磁気記録システムにおけるトラック間干渉の軽減のためのハードウェアに基づく方法および装置
【課題】磁気記録システムにおけるトラック間干渉の軽減のためのハードウェアに基づく方法および装置を提供すること。
【解決手段】トラック間干渉(ITI)は、ITIキャンセル・データを取得することと、ITIキャンセル・データを、磁気記録システムの書き込みデータ経路を用いてITI軽減回路に提供することとによって磁気記録システムにおいて軽減される。任意的に、書き込みデータ経路は、読み取りデータ経路が読み取り動作を実行するのと実質的に同時に動作することができる。ITIキャンセル・データは、例えば、ユーザ・データおよび/または媒体データを含む。
【解決手段】トラック間干渉(ITI)は、ITIキャンセル・データを取得することと、ITIキャンセル・データを、磁気記録システムの書き込みデータ経路を用いてITI軽減回路に提供することとによって磁気記録システムにおいて軽減される。任意的に、書き込みデータ経路は、読み取りデータ経路が読み取り動作を実行するのと実質的に同時に動作することができる。ITIキャンセル・データは、例えば、ユーザ・データおよび/または媒体データを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、磁気記録システムに関し、より具体的には、そのような磁気記録システムにおけるトラック間干渉の影響を軽減するための改善された技術に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記録(MR)システムにおいて、データは、通常、一連の小さな磁気領域として、磁気媒体上の同心円状のトラックに記録される。所与のトラックに隣接するトラックに書き込まれたデータは、所与のトラックの媒体から読み出される信号に影響を与える。1つまたは複数の隣接するトラックの結果として所与のトラックの読み取り中に引き起こされる信号は、クロストークまたはトラック間干渉(ITI)と呼ばれる。所与のトラックの読み出される信号内の、隣接するトラックによって引き起こされたITI雑音の軽減は、概して、ITI軽減回路またはプロセスに与えられる隣接するトラックからのデータパターンについての情報に頼る。
【0003】
ITIは、データの同心円状のまたはらせん状のトラックが、媒体に、ヘッドのサイズに比して互いにごく近くに記録されるハードディスクドライブ(HDD)において特に問題である。ディスクドライブの容量は、トラックをより近くにまとめて配置することによって増やされる。しかし、ITIは、テクノロジーの微細化とともに増大することが知られており、トラックの分離距離が短くなるにつれて重大な雑音源になる。トラックがより近くにまとめて配置されるにつれて、隣接するトラックは、所与のトラックが媒体から読み出されるときにその所与のトラックの信号により影響を与えやすくなり、全体的な信号対雑音比を低下させる。したがって、ITIは、磁気媒体の所与の領域に信頼性高く記憶され得るトラックの数を制限する。ITIは、トラックが一部のケースでは互いに接触するほど近くに配置され、その他のケースではデータを書き込まれたときに互いに重なる可能性さえあるシングルド磁気記録(Shingled Magnetic Recording)(SMR)システムにおいては一層大きな問題である。
【0004】
磁気記録システムにおけるITIの影響を軽減するためのいくつかの技術が、提案されている。例えば、既存のSMRの実装においては、軽減プロセスが、通常、ハードディスクコントローラ(HDC)のソフトウェアによって実行される。しかし、ITIの軽減が有効化されるとき、HDCは、ディスクの3〜6回転ごとに数セクタ(および典型的には1セクタのみ)よりも多いセクタを再生するのに十分なほど速くデータを処理することができないことが分かっている。しかし、ディスクの各回転は、(例えば、使用される特定のディスクドライブ、プラッタのサイズ、およびディスク上の各トラックの半径方向の位置に応じて)例えば、500以上のセクタを含む可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第13/186,174号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、ITIの影響を軽減するための改善された技術に対するニーズが、存在する。ITIの影響を軽減するためのハードウェアに基づく技術に対するさらなるニーズが、存在する。ハードディスクコントローラがITIの計算を実行することを要求しない、ITIの影響を軽減するためのハードウェアに基づく技術に対するさらに別のニーズが、存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概して、磁気記録システムにおけるトラック間干渉の軽減のためのハードウェアに基づく方法および装置が、提供される。本発明の一態様によれば、トラック間干渉(ITI)が、ITIキャンセル・データを取得することと、ITIキャンセル・データを、読み取り動作中に、磁気記録システムの書き込みデータ経路を用いてITI軽減回路に提供することとによって磁気記録システムにおいて軽減される。任意的に、書き込みデータ経路は、読み取りデータ経路が読み取り動作を実行するのと実質的に同時に動作することができる。
【0008】
ITIキャンセル・データは、例えば、書き込みデータ経路の外部にあるメモリから得られる可能性がある。ITIキャンセル・データは、例えば、ユーザ・データおよび/または媒体データを含む。一実施形態において、書き込みデータ経路は、ユーザ・データをITIの軽減のための媒体データに変換する。
【0009】
ITIの軽減は、データの所与のセクタに対して選択的に有効化されることができる。加えて、ITIの軽減は、1つまたは複数の隣接するトラックに関する所与の読み取り動作に対して選択的に実行され得る。任意的に、ITIの軽減は、ITIを補正されたデータを後処理するための後処理手順と組み合わせて実行される可能性があり、および/または後処理されたデータに対してITIの軽減を実行する可能性がある。
【0010】
本発明、ならびに本発明のさらなる特徴および利点のより完全な理解が、以下の詳細な説明および図面を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】シングルド磁気記録(SMR)システムの磁気媒体上のいくつかの例示的なトラックの一部を示す図である。
【図2】本発明によるITIの軽減を組み込む磁気記録システムの概略構成図である。
【図3】図2の一部として示されたリード・チャネルの代替的な実装の概略構成図である。
【図4】図2の一部として示されたリード・チャネルの代替的な実装の概略構成図である。
