磁気共鳴装置
【課題】血流信号を十分に抑制する。
【解決手段】データの収集が行われない期間Bの各サブ期間B1〜B3に、正の勾配パルスG11〜G31を印加する。正の勾配パルスG11〜G31は同じ面積Sであるが、RFパルスからは異なる時間Δt11〜Δt31だけ離れている。正の勾配パルスG11〜G31は同じ面積Sであるので、静止組織を高信号にすることができる。また、正の勾配パルスG11〜G31の時間Δt11〜Δt31は異なっているので、血流を低信号にすることができる。
【解決手段】データの収集が行われない期間Bの各サブ期間B1〜B3に、正の勾配パルスG11〜G31を印加する。正の勾配パルスG11〜G31は同じ面積Sであるが、RFパルスからは異なる時間Δt11〜Δt31だけ離れている。正の勾配パルスG11〜G31は同じ面積Sであるので、静止組織を高信号にすることができる。また、正の勾配パルスG11〜G31の時間Δt11〜Δt31は異なっているので、血流を低信号にすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、勾配パルスを印加する磁気共鳴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血流信号を抑制する方法として、Black Blood(以下、「BB」と呼ぶ)法が知られている。BB法は、血管壁などの診断に有効な方法である。しかし、BB法を用いてT1コントラスト画像を取得する場合には、短時間で血流信号を抑制する必要がある。血流信号を抑制する方法として、特許文献1の方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4249215号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、負の勾配パルスと正の勾配パルスとを用いる必要がある。したがって、3D高速スピンエコー(3DFSE)のスライスエンコード方向や周波数エンコード方向のように、正の勾配パルスしか使えない場合には適用することができず、血流信号を十分に抑制することができないことがある。したがって、正の勾配パルスしか使えない場合でも、血流信号を十分に抑制できることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、データの収集が行われない第1の期間と、前記第1の期間の後にデータの収集が行われる第2の期間とを有するパルスシーケンスを実行する磁気共鳴装置であって、
前記パルスシーケンスは、以下の条件を満たす、磁気共鳴装置である。
(1)前記第1の期間は、隣接するRFパルスによって区切られたn個のサブ期間を含む
(2)前記n個のサブ期間の各々は、1つ以上の勾配パルスを含む
(3)前記n個のサブ期間に含まれている勾配パルスの極性は同じである
(4)1つのサブ期間に1つの勾配パルスが含まれている場合、前記1つの勾配パルスの面積はSであり、1つのサブ期間に複数の勾配パルスが含まれている場合、前記複数の勾配パルスの面積の総和はSである
(5)前記n個のサブ期間のうちのp番目のサブ期間は、x個の勾配パルスGpi(i=1〜x)を含み、前記n個のサブ期間のうちのq番目のサブ期間は、y個の勾配パルスGqj(j=1〜y)を含み、以下の関係式が成り立つ
【数1】
ここで、Spi:前記勾配パルスGpiの面積
Δtpi:前記p番目のサブ期間の開始時点に印加される第1のRFパルスと、前記勾配パルスGpiとの間の時間
Sqj:前記勾配パルスGqjの面積
Δtqj:前記q番目のサブ期間の開始時点に印加される第2のRFパルスと、前記勾配パルスGqjとの間の時間
【発明の効果】
【0006】
上記の条件を満たすことにより、勾配パルスが同じ極性であっても、血流信号を十分に抑制できることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
【図2】本形態におけるパルスシーケンスの一例の説明図である。
【図3】MBt=0に設定した場合のパルスシーケンスの例を示す図である。
【図4】式(1A)を満たすようにΔt11、Δt21、およびΔt31を設定した場合の一例を示す図である。
【図5】勾配パルスG11〜G31の高さが互いに異なっており、勾配パルスG11〜G31の幅も互いに異なっている場合のパルスシーケンスの一例の説明図である。
【図6】サブ期間B3に複数の勾配パルスが含まれている一例を示す図である。
【図7】サブ期間B2に複数の勾配パルスが含まれている一例を示す図である。
【図8】サブ期間B2にx個の勾配パルスが含まれており、サブ期間B3にy個の勾配パルスが含まれていれる場合の説明図である。
【図9】データの収集が行われない期間Bがn個のサブ期間B1〜Bnに区分けされた場合の説明図である。
【図10】RFパルスが送信されているときに勾配パルスGp、Gp+1、Gq、Gq+1が印加される場合の説明図である。
【図11】パルスシーケンスの一例を示す図である。
【図12】パルスシーケンスの一例を示す図である。
【図13】パルスシーケンスの一例を示す図である。
【図14】パルスシーケンスの一例を示す図である。
【図15】パルスシーケンスの一例を示す図である。
【図16】パルスシーケンスの一例を示す図である。
【図17】3軸に勾配パルスを印加するときのパルスシーケンスの一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0009】
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)100は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
【0010】
マグネット2は、被検体12が収容されるボア21と、超伝導コイル22と、勾配コイル23と、送信コイル24とを有している。超伝導コイル22は静磁場を印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加し、送信コイル24はRFパルスを送信する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
【0011】
テーブル3は、クレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体12はボア21に搬送される。
【0012】
受信コイル4は、被検体12の頭部から頸部に渡って取り付けられている。受信コイル4は、被検体12からの磁気共鳴信号を受信する。
【0013】
MR装置100は、更に、シーケンサ5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8、中央処理装置9、操作部10、および表示部11を有している。
【0014】
シーケンサ5は、中央処理装置9の制御を受けて、パルスシーケンスの情報を送信器6および勾配磁場電源7に送る。
【0015】
送信器6は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、RFコイル24を駆動する駆動信号を出力する。
【0016】
勾配磁場電源7は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、勾配コイル23を駆動する駆動信号を出力する。
【0017】
受信器8は、受信コイル4で受信された磁気共鳴信号を信号処理し、信号処理により得たれたデータを中央処理装置9に出力する。
【0018】
中央処理装置9は、シーケンサ5および表示部11に必要な情報を伝送したり、受信器8から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。中央処理装置9は、例えばコンピュータ(computer)によって構成される。
【0019】
操作部10は、オペレータにより操作され、種々の情報を中央処理装置9に入力する。表示部11は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
【0020】
次に、本形態において血流信号が抑制されたデータを取得するときのパルスシーケンスについて、図2〜図11を参照しながら説明する。
【0021】
図2は、本形態におけるパルスシーケンスの一例の説明図である。
パルスシーケンスは、3つの期間A〜Cを有している。
【0022】
期間Aは、励起パルスP0とRFパルスP1とによって規定される期間である。期間Bは、データの収集が行われない期間であり、RFパルスP1とP4によって規定されている。更に、データの収集が行われない期間Bは、RFパルスP1〜P4によって3つのサブ期間B1〜B3に区分けされる。期間Cは、被検体のデータの収集が行われるデータ収集期間である。
【0023】
また、期間A〜期間Cでは、勾配パルスG0〜Gacqが印加される。勾配パルスG0〜Gacqは、以下の条件1a〜1dを満たすように設定されている。
(条件1a)勾配パルスG0〜Gacqは正のパルスである。
(条件1b)勾配パルスG11、G21、G31の面積S11、S21、S31は以下の関係がある。
S11=S21=S31=S
(条件1c)勾配パルスG0、Gacqの面積S0、Sacqは以下の関係がある。
S0=Sacq=S/2
(条件1d)勾配パルスG11、G21、およびG31は、同じ高さHであり、同じ幅Wである。
(条件1e)勾配パルスG0は、励起パルスP0から時間Δt0だけ離れている。勾配パルスG11は、RFパルスP1から時間Δt11だけ離れている。勾配パルスG21は、RFパルスP2から時間Δt21だけ離れている。勾配パルスG31は、RFパルスP3から時間Δt31だけ離れている。勾配パルスGacqは、RFパルスP4から時間Δtacqだけ離れている。
(条件1f)勾配パルスG11の時間Δt11、勾配パルスG21の時間Δt21、および勾配パルスG31の時間Δt31は、以下の関係を満たしている。
Δt11≠Δt21、 Δt11≠Δt31、 Δt21≠Δt31 ・・・(1)
【0024】
次に、励起パルスP0の送信時点t0からデータ収集時点tacqまでの間に静止組織が勾配パルスから受けるモーメントの累計と、励起パルスP0の送信時点t0からデータ収集時点tacqまでの間に血流が勾配パルスから受けるモーメントの累計について、順に説明する。
