説明

磁気分離技術を使用するアッセイにおける、磁化可能粒子の洗浄、再懸濁、再回収および局在化のための方法ならびに装置

【課題】磁気分離技術を使用するアッセイにおいて増強したシグナルを生成するために、分離および洗浄の間、磁化可能粒子を集束させるかまたは局在化するための方法および装置を提供する。
【解決手段】このアッセイは、非結合粒子および液体を分離した後に、再懸濁ありまたはなしで洗浄を生じる場合、強度を減じた磁石を通過させる前に、粒子を部分的に局在化する磁石に反応容器を移動させて通過させる工程を含む。粒子のバンドは、続いて化学発光
の目的のために酸中に再懸濁される。種々の磁石配置が、強度を減じた磁石を実現するために使用される。全幅の磁石に隣接する強度を減じた磁石は、磁気粒子のバンドが裂開するのを防ぐ。局在化粒子は、試薬による、より効果的な再懸濁を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、1996年5月10日に出願された米国特許出願第08/644,
909号の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般的に、磁気分離技術を用いる生物医学的なアッセイの分野に関
し、そして具体的には、このようなアッセイにおける分離および洗浄の間に磁化
可能粒子(magnetizable particle)を集束または局在化
させるための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
異種のイムノアッセイは、代表的には、アッセイの非結合成分または遊離成分
から成分選択的な粒子に結合する探索成分の分離を必要とする。この分離の効率
を高めるために、多数のアッセイは、初期の分離(液相の除去または吸引)の後
に、このアッセイの固相(結合成分)を洗浄する。いくつかの化学発光イムノア
ッセイは、磁気分離を使用して、存在する結合成分の量を示す化学発光または検
出可能なシグナルを生じる際、使用される試薬の添加の前に、反応容器から非結
合アッセイ成分を除去する。これは、常磁性粒子、超常磁性粒子、強磁性粒子お
よびフェリ磁性粒子を含むがこれらに限定されない磁化可能粒子を使用すること
によって達成される。アッセイの経過の間に磁化可能粒子上の成分特異的部位(
cite)に試験済み(tested−for)のアッセイ成分を結合させる。
会合した磁化可能粒子は、非結合成分を含む液相が反応容器から吸引される間、
この反応容器において保持のために磁石に引きつけられる。
【0004】
最初の分離後に固相を洗浄する工程は、この磁化可能粒子が磁石に引きつけら
れる間に、洗浄溶液(例えば、脱イオン水または洗浄緩衝液)を分配し、次いで
吸引することによって達成される。
【0005】
洗浄の際のより高い効率は、磁化可能粒子を洗浄溶液の分配の間に再懸濁する
ことを可能にする、洗浄位置に近接するアレイ(array)構造においてギャ
ップを有する磁石アレイに沿って、反応容器を移動させることによって達成され
る。これは再懸濁洗浄として知られている。アレイにおいて引き続く位置は、洗
浄溶液の吸引および試薬の導入の前に、磁石アレイの端を越えて磁化可能粒子を
再回収することを可能にする、磁石を含む。
【0006】
先行技術の洗浄ブロック配置は、洗浄位置での磁石アレイのギャップにおいて
、鉄ベースの挿入物または非鉄ベースの挿入物を用いていた。この挿入物は、再
懸濁位置から磁石を単純に除去するよりもむしろ、再懸濁洗浄の非存在下におい
て磁性粒子の蓄積を維持すること、そして再懸濁洗浄が用いられる場合、全体を
通しての再懸濁のためにこれらの粒子を配向させることが意図される。さらに、
この挿入物は、反応容器を磁石アレイにおいて調整不良になることおよび妨害さ
れることを防ぐ。再懸濁洗浄を用いるアッセイに対して適切に機能する間、洗浄
位置での磁石の代わりのこのような挿入物の供給は、洗浄の際に再懸濁を使用し
ないが、再懸濁せずに洗浄位置を介して前進するアッセイに逆に影響する。非鉄
ベースの挿入物(例えば、アルミニウムまたはセラミック)とともに、最初の分
離の間に、通常、磁石アレイを通過するように反応容器の内部に沿って形成され
る磁化可能粒子の単一バンドは、再懸濁位置および洗浄位置で挿入物のいずれか
の側において、磁石による引きつけに起因して、反応容器のいずれかの側におい
て2つのより小さなバンドに分割される。これは、磁場パターンにおけるこの挿
入物による最小の効果に起因する。試薬は、分割前に回収される磁化可能粒子に
関する流動において反応容器に導入されるために、磁化可能粒子のバンド形成に
おける分割は、磁化粒子の主要な集結を欠いている流動を生じる。再懸濁洗浄の
間および酸試薬の添加時の磁化可能粒子の不十分な再懸濁は、化学発光シグナル
結果の生成において結合成分試薬を調整するために使用した。
【0007】
同様に、鉄ベースの挿入物の使用(例えば、鋼ベース挿入物の使用)は、磁化
可能粒子の分割バンド形成を生じ得るが、さらに、この挿入物に近接するキュベ
ット壁の中央において粒子のバンドを誘導し得る。これは、鉄ベースの挿入物の
磁場を閉じる傾向に起因する。キュベット壁の中央において粒子のバンドまたは
ペレットの形成が所望されるが、単一の鉄ベースの挿入物配置について変動する
アッセイを越えるこの応答の再現性はなさそうである。これは、界面活性物質お
よびこの粒子質量の集結を含む、このアッセイの変動する特徴に起因する。
【0008】
再懸濁洗浄を容易にする他の先行技術アプローチは、近接する磁石から広がる
