説明

磁気ブラシ現像装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】キャリアによる感光体表面の摩耗を抑制し、感光体の長寿命化を図るとともに、樹脂製キャリアを用いた場合のようなキャリア表面の高抵抗化による像担持体表面へのキャリアの付着といった不具合が発生するのを抑制することが可能な磁気ブラシ現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー73と磁性キャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシ70を用いて現像する磁気ブラシ現像装置において、前記磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリア71は、その磁力が他方のキャリア72よりも高く、かつ形状が不定形であるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、磁気ブラシ現像装置及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開昭58−140753号公報
【特許文献2】特開平08−297381号公報
【特許文献3】特開2000−319022号公報
【特許文献4】特許第3368720号公報
【0003】
従来、複写機やプリンター等の画像形成装置においては、メンテナンス性やユーザーの利便性の向上等のために、装置の長寿命化が強く求められており、画像形成装置の長寿命化にあたっては、感光体ドラムとして、感光層の表面に硬質の合成樹脂からなるオーバーコート層を設けたものが用いられている。
【0004】
しかしながら、上記感光体ドラムの表面に形成された静電潜像を現像する現像装置として、フェライト系のキャリアを用いた場合には、感光体ドラム表面のオーバーコート層に、フェライト系のキャリアによって引掻き傷が発生してしまい、感光体ドラムの長寿命化を達成することができない。
【0005】
そこで、感光体ドラムの長寿命化を達成するためには、フェライト系のキャリアに代わって、球形状の樹脂製キャリアを使用することが考えられるが、球形状の樹脂製キャリアは、現像ロール上においてスリップが発生しやすいため、当該現像ロールの現像スリーブの表面に溝形状を設けたものを用いることによって対応するのが望ましい。
【0006】
かかる現像スリーブの表面に溝形状を設けた場合であっても、生産性の向上に伴うプロセススピードの高速化に伴い、高速領域で現像スリーブを回転した場合における寿命保証領域において、現像剤のスリップを抑制しつつ、現像剤の搬送性を保障する必要がある。
【0007】
ところで、この種の画像形成装置に用いられる現像剤のキャリアに関する技術としては、例えば、特開昭58−140753号公報や特開平08−297381号公報、特開2000−319022号公報、あるいは特許第3368720号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0008】
上記特開昭58−140753号公報に係る電子複写機の現像剤は、平均粒径が5〜20μからなるトナーに平均粒径が10〜40μからなる小粒径キャリアを混合して小粒径現像剤を形成し、これに平均粒径が40〜200μからなる大粒径キャリアを全重量の50%以下混合してなるように構成したものである。
【0009】
また、上記特開平08−297381号公報に係る静電潜像現像用キャリアは、バインダー樹脂中に磁性粉が分散されてなるバインダー型の静電潜像現像用キャリアにおいて、バインダー樹脂中に残留磁化が13emu/g以下の磁性粉が含有されて平均粒径が80〜150μmの範囲にある第1キャリアと、バインダー樹脂中に残留磁化が17〜30emu/gの範囲にある磁性粉が含有されて平均粒径が15〜50μmの範囲にある第2キャリアとが含有されているように構成したものである。
【0010】
さらに、上記特開2000−319022号公報に係る酸化鉄粒子粉末は、球状酸化鉄粒子と八面体酸化鉄粒子が混在することを特徴とするものであり、更に具体的には、個数平均粒径が0.15〜0.5μm、かつ全個数に対する八面体酸化鉄粒子の存在個数率[八面体酸化鉄粒子個数/(球状酸化鉄粒子個数+八面体酸化鉄粒子個数)×100]が5〜90%で、その中の球状酸化鉄粒子の平均粒径をXμm、八面体酸化鉄粒子の平均粒径をYμm、八面体酸化鉄粒子の存在個数率Z(%)とした時、下記式(1)を満足するように構成したものである。
10≦(5.2/6×πY3 Z)/[(5.2/6×πY3 Z)+(5.2/6×πX3 (1−Z)]×100・・・・・(1)
【0011】
又、上記特許第3368720号公報に係る静電潜像現像用キャリアは、バインダー樹脂中に磁性粉が分散されてなるバインダー型の静電潜像現像用キャリアにおいて、バインダー樹脂中に残留磁化が13emu/g以下の磁性粉が含有されて平均粒径が80〜150μmの範囲にあり残留磁化が10emu/g以下の第1キャリアと、バインダー樹脂中に残留磁化が17〜30emu/gの範囲にある磁性粉が含有されて平均粒径が15〜50μmの範囲にあり残留磁化が16〜30emu/gの範囲にある第2キャリアとが含有されるように構成したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、キャリアによる感光体表面の摩耗を抑制し、感光体の長寿命化を図るとともに、樹脂製キャリアを用いた場合のようなキャリア表面の高抵抗化による像担持体表面へのキャリアの付着といった不具合が発生するのを抑制することが可能な磁気ブラシ現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【0013】
また、この発明が解決しようとする課題は、キャリアによる感光体表面の摩耗を抑制し、感光体の長寿命化を図るとともに、樹脂製キャリアを用いた場合のようなキャリア表面の高抵抗化による像担持体表面へのキャリアの付着といった不具合が発生するのを抑制するために、磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリアは、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であるものを用いた場合に生じる技術的課題を解決することにある。
【0014】
更に、この発明が解決しようとする課題は、2種類のキャリアのうち、相対的に磁力が他方のキャリアよりも低いキャリアとして用いられる樹脂キャリアの抵抗値が、相対的に磁力が高く下層に位置するフェライトキャリア等よりも高いと、“スタベーション”と呼ばれる画像の白抜けや、低温低湿環境下における現像性の低下を招くのを防止することにある。
【0015】
さらに説明すると、2種類のキャリアのうち、相対的に磁力が他方のキャリアよりも低いキャリアとして用いられる樹脂キャリア等の抵抗値が、相対的に磁力が高く下層に位置するフェライトキャリア等よりも高いと、上層に位置する樹脂キャリア等が電荷が逃げずに過剰に帯電してしまい、濃度の高いベタの画像などを現像する際に、当該濃度の高いベタ画像の後端部に現像されるべきトナーが、過剰に帯電した樹脂キャリア等からなる磁気ブラシによって静電的に掻き取られてしまい、“スタベーション”と呼ばれる画像後端の白抜けが生じるという技術的課題を生じることがわかった。
【0016】
また、2種類のキャリアのうち、相対的に磁力が他方のキャリアよりも低いキャリアとして用いられる樹脂キャリア等の抵抗値が、相対的に磁力が高く下層に位置するフェライトキャリア等よりも高い場合には、低温低湿環境下において、トナーの帯電量が過剰となり、上層の樹脂キャリアからトナーが離れずに、現像性が低下してしまうという技術的課題を生じることがわかった。
【0017】
