説明

磁気シールド簾体及びその連結構造

【課題】空隙を介して磁気的に結合可能な磁気シールド簾体及びその連結構造を提供する。
【解決手段】長さ方向と交差する矩形断面の短辺を板厚とする磁性板5の群を各磁性板5の長さ方向中心軸Cが同一簾面F上に平行に並ぶように所定板厚方向間隔dで積層した複数の磁気シールド簾体10a、10b、10cを各簾体10a、10b、10cの磁性板5の長さ方向に所定空隙Wを介して縦列配置し、空隙Wに臨む各簾体10a、10b、10cの磁性板5の長さ方向端縁にその端縁面12の面積を板厚方向に拡張する磁性拡張板11を取り付け、空隙W付き縦列配置の簾体10a、10b、10cを磁性拡張板11の対向により磁気的に結合する。好ましくは磁性拡張板11を、断面L字形若しくは断面T字形の磁性アングル、または隣接する磁性板5の長さ方向端縁に両端片がそれぞれ面接触し且つ中間部がその長さ方向端縁間に延在する断面コ字形の磁性アングル(磁性かすがい)とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁気シールド簾体及びその連結構造に関し、とくに空気や光の透過性のある開放型シールド構造に用いる磁気シールド簾体及びその連結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の半導体関連施設・医療施設等では、EB(Electron Beam、電子ビーム)露光装置、EB描画機、MRI(Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴画像診断)装置、NMR(Nuclear Magnetic Resonance、核磁気共鳴)装置、SQUID(Superconducting Quantum Interference Device、超電導量子干渉素子)利用の生体磁気測定装置等の強磁気利用装置を使用することが増えており、強磁気利用装置を環境磁気ノイズから保護して正常な動作を保証するため及び/又は強磁気利用装置の磁気的影響から周囲の人や機器を保護するため、磁気シールドルームに対する要求が高まっている。従来の磁気シールドルームは、例えば特許文献1が開示するように、透磁率の高い方向性電磁鋼板、無方向性電磁鋼板、パーマロイ、軟磁性鋼板、アモルファス、液体急冷薄帯を結晶化させた微結晶磁性材料等の磁性材料板(以下、磁性板ということがある)によりシールド対象空間の壁面を覆う構造(以下、密閉型シールド構造ということがある)を基本としている。しかし密閉型シールド構造は、磁性板の材料特性から期待されるようなシールド性能がなかなか得られず、しかも空気や光の透過性がないという問題点がある。
【0003】
これに対し本発明者等は、簾状に並べた磁性板の群(以下、磁気シールド簾体という)を用いて隙間のある磁気シールド構造(以下、開放型シールド構造ということがある)を開発し、特許文献2及び特許文献3に開示した。特許文献2の開放型シールド構造を、図10を参照して本発明の理解に必要な限度において説明する。図10(A)は、例えば厚さ0.35mm、幅25mm、長さ300mmの8枚の短冊状磁性板5を、その長さ方向中心軸Cが同一簾面F上にほぼ平行に並ぶように板厚方向に間隔d=30mmで重ねて形成した磁気シールド簾体6の一例を示す。例えば、各磁性板5の長さ方向と直角方向における間隔dの断面積Saに対する磁性板5の断面積Smと磁性板5の比透磁率μsとの積(Sm・μs)の割合(Sm・μs/Sa)を、その間隔d中の磁束密度が磁性板5中の磁束密度に比し十分小さくなるように、例えば(Sm・μs)/Sa>1となるように選択する。
【0004】
図10(A)のような板厚方向間隔dを有する複数の磁気シールド簾体6を、各簾体6の磁性板5の端縁を接合することにより、図10(B)のような磁気的に連続した磁気シールド簾体6の列(以下、列状簾体ということがある)8を形成することができる。同図は、4つの簾体6a、6b、6c、6dをそれぞれ対応する磁性板5の端縁の重ね合わせにより縦列状に接合し、更にその一端側における磁性板5の未接合端縁を他端側の対応する磁性板5の未接合端縁と重ね合わせて接合することにより、磁気的に閉じた環状の列状簾体8(内容積280mm×280mm×280mm)を形成した例である。図中の符号9は磁性板5の端縁の重ね合わせ部を示す。
【0005】
