標識および化学発光標識の両方を有する凍結乾燥された微粒子試薬の希釈として示す(化学発光標識は、コロイドに直接取り付けられた)。凍結乾燥前の粒子の体積は、500μlであった。試薬希釈の量が増加するにつれて、蛍光標識からの信号の量が減少する。希釈の結果としての化学発光標識の減少は、蛍光標識からの信号の減少に正比例する。
【0084】
他の態様では、酵素で標識された磁性粒子と蛍光標識されたコロイドとから成る微粒子試薬を使用して、化学発光信号に使用される基質を較正することができる。そのような基質が経時的に劣化することは、周知である。基質が劣化するにつれて、用量応答の傾きも変化することになる。前述の試薬を使用すると、基質の劣化にかかわらず、基質の用量応答を決定することができる。化学発光および蛍光信号の両方が線形傾向を示すように、酵素信号を滴定すべきである。
【0085】
例えば、図3Aは、HRP(過酸化水素)についての基質の活性成分が減少するにつれて、化学発光信号が減少することを示す。図3Bは、蛍光信号に変化がないので、この減少が使用される微粒子試薬の量の相違には起因しないことを示す。したがって、化学発光信号の変化は、基質活性の変化のみに起因するものと判定することができる。
【0086】
図4は、基質活性の変化がアッセイの用量応答にどのように影響を与えるかを示す。基質の活性は、固定された量の微粒子試薬を使用して測定することができ、蛍光信号によって測定される。測定された活性を製造時の基質の活性と比較することができる。いかなる重大な変化(劣化)も、被検物質を決定するために使用される標準曲線の調節において考慮することができる。
【0087】
キット
本発明の前述の諸実施形態のいずれかまたはすべてを、キットとして提供することができる。特定の一例では、そのようなキットは、特異的結合試薬、例えば、被検物質結合に特異的な非固定化コンジュゲート試薬および微粒子試薬、並びに洗浄試薬および検出器試薬を備えた、本発明のデバイスを含む。望ましいまたは適切な場合、陽性および陰性対照試薬も含めることができる。さらに、安定剤や緩衝剤など、他の添加剤も含めることができる。様々な試薬の相対的な量は、アッセイの感度を実質的に最適化する試薬の溶液中濃度をもたらすように、幅広く変化させることができる。特に、試薬は、溶解するとサンプルと結び付くのに適した濃度を有する試薬溶液をもたらすことになる、通常は凍結乾燥された乾燥粉末として提供することができる。
【0088】
以下は、単に例示の目的で提供されるにすぎず、以上で大まかに記載した本発明の範囲を制限しようとするものではない。本開示で引用されるすべての参考文献を参照により本明細書に組み込む。
【実施例1】
【0089】
200nm磁性粒子のビオチン化
カルボキシ官能化された200nm微小粒子を以下の手順にしたがってビオチン化した。
材料:
200nMカルボキシ磁性粒子3.1%固体(アデムテック(Ademtech)#02123)
ビオチンPEO−LC−アミン、fw418.6(ピアス(Pierce)#21347)
MES、fw195.2(シグマ(Sigma)#M−8250)
トリズマ塩基(Trisma Base)、fw121.1(シグマ#T−1503)
トリトンX−100(Triton X−100)、(シグマ#X−100)
EDC、(1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドヒドロクロリド)、fw191.7(ピアス(Pierce)#22980)
BSA、ウシ血清アルブミン(アメレスコ(Ameresco)#0332)
【0090】
調製:
A.50mMのMES緩衝液、pH6.1:
9.76gのMESを800mLの水に溶解させる。pHを6.1に調整する。\1.0Lにする。
B.50mMのトリス緩衝液、pH9.0:
6.06gのトリスを800mLの水に溶解させる。pHを9.0に調整する。全量を1.0Lにする。
C.50mMのトリス/1%トリトンX−100緩衝液、pH9.0:
6.06gのトリスを800mLの水に溶解させる。10mLのトリトンX−100を加える。pHを9.0に調整する。全量を1.0Lにする。
D.MES緩衝液中の48mMビオチン:
32mgのビオチンPEO−LC−アミンを1.6mLのMES緩衝液に溶解させる。
E.MES緩衝液中の50mMのEDC:
34mgを3.55mLのMES緩衝液に溶解させる。
F.MES緩衝液中の5%ウシ血清アルブミン(BSA)
5.0gのウシ血清アルブミンを80mLのMESに溶解させる。pHを6.1に調整する。全量を100mLにする。
【0091】
2.0mLの200nm粒子を遠心分離して固形物をペレット化する。上清をデカントする。粒子を15mLの50mM MES緩衝液に懸濁させる。15mLの50mM MES緩衝液によってさらに2回溶媒交換(洗浄)を繰り返す。最後に、粒子を3.4mLの50mM MES緩衝液に懸濁させる。
【0092】
粒子に1.3mLの48mMビオチン−PEO−LC−アミンを加え、次いで1.3mLの50mM EDCを加える。室温で1時間上下回転させる。0.6mLの、MES緩衝液中5%BSAを加える。室温で1時間上下回転させる。
