説明

磁気活水器

【課題】本発明は、水処理装置、より詳しくは磁気を利用した水処理装置に関し、磁気処理効果を最大限発揮する構造を有し、かつ、容易に組み立てることができる構造であるため、製造コストが低く、配水管のいかなる位置にも設置することが可能な磁気活水器の提供を目的とするものである。
【解決手段】本発明は、両端に配水管との接続部2bを有する外筒1と、中心材5に内磁石6aを挿入し、その左右に内磁石6aより外径の大きい磁性体6b、6cを配置し、更に左右キャップ7、8により内磁石を固定してなる中心体4と、外筒2の内部に内磁石6aと対向する位置に内磁石6aと異極になるよう外磁石10aと、その左右に磁性体10b、10cを配置し、更に左右磁性体10b、10cの外側にスペーサー12、13を配置してなる内筒9と、前記中心体4及び内筒9を固定する左右の押さえ14、15からなることを特徴とする磁気活水器の構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気を利用する水処理処理装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
水の水質を改善させる水処理方法として、水に磁気を作用させる方法が知られている。この磁気を作用させた水のことを一般に磁気処理水、磁気水(以下、磁気処理水という。)という。この磁気処理水は、配水管内に付着した炭酸カルシウム等の結晶(スケール)を除去する作用を有していることが知られている。また、赤さび(二価の酸化鉄)の除去、マグネタイト(四三酸化鉄)の形成による配管腐食防止効果を有していることも知られている。磁気処理水を作る装置のことを磁気水処理装置、磁力線処理装置等という。なお、本発に係る磁気活水器とは、前記、磁気処理水を作る装置のことである。
【0003】
さらに、磁気処理水そのものを飲むと美味しいことや、磁気処理水を米飯の炊き水として利用するとふっくら美味しく炊けることもよく知られている。これらの現象は水分子クラスターの変化によって説明される。通常、水はクラスターと呼ばれる一定の水分子の集まりとして存在している。しかし、水に磁気を作用させると、前記クラスターはより小さなクラスターに分割される。その結果、水の浸透圧が高まり、上記効果を発揮するといわれている。
【0004】
米飯が美味しく炊ける理由は、米を洗米した後に磁気処理水に浸けて置くと、通常の水を使用するときより、より短時間で充分の水が米に浸透するためと考えられている。また、磁気処理水の浸透圧が増すことで、細菌に対しても致死的に作用することも知られている。
【0005】
上記磁気処理水を作るために、これまで多くの磁気水処理装置が提案されている。特許文献1記載の磁気水処理装置は、水道管、高架水槽等を通水する被処理水の給水管の外側にN極とS極が互いに対応するように永久磁石を配置し、被処理水に対して磁力線を直角に作用させることを特徴とする装置である。単に給水管を挟み込む構造であるため、種々の給水管に容易に装着することができる点、優れている。
【特許文献1】特開平2−131186号公報
【0006】
しかし、一般に家庭、工場で使用されている給水管は、鉄性の磁性体で作られていることから、前記磁気水処理装置を磁性体の給水管に使用した場合、充分磁気処理効果を発揮することができない。磁性体である給水管と磁力線が相互作用をお越し、磁力線が被処理水に対して直角に作用しなくなるためである。
【0007】
特許文献2記載の磁気処理装置において、被処理水の給水管を非磁性体のパイプとすることで、上記の磁性体配管と磁力線の相互作用による磁力線の分散を防止し、磁力線が通水に対して直角に作用させることを特徴とする装置である。
【特許文献2】特開平9−308888号公報
【0008】
しかしながら、依然、磁石と被処理水との距離は遠く、磁石が有する本来の磁気処理効果が得られないのが現状である。磁気処理効果は磁力線密度により定まり、磁力線密度が高いほど高い磁気処理効果が得られる。磁力線密度は磁石間の距離が離れるほど距離の2乗に反比例して低下する。従って、磁石間の距離が遠くなれば磁気処理効果も低くなる。内径20mm程度の一般家庭用配水管であえば、ある程度の磁気処理効果は得られるものの、内径50mm以上のマンション用元配水管、工場用水の配水管に、配水管を挟み込む状態で磁石を作用させても、たとえ配水管が非磁性体であったとしても、ほとんど磁気処理効果を得ることはできない。
【0009】
特許文献3記載の磁気水処理装置は、被処理水と磁石が直接接触する構造を有するため、従来問題とされていた磁石と被処理水との距離を近づけることとができ、磁気処理効率を従来よりも向上させることが可能になった。
【特許文献3】特開平10−165958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、多数の磁石を複雑に組み合わせる構造であり、かつ磁石間の距離が近接しているため、磁石間で磁力線が複雑に相互作用を起こし、被処理水の通水方向に対して直角に磁力線を作用させることができず、本来磁石が有している磁気処理効率を依然十分発揮させることはできない。また、上記装置構造は複雑であるため、製造には煩雑さが伴い、製造コストは高く、結果販売価格を高くせざるを得ない状況にある。
【0011】
そこで、本発明は、製造時に煩雑さを伴わない、容易に組み立てることができる構造を有し、かつ、磁気処理効果を十分発揮させることができる磁気活水器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するために、両端に配水管との接続部を有する外筒と、該外筒の内部に中心材に内磁石を挿入し、前記内磁石の左右に磁性体を挿入した内磁石部、及び内磁石部を中心材に固定させるための左右キャップとからなる中心体と、内磁石と通水路を挟み対向する位置に内磁石と異極になるよう外磁石を配置し、その左右に磁性体を配置した外磁石部、及び該外磁石部の左右に外磁石部を内磁石部と対向する位置に固定させるためのスペーサーを配してなる内筒と、前記中心体及び内筒からなる磁気処理部を外筒内の所定の位置に固定する左右の押さえからなる構成とした。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る磁気水処理装置は、容易に組み立てることができる構造であるから、製造時に煩雑な作業を伴わない。その結果、製造コストを低減でき、市場に安価で磁気活水器を提供することができることとなった。
【0014】
さらに、被処理水に磁力線を高密度で作用することができる構造であるから、本来の磁石が有する磁気処理効果を十分発揮させることができる。その結果、従来の磁気処理装置に比べ、配水管内部のマグネタイトの発生速度は極端に速く、内径50mm以上の配水管でも十分磁気処理効果が得られ、防錆効果によって配水管の寿命を延長させることができることとなった。100mmの配水管に本発明の磁気活水器を接続した場合と従来の挟み込み式磁気処理水装置を取り付けた場合において、同等の磁力密度を有する磁石を使用したとき、一定量の被処理水に対して磁力密度は、約1000倍の差が生じる。
【0015】
加えて、本発明に係る磁気活水器の配水管への接続は、既存の配水管に簡易に接続できる構造を有していることから、配水管を切断し、本発明に係る磁気活水器を接続するだけの作業でよい。また、本発明に係る磁気活水器を配水管に取り付け後は、本発明の特徴的な構造をよりメンテナンスは必要なく、当然外部からのエネルギー供給も必要ない。従って、一般家庭用の13〜20mm程度の口径の配水管からマンション、ビル、工場施設等で使用される50mm以上の大口径の配水管まで、例えば、飲料用の給水管、給湯管等の配水管・工場で使用されている冷却水配管、洗浄水用配管、配水管、排水管・農業用・畜産・酪農で使用されている配水管・排水管等あらゆる配水管径、形状に取り付けることができることとなった。
【0016】
従って、本発明に係る磁気活水器によって、より低コストで磁気処理効果を充分発揮する磁気活水器を、設置場所に制限されることなく導入することが可能となり、磁気処理水を飲料等の家庭用水・冷却水、洗浄水等の工業用水・農業、畜産・酪農用水等のあらゆる用途に容易に利用することができることとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
両端に配水管との接続部を有する外筒と、該外筒の内部に中心材に内磁石を挿入し、前記内磁石の左右に磁性体を挿入した内磁石部、及び内磁石部を中心材に固定させるための左右キャップとからなる中心体と、内磁石と通水路を挟み対向する位置に内磁石と異極になるよう外磁石を配置し、その左右に磁性体を配置した外磁石部、及び該外磁石部の左右に外磁石部を内磁石部と対向する位置に固定させるためのスペーサーを配してなる内筒と、前記中心体及び内筒からなる磁気処理部を外筒内の所定の位置に固定する左右の押さえからなる構成とすることで実現した。
【実施例1】
【0018】
以下に、添付図面に基づいて、本発明である磁気活水器について、詳細に説明する。図1は、本発明である磁気活水器の実施形態の1例を示す斜視図である。なお、一点破線A−Aは、後述する図2の切断位置を示す。
【0019】
磁気活水器1は、両端に左右の配水管16、17に接続するための接続部2bを有し、内部に磁気処理部3の収納部2aを有する外筒2と、前記内部の磁気処理部3を外筒内の内部の所定位置に固定する左右の押さえ14、15とからなる。さらに、左右の配水管16、17を磁気活水器1に接続すると完全に内部磁気処理部3が外筒2の内部の所定位置に固定されることとなる。
【0020】
外筒2の形状は、被処理水量に応じて外筒2、内部の磁気処理部3の構成比を保持しながら適宜大きさを変更することができる。従って、多流量の被処理水、大口径の配水管にも対応することができる。なお、本発明に係る磁気活水器の形状は筒状であればよく、勿論円筒形に限定されるものではない。内部の磁気処部3が外筒2の内壁と密着する構造であればよい。
【0021】
外筒
外筒2の素材には、一般に配水管に使用される素材を用いることができる。特に、土中、キッチン、風呂場周りなど湿気が多く、金属が腐食されやすい環境に本発明に係る磁気活水器1を装着する場合は、外筒素材としてSUS材を用いることが望ましい。
【0022】
また、本発明に係る磁気活水器1と左右の配水管16、17の接続は、左右の配水管16、17の切断部の一部を凸形状17aとし、磁気活水器1の両端の接続部2bに組み込こむこととした。これにより、外筒2の配水管との接着面2cと左右の配水管の磁気活水器1との接着面17aとが接触し、左右の配水管16、17の凸形状17aの一部である平面部で左右の押さえ14、15を磁気活水器1の内部に押し込み、磁気処理部3を外筒内部の所定の位置に固定することができる。最後に、磁気処理器1と配水管16、17との接続部を溶接により密閉接着することで本発明に係る磁気活水器1と配水管を接続することができる。
【0023】
外筒2の左右の配水管16、17との接続部2bは、配水管に本発明に係る磁気活水器1を連結装着した場合の接続部の強度を維持し、被処理水の漏れだしを防止するために、配水管に対して外側または内側に突出した形状をとることが望ましい。また、噛み合わせ部にゴム製のOリングなどを使用し補強することもできる。
【0024】
磁気活水器1と左右の配水管16、17を接続し、密閉装着する具体例としては、一般に水周りの使用に耐えるシール材で接着させる方法、配水管と磁気活水器の両端にネジ山構造を持たせてねじ込む方法、または、溶接等またはそれら組合せが考えられる。被処理水が、水圧によって磁気活水器1と配水管16、17との接続部から漏れださない密閉構造をとることができればいずれの方法で連結装着してもよい。
【0025】
また、磁気活水器1と配水管16、17の外径が大きく異なり上記方法を採用できない場合、更に、磁気活水器1と左右の配水管16、17との接続部の強度を高めたい場合は、後述する配水管と磁気活水器とを接続するためのアダプターを利用することで、本磁気活水器1を容易に配水管に連結装着することができる。
【0026】
図2は、本発明である図1の磁気活水器1のA−A断面図である。以下、本発明に係る磁気活水器1の内部構造、及び各部材の配置を詳細に説明する。磁気活水器1の内部構造は、中心体4と内筒9とからなる磁気処理部3、及び左右押さえ14、15よりなる。
【0027】
中心体4は、中心材5と、内磁石部6と、左右のキャップ7、8からなり、外筒2の中央に配置される。該内磁石部6は中心材5の外側にリング状の内磁石6a、前記内磁石6aの両側にリング状の左右磁性体6b、6cが挿入されてなる。前記左右キャップ7、8は、内磁石部6を所定の位置に保持するため、前記左右磁性体6b、6cの両外側から中心材5に挿入される。
【0028】
中心材5の形状は、円筒形であり、内磁石部6を構成する、リング状の内磁石6a、左右磁性体6b、6cの中心孔と同一の直径である。中心材5の長さは、外筒2の内部に中心体5を収納するために、左右のキャップ7、8の中心材挿入部7b、8bから左右の押さえ面までの厚み8cとを合わせた長さが、外筒2の左右押さえ14、15を固定する位置であるストッパー面2e間の長さすなわち、磁気処理部収納部の長さ2fの範囲に収まることを要する。
