説明

磁気治療器具および磁気治療器具製造方法

【課題】より均一に身体に磁気を作用させることのできる磁気治療器具を提供する。
【解決手段】ネックレス等に用いられて身体に血行促進作用を及ぼす磁気治療器具1であって、所定の方向に延びて、シリコーンゴムと磁性粉との混合物により形成されるとともに着磁された可撓性を有する長尺な磁石部を設けるとともに、シリコーンゴムにより形成されるとともに前記磁石部の外周をその全域にわたって被覆する可撓性を有する被覆部20とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血行促進作用等を有する磁気治療器具およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気を身体に作用させると血行が促進されて健康上良好な効果が得られるといわれており、この効果を得るための種々の健康器具が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、前記磁気を発生する磁石が混入された磁気ネックレス等に用いられる長尺な磁性体であって、合成樹脂材にフェライト粉を80%以上混入したものを加熱軟化させて押出機でひも状に形成した磁石部と、押出成形機を用いて前記磁石体の外周に加熱軟化させた熱可塑性樹脂エラストマーを押出すことで形成した被覆部とを有するものが開示されている。
【0004】
このような構成によれば、所定の磁力を有するとともに、前記フェライト粉等が外部に露出して肌に直接付着するのを抑制することのできる磁気ネックレスを構築することができる。
【特許文献1】特開平11−111515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記の磁性体では、前記磁石部と前記被覆部とが異なる材料で形成されているため、前記磁石部と前記被覆部とが十分に密着せず、磁石部から外部に発せられる磁力の管理が困難になるとともに、磁石部からの磁気を身体に均一に作用させることができない場合がある。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑み、より均一に身体に磁気を作用させることのできる磁気治療器具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための請求項1に係る発明は、ネックレス等に用いられて身体に血行促進作用を及ぼす磁気治療器具において、所定の方向に延びて、シリコーンゴムと磁性粉との混合物により形成されるとともに着磁された可撓性を有する長尺な磁石部と、シリコーンゴムにより形成されるとともに前記磁石部の外周をその全域にわたって被覆する可撓性を有する被覆部とを備えたことを特徴とするものである(請求項1)。
【0008】
本発明によれば、前記磁石部をシリコーンゴムと磁性粉との混合物により形成するとともに、この磁石部を覆う前記被覆部をシリコーンゴムにより形成しているので、この磁石部と被覆部とを十分になじませることができ、磁石部から外部に発せられる磁気を容易に均一化することができる。すなわち、前記磁石部からの磁気を身体に均一に作用することができるので、この磁気による血行促進作用を効果的に身体に及ぼすことが可能になる。また、本発明では、前記のように被覆部を生理的に安定しているシリコーンゴムにより形成しているので、この磁気治療器具を直接肌に接触させた場合でも、この被覆部が皮膚に与える悪影響をより確実に抑制することが可能になる。
【0009】
また本発明において、当該磁気治療器具が、前記磁石部を形成するシリコーンゴムと磁性粉との混合物と、前記被覆部を形成するシリコーンゴムとの多色押出しにより形成されるのが好ましい(請求項2)。
【0010】
このようにすれば、前記被覆部により前記磁石部の外周を容易に被覆させることができるとともに、押出し時に磁石部と被覆部とをより確実に密着させることが可能となる。
【0011】
また本発明において、前記磁性粉が希土類磁石の粉末であるのが好ましい(請求項3)。
【0012】
このように、前記磁性粉として、従来のフェライト磁石等よりも磁性の強い希土類磁石を用いるようにすれば、前記磁石体を構成する磁性粉の分量を少なくしても同様の磁気効果を得ることが可能となる。従って、磁気効果を確保しつつ器具全体の大きさを小型化することができる。
【0013】
また、前記のように同様の磁気効果を確保しつつ磁性粉の分量を少なくすることができれば、磁気治療器具の磁気効果および大きさを従来と同等に保ちつつ前記磁石体のシリコーンゴムの割合を増加させることが可能となるため、磁石体の弾性を高めることが可能となり、器具全体としての可撓性を向上させることができる。
【0014】