図10(B)の列状簾体8を、図12(A)に示す環状コイル(例えばヘルムホルツ・コイル)Lの中央部に設置し、コイルLの中央部に10〜100μTの一方向磁場Mを形成して列状簾体8の内側の磁気センサ34(例えばガウスメータ)で磁束密度Bを測定し、列状簾体8のシールド係数S(=シールドがない場合の磁束密度B0/シールドがある場合の磁束密度B)を算出した。また比較のため、厚さ0.35mmで幅及び長さが280mm×280mmの4枚の方形磁性板32a、32b、32c、32dにより図10(C)のような立方体形の密閉型磁気シールド体31を作製し、同様に環状コイルLの中央部に設置して密閉型シールド体31のシールド係数Sを算出した。同図(C)の密閉型シールド体31に用いた磁性材料の重量は、同図(B)の列状簾体8で用いた磁性材料の重量とほぼ同じである。
【0006】
表1は、10μT、50μT、100μTの一方向磁場Mに対する列状簾体8及び密閉型シールド体31のシールド係数Sを示す。表1は、10〜100μTの一方向磁場Mに対する列状簾体8のシールド係数Sが、密閉型シールド体31に比し2〜3倍程度高いことを示している。すなわち、図10(B)の列状簾体8は磁束漏洩が少なく、密閉型シールド構造より高いシールド性能と通気性・透光性とを同時に備えた開放型シールド構造といえる。また、所要のシールド性能を得るために必要な磁性材料を密閉型シールドに比して節減し、高度な磁気シールド構造を経済的・効率的に構築できる利点もある。
【0007】
【表1】

【0008】
図10(B)の列状簾体8を実際の磁気シールドルームに適用する場合は、図11(A)に示すように、例えば厚さ0.35mmの磁性薄板7の複数枚を重畳した磁性板5を用いる。図示例の磁性板5は、磁性薄板7の重畳により断面積Smを拡大すると共に、各磁性薄板7の端縁を不揃いとして長手方向端面に凹凸を形成したものである。高いシールド性能の列状簾体8を形成するためには磁性板5の接合部からの磁束漏洩を小さく抑えることが重要であるが、図11(B)のように磁性板5を凹凸端面の嵌合によって接合することで、磁性板5の接合部からの磁束漏洩を極めて小さく抑えることができる。また凹凸端面付き磁性板5は、図示例のような直角向きだけでなく、シールドルームのシールド対象面の形状に応じて直線状又は任意の角度で接合することができる。
【0009】
【特許文献1】特開平9−162585号公報
【特許文献2】特許第3633475号公報
【特許文献3】国際公開第2004/084603号パンフレット
【非特許文献1】社団法人日本建築学会「環境磁場の計測技術−現場における計測の事例−」丸善株式会社、1998年7月15日第1版、pp.19-22
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし図10(B)の列状簾体8は、シールド対象空間を囲む磁気的に閉じた磁気回路を形成することでシールド性能を高めているが、列状簾体8に開閉部を設けると閉じた磁気回路を形成できない問題点がある。磁気シールドルームにはドアや窓等の開閉部を設けることが多く、開閉部の周囲には開閉のための空隙Wを設ける必要がある。空隙Wによって磁気回路に不連続部が発生すると、その不連続部から磁束が漏洩してシールド性能が低下する。開放型シールド構造を実際の磁気シールドルームに適用するには、開閉部周囲の空隙Wからの磁束漏洩を小さく抑える対策が必要である。
【0011】
図13は、列状簾体8を用いて本発明者らが開発した磁気シールドルーム41の一例を示す(特願2004-332380号参照)。図示例の磁気シールドルーム41は、四方の磁気シールド壁42a、42b、42c、42dに磁気シールド簾体6を配置し、各簾体6を四隅の柱材44で接合すると共に、特定のシールド壁42aに開口部を設けている。開口部の周縁に一対の縦枠体45aと横枠体45bとからなる門型枠体45を設け、枠体45の内側に磁気シールドドア43を設置する。磁気シールドドア43は、隣接するシールド壁42aの磁性板5の群に対応する簾状配置の固定シールド板46a及び可動シールド板46bの群と、各可動シールド板46bを移動させる可動機構48とを有する。門型枠体45と磁気シールドドア43との間に開閉のための空隙W1、W2を設け、門型枠体45の縦枠体45aに可動シールド板46bを挿通するための貫通孔(図示せず)を形成する。可動機構48により、ドア閉鎖時に各可動シールド板46bを貫通孔に挿通して隣接するシールド壁42aの各磁性板5と接合させ、ドア開放時に可動シールド板46bを隣接するシールド壁42aの各磁性板5から離す。
【0012】
図13の磁気シールドドア43は、ドア閉鎖時に可動シールド板46bを隣接する磁気シールド壁42aの磁性板5と接合させ、磁気シールドドア43と磁気シールド壁42a、42b、42c、42dとの間に閉じた磁気回路を形成するので、ドア周囲の空隙W1、W2からの磁束漏洩を小さく抑えることができる。ただし、図示例の磁気シールドドア43は複雑な可動機構48を用いて可動シールド板46bを移動させるため、製造コストが嵩むと共に重量が非常に大きくなり、透光性も低下する問題点がある。透光性の高い磁気シールド構造を経済的に構築できるという開放型シールド構造の利点を生かすため、可動機構を用いずに磁気シールド壁42aと磁気シールドドア43とを磁気的に結合する技術の開発が望まれている。