【図5A】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図5B】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図6A】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図6B】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図7A】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図7B】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図8A】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図8B】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図8C】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図8D】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図9A】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図9B】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図10A】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図10B】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図10C】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、磁気記録システムにおけるトラック間干渉の軽減のためのハードウェアに基づく方法および装置を提供する。ITIの軽減は、正しいデータ再生の見込みを高めるために、媒体から読み取られるデータを追加的なデータ(以降、「キャンセル・データ」と呼ばれる)と組み合わせる。キャンセル・データは、ITI軽減回路またはプロセスに供給されなければならない。キャンセル・データは、当業者に明らかであろうように、ディスク媒体から読み取られるか、または別のソースから取得され得る。
【0013】
本発明の一態様によれば、開示されたトラック間干渉の軽減のためのハードウェアに基づく技術は、HDCからキャンセル・データを取得するが、HDCの処理ユニットがITIの計算を実行することを要求しない。本発明の別の態様によれば、後のデジタル信号処理(DSP)のために読み取りデータ経路に示すためのキャンセル・データを記憶し、供給し、操作し、それによって、書き込まれたデータを正しく再生する可能性を高めるためのシステムが、開示された。
【0014】
リード・チャネルは、通常、所与の時間に読み取りモードかまたは書き込みモードのいずれかであるスレーブ・デバイスである。各モードで、データは、通常、一方向にしか流れない。例えば、データは、書き込みモードにおいては、ハードディスクコントローラ(HDC)から、媒体へのリード・チャネル(RC)に流れ、読み取りモードにおいては、媒体からRCへ流れ、次いでHDCへと流れる。本発明は、書き込みデータ経路(WDP)の少なくとも一部が、リード・チャネルが読み取りモードで読み取り動作を実行しているときに通常はアイドル状態であることを認識する。
【0015】
したがって、本発明のさらなる態様によれば、(読み取り動作中、通常はアイドル状態であるか、または休止状態である)書き込みデータ経路が、読み取りデータ経路のITI軽減回路にキャンセル・データを伝達するために使用される。このように、書き込みデータ経路が、キャンセル・データをリード・チャネルに送信するために、読み取り動作中に使用される。キャンセル・データは、磁気媒体から読み取りデータ経路によって取得される媒体データと実質的に同時にITI軽減回路に与えられる。その他の利点として、書き込みデータ経路は、通常、データを符号化し、スクランブルし、バッファリングし、(後で媒体に書き込まれる)誤り訂正データを計算するための機能を含み、この機能が、ITIの軽減のために本発明にしたがって利用されることができる。このようにして、開示されたITI軽減システムは、書き込み経路のそうでなければアイドル状態であるハードウェアおよび既存のバッファリング能力を利用して、最小限の設計の労力、領域の消費、および電力のコストでITIの軽減を可能にする。
【0016】
図1は、例示的なシングルド磁気記録(SMR)システムの磁気媒体100上のいくつかの例示的なトラック110−1から110−3の一部を示す。トラック110−1から110−3は、通常、(図1において下から上に示されるような)数が大きくなる順序で書き込まれる。本明細書に記載のいくつかの例は、左右のトラックに言及し、それらは、所与のトラックに対してそれぞれ左および右に隣接するトラックについての言及である。図1に示されるように、例示的なトラック110−1、110−2、および110−3は、トラック110−1と110−2の間の第1の重なる領域120−1を有し、トラック110−2と110−3の間の第2の重なる領域120−2を有するように書き込まれる。例えば、トラック110−2から読み取られる信号は、トラック110−3が、既に書き込まれたトラック110−2に重ねて書き込まれるので、トラック110−3から読み取られる信号によって大きく影響される。トラック110−2から読み取られる信号は、トラック110−2の左端が、トラック110−1の右端の上に書き込まれるので、トラック110−1に既に書き込まれたデータによってやはり影響される。トラック110−2に関するリード信号は、記録されたデータを読むためにトラック上に位置付けられる読み取りヘッドの位置およびサイズに大きく依存する。読み取りヘッドが、例えば、端140などのその他のトラック110−3の端よりも、端130などのトラック110−2の一端に近く位置付けられる場合、端130に隣接する対応するトラック110−1は、端140に隣接するトラック110−3よりもトラック110−2のリード信号に影響を与える。読み取りヘッドが110−2の重ねられていない領域と同じか、またはそれよりも大きい場合、トラック110−1と110−3の両方が、ITI雑音を引き起こす可能性が高い。
【0017】
一方の隣接するトラックは、他方の隣接するトラックよりも重大なITIの影響を有する可能性があることが留意される。例えば、隣接するトラックの位置に対する真ん中のトラック110−2上の読み取りヘッドの位置は、真ん中のトラックに対する、それぞれの隣接するトラックによって寄与されるITIの量に影響する可能性がある。したがって、任意的に、ITIの軽減は、より重大なITIの寄与を有する隣接するトラックに対して最初に実行され得る。以下でさらに検討されるように、本明細書に記載の例示的な実施形態は、一方の側のトラックを使用するかもしくは反対側のトラックを使用するかについて、または両側のITIの軽減が実行されている場合には側面のトラックの順序についていかなる制限も課さない。開示されたITI軽減メカニズムは、正常な再生が行われるとITI軽減プロセスが終了することを許すように、(事前に知られている場合)最も重要なキャンセルが最初に実行されることを可能にする。
【0018】
図2は、本発明によるITIの軽減を組み込む磁気記録システム200の一部の概略構成図である。図2は、読み取り動作中のITIの軽減のための磁気記録システム200の構成を示す。図2に示されるように、磁気記録システム200は、ハードディスクコントローラ(HDC)210およびリード・チャネル(RC)250を含む。リード・チャネル250は、読み取りデータ経路(RDP)260−Rおよび書き込みデータ経路(WDP)260−Wを含む。既に示されたように、書き込みデータ経路260−Wは、所与のトラックNに隣接するトラックN−1およびN+1などの1つまたは複数の隣接するトラックに関するキャンセル・データを、読み取りデータ経路260−RのITI軽減回路280に伝達するために本発明によって使用される。キャンセル・データは、磁気媒体から読み取りデータ経路260−Rによって取得される媒体データと実質的に同時にITI軽減回路280に与えられる。
【0019】
