磁性部品
【課題】コアを製造しやすく、かつ磁気特性のばらつきを抑制できる磁性部品を提供する。
【解決手段】磁性部品1は、電磁コイル2と、磁性体からなる複数のコア3とを備える。個々のコア3は研磨された密接面31を有する。複数のコア3は、密接面31において互いに密接した状態で組み合わされている。複数のコア3の間に形成されたコイル収容空間30に電磁コイル2が収容されている。磁気コイル2への通電により発生した磁束φは、コア3内を通り密接面31を通過する。組み合わされた複数のコア3の相対位置ずれを防止するための突部4が、コア3aにおける密接面31の周辺部に、密接面31の法線方向(Z方向)へ突出するよう形成されている。また、突部4の端面40に対して、Z方向における突部4の突出側に空間Sが形成されている。
【解決手段】磁性部品1は、電磁コイル2と、磁性体からなる複数のコア3とを備える。個々のコア3は研磨された密接面31を有する。複数のコア3は、密接面31において互いに密接した状態で組み合わされている。複数のコア3の間に形成されたコイル収容空間30に電磁コイル2が収容されている。磁気コイル2への通電により発生した磁束φは、コア3内を通り密接面31を通過する。組み合わされた複数のコア3の相対位置ずれを防止するための突部4が、コア3aにおける密接面31の周辺部に、密接面31の法線方向(Z方向)へ突出するよう形成されている。また、突部4の端面40に対して、Z方向における突部4の突出側に空間Sが形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁コイルと、磁性体からなるコアとを備えた磁性部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トランスやチョークコイル等の磁性部品として、電磁コイルと、磁性体からなる複数のコアとを有し、該複数のコアに位置ずれ防止用の突部を設けたものが知られている(下記特許文献1参照)。従来の磁性部品の一例を図19、図20に示す。
【0003】
この磁性部品9は2個のコア90を有する。個々のコア90は、板状本体部99と、該板状本体部99に設けられた一対の柱部91,92とを備える。2個のコア90は、柱部91,92の端面が互いに接触するように組み合わせられる。また、一対の柱部91,92の間に形成されたコイル収容空間900に、電磁コイル97が収容される。電磁コイル97に電流を流すと磁束φが発生し、この磁束φが、組み合わされた2個のコア90内を通る。
【0004】
柱部91,92の端面は研磨された密接面93となっている。そして、2個のコア90を密接面93において互いに密接させることにより、これらの間の微小な隙間をなくし、密接面93における磁気抵抗を小さくしている。これにより、磁束φが密接面93を通りやすくなるようにしている。
【0005】
また、一方の柱部91の密接面93には凸部94が形成されており、他方の柱部92の密接面93には凹部95が形成されている。2個のコア90を組み合わせると、一方のコア90aの凸部94が他方のコア90bの凹部95に嵌合し、他方のコア90bの凸部94が一方のコア90aの凹部95に嵌合する。これにより、組み立て時における、2個のコア90の位置合わせを容易にすると共に、組み立て後における、コア90の相対位置ずれを防止している。
【0006】
また、密接面93と同様に、凸部94の表面と凹部95の表面も研磨されている。そして設計上は、凸部94と凹部95とが密接するようにしてある。そのため設計上は、磁束φは、上記密接面93を通過すると共に凸部94と凹部95を通過するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−353622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら従来の磁性部品9は、図20に示すごとく、コア90の製造時における凸部94や凹部95の形状ばらつきによって、凸部94と凹部95とが密接しないことがあった。そのため、凸部94と凹部95の間に隙間dが形成され、磁束φが通りにくくなることがあった。
【0009】
また、コア90の製造ばらつきに伴って隙間dの大きさがばらつくため、磁束φの通りやすさがばらつきやすかった。そのため、磁性部品9の磁気特性(インダクタンス)がばらつきやすいという問題があった。
【0010】
また、従来の磁性部品9は、密接面93の中央に凸部94が形成されているため、密接面93を研磨する際に凸部94が邪魔になりやすく、研磨作業を行いにくかった。さらに、密接面93の他に、凸部94の表面および凹部95の表面も研磨しなければならないため、研磨作業に手間がかかり、コアを製造しにくいという問題があった。
【0011】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、コアを製造しやすく、かつ磁気特性のばらつきを抑制できる磁性部品を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、電磁コイルと、
磁性体からなる複数のコアとを備え、
個々の上記コアは研磨された密接面を有し、上記複数のコアは、上記密接面において互いに密接した状態で組み合わされており、該複数のコアの間に形成されたコイル収容空間に上記電磁コイルが収容され、
該電磁コイルへの通電によって発生した磁束が上記コア内を通り上記密接面を通過するよう構成され、
組み合わされた上記複数のコアの相対位置ずれを防止するための突部が、該複数のコアのうち少なくとも一個の上記コアにおける上記密接面の周辺部に、該密接面の法線方向へ突出するよう形成されており、
上記突部の端面に対して、上記法線方向における上記突部の突出側に空間が形成されていることを特徴とする磁性部品にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0013】
上記磁性部品においては、突部の端面に対して、上記法線方向における突部の突出側に空間が形成されている。
このようにすると、上記空間はコアを構成する磁性体よりも磁気抵抗が大きいため、磁束は上記空間を通過せず、主に上記密接面を通過することになる。すなわち、上記空間によって、磁束が突部を通過することが抑制される。そのため、磁性部品の磁気特性は、密接面の面積によって殆ど決まり、突部の形状の影響を受けなくなる。したがって、コアの製造時に突部の形状がばらついたとしても、磁性部品の磁気特性がばらつきにくくなる。
【0014】
また、上記磁性部品においては、上記密接面の周辺部に上記突部が形成されているため、密接面を研磨する際に突部が邪魔になりにくい。そのため、密接面の研磨作業を容易に行うことができる。
また、上述したように、突部には磁束が通らないため、突部の端面を研磨しなくても磁気特性に影響はない。
このように、上記磁性部品においては、上記密接面を研磨しやすく、また、突部の端面を研磨する必要がないため、コアを容易に製造することができる。
【0015】
以上のごとく、本例によれば、コアを製造しやすく、かつ磁気特性のばらつきを抑制できる磁性部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1における、磁性部品の分解斜視図。
【図2】図1に示したコアの裏面図。
【図3】実施例1における、磁性部品の斜視図。
【図4】図3のA矢視図であって、電磁コイルと保持具を除いたもの。
【図5】図3のB−B断面図。
【図6】実施例2における、コアの斜視図。
【図7】図6に示すコアの、組み立てた状態におけるC−C断面図であって、電磁コイルと共に描いたもの。
【図8】実施例3における、コアの斜視図。
【図9】実施例4における、コアの斜視図。
【図10】実施例5における、コアの斜視図。
【図11】図10に示すコアの、組み立てた状態におけるD−D断面図であって、電磁コイルと共に描いたもの。
【図12】図10に示すコアの、組み立てた状態におけるE−E断面図であって、電磁コイルと共に描いたもの。
【図13】実施例6における、コアの斜視図。
【図14】図13に示すコアの、組み立てた状態における斜視図。
【図15】実施例7における、コアの斜視図。
【図16】図15に示すコアの、組み立てた状態におけるF−F断面図であって、電磁コイルと共に描いたもの。