【0013】
そこで本発明の目的は、空隙を介して磁気的に結合可能な磁気シールド簾体及びその連結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、磁気シールド簾体6の各磁性体5の長さ方向縁端の面積に着目した。上述したように簾体6は磁性板5の板厚に比して板厚方向間隔dが大きいため、図13のように空隙Wを介して複数の簾体6を磁性体5の長さ方向に縦列配置した場合に、対向する各簾体6の端縁における磁性板5の断面積が間隔dの断面積に比して小さくなる。本発明者は、簾体6の端縁における磁性板5の断面積を間隔dの断面積に比して大きくすれば、対向する簾体6の間の空隙Wからの磁束漏洩を小さく抑え、空隙Wを介して簾体6を磁気的に結合できることを実験的に見出した(後述する実験例1を参照)。本発明は、この知見に基づき完成に至ったものである。
【0015】
図1の実施例を参照するに、本発明による磁気シールド簾体10は、長さ方向と交差する矩形断面の短辺を板厚とする磁性板5の群を各磁性板5の長さ方向中心軸Cが同一簾面F上に平行に並ぶように所定板厚方向間隔dで簾状に積層し、各磁性板5の長さ方向一端縁又は両端縁にその端縁面12の面積を板厚方向に拡張する磁性拡張板11を取り付けてなるものである。
【0016】
また図1の実施例を参照するに、本発明による磁性シールド簾体の連結構造は、長さ方向と交差する矩形断面の短辺を板厚とする磁性板5の群を各磁性板5の長さ方向中心軸Cが同一簾面F上に平行に並ぶように所定板厚方向間隔dで積層した複数の磁気シールド簾体10a、10b、10cを各簾体10a、10b、10cの磁性板5の長さ方向に所定空隙Wを介して縦列配置し、空隙Wに臨む各簾体10a、10b、10cの磁性板5の長さ方向端縁にその端縁面12の面積を板厚方向に拡張する磁性拡張板11を取り付け、空隙W付き縦列配置の簾体10a、10b、10cを磁性拡張板11の対向により磁気的に結合してなるものである。
【0017】
例えば磁性拡張板11を、図2(B)及び(C)に示すように、磁性板5の長さ方向端縁に一片aが面接触し且つ他片bがその端縁から板厚方向に延びる断面L字形の磁性アングル11aとし、又は同図(D)に示すように、磁性板5の長さ方向端縁に中央脚部aが面接触し且つ頂部両端bがその端縁から板厚方向両側に延びる断面T字形の磁性アングル11bとすることができる。
【0018】
好ましくは、図3(A)に示すように、磁性拡張板11を、隣接する磁性板5の長さ方向端縁に両端片aがそれぞれ面接触し且つ中間部bがその長さ方向端縁間に延在する断面コ字形の磁性アングル11cとする。更に好ましくは、図7(A)に示すように、各磁性拡張板11で拡張された端縁面12に面接触して端縁面12を相互に接続する磁性框16又は磁性枠17を設ける。
【発明の効果】
【0019】
本発明の磁気シールド簾体10は、矩形断面の短辺を板厚とする磁性板5の群を板厚方向に所定間隔dで重ねて簾状に積層し、各磁性板5の長さ方向一端縁又は両端縁にその端縁面12の面積を板厚方向に拡張する磁性拡張板11を取り付けるので、次の顕著な効果を奏する。
【0020】
(イ)磁性板5の長さ方向端縁面12の面積を拡張することにより、簾体10の長さ方向端縁における磁性板5の断面積を間隔dの断面積に比して大きくすることができる。
(ロ)簾体10を磁性板5の長さ方向に空隙Wを介して縦列配置したときに、磁性板5の大きな対向面積を確保し、空隙Wからの磁束漏洩を小さく抑えて簾体10を磁気的に結合することができる。
(ハ)簾体10の間の空隙Wが5mm以下であれば、空隙Wからの磁束漏洩を0.5mT以下に抑えることが可能である。
(ニ)磁性体5の端縁面12のみを板厚方向に拡張するので、端縁以外の部分における板厚間隔dにより簾体10の高い透光性を確保できる。
(ホ)空隙Wを介して縦列配置した簾体10を磁気的に結合できるので、ドアや窓等の開閉部を有する開放型シールド構造を構築する際に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明の磁気シールド簾体10を用いて構築した磁気シールドルーム1の実施例を示す。図示例の磁気シールドルーム1は、一方の壁2aに本発明の磁気シールド簾体10a、10b、10cを相互に空隙W1、W2を介して縦列配置し、他の三方の壁2b、2c、2dに図10の磁気シールド簾体6を相互に列状に接合して配置し、簾体10a及び10cの空隙W1及びW2と対向しない端縁を壁2b、2dの簾体6と列状に接合したものである。以下、図1を参照して本発明を説明するが、本発明の磁気シールド簾体10はシールドルーム1への適用に限定されず、任意のシールド対象面に適用することができる。また、図7(D)に示すように、本発明の磁気シールド簾体10を従来の密閉型磁気シールドの磁性板32と組み合わせてシールドルーム又はシールド面とすることも可能である。
