説明

磁気冷凍材料および磁気冷凍材料の製造方法

【課題】 割れ等の発生を抑制できる磁気冷凍材料および磁気冷凍材料の製造方法を提供する。
【解決手段】 214μm以下に微粉化した磁気冷凍材料薄片13を放電プラズマ焼結(SPS)により加圧および加熱し、バルク形状の磁気冷凍材料17を成型した。焼結の工程において、材料に加える面圧は約42MPaとし、焼結温度は1100℃とした。焼結後の磁気冷凍材料の充填率は95%、α‐Feは、2wt%となった。このような磁気冷凍材料は、加工時に砕けたりすることがなく所望の形状となり、また、水素吸蔵時の割れの発生が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調、冷蔵、冷凍などに利用される冷凍サイクルに用いられる磁気冷凍材料に関する。
【背景技術】
【0002】
環境配慮型の冷凍技術として、クリーンでエネルギー効率の高い磁気冷凍技術の研究が進められている。磁気冷凍は磁性体である磁気冷凍材料に外部から磁場を加えて磁気冷凍材料に磁気熱量効果を発現させるものであり、磁気冷凍材料としてLa(Fe,Si)13系材料が高い磁気熱量効果を発現することが知られている(特許文献1参照)。上記磁気冷凍材料は水素を吸蔵させることでキュリー温度が変化し、磁気熱量効果を室温で発現することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−96547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、La(Fe,Si)13材料に水素を吸蔵させると、結晶格子に水素原子が入り込むことで結晶格子が広がり体積が大きくなる。その結果、局所的に結晶粒界や別の組成との間に応力が発生しやすくなり、それにより材料に発生する割れ等の発生を抑制し難くなるという問題があった。
【0005】
割れの原因となりうる応力発生の一例を挙げる。La(Fe,Si)13材料には結晶格子を形成するための焼結過程で発生するα−Feが少量含まれる。図6に、上記磁気冷凍材料の一部を拡大した断面を表す模式図を示す。図6(A)は水素吸蔵を行う前の模式図であり、図6(B)は水素吸蔵後の模式図である。
【0006】
水素吸蔵前にはα−Fe部分101とLa(Fe、Si)13合金部分103が密接している。磁気冷凍材料に水素107を吸蔵させると、La(Fe、Si)13合金部分103は水素を吸蔵してLa(Fe、Si)13H合金部分105のように膨張するが、α−Fe部分101は水素107を吸蔵しないため膨張しない。その結果、部分101と、部分105との間に間隙109が生じ、これが割れの原因となってしまう。
【0007】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、割れ等の発生を抑制できる磁気冷凍材料および磁気冷凍材料の製造方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、La(Fe、Si)13H合金からなる磁気冷凍材料であって、磁気冷凍材料の充填率が85〜99%となるように空孔が形成されており、かつ、α‐Feの含有率が1wt%未満であることを特徴とする磁気冷凍材料である。充填率は、実測密度を理論密度で除した値として算出できる。
【0009】
このような磁気冷凍材料は、割れ等の物理的なダメージの発生を抑制することができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、材料の結晶の充填率を下げて空隙を設けることにより、水素吸蔵した場合に生じる歪みの逃げ道ができて応力緩和に繋がるためであると考えられる。
【0010】
磁気冷凍材料の充填率が85%以上であると、磁気冷凍材料が脆くなることを抑制できる。これにより、機械加工などを行った際に磁気冷凍材料が破損しにくくなり、加工性を高めることができる。また充填率が99%以下であると、空隙量が十分となって、割れ等の発生を効果的に抑制できる。
【0011】
また本発明では、磁気冷凍材料に含まれるα‐Fe(フェライト相)の含有率を低くしている。α‐Feは、水素吸蔵を行った際の体積の増加挙動が周囲(La(Fe、Si)13H合金)と異なるため水素吸蔵時に周囲との間に割れが生じやすい部分であると考えられるが、本発明では、α‐Feの含有率を低くしているため、割れ等の発生を抑制できる。
