説明

磁気共鳴イメージング装置、撮像条件設定装置および撮像条件設定プログラム

【課題】磁気共鳴イメージング装置による撮像に際して撮像条件を設定する際に、特定の撮像パラメータに限らず、任意に選択された複数の撮像パラメータを同時に設定することができるようにする。
【解決手段】MRI装置(磁気共鳴イメージング装置)を制御するコンソール装置100において、プリセット情報記憶部132が、操作者からの指示に基づいてグループ化された複数の撮像パラメータに係る情報を含むプリセット情報を記憶し、撮像条件設定部145が、プリセット情報記憶部132により記憶されたプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータのパラメータ値に基づいて撮像条件を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の撮像パラメータからなる撮像条件に基づいて被検体にRF(Radio Frequency)波を照射し、当該RF波に応じて被検体から発せられる磁気共鳴信号を検出して画像を再構成する磁気共鳴イメージング装置、撮像条件設定装置および撮像条件設定プログラムに関し、特に、撮像に際して行われる撮像条件の設定に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気共鳴イメージング装置は、操作者により指定された撮像条件に基づいて、磁気共鳴現象を利用して被検体内に関するデータを収集し、収集したデータから画像を再構成する装置である。ここで、操作者によって指定される撮像条件には、たとえば、TR(繰り返し時間:repetition time)、TE(エコー時間:echo time)、スライス枚数、スライス厚、FOV(撮影視野:Field Of View)等、多数の撮像パラメータが含まれる。
【0003】
これら撮像パラメータは、種類が多い(約700種類となる場合もある)うえに、一方の撮像パラメータのパラメータ値によって他方の撮像パラメータのパラメータ値が制約されるというように互いに依存関係をもつものも多い。そのため、従来の磁気共鳴イメージング装置では、撮像条件を設定するために多大な労力が必要となっており、これまでにも、撮像条件の設定を容易にするためのさまざまな技術が考案されている。
【0004】
たとえば、特許文献1には、あらかじめ撮像パラメータごとに優先順位を設定しておき、最も優先順位が高い撮像パラメータのパラメータ値が入力された後に、そのパラメータ値が変わらないように他の撮像パラメータのパラメータ値の許容範囲を算出し、算出した許容範囲内で操作者にパラメータ値を設定させることによって、撮像パラメータ間の依存関係をチェックしながら効率よく撮像条件を設定する技術が開示されている。
【0005】
この技術は、撮像パラメータをひとつずつ設定する場合には有効である。しかし、前述したように、磁気共鳴イメージング装置において用いられる撮像パラメータは非常に種類が多いため、複数の撮像パラメータを同時に設定したいという利用者からの要望がある。
【0006】
この要望に応えるため、従来、複数の撮像パラメータを同時に設定するための技術も考案されている。図10および11は、複数の撮像パラメータを同時に設定するための従来技術の一例を説明するための図(1)および(2)である。
【0007】
たとえば、図10に示すように、複数の撮像パラメータを設定するための撮像条件設定画面において、あらかじめ操作者によって「連動モード」が選ばれていた場合に、設定される頻度が高い特定の撮像パラメータのパラメータ値が変更された際に、関連する他の撮像パラメータのパラメータ値も自動的に変更する技術がある。同図の例では、「PE−撮像領域(PE−FOV)」のパラメータ値が変更された際に、関連する「RO−撮像領域(RO−FOV)」のパラメータ値も自動的に「PE−撮像領域」と同じ値に変更されている。
【0008】
または、図11に示すように、図10と同じ撮像条件設定画面において、操作者によって「プラン選択」が選ばれた場合に、設定済みの撮像プロトコル(同図(1)に示す「Locator AX/CO」〜「FLEIR AX」)のリストを表示し、リストから選択された撮像プロトコルの撮像条件から撮像パラメータのパラメータ値をコピーして新たな撮像条件として設定する技術がある。ここで、コピーの対象となる撮像パラメータは、あらかじめ操作者によって、所定の画面(たとえば、同図(2)に示す画面。)に表示された特定の撮像パラメータの中から選択される。
【0009】
【特許文献1】特開2006−255189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した撮像条件の設定では、特定の撮像パラメータ(たとえば、「PE−撮像領域」と「RO−撮像領域」)に限らず、たとえば撮像目的等に応じて、任意に選択された複数の撮像パラメータを同時に設定したいという要求がある。この要求に対して、上述した従来の技術では、撮像条件を設定する単位が撮像パラメータごとであったり、同時に複数の撮像パラメータを設定できる場合でも、設定可能な撮像パラメータが特定のパラメータに限られていたりするため、任意に選択された複数の撮像パラメータを同時に設定することができないという問題があった。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、特定の撮像パラメータに限らず、任意に選択された複数の撮像パラメータを同時に設定することができる磁気共鳴イメージング装置、撮像条件設定装置および撮像条件設定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、複数の撮像パラメータからなる撮像条件に基づいて被検体にRF波を照射し、当該RF波に応じて被検体から発せられる磁気共鳴信号を検出して画像を再構成する磁気共鳴イメージング装置であって、操作者からの指示に基づいてグループ化された複数の撮像パラメータに係る情報を含むプリセット情報を記憶するプリセット情報記憶手段と、前記プリセット情報記憶手段により記憶されたプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータに係る情報に基づいて、前記撮像条件を設定する撮像条件設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項8記載の本発明は、磁気共鳴イメージング装置による被検体の撮像に際して複数の撮像パラメータからなる撮像条件を設定する撮像条件設定装置であって、操作者からの指示に基づいてグループ化された複数の撮像パラメータに係る情報を含むプリセット情報を記憶するプリセット情報記憶手段と、前記プリセット情報記憶手段により記憶されたプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータに係る情報に基づいて、前記撮像条件を設定する撮像条件設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項9記載の本発明は、磁気共鳴イメージング装置による被検体の撮像に際して複数の撮像パラメータからなる撮像条件を設定する撮像条件設定プログラムであって、操作者からの指示に基づいてグループ化された複数の撮像パラメータに係る情報を含むプリセット情報を記憶装置に記憶させるプリセット情報記憶手順と、前記プリセット情報記憶手順により記憶されたプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータに係る情報に基づいて、前記撮像条件を設定する撮像条件設定手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1または2記載の本発明によれば、特定の撮像パラメータに限らず、任意に選択された複数の撮像パラメータを同時に設定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る磁気共鳴イメージング装置、撮像条件設定装置よび撮像条件設定プログラムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、磁気共鳴イメージング装置を「MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置」と呼び、被検体から発せられる磁気共鳴信号を「MR信号」と呼ぶ。
【実施例】
【0017】
本実施例に係るMRI装置は、操作者からの指示に基づいてグループ化された複数の撮像パラメータを含むプリセット情報を記憶しておき、そのプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータに基づいて撮像条件を設定することを主な特徴としている。そして、この特徴により、本実施例に係るMRI装置では、特定の撮像パラメータに限らず、任意に選択された複数の撮像パラメータを同時に設定することができるようにしている。以下、このMRI装置の構成および処理手順について順に説明してゆく。
【0018】
まず、図1を用いて、本実施例に係るMRI装置の全体構成について説明する。図1は、本実施例に係るMRI装置の全体構成を示す図である。同図に示すように、このMRI装置は、静磁場磁石1と、傾斜磁場コイル2と、RFコイル3と、静磁場電源4と、傾斜磁場電源5と、送信器6と、受信器7と、シーケンス制御装置8と、コンソール装置100とから構成される。
【0019】
静磁場磁石1は、筒状に形成された磁石であり、静磁場電源4から供給される電流により、被検体Pが配置される筒内部の空間に静磁場Hを発生させる。傾斜磁場コイル2は、静磁場磁石1の内側に配設された3対のコイルであり、傾斜磁場電源5から供給される電流により、静磁場磁石1の内側にx,y,zの3方向に沿った傾斜磁場を発生させる。
【0020】
RFコイル3は、静磁場磁石1の開口部内で被検体Pに対向するように配設された受信コイルであり、送信器6から送信されるRFパルスを被検体Pに照射し、また、励起によって被検体Pの水素原子核から放出されるMR信号を受信する。静磁場電源4は、静磁場磁石1に電流を供給する電源であり、傾斜磁場電源5は、シーケンス制御装置8からの指示に基づいて、傾斜磁場コイル2に電流を供給する電源である。
【0021】
送信器6は、シーケンス制御装置8からの指示に基づいて、RFコイル3にRFパルスを送信する装置である。受信器7は、RFコイル3により受信されたMR信号を検出し、検出したMR信号をデジタル化することによって得られる生データをシーケンス制御装置8に対して送信する。
【0022】
シーケンス制御装置8は、コンソール装置100から送信されるシーケンス情報に基づいて傾斜磁場電源5、送信器6および受信器7をそれぞれ駆動することによって、被検体Pのスキャンを行う装置である。シーケンス制御装置8は、被検体Pのスキャンを行った結果、受信器7から生データが送信されると、その生データをコンソール装置100に送信する。
【0023】
なお、ここで、シーケンス情報とは、傾斜磁場電源5が傾斜磁場コイル2に供給する電源の強さや電源を供給するタイミング、送信器6がRFコイル3に送信するRFパルスの強さやRFパルスを送信するタイミング、受信器7がMR信号を検出するタイミングなど、スキャンを行う際の手順を定義した情報である。
【0024】
コンソール装置100は、操作者から各種指示を受け付け、受け付けた指示に基づいてMRI装置全体の制御を行うとともに、シーケンス制御装置8から送信される生データに基づいて被検体の画像を再構成する装置である。このコンソール装置100の構成については、後に詳細に説明する。
【0025】
また、ここでは図示を省略しているが、MRI装置は、静磁場磁石1と、傾斜磁場コイル2と、RFコイル3などが搭載される架台や、被検体Pを載せるための天板、天板を架台の内外へ移動する寝台なども備えている。
【0026】
次に、図2を用いて、図1に示したコンソール装置100の構成について説明する。図2は、図1に示したコンソール装置100の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このコンソール装置100は、入力部110と、表示部120と、記憶部130と、制御部140とを有する。
【0027】
入力部110は、操作者から各種入力を受け付けるための入力手段であり、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイスやキーボードなどにより実現され、後述する表示部120と協働することによって、各種操作を受け付けるためのユーザインタフェースを操作者に対して提供する。
【0028】
表示部120は、撮像画像など各種情報を表示するための出力手段であり、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイなどのモニタ装置により実現される。この表示部120は、後述する主制御部141による制御のもと、操作者に対する各種メッセージや、後述する画像再構成部143により再構成される被検体の再構成画像などを表示する。
【0029】
記憶部130は、各種情報を記憶する記憶手段であり、画像記憶部131と、プリセット情報記憶部132と、依存関係情報記憶部133と、撮像条件情報記憶部134とを有する。画像記憶部131は、後述する画像再構成部143によって再構成された再構成画像を記憶する記憶部である。
【0030】