そこで、この発明が解決しようとする他の課題は、上述したように、“スタベーション”と呼ばれる画像の白抜けが生じたり、低温低湿環境下における現像性の低下が生じるのを抑制することが可能な磁気ブラシ現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
すなわち、請求項1に記載された発明は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを用いて現像する磁気ブラシ現像装置において、
前記磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリアは、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であることを特徴とする現像装置である。
【0019】
また、請求項2に記載された発明は、前記2種類のキャリアのうち、磁力が低いキャリアは、その形状が球形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置である。
【0020】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記2種類のキャリアのうち、磁力が高いキャリアは、フェライトキャリアからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置である。
【0021】
又、請求項4に記載された発明は、前記2種類のキャリアのうち、磁力が相対的に低いキャリアと磁力が高いキャリアとの混合比が、8:2〜5:5に設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置である。
【0022】
更に、請求項5に記載された発明は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを用いて現像する磁気ブラシ現像装置において、
前記磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリアは、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であり、
しかも、前記磁力が他方のキャリアよりも低いキャリアの抵抗値が、前記磁力が他方のキャリアよりも高いキャリアの抵抗値と等しいか、又は前記磁力が他方のキャリアよりも高いキャリアの抵抗値よりも低くなるように設定したことを特徴とする現像装置である。
【0023】
また、請求項6に記載された発明は、前記磁力が他方のキャリアよりも低いキャリアの抵抗値が、6.5〜11(logΩ)であることを特徴とする請求項5に記載の現像装置である。
【0024】
さらに、請求項7に記載された発明は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを用いて現像する磁気ブラシ現像装置を備え、
像担持体上に形成された静電潜像を、前記磁気ブラシ現像装置を用いて現像することにより画像を形成する画像形成装置において、
前記磁気ブラシ現像装置は、前記磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリアは、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であることを特徴とする画像形成装置である。
【0025】
又、請求項8に記載された発明は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを用いて現像する磁気ブラシ現像装置を備え、
像担持体上に形成された静電潜像を、前記磁気ブラシ現像装置を用いて現像することにより画像を形成する画像形成装置において、
前記磁気ブラシ現像装置は、前記磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリアは、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であり、
しかも、前記磁力が他方のキャリアよりも低いキャリアの抵抗値が、前記磁力が他方のキャリアよりも高いキャリアの抵抗値と等しいか、又は前記磁力が他方のキャリアよりも高いキャリアの抵抗値よりも低くなるように設定したことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載された発明によれば、キャリアによる感光体表面の摩耗を抑制し、感光体の長寿命化を図ることができるとともに、樹脂製キャリアを用いた場合のようなキャリア表面の高抵抗化による像担持体表面へのキャリアの付着といった不具合が発生するのを抑制することができる。
【0027】
また、請求項2に記載された発明によれば、キャリアによる感光体表面の摩耗を抑制し、感光体の長寿命化を図ることができる。
【0028】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、現像剤の搬送性を確保することができる。
【0029】
又、請求項4に記載された発明によれば、キャリアによる感光体表面の摩耗を抑制し、感光体の長寿命化を図ることができるとともに、現像剤の搬送性を確保することができる。
【0030】
更に、請求項5に記載された発明によれば、“スタベーション”と呼ばれる画像の白抜けが生じたり、低温低湿環境下における現像性の低下が生じるのを抑制することが可能となる。
【0031】
また、請求項6に記載された発明によれば、“スタベーション”と呼ばれる画像の白抜けが生じたり、低温低湿環境下における現像性の低下が生じるのを抑制することが可能となるとともに、キャリアの抵抗値が低く過ぎることに起因した像担持体表面へのキャリアの付着といった不具合が発生するのを抑制することができる。
【0032】
さらに、請求項7に記載された発明によれば、キャリアによる感光体表面の摩耗を抑制し、感光体の長寿命化を図ることができるとともに、樹脂製キャリアを用いた場合のようなキャリア表面の高抵抗化による像担持体表面へのキャリアの付着といった不具合が発生するのを抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0033】
又、請求項8に記載された発明によれば、“スタベーション”と呼ばれる画像の白抜けが生じたり、低温低湿環境下における現像性の低下が生じるのを抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0035】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る磁気ブラシ現像装置を適用した画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラー複写機を示すものである。なお、このタンデム方式のフルカラー複写機は、画像読取装置を備えているが、画像読取装置を備えていないフルカラープリンタやファクシミリとして構成しても良いことは勿論である。
【0036】
図2において、1はタンデム方式のフルカラー複写機の本体を示すものであり、このフルカラー複写機本体1の一端側の上部には、原稿2を1枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置3と、原稿2の画像を読み取る画像読取装置4が配設されている。この画像読取装置4は、プラテンガラス5上に載置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光して、この画像読取素子11によって原稿2の両像を所定のドット密度(例えば、400dpiや600dpi等)で読み取るようになっている。
【0037】