【0012】
なお、α‐Feの含有率を1%未満とすることで、α‐Feに起因する割れ等の発生を効果的に抑制することができ、それにより材料の充填率を99%まで高めても割れ等の発生を良好に抑制することができる。
【0013】
また、上述した問題を解決するためになされた請求項2に記載の発明は、La(Fe、Si)13H合金からなる磁気冷凍材料であって、磁気冷凍材料の充填率が85〜95%となるように空孔が形成されており、かつ、α‐Feの含有率が10wt%以下であることを特徴とする磁気冷凍材料である。
【0014】
このような磁気冷凍材料は、請求項1の磁気冷凍材料と同様に、割れ等の発生を抑制することができる。
なお本発明では、α‐Feの含有率が請求項1よりも高くなっているが、充填率を95%以下とすることで割れ等の発生を効果的に低減できる。またα‐Feの含有率が比較的高めであってもよいため、製造上の条件(焼結温度や焼結時の材料形状など)の自由度が高くなり、磁気冷凍材料の製造を容易なものとすることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、上述した請求項1または請求項2に記載の磁気冷凍材料において、空孔の最大幅が1〜200μmであることを特徴とする。
空孔の最大幅が1μm以上であることにより、高い応力緩和機能を発揮することができる。また、最大幅が200μm以下であることにより、磁気冷凍材料の強度が低下して脆くなってしまうことを抑制できる。従って、空孔の最大幅を上述した範囲とすることで、割れ等の発生をより抑制することができる。
【0016】
なお、ここでいう空孔とは、十分に材料が充填された領域において形成される微細な空孔のことを指しており、磁気冷凍材料全体として見たときに、部分的には200μmを超える大きさの間隙が形成されていてもよい。
【0017】
請求項4に記載の発明は、磁気冷凍材料の製造方法であって、La(Fe、Si)13の粉末原料を、950〜1200℃の焼結温度で放電プラズマ焼結法により成型を行う工程と、前記成型の後、水素を吸蔵させる工程と、を有し、前記成型後の磁気冷凍材料の充填率を85〜99%とし、α‐Feの含有率を1wt%未満としたことを特徴とする。
【0018】
このような製造方法で製造された磁気冷凍材料は、請求項1に記載の磁気冷凍材料と同様に割れ等の発生を抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、磁気冷凍材料の製造方法であって、La(Fe、Si)13の粉末原料を、950〜1100℃の焼結温度で放電プラズマ焼結法により成型を行う工程と、前記成型の後、水素を吸蔵させる工程と、を有し、前記成型後の磁気冷凍材料の充填率を85〜95%とし、α‐Feの含有率を10wt%以下としたことを特徴とする。
【0019】
このような製造方法で製造された磁気冷凍材料は、請求項2に記載の磁気冷凍材料と同様に割れ等の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】マイクロチャネル熱交換器の製造工程を説明する図
【図2】焼結温度と充填率の関係を表すグラフ
【図3】実施例3の磁気冷凍材料の断面写真(A)、および比較例1の磁気冷凍材料の断面写真(B)
【図4】充填率と割れ発生率の関係を表すグラフ
【図5】焼結温度と充填率の関係を表すグラフ
【図6】従来の磁気冷凍材料における水素含浸時の割れ発生原理を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
<磁気冷凍材料の製造>
[実施例1]
本実施例では、磁気冷凍材料を製造し、その磁気冷凍材料によってマイクロチャネル熱交換器を製造した。図1に製造工程を説明する図を示す。
【0022】
(1)粉末調合
単体元素の粉末(またはバルク)を所定の割合で調合して混合し、粉末原料11を得た。以下に粉末原料11の組成例を示す。
La:7.1atom%
Fe:81.7atom%
Si:11.1atom%
(2)溶融急冷法