【0093】
遠心分離して固形物をペレット化する。上清をデカントする。粒子を15mLの50mMトリス/1%トリトン緩衝液に懸濁させる。15mLの50mMトリス/1%トリトンX−100緩衝液によってさらに2回溶媒交換(洗浄)を繰り返す。
【0094】
遠心分離して固形物をペレット化する。上清をデカントする。粒子を15mLの50mMトリス緩衝液に懸濁させる。15mLの50mMトリス緩衝液によってさらに2回溶媒交換(洗浄)を繰り返す。
【0095】
最後に、粒子を6.0mLの50mMトリス緩衝液に懸濁させる。固体%を決定し、使用まで4℃で保管する。
【0096】
この時点で、これらの粒子は、ニュートラアビジンでコーティングされた蛍光15nMコロイド金粒子による蛍光「染色」の準備ができた状態にある。
【実施例2】
【0097】
二重反応性(FeLV抗原およびビオチン結合)蛍光15nMコロイド金試薬の調製
材料:
15nmコロイド金(ブリティッシュ・バイオセル(British Biocell Inc.))
抗FeLV単クローン性抗体(IDEXXラボラトリーズ(IDEXX Laboratories Inc.))
ニュートラアビジン(ピアス(Pierce))
塩化ユーロピウム、fw258.3(アルドリッチ(Aldrich)、#42,973−2)
トリオクチルホスフィンオキシド、fw386.7(アルドリッチ#223301)
3,5,ジ−フルオロ、フェニル、ナフチル、プロパンジオン、fw310.3(IDEXXラボラトリーズ)
ポリエチレングリコール、fw約15〜20,000(シグマ#P−2263)
メタノール(シグマ#32,241−5)
ジオキサン(シグマ#27,053−9)
ホウ砂(シグマB−3545)
【0098】
調製:
A.40mMのホウ酸塩ストック
15.25gのホウ砂を800mLの水に溶解させる。全量を1.0Lにする。
B.2mMのホウ酸塩緩衝液、pH9.0
50mLの40mMホウ酸塩を800mLの水に加える。pHを9.0にする。全量を1.0Lにする。
C.水中の10%ポリエチレングリコール
10gのポリエチレングリコールを80mLの水に溶解させる。全量を100mLにする。
D.2mMホウ酸塩中の0.3%ポリエチレングリコール
50mLの40mMホウ酸塩および30mLの10%ポリエチレングリコールを800mLの水に加える。pHを7.1に調整する。全量を1.0Lにする。
E.抗FeLV抗体
2mMホウ酸塩中へと抗体を脱塩/透析する。抗体を2mMホウ酸塩で希釈して0.6mg/mLにする(最適化された濃度)。
F.ニュートラアビジン
ニュートラアビジンを2mMホウ酸塩に溶解させる。2mMホウ酸塩中へとニュートラアビジンを脱塩/透析する。ニュートラアビジンを2mMホウ酸塩で希釈して2.3mg/mLにする(最適化された濃度)。
G.2mmホウ酸塩中の20mM塩化ユーロピウム
8.1mgの塩化ユーロピウムを1.56mLの2mMホウ酸塩に溶解させる。
H.メタノール中の40mMトリオクチルホスフィンオキシド
71.2mgを4.6mLのメタノールに溶解させる。
I.ジオキサン中の20mM3,5,ジ−フルオロ、フェニル、ナフチル、プロパンジオン
33.2mgを5.35mLのジオキサンに溶解させる。
J.60%ジオキサン/20%メタノール/20%水中の4mMユーロピウムキレート
ガラス管に、
0.2mLの40mMトリオクチルホスフィンオキシド
0.6mLの20mM3,5,ジ−フルオロ、フェニル、ナフチル、プロパンジオン
0.2mLの20mM塩化ユーロピウムを加える。
【0099】
手順:
300mLの15nMコロイド金に、
0.75mLの4mMユーロピウムキレートを加える(急速撹拌しながら滴下添加)−混合しながら5分間おく。
3.0mLの0.6mg/mL抗FeLV抗体を加える(急速撹拌しながら滴下添加)−混合しながら5分間おく。
3.0mLの2.3mg/mLニュートラアビジンを加える(急速撹拌しながら滴下添加)−混合しながら20分間おく。
9.5mLの10%ポリエチレングリコールを加える(急速撹拌しながら滴下添加)−混合しながら20分間おく。15nmの金を遠心分離して(10.5krpm、1時間)、金粒子をペレット化する。上清をデカントし、300mLの0.3%ポリエチレングリコール中に再懸濁させる。300mLの0.3%ポリエチレングリコールによってさらに2回溶媒交換(洗浄)を繰り返す。最後に、金を10〜30mlの0.3%ポリエチレングリコールに懸濁させる。この時点で、蛍光15nm金粒子は、使用する準備ができた状態にある。
【実施例3】
【0100】
磁性粒子への蛍光コロイド金試薬の特異的結合
実施例2のように調製された500μlの15nmニュートラアビジン−IgG(抗−FELV)蛍光コロイド金を、実施例1のように調製された50μlの200nmビオチン磁性粒子に加える。ボルテックスし、室温で1時間インキュベートする。インキュベーション後、6.18μlの1mg/mlビオチン溶液(50mMトリス/0.05%ツイーン(Tween)pH9で希釈された、ピアス(Pierce)EZ−リンク5−(ビオチンアミド)ペンチルアミン品番21345)を加える。溶液を1インチ立方体磁石上に10分間置いて粒子を収集する。上清を除去する。