プリセット情報記憶部132は、操作者からの指示に基づいてグループ化された複数の撮像パラメータを含むプリセット情報を記憶する記憶部である。図3は、プリセット情報記憶部132により記憶されるプリセット情報の一例を示す図である。このプリセット情報記憶部132により記憶されるプリセット情報は、操作者によって、後述するプリセット情報設定画面を用いて、撮像目的や撮像手法に応じて設定される。
【0031】
具体的には、このプリセット情報記憶部132は、同図に示すように、撮像目的を示す「プリセット名」と、撮像手法の分類を示す「シーケンスカテゴリ」と、撮像手法の種類を示す「シーケンス」と、プリセット情報の種類を示す「プリセットタイプ」と、「TE」や「TR」、「Imaging Flip Angle」、「Imaging Flop Angle」、「Inversion Pulse」、「Fatsat Pulse」などの複数の撮像パラメータとを対応付けた情報をプリセット情報として記憶する。
【0032】
たとえば、同図に示すように、プリセット名には、「高コントラスト」や「高解像度」など、撮像目的を示す情報が設定される。また、シーケンスカテゴリには、撮像目的に応じて「FASE(Fast Advanced Spin Echo)」や「FSE(Fast Spin Echo)」、「FE(Field Echo)」、「SE(Spin Echo)」など、撮像手法の分類を示す情報が設定され、シーケンスには、シーケンスカテゴリに応じて「FASE+5」や「FASE+10」など、撮像手法を示す情報が設定される。
【0033】
また、プリセットタイプには、「プリセット」や「プラン選択」など、プリセット情報の用途を表す情報が設定される。このプリセットタイプは、後述する主制御部141によってプリセット情報が参照される際に、その用途に応じて利用される。
【0034】
また、複数の撮像パラメータには、それぞれ、選択フラグ(同図に示す「選択」)とパラメータ値(同図に示す「値」)とが含まれている。ここで、ひとつのプリセット情報の中で選択フラグが「1」になっている撮像パラメータは、それらがグループ化されていることを示している。
【0035】
依存関係情報記憶部133は、撮像パラメータ間の依存関係を示す依存関係情報を記憶する記憶部である。具体的には、この依存関係情報記憶部133は、撮像パラメータごとに、他の1つ以上の撮像パラメータとの依存関係を定義した依存関係関数を含む情報を、依存関係情報として記憶する。
【0036】
なお、ここでいう依存関係関数とは、ある撮像パラメータについて、他の撮像パラメータとの関係に基づいて許容範囲を算出するための関数であり、この依存関係関数を用いて撮像パラメータの許容範囲を算出することによって、設定された撮像パラメータの妥当性をチェックすることができる。かかる依存関係関数を含む依存関係情報は、MRI装置の開発者などによって開発時に作成され、あらかじめ依存関係情報記憶部133に登録される。
【0037】
撮像条件情報記憶部134は、設定済みの撮像プロトコルごとに撮像条件を示す撮像条件情報を記憶する記憶部である。具体的には、この撮像条件情報記憶部134は、撮像プロトコルを示す情報と、撮像条件となる複数の撮像パラメータとを対応付けた撮像条件情報を撮像プロトコルごとに記憶する。この撮像条件情報記憶部134により記憶される撮像条件情報は、操作者によって、後述する撮像条件設定画面を用いて登録される。
【0038】
制御部140は、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらにより種々の処理を実行する処理部であり、主制御部141と、シーケンス制御部142と、画像再構成部143と、プリセット情報設定部144と、撮像条件設定部145とを有する。
【0039】
主制御部141は、入力部110を介して操作者から各種情報の入力を受け付け、受け付けた情報に基づいて、各機能部の動作を制御する処理部である。この主制御部141は、たとえば、複数の撮像パラメータの中からグループ化の対象となる撮像パラメータを選択するための「プリセット情報設定画面」や、撮像条件に関する情報を入力するための「撮像条件設定画面」を用いて、操作者からの入力を受け付ける。以下、これらふたつの画面について詳細に説明する。
【0040】
最初に、プリセット情報設定画面について説明する。図4は、プリセット情報設定画面の一例を示す図である。たとえば、主制御部141は、操作者からの表示要求に応じて、同図に示すように、撮像パラメータ入力領域11と、タブ12a〜12eと、シーケンスカテゴリ入力プルダウン13と、シーケンス入力プルダウン14と、プリセットタイプ入力プルダウン15と、プリセット名入力ボックス16と、保存ボタン17と、終了ボタン18とから構成されたプリセット情報設定画面10を表示部120に表示する。
【0041】
このプリセット情報設定画面10を用いて、操作者は、撮像目的や撮像手法などに応じて撮像パラメータをグループ化するとともに、グループ化した撮像パラメータを含むプリセット情報の登録を行うことができる。
【0042】
撮像パラメータ入力領域11は、グループ化の対象となる撮像パラメータの選択、および、撮像パラメータごとにパラメータ値を設定するための領域である。この撮像パラメータ入力領域11は、撮像パラメータの分類ごとに用意されており、各撮像パラメータ入力領域11には、撮像パラメータごとに、撮像パラメータを選択するためのチェックボックス11aと、パラメータ値を入力するためのパラメータ値入力ボックス11bとが表示される。この撮像パラメータ入力領域11において撮像パラメータを選択することにより、操作者は、複数の撮像パラメータを任意にグループ化することができる。
【0043】
タブ12a〜12eは、撮像パラメータ入力領域11の表示を切り替えるためのタブであり、撮像パラメータの分類ごとに用意されている。これらタブ12a〜12eのうちいずれかのタブを選択することによって、操作者は、撮像パラメータの分類ごとに撮像パラメータを選択したり、パラメータ値を設定したりすることができる。
【0044】
シーケンスカテゴリ入力プルダウン13は、撮像手法の分類を示す情報を入力するためのプルダウンメニューである。このシーケンスカテゴリ入力プルダウン13を用いることによって、操作者は、あらかじめ定義されている複数の撮像手法の分類の中からひとつの撮像手法を選択し、選択した撮像手法の分類を、撮像パラメータ入力領域11でグループ化した撮像パラメータ(チェックボックス11aをチェックした撮像パラメータ)に対して対応付けることができる。
【0045】
シーケンス入力プルダウン14は、撮像手法の種類を示す情報を入力するためのプルダウンメニューである。このシーケンス入力プルダウン14を用いることによって、操作者は、あらかじめ定義されている複数の撮像手法の中からひとつの撮像手法を選択し、選択した撮像手法を、撮像パラメータ入力領域11でグループ化した撮像パラメータ(チェックボックス11aをチェックした撮像パラメータ)に対して対応付けることができる。