磁場が位置において磁化可能粒子を保持する意図で、幅を狭くした挿入物を用い
た。しかし、このアプローチもまた、粒子の分割バンド形成を生じた。
【0009】
従って、先行技術は、磁気分離アッセイの洗浄段階の間に、再懸濁洗浄を用い
ない逆に影響するアッセイなしに、磁化可能粒子の効率的な洗浄を可能にする洗
浄領域を提供しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明の目的は、磁気分離技術を使用するアッセイにおいて増強したシグナル
を生成するために、分離および洗浄の間、磁化可能粒子を集束させるかまたは局
在化するための方法および装置を提供することである。本発明のさらなる目的は
、再懸濁洗浄を受けるか否かにかかわらず、サンプルに対して固相成分の増強し
た懸濁を可能にする洗浄領域を提供することである。
【0011】
これらの目的は、アレイにおける洗浄位置で、分離磁石の代わりに軟磁性物質
の挿入物(ここで、この挿入物はそれによって通過される反応容器の幅よりも大
きい幅を有する)を用いることによって達成される。さらに、洗浄位置の上流お
よび下流の両方のアレイの磁石は、この試薬によって磁化可能粒子の改良された
懸濁を生じる試薬の流動路において、磁化可能粒子の増強した集束のための反応
容器の中間の位置で終結する。従って、再懸濁洗浄効率を増強し、そして磁化可
能粒子の集束を増加させ、このアッセイのシグナル生成部分のためにより効率的
な磁化可能粒子再懸濁を導く。
【0012】
磁石アレイの末端において、容器の幅よりも小さい表面積を有する集束磁石は
、化学発光を導く反応を開始するために用いられる注入された酸の流動の経路に
ある前に、磁化可能性粒子をより完全に局在化するアレイで用いられる。
【0013】
再懸濁洗浄を用いないアッセイについては、軟磁性挿入物の供給は、磁化可能
粒子の分割バンド形成の回避を生じるが、磁化可能粒子の集束は、改良された化
学発光反応を生じる。
【0014】
再懸濁洗浄を用いるアッセイについては、軟磁性挿入物は、洗浄位置に近接す
る磁石の影響のために、磁化可能粒子の早期の回収および分割を回避する間に、
再懸濁洗浄を可能にする。再懸濁洗浄を用いないアッセイでは、磁化可能粒子の
集束は、改良された化学発光反応を生じる。
【0015】
本発明のさらなる目的は、その領域で再懸濁洗浄を実行するか否かにかかわら
ず、磁化可能粒子の正確かつ予測可能な回収を可能にする洗浄領域を提供するこ
とである。
【0016】
この目的は、代替の実施態様において、洗浄位置で、アレイ中の他の磁石に関
して減少した強さの磁石の供給を介して達成される。例えば、好ましい実施態様
では、減少した強さの磁石は、それぞれの反応容器位置において、他の磁石によ
って提供される磁場の半分を提供する。この減少した強さの磁石は、それ自体全
く磁場を提供しない上記の軟磁性挿入物のための置換えとして作用する。さらに
、アレイの磁石は、洗浄位置が正しい位置をとる前および後に、反応容器位置に
配置されるが、代わりにそれぞれの反応容器の位置の全範囲にわたって伸展する
。アレイにおける最後の反応容器位置において、それぞれの磁石は、時々最終試
薬の流動における不完全な再懸濁を生じる回収された粒子において、高密度なパ
ッキングを回避するために、全ての以前の磁石側と反対の反応容器側に配置され
る。この代替の実施態様のさらなる特性は、それに近接する減少した強さの磁石
を有する反応容器位置の直後の反応容器の位置で、アレイの磁石によって生成さ
れる、磁場の焦点を低下させる工程を含む。
【0017】
本発明はさらに、以下の項目を提供する。
(項目1) 反応容器において磁気粒子の分離および洗浄を可能にするた
めの、アッセイ装置における使用のためのシステムであって、その磁気粒子はそれ
に結合するサンプル成分を有し、そのシステムは以下:
複数の連続的な反応容器位置のアレイであって、各位置はそれに隣接してその反
応容器が次々に通過して移動するそれぞれの磁石を有し、そのアレイは以下:
第1の連続的な複数のその反応容器位置から構成される最初の分離ステージ、
その最初の分離ステージに隣接する、その反応容器位置の1つから構成される、
再懸濁洗浄位置、
その再懸濁洗浄位置に隣接する、第2の連続的な複数のその反応容器位置から構
成される二次分離ステージ、
その二次分離ステージに隣接する、その反応容器位置の1つから構成される最終
吸引位置、および
その最終吸引位置に隣接する、その反応容器位置の1つから構成される最終再懸
濁位置、
を含むアレイ;
その最初の分離ステージの第1のその反応容器位置に隣接し、その最初の分離ステー
ジの第1の反応容器位置でその反応容器から選択的に液相を吸引するために適合さ
れる最初の吸引要素;
その再懸濁洗浄位置に隣接し、その再懸濁洗浄位置でその反応容器内へ選択的に再懸
濁洗浄溶液を分配するために適合される再懸濁洗浄分配要素;
その二次分離ステージの第1の反応容器位置に隣接し、その二次分離ステージの第
1の反応容器位置でその反応容器から選択的に液相を吸引するために適合される最
終吸引要素;ならびに
その最終再懸濁位置に隣接し、その最終再懸濁位置でその反応容器内へ選択的に試薬
を分配し、その試薬中でその磁気粒子を再懸濁するために適合される試薬分配要素、
を含むシステムであって、
ここでそのアレイは、その反応容器が、逐次順に、その最初の分離ステージ、その再懸
濁洗浄位置、その二次分離ステージ、その最終吸引位置、およびその最終再懸濁位置を
移動するように配置され、
ここで、その再懸濁洗浄位置に隣接するその磁石が、複数の連続的な反応容器位置