【0101】
550μlの50mMトリス/0.05%ツイーンpH9中に再懸濁させる。6.18μlの1mg/mlビオチン溶液を加える。前述のように磁石の上で粒子を捕捉する。上清を除去する。前述のように再懸濁させ、前述のようにビオチンを加える。前述のように粒子を捕捉し、上清を除去する。再懸濁させ、トリス緩衝液を使用して固体0.04%(ビオチン磁性粒子に基づく)まで希釈する。
【実施例4】
【0102】
磁性粒子への蛍光コロイド金試薬の共有結合的取付け
材料:
200nMのカルボキシ磁性粒子3.1%固体(アデムテック(Ademtech)#02123)
15nM蛍光コロイド金試薬(ニュートラアビジンの添加なしに実施例2のように調製される)
MES、fw195.2(シグマ#M−8250)
トリズマ塩基、fw121.1(シグマ#T−1503)
EDC(1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドヒドロクロリド)、fw191.7(ピアス#22980)
【0103】
調製:
A.50mM MES緩衝液、pH6.1
9.76gのMESを800mLの水に溶解させる。pHを6.1に調整する。全量を1.0Lにする。
B.50mMトリス緩衝液、pH9.0
6.06gのトリスを800mLの水に溶解させる。pHを9.0に調整する。全量を1.0Lにする。
C.MES緩衝液中の30uM EDC
7.3mgのEDCを2.54mLのMES緩衝液に溶解させる。MES緩衝液中に1:500で希釈する。
【0104】
手順:
0.09mLの200nm粒子を遠心分離して、固形物をペレット化する。上清をデカントする。粒子を1.5mLの50mM MES緩衝液に懸濁させる。1.5mLの50mM MES緩衝液によってさらに2回溶媒交換(洗浄)を繰り返す。200nm粒子を0.3mLの50mM MES緩衝液に懸濁させる。
【0105】
0.787mLの15nm蛍光粒子を遠心分離して固形物をペレット化する。上清をデカントする。15nm粒子を0.3mLの50mM MES緩衝液に懸濁させる。200nm磁性粒子を15nm蛍光粒子と組み合わせる。0.3mLの30uM EDC溶液を粒子混合物に加える。室温で2時間上下回転させる。
【0106】
磁気分離を使用して固形物をペレット化する。上清をデカントする。粒子ペレットを1.0mLの50mMトリス緩衝液に懸濁させる。上清が透明になるまで磁気分離によって溶媒交換(洗浄)を繰り返す。最後に、粒子を1.0mLの50mMトリス緩衝液に懸濁させる。固体%を決定し、使用まで4℃で保管する。
【実施例5】
【0107】
分析デバイス
米国ジョージア州フェアバーン(Fairburn)のポーレックス・テクノロジーズ社(Porex Technologies Corp.)製の超高分子量ポリエチレンシート材料であるポーレックス(Porex)マトリックスに固定された、直径0.25インチの40MGOe希土類ネオジム−鉄−ホウ素棒磁石を使用して、デバイスを準備した。この材料は、焼結によって超高分子量ポリエチレン(UHWM−PE)の融着球状粒子から作製される。これは、平均孔隙サイズ8ミクロンの多孔質構造を作り出す。ポリエチレン表面は、酸素プラズマで処理され、次いでポリエチレンイミン(PEI)とポリアクリル酸(PAA)との交互の層でコーティングされて、70秒/4cmの吸上速度を有する界面活性剤フリーの親水性表面を作り出す。マトリックスを約6.4ミリ×100mmのストリップに切断した。磁石およびマトリックスを単純なデバイスホルダによって適所で保持した。
【実施例6】
【0108】
FELV(磁石に向かう流動反応混合物)の検出
以下の実施例では、IDEXX FeLV/FIV Combo SNAP(登録商標)試験を使用して、白血病ウイルス陽性のネコ試験からの50μlの血清サンプルを、実施例3または4のように調製された50μlの2重免疫反応性/蛍光性粒子(Dual Immunoreactive/Fluorescent Particle)、並びに、防腐剤、タンパク質、血清、および緩衝塩の溶液中で20μg/mlに希釈された12.5μlのIgG HRPコンジュゲート(例えば、スタビルザイム(Stabilzyme)(登録商標)、サーモディクス(SurModics)、ミネソタ州エデンプレーリー(Eden Prarie))と混合した。
【0109】
混合物を、37℃で10分間、混合状態でインキュベートした。15μlのSNAP(登録商標)洗浄試薬(IDEXXラボラトリーズ)を、実施例5のように準備されたデバイスホルダ内のポーレックスマトリックスの前端から約8.5mmにスポットした。5μlの反応混合物を、ポーレックスマトリックス上の、直径0.25インチの磁石の前の約10mmにスポットした。磁石は、ポーレックスマトリックスの前端から約20mmにある。15μlのSNAP(登録商標)洗浄試薬を2度目にスポットする。信号を検出するために、マトリックスを照光光度計または分光光度計のいずれかの読取りデバイス内に置く。化学発光信号を検出するためにPS−アト基質(PS−atto substrate)(ルミンゲン社(Lumingen, Inc.)をマトリックスの上に流す。蛍光標識の検出は、磁石の上の検出ゾーンのところで光源(例えば、365nmのLED)を輝かせることによって達成され、蛍光コロイド金上のフルオロフォアから発せられる光が測定される。