【図17】実施例8における、コアの斜視図。
【図18】図17のG矢視図。
【図19】従来例における、磁性部品のコアの分解斜視図。
【図20】図19に示すコアの、組み立てた状態におけるH−H断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上記端面に対して、上記法線方向における上記突部の突出側には、上記突部を設けたコアに組み合わされる相手側の上記コアが存在しないよう構成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記法線方向において、突部の端面に近い位置に上記相手側のコアが存在しないため、磁束が突部を通ることをより防ぎやすい。
【0018】
また、上記端面に対して、上記法線方向における上記突部の突出側には、所定の間隔をおいて、上記突部を設けたコアに組み合わされる相手側の上記コアの一部が配置されており、上記端面と上記相手側のコアとの間に上記電磁コイルが介在している構成とすることもできる(請求項3)。
この場合には、突部の端面と、上記相手側のコアとの間に、上記電磁コイルが介在できるほど広い空間が確保されているため、この空間によって、磁束が突部を通ることを充分に抑制することができる。そのため、製造時において突部の形状がばらついても、磁性部品の磁気特性のばらつきを小さくすることができる。
【0019】
また、上記磁性部品は、互いに組み合わせられた2個の上記コアを備え、該2個のコアのうち一方の上記コアには一対の柱部が形成され、該柱部の先端面が上記密接面となっており、他方の上記コアには上記突部が形成され、該突部は上記一対の柱部の間に位置し、上記突部の側面が上記一対の柱部の側面に当接することにより、上記一対の柱部の配列方向における、上記2個のコアの相対位置ずれを防止するよう構成されていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記一対の柱部と上記突部とによって、2個のコアの、上記配列方向における相対位置ずれを防止することができる。
【0020】
また、上記磁性部品は、互いに組み合わせられた、同一の立体的形状を有する2個の上記コアを備え、個々の上記コアは上記密接面と、上記突部と、該突部に係合する被係合部とを有し、各々の上記コアの上記密接面が互いに密接し、一方の上記コアの上記突部が他方の上記コアの上記被係合部に係合し、他方の上記コアの上記突部が一方の上記コアの上記被係合部に係合していることが好ましい(請求項5)。
この場合には、2個の上記コアが同一の立体的形状を有するため、磁性部品を得るにあたり、複数種類のコアを製造する必要がない。そのため、磁性部品の製造コストを低減することが可能になる。
【実施例】
【0021】
(実施例1)
本例の磁性部品に係る実施例について、図1〜図5を用いて説明する。図1、図3に示すごとく、本例の磁性部品1は、電磁コイル2と、磁性体からなる2個のコア3(第1コア3a、第2コア3b)とを備える。
個々のコア3は研磨された密接面31を有する。2個のコア3は、密接面31において互いに密接した状態で組み合わされている。そして、2個のコア3の間に形成されたコイル収容空間30に電磁コイル2が収容されている。
図5に示すごとく、電磁コイル2に電流を流すと、電磁コイル2の周囲に磁束φが発生する。この磁束φは、コア3内を通り密接面31を通過するよう構成されている。
【0022】
また、図2に示すごとく、組み合わされた2個のコア3の相対位置ずれを防止するための突部4が、2個のコア3a,3bのうち一方のコア3a(第1コア3a)における密接面31の周辺部に、密接面31の法線方向(Z方向)へ突出するよう形成されている。
図4に示すごとく、突部4の端面40に対して、Z方向における突部4の突出側に空間Sが形成されている。
【0023】
本例の磁性部品1は、例えば電力変換装置を構成するためのチョークコイルとして使用することができる。また、本例のコア3a,3bはフェライトからなる。コア3a,3bは、フェライトの微粒子を金型(図示しない)に入れて成形し、その後、焼結することにより製造される。
【0024】
図2に示すごとく、第1コア3aは、長方形板状の本体部32を備える。この本体部32の主面が研磨されて上記密接面31となっている。本体部32の底面の短辺321,322に平行な方向(X方向)における、密接面31の両端に、一対の突部4が形成されている。突部4は、密接面31の法線方向(Z方向)に突出している。また、突部4は、本体部32の底面の長辺323,324に平行な方向(Y方向)における、本体部32の全長にわたって延出している。
【0025】
また、図1に示すごとく、第2コア3bも、第1コア3aと同様に、長方形板状の本体部33を備える。本体部33の底面の長辺333,334に平行な方向(Y方向)における、本体部33の両端から、一対の柱部5(5a,5b)が立設している。柱部5は、本体部33の底面の短辺331,334に平行な方向(X方向)に延出している。
【0026】
また、一対の柱部5a,5bの間に、円柱状のセンターポール6が形成されている。柱部5a,5bとセンターポール6との間の空間が、電磁コイル2を収納するためのコイル収容空間30となっている。柱部5a,5bの内面50は、電磁コイル2の外径よりも僅かに大きな半径を有する円弧状に形成されている。柱部5とセンターポール6の先端面は研磨され、上記密接面31となっている。
【0027】
電磁コイル2はバスバーからなる。電磁コイル2は、円環状部20と、該円環状部20からX方向に突出した接続部21とを備える。電磁コイル2をコイル収容空間30に収納すると、円環状部20の中心に形成された円形の貫通穴22に、センターポール6が嵌合する。
【0028】
図1、図3に示すごとく、電磁コイル2をコイル収容空間30に収納した状態で、2個のコア3a,3bを組み合わせる。コア3a,3bを組み合わせると、第1コア3aに形成した密接面31と、第2コア3bに形成した密接面31とが密接する。このように、密接面31同士を密接させることにより、2個のコア3a,3b間に微小な隙間が形成されることを抑制している。これにより、密接面31における磁気抵抗を低減し、磁束φ(図5参照)が密接面31を通過しやすくなるようにしてある。
【0029】
なお、密接面31は、他の面に比べて表面粗さ(Rz)が小さい。密接面31の表面粗さ(Rz)は、例えば6.3(μm)以下である。
【0030】
また、2個のコア3a,3bを組み合わせると、第1コア3aに形成した一対の突部4が、第2コア3bに形成した柱部5を、X方向において両側から挟む位置に配置される。このように、一対の突部4によって柱部5をX方向から挟むことにより、2個のコア3a,3bの、X方向における相対位置ずれを防止している。
【0031】
また、センターポール6の軸線69(図3参照)を中心として第1コア3aを回転させる力が働いた場合には、突部4が柱部5に当接する。そのため、第1コア3aが第2コア3bに対して、軸線69を中心として回転することもない。
【0032】
なお、2個のコア3a,3bを組み合わせた後、図3に示すごとく、一対の保持具8を取り付ける。一対の保持具8は、2個のコア3a,3bを、第1コア3aの短辺321,322においてZ方向に挟持している。これにより、コア3a,3bがZ方向に分離することを防止している。
【0033】
図4に示すごとく、突部4の端面40に対して、Z方向における突部4の突出側には、空間Sが形成されている。空間Sは、コア3を構成する磁性体よりも磁気抵抗が大きいため、磁束φは空間Sを通りにくい。そのため、磁束φは突部4を通過しにくくなる。
また、本例では、端面40に対して、Z方向における突部4の突出側には、突部4を設けたコア3(第1コア3a)に組み合わされる相手側のコア3(第2コア3b)が存在しない。
【0034】
本例の作用効果について説明する。図4に示すごとく、本例では、突部4の端面40に対して、Z方向における突部4の突出側に空間Sが形成されている。