【0025】
(1)励起パルスP0の送信時点t0からデータ収集時点tacqまでの間に静止組織が勾配パルスから受けるモーメントの累計について
【0026】
先ず、期間Aの間に静止組織が勾配パルスG0から受けるモーメントMSAについて説明する。勾配パルスG0の面積は「S0」であるので、モーメントMSAは、以下の式で表される。
MSA=S0・rS ・・・(2)
ここで、rS:静止組織の磁化の位置
【0027】
次に、データの収集が行われない期間Bの間の勾配パルスによって静止組織が受けるモーメントについて説明する。データの収集が行われない期間Bは、3つのサブ期間B1〜B3を有しているので、各サブ期間の勾配パルスごとに、静止組織が受けるモーメントについて説明する。
【0028】
先ず、サブ期間B1の勾配パルスG11によって静止組織が受けるモーメントにMSB1について説明する。勾配パルスG11の面積は「S11」であり、静止組織の位置は時間変化しない。したがって、モーメントMSB1は、以下の式で表される。
MSB1=S11・rS ・・・(3)
ここで、rS:静止組織の磁化の位置
【0029】
以下同様に、サブ期間B2の勾配パルスG21によって静止組織が受けるモーメントMSB2、およびサブ期間B3の勾配パルスG31によって静止組織が受けるモーメントMSB3は、以下の式で表される。
MSB2=S21・rS ・・・(4)
MSB3=S31・rS ・・・(5)
【0030】
最後に、期間Cacqの勾配パルスGacqによって静止組織が受けるモーメントMSacqについて説明する。勾配パルスGacqの面積は「Sacq」であるので、モーメントMSacqは、以下の式で表される。
MSacq=Sacq・rS ・・・(6)
【0031】
したがって、励起パルスP0の送信時点t0からデータ収集時点tacqまでの間に静止組織が勾配パルスから受けるモーメントの累計MStは、RFパルスP1〜P4によってモーメントが反転することを考慮すると、以下の式で表される。
MSt=−MSA+MSB1−MSB2+MSB3−MSacq
=−(S0・rS)+(S11・rS)−(S21・rS)
+(S31・rS)−(Sacq・rS)
=0 (∵条件1bおよび1c) ・・・(7)
【0032】
したがって、データ収集時点tacqにおいて静止組織の位相を揃えることができるので、静止組織を高信号にすることができる。
【0033】
(2)励起パルスP0の送信時点t0からデータ収集時点tacqまでの間に血流が勾配パルスから受けるモーメントの累計について
【0034】
先ず、期間Aの間に血流が勾配パルスG0から受けるモーメントMBAについて説明する。勾配パルスG0の面積は「S0」であるので、モーメントMBAは、以下の式で表される。
MBA=S0・r_t01 ・・・(8)
ここで、r_t01:勾配パルスG0が印加された時点t01おける血流の磁化の位置
【0035】
血流が一定速度v0で等速直線運動をすると仮定すると、r_t01は、以下の式で表される。
r_t01=r0+v0・t01
=r0+v0・(t0+Δt0) ・・・(9)
ここで、r0:血流の初期位置
【0036】
式(9)を式(8)に代入すると、期間Aの間に血流が勾配パルスG0から受けるモーメントMBAは、以下の式で表される。
MBA=S0・r_t01
=S0・{r0+v0・(t0+Δt0)}・・・(10)
【0037】
次に、サブ期間B1の勾配パルスG11によって血流が受けるモーメントMBB1について説明する。勾配パルスG11の面積は「S11」であるので、モーメントMBAは、以下の式で表される。
MBB1=S11・r_t11 ・・・(11)
ここで、r_t11:勾配パルスG11が印加された時点t11おける血流の磁化の位置
【0038】
血流が一定速度v0で等速直線運動をすると仮定すると、r_t11は、以下の式で表される。
r_t11=r0+v0・t11 ・・・(12)
【0039】
式(12)を式(11)に代入すると、サブ期間B1の間に血流が勾配パルスG11から受けるモーメントMBB1は、以下の式で表される。
MBB1=S11・r_t11
=S11・(r0+v0・t11)・・・(13)
【0040】
以下同様に、サブ期間B2の勾配パルスG21によって血流が受けるモーメントMBB2、サブ期間B3の勾配パルスG31によって血流が受けるモーメントMBB3は、以下の式で表される。
MBB2=S21・(r0+v0・t21)・・・(14)
MBB3=S31・(r0+v0・t31)・・・(15)
【0041】
また、期間Cacqの勾配パルスGacqによって血流が受けるモーメントMBacqは、以下の式で表される。
MBacq=Sacq・(r0+v0・t41)
=Sacq・{r0+v0・(tacq−Δtacq)} ・・・(16)
【0042】
したがって、血流が受けるモーメントの累計MBtは、式(10)、(13)、(14)、(15)、(16)を用いて、以下の式で表される。
MBt=−MBA+MBB1−MBB2+MBB3−MBacq
=−S0・{r0+v0・(t0+Δt0)}
+S11・(r0+v0・t11)
−S21・(r0+v0・t21)
+S31・(r0+v0・t31)
−Sacq・{r0+v0・(tacq−Δtacq)} ・・・(17)
【0043】
S11=S21=S31=S(条件1b)、およびS0=Sacq=S/2(条件1c)であるので、式(17)は、以下の式に簡略化できる。
MBt=S・v0・(−t0/2+t11−t21+t31−tacq/2
+Δt0/2−Δtacq/2) ・・・・・・・(18)
【0044】
ここで、Δt0=Δtacqとすると、式(18)は、以下の式で表される。
MBt=S・v0・(−t0/2+t11−t21+t31−tacq/2)
・・・・・(19)
【0045】
MBt=0になると、等速直線運動をする磁化の信号はデータ収集時点tacqにおいて位相がそろい、血流の信号を抑制することができない。図3に、MBt=0に設定した場合のパルスシーケンスの例を示す。図3では、勾配パルスG11、G21、G31のΔt11、Δt21、およびΔt31が、Δt11=Δt21=Δt31=Δtになるように設定されている。この場合、MBt=0となるので、等速直線運動する血流の信号を十分に抑制することができない。
【0046】
そこで、血流の信号を十分に抑制するために、図2のパルスシーケンスでは、条件1fの式(1)を満たすように、時間Δt11、Δt21、およびΔt31が設定されている。このように時間Δt11、Δt21、およびΔt31を設定することによって、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。したがって、データ収集時点tacqにおいて血流の位相を分散させることができ、血流の信号を抑制することができる。
【0047】
また、図2のパルスシーケンスでは、Δt11、Δt21、およびΔt31は、式(1)の関係を満たすように設定されているが、式(1)の代わりに、以下の式(1A)を満たすように設定されていてもよい。
Δt11=Δt21≠Δt31 ・・・(1A)
【0048】
図4には、式(1A)を満たすようにΔt11、Δt21、およびΔt31を設定した場合の一例が示されている。このように、Δt11=Δt21であっても、Δt21≠Δt31(Δt11≠Δt31)であれば、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。したがって、血流の信号を抑制することができる。尚、式(1A)の代わりに、以下の式(1B)を満たすように設定してもよい
Δt11≠Δt21=Δt31 ・・・(1B)
【0049】
式(1B)の場合、Δt21=Δt31であるが、Δt11≠Δt21(Δt11≠Δt31)であるので、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。
【0050】
また、上記のパルスシーケンスでは、データの収集が行われない期間Bの勾配パルスG11〜G31は、同じ高さHに設定され、且つ同じ幅Wに設定されている(条件1d)。しかし、条件1dは満たしていなくてもよい。図5に、条件1dを満たしていないパルスシーケンスの一例を示す。
【0051】
図5では、勾配パルスG11〜G31の高さは互いに異なっており、勾配パルスG11〜G31の幅も互いに異なっている。しかし、勾配パルスG11〜G31の面積は、図2と同じく「S」であるので、条件1fの式(1)が成り立つ。したがって、血流の信号を抑制することができる。
【0052】
尚、上記のパルスシーケンスでは、サブ期間B3には、勾配パルスが一つのみであるが、複数の勾配パルスが含まれていてもよい(図6参照)。
【0053】
図6は、サブ期間B3に複数の勾配パルスが含まれている一例を示す図である。
図6では、図4に示すパルスシーケンスと比較すると、以下の点が異なっている。
(2a)サブ期間B3には、2つの勾配パルスG31およびG32が含まれている。
(2b)勾配パルスG31の面積を「S31」、勾配パルスG32の面積を「S32」とすると、S31とS32との間には、以下の関係がある。
S=S31+S32 ・・・(20)
(2c)勾配パルスG31は、RFパルスP3から時間Δt31だけ離れている。勾配パルスG32は、RFパルスP3から時間Δt32だけ離れている。
(2d)勾配パルスG21の面積S21および時間Δt21、勾配パルスG31の面積S31および時間Δt31、勾配パルスG32の面積S32および時間Δt32は、以下の式を満たしている。
S21・Δt21≠S31・Δt31+S32・Δt32 ・・・(21)
【0054】
図6に示すように、サブ期間B3に2つの勾配パルスG31およびG32が含まれている場合は、勾配パルスG31およびG32の面積の和をSにすることによって(式(20)参照)、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。したがって、静止組織を高信号にすることができる。
【0055】
また、式(21)を満たすように、勾配パルスG31およびG32の面積および時間を設定することによって、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。
【0056】