【0029】
なお、実施例1の中心材5の内部は中空であるが、中空であるか否かは本発明の効果に影響はない。また、中心材5は円筒形であるが、外筒を円形配水管に接続する都合上、円筒形を採用しているにすぎない。本発明に係る磁気活水器1の形状は特に円筒形に限った形状である必要はなく、磁気活水器1が接続される配水管の形状にあわせて自由に形状を選択することができる。この場合は外筒2、内外磁石部6、7等の磁気処理部3の形状を適宜変更することが必要であるが、当該変更によっても本発明に係る磁気活水器の効果に影響を与えることはない。
【0030】
中心材5の素材は磁力線を非処理水に対して有効に作用させるため塩化ビニル、セラミック等の非磁性体であることが望ましい。仮に、中心材5の素材を磁性体とすると、磁力線が磁性体の中心材との間の相互作用で分散し、高密度の磁力線が非処理水の流水方向に対して直角に作用しなくなるため好ましくない。
【0031】
中心材5に挿入される内磁石部6は、内磁石6aと、内磁石の両側に左右の磁性体6b、6cを配置してなる。
【0032】
内磁石部6を構成するリング状の内磁石6aは、中心材5の直径と同一の直径の中心孔を有し、中心材5に挿入される。また、内磁石6の直径は、内磁石6の両側に配置される左右の磁性体の直径より小さいことを特徴とする。より具体的形状については、図16(a)に示す。ここで、本発明に使用される磁石の素材は、ネオジュウム系等の永久磁石で通常使用されている磁石の素材と同じものでよい。
【0033】
内磁石部6を構成するリング状の左右の磁性体6b、6cは、中心材5の直径と同一の直径の中心孔を有し、中心材5に挿入される。また、左右の磁性体の直径は、内磁石6の直径より、大きいことを特徴とする。左右の磁性体6b、6cが内磁石6aより通水路18側に突出した構造とすることが、後述の図3に示すように本発明の磁気処理効果において重要である。より具体的形状については、図16(b)に示す。ここで、本発明に使用される磁性体の素材は、水中での腐食、水圧に耐える素材であればよい。
【0034】
左右のキャップ7、8は、中心材5の外径と同一径の穴である中心材5の挿入部8bと、左右の押さえと連結する突起7a、8aと、左右の押さえと接触する部分7d、8dを有する。左右のキャップ7、8を内磁石部6が挿入された中心材5の両端に挿入し、内磁石部6を所定の位置に固定させる。このようにしてできた中心体5は左右のキャップ7、8の突起7a、8aと連結した左右の押さえ14、15によって外筒2の内部の所定位置に固定されることとなる。
【0035】
中心材5と左右キャップ7、8とを接着剤等により強力に接着することは特に必要ではないが、中空の中心材5を用いた場合は、水圧によって被処理水が中心材5の内部にしみ込むことがあるため、一般に使用されている耐水性の接着材を用いてシールすることが望ましい。また、ゴム等により作られるOリングを使用してシールしてもよい。
【0036】
内筒3は、外磁石部10と外磁石部10を内磁石部6の対向する位置に固定するための筒状の左右スペーサー12、13とからなり、外筒2の内壁面に接触した状態で配置される。外磁石部10は、リング状の外磁石10aと外磁石10aの両側にリング状の左右磁性体10b、10cが積層されてなる。
【0037】
外磁石部10を構成するリング状の外磁石10aは、外周部の直径を外筒2の内部径と同一とし、外周部を外筒2の内壁に接触させることにより、内磁石との一定の距離が保持された状態で固定させる。また、外磁石10aの中心孔は、内磁石6aの外径より直径が大きいく、該中心孔内に中心体4に固定された内磁石6aが一定の距離を保って対峙する。
【0038】
外磁石部10を構成するリング状の左右磁性体10b、10cは、外磁石10aと同一の外径であるから外磁石10aと同様に外筒2の内壁に接触した状態で固定される。また、磁性体10b、10cは、外磁石10aが有する中心孔より小さい中心孔を有することを特徴とする。すなわち、磁性体10b、10cが外磁石10aより通水路側18に突出した構造をとることとなる。これは、後述するように本発明の磁気処理効果において重要なことである。
【0039】
塩化ビニルによりなる筒状の左右スペーサー12、13は、外磁石部10を内磁石部6と対向する位置に配置するために用いられる。外磁性部10を構成する外磁石10aと10b、10cと同様に、外周部の直径を外筒2の内部径と同一とし、外周部を外筒2の内壁に接触させることにより、外磁石部10を内磁石部6と対向する位置に固定することができる。次に説明する左右の押さえにより外筒2の内部に外磁石を固定することから、外左右のスペーサーの長さは、外磁石部10の長さと外筒2の長さによって定まる。
【0040】
左右の押さえ7a、8aは、左右のキャップ7、8の突起7a、8aを挿入することができる形状をした孔14a、15aを有する。該孔14a、15aと前記突起7a、8bが連結され、外筒2の内部の左右押さえを固定するストッパー面によって、中心体4と内筒9を外筒2の内部の所定位置に固定する。その結果、内磁石6aと対向した外磁石10aとが、極性が異極となるように外筒2の内部に固定される。内磁石部3を外筒2の内部で後述の外磁石部10と対向する所定の位置に固定するために用いられる。さらに、後述の左右押さえ14、15と連結して、本発明に係る磁気活水器が配水管16、17に連結装着された時、外筒2の内部の磁気処理部3全体が固定され、同時に中心体4も本発明に係る磁気活水器1の外筒2の中央に固定することができる。
【0041】
なお、前記左右のキャップ7、8、左右の押さえ14,15の形状は、水中での腐食、水圧に耐えることができるものであれば、実施例1で示した形状に限定されるものではなく、例えば、後述の図10、11に示した形状等でもよい。また、その素材は上述の中心材5と同様、塩化ビニル、セラミック等の非磁性体であることが望ましい。左右のスペーサー12、13の素材も同様である。
【0042】
矢印Eは本発明に係る磁気活水器1を左右の配水管1617に接続装着して使用したときの被処理水の通水方向を示している。記号N、Sは内磁石部6及び外磁石部10の極性であるN極、S極を意味する。
【0043】
図3は、磁力線が被処理水に対して作用する様子を模した図であり、図2の磁気処理部の一部である磁気活性部11の拡大図である。なお、記号E、S、Nは図2の説明で使用した意味と同一であり、矢印Fは、内磁石6a及び外磁石10aの両側に配置された左右の磁性体6b、6c、及び10b、10cの先端間に集中している磁力線と、その磁力線の方向を表している。
【0044】