このようにすると、空間Sはコア3を構成する磁性体よりも磁気抵抗が大きいため、磁束φは空間Sを通過せず、主に密接面31を通過することになる。すなわち、空間Sによって、磁束φが突部4を通過することが抑制される。そのため、磁性部品1の磁気特性は、密接面31の面積によって殆ど決まり、突部4の形状の影響を受けなくなる。したがって、コア3の製造時に突部4の形状がばらついたとしても、磁性部品1の磁気特性がばらつきにくくなる。
【0035】
本例のコア3は、フェライトの微粒子を成形し、焼成して形成してあるため、表面全体に微小な凹凸ができやすく、突部4の表面にも微小な凹凸ができやすい。そのため、上述のように空間Sを形成して、磁束φが突部4を通過にくくした場合の、磁気特性のばらつき抑制効果が特に大きい。
【0036】
また、図2に示すごとく、本例では、コア3の密接面31の周辺部に突部4が形成されているため、密接面31を研磨する際に突部4が邪魔になりにくい。そのため、密接面31の研磨作業を容易に行うことができる。
特に本例では、長方形状を呈する密接面31の短辺311,312に突部4が形成されていないため、研磨部材(図示しない)を使って密接面31を研磨する際に、短辺311,312の近辺に研磨部材の邪魔になるものが存在しない。そのため、研磨部材をY方向に移動させながら、密接面31を容易に研磨することが可能になる。
【0037】
また、上述したように、突部4には磁束φが通過しないため、突部4の端面40を研磨しなくても磁気特性に影響はない。
このように、本例では、密接面31を研磨しやすく、また、突部4の端面40を研磨する必要がないため、コア3を容易に製造することができる。
【0038】
また、本例では、図4に示すごとく、端面40に対して、Z方向における突部4の突出側に、突部4を形成したコア3(第1コア3a)に組み合わせる相手側のコア3(第2コア3b)が存在しないよう構成されている。
このようにすると、Z方向において、端面40に近い位置に第2コア3bが存在しないため、磁束φが突部4を通過することをより防ぎやすい。
【0039】
なお、本例では、図1に示すごとく、コイル収容空間30に電磁コイル2を1個のみ収容して、磁性部品1をチョークコイルとして用いているが、複数の電磁コイル2を収容してトランスとして用いてもよい。
【0040】
以上のごとく、本例によれば、コアを製造しやすく、かつ磁気特性のばらつきを抑制できる磁性部品を提供することができる。
【0041】
(実施例2)
本例は、第1コア3aの形状を変更した例である。図6に示すごとく、本例では、第1コア3aの、Y方向における両端部に、Z方向に突出する一対の突部4を形成した。突部4は、X方向において、第1コア3aの全長にわたって延出している。また、第2コア3bは、実施例1と同一の立体的形状をしている。
【0042】
2個のコア3a,3bを組み合わせると、図7に示すごとく、第2コア3bに形成した柱部5a,5bに対して、Y方向における外側に、それぞれ突部4が位置することになる。このように、一対の突部4によって、柱部5a,5bをY方向に挟持することにより、2個のコア3a,3bのY方向における相対位置ずれを防止している。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0043】
本例の作用効果について説明する。上記構成にすると、2個のコア3a,3bの、Y方向における相対位置ずれを効果的に防止することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0044】
(実施例3)
本例は、第2コア3bの形状を変更した例である。図8に示すごとく、本例の第2コア3bは、実施例1と同様に、長方形板状の本体部33を有する。この本体部33の、Y方向における両端部から、一対の柱部5a,5bが立設している。また、一対の柱部5a,5bの間にセンターポール6が形成されている。本例の柱部5およびセンターポール6は直方体を呈する。本例の電磁コイル2(図示しない)は、四角形環状に形成されている。センターポール6は、この四角形環状の電磁コイル2の中心に嵌合する。
【0045】
本例のコア3a,3bは、フェライトからなる。コア3a,3bを製造する際には、実施例1と同様に、フェライトの微粒子を金型(図示しない)に入れて成形し、その後、焼結する。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0046】
本例の作用効果について説明する。柱部5の内面50が湾曲(図1参照)している場合は、金型をZ方向にしか抜くことができないが、本例では柱部5が直方体を呈するため、第2コア3bを製造する際に、金型をZ方向とX方向のいずれからでも抜くことができる。そのため、第2コア3bの製造工程における自由度が高まり、第2コア3bを製造しやすくなる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0047】
(実施例4)
本例は、第2コア3bの形状を変えた例である。図9に示すごとく、本例の第2コア3bは、実施例1と同様に、長方形板状の本体部33を備える。この本体部33のY方向における両端部から、一対の柱部5a,5bが立設している。柱部5a,5bの先端面は研磨され、密接面31となっている。柱部5a,5bの間には、センターポール6は設けられていない。
【0048】
コイル収容空間30に、可撓性を有するフラットケーブル2a(電磁コイル2)を収容し、このフラットケーブル2a(電磁コイル2)への通電により発生した磁束φがコア3を通過するよう構成することができる。本例では、第2コア3bにセンターポール6を形成していないため、フラットケーブル2a(電磁コイル2)を収容した場合に、センターポール6が邪魔にならずにすむ。
なお、本例の第2コア3bには、実施例1に示す第1コア3aまたは、実施例2に示す第1コア3aの、いずれをも組み合わせることができる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
【0049】
(実施例5)
本例は、第1コア3aの形状を変更した例である。図10に示すごとく、本例の第1コア3aは、実施例1と同様に、長方形板状の本体部32を備える。この本体部32のX方向における両端部に、一対の突部4が形成されている。本体部32の主面のうち、突部4以外の部分は研磨され、密接面31になっている。突部4はZ方向に突出し、Y方向に延出している。突部4は、Y方向において、本体部32の全長ではなく、一部分にのみ形成されている。そのため、Y方向における、突部4の両端部49よりも外側は、密接面31となっている。
【0050】
第2コア3bは、実施例1と同一の形状をしている。2個のコア3a,3bを組み合わせると、それぞれのコア3a,3bに形成した密接面31同士が密接する。また、図12に示すごとく、第1コア3aに形成した一対の突部4が、一対の柱部5a,5bの間に嵌合する。
また、2個のコア3a,3bを組み合わせると、図11に示すごとく、一対の突部4の間にセンターポール6が嵌合する。
【0051】
図11に示すごとく、突部4の端面40に対して、Z方向における突部4の突出側には、所定の間隔をおいて、第2コア3bの本体部33が位置している。本体部33と端面40との間に空間Sが形成される。そして、この空間Sに、電磁コイル2を配置してある。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0052】
本例の作用効果について説明する。本例では、2個のコア3a,3bのいずれか一方に対して、柱部5a,5bの配列方向(Y方向)に力が加わると、突部4の側面が柱部5a,5bの側面に当接する。そのため、2個のコア3a,3bの、Y方向における相対位置ずれを防止することができる。
【0053】
また、2個のコア3a,3bのいずれか一方に対して、X方向に力が加わると、突部4の側面がセンターポール6の側面に当接する。そのため、2個のコア3a,3bの、X方向における相対位置ずれを防止することができる。
【0054】
また、2個のコア3a,3bのいずれか一方に対して、センターポール6の軸線69(図10参照)を中心として回転させる力が加わると、突部4の側面が柱部5a,5bの側面に当接する。そのため、軸線69を中心としてコア3a,3bが回転することを防止できる。
【0055】