【0046】
プリセットタイプ入力プルダウン15は、プリセット情報の用途を示す情報を入力するためのプルダウンメニューである。このプリセットタイプ入力プルダウン15を用いることによって、操作者は、あらかじめ定義されているプリセットタイプの中からひとつのプリセットタイプを選択し、選択したプリセットタイプを、撮像パラメータ入力領域11でグループ化した撮像パラメータ(チェックボックス11aをチェックした撮像パラメータ)に対して対応付けることができる。
【0047】
プリセット名入力ボックス16は、撮像目的を示す情報を入力するためのボックスである。このプリセット名入力ボックス16を用いることによって、操作者は、任意の名称のプリセット名を入力し、入力したプリセット名を、撮像パラメータ入力領域11でグループ化した撮像パラメータ(チェックボックス11aをチェックした撮像パラメータ)に対して対応付けることができる。
【0048】
保存ボタン17は、プリセット情報設定画面10から入力された各情報をプリセット情報として登録する指示を操作者から受け付けるためのボタンである。終了ボタン18は、プリセット情報設定画面10を閉じる指示を操作者から受け付けるためのボタンである。
【0049】
以上、プリセット情報設定画面10について説明したが、このプリセット情報設定画面10を用いて入力された各情報は、操作者によって保存ボタン17が押下されたタイミングで後述するプリセット情報設定部144に送られ、プリセット情報設定部144によって、撮像パラメータ間の依存関係のチェックが行われたうえで、プリセット情報としてプリセット情報記憶部132に登録される。
【0050】
続いて、撮像条件設定画面について説明する。図5および6は、撮像条件設定画面の一例を示す図(1)および(2)である。たとえば、主制御部141は、操作者からの表示要求に応じて、図5に示すように、各種撮像パラメータとそれら撮像パラメータのパラメータ値を入力するためのボックスとが表示された撮像条件設定領域21と、各種メニューが表示されたメニューバー22と、各種操作ボタンが表示された操作バー23とから構成された撮像条件設定画面20を表示部120に表示する。
【0051】
この撮像条件設定画面20を用いて、操作者は、撮像条件に関する情報を入力するが、その際に、メニューバー22に含まれる「プリセット選択」を選ぶことによって、あらかじめ登録されているプリセット情報を用いて、撮像目的に応じて複数の撮像パラメータを同時に設定したり、「プラン選択」を選ぶことによって、すでに設定済みの撮像プロトコルの撮像条件から複数の撮像パラメータをコピーし、コピーした複数の撮像パラメータを同時に設定したりすることができる。
【0052】
まず、操作者によって「プリセット選択」が選ばれた場合には、主制御部141は、プリセット情報記憶部132により記憶されているプリセット情報を参照して、プリセットタイプが「プリセット」であるプリセット情報を抽出する。そして、主制御部141は、抽出したプリセット情報に基づいてプリセット名のリスト24を生成し、生成したリスト24を撮像条件設定画面20上に表示する(図5を参照)。
【0053】
ここで、主制御部141は、撮像条件設定画面20において、シーケンスカテゴリおよびシーケンスを示す撮像パラメータが入力されていた場合には、プリセット情報を抽出する際に、入力されているシーケンスカテゴリおよびシーケンスに基づいてプリセット情報を絞り込んだうえで、プリセット名のリスト24を生成して表示する。
【0054】
そして、操作者によって、リスト24に表示されたプリセット名の中からいずれかのプリセット名が選択された場合には、主制御部141は、選択されたプリセット名に対応するプリセット情報をプリセット情報記憶部132から取得し、取得したプリセット情報に含まれる撮像パラメータを後述する撮像条件設定部145に送る。撮像条件設定部145に送られた撮像パラメータは、撮像条件設定部145によって、他の撮像パラメータとの間の依存関係がチェックされる。そして、いずれかの依存関係にエラーがあった場合には、エラーとなった撮像パラメータが撮像条件設定部145から通知される。
【0055】
ここで、エラーとなった撮像パラメータが通知された場合には、主制御部141は、その撮像パラメータを撮像条件設定画面20に表示する。そして、操作者によって、エラーとなった撮像パラメータが修正されると、主制御部141は、修正された撮像パラメータを撮像条件設定部145に送り、再度、依存関係のチェックを試みる。
【0056】
主制御部141は、かかる依存関係のチェックを、撮像条件設定部145から依存関係のエラーがないことが通知されるまで繰り返す。そして、依存関係のエラーがないことが撮像条件設定部145から通知されると、主制御部141は、修正された撮像パラメータを含む全ての撮像パラメータを撮像条件設定画面20の撮像条件設定領域21に表示する。
【0057】
その後、主制御部141は、操作者によって操作バーの「登録&終了」ボタンが押下されると、撮像条件設定画面20に表示した撮像パラメータを撮像条件設定部145に送るとともに、当該撮像パラメータに基づいて撮像条件情報を登録するよう指示する。
【0058】
一方、操作者によって「プラン選択」が選ばれた場合には、主制御部141は、撮像条件情報記憶部134により記憶されている撮像条件情報を取得し、取得した撮像条件情報に基づいて、設定済みの撮像プロトコルのリスト25を生成し、撮像条件設定画面20上に表示する(図6(1)を参照)。なお、この時、主制御部141は、撮像プロトコルのリスト25とともに、撮像パラメータ選択(Entries)ボタン26も表示する。
【0059】
ここで、操作者によって撮像パラメータ選択ボタン26が押下された場合には、主制御部141は、プリセット情報設定部144により記憶されているプリセット情報を参照して、プリセットタイプが「プラン選択」であり、かつ、撮像条件設定画面20において入力されているシーケンスカテゴリおよびシーケンスに対応し、かつ、選択フラグが「1」となっているプリセット情報を特定して抽出する。
【0060】
そして、主制御部141は、抽出したプリセット情報に含まれる撮像パラメータごとに、撮像パラメータに対応付けられたチェックボックスと、撮像パラメータの名称とを表示した「撮像パラメータ選択画面」30を生成し、表示部120に表示する(図6(2)を参照)。この撮像パラメータ選択画面30に表示される撮像パラメータは、プリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータの組み合わせに応じて変化することになる。