また本発明において、前記被覆部の一端にシリコーンゴムにより形成される係止部と、前記被覆部の他端にシリコーンゴムにより形成されるとともに、前記係止部と着脱可能に係止される被係止部とを有し、当該被係止部が前記係止部に係止されることで、前記被覆部が前記磁石体を被覆した状態でリング状となるのが好ましい(請求項4)。
【0015】
このようにすれば、この磁気治療器具をネックレスやブレスレット等として利用することが可能となるので利便性が向上する。特に、前記被覆部に形成される係止部と被係止部とを被覆部と同様にシリコーンゴムで形成すれば、被覆部とこれら係止部および被係止部とを融合させることが可能となるので、係止部および被係止部を被覆部に容易に形成することができるとともに、これら係止部および被係止部が被覆部から脱落等してしまうのを抑制することが可能になる。
【0016】
前記のような磁気治療器具を製造する方法としては、前記磁石部を形成する前記シリコーンゴムと前記磁性粉と加硫剤とを第一混練機にて混練するとともに、前記被覆部を形成する前記シリコーンゴムと加硫剤とを第二混練機にて混練する混練工程と、前記混練されたシリコーンゴムと磁性粉と加硫剤との磁石部側混合物を第一押出機に収納するとともに、前記被覆部を形成する前記シリコーンゴムと加硫剤との被覆部側混合物を第二押出機に収納する収納工程と、前記第一押出機から前記磁石部側混合物を押出すと同時に、前記第二押出機から前記被覆部側混合物を前記磁石部側混合物の周囲に押出す押出し工程と、この押出された各混合物に熱を加えることで、これら混合物を加硫する加硫工程とを含む方法を用いるのが好ましい(請求項5)。
【0017】
このような方法によれば、前記混練工程にて各混合物を十分に練り合わせることができるので、前記磁石部および被覆部の混合ばらつきを抑制して、前記磁性粉による磁気効果を身体等に均一に作用させることが可能となる。また、前記方法では、前記収納工程にて各混合物をそれぞれ第一押出機および第二押出機に収納し、前記押出し工程にて前記磁石部側混合物を押出すと同時にその周囲に前記被覆部側混合物を押出しており、前記被覆部側混合物により前記磁石部側混合物を容易に被覆することができる。さらに、前記加硫工程にて、押出された両混合物を同時に加硫しているので、前記磁石部側混合物中のシリコーンゴムと前記被覆部側混合物中のシリコーンゴムとを融合させることができ、これらの混合物により形成される磁石部と被覆部とを容易に一体化することができる。特に、本器具では、磁石部側混合物と被覆部側混合物とがいずれも同じシリコーンゴムを含んでいるため、各混合物をそれぞれ異なる条件で加硫することなく同時に加硫することができるので、作業の手間を削減することができるとともに設備を簡素化することが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、磁気作用を身体に均一に作用させることができるとともに皮膚への悪影響をより確実に抑制することのできる磁気治療器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明に係る磁気治療器具を磁気ネックレスとして利用した場合について説明する。
【0020】
図1は本発明に係る磁気治療器具すなわち磁気ネックレスの正面図であり、図2はこの磁気ネックレスの断面図である。
【0021】
図1および図2に示すように、本磁気ネックレス1は、磁石部10と、被覆部20と、係止部22と被係止部26とを有している。
【0022】
前記磁石部10とは、身体に磁気を作用させるためものであり、直径が約3mmの長尺な部材である。この磁石部10は、シリコーンゴムと磁性粉との混合物の押出し成形により形成されており、シリコーンゴムの有する弾性により全体として可撓性を有している。前記磁性粉としては、比較的磁気の強い希土類磁石とフェライト磁石の混合磁石の磁性粉が用いられており、本磁石部10では、前記磁性粉と前記シリコーンゴムとの混合比がおおよそ7:3となるように構成されている。また、この磁石部10は着磁されており、図2に示すように、両磁極がそれぞれ外側に現れるように構成されている。
【0023】
前記被覆部20とは、前記磁石部10の外周をその全域にわたって覆い、この磁石部10に含まれる前記磁性粉が外部に漏洩しないようにするためのものである。この被覆部20は、約0.3mmの厚さを有する部材であり、シリコーンゴムの押出し成形により形成されている。そして、この被覆部20は、図1に示すように磁石部10を内部に包括した状態で容易に変形できるよう、十分な可撓性を有している。
【0024】
ここで、前記シリコーンゴムは、他の合成樹脂等に比べて生理的に安定しており、身体への悪影響が比較的小さいと言われている。そのため、前記のように被覆部20で磁石部10を覆うとともにこの被覆部20をシリコーンゴムで形成すれば、この磁気ネックレス1を肌に直接接触させる場合に、前記磁性粉が肌に付着するのを抑制することができるとともに肌への悪影響をより確実に抑制することができる。