図6では、サブ期間B2には、勾配パルスが一つのみ含まれているが、複数の勾配パルスが含まれていてもよい(図7参照)。
【0057】
図7は、サブ期間B2に複数の勾配パルスが含まれている一例を示す図である。
図7では、図6に示すパルスシーケンスと比較すると、以下の点が異なっている。
(3a)サブ期間B2には、2つの勾配パルスG21およびG22が含まれている。
(3b)勾配パルスG21の面積を「S21」、勾配パルスG22の面積を「S22」とすると、S21とS22との間には、以下の関係がある。
S21+S22=S ・・・(22)
(3c)勾配パルスG21は、RFパルスP2から時間Δt21だけ離れている。勾配パルスG22は、RFパルスP2から時間Δt22だけ離れている。
(3d)勾配パルスG21の面積S21および時間Δt21、勾配パルスG22の面積S22および時間Δt22、勾配パルスG31の面積S31および時間Δt31、勾配パルスG32の面積S32および時間Δt32は、以下の式を満たしている。
S21・Δt21+S22・Δt22≠S31・Δt31+S32・Δt32 ・・・(23)
【0058】
図7に示すように、両方のサブ期間B2およびB3に2つの勾配パルスが含まれている場合は、勾配パルスG21およびG22の面積の和もSにすることによって(式(22)参照)、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。したがって、静止組織を高信号にすることができる。
【0059】
また、式(23)を満たすように、勾配パルスG21、G22、G31、およびG32の面積および時間を設定することによって、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。
【0060】
図7では、サブ期間B2およびB3に2つの勾配パルスが含まれている例について示されている。図7の説明を、サブ期間B2にx個の勾配パルスが含まれており、サブ期間B3にy個の勾配パルスが含まれていれる場合に一般化して考えると、以下のように説明できる。
【0061】
図8は、サブ期間B2にx個の勾配パルスが含まれており、サブ期間B3にy個の勾配パルスが含まれていれる場合の説明図である。
【0062】
図8では、図7に示すパルスシーケンスと比較すると、以下の点が異なっている。
(4a)サブ期間B2には、x個の勾配パルスG2i(i=1〜x)が含まれており、サブ期間B3には、y個の勾配パルスG3j(j=1〜y)が含まれている。
(4b)勾配パルスG2iの面積を「S2i」(i=1〜x)、勾配パルスG3jの面積を「S3j」(j=1〜y)とすると、S2iとS3jとの間には、以下の関係がある。
【数2】
(4c)勾配パルスG2iは、RFパルスP2から時間Δt2iだけ離れており(i=1〜x)、勾配パルスG3jは、RFパルスP3から時間Δt3jだけ離れている(j=1〜y)。
(4d)勾配パルスG2iの面積S2iおよび時間Δt2i、勾配パルスG3jの面積S3jおよび時間Δt3jは、以下の式を満たしている。
【数3】
【0063】
図8に示すように、サブ期間B2にx個の勾配パルスが含まれており、サブ期間B3にy個の勾配パルスが含まれていれる場合は、勾配パルスG2iの面積の和をSとし、勾配パルスG3jの面積の和もSにすることによって(式(24)参照)、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。したがって、静止組織を高信号にすることができる。
【0064】
また、式(25)を満たすように、勾配パルスG2i、G3jの面積および時間を設定することによって、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。
【0065】
尚、上記のパルスシーケンスでは、データの収集が行われない期間Bが3つのサブ期間B1〜B3に区分けされた例について示されている。上記の説明を、データの収集が行われない期間Bがn個のサブ期間B1〜Bnに区分けされた場合に一般化して考えると、以下のように説明できる。
【0066】
図9は、データの収集が行われない期間Bがn個のサブ期間B1〜Bnに区分けされた場合の説明図である。
【0067】
図9のパルスシーケンスは、以下の条件5a〜5cを満たすように設定されている。
(条件5a) 1つのサブ期間には、1つの正の勾配パルス、又は複数の正の勾配パルスが含まれている。1つのサブ期間に1つの正の勾配パルスのみが含まれている場合、この正の勾配パルスの面積はSである。また、1つのサブ期間に複数の正の勾配パルスが含まれている場合、複数の正の勾配パルスの面積の総和がSとなる。図9では、説明の便宜上、p番目のサブ期間Bpに含まれている勾配パルスと、q番目のサブ期間Bqに含まれている勾配パルスのみを示しており、その他のサブ期間に含まれている勾配パルスは図示省略されている。p番目のサブ期間Bpには、x個の勾配パルスGpi(i=1〜x)が含まれており、q番目のサブ期間Bqには、y個の勾配パルスGqj(j=1〜y)が含まれている。勾配パルスGpiの面積を「Spi」(i=1〜x)、勾配パルスGqjの面積を「Sqj」とすると(j=1〜y)、SpiとSqjとの間には、以下の関係がある。
【数4】
(条件5b)勾配パルスGpiは、RFパルスPpから時間Δtpiだけ離れており(i=1〜x)、勾配パルスGqjは、RFパルスPqから時間Δtqjだけ離れている(j=1〜y)。
(条件5c)勾配パルスGpiの面積Spiおよび時間Δtpi、勾配パルスGqjの面積Sqjおよび時間Δtqjは、以下の式を満たしている。
【数5】
【0068】
図9に示すように、サブ期間Bpにx個の勾配パルスが含まれており、サブ期間Bqにy個の勾配パルスが含まれている場合は、勾配パルスGpiの面積の和をSとし、勾配パルスGqjの面積の和もSにすることによって(式(26)参照)、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。したがって、静止組織を高信号にすることができる。
【0069】
また、式(27)を満たすように、勾配パルスGpi、Gqjの面積および時間を設定することによって、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。
【0070】
尚、図9では、RFパルスが送信されていないときに勾配パルスが印加されているが、RFパルスが送信されているときに勾配パルスを印加してもよい(図10参照)。
【0071】
図10は、RFパルスが送信されているときに勾配パルスGp、Gp+1、Gq、Gq+1が印加される場合の説明図である。
【0072】
図10の場合は、勾配パルスGpのうち、p番目のサブ期間Bpに含まれている部分を、勾配パルスGp1と考え、勾配パルスGp+1のうち、p番目のサブ期間Bpに含まれている部分を、勾配パルスGpxと考える。また、勾配パルスGqのうち、q番目のサブ期間Bqに含まれている部分を、勾配パルスGq1と考え、勾配パルスGq+1のうち、q番目のサブ期間Bqに含まれている部分を、勾配パルスGqyと考える。そして、式(26)および(27)を満たすようにすればよい。
【0073】
以下に、図9、図10で示されるパルスシーケンスの具体的な例について、図11〜図16を参照しながら説明する。
【0074】
図11〜図15は、図9のパルスシーケンスの具体的な例であり、図16は、図10に示すパルスシーケンスの具体的な例である。以下に、図11〜図16のパルスシーケンスについて、順に説明する。
【0075】
図11では、サブ期間の勾配パルスが以下の条件を満たすように設定されている。
(条件6a)サブ期間B1には、2つの勾配パルスG11およびG12が含まれている。サブ期間B2には、2つの勾配パルスG21およびG22が含まれている。サブ期間B3には、2つの勾配パルスG31およびG32が含まれている。
(条件6b)サブ期間B1〜B3の各勾配パルスG11〜G32の面積S11〜S32は、以下の関係がある。
S11=S12=S21=S22=S31=S32=S/2
(条件6c)勾配パルスG11およびG12は、それぞれ、RFパルスP1から時間Δt11およびΔt12だけ離れている。勾配パルスG21およびG22は、それぞれ、RFパルスP2から時間Δt21およびΔt22だけ離れている。勾配パルスG31およびG32は、それぞれ、RFパルスP3から時間Δt31およびΔt32だけ離れている。
(条件6d)各勾配パルスG11〜G32の時間Δt11〜Δt32は、以下の関係がある。
Δt11≠Δt12≠Δt21≠Δt22≠Δt31≠Δt32
【0076】
図11では、各サブ期間の勾配パルスの面積の和は、S11+S12=S21+S22=S31+S32=Sに設定されているので、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。
【0077】
また、図11では、勾配パルスG11〜G32の面積は同じ値(S/2)に設定されている(条件6b)。この場合は、各勾配パルスG11〜G32の時間Δt11〜Δt32を、互いに異なる値に設定することによって(条件6d)、図9の式(27)を満たすことができる。したがって、血流のモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることができる。
次に、図12のパルスシーケンスについて説明する。図12では、サブ期間の勾配パルスが以下の条件を満たすように設定されている。
(条件7a)サブ期間B1には、1つの勾配パルスG11が含まれている。サブ期間B2には、2つの勾配パルスG21およびG22が含まれている。サブ期間B3には、2つの勾配パルスG31およびG32が含まれている。
(条件7b)勾配パルスG11〜G32の面積S11〜S32は、以下の関係がある。
S11=S21+S22=S31+S32=S
(条件7c)勾配パルスG11、G21、G31の面積S11、S21、S31は、以下の関係がある。
S11≠S21、S11≠S31、S21≠S31
また、勾配パルスG22、G32の面積S22、S32は、以下の関係がある。
S22≠S32
(条件7d)勾配パルスG11は、RFパルスP1から時間Δt11だけ離れている。勾配パルスG21およびG22は、それぞれ、RFパルスP2から時間Δt21およびΔt22だけ離れている。勾配パルスG31およびG32は、それぞれ、RFパルスP3から時間Δt31およびΔt32だけ離れている。