本発明に係る磁気活水器は、上述の構成であるから、磁石部11aが形成される。磁石部11aは、内磁石6aとその両側に左右の磁性体6b、6cが配置された内磁石部6と前記内磁石部6と対向する位置に外磁石10aとその両側に左右の磁性体10b、10cが配置された外磁石部10とからなる。これら内磁石部6と外磁石部10よりなる磁石部11aは、内磁石部は左右のキャップ7、8によって、外磁石部は、左右のスペーサーによって、それぞれい所定の位置に固定され、最終的に、配水管との接続のとき、左右の配水管、及び左右の押さえによって対向する位置に固定される。このように形成された内外の左右磁性体6b、6c、10b、10dスキマを被処理水が通過するとき最も磁気処理効果を受ける。
【0045】
磁力線は通水路18に突出した内外の左右磁性体の先端6d、10dに特に集中する。従って磁力線は被処理水の通水方向Eに対して直角に作用することができ、磁力処理効果を充分得ることができることとなる。
【0046】
従って、内磁石6aの両側に配置された左右磁性体6b、6cと外磁石6bの両側に配置された左右磁性体10b、10cとの距離は極力狭くすることが、磁気処理効果を充分得るために望ましい。一方、前記距離を狭くしすぎると、磁気活性器1の内部水圧が高まり、磁気活水器1と配水管の接続部から被処理水が漏れだすことや、押さえ14、15の変形、破損が起きる。
【0047】
従って、例えば、家庭用の飲料水配水管(20mm)に本発明に係る磁気活水器を接続装着する場合においては、内磁石部6を構成する磁性体6b、6cの先端6dから外磁石部10を構成する磁性体10b、10cの先端10dまでの距離は、望ましくは4mm〜8mm、さらに望ましくは4mmから6mmであるとき、効率的な磁気処理効果が得られる。ここでの磁気処理効果の評価は、配水管内に形成させる黒錆び(マグネタイト)の形成状況即ち、黒錆びの有無、及び形成されるまでの経過時間で判断される。
【0048】
磁気処理効果を挙げるためには第1に磁力密度の高い磁石を利用することであり、第2に被処理水の流速を早くすることといわれている。内磁石部6及び外磁石部7の磁性体先端間の間隔を前記間隔のように狭くすることは、磁力密度を上げる方法により、磁気処理効果を上げることを意味する。
【実施例2】
【0049】
図4は、本発明である磁気活水器の実施形態の1例を表す斜視図である。なお、一点破線Cは後述の図5の断面位置、及び破線矢印Dについては後述の図9の断面位置を示している。
【0050】
磁気活水器21は、内部構造を覆う外筒22の両端に左右の配水管44、45と接続するための左右のアダプター42、43を組み込むことで、左右の配水管44、45との接続部の強度が増す。また、磁気活水器1は外筒22の溶接面22aと外筒より少し突出した左右のアダプター42、43の側面とを溶接することにより一体化し、内部の磁気処理部23を固定する。このような溶接を採用することで、より外筒22と左右のアダプター42、45との溶接部22fの強度が増し、大容量の被処理水を通水したときに生じる磁気活水器21の内部に生じた高い水圧に対応することができる。
【0051】
本発明に係る磁気活水器21は、左右のアダプター42、43の内部にネジ山22bをもつ。一方、接続される左右の配水管44、45にもネジ山44aを施し、磁気活水器21を左右の配水管44、45にねじ込む方法で連結させる。このとき、左右のアダプター42、43に平面部42a、43aがあるため、レンチ等により容易に磁気活水器21を配水管にねじ込み連結することができる。
【0052】
このとき、磁気活水器21と左右の配水管44、45との接続部に接着剤を塗布し、又はシーリングテープ用いて連結部の密封性を高めることもできる。さらに磁気活水器21の内部構造は、配水管に接続された後においても、メンテナンスが不要であるから磁気活水器21と左右の配水管44、45との連結部は溶接してもよい。これにより、さらに磁気活水器21の内部に生じる水圧に対する機密性が高まる。
【0053】
なお、本発明に係る磁気活水器21と左右の配水管44、45との接続方法は当然、図4に示した実施例2に限定されるものではなく、左右のアダプター42、43の外筒22から突出している部分を、接続される配水管の形状に対応した形状に変更することができる。例えば、図4に示した左右のアダプターの突出した部分に配水管にねじ込むことのできるネジ山を付加すること、或いは、フランジ形式の接続構造を付加すること等、公知の接続技術で本発明に係る磁気活水器21を配水管の形状に対応して接続することができるのは勿論である。
【0054】
左右のアダプター42、43と内部構造を収納した外筒22とを予め溶接連結してなる実施例2の磁気活水器21は、実施例1の磁気活水器1に比べ、磁気活水器と配水管との接続部の強度を高める効果の他に、予め水圧抵抗試験を行い事前に水漏れを確認することが可能であるから、磁気活水器21の品質の安定性を高める効果がる。また、磁気活水器21を装着する場所で組み立てる必要がないことから、装着作業が容易になる効果もある。
【0055】
なお、本発明に係る磁気活水器21の外径と、接続される配水管の外径とが同一径でない場合であっても、左右のアダプター42、43の構造を適時変更することで、磁気活水器21と配水管を容易に連結接続することができる。
【0056】
図5は、外筒22と左右のアダプター42、43の透視斜視図である。外筒22は、両端に左右のアダプター43、44と溶接される接続面22aと、後述の磁気処理部23の収納部22bと、左右のアダプター43、44の組み込み部22cと、後述の左右の押さえ40、41を固定するストッパー面22dを円筒形の内部に有する。なお、外筒22の磁気処理部23を収納する通水方向における全長である収納部の長さ22eは、外筒22の内部に固定される中心体4及び内筒9の積層方向における長さと同一である。
【0057】
外筒の形状、素材は、実施例1に記載された外筒2と同様に、円筒形に限定されるものでなく、SUS材を用いることが望ましい。
【0058】
左右のアダプター42、43は、通水路46にあたる通水路孔及び通水用のスペース43bと、内部磁気処理部23を左右の押さえ40、41を介して外筒22の内部に固定するため左右の押さえ40、41と接触する押さえ面43cと、配水管と接触する接続面42cと、外筒22の内部に挿入される組み込み部42eと、外筒22と溶接により一体化させるための溶接部42dを有する。さらに、外筒と溶接により、一体化した磁気活水器21を配水管に連結するため通水路孔の壁面にネジ山を設け、また、外筒22に組み込まれない部分に、配水管と連結するための作業工具を使用し易いよう平面部42aを設けた。
【0059】