【0025】
前記係止部22とは、後述する被係止部26を係止するためのものである。この係止部22は、前記被覆部20の一端にシリコーンゴムにより形成されている。また、この係止部22には、被覆部20側から外側に突出する係止突起24が設けられており、この係止突起24と後述する被係止部26に設けられた被係止孔28とが係合することで前記被係止部26がこの係止部22に係止されるようになっている。
【0026】
前記被係止部26とは、前記係止部22に係止されるものであり、前記被覆部20のうち前記係止部22と反対側の端部に設けられている。そして、この被係止部26には、前記係止突起24と着脱可能に係合する被係止孔28が形成されており、この被係止孔28と前記係止突起24とが係合することで被覆部20がリング状になる。
【0027】
以上のように構成された磁気ネックレス1は、前記係止突起24と被係止孔28との係合により身体の首周りに固定され、前記被覆部20が前記磁石部10を被覆した状態で撓むことで、前記首周りの肌に密着する。そして、前記磁石部10からの磁気が身体に作用し、身体の血行促進等を行う。ここで、本磁気ネックレス1では、この磁石部10による磁力が50mT程度となるように構成されている。
【0028】
次に、本磁気ネックレス1の製造方法について図面を参照して説明する。図3はこの磁気ネックレスを押出し成形するための押出し成形装置の概略正面図であり、図4は図3の概略上面図であり、図5はこの押出し成形装置に用いられるダイスの概略断面図である。前記押出し成形装置には、第一混練機31と第二混練機32と、第一押出機41と第二押出機42と、加硫機50と、引取機60,61と、巻取機70とが設けられている。
【0029】
この押出し成形装置を用いた前記磁気ネックレス1の製造方法は以下の工程を含む。
【0030】
1)素練り工程
この工程は、前記磁石部10および前記被覆部20を形成するミラブル型シリコーンゴムを素練りして可塑化する工程である。この工程では、前記ミラブル型シリコーンゴムの生ゴムが、前記第一混練機31および第二混練機32にてローラにより繰り返し練られることで可塑化していく。
【0031】
2)混練工程
この工程は、前記可塑化されたミラブル型シリコーンゴムに他の材料を混練する工程である。この工程では、第一混練機31に前記ミラブル型シリコーンゴムと、前記希土類磁石の粉末と、前記フェライト磁石の粉末と、加硫剤である有機過酸化物等とが投入され、これらが均一になるように混ぜ合わされる。また、第二混練機32には、前記ミラブル型シリコーンゴムと、加硫剤である有機過酸化物等とが投入され、これらが均一になるように混ぜ合わされる。
【0032】
3)収納工程
この工程は、前記混練工程にて混練された各混合物をそれぞれ第一押出機41と第二押出機42とに収納する工程である。この工程では、前記第一混練機31で混練された磁石部側混合物が第一押出機41に収納され、前記第二混練機32で混練された被覆部側混合物が第二押出機42に収納される。
【0033】
4)押出工程
この工程は、前記第一押出機41および第二押出機42から各混合物を押出す工程である。ここで、この第一押出機41と第二押出機42とは、加硫機50の上方に設けられた連結部43にそれぞれ連結されており、この連結部43には、図5に示すようなダイス43aが設けられている。また、このダイス43aには、薄肉の板状部材で形成された鉛直に延びる筒状の内枠45と外枠44とが設けられており、この内枠45に前記第一押出機41の出口が連結され、この内枠45と外枠44とで囲まれた部分に前記第二押出機42の出口が連結されている。
【0034】
そして、この工程では、第一押出機41によりこの第一押出機41に収納された前記磁石部側混合物が前記内枠45の内側から下方に向けて押出され、これと同時に、第二押出機42によりこの第二押出機42に収納された前記被覆部側混合物が前記内枠45と外枠44とで囲まれた部分から下方に向けて押出される。このようにして、各混合物は、磁石部側混合物が被覆部側混合物に被覆された状態で加硫機50側に連続して押出される。
【0035】
5)加硫工程
この工程は、各押出機41,42から押出された混合物を加硫機50にて加硫する工程である。この工程では、前記被覆部側混合物により被覆された磁石部側混合物の周囲に大気圧下で約200℃程度の熱風を供給し、各混合物に含まれる前記ミラブル型シリコーンゴムを加硫して硬化させる。このとき、前記磁石部側混合物のシリコーンゴムと前記被覆部側混合物のシリコーンゴムとは互いに密着した状態で加硫されるため、磁石部10と被覆部20とが一体化された状態で硬化されることになる。このようにして、この加硫工程では、被覆部20と、この被覆部20により被覆された磁石部10とが一体となったひも状の磁性体1aが形成される。
【0036】
6)巻取り工程