【0061】
なお、撮像パラメータ選択画面30を表示する際に、主制御部141は、撮像パラメータごとに対応付けられたチェックボックスを全てチェックした状態にしておくが、操作者が必要に応じてチェックを外すこともできるようにしておく。
【0062】
そして、主制御部141は、操作者によって保存(Save)ボタン31が押下された場合には、その時点でチェックボックスがチェックされている撮像パラメータを内部メモリなどに保存したうえで、撮像パラメータ選択画面30を閉じる。
【0063】
その後、操作者によって、撮像条件設定画面20上に表示された撮像プロトコルのリスト25の中からいずれかの撮像プロトコルが選択された場合には、主制御部141は、選択された撮像プロトコルに対応する撮像条件情報を撮像条件情報記憶部134により記憶されている撮像条件情報の中から取得する。
【0064】
そして、主制御部141は、取得した撮像条件情報に含まれている撮像パラメータの中から、内部メモリに保存されている撮像パラメータと一致する撮像パラメータをコピーし、コピーした撮像パラメータを後述する撮像条件設定部145に送る。撮像条件設定部145に送られた撮像パラメータは、撮像条件設定部145によって、他の撮像パラメータとの間の依存関係がチェックされる。そして、いずれかの依存関係にエラーがあった場合には、エラーとなった撮像パラメータが撮像条件設定部145から通知される。
【0065】
ここで、エラーとなった撮像パラメータが通知された場合には、主制御部141は、その撮像パラメータを撮像条件設定画面20に表示する。そして、操作者によって、エラーとなった撮像パラメータが修正されると、主制御部141は、修正された撮像パラメータを撮像条件設定部145に送り、再度、依存関係のチェックを試みる。
【0066】
主制御部141は、かかる依存関係のチェックを、撮像条件設定部145から依存関係のエラーがないことが通知されるまで繰り返す。そして、依存関係のエラーがないことが撮像条件設定部145から通知されると、主制御部141は、修正された撮像パラメータを含む全ての撮像パラメータを撮像条件設定画面20の撮像条件設定領域21に表示する。
【0067】
その後、主制御部141は、操作者によって操作バーの「登録&終了」ボタンが押下されると、撮像条件設定画面20に表示した撮像パラメータを撮像条件設定部145に送るとともに、当該撮像パラメータに基づいて撮像条件情報を登録するよう指示する。
【0068】
なお、ここでは、主制御部141が、設定済みの撮像プロトコルの撮像パラメータの中からパラメータ値をコピーし、コピーしたパラメータ値を撮像条件設定画面20の撮像条件設定領域21に表示することとしたが、たとえば、プリセット情報においてパラメータ値が設定されている撮像パラメータについては、設定済みの撮像プロトコルの撮像パラメータではなく、プリセット情報の撮像パラメータからパラメータ値をコピーするようにしてもよい。
【0069】
こうして、撮像パラメータを登録した後に、主制御部141は、操作者から撮像指示を受け付けた場合には、指示された撮像プロトコルの撮像条件情報を撮像条件情報記憶部134から取得し、取得した撮像条件に基づいてシーケンス情報を生成し、シーケンス制御部142に対して送信する。このシーケンス情報は、シーケンス制御部142を介してシーケンス制御装置8に送信される。これにより、シーケンス制御装置8によって被検体Pのスキャンが行われる。
【0070】
シーケンス制御部142は、シーケンス制御装置8との間でやり取りされるデータの送受信を制御する処理部である。具体的には、このシーケンス制御部142は、主制御部141からシーケンス情報が送信されると、そのシーケンス情報をシーケンス制御装置8に対して送信する。そして、シーケンス制御装置8から生データが送信されると、シーケンス制御部142は、送信された生データを後述する画像再構成部143に対して引き渡す。
【0071】
画像再構成部143は、シーケンス制御部142から引き渡される生データに基づいて画像を再構成する処理部である。具体的には、この画像再構成部143は、主制御部141による制御のもと、シーケンス制御部142から引き渡される生データをk空間データに変換し、そのk空間データに対してフーリエ変換処理などの所定の画像再構成処理を行うことによって2次元画像または3次元画像を再構成する。
【0072】
プリセット情報設定部144は、操作者によってグループ化された撮像パラメータを含むプリセット情報をプリセット情報記憶部132に登録する処理部である。
【0073】
具体的には、このプリセット情報設定部144は、前述したプリセット情報設定画面10において保存ボタン17が押下され、プリセット名、シーケンスカテゴリ、シーケンス、プリセットタイプ、および、撮像パラメータのグループを含む情報が主制御部141から送られると、送られた撮像パラメータに対応する依存関係情報を、依存関係情報記憶部133により記憶されている依存関係情報の中から取得する。
【0074】
続いて、プリセット情報設定部144は、送られた撮像パラメータごとに、取得した依存関係情報に含まれる依存関係関数に基づいて許容範囲を算出し、算出した許容範囲に撮像パラメータのパラメータ値が収まっているか否かを検知する。
【0075】
そして、パラメータ値が許容範囲に収まっていない撮像パラメータがあった場合には、プリセット情報設定部144は、主制御部141を介して、当該撮像パラメータが他の撮像パラメータとの間の依存関係においてエラーとなっていることを通知する。これにより操作者に対して撮像パラメータの修正を促すことができる。一方、全ての撮像パラメータのパラメータ値がそれぞれの許容範囲に収まっていた場合には、各撮像パラメータからなるプリセット情報を生成して、プリセット情報記憶部132に記憶する。
【0076】
撮像条件設定部145は、プリセット情報記憶部132により記憶されたプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータに基づいて撮像条件を設定する処理部である。
【0077】
具体的には、この撮像条件設定部145は、主制御部141から撮像パラメータが送られると、送られた撮像パラメータに対応する依存関係情報を、依存関係情報記憶部133により記憶されている依存関係情報の中から取得する。続いて、撮像条件設定部145は、送られた撮像パラメータごとに、取得した依存関係情報に含まれる依存関係関数に基づいて許容範囲を算出し、算出した許容範囲に撮像パラメータのパラメータ値が収まっているか否かを検知する。
【0078】