また、本例では、突部4が上記一対の柱部5a,5bの間に位置しているため、実施例1と比べて、X方向における、第1コア3aの長さを短くすることができる。これにより、第1コア3aの体積を小さくすることができ、少ない磁性材料で第1コア3aを製造することが可能になる。そのため、磁性部品1の製造コストを低減することができる。
【0056】
また、本例では、図11に示すごとく、第2コア3bの本体部33と端面40との間に、電磁コイル2を配置できるほどの広さの空間Sを確保してある。そのため、この空間Sによって、磁束φが突部4を通過することを充分に抑制することができる。したがって、製造時において突部4の形状がばらついても、磁性部品1の磁気特性のばらつきを小さくすることができる。
【0057】
(実施例6)
本例は、コア3a,3bの形状を変更した例である。図13に示すごとく、本例では、互いに組み合わされた、同一の立体的形状を有する2個のコア3a,3bを備える。個々のコア3は密接面31と、突部4と、該突部4に係合する被係合部7とを有する。
すなわち、各コア3に形成した一対の柱部5a,5bのうち、一方の柱部5aの、X方向における一端には第1突部4aが形成され、他端には第1被係合部7aが形成されている。また、他方の柱部5bの、X方向における一端には第2被係合部7bが形成され、他端には第2突部4bが形成されている。突部4a,4bは三角柱状に形成されている。また、被係合部7a,7bは、柱部5a,5bの角を斜めに切り欠いた形状をしている。
【0058】
2個のコア3a,3bを組み合わせた状態では、各々のコア3の密接面31が互いに密接する。そして、一方のコア3a(第1コア3a)の突部4が他方のコア3b(第2コア3b)の被係合部7に係合し、他方のコア3(第2コア3b)の突部4が一方のコア3(第1コア3a)の被係合部7に係合する。
【0059】
すなわち、第1コア3aの第1突部4aが、第2コア3bの第1被係合部7aに係合する。また、図14に示すごとく、第2コア3bの第1突部4aが、第1コア3aの第1被係合部7aに係合する。さらに、第1コア3aの第2突部4bが、第2コア3bの第2被係合部7bに係合する。また、第2コア3bの第2突部4bが、第1コア3aの第2被係合部7bに係合する。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0060】
本例の作用効果について説明する。本例では、同一の立体的形状を有する2個のコア3a,3bを用いるため、磁性部品1を得るにあたり、複数種類のコア3を製造する必要がない。そのため、磁性部品1の製造コストを低減することが可能になる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0061】
(実施例7)
本例は、コア3a,3bの形状を変更した例である。図15、図16に示すごとく本例の磁性部品1は、互いに組み合わせられた、同一の立体的形状を有する2個のコア3a,3bを備える。各々のコア3は、長方形板状の本体部32,33と、該本体部32,33のY方向における両端部に形成された一対の柱部5a,5bと、該一対の柱部5a,5bの間に形成されたセンターポール6とを備える。センターポール6と、一対の柱部5a,5bは直方体を呈する。また、センターポール6と柱部5の先端面は研磨され、密接面31となっている。
【0062】
また、突部4は、一対の柱部5a,5bのうち一方の柱部5aの、Y方向における外側端部に形成されている。突部4はZ方向に突出し、X方向に延出している。また、他方の柱部5bの、Y方向における外側端部は、組み合わせた相手側のコア3の突部4が係合する被係合部7となっている。
【0063】
2個のコア3a,3bを組み合わせると、図16に示すごとく、第1コア3aの突部4が第2コア3bの被係合部7に係合し、第2コア3bの突部4が第1コアの被係合部7に係合する。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0064】
本例の作用効果について説明する。本例では、実施例6と同様に、2個のコア3a,3bが同一の立体的形状を有するため、これらのコア3a,3bを製造するための金型を1種類にすることができる。そのため、コア3a,3bの製造コストを低減することができる。
【0065】
また、本例では、柱部5a,5bが直方体を呈するため、コア3a,3bを製造する際に、金型をZ方向およびX方向のいずれからでも抜くことができる。これにより、コア3の製造時における自由度を高めることが可能になる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0066】
(実施例8)
本例は、コア3の形状および数を変更した例である。図17に示すごとく、本例では、3個のコア3a〜3cを組み合わせてある。第1コア3aは、長方形板状の本体部32を有する。本体部32の主面は研磨され、密接面31となっている。本体部32の、X方向における両端部から、一対の突部4が突出している。突部4は、Z方向に突出し、Y方向に延出している。
【0067】
第2コア3bも、長方形板状の本体部33を備える。本体部33の、Y方向における外側端部に柱部5が形成されている。柱部5はZ方向に突出しており、この柱部5の先端面は研磨されて密接面31となっている。また、本体部33の、Y方向における内側端部にはセンターポール6が形成されている。センターポール6は、柱部5と同一方向に突出している。センターポール6のZ方向における長さは、柱部5のZ方向における長さよりも短い。また、センターポール6の先端面60は、第1コア3aの密接面31と接触しておらず、先端面60と密接面31の間に隙間Dが形成されている。この隙間Dによって、コア3が磁気飽和することを抑制している。
【0068】
第3コア3cは、第2コア3bと同一の立体的形状をしている。第2コア3bと第3コア3cの密接面31は、第1コア3aの密接面31の、Y方向における両端部にそれぞれ密接している。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
【符号の説明】
【0069】
1 磁性部品
2 電磁コイル
3 コア
30 コイル収容空間
31 密接面
4 突部
40 端面
S 空間
φ 磁束
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁コイルと、磁性体からなるコアとを備えた磁性部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トランスやチョークコイル等の磁性部品として、電磁コイルと、磁性体からなる複数のコアとを有し、該複数のコアに位置ずれ防止用の突部を設けたものが知られている(下記特許文献1参照)。従来の磁性部品の一例を図19、図20に示す。
【0003】
この磁性部品9は2個のコア90を有する。個々のコア90は、板状本体部99と、該板状本体部99に設けられた一対の柱部91,92とを備える。2個のコア90は、柱部91,92の端面が互いに接触するように組み合わせられる。また、一対の柱部91,92の間に形成されたコイル収容空間900に、電磁コイル97が収容される。電磁コイル97に電流を流すと磁束φが発生し、この磁束φが、組み合わされた2個のコア90内を通る。
【0004】
柱部91,92の端面は研磨された密接面93となっている。そして、2個のコア90を密接面93において互いに密接させることにより、これらの間の微小な隙間をなくし、密接面93における磁気抵抗を小さくしている。これにより、磁束φが密接面93を通りやすくなるようにしている。
【0005】
また、一方の柱部91の密接面93には凸部94が形成されており、他方の柱部92の密接面93には凹部95が形成されている。2個のコア90を組み合わせると、一方のコア90aの凸部94が他方のコア90bの凹部95に嵌合し、他方のコア90bの凸部94が一方のコア90aの凹部95に嵌合する。これにより、組み立て時における、2個のコア90の位置合わせを容易にすると共に、組み立て後における、コア90の相対位置ずれを防止している。
【0006】