上記画像読取装置4によって読み取られた原稿2の両像は、例えば、赤(R)緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の画像データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。
【0038】
そして、上記の如く画像処理装置12で所定の画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)(各8bit)の4色の画像データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14Y、14M、14C、14Kに送られ、これらの画像露光装置14Y、14M、14C、14Kでは、各色の画像データに応じてレーザービームLBによる画像露光が行われる。
【0039】
ところで、上記タンデム方式のフルカラー複写機本体1の内部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成部13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に一定の間隔をおいて直列的に配置されている。
【0040】
これらの4つの画像形成部13Y、13M、13C、13Kは、すべて同様に構成されており、大別して、矢印方向に沿って所定の回転速度で回転する感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する帯電手段としての一次帯電用のスコロトロン16と、当該感光体ドラム15の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像する磁気ブラシ現像装置17と、クリーニング装置18とから構成されている。
【0041】
上記感光体ドラム15としては、装置の長寿命化のために、感光体層の表面に硬質樹脂をコーティングしたコーティング層を備えたものを用いるのが望ましい。
【0042】
上記画像露光装置14は、図2に示すように、半導体レーザー19を画像データに応じて変調して、この半導体レーザー19からレーザービームLBを階調データに応じて出射する。この半導体レーザー19から出射されたレーザービームLBは、コリメータレンズによって平行光化された後、回転多面鏡20によって偏向走査され、f−θレンズ21、22で走査角度に応じて焦点距離が調整された状態で、反射ミラー23等を介して像担持体としての感光体ドラム15上に走査露光される。
【0043】
上記画像処理装置12からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14Y、14M、14C、14Kに各色の画像データが順次出力され、これらの画像露光装置14Y、14M、14C、14Kから画像データに応じて出射されるレーザービームLBが、それぞれの感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの表面に走査露光されて静電潜像が形成される。上記各感光体ドラム15Y15M、15C、15K上に形成された静電潜像は、磁気ブラシ現像装置17Y、17M、17C、17Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として現像される。
【0044】
上記各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15Y、15M、15C、15K上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの下方に配置された中間転写体としての中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kによって多重に転写される。この中間転写ベルト25は、ドライブロール27と、アイドルロール28と、ステアリングロール29と、アイドルロール30と、バックアップロール31と、アイドルロール32との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール27により、欠印方向に所定の速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するPET等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
【0045】
上記中間転写ベルト25上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M) 、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、バックアップロール31に圧接する2次転写ロール33によって、圧接力及び静電気力で記録媒体としての記録用紙34上に2次転写され、この各色のトナー像が転写された記録用紙34は、搬送ベルト35によって定着器36へと搬送される。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙34は、定着器36の加熱ロール37と加圧ロール38とによる熱及び圧力で定着処理を受け、複写機本体1の外部に設けられた排出トレイ39上に排出される。
【0046】
上記記録用紙34は、図2に示すように、用紙トレイ40から所定のサイズや材質のものが、給紙ローラ41及び分離ローラ対42、並びに用紙搬送用のローラ対43からなる用紙搬送経路44を介して、レジストロール45まで一旦搬送されて停止する。上記用紙トレイ40から供給された記録用紙34は、所定のタイミングで回転駆動されるレジストロール45によって中間転写ベルト25上へ送出される。
【0047】
なお、図2中、符号46Y、46M、46C、46Kは、イエロー(Y)、マゼンタ (M) 、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーを収容したトナーカートリッジを示すものである。
【0048】
ところで、この実施の形態に係る現像装置は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを用いて現像する磁気ブラシ現像装置において、
前記磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリアは、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であるように構成したものである。
【0049】
図3は上記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の磁気ブラシ現像装置17Y、17M、17C、17Kとして用いられる現像装置を示すものである。
【0050】
すなわち、この磁気ブラシ現像装置17は、図3に示すように、感光体ドラム15の軸方向に沿った箱体状に形成された現像装置ハウジング50を備えており、当該現像装置ハウジング50の内部には、図4に示すように、トナーとキャリアからなる二成分の現像剤51が収容されている。また、上記現像装置ハウジング50には、感光体ドラム15と対向する現像領域に開口部52が設けられており、当該開口部52には、現像剤担持体としての現像ロール53が矢印方向に沿って回転可能に配設されている。
【0051】
この現像ロール53は、その周方向に沿って所定位置に所定極性の磁極が配置されたマグネットロール54が、内部に固定した状態で配置されているとともに、当該マグネットロール54の外周には、アルミニウムや非磁性ステンレス等からなる現像スリーブ55が回転可能に配置されて構成されている。上記現像スリーブ55の表面には、例えば、感光体ドラム15の軸方向に沿った溝が、その周方向に沿って一定の間隔で多数形成されるか、又はブラスト処理が施されている。
【0052】