のそのアレイに隣接する全ての他の磁石と比較して、磁気の強度を減じたものであ
る、
システム。
(項目2) 項目1に記載のシステムであって、ここで上記最初の分離
ステージ、上記二次分離ステージ、および上記最終吸引位置の各磁石が、その磁石
が最も近接する上記反応容器の内壁上で、上記磁気粒子を実質的に水平なクラス
ターへと誘引する傾向のある磁場を提供する、システム。
(項目3) 項目2に記載のシステムであって、ここで上記二次分離ス
テージ、上記最終吸引位置、および上記最終再懸濁位置に隣接する上記磁石が、
その磁石が最も近接する上記反応容器の上記内壁上であって、上記実質的に水平な
クラスターが上記最初の分離ステージで発生するポイントの下のポイントでその実
質的に水平なクラスターが発生するように配置される、システム。
(項目4) 項目1に記載のシステムであって、上記最終吸引位置およ
び、そこを通過して上記反応容器が次々に移動する上記最終再懸濁位置との中間
の少なくとも1つの休止位置をさらに含む、システム。
(項目5) 反応容器内で磁気粒子を分離し、そして選択的に洗浄する方
法であって、その磁気粒子はそれに結合するサンプル成分を有し、その方法は、以下
の工程:
その反応容器中で液相からその磁気粒子を分離するために、および非結合サンプル
成分を含まないその磁気粒子を洗浄するために、最初の分離ステージ、再懸濁洗浄
位置、二次分離ステージ、最終吸引位置、および最終再懸濁位置を含む、アッセ
イ装置の反応容器位置のアレイを通ってその反応容器を通過させる工程、
を包含し、ここで:
その最初の分離ステージは、その最初の分離ステージの第1のその反応容器位置に隣
接し、その最初の分離ステージの第1の反応容器位置でその反応容器から選択的に液
相を吸引するために適合される、第1の連続的な複数のその反応容器位置および最
初の吸引要素を含み;
その再懸濁洗浄位置は、その最初の分離ステージに隣接するその反応容器位置の1つ
、およびその再懸濁洗浄位置に隣接し、その再懸濁洗浄位置でその反応容器内へ選択的
に再懸濁洗浄溶液を分配するために適合される再懸濁洗浄分配要素から構成され

その二次分離ステージは、その再懸濁洗浄位置に隣接する、第2の連続的な複数の
その反応容器位置から構成され;
最終吸引位置は、その二次分離ステージに隣接するその反応容器位置の1つ、およ
びその二次分離ステージの第1の反応容器位置に隣接し、その二次分離ステージの第
1の反応容器位置でその反応容器から選択的に液相を吸引するために適合される最
終吸引要素から構成され;ならびに
最終再懸濁位置は、その最終吸引位置に隣接するその反応容器位置の1つ、および
その最終再懸濁洗浄位置に隣接し、その最終再懸濁位置でその反応容器内へ選択的に試
薬を分配し、その試薬中でその磁気粒子を再懸濁するために適合される試薬分配要素
から構成され、
ここでそのアレイは、その反応容器が、逐次順に、その最初の分離ステージ、その再懸
濁洗浄位置、その二次分離ステージ、その最終吸引位置、およびその最終再懸濁位置を
移動するように配置され、ならびに
ここで、その再懸濁洗浄位置に隣接するその磁石が、複数の連続的な反応容器位置
のそのアレイに隣接する全ての他の磁石と比較して、磁気の強度を減じたものであ
る、
方法。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、特に添付の請求の範囲で指示される。上記の利点およびさらなる利
点は、上記の記載および添付した図面を参照することによって、さらに完全に理
解され得る:
【図1A】図1Aは、本発明に従う磁石アレイおよびそれらを介して通過する反応容器系列の正面図である。
【図1B】図1Bは、再懸濁洗浄が実行される図1Aの磁石アレイの正面図である。
【図2】図2は、反応容器輸送機構を図示する図1Aの磁石アレイの正面図である。
【図3】図3は、磁石アレイ支持構造を図示する図1Aの磁石アレイの背面図である。
【図4A】図4Aは、図1Aの磁石アレイにおける使用のための反応容器に近接して配向される非再懸濁洗浄ノズルの側面図である。
【図4B】図4Bは、図1Bの磁石アレイにおける使用のための反応容器に近接して配向される再懸濁洗浄ノズルの側面図である。
【図5A】図5Aは、本発明のさらなる実施態様に従う磁石アレイおよびそれらを介して通過する反応容器系列の正面図である。
【図5B】図5Bは、再懸濁洗浄が実行される図5Aの磁石アレイの正面図である。
【図6】図6は、図5Aの磁石アレイの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(発明の詳細な説明)
イムノアッセイにおいて遊離成分からの結合成分の分離の効率を上げるため、
多数のアッセイは、最初の分離(液相および非結合成分の除去)の後に、このア
ッセイの固相(結合成分)を洗浄する。本発明は、反応容器(例えば、キュベッ
ト)から非結合アッセイ成分を除去する磁気分離を使用する既知の型の化学発光
イムノアッセイの状況で作動する。
【0020】
現在開示される方法および装置は、改良された洗浄効率を有する磁化可能粒子
の再懸濁洗浄を可能にし、そしてバンドから小さな領域またはドットへと磁化可
能粒子を集束させ、このアッセイのシグナル生成部分について、磁化可能粒子の
より効率的な再懸濁を可能にする。
【0021】
全ての以下の考察において、この反応容器が、規則的な時間間隔で、固定され
た磁石アレイを通過して図面の左側から右側へと進行することが想定されるが、
連続的な動作は除外されない。この反応容器の外側の並進を与えるための手段は
、図2に関しては、引き続いて記載される。例示的な実施態様において、このよ