(条件7e)各勾配パルスG11〜G32の時間Δt11〜Δt32は、以下の関係がある。
Δt11=Δt21=Δt31=Δta
Δt22=Δt32=Δtb
Δta≠Δtb
【0078】
図12では、各サブ期間の勾配パルスの面積は、S11=S21+S22=S31+S32=Sを満たしているので(条件7b)、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。
【0079】
また、図12では、RFパルスから同じ時間Δta(Δtb)だけ離れている位置に、面積の異なる勾配パルスG11、G21、およびG31(G22およびG32)が設けられている(条件7c、条件7e)。このような条件を満たすことによって、図9の式(27)を満たすことができる。したがって、血流のモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることができる。
【0080】
尚、図11は、サブ期間B1〜B3に2つの勾配パルスが含まれている例を示しており、図12は、サブ期間B2およびB3に2つの勾配パルスが含まれている例を示している。しかし、サブ期間B1〜B3のうちの少なくとも1つのサブ期間に、3つ以上の勾配パルスが含まれるようにしてもよい。図13は、サブ期間B1〜B3に3つの勾配パルスが含まれている例を示しており、図14は、サブ期間B2およびB3に3つの勾配パルスが含まれている例を示している。このように、1つのサブ期間に3つ以上の勾配パルスを含めてもよい。
【0081】
次に、図15のパルスシーケンスについて説明する。図15では、サブ期間の勾配パルスが以下の条件を満たすように設定されている。
(条件8a)サブ期間B1には、2つの勾配パルスG11およびG12が含まれている。サブ期間B2には、2つの勾配パルスG21およびG22が含まれている。サブ期間B3には、2つの勾配パルスG31およびG32が含まれている。
(条件8b)サブ期間B1〜B3の各勾配パルスG11〜G32の面積S11〜S32は、以下の関係がある。
S11+S12=S21+S22=S31+S32=S
(条件8c)勾配パルスG11、G21、G31の面積S11、S21、S31は、以下の関係がある。
S11=S21=S31=Sa
また、勾配パルスG12、G22、G32の面積S12、S22、S32は、以下の関係がある。
S12=S22=S32=Sb
(条件8d)勾配パルスG11およびG12は、それぞれ、RFパルスP1から時間Δt11およびΔt12だけ離れている。勾配パルスG21およびG22は、それぞれ、RFパルスP2から時間Δt21およびΔt22だけ離れている。勾配パルスG31およびG32は、それぞれ、RFパルスP3から時間Δt31およびΔt32だけ離れている。
(条件8e)各勾配パルスG11〜G32の時間Δt11〜Δt32は、以下の関係がある。
Δt11≠Δt21、Δt11≠Δt31、Δt21≠Δt31
Δt12=Δt22=Δt32=Δt
【0082】
図15では、各サブ期間の勾配パルスの面積は、S11+S12=S21+S22=S31+S32=Sを満たしているので(条件8b)、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。
【0083】
また、図15では、勾配パルスG11、G21、G31は同じ面積Saに設定されている(条件7c)。この場合は、勾配パルスG11、G21、G31の時間Δt11、Δt21、およびΔt32を、互いに異なる値に設定することによって(条件8e)、図9の式(27)を満たすことができる。したがって、血流のモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることができる。
【0084】
また、勾配パルスG12、G22、G32を、RFパルスから同じ時間Δtだけずらすことによって(条件8e)、渦電流がRFパルスに与える影響を均一にすることができる。
【0085】
次に、図16に示すパルスシーケンスについて説明する。図16のパルスシーケンスは、RFパルスと同時に勾配パルスG1〜G4が印加されている。図16の場合は、勾配パルスG1のうち、1番目のサブ期間B1に含まれている部分を、勾配パルスG11と考え、勾配パルスG2のうち、1番目のサブ期間B1に含まれている部分を、勾配パルスG13と考える。また、勾配パルスG2のうち、2番目のサブ期間B2に含まれている部分を、勾配パルスG21と考え、勾配パルスG3のうち、2番目のサブ期間B2に含まれている部分を、勾配パルスG24と考える。更に、勾配パルスG3のうち、3番目のサブ期間B3に含まれている部分を、勾配パルスG31と考え、勾配パルスG4のうち、3番目のサブ期間B3に含まれている部分を、勾配パルスG34と考える。そして、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にし、血流のモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないように、勾配パルスG11〜G34の面積S11〜S34および時間Δt11〜Δt34を設定すればよい。
【0086】
また、上記のパルスシーケンスで使用されている勾配パルスは、正の勾配パルスである。しかし、正の勾配パルスの代わりに、負の勾配パルスを用いてもよい。
【0087】
尚、上記のパルスシーケンスは、1軸に印加される勾配パルスのみが示されている。次に、3軸に勾配パルスを印加する例について説明する。
【0088】
図17は、3軸に勾配パルスを印加するときのパルスシーケンスの一例の説明図である。
【0089】
図17には、3DFSEのパルスシーケンスの例が示されている。図17のパルスシーケンスでは、スライスエンコード方向および周波数エンコード方向に関しては、正の勾配パルスのみを用いて、静止組織に関するモーメントの累計MStをMSt=0にし、血流のモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにしている。したがって、スライスエンコード方向および周波数エンコード方向のように、負の勾配パルスと正の勾配パルスとの組み合わせが使えない場合でも、血流信号を十分に低減させることができる。
【符号の説明】
【0090】
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 シーケンサ
6 送信器
7 勾配パルス電源
8 受信器
9 中央処理装置
10 操作部
11 表示部
12 被検体
21 ボア
22 超伝導コイル
23 勾配コイル
24 送信コイル
100 MR装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、勾配パルスを印加する磁気共鳴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血流信号を抑制する方法として、Black Blood(以下、「BB」と呼ぶ)法が知られている。BB法は、血管壁などの診断に有効な方法である。しかし、BB法を用いてT1コントラスト画像を取得する場合には、短時間で血流信号を抑制する必要がある。血流信号を抑制する方法として、特許文献1の方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4249215号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、負の勾配パルスと正の勾配パルスとを用いる必要がある。したがって、3D高速スピンエコー(3DFSE)のスライスエンコード方向や周波数エンコード方向のように、正の勾配パルスしか使えない場合には適用することができず、血流信号を十分に抑制することができないことがある。したがって、正の勾配パルスしか使えない場合でも、血流信号を十分に抑制できることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、データの収集が行われない第1の期間と、前記第1の期間の後にデータの収集が行われる第2の期間とを有するパルスシーケンスを実行する磁気共鳴装置であって、
前記パルスシーケンスは、以下の条件を満たす、磁気共鳴装置である。
(1)前記第1の期間は、隣接するRFパルスによって区切られたn個のサブ期間を含む
(2)前記n個のサブ期間の各々は、1つ以上の勾配パルスを含む
(3)前記n個のサブ期間に含まれている勾配パルスの極性は同じである
(4)1つのサブ期間に1つの勾配パルスが含まれている場合、前記1つの勾配パルスの面積はSであり、1つのサブ期間に複数の勾配パルスが含まれている場合、前記複数の勾配パルスの面積の総和はSである
(5)前記n個のサブ期間のうちのp番目のサブ期間は、x個の勾配パルスGpi(i=1〜x)を含み、前記n個のサブ期間のうちのq番目のサブ期間は、y個の勾配パルスGqj(j=1〜y)を含み、以下の関係式が成り立つ
【数1】
ここで、Spi:前記勾配パルスGpiの面積
Δtpi:前記p番目のサブ期間の開始時点に印加される第1のRFパルスと、前記勾配パルスGpiとの間の時間
Sqj:前記勾配パルスGqjの面積
Δtqj:前記q番目のサブ期間の開始時点に印加される第2のRFパルスと、前記勾配パルスGqjとの間の時間
【発明の効果】
【0006】
上記の条件を満たすことにより、勾配パルスが同じ極性であっても、血流信号を十分に抑制できることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
【図2】本形態におけるパルスシーケンスの一例の説明図である。
【図3】MBt=0に設定した場合のパルスシーケンスの例を示す図である。
【図4】式(1A)を満たすようにΔt11、Δt21、およびΔt31を設定した場合の一例を示す図である。
【図5】勾配パルスG11〜G31の高さが互いに異なっており、勾配パルスG11〜G31の幅も互いに異なっている場合のパルスシーケンスの一例の説明図である。
【図6】サブ期間B3に複数の勾配パルスが含まれている一例を示す図である。
【図7】サブ期間B2に複数の勾配パルスが含まれている一例を示す図である。
【図8】サブ期間B2にx個の勾配パルスが含まれており、サブ期間B3にy個の勾配パルスが含まれていれる場合の説明図である。