この工程は、前記加硫機50から排出される前記磁石部10および被覆部20からなるひも状の磁性体1aを巻き取る工程である。この工程では、この磁性体1aが、ローラ部を有する引取機60,61により引っ張られるとともに、巻取機70により順次巻き取られていく。
【0037】
7)裁断工程
この工程は、前記巻取機70で巻き取られたひも状の磁性体1aを所定の長さに裁断する工程である。
【0038】
8)係止部分溶着工程
この工程は、前記所定の長さに裁断された磁性体1aの被覆部20に前記係止部22および被係止部26を溶着する工程である。この工程では、まず、被覆部20の一端が図6に示す被係止部側金型80に装着される。そして、別途成形されたミラブル型シリコーンゴムのシートがこの金型80に挟み込まれる。その後、この金型80に所定の圧力が加えられることで、このシートが被係止部26の形状に成形されるとともに、前記被覆部20の一端にシートが溶着される。前記係止部22も同様にして被覆部20の他端に形成され、これにより本磁気ネックレス1の外形が形成される。
【0039】
9)着磁工程
この工程では、前記被覆部20により被覆された磁石部10に高磁気を放射することで、前記磁石部10が着磁される。
【0040】
このようにして、磁石部10はその長手方向に沿って磁極が配列された磁石となり、この磁石部10により磁気が均一に身体に作用する磁気ネックレス1が形成される。
【0041】
以上のように、本磁気ネックレス1によれば、磁性粉が混合された磁石部10をシリコーンゴムにより形成される被覆部20により被覆しているので、前記磁性粉が肌等に付着したり皮膚を傷つけたりしてしまうのを抑制することができる。また、前記磁石部10をシリコーンゴムと磁性粉との混合物により形成するとともに、前記被覆部20を同じシリコーンゴムにより形成しており、この磁石部10と被覆部20とを十分になじませることができるので、磁石部10から外部に発せられる磁気を容易に均一化することができ、磁気の管理が容易になるとともに、この磁気による血行促進作用を効果的に身体に作用させることができる。また、シリコーンゴムは生理的に安定している物質であるため、皮膚に与える悪影響をより確実に抑制することが可能となる。
【0042】
また、前記のように、磁石部10を形成する磁性粉として磁性の強い希土類磁石の粉末を用いれば、磁気効果を確保しつつ磁石部10中のシリコーンゴムの割合を増加させることが可能になり、磁気ネックレス1の可撓性を向上させることができる。その結果、肌に、より密着可能な磁気ネックレス1を構築することができる。また、前記シリコーンゴムの割合を増加させない場合では、所定の可撓性を確保しつつ磁気ネックレス1を小型化することが可能になる。
【0043】
また、前記のように、被覆部20にこの被覆部20と同様のシリコーンゴムにより形成される係止部22と、この係止部22に着脱可能に係止されるとともに前記シリコーンゴムにより形成される被係止部26とを設ければ、被覆部20とこれら係止部22および被係止部26とを融合させることが可能となり、これら係止部22等を被覆部20に容易に形成することができる。さらに、これら係止部22等が被覆部20から外れてしまうのを抑制することができる。
【0044】
また、前記磁気ネックレス1を製造する方法として、前記のような方法を用いれば、前記押出し工程にて前記磁石部側混合物が押出されると同時にその周囲に前記被覆部側混合物が押出されるため、前記被覆部20によって前記磁石部10を容易に被覆することができる。そして、前記加硫工程では、この押出された被覆部側混合物と磁石部側混合物とを同時に加硫しているので、前記磁石部側混合物中のシリコーンゴムと前記被覆部側混合物中のシリコーンゴムとを融合させることができ、これらの混合物により形成される前記磁石部10と被覆部20とを容易に一体化することができる。特に、この加硫工程では、磁石部側混合物と被覆部側混合物とに含まれるシリコーンゴムを加硫するだけで各混合物を硬化させることができる。すなわち、各混合物をそれぞれ異なる条件で加硫することなく同時に加硫することができるので、作業の手間を削減することができるとともに設備を簡素化することが可能になる。
【0045】
ここで、前記実施形態では、前記磁石部10を形成する磁性粉として、希土類磁石とフェライト磁石の混合磁石の磁性粉を用いた場合について示したが、これに限らず、例えばサマリウム鉄窒素系磁石等の磁性粉を用いてもよい。
【0046】
また、前記実施形態では、前記磁性粉とシリコーンゴムとの混合比を7:3とした場合について示したが、この比率に限らない。ただし、可撓性と磁力との兼ね合いから、この磁性粉とシリコーンゴムとの混合比は、5:5〜9:1くらいとするのがよい。
【0047】
また、前記磁石部10の径および被覆部20の厚みは適宜変更可能である。
【0048】
また、本発明に係る磁気治療器具は、磁気ネックレス以外にも適宜利用可能である。