そして、撮像条件設定部145は、パラメータ値が許容範囲に収まっていない撮像パラメータがあった場合には、当該撮像パラメータを、他の撮像パラメータとの間の依存関係においてエラーがあるものとして主制御部141に通知する。一方、全ての撮像パラメータのパラメータ値がそれぞれの許容範囲に収まっていた場合には、撮像条件設定部145は、依存関係のエラーがないことを主制御部141に通知する。
【0079】
また、撮像条件設定部145は、主制御部141から撮像条件情報を登録するよう指示された場合には、その指示とともに送られる撮像パラメータに基づいて撮像条件情報を生成し、生成した撮像条件情報を撮像条件情報記憶部134に記憶する。
【0080】
次に、本実施例に係るコンソール装置100の処理手順について説明する。図7は、プリセット情報の設定に関する処理手順を示すフローチャートであり、図8は、プリセット選択による撮像条件設定に関する処理手順を示すフローチャートであり、図9は、プラン選択による撮像条件設定に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0081】
最初に、図7を用いて、プリセット情報の設定に関する処理手順を説明する。同図に示すように、コンソール装置100では、主制御部141が、操作者からの要求に応じてプリセット情報設定画面10を表示し(ステップS101)、撮像パラメータの選択およびパラメータ値の入力を受け付ける(ステップS102)。
【0082】
そして、プリセット情報設定画面10において保存ボタンが押下された場合には(ステップS103,Yes)、プリセット情報設定部144が、撮像パラメータ間の依存関係をチェックし(ステップS104)、エラーがなかった場合には(ステップS105,Yes)、プリセット情報を登録する(ステップS106)。
【0083】
一方、プリセット情報設定部144は、依存関係にエラーがあった場合には(ステップS105,No)、エラーになった撮像パラメータを操作者に対して通知する(ステップS107)。そして、主制御部141が、プリセット情報設定画面10からエラーになった撮像パラメータの修正を受け付け(ステップS108)、再度、保存ボタンが押下されるのを待つ(ステップS103へもどる)。
【0084】
こうして、主制御部141およびプリセット情報設定部144は、撮像パラメータ間の依存関係にエラーがなくなるまで、上述した撮像パラメータの修正の受け付けおよび依存関係のチェックを繰り返す。
【0085】
次に、図8を用いて、プリセット選択による撮像条件設定に関する処理手順を説明する。同図に示すように、コンソール装置100では、操作者によって撮像条件設定画面20において「プリセット選択」が選ばれると(ステップS201,Yes)、主制御部141が、プリセット情報のプリセット名のリスト24を表示する(ステップS202)。
【0086】
そして、操作者によってリスト24からプリセット名が選択された場合には(ステップS203,Yes)、主制御部141が、選択されたプリセット名に対応するプリセット情報をプリセット情報記憶部132から取得し(ステップS204)、撮像条件設定部145が、主制御部141によって取得されたプリセット情報に含まれる撮像パラメータ間の依存関係をチェックする(ステップS205)。
【0087】
ここで、依存関係にエラーがあった場合には(ステップS206,No)、主制御部141が、エラーになった撮像パラメータを操作者に対して通知し(ステップS207)、撮像条件設定画面20を介して、エラーになった撮像パラメータが修正されるのを待つ。
【0088】
そして、主制御部141が、エラーになった撮像パラメータの修正を受け付けると(ステップS208)、撮像条件設定部145が、再度、撮像パラメータ間の依存関係をチェックする(ステップS205にもどる)。
【0089】
こうして、依存関係にエラーがなくなるまで、撮像パラメータの修正およびチェックが行われ、エラーがなくなった場合には(ステップS206,Yes)、主制御部141が、撮像パラメータを撮像条件設定画面20に表示する(ステップS209)。
【0090】
そして、操作者によって「登録&終了」ボタンが押下されると(ステップS210,Yes)、撮像条件設定部145が、撮像条件情報記憶部134に撮像条件情報を登録する(ステップS211)。
【0091】
次に、図9を用いて、プラン選択による撮像条件設定に関する処理手順を説明する。同図に示すように、コンソール装置100では、操作者によって撮像条件設定画面20において「プラン選択」が選ばれると(ステップS301,Yes)、主制御部141が、撮像パラメータ選択ボタン26および撮像プロトコルのリスト25を表示する(ステップS302)。
【0092】
ここで、操作者によって撮像パラメータ選択ボタン26が押下された場合には(ステップS303,Yes)、主制御部141は、撮像パラメータ選択画面30を表示し(ステップS304)、操作者から撮像パラメータの選択を受け付ける(ステップS305)。
【0093】
その後、撮像パラメータ選択画面30において保存ボタン31が押下されると(ステップS306,Yes)、主制御部141は、その時点で選択されている撮像パラメータを内部メモリに保存する(ステップS307)。
【0094】
そして、操作者によってリスト25から撮像プロトコルが選択された場合には(ステップS308,Yes)、主制御部141が、選択された撮像プロトコルの撮像条件から、内部メモリに保存されている撮像パラメータと一致する撮像パラメータをコピーし(ステップS309)、撮像条件設定部145が、主制御部141によって取得されたプリセット情報に含まれる撮像パラメータ間の依存関係をチェックする(ステップS310)。
【0095】
ここで、依存関係にエラーがあった場合には(ステップS311,No)、主制御部141が、エラーになった撮像パラメータを操作者に対して通知し(ステップS312)、撮像条件設定画面20を介して、エラーになった撮像パラメータが修正されるのを待つ。
【0096】
そして、主制御部141が、エラーになった撮像パラメータの修正を受け付けると(ステップS313)、撮像条件設定部145が、再度、撮像パラメータ間の依存関係をチェックする(ステップS310にもどる)。
【0097】
こうして、依存関係にエラーがなくなるまで、撮像パラメータの修正およびチェックが行われ、エラーがなくなった場合には(ステップS311,Yes)、主制御部141が、撮像パラメータを撮像条件設定画面20に表示する(ステップS314)。
【0098】
そして、操作者によって「登録&終了」ボタンが押下されると(ステップS315,Yes)、撮像条件設定部145が、撮像条件情報記憶部134に撮像条件情報を登録する(ステップS316)。
【0099】