左右のアダプター42、43のび素材は、実施例1に記載された中心材5、キャップ7、8スペーさー12、13と同様の理由から、塩化ビニル、セラミックなどの非磁性体であること望ましい。
【0060】
なお、外筒22と左右のアダプターとの接続は、溶接による方法が最も有効であるが、非処理水の流量、水圧との関係において、市販の接着材によるシール、ネジ山構造によるねじ込み方法も採用できる。
【0061】
図6は、本発明に係る磁気活水器21における図4に示した一点破線B−Bの位置での断面図ある。本発明に係る磁気活水器21が外筒22、中心体24、内筒33、左右の押さえ40、41、左右のアダプター42、43よりなることを示している。
【0062】
なお、破線矢印Eは本発明に係る磁気活水器21を配水管に連結接続して通水した時の被処理水の通水路における流水方向を示している。実線矢印Eは、特に被処理水が最も磁気処理を受ける位置の流水方向を表している。また、記号S、Nはそれぞれ磁石の極性のS極、N極を意味する。当該中心体24、内筒33等の各構成部材についての詳細は後述する。さらに、一点破線矢印Cは後述する図10の断面図位置である。
【0063】
実施例2の磁気活水器21においては、実施例1の磁気活水器1で用いた内磁石部6,と外磁石部7の組合せである磁石部11aを2組使用している。左右の内磁石部26、27及び左右の外磁石部234、35であるが、これについても後述する。被処理水の流量が多量である場合、充分磁気処理効果を得るために特に有効である。
【0064】
外筒22の内部壁面に内筒33が接触し、さらに外筒22の中心部に中心体24が左右の押さえ40、41及び、左右のアダプター42、43によって外筒22の内部にあるストッパー面22dまで押し込まれることによって、左右の内磁石部34、35と左右の外磁石部34、35が磁石の極が異極となるよう直線矢印Eで示された通水路を挟み対峙して固定される。
【0065】
外筒22と左右のアダプター42、43とは、溶接部22fの位置で溶接して一体化される。図4において、通水孔内壁のネジ山22bを省略したが、・・・
【0066】
図7は、中心体24の斜視図である。中心体24は、点線で示した中心材25に左右の内磁石部26、27の間に左右の内磁石部26、27の間隔を一定に確保するための筒状の中央スペーサー28が挿入され、該スペーサー28の両側に左内磁石部26の外磁性体26cと右内磁石部27の内磁性体27bを挿入し、続いて、順次、左内磁石26aと右内磁石27a、左内磁石部の外磁性体26bと右内磁石部27の外磁性体27c、筒状の左右のスペーサー29、30を挿入し、最後に、中心材25の両端から左右のキャップ31、32を挿入してなる。このとき、中心材25と中心材25の挿入部31bとを接着剤によってシールしてもよい。なお、記号N、Sは左右の内磁石部26、27を構成する左右の内磁石26a、27aの極性であるN極、S極を意味する。
【0067】
なお、左右の内磁石26a、27a、左内磁石部26の内外磁性体26c、26b、右磁石部27の内外磁性体27b、27c、左右のキャップ31、32の形状・素材は実施例1で記載した内容と同様である。中央のスペーサー28、左右のスペーサー29、30の素材についても同様である。
【0068】
中央のスペーサー28及び左右のスペーサー29、30の長さ以外の形状は特に実施例1に記載された内容で変わるところがない。中央のスペーサー28の長さは、左右の内磁石26a、27aの間で磁力線の相互作用が生じない程度の距離を確保するための長さとし(好ましくは距離4cm以上)、左右のスペーサーについては、中心体24が外筒22の収納部22bに収まる長さになるように調節される。
【0069】
これによって、左右の内磁石部26、27が所定の位置に固定される。この場合において、左右の内磁石部26、27を構成する左右の内磁石26a、27aの極性は、異極となるよう配置されているが、同一極となってもよい。左右の内磁石26a、27a同士の磁力線が相互作用を生じないよう中央のスペーサー28によって一定の距離が確保されているからである。
【0070】
左右のキャップ31、32には、後述する左右の押さえ40、41の中心体24を固定する孔37aと組み合う形状の突起31aある。該突起31aと孔37a、38aとが組み合わされ、左右の押さえ40、41及び左右の押さえ42、43によって中心体24が外筒22の中心に固定されこととなる。
【0071】
なお、上述の中心体24の積層方向における左右のキャップ部を除いた長が、外筒22の収納部22fの通水方向に対する全長である収納部の長さ22eと同一である。
【0072】
図8は、内筒33が外筒22の内部で積層されたときの斜視図である。内筒33は、中央のスペーサー37の両側に左外磁石部34の内磁性体34cと右外磁石部35の内磁性体35bが配置され、続いて、該内磁性体34c、35bの両側に、順次、左外磁石34aと右外磁石35a、左外磁石部34の外磁性体34bと右外磁石武35の外磁性体35c、左右のスペーサー38、39が配置されてなる。なお、記号N、Sは左右の外磁石部34、35を構成する左右の外磁石34a、35aの極性であるN極、S極を意味する。
【0073】
なお、左右の外磁石34a、35a、左外磁石部34の内外磁性体34c、35bと右外磁石部35の内外磁性体35b、35bの形状・素材は実施例1記載の内容と同様である。中央のスペーサー37及び左右のスペーサー38、39の素材についても同様である。
【0074】
中央のスペーサー37及び左右のスペーサー38、39の長さ以外の形状は特に実施例1に記載された内容で変わるところがない。中央のスペーサー37の長さは、中心体24の中央のスペーサー28と、左右のスペーサー38、39の長さは、内筒33を外筒22の収納部22bの長さ22eと同じになるよう調整されている。
【0075】
これにより、左右の外磁石部34、35が所定の位置に固定される。この場合において、左右の外磁石部34、35を構成する左右の外磁石34a、35aの極性は、異極となるよう配置されているが、同一極となってもよい。前記、左右の内磁石26a、27aとの関係と同様の理由である。なお、中心体24を構成する左右の内磁石26a、27aと対向する左右の外磁石の極性は、各々異極とすることを要する。
【0076】
内筒33の両端に位置する左右のスペーサー38、39の外側である接触面38aが左右の押さえ40、41及び左右の押さえ42、43によって、内筒33を外筒22の収納部22bに内筒33の外周部が外筒22の内壁に接触した状態で固定される。最終的に左右の外磁石部34、35及び左右の内磁石部36、27が通水路を挟み対峙した位置に配置されることとなる。