溶融急冷法(ストリップキャスト法)により、上記(1)で調合した粉末原料11を目的の結晶構造(NaZn13構造)とした薄片13を製造した。
【0023】
(3)粉末化
上記薄片13を微粉化し、粉末15を得た。粉末15は、本工程において粉末化した際に粒径が214μm以下となったものを使用した。
【0024】
(4)焼結
微粉化した粉末15を放電プラズマ焼結法(SPS)により加圧および加熱し、バルク形状(直径15mmの円筒形状)の磁気冷凍材料17を成型した。なお、焼結の工程において、材料に加える面圧は約42MPaとし、焼結温度は1100℃とした。
【0025】
焼結後の磁気冷凍材料の充填率は95%、α‐Feは、2wt%となった。充填率は、(実測の密度/理論密度)×100%として算出しており、理論密度は7.2g/cm3として計算した。
【0026】
(5)成形
バルク形状の磁気冷凍材料17を、切断、研削、研磨などにより、7mm×10mmの矩形で厚さ0.4mmの板状であって、0.1mmの深さの溝が形成された材料片19として成形した。
【0027】
(6)水素吸蔵
水素炉(フロー炉)により180〜300℃に加熱して材料片19に水素を吸蔵させ、水素を吸蔵させた磁気冷凍材料の材料片21を製造した。なお、熱処理温度を制御することで水素吸蔵量を制御することができる。
【0028】
(7)積層
ホットプレスにより材料片21を積層し、溝部分がマイクロチャネルとなるマイクロチャネル熱交換器23を製造した。なお、最も上に積層する材料片21は溝が形成されていないものを用いた。
【0029】
以上説明した(1)〜(7)の工程により、磁気冷凍材料を用いたマイクロチャネル熱交換器を製造した。
[実施例2]
基本的に実施例1と同様の手法でマイクロチャネル熱交換器を製造したが、上記(4)焼結の工程において、焼結温度を1000℃とした。
【0030】
焼結後の磁気冷凍材料の充填率は90%、α‐Feは、2wt%となった。
[実施例3]
基本的に実施例1と同様の手法でマイクロチャネル熱交換器を製造したが、上記(4)焼結の工程において、焼結温度を950℃とした。
【0031】
焼結後の磁気冷凍材料の充填率は85%、α‐Feは、2wt%となった。
[実施例4]
基本的に実施例1と同様の手法でマイクロチャネル熱交換器を製造したが、上記(3)粉末化の工程において、平均粒径を75μmとした。
【0032】
焼結後の磁気冷凍材料の充填率は93%、α‐Feは、2wt%となった。
[実施例5]
基本的に実施例1と同様の手法でマイクロチャネル熱交換器を製造したが、上記(3)粉末化工程後では粒径は75μm以下のもを使用し、上記(4)焼結の工程において、焼結温度を1000℃とした。
【0033】
焼結後の磁気冷凍材料の充填率は89%、α‐Feは、2wt%となった。
[実施例6]
基本的に実施例1と同様の手法でマイクロチャネル熱交換器を製造したが、上記(3)粉末化の工程において、平均粒径を25μmとした。
【0034】
焼結後の磁気冷凍材料の充填率は92%、α‐Feは2wt%となった。
[実施例7]
基本的に実施例1と同様の手法でマイクロチャネル熱交換器を製造したが、上記(3)粉末化の工程において、平均粒径を25μmとし、上記(4)焼結の工程において、焼結温度を1000℃とした。
【0035】
焼結後の磁気冷凍材料の充填率は85%、α‐Feは、2wt%となった。
[比較例1]
基本的に実施例1と同様の手法でマイクロチャネル熱交換器を製造したが、上記(4)焼結の工程において、焼結温度を900℃とした。
【0036】
焼結後の磁気冷凍材料の充填率は82%、α‐Feは、2wt%となった。
なお、上記(5)成形の工程において、焼結後の磁気冷凍材料を0.5mmにスライスすると粉々になり、0.4mm厚の平板を成形することができず、マイクロチャネル熱交換器の製造ができなかった。
【0037】
[比較例2]
基本的に実施例1と同様の手法でマイクロチャネル熱交換器を製造したが、上記(3)粉末化工程後では粒径は75μm以下のもを使用し、上記(4)焼結の工程において、焼結温度を900℃とした。
【0038】
焼結後の磁気冷凍材料の充填率は77%、α‐Feは、2wt%となった。
なお、上記(5)成形の工程において、焼結後の磁気冷凍材料を0.5mmにスライスすると粉々になり、0.4mm厚の平板を成形することができず、マイクロチャネル熱交換器の製造ができなかった。