概して、RDP−アナログ・ブロック290は、交流結合減衰器(ac−coupling,attenuator)(ACC)、適応制御、ベースライン補償(baseline compensation)、磁気抵抗非対称(MRA)補償(magneto−resist asymmetric(MRA) compensation)、サーマル・アスペリティ(thermal asperity)(TA)検出を備える可変利得増幅器(VGA)、デジタル信号処理のための適応制御を備える連続時間フィルタ(CTF)、およびアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)などのいくつかのアナログ・コンポーネントを含む。概して、サーマル・アスペリティは、読み取りヘッドが、磁気材料が存在するディスク・プラッタの平面の上に隆起しているその磁気材料の一部に衝突するときに発生し、信号の振幅を実質的に大きくする。サーマル・アスペリティ検出ブロックは、知られている方法で、そのような磁気材料部分を特定し、それらを補償するように試みる。
【0020】
次いで、デジタル化された信号が、信号を等化するデジタル有限インパルス応答(DFIR)フィルタ285によってフィルタリングされる。DFIR285は、フィルタリングされた出力をITI軽減回路280に提供する。次に、ITI軽減回路280によって生成されたITIが打ち消された信号が、ビタビ検出器と、低密度パリティ検査復号器などの復号器とを含む反復復号ブロック270に与えられる。読み取りデータ経路260−Rは、所与のトラックNに関する復号されたデータをハードディスクコントローラ210に提供する。
【0021】
既に示されたように、書き込みデータ経路260−Wは、概して、誤り訂正が後のデータの読み取りに対して実行され得るように、媒体に書き込まれるべきデータを符号化する機能を含む。加えて、書き込みデータ経路260−Wは、さらに、データをスクランブルし、バッファリングし、この機能は、ITIの軽減のために本発明によって利用されることができる。
【0022】
例示的なITI軽減回路280のより詳細な検討については、例えば、参照により本明細書に援用される、「Systems and Methods for Inter−Track Interference Compensation」と題された、2011年7月19日に出願された米国特許出願第13/186,174号(代理人整理番号AGERE−022110)を参照されたい。本発明によるITIの軽減のためのいくつかの例示的な技術が、図5〜10に関連して以下でさらに検討される。例えば、本発明のさまざまな実装は、ITIの軽減を用いるかまたは用いない、磁気媒体295の直接読み取りをサポートする。加えて、本発明の別の実装は、少なくとも片側のITIの軽減を用いるオンザフライ(OTF)またはリアルタイムの読み取りをサポートする。本発明のさらに別の実装は、両側のITIの軽減まで用いたオフラインの読み取りをサポートする。
【0023】
本発明は、Y−平均された(Y−Averaged)データなどの後処理されたDFIRデータのITIの軽減、および/またはITIを軽減されたデータのY−平均などの、ITIを軽減されたDFIRデータの後処理もサポートする。例えば、Y−平均されたデータのITIの軽減は、複数の読み取りにわたるY−平均を取得することと、次いで、Y−平均されたサンプルを用いてITIの軽減および復号を実行することとを含む。同様に、ITIを軽減されたデータのY−平均は、セクタを読み取ることと、現在の読み取ったセクタを用いてITIの軽減および任意的に復号を実行することと、複数の読み取りからのITIを軽減されたサンプルを用いてY−平均を得ることとを含み、その後に次のセクタの読み取りが続き、以下同様である。
【0024】
図2に示されるように、ハードディスクコントローラ210は、それぞれ、読み取りデータ経路(RDP)260−Rおよび書き込みデータ経路(WDP)260−Wの対応する長レイテンシ・インターフェース(long latency interface)(LLI)255−R、255−Wと通信するための例示的な長レイテンシ・インターフェース(LLI)240−R、240−Wを含む。
【0025】
ハードディスクコントローラ210は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)220などの外部ダブルデータレート(DDR)デバイスと通信するためのダブルデータレート(DDR)PHYインターフェース230も含む。キャンセル・データは、例えば、外部DRAM220、またはスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)もしくはフラッシュメモリなどの別の不揮発性メモリに記憶され得る。例示的なDRAM220は、磁気媒体100(図1)または磁気媒体295(図2)の1つまたは複数のトラックに関するキャンセル・データを記憶することができる。例えば、記憶されるキャンセル・データの量は、現在読み取られているトラックに関するトラック間隔(track spacing)に応じて決まる可能性がある。例示的なDRAM220は、DRAMに記憶される必要があるデータの量を削減するために1つまたは複数のセクタ(例えば、以前の読み取り動作中に正常に再生されることができなかったセクタ)だけに関するキャンセル・データを記憶することもできる。
【0026】
サイドトラック・データとも呼ばれるキャンセル・データは、当業者に明らかであろうように、いくつかの例示的なフォーマットを有する可能性がある。概して、例示的なキャンセル・データは、書き込まれた媒体の波形に対応する符号化された媒体データ、またはハードディスクコントローラ210によって通常供給される符号化されていないユーザ・データを含み得る。概して、例示的な媒体データ・フォーマットは、低密度パリティ検査(LDPC)オーバヘッド、ランレングス制限(run−length limited)(RLL)符号化オーバヘッド、および誤り検出符号(EDC)オーバヘッドを含む符号化されたデータを含む。図3および4は、媒体データを処理するための異なる実施形態を組み込むリード・チャネル250の代替的な実装250’および250’’をそれぞれ示す。図3および4において、ランレングス制限および誤り検出符号符号器および復号器機能ならびにスクランブラ機能は、「ESR」(すなわち、誤り検出符号、スクランブラ、およびRLL)とラベル付けされる。
【0027】
例示的な実施形態において、ITI軽減回路280は、「Y−データ(Y−Data)」と呼ばれる等化されたアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)サンプルを処理することがさらに留意される。代替的な実施形態において、ITI軽減回路280は、本明細書では「ADCデータ」と呼ばれる生の(等化されていない)ADCサンプルを処理することができる。Y−データまたはADCデータは、例えば、媒体に書き込まれた各媒体ビット(media bit)に関する6ビットのデータである可能性がある。ADC−データまたはY−データは、磁気媒体295から読み取られ、それぞれ、ADCまたはDFIR等化器の出力で利用可能である。反復復号ブロック270は、各Y−データ・サンプルを検出された媒体データの単一のビットに、ならびに(パリティおよびその他のオーバヘッド・ビットの除去の後)検出されたユーザ・データの単一のビットに変換する。反復復号ブロック270は、例えば、よく知られているLDPC復号器を用いて具現化され得る。
【0028】
例示的な実施形態において、書き込みデータ経路260−Wは、ITIキャンセル・データをユーザまたは媒体データ・フォーマットで表す。代替的な実施形態において、書き込みデータ経路260−Wは、ITIキャンセル・データをADCまたはY−データ・フォーマットで表し、その場合、媒体ビットごとの複数のビットが、DRAMに記憶され、HDCから書き込みデータ経路260−Wに供給される。ITI軽減回路280は、書き込みデータ経路260−Wが何を供給するかに応じて媒体データ、ADCデータ、またはY−データに基づいてITIを軽減する。HDCがITIキャンセル・データをリード・チャネルにユーザ・データ・フォーマットで提供する場合、書き込みデータ経路は、図3および4に示されるように、ユーザ・データを媒体データに変換する。