【0110】
図5は、様々な既知のFeLV濃度における、FeLVについての多数のアッセイの結果を示す。検出限界は、約0.005ng/mlであった。図6は、FELV濃度0.25ng/mlでのアッセイ(30回のアッセイが2日連続で実施された)の再現性を示す。60回のアッセイすべてについてのアッセイ誤差は、6.6%(CV=6.6%)であった。
【実施例7】
【0111】
FeLVの検出
実施例6のように反応混合物を調製した。混合物を37℃で10分間インキュベートした。デバイスホルダ内のポーレックスマトリックスをSNAP(登録商標)洗浄試薬で予め20秒間濡らした。5μlの反応混合物を直径0.25インチの磁石の真上でポーレックスマトリックス上にスポットした。磁石は、ポーレックスマトリックスの先端から約10mmにある。SNAP(登録商標)洗浄液を1分間流し、デバイスを読取り器内に置いた。化学発光および蛍光信号を実施例6のように検出した。
【実施例8】
【0112】
FeLVの検出
50μlのネコサンプルを、実施例1のように調製された50μlの200nmビオチン磁性粒子、および12.5μlのIgG G3 HRPコンジュゲート、および実施例3のように調製された13μlの15nmニュートラアビジン−IgG蛍光コロイド金と混合した。混合物を37℃で10分間インキュベートした。デバイスホルダ内のポーレックスマトリックスを、該マトリックスの前端から約8.5mmに15μlのSNAP(登録商標)洗浄試薬をスポットすることによって予め濡らした。5μlの反応混合物を、ポーレックスマトリックス上の、直径0.25インチの磁石の前の約10mmにスポットした。磁石は、マトリックスの前端から約20mmにある。15μlのSNAP(登録商標)洗浄液を2度目にスポットした。化学発光および蛍光信号を実施例6のように検出した。
【実施例9】
【0113】
FeLVの検出(磁石上への反応混合物の直接付着)
反応混合物およびデバイスを実施例8のように準備した。ポーレックスマトリックスをSNAP(登録商標)洗浄試薬によって予め20秒間濡らした。5μlの反応混合物を、直径0.25インチの磁石の真上でポーレックスマトリックス上にスポットした。磁石は、マトリックスの先端から約10mmであった。SNAP(登録商標)洗浄試薬をマトリックスの上に1分間流した。化学発光および蛍光信号を実施例6のように検出した。
【実施例10】
【0114】
T4の検出
様々なT4濃度を有する10μlのサンプルを、フィッツジェラルド・インターナショナル・インダストリーズ社(Fitzgerald International Industries)(#M94207)から得られる抗体を使用して自家製造された、20μlの0.05μg/ml抗T4抗体コンジュゲートHRPと混合し、37℃で5分間インキュベートした。10μlの磁性粒子をT3でコーティングし、さらに5分間インキュベートした。デバイスホルダ内のポーレックスマトリックスをSNAP(登録商標)洗浄試薬で予め20秒間濡らした。5μlの反応混合物を、ポーレックスマトリックス上の、直径0.25インチの磁石の前の約10mmにスポットした。磁石は、ポーレックスマトリックスの前端から約20mmにある。15μlのSNAP(登録商標)洗浄試薬を2度目にスポットした。化学発光を実施例6のように検出した。
【0115】
図7は、T4の様々なサンプル濃度でのT4アッセイの結果を示す。
【0116】
本発明の様々な特定の実施形態を本明細書に記載したが、本発明がそれらの精密な諸実施形態のみに限定されず、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく当業者がそれらに様々な変更および修正を加えることができることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】図1は、本発明の方法に関連した化学発光信号および蛍光信号の相関を示すグラフである。
【図2】図2は、再水和体積が凍結乾燥粒子の化学発光活性に及ぼす影響を監視するための蛍光の使用を示すグラフである。
【図3A】図3Aは、本発明のHRP−TRF粒子による尿素H22の滴定の結果を示すグラフであり、化学発光と過酸化尿素濃度との間に線形関係があり、2つの信号の間にクロストークがなかったことを示す。
【図3B】図3Bは、本発明のHRP−TRF粒子による尿素H22の滴定の結果を示すグラフであり、一定の蛍光は、アッセイにおける一定の分注および捕捉効率を示す。
【図4】図4は、H22濃度に対するFeLV用量応答の相関を示す図である。