【0039】
[比較例3]
基本的に実施例1と同様の手法でマイクロチャネル熱交換器を製造したが、上記(3)粉末化工程後では粒径は25μm以下のもを使用し、上記(4)焼結の工程において、焼結温度を900℃とした。
【0040】
焼結後の磁気冷凍材料の充填率は73%、α‐Feは、2wt%となった。
なお、上記(5)成形の工程において、焼結後の磁気冷凍材料を0.5mmにスライスすると粉々になり、0.4mm厚の平板を成形することができず、マイクロチャネル熱交換器の製造ができなかった。
【0041】
<製造方法の評価>
焼結温度と充填率の関係を表すグラフを図2に示す。グラフのプロットに付けられた数値は実施例の番号と対応する。また括弧付きの数値は比較例の番号と対応する。
【0042】
グラフから明らかなように、焼結温度が高くなるほど充填率は高くなった。また、焼結時の平均粒径が大きいほど充填率は高くなった。
上記(5)成形の工程における磁気冷凍材料の加工の可否を、表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
実施例3、実施例7のように充填率が約85%以上のものは、0.4mm厚に加工することができ、マイクロチャネル熱交換器を作製できた。充填率が85%より高い実施例1,2,4〜6においても同様であった。
【0045】
一方、比較例1の充填率が約82%の磁気冷凍材料は0.5mm以下に加工することができず、マイクロチャネル熱交換器を製造できなかった。さらに充填率の低い比較例2,3においても同様であった。
【0046】
即ち、加工を良好に行うために、充填率は85%以上とすることが好ましいことが分かった。
図3に、実施例3の磁気冷凍材料の断面図(A)、および比較例1の磁気冷凍材料の断面図(B)を示す。いずれにおいても、材料が充填される(材料が存在する)充填部と、空隙となる空隙部と、が形成されており、空隙部は微細な空孔によって形成されている。なお、画像処理(2値化)による空隙率は実施例3が45.2%,比較例1が36%であった。
【0047】
図4に、磁気冷凍材料に水素を吸蔵させた際の、材料の充填率と割れ発生率の関係を表すグラフを示す。このグラフは、α−Feの含有率が約2wt%の結果を示している。割れが発生したか否かは、上記(6)水素吸蔵を行った際に、材料片19が2つ以上に分離したか否かという基準で判断した。
【0048】
図4のグラフには、各プロットに対応する磁気冷凍材料の断面図を記載している。空孔の最大幅は、充填率85%では200μm程度であった。これは実施例3において製造したものと同様である。また、充填率90%では最大幅は100μm程度であった。これは実施例2において製造したものと同様である。また、充填率95%では最大幅は100μm程度であった。これは実施例1において製造したものと同様である。一方、比較例1では充填率82%で300μm程度となっている。
【0049】
なお空孔の大きさは、1μm未満であると応力を緩和するために十分な大きさではなく、200μmを超えると機械加工の際に形状が崩れて形状加工が困難になる。従って、空孔の最大幅が1〜200μmである場合に、良好な加工性および割れ耐性を得ることができる。
【0050】
グラフから分かるように、α−Feの含有率が2wt%の場合、充填率が95%を超えると割れの発生率が10%を超えてしまったが、充填率が95%以下であれば、割れの発生率を10%以下に抑えることができた。さらに、充填率が90%以下であれば、割れの発生がほぼなくなった。
【0051】
従って、上述したように加工性を高めるとともに割れの発生を抑制するためには、α−Feの含有率が2wt%の場合には、充填率を85〜95%とすることが好ましいと言える。充填率が85〜90%の範囲では、さらに割れの発生を低減することができる。
【0052】
なお、別途試験を行った結果、α−Feの含有率が10wt%以下の場合であれば、α−Feが2wt%の場合と同様の結果を得ることができた。α−Feの含有率が10wt%を超えると、割れの発生率が大きくなった。即ち、α−Feの含有率が10wt%以下である場合には、充填率を85%〜95%とすることが好ましい。
【0053】