【0029】
DDR PHY230が追加的な費用およびシステム設計の修正なしにY−データまたはADCデータ・フォーマット(例えば、記憶された媒体ビットごとに6ビット)をサポートするのに十分な帯域幅を持たない場合、本発明のユーザまたは媒体データ・フォーマットの実装である単一ビット・フォーマットは、それでもサポートされることができることが留意される。単一ビット・フォーマットを用いると、1ビット単位の帯域幅が追加される必要があるだけである。読み取りデータは、既存の非ITIドライブのメモリに書き込まれることがさらに留意される。したがって、DDRからデータを読み取り、開示されたITIキャンセル手順で使用するためにリード・チャネルにキャンセル・データを送るために1帯域幅ビット単位が追加されるだけである。単一ビット・フォーマットを使用することによって、DRAMでITIキャンセル・データのために必要とされるストレージの量が、やはり大幅に削減される。
【0030】
1つの例示的な実施形態において、磁気記録システム200は、ITIキャンセル・データが所与の読み取り動作のために使用されるべきかどうかを示す、例えば、METACMD[1]またはITI_GATEと呼ばれるITI制御信号またはレジスタを含む。ITI制御信号がITIキャンセル・データが所与の読み取り動作のために使用されるべきでないことを示す場合、ITI軽減回路280は、図3〜4で以下にさらに示されるように(ITIの軽減のために使用されるべきデータが存在しないので)任意的に迂回されることができる。加えて、例示的な磁気記録システム200は、例示的な実施形態において、ITIのキャンセルが1つの隣接するトラックのみに対して実行されるべきか(例えば、ITI_SIDESがITI_SIDES=0に設定される)、または2つの隣接するトラックに対して実行されるべきか(例えば、ITI_SIDESがITI_SIDES=1に設定される)を示すための、例えば、ITI_SIDESと呼ばれるモード制御信号またはレジスタを含む。概して、任意の数Nのトラックが、真ん中のトラックにITIの影響を有する可能性がある。当業者に明らかであろうように、追加的に、N個の側面のITIの軽減が、本発明にしたがってNステップで実行され得る。
【0031】
図3は、書き込みデータ経路がITI軽減回路280に示すための媒体データを生成する、図2のリード・チャネル250の代替的な実装250’の概略構成図である。図3に示されるように、例示的なリード・チャネル250’は、図2と同様にして、読み取りデータ経路360−Rと、書き込みデータ経路360−Wとを含む。読み取りデータ経路360−Rは、図2の読み取りデータ経路260−Rと同様にして実装され得る。既に示されたように、書き込みデータ経路360−Wは、キャンセル・データを、読み取りデータ経路360−RのITI軽減回路280に伝達するために本発明によって使用される。キャンセル・データは、磁気媒体から読み取りデータ経路360−Rによって取得される媒体データと実質的に同時にITI軽減回路280に与えられる。別の例示的な実施形態において、キャンセル・データは、磁気媒体から読み取りデータ経路360−Rによって取得される対応する媒体データの前または後にITI軽減回路280に与えられる。
【0032】
読み取りデータ経路(RDP)360−Rおよび書き込みデータ経路360−Wの長レイテンシ・インターフェース(LLI)255−R、255−Wは、それぞれ、図2と同様にして実装され得る。さらに、反復復号ブロック270およびITI軽減回路280は、図2と同様にして実装され得る。
【0033】
図3の例示的な実施形態において、符号化された媒体データは、書き込みデータ経路360−Wによって生成される。HDCは、ITIキャンセル・データを書き込みデータ経路にユーザ・データ・フォーマットで提供する。図3に示されるように、例示的な書き込みデータ経路360−Wは、ユーザ・データを、ITIキャンセル・データとしてITI軽減回路に提供される符号化された媒体データに符号化するESR符号器320−WおよびLDPC符号器330を含む。書き込みデータ経路は、媒体への書き込み動作中と同様の方法でユーザ・データを符号化する。
【0034】
図3に示されるように、読み取りデータ経路360−RのITI軽減回路280は、ITIのキャンセルが所与の読み取り動作に関して有効化されないとき、任意的に迂回され得る。さらに、読み取りデータ経路360−RのESR符号器320−Rは、媒体データ・フォーマットが再生されるべきであるとき、任意的に迂回され得る。
【0035】
図4は、書き込みデータ経路がユーザ・データをITI軽減回路280に提供し、ITI軽減回路280がユーザ・データから媒体データを生成する、図2のリード・チャネル250の代替的な実装250’’の概略構成図である。図4に示されるように、例示的なリード・チャネル250’’は、図2と同様にして、読み取りデータ経路460−Rと、書き込みデータ経路360−Wとを含む。読み取りデータ経路460−Rは、図2の読み取りデータ経路260−Rと同様にして実装され得る。既に示されたように、書き込みデータ経路460−Wは、キャンセル・データを、読み取りデータ経路460−RのITI軽減回路280に伝達するために本発明によって使用される。キャンセル・データは、磁気媒体から読み取りデータ経路460−Rによって取得される媒体データと実質的に同時にITI軽減回路280に与えられる。別の例示的な実施形態または動作モードにおいて、キャンセル・データは、磁気媒体から読み取りデータ経路460−Rによって取得される媒体データの前または後にITI軽減回路280に与えられる。
【0036】
読み取りデータ経路(RDP)460−Rおよび書き込みデータ経路460−Wの長レイテンシ・インターフェース(LLI)255−R、255−Wは、それぞれ、図2と同様にして実装され得る。さらに、反復復号ブロック270およびITI軽減回路280は、図2と同様にして実装され得る。
【0037】
図4の例示的な実施形態において、符号化された媒体データは、書き込みデータ経路460−Wによって提供されるユーザ・データからITI軽減回路280により生成される。したがって、図4に示されるように、例示的な書き込みデータ経路460−WのESR符号器420−WおよびLDPC符号器430は、ITI軽減回路280に与えられるユーザ・データによって迂回される。書き込みデータ経路460−WのESR符号器420−WおよびLDPC符号器430は、ユーザ・データが媒体に書き込まれる前に媒体データに符号化されるときは、書き込み動作中にユーザ・データによって迂回されない。
【0038】
図4に示されるように、読み取りデータ経路460−RのITI軽減回路280は、ITIのキャンセルが所与の読み取り動作に関して有効化されないとき、任意的に迂回され得る。さらに、読み取りデータ経路460−RのESR符号器420−Rは、媒体データ・フォーマットが再生されるべきであるとき、任意的に迂回され得る。
【0039】
図5〜10は、いくつかの例示的な動作モードを実装するためのさまざまな構成のリード・チャネル250を示す。図5〜10において、アクティブな信号経路は、太字破線矢印を用いて示される。図5〜10に示されるように、および上で検討されたように、リード・チャネル250は、デジタル有限インパルス応答フィルタ285、ITI軽減回路280、および反復復号ブロック270を含む。
【0040】