また、密接面93と同様に、凸部94の表面と凹部95の表面も研磨されている。そして設計上は、凸部94と凹部95とが密接するようにしてある。そのため設計上は、磁束φは、上記密接面93を通過すると共に凸部94と凹部95を通過するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−353622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら従来の磁性部品9は、図20に示すごとく、コア90の製造時における凸部94や凹部95の形状ばらつきによって、凸部94と凹部95とが密接しないことがあった。そのため、凸部94と凹部95の間に隙間dが形成され、磁束φが通りにくくなることがあった。
【0009】
また、コア90の製造ばらつきに伴って隙間dの大きさがばらつくため、磁束φの通りやすさがばらつきやすかった。そのため、磁性部品9の磁気特性(インダクタンス)がばらつきやすいという問題があった。
【0010】
また、従来の磁性部品9は、密接面93の中央に凸部94が形成されているため、密接面93を研磨する際に凸部94が邪魔になりやすく、研磨作業を行いにくかった。さらに、密接面93の他に、凸部94の表面および凹部95の表面も研磨しなければならないため、研磨作業に手間がかかり、コアを製造しにくいという問題があった。
【0011】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、コアを製造しやすく、かつ磁気特性のばらつきを抑制できる磁性部品を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、電磁コイルと、
磁性体からなる複数のコアとを備え、
個々の上記コアは研磨された密接面を有し、上記複数のコアは、上記密接面において互いに密接した状態で組み合わされており、該複数のコアの間に形成されたコイル収容空間に上記電磁コイルが収容され、
該電磁コイルへの通電によって発生した磁束が上記コア内を通り上記密接面を通過するよう構成され、
組み合わされた上記複数のコアの相対位置ずれを防止するための突部が、該複数のコアのうち少なくとも一個の上記コアにおける上記密接面の周辺部に、該密接面の法線方向へ突出するよう形成されており、
上記突部の端面に対して、上記法線方向における上記突部の突出側に空間が形成されていることを特徴とする磁性部品にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0013】
上記磁性部品においては、突部の端面に対して、上記法線方向における突部の突出側に空間が形成されている。
このようにすると、上記空間はコアを構成する磁性体よりも磁気抵抗が大きいため、磁束は上記空間を通過せず、主に上記密接面を通過することになる。すなわち、上記空間によって、磁束が突部を通過することが抑制される。そのため、磁性部品の磁気特性は、密接面の面積によって殆ど決まり、突部の形状の影響を受けなくなる。したがって、コアの製造時に突部の形状がばらついたとしても、磁性部品の磁気特性がばらつきにくくなる。
【0014】
また、上記磁性部品においては、上記密接面の周辺部に上記突部が形成されているため、密接面を研磨する際に突部が邪魔になりにくい。そのため、密接面の研磨作業を容易に行うことができる。
また、上述したように、突部には磁束が通らないため、突部の端面を研磨しなくても磁気特性に影響はない。
このように、上記磁性部品においては、上記密接面を研磨しやすく、また、突部の端面を研磨する必要がないため、コアを容易に製造することができる。
【0015】
以上のごとく、本例によれば、コアを製造しやすく、かつ磁気特性のばらつきを抑制できる磁性部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1における、磁性部品の分解斜視図。
【図2】図1に示したコアの裏面図。
【図3】実施例1における、磁性部品の斜視図。
【図4】図3のA矢視図であって、電磁コイルと保持具を除いたもの。
【図5】図3のB−B断面図。
【図6】実施例2における、コアの斜視図。
【図7】図6に示すコアの、組み立てた状態におけるC−C断面図であって、電磁コイルと共に描いたもの。
【図8】実施例3における、コアの斜視図。
【図9】実施例4における、コアの斜視図。
【図10】実施例5における、コアの斜視図。
【図11】図10に示すコアの、組み立てた状態におけるD−D断面図であって、電磁コイルと共に描いたもの。
【図12】図10に示すコアの、組み立てた状態におけるE−E断面図であって、電磁コイルと共に描いたもの。
【図13】実施例6における、コアの斜視図。
【図14】図13に示すコアの、組み立てた状態における斜視図。
【図15】実施例7における、コアの斜視図。
【図16】図15に示すコアの、組み立てた状態におけるF−F断面図であって、電磁コイルと共に描いたもの。
【図17】実施例8における、コアの斜視図。
【図18】図17のG矢視図。
【図19】従来例における、磁性部品のコアの分解斜視図。
【図20】図19に示すコアの、組み立てた状態におけるH−H断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上記端面に対して、上記法線方向における上記突部の突出側には、上記突部を設けたコアに組み合わされる相手側の上記コアが存在しないよう構成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記法線方向において、突部の端面に近い位置に上記相手側のコアが存在しないため、磁束が突部を通ることをより防ぎやすい。
【0018】
また、上記端面に対して、上記法線方向における上記突部の突出側には、所定の間隔をおいて、上記突部を設けたコアに組み合わされる相手側の上記コアの一部が配置されており、上記端面と上記相手側のコアとの間に上記電磁コイルが介在している構成とすることもできる(請求項3)。
この場合には、突部の端面と、上記相手側のコアとの間に、上記電磁コイルが介在できるほど広い空間が確保されているため、この空間によって、磁束が突部を通ることを充分に抑制することができる。そのため、製造時において突部の形状がばらついても、磁性部品の磁気特性のばらつきを小さくすることができる。
【0019】
また、上記磁性部品は、互いに組み合わせられた2個の上記コアを備え、該2個のコアのうち一方の上記コアには一対の柱部が形成され、該柱部の先端面が上記密接面となっており、他方の上記コアには上記突部が形成され、該突部は上記一対の柱部の間に位置し、上記突部の側面が上記一対の柱部の側面に当接することにより、上記一対の柱部の配列方向における、上記2個のコアの相対位置ずれを防止するよう構成されていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記一対の柱部と上記突部とによって、2個のコアの、上記配列方向における相対位置ずれを防止することができる。
【0020】
また、上記磁性部品は、互いに組み合わせられた、同一の立体的形状を有する2個の上記コアを備え、個々の上記コアは上記密接面と、上記突部と、該突部に係合する被係合部とを有し、各々の上記コアの上記密接面が互いに密接し、一方の上記コアの上記突部が他方の上記コアの上記被係合部に係合し、他方の上記コアの上記突部が一方の上記コアの上記被係合部に係合していることが好ましい(請求項5)。
この場合には、2個の上記コアが同一の立体的形状を有するため、磁性部品を得るにあたり、複数種類のコアを製造する必要がない。そのため、磁性部品の製造コストを低減することが可能になる。
【実施例】
【0021】
(実施例1)
本例の磁性部品に係る実施例について、図1〜図5を用いて説明する。図1、図3に示すごとく、本例の磁性部品1は、電磁コイル2と、磁性体からなる2個のコア3(第1コア3a、第2コア3b)とを備える。
個々のコア3は研磨された密接面31を有する。2個のコア3は、密接面31において互いに密接した状態で組み合わされている。そして、2個のコア3の間に形成されたコイル収容空間30に電磁コイル2が収容されている。
図5に示すごとく、電磁コイル2に電流を流すと、電磁コイル2の周囲に磁束φが発生する。この磁束φは、コア3内を通り密接面31を通過するよう構成されている。
【0022】