【図5】図5は、本発明を使用するFeLVアッセイの感度を示すグラフである。
【図6】図6は、本発明を使用するFeLVについての60回のアッセイの結果を示す一連のグラフである。
【図7】図7は、本発明を使用する様々なT4濃度における競合フォーマットでのT4アッセイの結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属コロイドに結合した磁性ナノ粒子を含む複合体。
【請求項2】
磁性ナノ粒子は、酸化鉄とポリマーとを含む、請求項1に記載の複合体。
【請求項3】
磁性ナノ粒子は、約50〜1000ナノメートルの直径を有する、請求項1に記載の複合体。
【請求項4】
磁性ナノ粒子は、約100〜500ナノメートルの直径を有する、請求項3に記載の複合体。
【請求項5】
コロイドは、ナノ粒子に共有結合している、請求項1に記載の複合体。
【請求項6】
粒子は、第1の特異的結合パートナーを含み、コロイドは、第1の特異的結合パートナーに特異的である第2の特異的結合パートナーを含む、請求項1に記載の複合体。
【請求項7】
(i)第1の特異的結合パートナーがビオチンであり、第2の特異的結合パートナーが、アビジン、ストレプトアビジン、およびニュートラアビジンから成る群から選択されるか、或いは、(ii)第1の特異的結合パートナーが、アビジン、ストレプトアビジン、およびニュートラアビジンから成る群から選択され、第2の特異的結合パートナーがビオチンである、請求項6に記載の複合体。
【請求項8】
ポリマーは、オレフィン系ポリマーまたはコポリマーを含む、請求項2に記載の複合体。
【請求項9】
ポリマーは、多糖類を含む、請求項2に記載の複合体。
【請求項10】
磁性粒子は、ヒドロキシル、カルボキシル、アルデヒド、またはアミノから成る群から選択される官能基を含む、請求項1に記載の複合体。
【請求項11】
金属は、金、銀、または希土類金属である、請求項1に記載の複合体。
【請求項12】
コロイドに取り付けられた第1の標識をさらに含む、請求項1に記載の複合体。
【請求項13】
第1の標識は、蛍光性の金属キレートを含む、請求項12に記載の複合体。
【請求項14】
ナノ粒子またはコロイドは、被検物質特異的結合パートナーを含む、請求項1に記載の複合体。
【請求項15】
コロイドに取り付けられた第1の標識をさらに含む、請求項14に記載の複合体。
【請求項16】
第1の標識は、蛍光性の金属キレートである、請求項15に記載の複合体。
【請求項17】
標識が取り付けられている金属コロイドと、第1の特異的結合パートナーと、被検物質特異的結合パートナーとを含む、サンプル中の被検物質を検出するための試薬。
【請求項18】
金属は、金、銀、または希土類金属である、請求項17に記載の試薬。
【請求項19】
第1の特異的結合パートナーは、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、またはニュートラアビジンである、請求項17に記載の試薬。
【請求項20】
標識は、蛍光性の金属キレートを含む、請求項17に記載の試薬。
【請求項21】
請求項14に記載の複合体を含む、サンプル中の被検物質を検出するための微粒子試薬であって、コロイドは、コロイドに取り付けられた第1の標識をさらに含む、微粒子試薬。
【請求項22】
金属は、金、銀、または希土類金属である、請求項21に記載の試薬。
【請求項23】
標識は、蛍光性の金属キレートを含む、請求項21に記載の試薬。
【請求項24】
磁性ナノ粒子は、酸化鉄とポリマーとを含む、請求項21に記載の試薬。
【請求項25】
磁性ナノ粒子は、約50〜1000ナノメートルの直径を有する、請求項21に記載の試薬。
【請求項26】
磁性ナノ粒子は、約100〜500ナノメートルの直径を有する、請求項21に記載の試薬。
【請求項27】
コロイドは、ナノ粒子に共有結合している、請求項21に記載の試薬。
【請求項28】
粒子は、第1の特異的結合パートナーを含み、コロイドは、第1の特異的結合パートナーに特異的である第2の特異的結合パートナーを含む、請求項21に記載の試薬。
【請求項29】
ポリマーは、オレフィン系ポリマーまたはコポリマーを含む、請求項24に記載の試薬。
【請求項30】
ポリマーは、多糖類を含む、請求項24に記載の試薬。
【請求項31】
磁性ナノ粒子は、ヒドロキシル、カルボキシル、アルデヒド、またはアミノから成る群から選択される官能基を含む、請求項24に記載の試薬。
【請求項32】
請求項24に記載の試薬を含む、凍結乾燥された試薬。
【請求項33】
多孔質キャリアマトリックスと、多孔質キャリアマトリックス上に検出ゾーンを画定する磁場を有する磁石とを含むデバイスであって、磁場は、請求項21に記載の微粒子試薬を引き付けて検出ゾーン内で保持する、上記デバイス。
【請求項34】
金属は、金、銀、または希土類金属である、請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
標識は、蛍光性の金属キレートを含む、請求項33に記載のデバイス。
【請求項36】