【0077】
上記配置により構成される内筒33の積層方向における長さは、外筒22の収納部22bの通水方向に対する全長である収納部の長さ22eと同一である。
【0078】
実施例2の磁気活水器21において、磁石部36a、36bを2組用いているが、被処理水の流量により、更に内磁石部を組み込むことは可能である。この場合において、磁石部の磁力線が相互作用を生じない一定の距離が確保されていることが、効率的な磁気処理効果を得るために特に重要である。従って、磁石部26、27を2以上繰り返して磁気活水器を構成する場合には、左右のスペーサー29、28の長さを適宜調節して、外筒22の収納部22fbに納めればよい。
【0079】
図9は、本発明に係る磁気活水器21の図6に示した一点破線矢印Dの位置にける断面図である。以下、外筒22の内部に磁気処理部23が左押さえ40によって、固定されている様子を説明する。
【0080】
左押さえ40は、外筒22の内部に落ち込んだストッパー面22dの位置で外筒22の内部に止まる。このとき該押さえ40の孔40cに、中心体24を構成する左キャップ31の突起31aが組み合い、左押さえ40と左のアダプター42と供に中心体24を外筒22の収納部22bに固定する。これと同時に左押さえ40と内筒33の左スペーサー38の接触面38aと接触し、内筒33を外筒22の収納部22bに固定する。
【0081】
その結果、内磁石26a、外磁石34aが通水路46を挟み、磁石の極性を異極となるよう対向した位置に配置され、左内磁石26a及び左外磁石33aの外側に配置された外磁性26b、33bの先端間に磁力線が集中する。従って、被処理水が磁気活水器中の通水路46を通過することで、効率的に磁気処理を受け、磁気処理水となる。
【0082】
左右の外磁石34a、35の中心孔径より、左右の内磁石26a、27aの直径は小さく、また、左右の外磁石部34、35を構成する内外磁性体34c、34b、35b、35cの中心孔径より左右の内磁石部26、27を構成する内外磁性体26c、26b、27b、27cの直径は小さい。
【0083】
図10は、左右押さえの形状例を示した平面図である。図10(a)は、実施例1で使用した左右押さえ14(15)である。一般に、家庭用飲料水等の配水管内部の水圧が高くならない場合は、本実施例1で用いた左右押さえ14、15のような簡易な形状でも充分対応できる。
【0084】
図10(b)、図10(c)は、被処理水の流水速度が速い場合、外筒径が大きい場合等に、特に有効な左右押さえ40、41、40a、41bの形状例である。図10(b)は実施例2で使用した左右押さえ40(41)である。被処理水の流水速度が速いと磁気活水器内の水圧は高くなり、その水圧により左右の押さえが変形する。その結果、内磁石、外磁石の位置が所定の位置からずれることとなり、本来の磁気処理効果が得られなくなってしまう。従って、左右の押さえには、水圧に十分耐えうる図10(b)、(c)のような構造が必要である。
図10(d)は、網目構造をした左右の押さえ40b(41b)である。このような網目構造であれば、磁気処理部23を構成する各部材が破損したとしても、該破損物が処理水と伴に流出することを防止することができる。よって、飲料用水に本発明に係る磁気活水器を用いたとしても安心して使用することができる。
【0085】
また、本発明に係る左右の押さえに用いる素材は、被処理水の水圧、水による腐食に耐え、被処理水中に有毒物質が溶出されることがない素材であればよい。
【0086】
図11は、左右の押さえと中心体を構成するキャップとの結合部の断面図である。
【0087】
図12は、実施例2の磁気処理部23の一部である磁気活性化部の36の拡大図である。矢印Eは本発明に係る磁気活水器21を配水管に接続装着して使用したときの被処理水の通水方向を示している。記号N、Sは内磁石部26、27及び外磁石部34、35を構成する磁石の極性であるN極、S極を意味する。矢印Fは、左右の内磁石26a、27a及び左右の外磁石34a、35aの両側に配置された左右の内磁石部26、27の内外磁性体26c、26b、27b、27c及び左右の外磁石部の34、35の内外磁性体34c、34b、35b、35cの先端間に集中している磁力線と、その磁力線の方向を意味する。
【0088】
また、通水路46の平行方向に積層される磁石部36a、36bは、中央のスペーサー28、37により一定の間隔を隔てて隣り合う。これら磁石部36a、36bは左右のスペーサー29、30及び左右のスペーサー38、39により所定の位置に保持される。
【0089】
左右の内磁石部26、27及び左右の外磁石部34、35においては、磁石より、磁石の左右に配置された内外磁性体26c、26b、27b、27c、34c、34b、35b、35cが通水路46に突出した構造である望ましい。磁力線と磁性体との間の相互作用によって、磁力線Fが磁性体の通水路に突出した位置に集中するためである。
【0090】
磁気処理効果は、磁石の磁力線密度(ガウス)、または磁力線間を通過する被処理水の通過速度により上げることができる。従って、本発明に係る磁気活水器においては、磁性体先端に磁力線を集中させ、その距離を近づけることで、磁気処理効果を上げた。その例えば、配水管に本発明に係る磁気活水器21を接続装着する場合においては、内磁石部26、27を構成する内外の磁性体26c、26b、27b、27cの先端から外磁石部34、35を構成する内外の磁性体33b、33cの先端までの距離は、4mm〜8mm、さらに望ましくは4mmから6mmであるとき、効率的な磁気処理効果が得られた。
【実施例3】
【0091】
図13〜15は、実施例3の中心体54、内筒63、及び磁石部66の配置を示した斜視図である。なお、実施例3に使用したその他の部材である外筒22、左右押さえ40、41、アダプター左右42、43は実施例2記載の部材と同一であるため記載を省略する。
【0092】
実施例3の磁気活水器は、実施例2の磁気活水器21と比較して、左右の内磁石部26、左右の外磁石部34、35を構成する内外磁石26a、27a、34a、35aがリング状磁石でなく、円柱状磁石56a、57a、64a、65aを複数使用するところが相違する。特に、被処理水が多量であるマンションの元配水管、工場用水配管に有効である。
【0093】
現在、最も強力な磁力線を放射する磁石は、ネオジュウム磁石である。しかし、ネオジュウム磁石は高価であることから、例えば100mmの配水管径にネオジウム磁石をリング状で使用した場合、最終的な磁気活水器はとても高額なものになってしまう。
【0094】