うな間隔は、約15秒である。さらに、この記載の全体にわたって、吸引機能お
よび分配機能は、示されている十分な詳説なしに、当該分野で公知である手段を
介して実行される。
【0022】
図1Aおよび図1Bの磁石アレイは、キュベット12のような反応容器の連続
物を含み、各々は、最初はそれぞれのキュベット12の中で自由に分配された状
態であるアッセイ成分および磁化可能粒子14を含む。位置Bのキュベットの中
の遊離懸濁液に残っているアッセイの固相(結合成分)の濃度は、位置Bのアレ
イ16の磁石に近接する固相の最初の回収のために、位置Aの第1のキュベット
12の濃度よりも低い。位置Cのキュベット12において、この効果は、より明
らかである。キュベットが、位置Dに進行した時間までに、大部分の固相14は
、アレイ16の近接するそれぞれの磁石を回収した。
【0023】
それぞれの位置に隣接する「磁石」の基準は、それぞれのキュベット位置に近
接する他のよりも上の、相反する配向の極性の一対の隣接する磁石を参照するこ
とで理解される。磁化可能粒子14のバンドは、磁気勾配が最大であるこれらの
2つの磁石の接合部に沿って形成する。
【0024】
非再懸濁洗浄は、図1Aに図示される実施態様において、位置F、G、および
Mで、ならびに図1Bの実施態様において、位置FおよびMで提供される。これ
らの位置で、液相は、チューブ(図1Aにおける15、17、19、および図1
Bにおける15、19)を介してキュベット12から吸引され、そして洗浄溶液
は、ノズル(図1Aにおける30、32,34、および図1Bにおける30、3
4)を介して再び導入される。図1Aおよび図1Bに見えるそれぞれのチューブ
の前にノズルを配置する。特に、このノズルは、アレイ16のそれぞれの磁石で
回収された固相14のペレットを分散することを回避するため、それぞれのキュ
ベット12(図1Aおよび図1Bの頁外)の前方に傾けられる。
【0025】
図1Aおよび図1Bの位置Nのチューブ21は、ノズル36を介する試薬の、
位置Pでの導入の前に、それぞれのキュベット12から液相を吸引するために用
いられ、この試薬は、ルミノメーターの中でその後の化学発光反応を容易にする
。非再懸濁洗浄ノズル(図1Aにおける30、32、34、および図1Bにおけ
る30、34)とは対照的に、ノズル36を分配するこの試薬は、それを完全に
分散させるために、固相14のペレットの方に傾けられる。
【0026】
先行技術の磁石アレイにおいて、液相の一部は、位置Pでの試薬の導入の前に
、繰り返される非再懸濁洗浄の後でさえも、例えば、図1Aにおける位置F、G
、およびM、ならびに図1Bにおける位置FおよびMで、固相14の中で捕捉さ
れたままであり得た。この捕捉された液相は、このアッセイの正確さを制限する

【0027】
図1Aの位置Kにおいて、キュベット12に近接するアレイ16の磁石は、よ
り低い位置に配置される。これは、位置Pでのアッセイ試薬の導入の前に、より
低い位置で再回収する時間が経つにつれて固相ペレット14を提供する。従って
、試薬が、ノズル36によって位置Pにおけるペレット14に指向される場合、
固相14は、位置Pでこの酸が適用される場合、反応容器12の中央に局在され
る。しかし、ペレットのこのような再配置は、捕捉された液相の固相14を自由
にする非再懸濁洗浄の能力を必ずしも増強するとは限らない。
【0028】
図1Aにおいて、再懸濁洗浄は用いられず、そして例えばそれ自体集束された
かまたは局在化された固相は、キュベット12が洗浄ブロックを介して進行する
ように、それぞれの磁石16に近接するままである。
【0029】
対照的に、図1Bの磁石アレイは、再懸濁洗浄を用いる。固相の再懸濁洗浄は
、チューブ17を介する位置Gのキュベット12からのアッセイの非結合成分を
含む液体相の吸引を含むが、この結合成分は、アレイ16においてそれぞれの磁
石によって適所に保持される。これは、この磁石16に近接するキュベット12
の後ろで回収された固相ペレット14に傾けられたディスペンスノズル32によ
る位置Hでのキュベット12への洗浄溶液の再導入に続く。
【0030】
位置Hにおいて、アレイ16の磁石は、軟磁石挿入物20によって置換されて
いる。アレイ16において、磁石の非存在下で、ノズル32を介して磁化可能粒
子に洗浄溶液を分配することによって、この磁化可能粒子は再懸濁され、さらに
表面積を曝露し、そして最初の磁化可能粒子の回収の間に捕捉された液相を自由
にしている。この固相が再懸濁された後、洗浄溶液の吸引および位置Pでの酸性
試薬の導入の前に、以下参照の位置Iでのアレイ16においてその後の一連の磁
石によって再回収される。それらの図示される段階に加えて、他の洗浄段階が可
能である。
【0031】
図1Aおよび図1Bの洗浄ブロックは、位置Hでの磁石アレイにおいて大きな
ギャップとともに提供され、従って、再懸濁洗浄を増強する。先行技術の磁石ア
レイは、より狭いギャップを用いており、狭いギャップのいずれかの側において
アレイ磁石の誘引力のために、磁化可能粒子の分割バンドを生じる。
【0032】
本発明は、部分的に、より小さいバンドまたはドット24に固相14の収束を
提供することによって、キュベット12の反対側で固相物質がバンドに分割する
ことを回避する。再懸濁洗浄位置のこのギャップは、低炭素鋼のような軟磁石物
質から作製された挿入物20で充填される。さらに、位置Hの再懸濁洗浄位置の
いずれかの側における位置Gおよび位置Iのアレイ16の磁石は、磁石16のア
レイにおけるギャップおよびこの挿入物20が、この再懸濁洗浄位置に隣接する