磁性ナノ粒子は、酸化鉄とポリマーとを含む、請求項33に記載のデバイス。
【請求項37】
磁性ナノ粒子は、約50〜1000ナノメートルの直径を有する、請求項33に記載のデバイス。
【請求項38】
磁性ナノ粒子は、約100〜500ナノメートルの直径を有する、請求項33に記載のデバイス。
【請求項39】
サンプル中の被検物質を検出するためのキットであって、
請求項14に記載の複合体、および
磁石を含む検出ゾーンを含む多孔質キャリアマトリックスを含むデバイス
を含み、多孔質キャリアは、複合体の実質的に妨げられない横方向流れを可能にする平均孔隙サイズを有する、上記キット。
【請求項40】
複合体は、コロイドに取り付けられた第1の標識をさらに含む、請求項39に記載のキット。
【請求項41】
金属は、金、銀、または希土類金属である、請求項39に記載のキット。
【請求項42】
標識は、蛍光性の金属キレートを含む、請求項40に記載のキット。
【請求項43】
被検物質特異的結合パートナー若しくは被検物質の類似体に結合した第2の標識を含むコンジュゲート試薬をさらに含み、第2の標識からの信号は、コロイドに取り付けられた第1の標識とは区別可能である、請求項39に記載のキット。
【請求項44】
磁石は、複合体がマトリックスに適用されるときに磁場が複合体を引き付けて検出ゾーン内に実質的に閉じ込めるように、検出ゾーンと結び付けられている、請求項39に記載のキット。
【請求項45】
マトリックスは、複合体の直径の約3〜約500倍の平均孔隙サイズを有する、請求項39に記載のキット。
【請求項46】
マトリックスは、磁性粒子の直径の約10〜約250倍の平均孔隙サイズを有する、請求項39に記載のキット。
【請求項47】
マトリックスは、検出ゾーンから横方向に離隔されたサンプル適用ゾーンを有する、請求項39に記載のキット。
【請求項48】
磁石は、少なくとも20MGOeの強度を有する、請求項39に記載のキット。
【請求項49】
磁性ナノ粒子は、約50〜1000ナノメートルの直径を有する、請求項39に記載のキット。
【請求項50】
磁性ナノ粒子は、約100〜500ナノメートルの直径を有する、請求項39に記載のキット。
【請求項51】
サンプル中の被検物質を検出するためのキットであって、請求項33に記載のデバイスと、被検物質特異的結合パートナー若しくは被検物質の類似体に結合した第2の標識を含むコンジュゲート試薬とを含み、第1の標識からの信号は、第2の標識からの信号とは区別可能である、上記キット。
【請求項52】
金属は、金、銀、または希土類金属である、請求項51に記載のキット。
【請求項53】
第1の標識は、蛍光性の金属キレートを含む、請求項51に記載のキット。
【請求項54】
サンプル中の被検物質を検出するためのキットであって、
請求項21に記載の微粒子試薬、
多孔質キャリアマトリックスおよび多孔質キャリアマトリックス上に検出ゾーンを画定する磁場を有する磁石、ここで、磁場は、微粒子試薬がマトリックスに添加されたときに試薬を引き付けて検出ゾーン内で保持し、マトリックスキャリアは、微粒子試薬の実質的に妨げられない横方向流れを可能にする平均孔隙サイズを有しており、および
被検物質特異的結合パートナー若しくは被検物質類似体に結合した第2の標識を含むコンジュゲート試薬であって、第2の標識からの信号は、コロイドに取り付けられた第1の標識からの信号とは区別可能であるコンジュゲート試薬、
を含む、上記キット。
【請求項55】
金属は、金、銀、または希土類金属である、請求項54に記載のキット。
【請求項56】
第1の標識は、蛍光性の金属キレートを含む、請求項54に記載のキット。
【請求項57】
磁性ナノ粒子は、約50〜1000ナノメートルの直径を有する、請求項54に記載のキット。
【請求項58】
磁性ナノ粒子は、約100〜500ナノメートルの直径を有する、請求項54に記載のキット。
【請求項59】
微粒子試薬は、凍結乾燥された形態である、請求項54に記載のキット。
【請求項60】
サンプル中の被検物質の存在または量を決定する方法であって、
サンプルと、請求項21に記載の微粒子試薬と、第2の被検物質特異的結合パートナー若しくは被検物質の類似体に結合した第2の標識を含むコンジュゲート試薬とを含む混合物を形成し、
混合物と、磁石を含む検出ゾーンを含む多孔質キャリアマトリックスを含むデバイスとを接触させ、ここで、マトリックスは、微粒子試薬の実質的に妨げられない横方向流れを可能にする平均孔隙サイズを有しており、
検出ゾーンの領域でマトリックスから混合物を洗浄し、
検出ゾーン内の第1の標識および第2の標識からの信号を同時にまたは順次検出して、サンプル中の被検物質の存在または量を決定する、
の各工程を含む、上記方法。
【請求項61】
被検物質の量の決定は、第1の標識からの信号の量と第2の標識からの信号の量とを比較することを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
マトリックスは、検出ゾーンから横方向に離隔されたサンプル適用ゾーンをさらに含み、混合物をサンプル適用ゾーンと接触させる、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