【0022】
図示例の磁気シールド簾体10a、10b、10cは、図10の磁気シールド簾体6と同様に、長さ方向と交差する断面が矩形であってその矩形断面の短辺を板厚し長辺を板幅とした複数枚の短冊状磁性板5を各磁性板5の長さ方向中心軸Cが同一簾面F上に平行に並ぶように板厚方向に所要間隔dで重ね、各磁性板5の空隙W1、W2に臨む長さ方向一端縁又は両端縁に磁性拡張板11を取り付けて端縁面12の面積を板厚方向に拡張したものである。簾体10を構成する各磁性板5は、同じ幅及び長さとすることが望ましい。必要に応じて各磁性板5の中心軸Cを曲線とし、簾面Fを曲面としてもよい。また各磁性板5は中心軸Cが同一簾面F上にあれば足り、中心軸Cの回りの角度位置は磁性板5毎に異なっていてもよい。
【0023】
各簾体10a、10b、10cの磁性板5の板厚方向間隔dは、各簾体10に与えるシールド性能に応じて、間隔dの断面積Saに対する磁性板5の断面積Smと磁性板5の比透磁率μsとの積(Sm・μs)の割合(Sm・μs/Sa)が1より大きくなるように選択する。(Sm・μs/Sa)>1とすることにより、磁性板5中の磁束の通りやすさ(磁性板のパーミアンス)を間隔d中の磁束の通りやすさ(間隔のパーミアンス)より大きくし、間隔dにおける磁束密度を低減して簾体10にシールド性能を与えることができる。また、磁性板5の板厚方向間隔dを磁性板5の幅(矩形断面の長辺)より大きくすることにより、密閉型シールド(図10(C)参照)に比して磁性体5を節減すると共に高い透光性が得られる。高いシールド性能と高い透光性とを同時に得るためには(Sm・μs/Sa)と間隔dとを共に十分大きくすることが望ましい。各簾体10aの磁性板5の板厚方向間隔dは全て同じである必要はなく、磁性板5の位置によって間隔dが相違してもよい。
【0024】
各簾体10a、10b、10cの磁性板5の端縁に取り付ける磁性拡張板11は、例えば図2(B)及び(C)に示すように、断面L字形の磁性アングル11aとすることができる。同図(B)は、L字形磁性アングル11aの一片aを磁性板5の端縁の表面に載置して面接触させ、他片bをその端縁から板厚方向に延ばして磁性板5の端縁面12の面積を拡張したものである。また同図(C)は、複数枚の磁性薄板7を重畳した凹凸端面付き磁性板5(図11参照)を用い、L字形磁性アングル11aの一片aを磁性板5の凹凸端面に嵌合させて磁性板5と面接触させ、他端bをその端縁から板厚方向に延ばしたものである。L字形磁性アングル11aの幅は、磁性板5の幅(矩形断面の長辺)と一致させることが望ましい。
【0025】
磁性アングル11aの一片aを磁性板5の端縁と面接触させることにより、磁性板5と磁性アングル11aとの接合部からの磁束漏洩を小さく抑えることができる。また、磁性アングル11aを磁性板5の凹凸端面と嵌合させることにより、アングル11aと磁性板5とを2面で面接触させ、接合部からの磁束漏洩を更に小さくすることが期待できる。磁性アングル11の他片bの長さは適当に選択できるが、磁性板5の端縁面12の面積をできるだけ大きくするように、例えば間隔dと実質上同じ長さとすることができる。
【0026】
また磁性拡張板11を、図2(D)に示すように断面T字形の磁性アングル11bとし、その中央脚部aを磁性板5の端縁に面接触させ、頂部両端bをその端縁から板厚方向両側に延ばして磁性板5の端縁面12の面積を拡張することもできる。T字形磁性アングル11bの幅は、磁性板5の幅と一致させることが望ましい。図示例は、一対のL字形アングル11aを背中合わせに組み合わせてT字形磁性アングル11bとし、その中央脚部aを磁性板5の凹凸端面に嵌合させて磁性板5と面接触させたものである。例えば頂部両端bの長さが間隔dの1/2程度のT字形磁性アングル11bを用いることにより、磁性板5の端縁面12の面積を最大化できる。
【0027】
望ましくは、図3(A)に示すように磁性拡張板11を断面コ字形(かすがい形)の磁性アングル11cとし、その両端片aを隣接する磁性板5の長さ方向端縁にそれぞれ面接触させ、中間部dを隣接する磁性板5の端縁間に延在させて磁性板5の端縁面12の面積を拡張する。L字形又はT字形の磁性アングル11a、11bを用いた場合は図1に示すように隣接する磁性板5の端縁面12の間に間隙又は接合部が生じるが、コ字形磁性アングル11cを用いることにより各磁性板5の端縁面12を一体化し、間隙又は接合部のない端縁面12とすることができる。コ字形磁性アングル11cの幅は、磁性板5の幅と一致させることが望ましい。