また、上記現像ロール53の斜め下方には、現像剤51を攪拌しつつ現像ロール53へと供給する供給手段としての供給オーガー56が配設されているとともに、当該供給オーガー56の背面側には、仕切り板57を介して現像剤21を攪拌しつつ搬送する攪拌手段としての攪拌オーガー58が配設されている。
【0053】
上記現像剤51としては、トナーと磁性キャリアとからなる二成分の現像剤が用いられているが、トナーは、非磁性トナーであっても、磁性トナーであっても良い。
【0054】
また、上記現像装置17の攪拌オーガー58は、図3に示すように、現像ロール53の軸方向の一端部側に突出するように延長されており、当該攪拌オーガー58の延長部58aには、その延長された円筒状ハウジング59の上端部に、トナーカートリッジ46からトナーを供給するための開口部60が設けられている。
【0055】
さらに、上記現像装置6の供給オーガー56は、図3に示すように、現像ロール53の軸方向の一端部側に突出するように延長されており、当該供給オーガー56の延長部56aには、その延長された円筒状ハウジング61の下端部に、現像装置ハウジング50内の使用済の現像剤41を排出するための開口部62が設けられている。
【0056】
上記現像装置6では、図6に示すように、トナーカートリッジ46から供給された新しいトナーが、攪拌オーガー58によって現像装置ハウジング50内の現像剤41と攪拌されつつ、当該攪拌オーガー58の搬送方向の下流側に搬送されて、仕切り部材57に設けられた通路63を介して供給オーガー56に受け渡され、供給オーガー56に受け渡された現像剤41は、当該供給オーガー56の搬送方向の下流側に搬送されて、仕切り部材57に設けられた通路64を介して攪拌オーガー58に受け渡される。その間、上記供給オーガー56に受け渡された現像剤41は、供給オーガー56によって攪拌搬送されつつ、現像ロール53へと供給される。そして、現像ロール53へと供給された現像剤41は、図4に示すように、層厚規制部材65によって層厚が規制された後、現像ロール53の回転に伴って感光体ドラム15と微小な間隙を介して対向する現像領域Gへと搬送されて、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像を顕像化するようになっている。
【0057】
また、上記現像装置17の背面側には、図4に示すように、攪拌オーガー58に対応した現像装置ハウジング50の外壁面に、現像装置ハウジング50内の現像剤41のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段としてのトナー濃度センサー65が配設されており、このトナー濃度センサー65としては、例えば、透磁率センサーが用いられる。
【0058】
上記現像装置17は、図4に示すように、現像装置ハウジング50内の現像剤41のトナー濃度を、所定のタイミングでトナー濃度センサー65によって検知し、当該トナー濃度センサー65の出力値に基づいて、現像装置ハウジング50内のトナー濃度が所定の目標値に等しくなるように、トナーカートリッジ46から新しいトナーを所定のタイミングで供給するように構成されている。
【0059】
ところで、この実施の形態では、上記磁気ブラシ現像装置17で使用される磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリアは、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であるように構成されている。
【0060】
上記2種類のキャリアのうち、一方の第1のキャリアとしては、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であるフェライトキャリアが用いられ、他方の第2のキャリアとしては、樹脂製の重合キャリアが用いられる。
【0061】
上記樹脂製の重合キャリアは、例えば、空隙を有するフェライトコアに、樹脂を加圧ニーダ製法で充填したキャリア、或いは、重合製法で作成したコアに加圧ニーダ製法で樹脂被覆したキャリアが用いられる。この樹脂製キャリアとしては、例えば、戸田工業株式会社の出願に係る特開平11−24322号公報に開示された複合体粒子粉末からなる電子写真用磁性キャリアが用いられる。この複合体粒子粉末は、例えば、磁性粒子を芯粒子として、その表面に表面処理剤層を有し、さらにその上層に最表層部を有する三層構造を有しており、当該複合体粒子粉末からなるキャリアの形状は、図7に示すように、略球形に形成されている。
【0062】
この複合体粒子粉末からなるキャリアは、体積固有抵抗の調整が可能となっているが、フェライトキャリアに比較して、相対的に体積固有抵抗の値が高くなっている。また、上記複合体粒子粉末からなるキャリアは、合成樹脂を成分としており、磁力(飽和磁化)がフェライトキャリアに比較して相対的に低くなっている。
【0063】
また、上記フェライトキャリアは、従来から使用されているものをそのまま使用することができ、このフェライトキャリアは、図8に示すように、その形状が不定形なものである。このフェライトキャリアは、その磁力(飽和磁化)が54emu/g程度であり、複合体粒子粉末からなるキャリアよりも高く、かつ形状が不定形となっている。
【0064】
上記フェライトキャリアと複合体粒子粉末からなるキャリアの混合比は、種々の割合に設定したものが用いられるが、これらフェライトキャリアと複合体キャリアの混合比としては、例えば、8:2〜5:5に設定される。上記フェライトキャリアの混合比が2割未満となった場合には、後述するように、キャリア中の複合体キャリアの性質が支配的となり、現像剤41の搬送性が低下するための望ましくない。また、上記フェライトキャリアの混合比が5割を越えた場合には、後述するように、当該フェライトキャリアによって感光体ドラム15の表面が傷付けられてしまい、感光体ドラム15の寿命が低下するための望ましくない。
【0065】
以上の構成において、この実施の形態に係る磁気ブラシ現像装置を適用した画像形成装置では、次のようにして、キャリアによる感光体表面の摩耗を抑制し、感光体の長寿命化を図るとともに、樹脂キャリアを用いた場合のようなキャリア表面の高抵抗化による像担持体表面へのキャリアの付着といった不具合が発生するのを抑制することが可能となっている。
【0066】
すなわち、この実施の形態に係る磁気ブラシ現像装置17を適用した画像形成装置では、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいて、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を、現像装置17によって現像する際に、当該現像装置17では、次のようにして、感光体ドラム15上に形成された静電潜像が現像される。
【0067】
上記現像装置17では、図4に示すように、現像装置ハウジング50内に、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤51が収容されており、当該キャリアとしては、フェライトキャリアと樹脂重合キャリアの2種類を各々一定の割合で混合したものが用いられている。
【0068】
これらフェライトキャリアと樹脂重合キャリアの2種類を所定の割合で混合したキャリアは、供給オーガー56によって現像ロール53の現像スリーブ55の表面に磁気吸引力によって吸着される際に、フェライトキャリアは、磁気吸引力が樹脂キャリアに比べて強いため、図1に示すように、現像スリーブ55の表面において、相対的に現像スリーブ55の表面近傍に多く存在するのに対して、樹脂キャリアは、磁気吸引力がフェライトキャリアに比べて弱く、現像スリーブ55の表面において、相対的に現像スリーブ55の表面から離れた外周領域に多く存在している。
【0069】