固相バンド14によって予め占有される反応容器12の近接する領域を伸展する
ように取り去られる。
【0033】
結果として、もはやアレイ16の磁石に直接的に整列化されていないが、以前
の位置においてこの磁石によって直線的に縛られた磁化可能粒子は、反応容器1
2壁に沿って整えられた磁石16に近接する反応容器内部の部位の方に移動する
。例えば、位置Gにおいて、この磁石16は右側に整えられる。整えられた領域
において以前に整列化された磁化可能粒子は、今や、整えられた磁石16を越え
て容器12の中央に移動する。
【0034】
再懸濁洗浄位置(位置H)のこの反応容器の磁化可能粒子バンド形成パターン
は、再懸濁洗浄の非存在下では変化しないままである(図1A)。再懸濁洗浄を
用いて(図1B)、この大きい軟磁性挿入物20は、位置Gおよび位置Iの磁石
の影響がない固相14の完全な再懸濁を可能にする。また、再懸濁洗浄位置(位
置H)の下流の位置Iの左側に整えられた磁石の供給は、さらに図1Bにおける
再懸濁洗浄の間に、磁化可能粒子に影響することを回避するために役立つ。
【0035】
再懸濁洗浄位置(位置H)の下流の位置Iのアレイ16磁石、および軟磁性挿
入物20はまた、図1Aにおけるその左側に整えられる。これは、再懸濁洗浄位
置(位置H)の下流の固相14を集束するために役立つ。反応容器12の左側に
おける磁化可能粒子は、もはや位置Iの磁石16と直接的に整列化される。むし
ろ、それは、容器12の中央に右に移動する。正味の効果は、14からより緻密
な中央に位置するバンド26への広いバンドへの磁化可能粒子の変換である。
【0036】
図1Aの実施態様について、位置Hの単一の磁化可能粒子バンドは、先行技術
のように2つのバンドに分割しない。なぜならば、軟磁性挿入物20は、再懸濁
洗浄位置(位置H)において場の勾配強度を省略するか、あるいは最小化するた
めに作用し、そして位置Gおよび位置Iにおけるアレイ16の磁石を整えること
は、同じ位置から再懸濁位置Hへの場の範囲を減少するからである。
【0037】
位置Mにおいて、整えられた磁石27は、回収された磁化可能粒子のバンドを
さらに狭くするために提供される。さらなる実施態様において、磁石を集束する
より小さい磁石28でさえも、位置Nにおいてこの磁化可能粒子をなおより小さ
い領域に集束させるために用いられ、従って、試薬の分散の際により効率的な再
懸濁のために位置Pにおける固相24のより小さい標的を供給する。より小さい
、集束する磁石28は、固相の最初の回収のために好ましい実施態様において使
用されない。なぜならば、とりわけ、この磁石表面積を広くするにつけ、この磁
化可能粒子の回収がより速くなるからである。
【0038】
代替の実施態様において、洗浄ブロックの長さに沿うアレイ16における全て
の磁石は、磁石28を集束させるように提供されるが、再懸濁洗浄位置(位置H
)は、図1Aおよび図1Bの軟磁性ブロック20によって提供されるようにギャ
ップを伴って提供され続ける。しかし、このような実施態様は、このような実施
態様におけるより小さいサイズの磁石に起因して、同程度の捕捉能力を提供する
アレイにおいて磁石28に近接している各反応容器12に対してさらに時間を必
要とする。
【0039】
本発明のなお別の実施態様において、位置Nの集束する磁石28の前に、磁石
アレイ16における別のギャップを用いることによって、磁化可能粒子のさらな
る集束を可能にすることが、あり得る。例えば、このようなギャップは、位置L
において用いられ得る。ここで、この磁化可能粒子14は、この反応容器12の
内壁において既に生成されている。位置Lのギャップは、この磁化可能粒子が内
壁から放出されることを可能にするが、それらは一般に、局在化したままである
。従って、その後に磁石38を集束させることによる再誘引は、過量の時間を必
要としない。
【0040】
例示的には、図2に図示される第1の実施態様において、懸濁された固体相1
4を含む反応容器12は、反応容器貯蔵体42の系列からなる連結されたコンベ
ヤベルト40によってこの磁石アレイ16に沿って側方に動かされる。自由に回
転可能なローラー44の配列は、コンベヤベルト40の支持を提供するために用
いられる。少なくとも1つのこのようなローラー46は、モーター48に機械的
に接続され、ここでこのモーター48は、このローラー46を回転させ、次に磁
石アレイ16に比例して動かすためにそこに配置されるコンベヤベルト40およ
び反応容器12を生じる。
【0041】
図3における磁石アレイの背面図は、磁石アレイ16支持構造50の第1の実
施態様を図示する。図3の磁石アレイ16は、図1Aおよび図1Bの磁石アレイ
16の反対側から見た図である。このアレイの磁石は、反応容器12に向かって
磁場を集束するために、伝導性材料(例えば、高鉄(high−iron)、低
炭素鋼)によって裏打ちされる。磁石裏打ち材料に付着する支持構造50は好ま
しくは、この反応容器内の確立された磁場において要求されない妨害を回避する
ために磁気的に非反応性の材料(例えば、アルミニウムまたはその合金の1つ)
から提供される。アレイ16の磁石および裏打ち材料は、接着性ファスナーまた
は機械的なファスナーの使用を含む種々の方法において支持構造50に固定され
る。この支持構造50は、接着性ファスナー、機械的なファスナー、またはその
いくつかの組み合わせのいずれかによって、囲い(図示せず)の壁に機械的に取
り付けられていることにより、それ自体吊るされる。
【0042】
図3の支持構造の図示された実施態様において、この要素は、3つの部分に分