【0028】
図1のように空隙W1及びW2を介して磁気シールド簾体10a、10b、10cを縦列配置することにより、周囲に空隙W1及びW2が存在する簾体10bを磁気シールドルーム1の開閉部とすることができる。図7(A)は簾体10bを開閉ドアとした実施例を示す。この実施例では、簾体10bの空隙W1、W2と対向する両端縁に各磁性拡張板11による拡張端縁面12と面接触して各端縁面12を相互に接続する磁性框16を設け、簾体10a、10cの空隙W1、W2と対向する端縁に各拡張端縁面12を面接触により相互に接続する磁性枠17を設けている。また、磁性枠17の頂端を簾体10a、10cの上方の磁性梁18と磁気的に接合して磁性門型枠を形成し、門型枠の底端を床19に固定してドアを囲む四方枠を形成している。四方枠と簾体10bとの間に空隙を介在させ、例えばヒンジ24で簾体10bを隣接する磁性枠17と連結することにより簾体10bを開閉可能とする。
【0029】
[実験例1]
本発明の磁気シールド簾体10のシールド性能を確認するため、図1の磁気シールドルームを試作して実験を行った。実験では、図11のように厚さ0.35mmの磁性薄板7を18枚重畳した板厚6.3mm、幅50mmの凹凸端面付き磁性板5を接合して適当な長さとし、その磁性板5を板厚方向に間隔d=300mmで重ねて6個の磁気シールド簾体6a、6b、6c、6d、6e、6fを作製し、図12(B)に示すように各簾体6a、6b、6c、6d、6e、6fをシールド対象空間を囲むように各磁性板5の凹凸端縁で接合し又は空隙W1、W2を介して縦列配置することにより、磁気シールドルーム(間口3.6m×奥行2.7m×高さ1.8m)を形成した。
【0030】
図12(B)の簾体6a、6b、6cは、各磁性板5の空隙W1、W2に臨む凹凸端縁にL字形、T次形又はコ字形の磁性アングル11a、11b又は11cを載置又は嵌合させることにより、図1の磁気シールド簾体10a、10b、10cとすることができる。磁性アングル11a、11b又は11cとして、厚さ0.35mm、幅50mm、各片a、b=100mmの磁性薄板製のL字形アングルを3枚重畳したもの、厚さ0.35mm、幅50mm、両端片a=100mm、中間部d=300mmの磁性薄板製のコ字形アングルを3枚重畳したものを用いた。
【0031】
図12(B)に示すように、試作した磁気シールドルームの内側に環状コイルLを設置し、コイルLに矢印I向きにMRI装置と同程度の直流電流を流して直流磁場Mを形成し、シールドルーム1の空隙W1の外側における漏洩磁束密度を磁気センサ34で測定した。列状配置の簾体6a、6b、6cと直角方向に磁気センサ34を移動させながら漏洩磁束密度の測定を繰り返し、空隙W1からの水平距離と漏洩磁束密度との関係からシールド性能を確認した。先ず簾体6a、6b、6cの間の空隙W1、W2の大きさをW1=20mm、W2=5.0mmとした磁気シールドルームのシールド性能を確認し、次いで空隙W2の大きさを5.0mmで維持しつつ空隙W1の大きさを5.0mm、3.0mmとした磁気シールドルームのシールド性能を確認した。
【0032】
図4は、空隙W1=20mm、W2=5.0mmとした磁気シールドルームのシールド性能を示す。同図のグラフAは簾体6a、6b、6cの磁性板5の端縁に磁性アングル10を取り付けない場合(図2(A)参照)、グラフBはL字形磁性アングル11aを磁性板5の表面に面接触させた場合(同図(B)参照)、グラフCはL字形磁性アングル11aを磁性板5の凹凸端縁に嵌合させた場合(同図(C)参照)、グラフDはT字形磁性アングル11bを磁性板5の凹凸端縁に嵌合させた場合(同図(D)参照)、グラフEはコ字形磁性アングル11cを磁性板5の凹凸端縁に嵌合させた場合(図3(A)参照)のシールド性能をそれぞれ表わす。またグラフGは、比較のため、空隙W1、W2のない図10(B)の列状簾体8により形成したシールドルーム(図3(C)参照)のシールド性能の表したものである。
【0033】