また、図2に示すごとく、組み合わされた2個のコア3の相対位置ずれを防止するための突部4が、2個のコア3a,3bのうち一方のコア3a(第1コア3a)における密接面31の周辺部に、密接面31の法線方向(Z方向)へ突出するよう形成されている。
図4に示すごとく、突部4の端面40に対して、Z方向における突部4の突出側に空間Sが形成されている。
【0023】
本例の磁性部品1は、例えば電力変換装置を構成するためのチョークコイルとして使用することができる。また、本例のコア3a,3bはフェライトからなる。コア3a,3bは、フェライトの微粒子を金型(図示しない)に入れて成形し、その後、焼結することにより製造される。
【0024】
図2に示すごとく、第1コア3aは、長方形板状の本体部32を備える。この本体部32の主面が研磨されて上記密接面31となっている。本体部32の底面の短辺321,322に平行な方向(X方向)における、密接面31の両端に、一対の突部4が形成されている。突部4は、密接面31の法線方向(Z方向)に突出している。また、突部4は、本体部32の底面の長辺323,324に平行な方向(Y方向)における、本体部32の全長にわたって延出している。
【0025】
また、図1に示すごとく、第2コア3bも、第1コア3aと同様に、長方形板状の本体部33を備える。本体部33の底面の長辺333,334に平行な方向(Y方向)における、本体部33の両端から、一対の柱部5(5a,5b)が立設している。柱部5は、本体部33の底面の短辺331,334に平行な方向(X方向)に延出している。
【0026】
また、一対の柱部5a,5bの間に、円柱状のセンターポール6が形成されている。柱部5a,5bとセンターポール6との間の空間が、電磁コイル2を収納するためのコイル収容空間30となっている。柱部5a,5bの内面50は、電磁コイル2の外径よりも僅かに大きな半径を有する円弧状に形成されている。柱部5とセンターポール6の先端面は研磨され、上記密接面31となっている。
【0027】
電磁コイル2はバスバーからなる。電磁コイル2は、円環状部20と、該円環状部20からX方向に突出した接続部21とを備える。電磁コイル2をコイル収容空間30に収納すると、円環状部20の中心に形成された円形の貫通穴22に、センターポール6が嵌合する。
【0028】
図1、図3に示すごとく、電磁コイル2をコイル収容空間30に収納した状態で、2個のコア3a,3bを組み合わせる。コア3a,3bを組み合わせると、第1コア3aに形成した密接面31と、第2コア3bに形成した密接面31とが密接する。このように、密接面31同士を密接させることにより、2個のコア3a,3b間に微小な隙間が形成されることを抑制している。これにより、密接面31における磁気抵抗を低減し、磁束φ(図5参照)が密接面31を通過しやすくなるようにしてある。
【0029】
なお、密接面31は、他の面に比べて表面粗さ(Rz)が小さい。密接面31の表面粗さ(Rz)は、例えば6.3(μm)以下である。
【0030】
また、2個のコア3a,3bを組み合わせると、第1コア3aに形成した一対の突部4が、第2コア3bに形成した柱部5を、X方向において両側から挟む位置に配置される。このように、一対の突部4によって柱部5をX方向から挟むことにより、2個のコア3a,3bの、X方向における相対位置ずれを防止している。
【0031】
また、センターポール6の軸線69(図3参照)を中心として第1コア3aを回転させる力が働いた場合には、突部4が柱部5に当接する。そのため、第1コア3aが第2コア3bに対して、軸線69を中心として回転することもない。
【0032】
なお、2個のコア3a,3bを組み合わせた後、図3に示すごとく、一対の保持具8を取り付ける。一対の保持具8は、2個のコア3a,3bを、第1コア3aの短辺321,322においてZ方向に挟持している。これにより、コア3a,3bがZ方向に分離することを防止している。
【0033】
図4に示すごとく、突部4の端面40に対して、Z方向における突部4の突出側には、空間Sが形成されている。空間Sは、コア3を構成する磁性体よりも磁気抵抗が大きいため、磁束φは空間Sを通りにくい。そのため、磁束φは突部4を通過しにくくなる。
また、本例では、端面40に対して、Z方向における突部4の突出側には、突部4を設けたコア3(第1コア3a)に組み合わされる相手側のコア3(第2コア3b)が存在しない。
【0034】
本例の作用効果について説明する。図4に示すごとく、本例では、突部4の端面40に対して、Z方向における突部4の突出側に空間Sが形成されている。
このようにすると、空間Sはコア3を構成する磁性体よりも磁気抵抗が大きいため、磁束φは空間Sを通過せず、主に密接面31を通過することになる。すなわち、空間Sによって、磁束φが突部4を通過することが抑制される。そのため、磁性部品1の磁気特性は、密接面31の面積によって殆ど決まり、突部4の形状の影響を受けなくなる。したがって、コア3の製造時に突部4の形状がばらついたとしても、磁性部品1の磁気特性がばらつきにくくなる。
【0035】
本例のコア3は、フェライトの微粒子を成形し、焼成して形成してあるため、表面全体に微小な凹凸ができやすく、突部4の表面にも微小な凹凸ができやすい。そのため、上述のように空間Sを形成して、磁束φが突部4を通過にくくした場合の、磁気特性のばらつき抑制効果が特に大きい。
【0036】
また、図2に示すごとく、本例では、コア3の密接面31の周辺部に突部4が形成されているため、密接面31を研磨する際に突部4が邪魔になりにくい。そのため、密接面31の研磨作業を容易に行うことができる。
特に本例では、長方形状を呈する密接面31の短辺311,312に突部4が形成されていないため、研磨部材(図示しない)を使って密接面31を研磨する際に、短辺311,312の近辺に研磨部材の邪魔になるものが存在しない。そのため、研磨部材をY方向に移動させながら、密接面31を容易に研磨することが可能になる。
【0037】
また、上述したように、突部4には磁束φが通過しないため、突部4の端面40を研磨しなくても磁気特性に影響はない。
このように、本例では、密接面31を研磨しやすく、また、突部4の端面40を研磨する必要がないため、コア3を容易に製造することができる。
【0038】
また、本例では、図4に示すごとく、端面40に対して、Z方向における突部4の突出側に、突部4を形成したコア3(第1コア3a)に組み合わせる相手側のコア3(第2コア3b)が存在しないよう構成されている。
このようにすると、Z方向において、端面40に近い位置に第2コア3bが存在しないため、磁束φが突部4を通過することをより防ぎやすい。
【0039】
なお、本例では、図1に示すごとく、コイル収容空間30に電磁コイル2を1個のみ収容して、磁性部品1をチョークコイルとして用いているが、複数の電磁コイル2を収容してトランスとして用いてもよい。
【0040】
以上のごとく、本例によれば、コアを製造しやすく、かつ磁気特性のばらつきを抑制できる磁性部品を提供することができる。
【0041】
(実施例2)
本例は、第1コア3aの形状を変更した例である。図6に示すごとく、本例では、第1コア3aの、Y方向における両端部に、Z方向に突出する一対の突部4を形成した。突部4は、X方向において、第1コア3aの全長にわたって延出している。また、第2コア3bは、実施例1と同一の立体的形状をしている。
【0042】
2個のコア3a,3bを組み合わせると、図7に示すごとく、第2コア3bに形成した柱部5a,5bに対して、Y方向における外側に、それぞれ突部4が位置することになる。このように、一対の突部4によって、柱部5a,5bをY方向に挟持することにより、2個のコア3a,3bのY方向における相対位置ずれを防止している。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0043】
本例の作用効果について説明する。上記構成にすると、2個のコア3a,3bの、Y方向における相対位置ずれを効果的に防止することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0044】
(実施例3)