【図9】データの収集が行われない期間Bがn個のサブ期間B1〜Bnに区分けされた場合の説明図である。
【図10】RFパルスが送信されているときに勾配パルスGp、Gp+1、Gq、Gq+1が印加される場合の説明図である。
【図11】パルスシーケンスの一例を示す図である。
【図12】パルスシーケンスの一例を示す図である。
【図13】パルスシーケンスの一例を示す図である。
【図14】パルスシーケンスの一例を示す図である。
【図15】パルスシーケンスの一例を示す図である。
【図16】パルスシーケンスの一例を示す図である。
【図17】3軸に勾配パルスを印加するときのパルスシーケンスの一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0009】
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)100は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
【0010】
マグネット2は、被検体12が収容されるボア21と、超伝導コイル22と、勾配コイル23と、送信コイル24とを有している。超伝導コイル22は静磁場を印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加し、送信コイル24はRFパルスを送信する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
【0011】
テーブル3は、クレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体12はボア21に搬送される。
【0012】
受信コイル4は、被検体12の頭部から頸部に渡って取り付けられている。受信コイル4は、被検体12からの磁気共鳴信号を受信する。
【0013】
MR装置100は、更に、シーケンサ5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8、中央処理装置9、操作部10、および表示部11を有している。
【0014】
シーケンサ5は、中央処理装置9の制御を受けて、パルスシーケンスの情報を送信器6および勾配磁場電源7に送る。
【0015】
送信器6は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、RFコイル24を駆動する駆動信号を出力する。
【0016】
勾配磁場電源7は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、勾配コイル23を駆動する駆動信号を出力する。
【0017】
受信器8は、受信コイル4で受信された磁気共鳴信号を信号処理し、信号処理により得たれたデータを中央処理装置9に出力する。
【0018】
中央処理装置9は、シーケンサ5および表示部11に必要な情報を伝送したり、受信器8から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。中央処理装置9は、例えばコンピュータ(computer)によって構成される。
【0019】
操作部10は、オペレータにより操作され、種々の情報を中央処理装置9に入力する。表示部11は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
【0020】
次に、本形態において血流信号が抑制されたデータを取得するときのパルスシーケンスについて、図2〜図11を参照しながら説明する。
【0021】
図2は、本形態におけるパルスシーケンスの一例の説明図である。
パルスシーケンスは、3つの期間A〜Cを有している。
【0022】
期間Aは、励起パルスP0とRFパルスP1とによって規定される期間である。期間Bは、データの収集が行われない期間であり、RFパルスP1とP4によって規定されている。更に、データの収集が行われない期間Bは、RFパルスP1〜P4によって3つのサブ期間B1〜B3に区分けされる。期間Cは、被検体のデータの収集が行われるデータ収集期間である。
【0023】
また、期間A〜期間Cでは、勾配パルスG0〜Gacqが印加される。勾配パルスG0〜Gacqは、以下の条件1a〜1dを満たすように設定されている。
(条件1a)勾配パルスG0〜Gacqは正のパルスである。
(条件1b)勾配パルスG11、G21、G31の面積S11、S21、S31は以下の関係がある。
S11=S21=S31=S
(条件1c)勾配パルスG0、Gacqの面積S0、Sacqは以下の関係がある。
S0=Sacq=S/2
(条件1d)勾配パルスG11、G21、およびG31は、同じ高さHであり、同じ幅Wである。
(条件1e)勾配パルスG0は、励起パルスP0から時間Δt0だけ離れている。勾配パルスG11は、RFパルスP1から時間Δt11だけ離れている。勾配パルスG21は、RFパルスP2から時間Δt21だけ離れている。勾配パルスG31は、RFパルスP3から時間Δt31だけ離れている。勾配パルスGacqは、RFパルスP4から時間Δtacqだけ離れている。
(条件1f)勾配パルスG11の時間Δt11、勾配パルスG21の時間Δt21、および勾配パルスG31の時間Δt31は、以下の関係を満たしている。
Δt11≠Δt21、 Δt11≠Δt31、 Δt21≠Δt31 ・・・(1)
【0024】
次に、励起パルスP0の送信時点t0からデータ収集時点tacqまでの間に静止組織が勾配パルスから受けるモーメントの累計と、励起パルスP0の送信時点t0からデータ収集時点tacqまでの間に血流が勾配パルスから受けるモーメントの累計について、順に説明する。
【0025】
(1)励起パルスP0の送信時点t0からデータ収集時点tacqまでの間に静止組織が勾配パルスから受けるモーメントの累計について
【0026】
先ず、期間Aの間に静止組織が勾配パルスG0から受けるモーメントMSAについて説明する。勾配パルスG0の面積は「S0」であるので、モーメントMSAは、以下の式で表される。
MSA=S0・rS ・・・(2)
ここで、rS:静止組織の磁化の位置
【0027】
次に、データの収集が行われない期間Bの間の勾配パルスによって静止組織が受けるモーメントについて説明する。データの収集が行われない期間Bは、3つのサブ期間B1〜B3を有しているので、各サブ期間の勾配パルスごとに、静止組織が受けるモーメントについて説明する。
【0028】
先ず、サブ期間B1の勾配パルスG11によって静止組織が受けるモーメントにMSB1について説明する。勾配パルスG11の面積は「S11」であり、静止組織の位置は時間変化しない。したがって、モーメントMSB1は、以下の式で表される。
MSB1=S11・rS ・・・(3)
ここで、rS:静止組織の磁化の位置
【0029】
以下同様に、サブ期間B2の勾配パルスG21によって静止組織が受けるモーメントMSB2、およびサブ期間B3の勾配パルスG31によって静止組織が受けるモーメントMSB3は、以下の式で表される。
MSB2=S21・rS ・・・(4)
MSB3=S31・rS ・・・(5)
【0030】
最後に、期間Cacqの勾配パルスGacqによって静止組織が受けるモーメントMSacqについて説明する。勾配パルスGacqの面積は「Sacq」であるので、モーメントMSacqは、以下の式で表される。
MSacq=Sacq・rS ・・・(6)
【0031】
したがって、励起パルスP0の送信時点t0からデータ収集時点tacqまでの間に静止組織が勾配パルスから受けるモーメントの累計MStは、RFパルスP1〜P4によってモーメントが反転することを考慮すると、以下の式で表される。
MSt=−MSA+MSB1−MSB2+MSB3−MSacq
=−(S0・rS)+(S11・rS)−(S21・rS)
+(S31・rS)−(Sacq・rS)
=0 (∵条件1bおよび1c) ・・・(7)
【0032】
したがって、データ収集時点tacqにおいて静止組織の位相を揃えることができるので、静止組織を高信号にすることができる。
【0033】
(2)励起パルスP0の送信時点t0からデータ収集時点tacqまでの間に血流が勾配パルスから受けるモーメントの累計について
【0034】
先ず、期間Aの間に血流が勾配パルスG0から受けるモーメントMBAについて説明する。勾配パルスG0の面積は「S0」であるので、モーメントMBAは、以下の式で表される。
MBA=S0・r_t01 ・・・(8)
ここで、r_t01:勾配パルスG0が印加された時点t01おける血流の磁化の位置
【0035】
血流が一定速度v0で等速直線運動をすると仮定すると、r_t01は、以下の式で表される。
r_t01=r0+v0・t01
=r0+v0・(t0+Δt0) ・・・(9)
ここで、r0:血流の初期位置
【0036】
式(9)を式(8)に代入すると、期間Aの間に血流が勾配パルスG0から受けるモーメントMBAは、以下の式で表される。
MBA=S0・r_t01
=S0・{r0+v0・(t0+Δt0)}・・・(10)
【0037】
次に、サブ期間B1の勾配パルスG11によって血流が受けるモーメントMBB1について説明する。勾配パルスG11の面積は「S11」であるので、モーメントMBAは、以下の式で表される。
MBB1=S11・r_t11 ・・・(11)
ここで、r_t11:勾配パルスG11が印加された時点t11おける血流の磁化の位置
【0038】
血流が一定速度v0で等速直線運動をすると仮定すると、r_t11は、以下の式で表される。
r_t11=r0+v0・t11 ・・・(12)
【0039】
式(12)を式(11)に代入すると、サブ期間B1の間に血流が勾配パルスG11から受けるモーメントMBB1は、以下の式で表される。
MBB1=S11・r_t11
=S11・(r0+v0・t11)・・・(13)
【0040】
以下同様に、サブ期間B2の勾配パルスG21によって血流が受けるモーメントMBB2、サブ期間B3の勾配パルスG31によって血流が受けるモーメントMBB3は、以下の式で表される。
MBB2=S21・(r0+v0・t21)・・・(14)
MBB3=S31・(r0+v0・t31)・・・(15)
【0041】
また、期間Cacqの勾配パルスGacqによって血流が受けるモーメントMBacqは、以下の式で表される。