そこで、実施例1、2と同様の磁気処理効果を発揮する構造として、既存規格のネオジュウム磁石を用いて図13〜16に示す中心体54、内筒63を用いて磁気活水器構成した。
【0095】
図13は実施例3の磁気活水器を構成する中心体54の斜視図である。中心体54は、点線で示した中心材55に筒状の中央スペーサー58を挿入し、続いて、順次、左右の内磁石部56、57、左右のスペーサー59、60、左右のキャップ61、62を挿入してなる。ここで、左右の内磁石部56、57は、後述(図16)する内磁石56a、57aの配置とし、その両側に内外磁性体56c、56b、57b、57cを配置してなる。中央及び左右のスペーサー58、59、60の機能は、実施例2に記載した内容と同一である。中心材55と左右のキャップ61、62は接着材によりシールされている。
【0096】
これにより組み立てられる中心体54は左右のキャップに設けられた突起61aと図10(b)で示した左右押さえ40、41により外筒22の内部の所定位置に固定されることとなる。記号N、Sは磁石の極性を意味する。
【0097】
図14は実施例3の磁気活水器を構成する内筒63の斜視図である。内筒63は、左右外磁石部64、65の間に筒状のスペーサー67が配置され、前記左右の外磁石部64、65の両側に左右のスペーサー68、69が配置されてなる。ここで、左右の外磁石部64、65は、後述(図16)する外磁石64a、65aの配置とし、その両側に内外磁性体64c、64b、65b、65cを配置してなる。中央及び左右のスペーサー58、59、60の機能は、実施例2に記載した内容と同一である。
【0098】
これにより組み立てられる内筒53は外筒22の内部に挿入され、中心体24と供に、左右の押さえ40、41で外筒22の内部の所定位置で固定されることとなる。記号N、Sは磁石の極性を意味する。
【0099】
図15は、実施例3の磁気活水器を構成する内磁石部56と外磁石部64よりなる左磁石部66を示す斜視図である。最終的組み立てられた実施例3の磁活水器内での磁石部66を構成する各部材の配置を示している。
【0100】
ここで、使用する磁石は、ネオジウム磁石である。現在最も磁力線が強いをいわれており、平方センチメートル当たり13,000ガウスの磁力密度を有する。実施例3で使用した磁石は円柱状であるが、例えば平面部などの磁石の両端に左右の磁性体と接触できる構造を有する形状であれば、特に円柱状に限定されるものではない。また、内磁石部56、外磁石部64に用いられる磁石は同一のものでよい。
【0101】
内磁石部56外磁石部64各々4本の円柱状ネオジュウム磁石を配置した構造になっている。内磁石部56及び外磁石部64配置される磁石の数は、装着される配水管径と磁石形状により異なる。実施例3の磁石部66の構造を採用する場合、隣り合う磁石間に一定の距離を保つ事が重要である。即ち、磁石間の距離が近すぎると、隣り合う磁石間で磁力線が相互作用をお越し、流水に対して磁力線が直角に作用しなくなるためである。
【0102】
例えば、隣り合う磁石間の距離を磁力線が相互作用を起こさない範囲にあるために、直径数ミリ、高さ10mm程度のネオジュウム磁石である場合は、磁力線が相互作用を起こす距離は約3cm以下である。従って磁気活水器内での磁石間の距離は3cmより離れていることが効率的な磁気処理に望ましい。このことから、マンション用配水管(内径150mm)に装着される実施例3の磁石数は各々4本とした。
【0103】
前記磁石部66が上述の配置よりなることから、矢印で示した通水路46の間に磁力線が集中することとなる。従って、この間を通過する被処理水は効率的に磁気処理を受ける。前記内磁石と外磁石の左右に配置されている内外磁性体距の距離は、4〜8mm、望ましくは4〜6mmである。これは、上述の如く磁力密度が、磁石間の距離の2乗に反比例して減少するからである。
【0104】
ここで、配置される磁石の極性は外磁石部内、内磁石部内で同一の極を同一の方向で配置することを要する。また、外磁石部と内磁石部の磁石の極性方向を異極として配置する。通水路46に突出した磁性体の先端に磁力線が集中するためである。
【0105】
実施例3において、前記磁石部は2組使用しているが、当然1組でも本発明の目的である磁気処理は可能である。特に2以上の磁石部を使用すること、被処理水が多量である場合、より磁気処理効果を得たい場合等に有効である。
【0106】
2以上の磁石部を採用する場合、磁石部間の距離、即ち、磁石部を構成する左右外磁石部間及び、左右内磁石部間の距離は、磁力線の相互作用が関与しない距離を保てば、磁石の極性は特に限定しない。この距離は、中心体55、及び内筒に使用する中央即ち、左右の磁石部66の間にあるスペーサーにより調整させる。
【0107】
外磁石部の磁性体の外周が外筒内に接触し、中心体の内径が中心材の外周部に接触して、矢印で示した通水路46の距離を一定に保つ事ができる形状を有すれば、特に磁性体形状は、図15等に示したリング状である必要はない。
【0108】
実施例3における上述の磁石部66でも、実施例1、2と同様の磁気処理効果を有する。さらに、多量の被処理水にも安価な磁気活水器を提供することができる。
【0109】
図16は本発明に係る磁気活水器に使用した、磁石の形状を示す斜視図である。図16(a)は実施例1、2で使用したリング状内磁石である。図16(b)は実施例1、2で使用したリング状外磁石である。図16(c)は実施例3で使用した円柱状磁石である。いずれの磁石もネオジウム磁石等一般に流通している磁石を使用することができる。
【0110】
次に、実施例3に係る磁気活水器の組み立て方法について説明する。予め、中心体54を組み立てておく。中心体の組み立て方法は、中心材に中央スペーサーを挿入し、また、所定の位置に内磁石を貼り付けた磁性体よりなる左右の内磁石部を中央スペーサーの左右に挿入し、続いて、その左右に筒状スペーサーを挿入し、最後に中心材の左右の端にキャップはめ込み、接着材で接着固定する。
【0111】
外筒内に図14で示した部材を順次積層する。これにより外筒内に内筒が組み立てられる。なお、内磁石部と同様所定の位置に外磁石を貼り付けた磁性体よりなる左右の外磁石部を予め用意しておく。
【0112】
続いて、予め用意しておいた中心体54を外筒内に積層された内筒内に挿入し、中心体の両端にある左右のキャップの突起と左右の押さえにある孔とを組合せる。その結果、左右の押さえが外筒のストッパー面に係ることにより、中心体は、左右の押さえにある孔で、内筒は左右の押さえの固定面で外筒内の所定の位置に固定される。最後に外筒の両端から、左右のアダプターを組み込み、外筒の両端の面とアダプターの外筒から突出した部分を溶接する。
【0113】