加えて、図5〜10に関連して以下でさらに検討されるように、リード・チャネル250は、マルチプレクサ505、515、Y−AVG後処理ブロック510、Y−MEMメモリ・ブロック520、およびY−データを処理するためのY−MEMアドレス・ブロック530をさらに含む。
【0041】
図5Aは、例示的な非ITI動作モードのリード・チャネル250を示す。概して、非ITIモードは、ITIの軽減が必要とされないときに(例えば、トラックの分離が十分であるときに)選択的に無効化されることを可能にし、さらに、リード・チャネル250がITIの軽減がサポートされない可能性があるレガシーシステムで使用されることを可能にする。図5Aに示されるように、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505を用いて迂回され、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515を用いて迂回される。したがって、非ITIモードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。概して、Y−データは、Y−MEMブロック520に記憶され、次いで、復号のために反復復号ブロック270に適用される。
【0042】
図5Bは、図5Aの例示的な非ITI動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。概して、以下の図において、MEDIA信号は、何が媒体上にあるか(サーボ(servo)、フラグメント(fragment)、またはフル・セクタ(full sector))を示す。図の用語「FRG」は、セクタのフラグメントを示し、用語「FULL」は、完全なセクタを示し、用語「SERVO」は、分割セクタ(split sector)を示す(例えば、FRG5.1は、左のセクタのフラグメントであり、FRG5.2は、右のセクタのフラグメントであり、それらは、「SERVO」ラベルによって示されるように分割される)。したがって、FRG5.1とFRG5.2とが一緒にFULL5を構成する(フル・セクタが2つに分割される)。加えて、2つのRDGATEパルスが、各部分を読み取るために使用され、チャネルが、組み合わせてfull5セクタを再生する。一部の図において、用語「MEDIA(1回転目)」および「MEDIA(2回転目)」は、同じセクタが2回読まれる(ディスクが、ヘッドをもう一度そのセクタの上に持ってくるために一周しなければならない)ことを示す。
【0043】
SVGATE信号は、(単に参照のために)サーボ・ゲート(servo gate)を示す(および、媒体上のあらゆるSERVOの上でhighである)。DARA_W信号は、(ITIキャンセル・データがチャネルに入る)書き込み経路データを示す。LEFT#は、同じ番号を有するセクタに関する左キャンセル・データを示し、つまり、LEFT#は、左のトラックに書き込まれた隣接するデータに対応する。RIGHT#は、同じ番号を有するセクタに関する右キャンセル・データを示し、つまり、RIGHT#は、右のトラックに書き込まれた隣接するデータに対応する。図1を参照すると、トラック2がデータが再生される現在のトラックである場合、トラック1およびトラック3が、それぞれ、隣接する左トラックおよび右トラックである。
【0044】
RDGATE信号は、リード・ゲート(read gate)に対応し、媒体からの読み取りを示す。RDGATE信号は、各セクタおよびセクタのフラグメントの始まりにおいてアクティブである。RETRYGATE信号は、記憶されたサンプルからの(y−メモリ(y−memory)からの)再試行を示す。RETRYGATE信号は本明細書においてはITIの軽減との関連で示されるが、当業者に明らかであろうように、RETRYGATE信号は、その他の用途でも使用され得ることが留意される。
【0045】
本明細書において検討されるように、信号METACMD[1]は、(RDGATEまたはRETRYGATEに合わせられた)読み取りまたは再試行と一緒にITIの軽減をトリガする。図5Bは軽減を用いない通常の読み取り動作に対応するので、METACMD[1]はアクティブではない。
【0046】
DATA−R信号は、再生されたセクタ・データを示す(FULL#は、同じ名前の媒体のセクタに関する再生されたデータを意味する)。加えて、SECTOR_GOOD信号は、良好なセクタが再生されたことを示す(セクタが良好でないときは、追加的な処理が、セクタを再生するために実行される)。
【0047】
さらに、以下の図のうちの1つまたは複数において、以下の表記が使用される。
avg(data1,data2)は、同じデータの2回の読み取り動作からのデータのビットごとの平均を示し、媒体上に記憶された各ビットに関して、対応するY−サンプル(Y−sample)data1およびdata2が平均される。代替的な実装においては、ADCサンプルが平均される。
decode(data)は、LDPC復号動作(Y−データから媒体またはユーザ・ビットに変換されるデータ再生)を示し、Y−データは、例えば、6ビットを用いて表される。
iti(left,data)は、「data」内の主トラック信号から左の隣接するトラックによってもたらされたITIを除去することを示す。
iti(left,right,data)は、「data」内の主トラック信号から左右両方の隣接するトラックによってもたらされたITIを除去することを示す。
【0048】
図6Aは、例示的な後処理(非ITI)動作モードのリード・チャネル250を示す。図6Aに示されるように、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505を用いて迂回される。したがって、非ITIモードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、(マルチプレクサ515を用いて選択される)Y−AVGブロック510、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。Y−MEMアドレス・ブロック530は、知られている方法でY−MEMブロック520の選択を制御する。概して、所与のセクタからの記憶されたデータの最初の読み取りに関するY−データが、Y−MEMブロック520に記憶され、次に、そのセクタからのデータのその後の再読み取りに関するすべてのサンプルが、Y−AVGブロック510によってフィードバック経路540を用いてY−MEMブロック520の内容と合併される、つまり、平均される。所与のセクタは、その所与のセクタからの記憶されたデータが正常な復号動作によって示されるように正常に読み取られるまで、Y−MEMブロック520の内容が繰返しのたびに更新されるようにして複数回読み取られる可能性がある。Y−MEMブロック520の出力は、復号のために反復復号ブロック270にやはり適用される。
【0049】
図6Bは、図6Aの例示的な後処理(非ITI)動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な実施形態において実行される後処理は、記憶されたデータを2回読み取り、図6Bに示される2回の読み取り動作で読み取られたデータのビットごとの平均を実行することなどによる、ITIの軽減を用いない平均読み取り(Average Read)を含む。当業者に明らかであろうように、平均は、任意の回数の読み取り動作に対して実行され得る。第2の読み取りおよび平均が、データが再生され得るように雑音を十分に削減するので、ITIの軽減が必要とされないことが留意される。図6Bに示されるように、SECTOR_GOOD信号が、第3のセクタ上の第1の通過に関しては存在しないが、第3のセクタ上の第2の通過の後には存在する。セクタFULL3は、第1の読み取り中に読み取られ、次いで、反復復号器に渡され、復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡されることが留意される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。第2の回転で、第2の読み取りの後、2つの読み取りのY−データが平均され、Y−平均されたデータが、反復復号ブロックに渡され、反復復号ブロックが、セクタを正常に復号する。