MBacq=Sacq・(r0+v0・t41)
=Sacq・{r0+v0・(tacq−Δtacq)} ・・・(16)
【0042】
したがって、血流が受けるモーメントの累計MBtは、式(10)、(13)、(14)、(15)、(16)を用いて、以下の式で表される。
MBt=−MBA+MBB1−MBB2+MBB3−MBacq
=−S0・{r0+v0・(t0+Δt0)}
+S11・(r0+v0・t11)
−S21・(r0+v0・t21)
+S31・(r0+v0・t31)
−Sacq・{r0+v0・(tacq−Δtacq)} ・・・(17)
【0043】
S11=S21=S31=S(条件1b)、およびS0=Sacq=S/2(条件1c)であるので、式(17)は、以下の式に簡略化できる。
MBt=S・v0・(−t0/2+t11−t21+t31−tacq/2
+Δt0/2−Δtacq/2) ・・・・・・・(18)
【0044】
ここで、Δt0=Δtacqとすると、式(18)は、以下の式で表される。
MBt=S・v0・(−t0/2+t11−t21+t31−tacq/2)
・・・・・(19)
【0045】
MBt=0になると、等速直線運動をする磁化の信号はデータ収集時点tacqにおいて位相がそろい、血流の信号を抑制することができない。図3に、MBt=0に設定した場合のパルスシーケンスの例を示す。図3では、勾配パルスG11、G21、G31のΔt11、Δt21、およびΔt31が、Δt11=Δt21=Δt31=Δtになるように設定されている。この場合、MBt=0となるので、等速直線運動する血流の信号を十分に抑制することができない。
【0046】
そこで、血流の信号を十分に抑制するために、図2のパルスシーケンスでは、条件1fの式(1)を満たすように、時間Δt11、Δt21、およびΔt31が設定されている。このように時間Δt11、Δt21、およびΔt31を設定することによって、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。したがって、データ収集時点tacqにおいて血流の位相を分散させることができ、血流の信号を抑制することができる。
【0047】
また、図2のパルスシーケンスでは、Δt11、Δt21、およびΔt31は、式(1)の関係を満たすように設定されているが、式(1)の代わりに、以下の式(1A)を満たすように設定されていてもよい。
Δt11=Δt21≠Δt31 ・・・(1A)
【0048】
図4には、式(1A)を満たすようにΔt11、Δt21、およびΔt31を設定した場合の一例が示されている。このように、Δt11=Δt21であっても、Δt21≠Δt31(Δt11≠Δt31)であれば、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。したがって、血流の信号を抑制することができる。尚、式(1A)の代わりに、以下の式(1B)を満たすように設定してもよい
Δt11≠Δt21=Δt31 ・・・(1B)
【0049】
式(1B)の場合、Δt21=Δt31であるが、Δt11≠Δt21(Δt11≠Δt31)であるので、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。
【0050】
また、上記のパルスシーケンスでは、データの収集が行われない期間Bの勾配パルスG11〜G31は、同じ高さHに設定され、且つ同じ幅Wに設定されている(条件1d)。しかし、条件1dは満たしていなくてもよい。図5に、条件1dを満たしていないパルスシーケンスの一例を示す。
【0051】
図5では、勾配パルスG11〜G31の高さは互いに異なっており、勾配パルスG11〜G31の幅も互いに異なっている。しかし、勾配パルスG11〜G31の面積は、図2と同じく「S」であるので、条件1fの式(1)が成り立つ。したがって、血流の信号を抑制することができる。
【0052】
尚、上記のパルスシーケンスでは、サブ期間B3には、勾配パルスが一つのみであるが、複数の勾配パルスが含まれていてもよい(図6参照)。
【0053】
図6は、サブ期間B3に複数の勾配パルスが含まれている一例を示す図である。
図6では、図4に示すパルスシーケンスと比較すると、以下の点が異なっている。
(2a)サブ期間B3には、2つの勾配パルスG31およびG32が含まれている。
(2b)勾配パルスG31の面積を「S31」、勾配パルスG32の面積を「S32」とすると、S31とS32との間には、以下の関係がある。
S=S31+S32 ・・・(20)
(2c)勾配パルスG31は、RFパルスP3から時間Δt31だけ離れている。勾配パルスG32は、RFパルスP3から時間Δt32だけ離れている。
(2d)勾配パルスG21の面積S21および時間Δt21、勾配パルスG31の面積S31および時間Δt31、勾配パルスG32の面積S32および時間Δt32は、以下の式を満たしている。
S21・Δt21≠S31・Δt31+S32・Δt32 ・・・(21)
【0054】
図6に示すように、サブ期間B3に2つの勾配パルスG31およびG32が含まれている場合は、勾配パルスG31およびG32の面積の和をSにすることによって(式(20)参照)、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。したがって、静止組織を高信号にすることができる。
【0055】
また、式(21)を満たすように、勾配パルスG31およびG32の面積および時間を設定することによって、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。
【0056】
図6では、サブ期間B2には、勾配パルスが一つのみ含まれているが、複数の勾配パルスが含まれていてもよい(図7参照)。
【0057】
図7は、サブ期間B2に複数の勾配パルスが含まれている一例を示す図である。
図7では、図6に示すパルスシーケンスと比較すると、以下の点が異なっている。
(3a)サブ期間B2には、2つの勾配パルスG21およびG22が含まれている。
(3b)勾配パルスG21の面積を「S21」、勾配パルスG22の面積を「S22」とすると、S21とS22との間には、以下の関係がある。
S21+S22=S ・・・(22)
(3c)勾配パルスG21は、RFパルスP2から時間Δt21だけ離れている。勾配パルスG22は、RFパルスP2から時間Δt22だけ離れている。
(3d)勾配パルスG21の面積S21および時間Δt21、勾配パルスG22の面積S22および時間Δt22、勾配パルスG31の面積S31および時間Δt31、勾配パルスG32の面積S32および時間Δt32は、以下の式を満たしている。
S21・Δt21+S22・Δt22≠S31・Δt31+S32・Δt32 ・・・(23)
【0058】
図7に示すように、両方のサブ期間B2およびB3に2つの勾配パルスが含まれている場合は、勾配パルスG21およびG22の面積の和もSにすることによって(式(22)参照)、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。したがって、静止組織を高信号にすることができる。
【0059】
また、式(23)を満たすように、勾配パルスG21、G22、G31、およびG32の面積および時間を設定することによって、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。
【0060】
図7では、サブ期間B2およびB3に2つの勾配パルスが含まれている例について示されている。図7の説明を、サブ期間B2にx個の勾配パルスが含まれており、サブ期間B3にy個の勾配パルスが含まれていれる場合に一般化して考えると、以下のように説明できる。
【0061】
図8は、サブ期間B2にx個の勾配パルスが含まれており、サブ期間B3にy個の勾配パルスが含まれていれる場合の説明図である。
【0062】
図8では、図7に示すパルスシーケンスと比較すると、以下の点が異なっている。
(4a)サブ期間B2には、x個の勾配パルスG2i(i=1〜x)が含まれており、サブ期間B3には、y個の勾配パルスG3j(j=1〜y)が含まれている。
(4b)勾配パルスG2iの面積を「S2i」(i=1〜x)、勾配パルスG3jの面積を「S3j」(j=1〜y)とすると、S2iとS3jとの間には、以下の関係がある。
【数2】
(4c)勾配パルスG2iは、RFパルスP2から時間Δt2iだけ離れており(i=1〜x)、勾配パルスG3jは、RFパルスP3から時間Δt3jだけ離れている(j=1〜y)。
(4d)勾配パルスG2iの面積S2iおよび時間Δt2i、勾配パルスG3jの面積S3jおよび時間Δt3jは、以下の式を満たしている。
【数3】
【0063】
図8に示すように、サブ期間B2にx個の勾配パルスが含まれており、サブ期間B3にy個の勾配パルスが含まれていれる場合は、勾配パルスG2iの面積の和をSとし、勾配パルスG3jの面積の和もSにすることによって(式(24)参照)、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。したがって、静止組織を高信号にすることができる。
【0064】
また、式(25)を満たすように、勾配パルスG2i、G3jの面積および時間を設定することによって、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。
【0065】
尚、上記のパルスシーケンスでは、データの収集が行われない期間Bが3つのサブ期間B1〜B3に区分けされた例について示されている。上記の説明を、データの収集が行われない期間Bがn個のサブ期間B1〜Bnに区分けされた場合に一般化して考えると、以下のように説明できる。
【0066】
図9は、データの収集が行われない期間Bがn個のサブ期間B1〜Bnに区分けされた場合の説明図である。
【0067】
図9のパルスシーケンスは、以下の条件5a〜5cを満たすように設定されている。