これにより、内部構造が、所定の位置に固定され、効率的な磁気活水器を容易に組み立てることができることとなる。また、実施例2、3の構造をとることで、予め磁気活水器を作ることができ、磁気活水器を装着する場所で組み立てる必要がないことから、実施例1に係る磁気活水器と比較して、磁気活水器の装着作業も軽減される。さらに磁気活水器を配水管に装着前に、一定の水圧を掛けることで、水漏れ検査もできることから有効な形状である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明である磁気活水器(実施例1)の斜視図である。
【図2】本発明である磁気活水器のA−A断面図である。
【図3】本発明である磁気活水器の磁気活性化部の拡大断面図である。
【図4】本発明である磁気活水器(実施例2)の斜視図である。
【図5】本発明である磁気活水器を構成する外筒とアダプターの透視斜視図である。
【図6】本発明である磁気活水器のB−B断面図である。
【図7】本発明である磁気活水器を構成する中心体(実施例2)の斜視図である。
【図8】本発明である磁気活水器を構成する内筒(実施例2)の斜視図である。
【図9】本発明である磁気活水器(実施例2)の破線矢印Cの位置における断面図である。
【図10】本発明である磁気活水器を構成する押さえの平面図である。
【図11】本発明である磁気活水器を構成する押さえの断面図である。
【図12】本発明である磁気活水器の磁気活性化部の拡大断面図である。
【図13】本発明である磁気活水器を構成する中心体(実施例3)の斜視図である。
【図14】本発明である磁気活水器を構成する内筒(実施例3)の斜視図である。
【図15】本発明である磁気活水器を構成する磁石部(実施例3)の斜視図である。
【図16】本発明である磁気活水器を構成する磁石の斜視図である。
【符号の説明】
【0115】
1 磁気活水器
2 外筒
2a 磁気処理部の収納部
2b 接続部
2c 接着面
2e ストッパー面
3 磁気処理部
4 中心体
5 中心材
6 内磁石部
6a 内磁石
6b 左磁性体
6c 右磁性体
6d 内磁石の外周部
6e 磁性体の外周部
7 左キャップ
7a 突起
8 右キャップ
8a 突起
9 内筒
10 外磁石部
10a 外磁石
10b 左磁性体
10c 右磁性体
10d 外磁石の外周部
10e 磁性体の外周部
11 磁気活性化部
11a 磁石部
12 左スペーサー
13 右スペーサー
14 左押さえ
14a 孔
15 右押さえ
16 左配水管
16a 接着面
17 右配水管
18 通水路
21 磁気活水器
22 外筒
22a 溶接面
22b 磁気処理部の収納部
22c アダプターの組み込み部
22d ストッパー面
22e 収納部の長さ
22f 溶接部
23 磁気処理部
24 中心体
25 中心材
26 左内磁石部
26a 左内磁石部の内磁石
26b 左内磁石部の外磁性体
26c 左内磁石部の内磁性体
27 右内磁石部
27a 右内磁石部の内磁石
27b 右内磁石部の内磁性体
27c 右内磁石部の外磁性体
28 中央のスペーサー
29 左スペーサー
30 右スペーサー
31 左キャップ
31a 突起
31b 中心材の挿入部
31c 左右キャップ
31d 左右キャップ
31e 左右キャップ
31f 左右キャップ
31g 凹部
31h 凹部
31i 凸部
32 右キャップ
33 内筒
34 左外磁石部
34a 左外磁石部の外磁石
34b 左外磁石部の外磁性体
34c 左外磁石部の内磁性体
35 右外磁石部
35a 右外磁石部の外磁石
35b 右外磁石部の内磁性体
35c 右外磁石部の外磁性体
36 磁気活性化部
36a 左磁石部
36b 右磁石部
37 中央のスペーサー
38 左スペーサー
38a 接触面
39 右スペーサー
40 左押さえ
40a 左押さえ
40b 左押さえ
40c 孔
40d 左右押さえ
40e 左右押さえ
40f 左右押さえ
40g 左右押さえ
40h 凸部
40i 凸部
40j 固定部
40k 凸部
40l 固定部
40m 外筒との接触部
40n 内筒の押さえ面
40o 配水管又はアダプターとの接触面
41 右押さえ
41a 右押さえ
41b 右押さえ
42 左アダプター
42a 平面部
42b ネジ山
42c 接続面
42d 溶接部
42e 外筒への組み込み部
42f 通水孔
43 右アダプター
43a 平面部
43b 通水用のスペース
43c 押さえ面
44 左配水管
44a ネジ山
45 右配水管
46 通水路
54 中心体
55 中心材
56 左内磁石部
56a 左内磁石部の内磁石
56b 左内磁石部の外磁性体
56c 左内磁石部の内磁性体
57 右内磁石部
57a 右内磁石部の内磁石
57b 右内磁石部の内磁性体
57c 右内磁石部の外磁性体
58 スペーサー
59 左スペーサー
60 右スペーサー
61 左キャップ
61a 突起
61b 中心材の挿入部
62 右キャップ
63 内筒
64 左外磁石部
64a 左外磁石部の外磁石
64b 左外磁石部の外磁性体
64c 左外磁石部の内磁性体
65 右外磁石部
65a 右外磁石部の外磁石
65b 右外磁石部の内磁性体
65c 右外磁石部の外磁性体
66 磁石部
67 中央のスペーサー
68 左スペーサー
69 右スペーサー
70 磁性体との接触面
71 内周部
72 外周部
73 内周部
74 外周部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に配水管との接続部を有する外筒と、該外筒の内部に中心材に内磁石を挿入し、前記内磁石の左右に磁性体を挿入した内磁石部、及び内磁石部を中心材に固定させるための左右キャップとからなる中心体と、内磁石と通水路を挟み対向する位置に内磁石と異極になるよう外磁石を配置し、その左右に磁性体を配置した外磁石部、及び該外磁石部の左右に外磁石部を内磁石部と対向する位置に固定させるためのスペーサーを配してなる内筒と、前記中心体及び内筒からなる磁気処理部を外筒内の所定の位置に固定する左右の押さえからなることを特徴とする磁気活水器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−192394(P2006−192394A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−8270(P2005−8270)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(302017850)環境技研工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】