そのため、上記現像スリーブ55の表面には、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤41によって形成される磁気ブラシ70が、現像スリーブ55の表面近傍にフェライトキャリアが多く存在し、現像スリーブ55の表面から離れた外周領域に樹脂キャリアが多く存在した状態で形成される。なお、上記フェライトキャリア72と樹脂キャリア71からなる磁気ブラシ70には、その表面に対応する色のトナー73が付着した状態となっている。
【0070】
したがって、上記現像装置17では、長期間使用された結果、現像スリーブ55の表面に形成された溝形状や凹凸等が徐々に磨耗した状態であっても、当該現像スリーブ55の表面近傍には、磁気吸引力が相対的に強く、且つ不定形のフェライトキャリア72が多く存在するため、このフェライトキャリア72からなる磁気ブラシ70が確実に形成されて、現像剤41を確実に現像領域Gへと搬送することができる。
【0071】
また、上記現像スリーブ55の表面から離れた外周領域には、樹脂キャリア71が多く存在しているため、現像領域Gにおいて、磁気ブラシ70の先端が所定の速度差を持って感光体ドラム15の表面に接触した場合であっても、当該磁気ブラシ70の先端部に存在する球形状の樹脂キャリア71によって、感光体ドラム15の表面が傷付くのを抑制することができ、感光体ドラム15の長寿命化が可能となる。
【0072】
実験例1
次に、本発明者らは、図2に示すフルカラープリンタに使用される現像装置17を用いて、現像剤41中のキャリアとして、フェライトキャリア72と樹脂重合キャリア71の2種類を所定の割合で混合したキャリアを用いて、連続してA4サイズの記録用紙34に100Kpvのプリントを行い、感光体ドラム15表面の現像剤41の搬送性、及び感光体ドラム15表面の引掻き傷の発生程度を確認する実験を行った。フェライトキャリア72としては、パウダーテック社製のFC−444を使用し、樹脂重合キャリア71としては、戸田工業社製のMPC−035を使用した。
【0073】
なお、樹脂重合キャリア71とフェライトキャリア72の混合比(Wt%)は、9:1、8:2、7:3、6:4、5:5と変化させたものを用いた。樹脂重合キャリア71とフェライトキャリア72を混合した数平均粒子径は、35μmであった。
【0074】
現像装置17の現像スリーブ55としては、SUS製の素管の表面に、その表面粗さ (Rz)が約20μm程度となるようにブラスト処理を施したものを用い、トナーとしては、2成分用の重合トナーを用いた。トナーの数平均粒子径は、5〜7μmであった。また、現像剤41の全重量は、450gに設定した。
【0075】
また、感光体ドラム15としては、その最表層に硬質の合成樹脂からなる保護層を設けた直径60mmのものを使用し、現像ロール53の周速比は、感光体ドラム15の周速に対して1.5倍に設定した。さらに、感光体ドラム15と現像ロール53との距離(GMS)は、0.35mmに設定した。
【0076】
比較例1
現像剤41中のキャリアとして、樹脂重合キャリア71のみからなるキャリアを用いて、上記実験例と同じ条件で実験を行った。なお、樹脂重合キャリア71の比重は、3.6であった。
【0077】
比較例2
現像剤41中のキャリアとして、フェライトキャリア72のみからなるキャリアを用いて、上記実験例と同じ条件で実験を行った。なお、フェライトキャリア72の比重は、4.5であった。
【0078】
図9乃至図12は、上記実験例、及び比較例1、2の結果を示すグラフ及び図表である。
【0079】
上記図9から明らかなように、本発明の実験例によれば、プリント枚数が100Kpvに至るまで、現像剤の搬送量が比較例2のフェライトキャリア72のみからなるキャリアを用いた場合と同様に、略350g/m2 で一定であり、現像剤41の良好な搬送性を維持することができることがわかった。
【0080】
また、上記図10から明らかなように、本発明の実験例によれば、プリント枚数が100Kpvに至るまで、感光体ドラム15表面の引っ掻き傷の発生グレードが、許容範囲であるグレード3以下であり、感光体ドラム15の表面に引っ掻き傷が発生することによる感光体ドラムの寿命低下を抑制することができることがわかった。
【0081】
ここで、引っ掻き傷の発生グレードは、グレード0が引っ掻き傷が発生せず、グレード1が引っ掻き傷が僅かに発生、グレード2が引っ掻き傷がやや発生、グレード3が引っ掻き傷が発生したが、実使用上問題がないレベル、グレード4が引っ掻き傷が発生し、画質上にも影響が現れるレベル、グレード5が引っ掻き傷が多く発生し、実使用上問題となるレベルである。なお、引っ掻き傷の発生状態は、レーザー探傷機を用いても確認し、深さ方向に2μm程度の傷であれば、引っ掻き傷が発生しても問題のないレベルであり、深さ方向に20〜30μm程度の傷になると、実使用上問題となるレベルである。
【0082】
さらに、図11及び図12は、樹脂重合キャリア71とフェライトキャリア72の混合比(Wt%)を変化させた場合の実験結果を示す図表である。
【0083】
上記図11から明らかなように、感光体ドラム15表面の引っ掻き傷の発生グレードは、混合比(Wt%)が9:1、8:2、7:3、6:4、5:5のすべての範囲で、グレード3以下であり良好であったが、混合比(Wt%)が4:6とフェライトキャリア72の混合比(Wt%)の方が多くなると、引っ掻き傷の発生グレードが、グレード4を超えてしまい、実使用上問題があるレベルとなる。
【0084】
また、上記図12から明らかなように、現像剤の搬送性は、樹脂重合キャリア71の混合比(Wt%)が多くなると、徐々に低下する傾向にあり、混合比(Wt%)が9:1と樹脂重合キャリア71の混合比(Wt%)が極端に多くなると、現像剤の搬送性(MOS)が250g/m2 まで低下してしまい、実使用上問題があるレベルとなる。
【0085】
なお、図9及び図10の実験は、樹脂重合キャリア71とフェライトキャリア72の混合比(Wt%)が8:2の条件で行った。
【0086】
実施の形態2
図13はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを用いて現像する磁気ブラシ現像装置において、
前記磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリアは、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であり、
しかも、前記磁力が他方のキャリアよりも低いキャリアの抵抗値が、前記磁力が他方のキャリアよりも高いキャリアの抵抗値と等しいか、又は前記磁力が他方のキャリアよりも高いキャリアの抵抗値よりも低くなるように設定したものである。
【0087】
また、この実施の形態2では、前記磁力が他方のキャリアよりも低いキャリアの抵抗値が、6.5〜11(logΩ)であるように構成したものである。
【0088】
すなわち、この実施の形態2では、図13に示すように、磁気ブラシ現像装置17で使用される磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリア72は、その磁力が他方のキャリア71よりも高く、かつ形状が不定形であるように構成されている。
【0089】
上記2種類のキャリアのうち、一方の第1のキャリア72としては、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であるフェライトキャリアが用いられ、他方の第2のキャリア71としては、樹脂製の重合キャリアが用いられる。
【0090】