割される:図3の右には、最初の部分、左には、中央部分、および小さい最終部
分。この後者は、集束する磁石24の支持体を提供する。代替の実施態様におい
て、この中央部分およびこの最終部分は、この支持構造が2つの部位から形成さ
れるように組み合わされる。
【0043】
図3はまた、軟磁性挿入物20の背面図を図示する。この囲いの壁に挿入物2
0を固定する際に用いられるネジのように、機械的なファスナー52の断面は、
その中央位置に配置される。代替の実施態様において、この軟磁性挿入物は、支
柱のようなそれぞれの支持要素によってか、またはこのアレイ磁石支持要素50
の伸展によって支持される。後者の代替において、この支持要素50は次いで、
この最終部分および中央部分が連続的である場合、1つの連続的な要素であり、
あるいは集束する磁石24が独立的に支持される場合、2つの要素である。
【0044】
前述の磁石アレイ16に沿って用いられるような洗浄溶液のノズルの配向は、
図4Aおよび図4Bにおいて図示される。特に、図1Aまたは図1Bにおいて位
置Fの洗浄溶液の再導入に使用されるようなノズル30は、図4Aにおける断面
図において示される。固相14は、反応容器12の背面において近接する磁石ア
レイ16(支持要素50によって支持される)を回収した。ノズル30は、反応
容器12に関して、ポンプ64を介して、洗浄溶液貯蔵体62から、この反応容
器12の前方内部表面に、洗浄溶液の流動60を提供するために配向される。こ
れは、容器12の背面で回収された固相を妨害することを回避する。
【0045】
図4Bにおいて、図1Bにおける位置Hで再懸濁洗浄のために使用されるよう
なノズル32の配向は、図4Bにおいて図示される。ポンプ64を介する貯蔵体
62からの洗浄溶液の流動66は、アレイ16において近接する磁石を予め回収
された固相において配向するが、今や、軟磁性挿入物20に近接する。従って、
この固相は、磁石により保持されておらず、ノズル32からの洗浄溶液の流動6
6による懸濁に戻すことで容易に洗浄される。
【0046】
本発明の好ましい実施態様に記載されていることにおいて、この概念を取り込
む他の実施態様が使用され得ることは、当業者に明らかである。
【0047】
例えば、本発明は、化学発光イムノアッセイの状況で記載されているが、磁気
分離によって、結合成分および非結合成分の分離が必要とされる他のアッセイ環
境に適用され得る。さらに、磁石16に曝露される磁化可能粒子の位置の正確な
数は、所望される分離の正確な性質、磁石16の配置、磁化可能粒子の特徴およ
び会合する結合成分などに依存する。
【0048】
ノズル32は、図1Aおよび図1Bの2つの位置において、具体的には図1A
の位置Hおよび図1Bの位置Iに示されている。両方の図において、同類参照識
別子を伴う1つのノズルが提供されるが、図1Aおよび図1Bの各実施態様は、
非再懸濁洗浄のために位置Gのノズルを伴って、そして再懸濁洗浄を用いる実施
態様における使用のために位置Hの別のノズルを伴って提供され得る。従って、
同じアレイ配置が再懸濁洗浄を用いるおよび用いない両方のアッセイについて使
用され得る。
【0049】
図示される図2の実施態様に加えて、コンベヤベルトを動かすための他の手段
が、1つ以上の位置におけるコンベヤのいずれかの側に配置される摩擦駆動とし
て想定される。
【0050】
本発明のなお別の実施態様において、反応容器12は、この容器の上端に近い
それぞれの反応容器に接続されるそれぞれの反応容器のヨーク(図示せず)の連
続を介して磁石アレイ16に沿って動かされる。
【0051】
図4Aおよび図4Bにおける要素の整列は、要素の間の一般化した関係図であ
り、好ましい配置を表すことを意図していない。例えば、図4Aおよび図4Bに
おけるノズル30、32はまた、それぞれの反応容器12よりも上の同じ相対位
置に局在され得るが、それぞれ流動60、66を適当に配向するために反対方向
に角度付けられる。さらに、このポンプおよび貯蔵体が、当業者に公知であるよ
うな種々の方法において提供され得る。
【0052】
前述の実施態様は、反応容器の近傍の磁場における変化に応答して反応容器の
壁内および壁に沿って容易に再局在する、粒子および粒子混合物に最も適してい
る。「粒子混合物」とは、磁性粒子、このサンプル、最初の試薬、付属的な試薬
および洗浄溶液を含む混合物を意味する。このような容易に再局在し得る混合物
は、一貫した形態のペレットおよび正確に位置するペレットを形成する。適用さ
れた磁場に対する混合物の応答性に寄与する因子は、磁性粒子のサイズ、反応混
合物中の物質の「固着」、反応混合物中の「不安定な」界面活性物質の封入など
を含む。
【0053】
動いている磁場に応答して、容易にまたは一貫して再局在しないアッセイ混合
物は、予測不可能な位置(特に、図1Aおよび図1Bの位置N、O、およびP)
において変動可能な形状のペレットを形成する傾向がある。この不一致は、粒子
質量を整形するおよび配置する利点を減少させる。なぜならばそれは、最終試薬
が導入される再懸濁工程における変動性を導入するからである。さらに、いくつ
かのアッセイ混合物は、磁力がそれらの整形および位置付けするように、より高
密度に粒子の凝集を充填する傾向がある。従ってこれは、さもなければ所望され
る反応に不適切に影響し得る非結合標識を除去するために必要とされる努力を阻
止する。
【0054】
一般に、分離プロセスおよび洗浄プロセスにおいて、異なる洗浄工程の数を最
小化することが所望される;さらなるプロセス工程は、変動性を導入するための
能力を有する。しかし、特定のアッセイにおいて、さらなる洗浄工程は、磁性粒