図4のグラフA〜Eの比較から、空隙W1に臨む磁気シールド簾体6a、6bの端縁に磁性アングル11a、11b、11cを取り付けて端縁面12の面積を拡張することにより、空隙W1からの磁束漏洩を小さくできることが分かる。例えば医療機関におけるMRI室では、室外のペースメーカ装着者に悪影響を及ぼさないように、MRI室の外部漏洩磁束を0.5mT以下に抑えることが望まれている(非特許文献1参照)。図4の実験結果は、磁気シールド簾体6で形成したMRI室に20mm程度の空隙W1が存在する場合に、簾体6の各磁性体5の端縁面12を拡張していないときはMRI室からの外部漏洩磁束を0.5mT以下とするために簾体6から175mm程度離れる必要があるが(グラフA参照)、コ字形磁性アングル11cにより端縁面12を拡張したときはその離隔距離を125mm程度まで短くできることを示している(グラフE参照)。ただし、簾体6からの水平離隔距離が100mm以下の範囲では、端縁面12の拡張のみで空隙W1からの漏洩磁束を0.5mT以下に抑えることは難しく、漏洩磁束を更に小さくするためには後述する磁性目張り21、22を空隙W1に設ける必要がある(グラフF参照)。
【0034】
図5は空隙W1=5.0mm、W2=5.0mmとした磁気シールドルームのシールド性能を示し、図6は空隙W1=3.0mm、W2=5.0mmとしたシールド性能を示す。同図のグラフA〜E及びグラフGはそれぞれ、図4のグラフA〜E及びグラフGと端縁面12が同じ状態のシールド性能を表わしている。図5及び図6のグラフから分かるように、空隙W1の大きさが5〜3mm程度であれば、簾体6からの水平離隔距離が100mm以下の範囲においても端縁面12の拡張によって漏洩磁束を0.5mT以下とすることができ、空隙Wからの磁束漏洩を効果的に抑えることが可能である。また、図6のグラフFは後述する磁性目張り21、22を空隙W1に設けた状態のシールド性能を示すが、コ字形磁性アングル11cを取り付けたグラフEとグラフFとがほぼ重なることから、空隙W1の大きさが3mm程度である場合は、空隙W1からの磁束漏洩を端縁面12の拡張によって空隙W1に磁性目張り21、22を設けた場合と同程度まで抑制できることが分かる。
【0035】
すなわち、本発明の磁気シールド簾体10によれば、簾体10の相互間に空隙Wが存在していても、簾体10の各磁性板5の長さ方向端縁面12の実効面積を拡張することにより空隙Wからの磁束漏洩を小さくすることができ、空隙Wの大きさが5〜3mm程度であれば、空隙Wからの磁束漏洩を0.5mT以下に抑えて空隙Wを介して簾体10を磁気的に結合することが可能である。また、磁性体5の端縁面12のみを板厚方向に拡張し、端縁以外の部分の板厚間隔dは十分大きく維持するので、図10の簾体6と同等の高い透光性を確保できる。更に、図13の実施例のように可動機構を用いることなく磁性拡張版11を取り付けるだけで空隙Wからの磁束漏洩を経済的・効率的に抑制できる。従って、ドアや窓等の開閉部のある磁気シールドルームに開放型シールド構造を適用する場合に有効利用が期待できる。
【0036】
こうして、本発明の目的である「空隙を介して磁気的に結合可能な磁気シールド簾体及びその連結構造」の提供が達成できる。
【実施例1】
【0037】
図7(B)及び(C)は、縦列配置した磁気シールド簾体10a、10bの間の空隙W1を縦列方向と直角方向から覆う磁性目張り21又は22を設けた実施例を示す。上述したように本発明は、簾体10の各磁性板5の端縁面12を十分拡張することにより空隙Wからの磁束漏洩を抑えることができるが、空隙Wが比較的大きく端縁面12の拡張のみでは漏洩磁束を十分に小さくできないときは、空隙Wに磁性目張り21、22を設けることが有効である。同図(B)は磁気シールド簾体10の高さ(磁性板5の積層高さ)と同じ高さの帯状磁性目張り21により空隙W1の全域を覆った実施例、同図(C)は磁性拡張板11の拡張端縁面12に対応する大きさのチップ状磁性目張り22により空隙W1の磁性拡張板11が対向する部位を離散的に覆った実施例である。
【0038】
本発明の磁気シールド簾体10は、磁性拡張板11の拡張端縁面12を介して磁気的に結合するので、空隙W1からの磁束漏洩は主に拡張端縁面12から発生すると考えられる。従って、帯状磁性目張り21で空隙Wの全域を覆わなくても、チップ状磁性目張り22により磁束漏洩が大きい部分を重点的に覆うことにより、空隙Wからの磁束漏洩を十分に抑えることが期待できる。チップ状磁性目張り22により空隙Wからの磁束漏洩を十分に抑えることができれば、帯状磁性目張り21を用いる場合に比し磁性材料を節減できる。図7(A)のように簾体10bを開閉ドアとする場合は、磁性目張り21、22をドアの戸先や四方枠に設置することができる。
【0039】
[実験例2]