上記樹脂製の重合キャリア71は、前述したように、例えば、空隙を有するフェライトコアに、樹脂を加圧ニーダ製法で充填したキャリア、或いは、重合製法で作成したコアに加圧ニーダ製法で樹脂被覆したキャリアが用いられる。この樹脂製キャリアとしては、例えば、戸田工業株式会社の出願に係る特開平11−24322号公報に開示された複合体粒子粉末からなる電子写真用磁性キャリアが用いられる。この複合体粒子粉末は、例えば、磁性粒子を芯粒子として、その表面に表面処理剤層を有し、さらにその上層に最表層部を有する三層構造を有しており、当該複合体粒子粉末からなるキャリアの形状は、図7に示すように、略球形に形成されている。
【0091】
この複合体粒子粉末からなるキャリア71は、当該キャリアの表面をコートするコート剤中のカーボンブラック等の導電粉の量を調整することによって、体積固有抵抗値などの抵抗値を調整することが可能となっている。なお、キャリアの抵抗値は、例えば、体積固有抵抗値によって評価されるが、これに限定されるものではなく、キャリアの抵抗値を測定評価可能な種々の尺度によって求められる。
【0092】
ただし、上記複合体粒子粉末からなるキャリア71は、そのままの状態では、フェライトキャリアに比較して、相対的に体積固有抵抗の値が高くなっている。また、上記複合体粒子粉末からなるキャリアは、合成樹脂を成分としており、磁力(飽和磁化)がフェライトキャリアに比較して相対的に低くなっている。
【0093】
また、上記フェライトキャリア72は、従来から使用されているものをそのまま使用することができ、このフェライトキャリアは、図8に示すように、その形状が不定形なものである。このフェライトキャリアは、その磁力(飽和磁化)が54emu/g程度であり、複合体粒子粉末からなるキャリアよりも高く、かつ形状が不定形となっている。
【0094】
上記フェライトキャリア72と複合体粒子粉末からなるキャリア71の混合比は、種々の割合に設定したものが用いられるが、これらフェライトキャリアと複合体キャリアの混合比としては、例えば、8:2〜5:5に設定される。上記フェライトキャリアの混合比が2割未満となった場合には、後述するように、キャリア中の複合体キャリアの性質が支配的となり、現像剤41の搬送性が低下するための望ましくない。また、上記フェライトキャリアの混合比が5割を越えた場合には、後述するように、当該フェライトキャリアによって感光体ドラム15の表面が傷付けられてしまい、感光体ドラム15の寿命が低下するための望ましくない。
【0095】
さらに、この実施の形態2では、磁力がフェライトキャリアよりも低い複合体粒子粉末からなるキャリアの抵抗値が、当該フェライトキャリアの抵抗値と等しいか、又はフェライトキャリアの抵抗値よりも低くなるように設定されている。
【0096】
更に説明すると、前記実施の形態1において既に述べたように、上記現像スリーブ55の表面には、図13に示すように、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤41によって形成される磁気ブラシ70が、現像スリーブ55の表面近傍にフェライトキャリアが多く存在し、現像スリーブ55の表面から離れた外周領域に樹脂キャリアが多く存在した状態で形成される。なお、上記フェライトキャリア72と樹脂キャリア71からなる磁気ブラシ70には、その表面に対応する色のトナー73が付着した状態となっている。
【0097】
ところで、上記フェライトキャリアは、通常、その体積固有抵抗値が109 〜1011(Ωcm)程度である。これに対して、複合体粒子粉末からなるキャリアは、合成樹脂を主成分とするため、特開平11−24322号公報の表2や表3に記載されているように、その体積固有抵抗値が1011〜1015(Ωcm)程度と、フェライトキャリアに比べて高くなっている。
【0098】
そのため、本発明者等の研究によれば、上記磁気ブラシ現像装置において、2種類のキャリアのうち、相対的に磁力が他方のキャリアよりも低い樹脂キャリアの抵抗値が、相対的に磁力が高く下層に位置するフェライトキャリアよりも高い場合には、上層に位置する樹脂キャリアの抵抗値が高いため電荷が逃げ難く、樹脂キャリアが過剰に帯電してしまい、濃度の高いベタの画像などを現像する際に、当該濃度の高いベタ画像の後端部に現像されるべきトナーが、過剰に帯電した樹脂キャリアからなる磁気ブラシによって静電的に掻き取られてしまい、“スタベーション”と呼ばれる画像後端の白抜けが生じるという技術的課題を生じることがわかった。
【0099】
また、2種類のキャリアのうち、相対的に磁力が他方のキャリアよりも低い樹脂キャリアの抵抗値が、相対的に磁力が高く下層に位置するフェライトキャリアよりも高い場合には、低温低湿環境下において、トナーの帯電量が過剰となり、上層の樹脂キャリアからトナーが離れずに、現像性が低下してしまうという技術的課題を生じることがわかった。
【0100】
そこで、この実施の形態では、磁力が他方のキャリアよりも低い樹脂キャリアの抵抗値が、磁力が他方のキャリアよりも高いフェライトキャリアの抵抗値と等しいか、又は磁力が他方のキャリアよりも高いフェライトキャリアの抵抗値よりも低くなるように設定されている。
【0101】
具体的には、上記複合体粒子粉末からなるキャリアは、当該キャリアの表面をコートするコート剤中のカーボンブラック等の導電粉の量を通常よりも多く調整するか、配合する合成樹脂の量を少なく調節することなどによって、体積固有抵抗値などの抵抗値をフェライトキャリアと等しいか、又はフェライトキャリアの抵抗値よりも低くなるように設定されている。
【0102】
ここで、上記複合体粒子粉末からなるキャリア及びフェライトキャリアの抵抗値を評価する尺度としては、例えば、体積固有抵抗値が用いられるが、本発明の実施の形態では、複合体粒子粉末からなるキャリア及びフェライトキャリアをそれぞれ単独で用いる訳ではなく、一定の配合量の割合で複合体粒子粉末からなるキャリアとフェライトキャリアとを混合して使用するため、キャリアの抵抗値を実際の使用状況に近い状態で測定している。
【0103】
上記複合体粒子粉末からなるキャリア及びフェライトキャリアの抵抗値を測定する測定装置80としては、図14に示すように、実際の現像装置及び画像形成装置と同様の測定装置を製作し、当該測定装置80を用いて複合体粒子粉末からなるキャリア及びフェライトキャリアの抵抗値を測定している。
【0104】
上記測定装置80は、図14に示すように、実際の現像装置と同様に構成された現像ロール53を使用し、当該現像ロール53の現像スリーブ55の表面に、実際の現像装置と同量のキャリアのみからなる現像剤82を付着させる。このキャリア82の付着量は、現像スリーブ55の表面に実際に付着される現像剤量と等しい現像剤量のうち、トナーを除いた量(重量)に設定されている。
【0105】
また、上記現像ロール53と対向する位置に実際に使用する感光体ドラムと同じ直径(60mm)を有する導電体からなる金属製のベアドラム83を接地した状態で配置し、現像ロール53とベアドラム83間の距離は、実際の画像形成装置と等しい距離に設定されている。ここでは、現像スリーブ55表面のキャリア付着量が、現像スリーブ55の表面に実際に付着される現像剤量と等しい現像剤量のうち、トナーを除いた量(重量)に、現像ロール53とベアドラム83間の距離が、0.35mmに設定されている。
【0106】
そして、上記現像ロール53に印加する直流電圧の値を電圧計84によって測定するとともに、金属製のベアドラム83に流れる電流を電流計85によって測定することによって、複合体粒子粉末からなるキャリア及びフェライトキャリアの抵抗値を測定した。
【0107】
上記複合体粒子粉末からなるキャリア及びフェライトキャリアの抵抗値は、印加する直流電圧の値によって変化するが、複合体粒子粉末からなるキャリア及びフェライトキャリアの抵抗値は、図15に示す通りであった。
【0108】
この実施の形態2では、上述した測定装置を用いて測定した複合体粒子粉末からなるキャリアの抵抗値が、6.5〜11(logΩ/cm)であるように設定されており、より望ましくは、9〜10.5(logΩ/cm)であるように設定されている。ここで、対数logとしては、常用対数を用いるものである。