また、別途試験を行った結果、α−Feの含有率が1wt%未満の場合は、充填率が99%であっても割れの発生率を10%以下に抑えることができた。従って、α−Feの含有率が1wt%未満の場合には、充填率が85〜99%という広い範囲において、割れの発生を低減できる。なお、充填率が99%を超えて100%に近づくと、割れの発生率が10%を上回った。
【0054】
なお、α−Feの含有率が1〜10wt%である場合には、充填率を85〜95%としてもよい。
α−Feの含有率は、(1)粉末調合と(2)溶融急冷法の条件の合わせこみをすることで調整することが可能である。
【0055】
<焼結温度と充填率の関係について>
別途試験を行い、図5のグラフに示すような焼結温度と充填率の関係を示す結果を得た。
【0056】
焼結温度は、950℃で充填率85%程度となり、1200℃で99%程度となることから、焼結温度を950〜1200℃に設定することで所定の充填率に制御できる。なお、焼結温度を1100℃とすると95%程度の充填率となるため、充填率を85〜95%とするためには、焼結温度を950〜1100℃に設定するとよい。
【0057】
密度については、充填率を制御すれば密度が6.0〜7.2g/cm3の範囲となる。
[変形例]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0058】
例えば、上記実施例において示したマイクロチャネル熱交換器の製造方法、磁気冷凍材料の製造方法、水素の吸蔵方法は、実施例に記載したものに限られることなく、適宜変更や調整を行うことができる。例えば、磁気冷凍材料の原料粉末の組成は実施例に記載したものに限られることはなく、適宜変更や調整をすることができる。
【0059】
また、マイクロチャネル熱交換器の形状も実施例のものに限定されない。また、上記(7)積層の工程ではホットプレスにより材料片を積層することを例示したが、接着剤を用いるなど、他の方法で材料片を積層してもよい。
【符号の説明】
【0060】
11…粉末原料、13…薄片、15…粉末、17…磁気冷凍材料、19…材料片、21…材料片、23…マイクロチャネル熱交換器、101…α−Fe部分、103…La(Fe、Si)13合金部分、105…La(Fe、Si)13H合金部分、107…水素、109…間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
La(Fe、Si)13H合金からなる磁気冷凍材料であって、
磁気冷凍材料の充填率が85〜99%となるように空孔が形成されており、
α‐Feの含有率が1wt%未満である
ことを特徴とする磁気冷凍材料。
【請求項2】
La(Fe、Si)13H合金からなる磁気冷凍材料であって、
磁気冷凍材料の充填率が85〜95%となるように空孔が形成されており、
α‐Feの含有率が10wt%以下である
ことを特徴とする磁気冷凍材料。
【請求項3】
前記空孔の最大幅が1〜200μmである
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気冷凍材料。
【請求項4】
La(Fe、Si)13の粉末原料を、950〜1200℃の焼結温度で放電プラズマ焼結法により成型を行う工程と、
前記成型の後、水素を吸蔵させる工程とを有し、
前記成型後の磁気冷凍材料の充填率を85〜99%とし、α‐Feの含有率を1wt%未満としたことを特徴とする磁気冷凍材料の製造方法。
【請求項5】
La(Fe、Si)13の粉末原料を、950〜1100℃の焼結温度で放電プラズマ焼結法により成型を行う工程と、
前記成型の後、水素を吸蔵させる工程とを有し、
前記成型後の磁気冷凍材料の充填率を85〜95%とし、α‐Feの含有率を1〜10wt%としたことを特徴とする磁気冷凍材料の製造方法。

【図5】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−60639(P2013−60639A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200630(P2011−200630)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】