【0050】
図7Aは、例示的なリアルタイムITI動作モードのリード・チャネル250を示す。概して、ITIの軽減が、データ転送速度で実行され、あらゆるセクタに対して任意的に実行され得る。図7Aの実施形態において、ITIの軽減は、スループットへの影響を少なくするために(例えば、例示的なモード制御信号またはレジスタ、ITI_SIDESによって示されるように)1つの隣接するトラックに対してのみ実行される。ITIキャンセル・データは、図2に関連して上で検討されたように、書き込みデータ経路260−W(図2)から得られる。図7Aに示されるように、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505によってアクティブな信号経路に置かれ、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515によって迂回される。したがって、リアルタイムITIモードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、ITI軽減回路280、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。概して、ITI軽減回路280のITIを補正された出力は、Y−MEMブロック520に記憶され、次いで、復号のために反復復号ブロック270に適用される。
【0051】
図7Bは、図7Aの例示的なリアルタイムITI動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。本明細書において検討されるように、例示的なリアルタイムITI動作モードは、ITIの軽減が、RDGATE信号と同時にMETACMD[1]信号をアサートすることによって選択的に有効化されることを可能にする。(OTFまたは再試行動作のいずれかに関してITI_SIDES=0)。
【0052】
RDGATE信号はセクタ1、2、3、4、5、6、7が媒体から読み取られることを示す。DATA_W信号は、ITIの軽減がセクタ3、4、および6に対して左側のトラックを用いて実行されることを示す。METACMD[1]信号は、(RDGATEまたはRETRYGATEに合わせられた)読み取りまたは再試行と一緒にITIの軽減をトリガする。セクタ1、2、5、および7は、METACMD[1]信号が関連するRDGATEとともにアサートされないので、通常通りに処理されることが留意される。
【0053】
両側のITI動作モードは、図10Aから10Cに関連して以下でさらに検討されることが留意される。
【0054】
図8Aは、例示的なITI軽減付きの後処理動作モードのリード・チャネル250を示す。概して、ITI軽減付きの後処理モードは、後処理されたY−データに対してITIの軽減を実行する。図8Aに示されるように、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505を用いて選択的にアクティブな信号経路に置かれ、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515を用いてアクティブな信号に置かれる。したがって、ITI軽減付きの後処理モードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、ITI軽減回路280、Y−AVGブロック510、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。Y−MEMアドレス・ブロック530は、知られている方法でY−MEMブロック520の選択を制御する。
【0055】
概して、所与のセクタの最初の読み取りに関して、ITI軽減回路280およびY−AVGブロック510は迂回され、Y−データがY−MEMブロック520に記憶される。そのセクタのその後のM回の再読み取りに関して、個々の読み取りからの新しいYサンプルは、Y−AVGブロック510によってフィードバック経路540を用いてY−MEMブロック520の内容と合併される(すなわち、平均される)。所与のセクタは、そのセクタが正常に読み取られるまで、Y−MEMブロック520の内容が繰返しのたびに更新されるようにして複数回読み取られる可能性がある。M+1回目の読み取り動作およびY−平均動作の完了の後、Y−MEMブロック520は、同じセクタのM+1回の読み取り動作からのY−データの平均を含む。Y−MEMブロック520の出力は、復号のために反復復号ブロック270にやはり適用される。
【0056】
後処理されたY−データを用いて、事前に定義された回数(M+1回)の再読み取りの後でセクタが正常に読み取れない場合、後処理されたデータに対してITIの軽減を実行するために、ITIの軽減が有効化され得る。ITIの軽減を実行するための指示が、RETRYGATEとMETACMD[1]の組み合わされたシグナリングによって(または、RETRYGATEとITI_GATEの組み合わされたシグナリングによって)開始される。このモードにおいては、Y−データが、マルチプレクサ502の制御の下で、フィードバック経路545を用いてY−MEMブロック520からITI軽減回路280に適用される。RETRYGATE信号は、Y−データが、媒体のセクタを読み取ることによって得られないが、前の読み取り動作からのYサンプルを含むY−MEMブロックを読み取ることによって得られることを示す。(例示的なITI_SIDES制御語の値に基づいて片側または両側の)ITIキャンセル・データは、図2に関連して上で検討されたように、書き込みデータ経路260−W(図2)から得られる。加えて、Y−AVGブロック510は、そのとき、マルチプレクサ515を用いて迂回され、したがって、後処理され、次いで打ち消されたデータが、反復復号ブロック270による復号の前にY−MEMブロック520に記憶されることができる。
【0057】
さらなる変形形態において、平均の再読み取り動作の回数は、動的に決定され得る(または事前に定義された条件が発生すると終了され得る)。平均動作のたびに、平均されたデータが復号器にプッシュされるときに、データが復号され、復号の品質に関する1つまたは複数の測定基準が生成される。例えば、1つの例示的な品質の測定基準は、ビット誤りの数を含み得る。1つの例示的な実装において、平均手順は、ビット誤りの数が減少するまで継続され得る。ビット誤りの数が横ばいになる(すなわち、さらなる平均がもはや助けにならない可能性がある)場合、ITIの軽減が実行されることができる。同様に、ITIの軽減のその後の使用も、動的に決定され得る。ITIの軽減動作が実行されるとき、(潜在的に、ビット誤りに関して上で検討された同じ例を用いて)データおよび測定基準が計算され、コントローラに送信され、コントローラが、再生が実現されると直ちに終了する可能性がある。この場合、信号ITI_SIDESが片側のキャンセルのみを実行するように調整され、それぞれの側が、再生が成功するまで、各ステップの後に分析された測定基準/データを用いて1つずつ実行される。
【0058】