【0109】
図15において、FC444がフェライトキャリアを示しており、TLK213が複合体粒子粉末からなるキャリアを示している。
【0110】
上記図15から明らかなように、フェライトキャリアは、現像ロール53への印加電圧が800Vのときに、その抵抗値が10.0(logΩ/cm)となっているのに対して、複合体粒子粉末からなるキャリアは、現像ロール53への印加電圧が500Vのときに、その抵抗値が既に8.5(logΩ/cm)程度となっており、複合体粒子粉末からなるキャリアは、その抵抗値がフェライトキャリアの抵抗値よりも低くなるように設定されている。
【0111】
ただし、上記複合体粒子粉末からなるキャリアの抵抗値が低すぎると、像担持体表面へキャリアが付着するといった不具合が発生する虞れがあるため、複合体粒子粉末からなるキャリアの抵抗値は、その下限値として6.5(logΩ/cm)以上に設定するのが望ましい。
【0112】
その結果、この実施の形態2では、複合体粒子粉末からなるキャリアの抵抗値が、6.5〜11(logΩ/cm)であるように設定されており、具体的には、9.5(logΩ/cm)となるように設定されており、フェライトキャリアと等しい値に設定されている。
【0113】
以上の構成において、この実施の形態2に係る磁気ブラシ現像装置を用いた画像形成装置では、次のようにして、“スタベーション”と呼ばれる画像の白抜けが生じたり、低温低湿環境下における現像性の低下が生じるのを抑制することが可能となっている。
【0114】
すなわち、この実施の形態2に係る磁気ブラシ現像装置では、図13に示すように、複合体粒子粉末からなるキャリア71は、その抵抗値がフェライトキャリア72と等しいか、又はフェライトキャリア72の抵抗値よりも低くなるように設定されている。
【0115】
そのため、特に低温低湿環境下において、上記磁気ブラシ現像装置17を用いて感光体ドラム15上に形成された静電潜像を現像する際に、現像ロール53の表面には、複合体粒子粉末からなるキャリア及びフェライトキャリアと、トナーとからなる現像剤の磁気ブラシ70が形成される。
【0116】
その際、上記現像装置17では、図4に示すように、現像装置ハウジング50内に、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤51が収容されており、当該キャリアとしては、フェライトキャリアと樹脂重合キャリアの2種類を各々一定の割合で混合したものが用いられている。
【0117】
これらフェライトキャリア72と樹脂重合キャリア71の2種類を所定の割合で混合したキャリアは、供給オーガー56によって現像ロール53の現像スリーブ55の表面に磁気吸引力によって吸着される際に、フェライトキャリアは、磁気吸引力が樹脂キャリアに比べて強いため、図13に示すように、現像スリーブ55の表面において、相対的に現像スリーブ55の表面近傍に多く存在するのに対して、樹脂キャリア71は、磁気吸引力がフェライトキャリア72に比べて弱く、現像スリーブ55の表面において、相対的に現像スリーブ55の表面から離れた外周領域に多く存在している。
【0118】
そのため、上記現像スリーブ55の表面には、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤41によって形成される磁気ブラシ70が、現像スリーブ55の表面近傍にフェライトキャリアが多く存在し、現像スリーブ55の表面から離れた外周領域に樹脂キャリアが多く存在した状態で形成される。なお、上記フェライトキャリア72と樹脂キャリア71からなる磁気ブラシ70には、その表面に対応する色のトナー73が付着した状態となっている。
【0119】
ところで、上記の如く現像スリーブ55の表面から離れた外周領域に多く存在する樹脂キャリア71は、その抵抗値がフェライトキャリア72と等しいか、又はフェライトキャリア72の抵抗値よりも低くなるように設定されている。そのため、上記現像装置17を使用する際に、キャリアの抵抗値が上昇しやすい環境である低温低湿環境下においても、現像スリーブ55の表面から離れた外周領域に多く存在する樹脂キャリア71の抵抗値が、フェライトキャリア72よりも高くなることがなく、樹脂キャリア71が異常に高い電位に帯電することがない。
【0120】
したがって、上記現像装置17によってベタ画像のように画像濃度が高い画像が連続した場合でも、その後端部を現像ロール53上の磁気ブラシ70によって現像する際に、樹脂キャリア71が異常に高い電位に帯電することがなく、樹脂キャリア71の表面に付着したトナー73が正常に現像されて、感光体ドラム15表面に静電潜像に付着し、所謂“スタベーション”と呼ばれる画像の白抜けが生じるのを抑制乃至防止することができる。
【0121】
また、上述したように、現像スリーブ55の表面から離れた外周領域に多く存在する樹脂キャリア71の抵抗値が、フェライトキャリア72よりも高くなることがないので、低温低湿環境下においても、トナー73の帯電量が過剰となることがなく、上層の樹脂キャリア71からトナーが離れずに、現像性が低下してしまうことを抑制乃至防止することができる。
【0122】
さらに、選択して使用する樹脂キャリア71の抵抗値のうち、その下限値が所定値以上のものを使用することにより、キャリア付着をも抑制乃至防止することができる。
【0123】
実験例2
次に、本発明者らは、図2に示すフルカラープリンタに使用される現像装置17を用いて、現像剤41中のキャリアとして、フェライトキャリア72と樹脂重合キャリア71の2種類を所定の割合で混合したキャリアを用いて、感光体ドラム15表面のトナーの現像量を確認する実験を行った。フェライトキャリア72としては、パウダーテック社製のFC−444を使用し、樹脂重合キャリア71としては、戸田工業社製のMPC−035を使用した。
【0124】
なお、樹脂重合キャリア71とフェライトキャリア72の混合比(Wt%)は、 に設定したものを用いた。樹脂重合キャリア71とフェライトキャリア72を混合した数平均粒子径は、35μmであった。
【0125】
現像装置17の現像スリーブ55としては、SUS製の素管の表面に、その表面粗さ (Rz)が約20μm程度となるようにブラスト処理を施したものを用い、トナーとしては、2成分用の重合トナーを用いた。トナーの数平均粒子径は、5〜7μmであった。また、現像剤41の全重量は、450gに設定した。
【0126】
また、感光体ドラム15としては、その最表層に硬質の合成樹脂からなる保護層を設けた直径60mmのものを使用し、現像ロール53の周速比は、感光体ドラム15の周速に対して1.5倍に設定した。さらに、感光体ドラム15と現像ロール53との距離(GMS)は、0.35mmに設定した。
【0127】
さらに、上層の樹脂キャリアの抵抗値は、図14に示す測定装置を用いて測定した抵抗値が、9.5(logΩ/cm)であり、下層のフェライトキャリアの抵抗値も、9.5のものを用いた。
【0128】
図16は樹脂キャリアの抵抗値を変化させた場合における現像性を評価した結果を示すグフである。
【0129】
図16では、感光体ドラム上で現像されるトナー量DMAが5.0mg/m2 のトナーパッチを現像するのに必要な現像バイアスの直流電圧値を測定して比較したものである。なお、キャリアの帯電電荷量は、40μC/gに設定されている。
【0130】
また、樹脂キャリアとしては、その抵抗値が9.5(logΩ/cm)のものと、11(logΩ/cm)のものを用いた。
【0131】
図16から明らかなように、樹脂キャリアとして抵抗値が9.5(logΩ/cm)と低いものを用いることによって、感光体ドラム上で現像されるトナー量DMAが5.0mg/m2 のトナーパッチを現像するのに必要な現像バイアスの直流電圧値が220Vとなり、現像性が向上していることが判り、所謂“スタベーション”の抑制乃至防止に効果的であることがわかる。