磁性目張り21によるシールド性能を確認するため、図7(B)に示すように、実験例1で用いた磁気シールドルームの空隙W1を帯状磁性目張り21で覆い、実験例1と同様の手法でシールド性能を測定した。磁性目張り21を設けた場合のシールド性能を図4〜6のグラフGに示す(図3(B)参照)。図4及び図5のグラフGから分かるように、磁性目張り21の設置により空隙W1からの磁束漏洩を十分小さくすることができ、漏洩磁束が0.5mT以下となる空隙W1からの水平離隔距離を75mm程度まで短くすることができる。ただし空隙W1の大きさが3mm程度である場合は、図6を参照して上述したように、磁気シールド簾体10の各磁性板5の端縁面12を大きくすることで空隙W1からの磁束漏洩を最小化することができ、磁性目張り21の設置を省略できる。
【0040】
[実験例3]
次に、チップ状磁性目張り22によるシールド性能を確認するため、実験例1で用いた空隙W1=20mmの磁気シールドルームの空隙W1を帯状磁性目張り21及びチップ状磁性目張り21で覆い、実験例1と同様の手法でシールド性能を測定して両者のシールド性能を比較した。本実験では、図8(A)に示すように、磁気シールド簾体10のシールド対象磁場の到来側(磁気シールドルームの内側)に間隔Q=5.0mmを介して磁性目張り21、22を設けて空隙W1を覆った。チップ状磁性目張り22のシールド性能を図9のグラフ1に示し、帯状磁性目張り21のシールド性能を同図のグラフ2に示す。グラフ1とグラフ2との比較から、チップ状磁性目張り22により帯状磁性目張り21とほぼ同等のシールド性能を得ることができ、本発明の磁気シールド簾体10ではチップ状磁性目張り22により空隙Wからの磁束漏洩を経済的・効率的に抑制できることが確認できた。
【0041】
[実験例4]
更に、磁性目張り21の設置位置によるシールド性能の変化を確認するため、図8(B)及び(C)に示すように、磁気シールド簾体10のシールド対象磁場の到来側と反対側(磁気シールドルームの外側)に間隔Q=5.0mmを介して配置した帯状磁性目張り21により空隙W1を覆った場合のシールド性能、及び帯状磁性目張り21により空隙W1の両側を覆った場合のシールド性能をそれぞれ測定した。磁気シールドルームの外側から空隙W1を覆ったときのシールド性能を図9のグラフ3に示し、空隙W1の両側を覆ったときのシールド性能を図9のグラフ4に示す。グラフ2に比してグラフ3のシールド性能がかなり優れていることから、空隙Wに帯状磁性目張り21を設置する場合は、磁気シールドルームの外側に設置することが有効あるとの知見が得られた。また、グラフ3とグラフ4がほぼ同等のシールド性能であることから、帯状磁性目張り21は空隙Wの外側に設置すれば十分であることが分かる。
【0042】
本実験において磁性目張り21を磁気シールドルームの外側に設置することが有効ある理由は、磁気シールドルームの中央部に設置したコイルLから発生する磁力線は外側に向かって膨らむ傾向があり、本発明の磁気シールド簾体10からの漏洩磁束も外側に向かって膨らむ傾向があるからと考えられる。図9のシールド性能は帯状磁性目張り21によるものであるが、実験例3の結果から、チップ状磁性目張り21も磁気シールドルームの外側に設置することが有効あると考えられる。すなわち本発明の磁気シールド簾体10では、チップ状磁性目張り22によって磁束漏洩が大きい空隙Wの部分の外側を重点的に覆うことにより、空隙Wからの磁束漏洩を経済的・効率的に抑制することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の磁気シールド簾体を用いた磁気シールドルームの実施例の説明図である。
【図2】磁気シールド簾体に取り付ける磁性拡張板の一例の説明図である。
【図3】磁気シールド簾体に取り付ける磁性拡張板の他の例の説明図である。
【図4】空隙20mmを介して連結した本発明の磁気シールド簾体のシールド性能を示す実験結果である。
【図5】空隙5mmを介して連結した本発明の磁気シールド簾体のシールド性能を示す実験結果である。
【図6】空隙3mmを介して連結した本発明の磁気シールド簾体のシールド性能を示す実験結果である。
【図7】空隙に磁性目張りを設置した本発明の磁気シールド簾体の説明図である。
【図8】空隙に対する磁性目張りの設置方法の説明図である。
【図9】空隙に磁性目張りを設置した本発明の磁気シールド簾体のシールド性能を示す実験結果である。
【図10】従来の磁気シールド簾体を用いた開放型シールド構造の説明図である。
【図11】磁気シールド簾体を構成する磁性板の一例の説明図である。
【図12】磁気シールド簾体のシールド性能計測方法の説明図である。
【図13】磁気シールド簾体を用いた従来の磁気シールドルームの説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1…磁気シールドルーム 2…磁気シールド壁
3…磁気シールド開閉部 5…磁性材料板(磁性板)
6…磁気シールド簾体 7…磁性材料薄板(磁性薄板)
8…列状簾体 9…重ね合わせ部分