(条件5a) 1つのサブ期間には、1つの正の勾配パルス、又は複数の正の勾配パルスが含まれている。1つのサブ期間に1つの正の勾配パルスのみが含まれている場合、この正の勾配パルスの面積はSである。また、1つのサブ期間に複数の正の勾配パルスが含まれている場合、複数の正の勾配パルスの面積の総和がSとなる。図9では、説明の便宜上、p番目のサブ期間Bpに含まれている勾配パルスと、q番目のサブ期間Bqに含まれている勾配パルスのみを示しており、その他のサブ期間に含まれている勾配パルスは図示省略されている。p番目のサブ期間Bpには、x個の勾配パルスGpi(i=1〜x)が含まれており、q番目のサブ期間Bqには、y個の勾配パルスGqj(j=1〜y)が含まれている。勾配パルスGpiの面積を「Spi」(i=1〜x)、勾配パルスGqjの面積を「Sqj」とすると(j=1〜y)、SpiとSqjとの間には、以下の関係がある。
【数4】
(条件5b)勾配パルスGpiは、RFパルスPpから時間Δtpiだけ離れており(i=1〜x)、勾配パルスGqjは、RFパルスPqから時間Δtqjだけ離れている(j=1〜y)。
(条件5c)勾配パルスGpiの面積Spiおよび時間Δtpi、勾配パルスGqjの面積Sqjおよび時間Δtqjは、以下の式を満たしている。
【数5】
【0068】
図9に示すように、サブ期間Bpにx個の勾配パルスが含まれており、サブ期間Bqにy個の勾配パルスが含まれている場合は、勾配パルスGpiの面積の和をSとし、勾配パルスGqjの面積の和もSにすることによって(式(26)参照)、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。したがって、静止組織を高信号にすることができる。
【0069】
また、式(27)を満たすように、勾配パルスGpi、Gqjの面積および時間を設定することによって、血流に関するモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることが可能となる。
【0070】
尚、図9では、RFパルスが送信されていないときに勾配パルスが印加されているが、RFパルスが送信されているときに勾配パルスを印加してもよい(図10参照)。
【0071】
図10は、RFパルスが送信されているときに勾配パルスGp、Gp+1、Gq、Gq+1が印加される場合の説明図である。
【0072】
図10の場合は、勾配パルスGpのうち、p番目のサブ期間Bpに含まれている部分を、勾配パルスGp1と考え、勾配パルスGp+1のうち、p番目のサブ期間Bpに含まれている部分を、勾配パルスGpxと考える。また、勾配パルスGqのうち、q番目のサブ期間Bqに含まれている部分を、勾配パルスGq1と考え、勾配パルスGq+1のうち、q番目のサブ期間Bqに含まれている部分を、勾配パルスGqyと考える。そして、式(26)および(27)を満たすようにすればよい。
【0073】
以下に、図9、図10で示されるパルスシーケンスの具体的な例について、図11〜図16を参照しながら説明する。
【0074】
図11〜図15は、図9のパルスシーケンスの具体的な例であり、図16は、図10に示すパルスシーケンスの具体的な例である。以下に、図11〜図16のパルスシーケンスについて、順に説明する。
【0075】
図11では、サブ期間の勾配パルスが以下の条件を満たすように設定されている。
(条件6a)サブ期間B1には、2つの勾配パルスG11およびG12が含まれている。サブ期間B2には、2つの勾配パルスG21およびG22が含まれている。サブ期間B3には、2つの勾配パルスG31およびG32が含まれている。
(条件6b)サブ期間B1〜B3の各勾配パルスG11〜G32の面積S11〜S32は、以下の関係がある。
S11=S12=S21=S22=S31=S32=S/2
(条件6c)勾配パルスG11およびG12は、それぞれ、RFパルスP1から時間Δt11およびΔt12だけ離れている。勾配パルスG21およびG22は、それぞれ、RFパルスP2から時間Δt21およびΔt22だけ離れている。勾配パルスG31およびG32は、それぞれ、RFパルスP3から時間Δt31およびΔt32だけ離れている。
(条件6d)各勾配パルスG11〜G32の時間Δt11〜Δt32は、以下の関係がある。
Δt11≠Δt12≠Δt21≠Δt22≠Δt31≠Δt32
【0076】
図11では、各サブ期間の勾配パルスの面積の和は、S11+S12=S21+S22=S31+S32=Sに設定されているので、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。
【0077】
また、図11では、勾配パルスG11〜G32の面積は同じ値(S/2)に設定されている(条件6b)。この場合は、各勾配パルスG11〜G32の時間Δt11〜Δt32を、互いに異なる値に設定することによって(条件6d)、図9の式(27)を満たすことができる。したがって、血流のモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることができる。
次に、図12のパルスシーケンスについて説明する。図12では、サブ期間の勾配パルスが以下の条件を満たすように設定されている。
(条件7a)サブ期間B1には、1つの勾配パルスG11が含まれている。サブ期間B2には、2つの勾配パルスG21およびG22が含まれている。サブ期間B3には、2つの勾配パルスG31およびG32が含まれている。
(条件7b)勾配パルスG11〜G32の面積S11〜S32は、以下の関係がある。
S11=S21+S22=S31+S32=S
(条件7c)勾配パルスG11、G21、G31の面積S11、S21、S31は、以下の関係がある。
S11≠S21、S11≠S31、S21≠S31
また、勾配パルスG22、G32の面積S22、S32は、以下の関係がある。
S22≠S32
(条件7d)勾配パルスG11は、RFパルスP1から時間Δt11だけ離れている。勾配パルスG21およびG22は、それぞれ、RFパルスP2から時間Δt21およびΔt22だけ離れている。勾配パルスG31およびG32は、それぞれ、RFパルスP3から時間Δt31およびΔt32だけ離れている。
(条件7e)各勾配パルスG11〜G32の時間Δt11〜Δt32は、以下の関係がある。
Δt11=Δt21=Δt31=Δta
Δt22=Δt32=Δtb
Δta≠Δtb
【0078】
図12では、各サブ期間の勾配パルスの面積は、S11=S21+S22=S31+S32=Sを満たしているので(条件7b)、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。
【0079】
また、図12では、RFパルスから同じ時間Δta(Δtb)だけ離れている位置に、面積の異なる勾配パルスG11、G21、およびG31(G22およびG32)が設けられている(条件7c、条件7e)。このような条件を満たすことによって、図9の式(27)を満たすことができる。したがって、血流のモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることができる。
【0080】
尚、図11は、サブ期間B1〜B3に2つの勾配パルスが含まれている例を示しており、図12は、サブ期間B2およびB3に2つの勾配パルスが含まれている例を示している。しかし、サブ期間B1〜B3のうちの少なくとも1つのサブ期間に、3つ以上の勾配パルスが含まれるようにしてもよい。図13は、サブ期間B1〜B3に3つの勾配パルスが含まれている例を示しており、図14は、サブ期間B2およびB3に3つの勾配パルスが含まれている例を示している。このように、1つのサブ期間に3つ以上の勾配パルスを含めてもよい。
【0081】
次に、図15のパルスシーケンスについて説明する。図15では、サブ期間の勾配パルスが以下の条件を満たすように設定されている。
(条件8a)サブ期間B1には、2つの勾配パルスG11およびG12が含まれている。サブ期間B2には、2つの勾配パルスG21およびG22が含まれている。サブ期間B3には、2つの勾配パルスG31およびG32が含まれている。
(条件8b)サブ期間B1〜B3の各勾配パルスG11〜G32の面積S11〜S32は、以下の関係がある。
S11+S12=S21+S22=S31+S32=S
(条件8c)勾配パルスG11、G21、G31の面積S11、S21、S31は、以下の関係がある。
S11=S21=S31=Sa
また、勾配パルスG12、G22、G32の面積S12、S22、S32は、以下の関係がある。
S12=S22=S32=Sb
(条件8d)勾配パルスG11およびG12は、それぞれ、RFパルスP1から時間Δt11およびΔt12だけ離れている。勾配パルスG21およびG22は、それぞれ、RFパルスP2から時間Δt21およびΔt22だけ離れている。勾配パルスG31およびG32は、それぞれ、RFパルスP3から時間Δt31およびΔt32だけ離れている。
(条件8e)各勾配パルスG11〜G32の時間Δt11〜Δt32は、以下の関係がある。
Δt11≠Δt21、Δt11≠Δt31、Δt21≠Δt31
Δt12=Δt22=Δt32=Δt
【0082】
図15では、各サブ期間の勾配パルスの面積は、S11+S12=S21+S22=S31+S32=Sを満たしているので(条件8b)、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にすることができる。
【0083】
また、図15では、勾配パルスG11、G21、G31は同じ面積Saに設定されている(条件7c)。この場合は、勾配パルスG11、G21、G31の時間Δt11、Δt21、およびΔt32を、互いに異なる値に設定することによって(条件8e)、図9の式(27)を満たすことができる。したがって、血流のモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにすることができる。
【0084】
また、勾配パルスG12、G22、G32を、RFパルスから同じ時間Δtだけずらすことによって(条件8e)、渦電流がRFパルスに与える影響を均一にすることができる。
【0085】