【0132】
これに対して、樹脂キャリアとして抵抗値が11(logΩ/cm)と高いものを用いた場合には、感光体ドラム上で現像されるトナー量DMAが5.0mg/m2 のトナーパッチを現像するのに必要な現像バイアスの直流電圧値が280Vとなり、現像性が相対的に低いことが判る。
【0133】
実験例3
また、図17は上記と同様の条件で、所謂“スタベーション”の発生状態を目視によって確認する実験を行った結果を示すグラフである。なお、“スタベーション”の発生状態は、目視のグレードによって評価した。その評価は、0〜5の5段階のグレードで行い、グレード0が“スタベーション”が発生しない場合、グレード1が“スタベーション”が極僅かに発生している場合、グレード2が“スタベーション”が僅かに発生しているが実使用上問題がないレベルである場合、グレード3が“スタベーション”が発生しており実使用上問題がある場合、グレード4が“スタベーション”が明らかに発生しており実使用上問題がある場合、グレード5が“スタベーション”が顕著に発生している場合をそれぞれ示している。
【0134】
さらに、図17において、下段の○○/○○の数値は、/の前が磁気ブラシのトナー濃度の値を、/の後が磁気ブラシのキャリアのトライボの値をそれぞれ示している。
【0135】
図17から明らかなように、樹脂キャリアとして抵抗値が9.5(logΩ/cm)と高いものを用いた場合には、“スタベーション”の発生グレードが、2以下と低く、“スタベーション”が僅かに発生しているが実使用上問題がないレベルであることが判る。
【0136】
比較例3
これに対して、図17から明らかなように、樹脂キャリアとして抵抗値が11(logΩ/cm)と高いものを用いた場合には、“スタベーション”の発生グレードが、4,4、3、3、2といずれも高い値を示しており、“スタベーション”が明らかに発生しており実使用上問題がある場合か、又は“スタベーション”が僅かに発生しているが実使用上問題がない境界のレベルであり、“スタベーション”が明らかに発生していることが判る。
【0137】
また、上記“スタベーション”が明らかに発生した場合のトナー濃度とトライボの値は、11.1/40.0、8.9/47.0、7.4/52.8、5.3/60.9、3.5/69.1といずれも高いことが判る。
【0138】
比較例4
樹脂キャリアとして抵抗値が6.0(logΩ/cm)と下限値よりも低い場合には、特に高温高湿環境下において、感光体ドラム表面へのキャリア付着(BCO)が発生し、又、細線の再現性も悪化することがわかった。
【0139】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る磁気ブラシ現像装置の要部を示す拡大模式図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のフルカラー複写機を示す概略構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る磁気ブラシ現像装置を示す外観斜視図である。
【図4】図4は図3のIV−IV線断面矢視図である。
【図5】図5は図3のV−V線断面矢視図である。
【図6】図6は図4の断面矢視図である。
【図7】図7はキャリアを示す拡大模式図である。
【図8】図8は不定形キャリアを示す拡大模式図である。
【図9】図9は実験結果を示すグラフである。
【図10】図10は実験結果を示すグラフである。
【図11】図11は実験条件を示す図表である。
【図12】図12は実験結果を示す図表である。
【図13】図13はこの発明の実施の形態2に係る磁気ブラシ現像装置の要部を示す拡大模式図である。
【図14】図14は現像剤の抵抗値を測定する装置を示す構成図である。
【図15】図15は実験結果を示すグラフである。
【図16】図16は実験条件を示すグラフである。
【図17】図17は実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0141】
15:感光体ドラム(像担持体)、17:現像装置、18:クリーニング装置、55:
現像スリーブ(現像剤担持体)、71:一方のキャリア、72:他方の不定形キャリア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを用いて現像する磁気ブラシ現像装置において、
前記磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリアは、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記2種類のキャリアのうち、磁力が低いキャリアは、その形状が球形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記2種類のキャリアのうち、磁力が高いキャリアは、フェライトキャリアからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記2種類のキャリアのうち、磁力が相対的に低いキャリアと磁力が高いキャリアとの混合比が、8:2〜5:5に設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを用いて現像する磁気ブラシ現像装置において、
前記磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリアは、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であり、
しかも、前記磁力が他方のキャリアよりも低いキャリアの抵抗値が、前記磁力が他方のキャリアよりも高いキャリアの抵抗値と等しいか、又は前記磁力が他方のキャリアよりも高いキャリアの抵抗値よりも低くなるように設定したことを特徴とする現像装置。
【請求項6】
前記磁力が他方のキャリアよりも低いキャリアの抵抗値が、6.5〜11(logΩ)であることを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
【請求項7】
トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを用いて現像する磁気ブラシ現像装置を備え、
像担持体上に形成された静電潜像を、前記磁気ブラシ現像装置を用いて現像することにより画像を形成する画像形成装置において、
前記磁気ブラシ現像装置は、前記磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリアは、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを用いて現像する磁気ブラシ現像装置を備え、
像担持体上に形成された静電潜像を、前記磁気ブラシ現像装置を用いて現像することにより画像を形成する画像形成装置において、
前記磁気ブラシ現像装置は、前記磁性キャリアとして、異なるコア材料からなる2種類のキャリアを混合したものを用い、前記2種類のキャリアのうち、一方のキャリアは、その磁力が他方のキャリアよりも高く、かつ形状が不定形であり、
しかも、前記磁力が他方のキャリアよりも低いキャリアの抵抗値が、前記磁力が他方のキャリアよりも高いキャリアの抵抗値と等しいか、又は前記磁力が他方のキャリアよりも高いキャリアの抵抗値よりも低くなるように設定したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−93142(P2009−93142A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81260(P2008−81260)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】