上述してきたように、本実施例では、プリセット情報記憶部132が、操作者からの指示に基づいてグループ化された複数の撮像パラメータに係る情報を含むプリセット情報を記憶し、撮像条件設定部145が、プリセット情報記憶部132により記憶されたプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータのパラメータ値に基づいて撮像条件を設定するので、特定の撮像パラメータに限らず、任意に選択された複数の撮像パラメータを同時に設定することができる。
【0100】
また、本実施例では、プリセット情報記憶部132に記憶されるプリセット情報には、撮像目的を示すプリセット情報が含まれており、主制御部141が、撮像条件設定画面20を介してプリセット名の入力を受け付け、受け付けたプリセット名に対応するプリセット情報をプリセット情報記憶部132により記憶されたプリセット情報の中から取得する。そして、撮像条件設定部145が、当該プリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータのパラメータ値に基づいて、撮像条件を設定するので、撮像の目的に応じて、複数の撮像パラメータを同時に設定することができる。
【0101】
また、本実施例では、主制御部141が、撮像条件設定画面20を介して、設定済みの撮像プロトコルの入力を受け付け、入力された撮像プロトコルにおける撮像条件に含まれている撮像パラメータのパラメータ値から、プリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータと一致する撮像パラメータのパラメータ値をコピーする。そして、撮像条件設定部145が、当該撮像パラメータのパラメータ値に基づいて、撮像条件を設定するので、すでに設定されている撮像プロトコルの撮像条件を流用することによって、効率よく複数の撮像パラメータを設定することができる。
【0102】
また、本実施例では、主制御部141が、撮像パラメータ選択画面30を介して、プリセット情報記憶部132により記憶されたプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータからの撮像パラメータの選択を受け付け、設定済みの撮像プロトコルにおける撮像条件に含まれている撮像パラメータのパラメータ値から前記撮像パラメータを取得する際には、選択を受け付けた撮像パラメータと一致する撮像パラメータのパラメータ値をコピーするので、すでに設定されている撮像プロトコルの撮像条件を流用する際に、必要な撮像パラメータを選択することが可能になり、さらに効率よく撮像パラメータを設定することができる。
【0103】
また、本実施例では、主制御部141が、プリセット情報設定画面10を介して、複数の撮像パラメータのうちグループ化の対象となる撮像パラメータの選択を受け付け、プリセット情報設定部144が、主制御部141より選択が受け付けられた撮像パラメータのパラメータ値を含むプリセット情報をプリセット情報記憶部132に記憶させるので、撮像条件として同時に設定する撮像パラメータを操作者が任意に選択することが可能になる。
【0104】
また、本実施例では、依存関係情報記憶部133が、撮像パラメータ間の依存関係を示す依存関係情報を記憶し、撮像条件設定部145が、撮像パラメータに係る情報に基づいて撮像条件を設定する際に、依存関係情報記憶部133により記憶された依存関係情報に基づいて、当該撮像パラメータ間の依存関係をチェックするので、撮像条件として設定しようとしている撮像パラメータ間の依存関係が自動的にチェックされるので、適切な撮像条件を容易に設定することが可能になる。
【0105】
また、本実施例では、プリセット情報記憶部132には、撮像手法を示すシーケンスカテゴリおよびシーケンスが含まれており、主制御部141が、プリセット情報設定画面10を介して、シーケンスカテゴリおよびシーケンスの入力を受け付け、受け付けたシーケンスカテゴリおよびシーケンスに対応するプリセット情報をプリセット情報記憶部132により記憶されたプリセット情報の中から取得する。そして、撮像条件設定部145が、当該プリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータのパラメータ値に基づいて、撮像条件を設定するので、撮像手法に応じて、適切な複数の撮像パラメータを同時に設定することができる。
【0106】
なお、本実施例において図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上のように、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置、撮像条件設定装置および撮像条件設定プログラムは、撮像に際して複数の撮像パラメータを撮像条件として設定する場合に有用であり、特に、特定の撮像パラメータに限らず、複数の撮像パラメータを同時に設定することが求められる場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本実施例に係るMRI装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1に示したコンソール装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】プリセット情報記憶部により記憶されるプリセット情報の一例を示す図である。
【図4】プリセット情報設定画面の一例を示す図である。
【図5】撮像条件設定画面の一例を示す図(1)である。
【図6】撮像条件設定画面の一例を示す図(2)である。
【図7】プリセット情報の設定に関する処理手順を示すフローチャートである。
【図8】プリセット選択による撮像条件設定に関する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】プラン選択による撮像条件設定に関する処理手順を示すフローチャートである。
【図10】複数の撮像パラメータを同時に設定するための従来技術の一例を説明するための図(1)である。
【図11】複数の撮像パラメータを同時に設定するための従来技術の一例を説明するための図(2)である。
【符号の説明】
【0109】
1 静磁場磁石
2 傾斜磁場コイル
3 RFコイル
4 静磁場電源
5 傾斜磁場電源
6 送信器
7 受信器
8 シーケンス制御装置
10 プリセット情報設定画面
11 撮像パラメータ入力領域
11a チェックボックス
11b パラメータ値入力ボックス
12a〜12e タブ
13 シーケンスカテゴリ入力プルダウン
14 シーケンス入力プルダウン
15 プリセットタイプ入力プルダウン
16 プリセット名入力ボックス
17 保存ボタン
18 終了ボタン
20 撮像条件設定画面
21 撮像条件設定領域
22 メニューバー
23 操作バー
24 プリセット名のリスト
25 撮像プロトコルのリスト