次に、図16に示すパルスシーケンスについて説明する。図16のパルスシーケンスは、RFパルスと同時に勾配パルスG1〜G4が印加されている。図16の場合は、勾配パルスG1のうち、1番目のサブ期間B1に含まれている部分を、勾配パルスG11と考え、勾配パルスG2のうち、1番目のサブ期間B1に含まれている部分を、勾配パルスG13と考える。また、勾配パルスG2のうち、2番目のサブ期間B2に含まれている部分を、勾配パルスG21と考え、勾配パルスG3のうち、2番目のサブ期間B2に含まれている部分を、勾配パルスG24と考える。更に、勾配パルスG3のうち、3番目のサブ期間B3に含まれている部分を、勾配パルスG31と考え、勾配パルスG4のうち、3番目のサブ期間B3に含まれている部分を、勾配パルスG34と考える。そして、静止組織に関するモーメントの累計MStを、MSt=0にし、血流のモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないように、勾配パルスG11〜G34の面積S11〜S34および時間Δt11〜Δt34を設定すればよい。
【0086】
また、上記のパルスシーケンスで使用されている勾配パルスは、正の勾配パルスである。しかし、正の勾配パルスの代わりに、負の勾配パルスを用いてもよい。
【0087】
尚、上記のパルスシーケンスは、1軸に印加される勾配パルスのみが示されている。次に、3軸に勾配パルスを印加する例について説明する。
【0088】
図17は、3軸に勾配パルスを印加するときのパルスシーケンスの一例の説明図である。
【0089】
図17には、3DFSEのパルスシーケンスの例が示されている。図17のパルスシーケンスでは、スライスエンコード方向および周波数エンコード方向に関しては、正の勾配パルスのみを用いて、静止組織に関するモーメントの累計MStをMSt=0にし、血流のモーメントの累計MBtが0(ゼロ)にならないようにしている。したがって、スライスエンコード方向および周波数エンコード方向のように、負の勾配パルスと正の勾配パルスとの組み合わせが使えない場合でも、血流信号を十分に低減させることができる。
【符号の説明】
【0090】
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 シーケンサ
6 送信器
7 勾配パルス電源
8 受信器
9 中央処理装置
10 操作部
11 表示部
12 被検体
21 ボア
22 超伝導コイル
23 勾配コイル
24 送信コイル
100 MR装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの収集が行われない第1の期間と、前記第1の期間の後にデータの収集が行われる第2の期間とを有するパルスシーケンスを実行する磁気共鳴装置であって、
前記パルスシーケンスは、以下の条件を満たす、磁気共鳴装置。
(1)前記第1の期間は、隣接するRFパルスによって区切られたn個のサブ期間を含む
(2)前記n個のサブ期間の各々は、1つ以上の勾配パルスを含む
(3)前記n個のサブ期間に含まれている勾配パルスの極性は同じである
(4)1つのサブ期間に1つの勾配パルスが含まれている場合、前記1つの勾配パルスの面積はSであり、1つのサブ期間に複数の勾配パルスが含まれている場合、前記複数の勾配パルスの面積の総和はSである
(5)前記n個のサブ期間のうちのp番目のサブ期間は、x個の勾配パルスGpi(i=1〜x)を含み、前記n個のサブ期間のうちのq番目のサブ期間は、y個の勾配パルスGqj(j=1〜y)を含み、以下の関係式が成り立つ
【数6】
ここで、Spi:前記勾配パルスGpiの面積
Δtpi:前記p番目のサブ期間の開始時点に印加される第1のRFパルスと、前記勾配パルスGpiとの間の時間
Sqj:前記勾配パルスGqjの面積
Δtqj:前記q番目のサブ期間の開始時点に印加される第2のRFパルスと、前記勾配パルスGqjとの間の時間
【請求項2】
前記x個の勾配パルスは、前記第1のRFパルスから第1の時間だけ離れた第1の勾配パルスを含んでおり、
前記y個の勾配パルスは、前記第2のRFパルスから第2の時間だけ離れた第2の勾配パルスを含んでおり、
前記第1の勾配パルスの面積と、前記第2の勾配パルスの面積は同じであり、
前記第1の時間と前記第2の時間は異なっている、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
【請求項3】
前記第1の勾配パルスの高さおよび幅は、前記第2の勾配パルスの高さおよび幅に等しい、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項4】
前記第1の勾配パルスの高さおよび幅が、前記第2の勾配パルスの高さおよび幅とは異なっている、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項5】
前記x個の勾配パルスは、前記第1のRFパルスから第1の時間だけ離れた第1の勾配パルスを含んでおり、
前記y個の勾配パルスは、前記第2のRFパルスから前記第1の時間だけ離れた第2の勾配パルスを含んでおり、
前記第1の勾配パルスの面積と、前記第2の勾配パルスの面積は異なっている、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
【請求項6】
前記p番目のサブ期間には、1個の勾配パルスが含まれ、前記q番目のサブ期間には、複数個の勾配パルスが含まれている、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項7】
前記p番目のサブ期間には、1個の勾配パルスが含まれ、前記q番目のサブ期間にも、1個の勾配パルスが含まれている、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項8】
前記p番目のサブ期間には、前記第1のRFパルスと同時に印加される勾配パルスの一部が含まれている、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項9】
前記q番目のサブ期間には、前記第2のRFパルスと同時に印加される勾配パルスの一部が含まれている、請求項8に記載の磁気共鳴装置。
【請求項10】
前記条件を満たす勾配パルスは、周波数エンコード方向、又はスライスエンコード方向に印加される、請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項1】
データの収集が行われない第1の期間と、前記第1の期間の後にデータの収集が行われる第2の期間とを有するパルスシーケンスを実行する磁気共鳴装置であって、
前記パルスシーケンスは、以下の条件を満たす、磁気共鳴装置。
(1)前記第1の期間は、隣接するRFパルスによって区切られたn個のサブ期間を含む
(2)前記n個のサブ期間の各々は、1つ以上の勾配パルスを含む
(3)前記n個のサブ期間に含まれている勾配パルスの極性は同じである
(4)1つのサブ期間に1つの勾配パルスが含まれている場合、前記1つの勾配パルスの面積はSであり、1つのサブ期間に複数の勾配パルスが含まれている場合、前記複数の勾配パルスの面積の総和はSである
(5)前記n個のサブ期間のうちのp番目のサブ期間は、x個の勾配パルスGpi(i=1〜x)を含み、前記n個のサブ期間のうちのq番目のサブ期間は、y個の勾配パルスGqj(j=1〜y)を含み、以下の関係式が成り立つ
【数6】
ここで、Spi:前記勾配パルスGpiの面積
Δtpi:前記p番目のサブ期間の開始時点に印加される第1のRFパルスと、前記勾配パルスGpiとの間の時間
Sqj:前記勾配パルスGqjの面積
Δtqj:前記q番目のサブ期間の開始時点に印加される第2のRFパルスと、前記勾配パルスGqjとの間の時間
【請求項2】
前記x個の勾配パルスは、前記第1のRFパルスから第1の時間だけ離れた第1の勾配パルスを含んでおり、
前記y個の勾配パルスは、前記第2のRFパルスから第2の時間だけ離れた第2の勾配パルスを含んでおり、
前記第1の勾配パルスの面積と、前記第2の勾配パルスの面積は同じであり、
前記第1の時間と前記第2の時間は異なっている、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
【請求項3】
前記第1の勾配パルスの高さおよび幅は、前記第2の勾配パルスの高さおよび幅に等しい、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項4】
前記第1の勾配パルスの高さおよび幅が、前記第2の勾配パルスの高さおよび幅とは異なっている、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項5】
前記x個の勾配パルスは、前記第1のRFパルスから第1の時間だけ離れた第1の勾配パルスを含んでおり、
前記y個の勾配パルスは、前記第2のRFパルスから前記第1の時間だけ離れた第2の勾配パルスを含んでおり、
前記第1の勾配パルスの面積と、前記第2の勾配パルスの面積は異なっている、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
【請求項6】
前記p番目のサブ期間には、1個の勾配パルスが含まれ、前記q番目のサブ期間には、複数個の勾配パルスが含まれている、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項7】
前記p番目のサブ期間には、1個の勾配パルスが含まれ、前記q番目のサブ期間にも、1個の勾配パルスが含まれている、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項8】
前記p番目のサブ期間には、前記第1のRFパルスと同時に印加される勾配パルスの一部が含まれている、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項9】
前記q番目のサブ期間には、前記第2のRFパルスと同時に印加される勾配パルスの一部が含まれている、請求項8に記載の磁気共鳴装置。
【請求項10】
前記条件を満たす勾配パルスは、周波数エンコード方向、又はスライスエンコード方向に印加される、請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−70795(P2013−70795A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211324(P2011−211324)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
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