子を反応容器の側面の壁の上のバンドに局在化させるために必要である。いくつ
かのアッセイは、再懸濁洗浄工程から有意に恩恵を受ける。粒子凝集物において
、再懸濁洗浄を使用して、捕捉され得る任意の非結合標識を洗浄するが、さもな
ければ、これは、アッセイ読み取り工程において、非特異的シグナルを真のシグ
ナルに寄与する。従って、上記の実施態様において提供されるように、さらなる
実施態様は、選択的に再懸濁洗浄を用いる能力を提供するが、粒子凝集物の不必
要な操作を最小化する際の重要性を伴う。
【0055】
図5Aは、一連の継続性の反応容器の位置に近接する連続的な磁石アレイを有
するシステムの図示である。このアレイは、各々の反応容器の位置においてこの
磁石によって生成される磁性勾配が、この2つの磁石の交差点に近接する水平方
向の最大値を有するように配列された、1つが他よりも上方にある、垂直に配向
した磁石の対116からなる。前述の実施態様のように、各反応容器、すなわち
キュベット112は、初期に、それぞれのキュベット112(例えば、位置A)
内において自由な分布状態にあるアッセイ成分および磁化可能粒子114を含む
。非結合固相の濃度は、各キュベットが磁石アレイを横切るので減少する(図5
Aおよび図5Bにおいて左から右)。
【0056】
基準の容易さのために、反応容器の位置BからGは、固相が、それぞれの磁石
116に近接するキュベットの内壁に対して初期に回収される、最初の分離段階
を基準にする。1つ以上の非再懸濁洗浄(以下に考察される)は、最初の分離段
階内に提供され得る。位置Hは、再懸濁洗浄が各アッセイの必要性に従って生じ
える再懸濁洗浄位置として、参照される。たとえ全く再懸濁洗浄が存在せず、そ
して最初の分離段階において開始される分離が単に連続される、図5Aの場合で
あっても、位置IからMは、その後の洗浄段階を基準にする。しかし、図5Bの
場合、その後の分離段階は、磁石アレイに最も近接するキュベット内壁に対して
磁化可能粒子をペレットに分離するために利用される。1つ以上の非再懸濁洗浄
は、その後の洗浄段階内に生じ得る(以下に考察される)。位置Nは、最終試薬
の再懸濁の前にキュベットから液相が除去される、最終吸引段階として参照され
る。位置Oは、任意の静止段階である。位置Pは、先に回収されたペレット11
4がキュベット壁を洗浄し、そして試薬溶液内に自由に懸濁されるような角度で
キュベットに最終試薬が導入される、最終再懸濁段階として参照される。
【0057】
図1Aのように、任意の非再懸濁洗浄の位置は、位置F、GおよびMにおいて
提供される。ここで、キュベット112からチューブ115、117、119を
介して液相を吸引し、そしてノズル130、132、134を介して洗浄溶液を
導入する。これらのノズルは、図中で「洗浄緩衝液」と表示されるが、所望され
る任意の洗浄溶液は、ノズルから分配され得ることが理解される。これらの位置
での洗浄の各々は、任意である。前述の実施態様のように、それぞれの磁石11
6において回収される固相114のペレットを取り除くことを回避するために種
々の方法において、このノズルを配向し得る;この目標は、回収された粒子を妨
害することなしに、液相を除去すること、次いで再び満たすことである。
【0058】
図5Aにおいて、再懸濁洗浄が使用されない分離プロセスおよび洗浄プロセス
が図示される。代表的には、このアッセイは、位置FまたはGのいずれかに加え
られた洗浄溶液で満たされている反応容器とともに、再懸濁洗浄の位置(図の位
置H)を通過する。位置GおよびIにおいて、「十分な幅」の磁石、または反応
容器の位置の全体範囲を越えて伸展する磁石を提供することによって、左または
右に粒子バンドを分割する傾向が減少される。磁場操作に対する特定の試薬混合
物の応答に依存して、この傾向は、前述の実施態様の整えられた磁石で明白であ
り得る。
【0059】
例えば、特定の「粘着性」混合物は、磁石に最も近接するキュベット壁の左側
に蓄積することによって、図1Aの位置Gにおける整えられた磁石に反応する(
図1Aに表示される)。この蓄積は、位置Hを介して維持される。ついで、位置
Iの整えられた磁石を用いて、磁化可能粒子の部分は、前述の蓄積の遊離を破壊
し、そして右側に集めるが、この蓄積の別の部分は、キュベット壁の左側に残る
。位置Pで最終試薬を分配するノズル136は、優先的に、この磁石に最も近接
するキュベット壁の中央をねらうので、この粒子の分割バンドは、最終試薬の流
動によって直接的に衝突されず、そして不完全な懸濁が達成される。
【0060】
しかし、図5Aおよび図5Bの実施態様において、位置Gおよび位置Iの十分
な幅の磁石は、この分割バンド形成を回避し、そして結果として、位置Pにおい
て最終反応混合物中のより完全な再懸濁を生じる。
【0061】
位置Hにおける再懸濁洗浄なしに、位置Hの減少した強さの磁石は、予め回収
された粒子バンド114を保持するのに十分強く、そしてこの粒子が、近傍の位
置(位置GおよびI)において、より強い磁力にひきつけられることを予防する
が、そうでなければ分割バンド形成を生じる。
【0062】
この減少した強さの磁石は、このアレイの残存する磁石の寸法と同様の寸法を
有するが、より弱い磁場を提供する磁石として提供され得る。あるいは、この磁
石を配置することによって、さらにそれぞれの反応容器の位置から配置されるの
みである、このアレイの残存する磁石に同一である磁石を提供することが好まし
くあり得、従って、キュベットにおいてより弱い効果の磁場を生じる。位置Hの