図8Bは、図8Aの例示的な片側のITI軽減付きの後処理動作モード(ITI_SIDES=0)に関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な実施形態において実行される後処理は、図8Bに示される2回の読み取りの平均などの、片側のITIの軽減を用いる平均読み取りを含む。当業者に明らかであろうように、平均は、任意の回数の読み取り動作に対して実行され得る。読み取りは、第1の読み取り動作または第2の読み取り動作がSECTOR_GOOD信号を有する場合、停止され得ることが留意される。DATA_R信号に関して、図8Bの第1の「FULL3」は、decode(avg(read1,read2))を含み、第2の「FULL3」は、decode(iti(left,avg(read1,read2)))を含むことがさらに留意される。セクタFULL3は、第1の読み取り中に読み取られ、次いで、反復復号器に渡され、復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡されることが留意される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。第2の回転で、第2の読み取りの後、2つの読み取りのY−データが平均され、Y−平均されたデータが、反復復号ブロックに渡され、復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。次に、RETRYGATEおよびMETACMD[1]信号が、本発明によるITIのキャンセルを開始して、Y−平均されたデータを処理し、主トラックのセクタ3に隣接する左トラック(LEFT3)に関するキャンセル・データを用いてITIを軽減する。このキャンセル・データLEFT3は、DATA_Wバスを用いて書き込みデータ経路で前もって与えられた。結果が、反復復号ブロックに渡され、反復復号ブロックが、復号されたセクタを生成する。復号されたセクタは、DATA_Rバスに渡される。このセクタが誤りなしに正常に復号されたので、SECTOR_GOOD信号が、アサートされる。
【0059】
図8Cは、図8Aの例示的な自動的な両側のITI軽減付きの後処理動作モード(ITI_SIDES=1)に関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な実施形態において実行される後処理は、図8Cに示される2回の読み取りの平均などの、自動的な両側のITIの軽減を用いる平均読み取りを含む。当業者に明らかであろうように、平均は、任意の回数の読み取り動作に対して実行され得る。読み取りは、第1の読み取り動作または第2の読み取り動作がSECTOR_GOOD信号を有する場合、または第1のITI RETRYがSECTOR_GOOD信号を有するとき、停止され得ることが留意される。DATA_R信号に関して、図8Cの第1の「FULL3」は、decode(avg(read1,read2))を含み、第2の「FULL3」は、decode(iti(left,right,avg(read1,read2)))を含むことがさらに留意される。セクタFULL3は、第1の読み取り中に読み取られ、次いで、反復復号器に渡されることが留意される。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。第2の回転で、第2の読み取りの後、2つの読み取りのY−データが平均され、Y−平均されたデータが、反復復号ブロックに渡される。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。次に、(ITI_Sides=1として)RETRYGATEおよびMETACMD[1]信号が、自動的な両側のITI軽減動作モードを開始して、Y−平均されたデータを処理し、主トラックのセクタ3に隣接する左トラック(LEFT3)と右トラック(RIGHT3)の両方に関するキャンセル・データを用いてITIを軽減する。このキャンセル・データLEFT3およびRIGHT3は、DATA_Wバスを用いて書き込みデータ経路で前もって与えられた。組み合わされた結果が、反復復号ブロックに渡され、反復復号ブロックが、復号されたセクタを生成する。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。このセクタが誤りなしに正常に復号されたので、SECTOR_GOOD信号が、アサートされる。
【0060】
図8Dは、ITIの軽減が片側ずつ実行される(ITI_SIDES=0)、図8Aの例示的な両側のITI軽減付きの後処理動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な実施形態において実行される後処理は、図8Dに示される2回の読み取りの平均などの、両側のITIの軽減を(片側ずつ)用いる平均読み取りを含む。当業者に明らかであろうように、やはり、平均は、任意の回数の読み取り動作に対して実行され得る。読み取りは、いつでもSECTOR_GOOD信号が検出されるときに停止され得ることが留意される。DATA_R信号に関して、図8Dの下半分の第1の「FULL3」は、decode(read1)を含み、第2のFULL3は、decode(avg(read1,read2))を含み、第3の「FULL3」は、decode(iti(left,avg(read1,read2)))を含み、第4の「FULL3」は、decode(iti(left,right,avg(read1,read2)))を含むことがさらに留意される。セクタFULL3は、第1の読み取り中に読み取られ、次いで、反復復号器に渡されることが留意される。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。第2の回転で、第2の読み取りの後、2つの読み取りのY−データが平均され、Y−平均されたデータが、反復復号ブロックに渡される。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。次に、(ITI_Sides=0として)第1のRETRYGATEおよびMETACMD[1]信号が、両側のITI軽減動作モード(ただし片側ずつ)を開始して、Y−平均されたデータを処理し、主トラックのセクタ3に隣接する左トラック(LEFT3)に関するキャンセル・データを用いてITIを軽減する。このキャンセル・データLEFT3は、DATA_Wバスを用いて書き込みデータ経路で前もって与えられた。ITIのキャンセルの結果が、反復復号ブロックに渡され、反復復号ブロックが、復号されたセクタを生成する。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。このセクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。(ITI_Sides=0として)RETRYGATEおよびMETACMD[1]信号の第2の組が、主トラックのセクタ3に隣接する右トラック(RIGHT3)に関するキャンセル・データを用いてITIの軽減を開始する。このキャンセル・データRIGHT3は、DATA_Wバスを用いて書き込みデータ経路で前もって与えられた。次に、組み合わされた結果が、反復復号ブロックに渡され、反復復号ブロックが、復号されたセクタを生成する。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。このセクタが誤りなしに正常に復号されたので、SECTOR_GOOD信号が、アサートされる。
【0061】