26 撮像パラメータ選択(Entries)ボタン
30 撮像パラメータ選択画面
31 保存(Save)ボタン
100 コンソール装置
110 入力部
120 表示部
130 記憶部
131 画像記憶部
132 プリセット情報記憶部
133 依存関係情報記憶部
134 撮像条件情報記憶部
140 制御部
141 主制御部
142 シーケンス制御部
143 画像再構成部
144 プリセット情報設定部
145 撮像条件設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮像パラメータからなる撮像条件に基づいて被検体にRF波を照射し、当該RF波に応じて被検体から発せられる磁気共鳴信号を検出して画像を再構成する磁気共鳴イメージング装置であって、
操作者からの指示に基づいてグループ化された複数の撮像パラメータに係る情報を含むプリセット情報を記憶するプリセット情報記憶手段と、
前記プリセット情報記憶手段により記憶されたプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータに係る情報に基づいて、前記撮像条件を設定する撮像条件設定手段と、
を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記プリセット情報記憶手段に記憶されるプリセット情報には、撮像目的に係る情報が含まれており、
前記撮像目的に係る情報の入力を受け付ける撮像目的入力受付手段をさらに備え、
前記撮像条件設定手段は、前記撮像目的入力受付手段により前記撮像目的に係る情報の入力が受け付けられた場合に、当該撮像目的に対応するプリセット情報を前記プリセット情報記憶手段により記憶されたプリセット情報の中から取得し、取得したプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータに係る情報に基づいて、前記撮像条件を設定することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
設定済みの撮像プロトコルに係る情報の入力を受け付ける撮像プロトコル入力受付手段をさらに備え、
前記撮像条件設定手段は、前記撮像プロトコル入力受付手段により前記撮像プロトコルに係る情報の入力が受け付けられた場合に、当該撮像プロトコルにおける撮像条件に含まれている撮像パラメータに係る情報から、前記プリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータと一致する撮像パラメータに係る情報を取得し、取得した情報に基づいて、前記撮像条件を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記プリセット情報記憶手段により記憶されたプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータからの撮像パラメータの選択を受け付ける撮像パラメータ選択受付手段をさらに備え、
前記撮像条件設定手段は、前記設定済みの撮像プロトコルにおける撮像条件に含まれている撮像パラメータに係る情報から前記撮像パラメータを取得する際には、前記撮像パラメータ選択受付手段により選択が受け付けられた撮像パラメータと一致する撮像パラメータに係る情報を取得することを特徴とする請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記複数の撮像パラメータのうちグループ化の対象となる撮像パラメータの選択を受け付けるグループ化対象パラメータ選択受付手段と、
前記グループ化対象パラメータ選択受付手段により選択が受け付けられた撮像パラメータに係る情報を含むプリセット情報を前記プリセット情報記憶手段に記憶させるプリセット情報設定手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
前記撮像パラメータ間の依存関係を示す依存関係情報を記憶する依存関係情報記憶手段をさらに備え、
前記撮像条件設定手段は、前記撮像パラメータに係る情報に基づいて前記撮像条件を設定する際に、前記依存関係情報記憶手段により記憶された依存関係情報に基づいて、当該撮像パラメータ間の依存関係をチェックすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
前記プリセット情報記憶手段により記憶されるプリセット情報には、撮像手法に係る情報が含まれており、
前記撮像手法に係る情報の入力を受け付ける撮像手法入力受付手段をさらに備え、
前記撮像条件設定手段は、前記撮像手法入力受付手段により入力が受け付けられた撮像手法に係る情報に対応するプリセット情報を前記プリセット情報記憶手段により記憶されたプリセット情報の中から取得し、取得したプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータに係る情報に基づいて、前記撮像条件を設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
磁気共鳴イメージング装置による被検体の撮像に際して複数の撮像パラメータからなる撮像条件を設定する撮像条件設定装置であって、
操作者からの指示に基づいてグループ化された複数の撮像パラメータに係る情報を含むプリセット情報を記憶するプリセット情報記憶手段と、
前記プリセット情報記憶手段により記憶されたプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータに係る情報に基づいて、前記撮像条件を設定する撮像条件設定手段と、
を備えたことを特徴とする撮像条件設定装置。
【請求項9】
磁気共鳴イメージング装置による被検体の撮像に際して複数の撮像パラメータからなる撮像条件を設定する撮像条件設定プログラムであって、
操作者からの指示に基づいてグループ化された複数の撮像パラメータに係る情報を含むプリセット情報を記憶装置に記憶させるプリセット情報記憶手順と、
前記プリセット情報記憶手順により記憶されたプリセット情報においてグループ化されている撮像パラメータに係る情報に基づいて、前記撮像条件を設定する撮像条件設定手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする撮像条件設定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−160273(P2009−160273A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1632(P2008−1632)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】