混合物を検出ゾーンと接触させる、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
微粒子試薬は、凍結乾燥された形態である、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
液体サンプル中の被検物質の存在または量を決定する方法であって、
請求項33に記載のデバイスとサンプルとを接触させ、
デバイスと、第2の被検物質特異的結合パートナー若しくは被検物質類似体に結合した第2の標識を含むコンジュゲート試薬とを接触させ、
検出ゾーン内の第1の標識および第2の標識からの信号を同時にまたは順次検出して、サンプル中の被検物質の存在または量を決定する
の各工程を含む、上記方法。
【請求項66】
サンプルとコンジュゲート試薬とを、それらをデバイスと接触させる前に混合する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
被検物質の量の決定は、第1の標識からの信号の量と第2の標識からの信号の量とを比較することを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
マトリックスは、検出ゾーンから横方向に離隔されたサンプル適用ゾーンをさらに含み、サンプルおよびコンジュゲート試薬の少なくとも一方を、サンプル適用ゾーンと接触させる、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
サンプルおよびコンジュゲート試薬の少なくとも一方を、検出ゾーンと接触させる、請求項65に記載の方法。
【請求項70】
微粒子試薬は、凍結乾燥された形態である、請求項65に記載の方法。
【請求項71】
液体サンプル中の被検物質の存在または量を決定する方法であって、
サンプルと請求項21に記載の試薬とを含む混合物を形成し、
混合物を、磁石を含む検出ゾーンを含む多孔質キャリアマトリックスを含むデバイスに適用し、ここで、多孔質キャリアは、磁性粒子の実質的に妨げられない横方向流れを可能にする平均孔隙サイズを有しており、
マトリックスと、第2の被検物質特異的結合パートナー若しくは被検物質の類似体に結合した第2の標識を含むコンジュゲート試薬とを接触させ、
検出ゾーン内の第1の標識および第2の標識からの信号を同時にまたは順次検出して、サンプル中の被検物質の存在または量を決定する、
の各工程を含む、上記方法。
【請求項72】
被検物質の量の決定は、第1の標識からの信号の量と第2の標識からの信号の量とを比較することを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
マトリックスは、検出ゾーンから横方向に離隔されたサンプル適用ゾーンをさらに含み、、混合物を、サンプル適用ゾーンと接触させる、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
混合物を、検出ゾーンと接触させる、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
微粒子試薬は、凍結乾燥された形態である、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
サンプル中の被検物質の存在または量を決定する方法であって、
サンプルと、請求項21に記載の試薬と、第2の被検物質特異的結合若しくは被検物質類似体に結合した第2の標識を含むコンジュゲート試薬とを含む混合物を形成し、
混合物と、磁石を含む検出ゾーンを含む親水性の多孔質キャリアマトリックスを含むデバイスとを接触させ、ここで、多孔質キャリアは、微粒子試薬の実質的に妨げられない横方向流れを可能にする平均孔隙サイズを有しており、
検出ゾーンの領域でマトリックスから混合物を洗浄し、
検出ゾーン内の標識からの信号を同時にまたは順次検出して、サンプル中の被検物質の存在を決定する、
の各工程を含む、上記方法。
【請求項77】
被検物質の量の決定は、第1の標識からの信号の量と第2の標識からの信号の量とを比較することを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
マトリックスは、検出ゾーンから横方向に離隔されたサンプル適用ゾーンをさらに含み、混合物を、サンプル適用ゾーンと接触させる、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
混合物を、検出ゾーンと接触させる、請求項76に記載の方法。
【請求項80】
微粒子試薬は、凍結乾燥された形態である、請求項76に記載の方法。
【請求項81】
サンプル中の被検物質を検出するためのアッセイを較正する方法であって、アッセイは、サンプルと、第2の被検物質特異的結合パートナーに取り付けられた第2の標識を含むコンジュゲート試薬とを接触させることを含み、前記方法は、
サンプルと請求項21に記載の微粒子試薬との混合物を形成し、