本例は、第2コア3bの形状を変更した例である。図8に示すごとく、本例の第2コア3bは、実施例1と同様に、長方形板状の本体部33を有する。この本体部33の、Y方向における両端部から、一対の柱部5a,5bが立設している。また、一対の柱部5a,5bの間にセンターポール6が形成されている。本例の柱部5およびセンターポール6は直方体を呈する。本例の電磁コイル2(図示しない)は、四角形環状に形成されている。センターポール6は、この四角形環状の電磁コイル2の中心に嵌合する。
【0045】
本例のコア3a,3bは、フェライトからなる。コア3a,3bを製造する際には、実施例1と同様に、フェライトの微粒子を金型(図示しない)に入れて成形し、その後、焼結する。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0046】
本例の作用効果について説明する。柱部5の内面50が湾曲(図1参照)している場合は、金型をZ方向にしか抜くことができないが、本例では柱部5が直方体を呈するため、第2コア3bを製造する際に、金型をZ方向とX方向のいずれからでも抜くことができる。そのため、第2コア3bの製造工程における自由度が高まり、第2コア3bを製造しやすくなる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0047】
(実施例4)
本例は、第2コア3bの形状を変えた例である。図9に示すごとく、本例の第2コア3bは、実施例1と同様に、長方形板状の本体部33を備える。この本体部33のY方向における両端部から、一対の柱部5a,5bが立設している。柱部5a,5bの先端面は研磨され、密接面31となっている。柱部5a,5bの間には、センターポール6は設けられていない。
【0048】
コイル収容空間30に、可撓性を有するフラットケーブル2a(電磁コイル2)を収容し、このフラットケーブル2a(電磁コイル2)への通電により発生した磁束φがコア3を通過するよう構成することができる。本例では、第2コア3bにセンターポール6を形成していないため、フラットケーブル2a(電磁コイル2)を収容した場合に、センターポール6が邪魔にならずにすむ。
なお、本例の第2コア3bには、実施例1に示す第1コア3aまたは、実施例2に示す第1コア3aの、いずれをも組み合わせることができる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
【0049】
(実施例5)
本例は、第1コア3aの形状を変更した例である。図10に示すごとく、本例の第1コア3aは、実施例1と同様に、長方形板状の本体部32を備える。この本体部32のX方向における両端部に、一対の突部4が形成されている。本体部32の主面のうち、突部4以外の部分は研磨され、密接面31になっている。突部4はZ方向に突出し、Y方向に延出している。突部4は、Y方向において、本体部32の全長ではなく、一部分にのみ形成されている。そのため、Y方向における、突部4の両端部49よりも外側は、密接面31となっている。
【0050】
第2コア3bは、実施例1と同一の形状をしている。2個のコア3a,3bを組み合わせると、それぞれのコア3a,3bに形成した密接面31同士が密接する。また、図12に示すごとく、第1コア3aに形成した一対の突部4が、一対の柱部5a,5bの間に嵌合する。
また、2個のコア3a,3bを組み合わせると、図11に示すごとく、一対の突部4の間にセンターポール6が嵌合する。
【0051】
図11に示すごとく、突部4の端面40に対して、Z方向における突部4の突出側には、所定の間隔をおいて、第2コア3bの本体部33が位置している。本体部33と端面40との間に空間Sが形成される。そして、この空間Sに、電磁コイル2を配置してある。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0052】
本例の作用効果について説明する。本例では、2個のコア3a,3bのいずれか一方に対して、柱部5a,5bの配列方向(Y方向)に力が加わると、突部4の側面が柱部5a,5bの側面に当接する。そのため、2個のコア3a,3bの、Y方向における相対位置ずれを防止することができる。
【0053】
また、2個のコア3a,3bのいずれか一方に対して、X方向に力が加わると、突部4の側面がセンターポール6の側面に当接する。そのため、2個のコア3a,3bの、X方向における相対位置ずれを防止することができる。
【0054】
また、2個のコア3a,3bのいずれか一方に対して、センターポール6の軸線69(図10参照)を中心として回転させる力が加わると、突部4の側面が柱部5a,5bの側面に当接する。そのため、軸線69を中心としてコア3a,3bが回転することを防止できる。
【0055】
また、本例では、突部4が上記一対の柱部5a,5bの間に位置しているため、実施例1と比べて、X方向における、第1コア3aの長さを短くすることができる。これにより、第1コア3aの体積を小さくすることができ、少ない磁性材料で第1コア3aを製造することが可能になる。そのため、磁性部品1の製造コストを低減することができる。
【0056】
また、本例では、図11に示すごとく、第2コア3bの本体部33と端面40との間に、電磁コイル2を配置できるほどの広さの空間Sを確保してある。そのため、この空間Sによって、磁束φが突部4を通過することを充分に抑制することができる。したがって、製造時において突部4の形状がばらついても、磁性部品1の磁気特性のばらつきを小さくすることができる。
【0057】
(実施例6)
本例は、コア3a,3bの形状を変更した例である。図13に示すごとく、本例では、互いに組み合わされた、同一の立体的形状を有する2個のコア3a,3bを備える。個々のコア3は密接面31と、突部4と、該突部4に係合する被係合部7とを有する。
すなわち、各コア3に形成した一対の柱部5a,5bのうち、一方の柱部5aの、X方向における一端には第1突部4aが形成され、他端には第1被係合部7aが形成されている。また、他方の柱部5bの、X方向における一端には第2被係合部7bが形成され、他端には第2突部4bが形成されている。突部4a,4bは三角柱状に形成されている。また、被係合部7a,7bは、柱部5a,5bの角を斜めに切り欠いた形状をしている。
【0058】
2個のコア3a,3bを組み合わせた状態では、各々のコア3の密接面31が互いに密接する。そして、一方のコア3a(第1コア3a)の突部4が他方のコア3b(第2コア3b)の被係合部7に係合し、他方のコア3(第2コア3b)の突部4が一方のコア3(第1コア3a)の被係合部7に係合する。
【0059】
すなわち、第1コア3aの第1突部4aが、第2コア3bの第1被係合部7aに係合する。また、図14に示すごとく、第2コア3bの第1突部4aが、第1コア3aの第1被係合部7aに係合する。さらに、第1コア3aの第2突部4bが、第2コア3bの第2被係合部7bに係合する。また、第2コア3bの第2突部4bが、第1コア3aの第2被係合部7bに係合する。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0060】
本例の作用効果について説明する。本例では、同一の立体的形状を有する2個のコア3a,3bを用いるため、磁性部品1を得るにあたり、複数種類のコア3を製造する必要がない。そのため、磁性部品1の製造コストを低減することが可能になる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0061】
(実施例7)
本例は、コア3a,3bの形状を変更した例である。図15、図16に示すごとく本例の磁性部品1は、互いに組み合わせられた、同一の立体的形状を有する2個のコア3a,3bを備える。各々のコア3は、長方形板状の本体部32,33と、該本体部32,33のY方向における両端部に形成された一対の柱部5a,5bと、該一対の柱部5a,5bの間に形成されたセンターポール6とを備える。センターポール6と、一対の柱部5a,5bは直方体を呈する。また、センターポール6と柱部5の先端面は研磨され、密接面31となっている。
【0062】
また、突部4は、一対の柱部5a,5bのうち一方の柱部5aの、Y方向における外側端部に形成されている。突部4はZ方向に突出し、X方向に延出している。また、他方の柱部5bの、Y方向における外側端部は、組み合わせた相手側のコア3の突部4が係合する被係合部7となっている。