【0049】
また、前記被覆部20には塗料等を混入してもよい。
【0050】
また、前記実施形態では、被覆部20を一種類の混合物により形成した場合について示したが、色の異なる複数種類の混合物により形成してもよい。例えば、図7に示すように、内枠105と外枠104とに囲まれた部分に複数の仕切り板104aを設けたダイス103を用いるとともに、前記第二押出機にさらに複数の押出機を設けて、前記仕切り板104aで区切られた領域にそれぞれ異なる色の混合物を押出すようにしてもよい。この場合には、図8に示すように、被覆部20に色の異なる複数の被覆部20a,20bとが形成されるような磁気ネックレス100を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る磁気ネックレス(磁気治療器具)の正面図である。
【図2】図1に示す磁気ネックレスの断面図である。
【図3】図1に示す磁気ネックレスを製造するための押出し成形装置の概略正面図である。
【図4】図3に示す押出し成形装置の概略上面図である。
【図5】図3に示す押出し成形装置に用いられるダイスの概略断面図である。
【図6】図1に示す磁気ネックレスに被係止部を形成する際の金型の概略断面図である。
【図7】図3に示す押出し成形装置に用いられるダイスの別の実施形態を示す概略断面図である。
【図8】図1に示す磁気ネックレスの他の実施形態を示す部分側面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 磁気ネックレス(磁気治療器具)
10 磁石部
20 被覆部
22 係止部
24 係止突起
26 被係止部
28 被係止孔
31 第一混練機
32 第一混練機
41 第一押出機
42 第一押出機
50 加硫機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネックレス等に用いられて身体に血行促進作用を及ぼす磁気治療器具において、
所定の方向に延びて、シリコーンゴムと磁性粉との混合物により形成されるとともに着磁された可撓性を有する長尺な磁石部と、
シリコーンゴムにより形成されるとともに前記磁石部の外周をその全域にわたって被覆する可撓性を有する被覆部とを備えたことを特徴とする磁気治療器具。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気治療器具において、
当該磁気治療器具が、前記磁石部を形成するシリコーンゴムと磁性粉との混合物と、前記被覆部を形成するシリコーンゴムとの多色押出しにより形成されることを特徴とする磁気治療器具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の磁気治療器具において、
前記磁性粉が希土類磁石の粉末であることを特徴とする磁気治療器具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の磁気治療器具において、
前記被覆部の一端にシリコーンゴムにより形成される係止部と、
前記被覆部の他端にシリコーンゴムにより形成されるとともに、前記係止部と着脱可能に係止される被係止部とを有し、
当該被係止部が前記係止部に係止されることで、前記被覆部が前記磁石体を被覆した状態でリング状となることを特徴とする磁気治療器具。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれかに記載の磁気治療器具を製造する方法であって、
前記磁石部を形成する前記シリコーンゴムと前記磁性粉と加硫剤とを第一混練機にて混練するとともに、前記被覆部を形成する前記シリコーンゴムと加硫剤とを第二混練機にて混練する混練工程と、
前記混練されたシリコーンゴムと磁性粉と加硫剤との磁石部側混合物を第一押出機に収納するとともに、前記被覆部を形成する前記シリコーンゴムと加硫剤との被覆部側混合物を第二押出機に収納する収納工程と、
前記第一押出機から前記磁石部側混合物を押出すと同時に、前記第二押出機から前記被覆部側混合物を前記磁石部側混合物の周囲に押出す押出し工程と、
この押出された各混合物に熱を加えることで、これら混合物を加硫する加硫工程とを含むことを特徴とする磁気治療器具製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−173405(P2008−173405A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14472(P2007−14472)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000112299)ピップフジモト株式会社 (46)
【出願人】(591115279)株式会社アイリス (16)
【Fターム(参考)】