混合物と、磁石を含む検出ゾーンを含む親水性の多孔質キャリアマトリックスを含むデバイスとを接触させ、ここで、多孔質キャリアは、微粒子試薬の実質的に妨げられない横方向流れを可能にする平均孔隙サイズを有しており、
検出ゾーン内の第1の標識に関連した信号の量を測定し、このことによりアッセイを較正する、
の工程を含む、上記方法。
【請求項82】
金属は、金、銀、または希土類金属である、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
標識は、蛍光性の金属キレートを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
磁性ナノ粒子は、酸化鉄とポリマーとを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項85】
磁性ナノ粒子は、約50〜1000ナノメートルの直径を有する、請求項81に記載の方法。
【請求項86】
磁性ナノ粒子は、約100〜500ナノメートルの直径を有する、請求項81に記載の方法。
【請求項87】
コロイドは、ナノ粒子に共有結合している、請求項81に記載の方法。
【請求項88】
粒子は第1の特異的結合パートナーを含み、コロイドは第1の特異的結合パートナーに特異的である第2の特異的結合パートナーを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項89】
ポリマーは、オレフィン系ポリマーまたはコポリマーを含む、請求項84に記載の方法。
【請求項90】
ポリマーは、多糖類を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項91】
磁性ナノ粒子は、ヒドロキシル、カルボキシル、アルデヒド、またはアミノから成る群から選択される官能基を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項92】
マトリックスは、複合体の直径の約3〜約500倍の平均孔隙サイズを有する、請求項81に記載の方法。
【請求項93】
マトリックスは、磁性粒子の直径の約10〜約250倍の平均孔隙サイズを有する、請求項81に記載の方法。
【請求項94】
マトリックスは、検出ゾーンから横方向に離隔されたサンプル適用ゾーンを有する、請求項81に記載の方法。
【請求項95】
磁石は、少なくとも20MGOeの強度を有する、請求項81に記載の方法。
【請求項96】
微粒子試薬は、凍結乾燥された形態である、請求項81に記載の方法。
【請求項97】
化学発光検出方法で使用される基質を較正する方法であって、
基質と請求項24に記載の微粒子試薬とを接触させ、ここで、試薬は、基質と反応して化学発光信号を生成する酵素をさらに含み、そして
標識それぞれからの信号の量を比較する、
の各工程を含む、上記方法。
【請求項98】
金属は、金、銀、または希土類金属である、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
標識は、蛍光性の金属キレートを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
磁性ナノ粒子は、酸化鉄とポリマーとを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項101】
磁性ナノ粒子は、約50〜1000ナノメートルの直径を有する、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
磁性ナノ粒子は、約100〜500ナノメートルの直径を有する、請求項100に記載の方法。
【請求項103】
コロイドは、ナノ粒子に共有結合している、請求項100に記載の方法。
【請求項104】
粒子は第1の特異的結合パートナーを含み、コロイドは第1の特異的結合パートナーに特異的である第2の特異的結合パートナーを含む、請求項100に記載の方法。
【請求項105】
ポリマーは、オレフィン系ポリマーまたはコポリマーを含む、請求項100に記載の方法。
【請求項106】
ポリマーは、多糖類を含む、請求項100に記載の方法。
【請求項107】
磁性ナノ粒子は、ヒドロキシル、カルボキシル、アルデヒド、またはアミノから成る群から選択される官能基を含む、請求項100に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2009−503451(P2009−503451A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522893(P2008−522893)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/027845
【国際公開番号】WO2007/011936
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(300004500)アイデックス ラボラトリーズ インコーポレイテッド (30)