へこんだ磁石の例示については図6を参照のこと。また、この磁石の後ろまたは
周囲の物質は、洗浄の間に、それらをこの溶液から分離し、そしてそれらをキュ
ベット壁に保持するようにこの粒子に作用する効果的な磁場の強さを詰め込むた
めに利用され得る。さらに、全ての残存する反応容器の位置は、相反する極性の
2つの磁石を用いるが、この減少した強さの磁石は、このアレイの全ての他の磁
石と同じ強さの単一磁石をへこませることによって実行され得る。従って、図5
Aおよび図5Bにおいて、位置Hのこの磁石は、残存する位置の磁石対に関して
、半分の高さのようである。
【0063】
図5Bにおいて、即時配置における再懸濁洗浄の使用が図示される。ここで、
洗浄液体は、位置Gでキュベットから吸引されるが、そこで置換されない。むし
ろ、このキュベットは、このキュベットにおける任意の液相なしで、再懸濁洗浄
位置(位置H)に動かされる。この再懸濁洗浄ノズル133は、この磁石に最も
近接する、キュベットの「後ろ」の壁上の粒子凝集物をねらう。この位置の壁に
対して粒子を保持するこの磁力は、減少した強さなので、再懸濁洗浄の流動力は
、多数の粒子凝集物を再懸濁し得る。しかし、この粒子は、即座に再回収を開始
し、そして以下の下がった磁石の位置(すなわち、位置I、J、K、...)で
、回収し続ける。凝集物に捕捉された任意の非特異的標識は、今や洗浄溶液に開
放され、そして洗浄位置Mおよび/またはNのいずれかにおいて、反応容器から
吸引される。
【0064】
いずれかの場合、図5Aおよび図5Bの磁石アレイは、代表的には、アッセイ
混合物の内容の特徴にかかわらず、限界最終再懸濁位置(位置P)のそれぞれの
キュベット内で一貫した形状および位置の粒子凝集を提供する。
【0065】
図5Aおよび図5Bの位置Nのチューブ121は、ノズル136を介する最終
試薬の導入(位置P)の前に、それぞれのキュベット112から液相を吸引する
ために用いられる。この試薬は、ルミノメーターでのその後の化学発光反応を容
易にする。位置Pにノズル136を分配するこの試薬は、優先的に、蓄積された
粒子の最大分散のためにペレット114の方へ角度付けられる。
【0066】
位置Pの最終試薬の流動においてペレット114の完全な分散を促進するため
に、「再回収」磁石として参照され得る、その反応容器の位置に対するそれぞれ
の磁石は、図6の上端図に示されるように、全ての他の反応容器の位置に関して
このキュベットの反対側に優先的に配置される。この「再回収」磁石は、図5A
および図5Bに示されない。なぜならば、そのようにしないと位置Pのキュベッ
ト112の部分が不明瞭だからである。この様式でこの磁石を配置する目的は、
このキュベットの壁からペレットを放出する際、試薬の流動を補助すること、お
よび最終試薬混合物中の磁化可能粒子を完全に再懸濁する際、援助することであ
る。このキュベットは、この磁性粒子が任意の有意な範囲までこの最後の反対に
位置する磁石に近接する再蓄積を開始するのに十分なほど長く位置Pに残ってい
ない。これは、特に、試薬が、この位置にとどまる時間の大部分についてキュベ
ットに導入されているからである。
【0067】
図1Aおよび図1Bに図示される系では対照的に、反応容器の位置Iおよび続
く位置の磁石は、位置AからGの磁石よりも低く配置される。分離の開始(最初
の分離段階)における磁石は、このキュベットの高さに関して配置され、広範な
最初の反応容量に適応する。例えば、キュベット内に高容量の液相が存在する場
合、図5Aおよび図5Bの実施態様によって提供されるような磁力は、磁性中心
線の上および下の両方の反応液体において最も遠位から粒子を回収するために十
分である。しかし、一旦、そのように回収されると、この凝集物が最終再懸濁液
体の容量の液体レベルよりも下に配置されるように、このキュベット内でこの粒
子凝集物をより低く移動させることが所望される。この減少後のより低い磁石は
、特定の反応混合物についての前述の実施態様よりも完全に再配置する所望の凝
集物を達成する。この再懸濁洗浄の容量は、最終反応(位置Nの最後で回収され
る)に関与しないので、それはより低いセットの磁石が、再懸濁洗浄容量の上方
部分の粒子を含む、全ての粒子を再回収し得ることから選択され得る。
【0068】
この粒子質量の再配置を阻止するアッセイ混合物は、1つの位置により長く維
持されると、より低い反応性になる傾向がある。従って、図1Aおよび図1Bの
位置Kでのように、この減少を、その後の分離段階内での後の反応容器の位置ま
で遅らせることは、正確な位置に対してこの凝集物をより困難にする傾向がある
のみである。この再懸濁洗浄の位置の直後に、この減少を配置することは、この
困難を回避する。
【0069】
上記の本発明のこれらおよび他の実施例は、例示を目的としており、そして本
発明の実際の範囲は、上記の請求の範囲から決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−258132(P2009−258132A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183916(P2009−183916)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【分割の表示】特願2000−577496(P2000−577496)の分割
【原出願日】平成11年10月8日(1999.10.8)
【出願人】(500046243)バイエル コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】