10、10a、10b…磁気シールド簾体 11…磁性拡張板
11a…断面L字形の磁性アングル 11b…断面T字形の磁性アングル
11c…断面コ字形の磁性アングル(磁性かすがい)
12…端縁面 16…磁性框
17…磁性枠 18…磁性梁
19…床 21…磁性目張り
22…チップ状磁性目張り 24…ヒンジ
31…密閉型磁気シールド体 32…方形磁性板
34…磁気センサ 41…磁気シールドルーム
42…磁気シールド壁 43…磁気シールドドア
44…柱材 45、45a、45b…枠体
46、46a、46b…磁気シールド板 48…可動機構
a、b…アングルの長さ W…空隙
R…材料板の端縁の凹凸の深さ C…材料板の長さ方向中心軸
F…簾面 d…材料板の板厚方向間隔
I…電流 L…電流担体(コイル)
M…磁場 S…シールド係数
H…磁性目張りの位置 P…磁性目張りの幅
Q…縦列配置の磁気シールド簾体と磁性目張りとの間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向と交差する矩形断面の短辺を板厚とする磁性板の群を各磁性板の長さ方向中心軸が同一簾面上に平行に並ぶように所定板厚方向間隔で簾状に積層し、各磁性板の長さ方向一端縁又は両端縁に当該端縁面の面積を板厚方向に拡張する磁性拡張板を取り付けてなる磁気シールド簾体。
【請求項2】
請求項1の磁気シールド簾体において、前記磁性拡張板を、前記磁性板の長さ方向端縁に一片が面接触し且つ他片が当該端縁から板厚方向に延びる断面L字形の磁性アングルとしてなる磁気シールド簾体。
【請求項3】
請求項1の磁気シールド簾体において、前記磁性拡張板を、前記磁性板の長さ方向端縁に中央脚部が面接触し且つ頂部両端が当該端縁から板厚方向両側に延びる断面T字形の磁性アングルとしてなる磁気シールド簾体。
【請求項4】
請求項1の磁気シールド簾体において、前記磁性拡張板を、隣接する前記磁性板の長さ方向端縁に両端片がそれぞれ面接触し且つ中間部が当該長さ方向端縁間に延在する断面コ字形の磁性アングルとしてなる磁気シールド簾体。
【請求項5】
請求項1から4の何れかの磁気シールド簾体において、前記各磁性拡張板で拡張された端縁面に面接触して当該端縁面を相互に接続する磁性框又は磁性枠を設けてなる磁気シールド簾体。
【請求項6】
長さ方向と交差する矩形断面の短辺を板厚とする磁性板の群を各磁性板の長さ方向中心軸が同一簾面上に平行に並ぶように所定板厚方向間隔で積層した磁気シールド簾体の複数を各簾体の磁性板長さ方向に所定空隙を介して縦列配置し、前記空隙に臨む各簾体の磁性板の長さ方向端縁に当該端縁面の面積を板厚方向に拡張する磁性拡張板を取り付け、前記空隙付き縦列配置の簾体を前記磁性拡張板の対向により磁気的に結合してなる磁性シールド簾体の連結構造。
【請求項7】
請求項6の連結構造において、前記磁性拡張板を、前記磁性板の長さ方向端縁に一片が面接触し且つ他片が当該端縁から板厚方向に延びる断面L字形の磁性アングルとしてなる磁気シールド簾体の連結構造。
【請求項8】
請求項6の連結構造において、前記磁性拡張板を、前記磁性板の長さ方向端縁に中央脚部が面接触し且つ頂部両端が当該端縁から板厚方向両側に延びる断面T字形の磁性アングルとしてなる磁気シールド簾体の連結構造。
【請求項9】
請求項6の連結構造において、前記磁性拡張板を、前記簾体の隣接する磁性板の長さ方向端縁に両端片がそれぞれ面接触し且つ中間部が当該長さ方向端縁間に延在する断面コ字形の磁性アングルとしてなる磁気シールド簾体の連結構造。
【請求項10】
請求項6から9の何れかの連結構造において、前記簾体の各磁性拡張板で拡張された端縁面に面接触して当該端縁面を相互に接続する磁性框又は磁性枠を設け、前記空隙付き縦列配置の簾体を前記磁性框又は磁性枠の対向により磁気的に結合してなる磁気シールド簾体の連結構造。
【請求項11】
請求項6から10の何れかの連結構造において、前記縦列配置の簾体間の空隙を当該縦列方向と直角方向の片側又は両側から所要間隙を介して覆う磁性目張りを設けてなる磁気シールド簾体の連結構造。
【請求項12】
請求項11の連結構造において、前記磁性目張りを、前記磁性拡張板の拡張端縁面に対応する大きさとし且つ拡張端縁面が対向する空隙部位に離散的に設けてなる磁気シールド簾体の連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−351598(P2006−351598A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172378(P2005−172378)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【Fターム(参考)】