【0063】
2個のコア3a,3bを組み合わせると、図16に示すごとく、第1コア3aの突部4が第2コア3bの被係合部7に係合し、第2コア3bの突部4が第1コアの被係合部7に係合する。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0064】
本例の作用効果について説明する。本例では、実施例6と同様に、2個のコア3a,3bが同一の立体的形状を有するため、これらのコア3a,3bを製造するための金型を1種類にすることができる。そのため、コア3a,3bの製造コストを低減することができる。
【0065】
また、本例では、柱部5a,5bが直方体を呈するため、コア3a,3bを製造する際に、金型をZ方向およびX方向のいずれからでも抜くことができる。これにより、コア3の製造時における自由度を高めることが可能になる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0066】
(実施例8)
本例は、コア3の形状および数を変更した例である。図17に示すごとく、本例では、3個のコア3a〜3cを組み合わせてある。第1コア3aは、長方形板状の本体部32を有する。本体部32の主面は研磨され、密接面31となっている。本体部32の、X方向における両端部から、一対の突部4が突出している。突部4は、Z方向に突出し、Y方向に延出している。
【0067】
第2コア3bも、長方形板状の本体部33を備える。本体部33の、Y方向における外側端部に柱部5が形成されている。柱部5はZ方向に突出しており、この柱部5の先端面は研磨されて密接面31となっている。また、本体部33の、Y方向における内側端部にはセンターポール6が形成されている。センターポール6は、柱部5と同一方向に突出している。センターポール6のZ方向における長さは、柱部5のZ方向における長さよりも短い。また、センターポール6の先端面60は、第1コア3aの密接面31と接触しておらず、先端面60と密接面31の間に隙間Dが形成されている。この隙間Dによって、コア3が磁気飽和することを抑制している。
【0068】
第3コア3cは、第2コア3bと同一の立体的形状をしている。第2コア3bと第3コア3cの密接面31は、第1コア3aの密接面31の、Y方向における両端部にそれぞれ密接している。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
【符号の説明】
【0069】
1 磁性部品
2 電磁コイル
3 コア
30 コイル収容空間
31 密接面
4 突部
40 端面
S 空間
φ 磁束
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁コイルと、
磁性体からなる複数のコアとを備え、
個々の上記コアは研磨された密接面を有し、上記複数のコアは、上記密接面において互いに密接した状態で組み合わされており、該複数のコアの間に形成されたコイル収容空間に上記電磁コイルが収容され、
該電磁コイルへの通電によって発生した磁束が上記コア内を通り上記密接面を通過するよう構成され、
組み合わされた上記複数のコアの相対位置ずれを防止するための突部が、該複数のコアのうち少なくとも一個の上記コアにおける上記密接面の周辺部に、該密接面の法線方向へ突出するよう形成されており、
上記突部の端面に対して、上記法線方向における上記突部の突出側に空間が形成されていることを特徴とする磁性部品。
【請求項2】
請求項1に記載の磁性部品において、上記端面に対して、上記法線方向における上記突部の突出側には、上記突部を設けたコアに組み合わされる相手側の上記コアが存在しないよう構成されていることを特徴とする磁性部品。
【請求項3】
請求項1に記載の磁性部品において、上記端面に対して、上記法線方向における上記突部の突出側には、所定の間隔をおいて、上記突部を設けたコアに組み合わされる相手側の上記コアの一部が配置されており、上記端面と上記相手側のコアとの間に上記電磁コイルが介在していることを特徴とする磁性部品。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の磁性部品において、互いに組み合わせられた2個の上記コアを備え、該2個のコアのうち一方の上記コアには一対の柱部が形成され、該柱部の先端面が上記密接面となっており、他方の上記コアには上記突部が形成され、該突部は上記一対の柱部の間に位置し、上記突部の側面が上記一対の柱部の側面に当接することにより、上記一対の柱部の配列方向における、上記2個のコアの相対位置ずれを防止するよう構成されていることを特徴とする磁性部品。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の磁性部品において、互いに組み合わせられた、同一の立体的形状を有する2個の上記コアを備え、個々の上記コアは上記密接面と、上記突部と、該突部に係合する被係合部とを有し、各々の上記コアの上記密接面が互いに密接し、一方の上記コアの上記突部が他方の上記コアの上記被係合部に係合し、他方の上記コアの上記突部が一方の上記コアの上記被係合部に係合していることを特徴とする磁性部品。
【請求項1】
電磁コイルと、
磁性体からなる複数のコアとを備え、
個々の上記コアは研磨された密接面を有し、上記複数のコアは、上記密接面において互いに密接した状態で組み合わされており、該複数のコアの間に形成されたコイル収容空間に上記電磁コイルが収容され、
該電磁コイルへの通電によって発生した磁束が上記コア内を通り上記密接面を通過するよう構成され、
組み合わされた上記複数のコアの相対位置ずれを防止するための突部が、該複数のコアのうち少なくとも一個の上記コアにおける上記密接面の周辺部に、該密接面の法線方向へ突出するよう形成されており、
上記突部の端面に対して、上記法線方向における上記突部の突出側に空間が形成されていることを特徴とする磁性部品。
【請求項2】
請求項1に記載の磁性部品において、上記端面に対して、上記法線方向における上記突部の突出側には、上記突部を設けたコアに組み合わされる相手側の上記コアが存在しないよう構成されていることを特徴とする磁性部品。
【請求項3】
請求項1に記載の磁性部品において、上記端面に対して、上記法線方向における上記突部の突出側には、所定の間隔をおいて、上記突部を設けたコアに組み合わされる相手側の上記コアの一部が配置されており、上記端面と上記相手側のコアとの間に上記電磁コイルが介在していることを特徴とする磁性部品。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の磁性部品において、互いに組み合わせられた2個の上記コアを備え、該2個のコアのうち一方の上記コアには一対の柱部が形成され、該柱部の先端面が上記密接面となっており、他方の上記コアには上記突部が形成され、該突部は上記一対の柱部の間に位置し、上記突部の側面が上記一対の柱部の側面に当接することにより、上記一対の柱部の配列方向における、上記2個のコアの相対位置ずれを防止するよう構成されていることを特徴とする磁性部品。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の磁性部品において、互いに組み合わせられた、同一の立体的形状を有する2個の上記コアを備え、個々の上記コアは上記密接面と、上記突部と、該突部に係合する被係合部とを有し、各々の上記コアの上記密接面が互いに密接し、一方の上記コアの上記突部が他方の上記コアの上記被係合部に係合し、他方の上記コアの上記突部が一方の上記コアの上記被係合部に係合していることを特徴とする磁性部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−89830(P2013−89830A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230411(P2011−230411)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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