図9Aは、例示的な後処理付きのITI軽減動作モードのリード・チャネル250を示す。この構成において、後処理付きのITI軽減モードは、最初にITIの軽減を実行し、次にY−データの後処理を実行する。図9Aに示されるように、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505を用いて選択的にアクティブな信号経路に置かれ、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515を用いてアクティブな信号に置かれる。したがって、後処理付きのITI軽減モードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、ITI軽減回路280、Y−AVGブロック510、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。Y−MEMアドレス・ブロック530は、知られている方法でY−MEMブロック520の選択を制御する。
【0062】
図9Aの実施形態において、ITIの軽減は、例えば、例示的なモード制御信号またはレジスタ、ITI_SIDESと、(ITIの軽減をバイパスする、すなわち「まったく実行しない」ための)METACMD[1]とによって示されるように、所与の読み取り動作に対して、どちらかの隣接するトラックもしくは両方の隣接するトラックに対して実行されるか、またはまったく実行されない。ITIキャンセル・データは、図2に関連して上で検討されたように、書き込みデータ経路260−W(図2)から得られる。図9Aに示されるように、サンプルの第1の組に関して、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505によってアクティブな信号経路に置かれ、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515によって迂回され、ITIを補正されたデータが、Y−MEMブロック520および反復復号ブロック270に送信される。
【0063】
加えて、すべての残りのITIを補正されたサンプルが、Y−AVGブロック510によってフィードバック経路540を用いてY−MEMブロック520の内容と合併される(すなわち、平均される)。所与のセクタは、そのセクタが正常に読み取られるまで、Y−MEMブロック520の内容が繰返しのたびに更新されるようにして複数回読み取られる可能性がある。Y−MEMブロック520の出力は、復号のために反復復号ブロック270にやはり適用される。
【0064】
図9Bは、図9Aの例示的な後処理付きのITI軽減動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な実施形態において実行される後処理は、ITIを軽減されたデータの平均を含む。当業者に明らかであろうように、やはり、平均は、任意の回数の読み取り動作に対して実行され得る。概して、このプロセスは、媒体を2回読み取ることを含む。媒体を読み取るたびに、ITIが軽減され、その結果が、前に計算された/記憶された結果と平均される。例えば、2回の読み取り動作に対する平均に関して、プロセスは、媒体から目標のセクタを読み取ることと、読み取られたデータに対してITIの軽減を実行すること(例えば、左の隣接するトラックからのITIが軽減される)と、結果を記憶すること(すなわち、1組のサンプルの平均を記憶する)と、媒体295から同じ目標のセクタを再び読み取ることと、読み取られたデータに対してITIの軽減を実行すること(例えば、右の隣接するトラックからのITIが軽減される)と、第2のITIを軽減されたデータを記憶されたデータと平均すること(ITIが打ち消されたデータの平均を生じる)とを含む。これは、avg(iti(first_read),iti(second_read))=(iti(read1)+iti(read2))/2.0と表され得る。2回の読み取り中に、同じ隣接するトラックからのITIが代替的な動作モードで軽減された可能性があることが留意される。
【0065】
図9Aおよび9Bの例示的な後処理付きのITI軽減動作モードは片側のITIの軽減に関して示されているが、本明細書において検討されるように、および当業者に明らかであろうように、N個の側面のITIの軽減が可能であることが留意される。
【0066】
図10Aは、例示的な両側のITI動作モードのリード・チャネル250を示す。ITIキャンセル・データは、図2に関連して上で検討されたように、書き込みデータ経路260−W(図2)から得られる。最初に、片側のITIの軽減が、図7Aと同様にして実行される(すなわち、1つの隣接するトラックに対するITIの軽減)。図10Aに示されるように、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505によってアクティブな信号経路に置かれ、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515によって迂回される。したがって、リアルタイムITIモードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、ITI軽減回路280、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。概して、ITI軽減回路280のITIを補正された出力は、Y−MEMブロック520に記憶され、次いで、復号のために反復復号ブロック270に適用される。
【0067】
第2の隣接するトラックに対するITIの軽減を実行するために、Y−MEMブロック520からのY−データが、retrygate信号の制御の下でかまたは自動的にかのいずれかで、フィードバック経路545と、マルチプレクサ502による適切な選択とを用いてITI軽減ブロック280に適用される。このようにして、データは、(側面の数に関わらず)媒体の1回の読み取りがデータの1つのセクタを生成するように、復号器270に一度だけ渡される。したがって、retrygate信号によって制御されるとき、2つのイベント(1回の媒体の読み取りおよび1回の再試行)が、データの2つのセクタを生成するか、または(自動モードにおいて)1つのイベント(媒体の読み取り)が、データの1つのセクタを生成する。ITIキャンセル・データが、他方の隣接するトラックに関して、図2に関連して上で検討されたように書き込みデータ経路260−W(図2)から得られる。ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505によってアクティブな信号経路に残り、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515によってやはり迂回される。したがって、リアルタイムITIモードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、ITI軽減回路280、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。概して、ITI軽減回路280のITIを補正された出力は、Y−MEMブロック520に記憶され、次いで、復号のために反復復号ブロック270に適用される。このようにして、両側のITI動作モードは、磁気媒体の単一の読み取りのみによって両方の隣接するトラックに関するITIの軽減を可能にする。
【0068】
図10Bは、2つの片側のITIのキャンセルが続けてトリガされる、図10Aの例示的な両側のITI動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な両側のITI動作モードは、ITIの軽減が2つの隣接するトラックに対して実行されることを可能にする(ITI_SIDES=0、RETRY動作のみ)。図10Bにおいて、例示的な両側のITIモードに関して、ITIの軽減は、片側ずつ実行される。したがって、ITI_SIDES=0である。例示的なDATA_W信号は、ITIの軽減がセクタ4に対して左側のトラックおよび右側のトラックを用いて実行されることを示す。METACMD[1]信号は、(RDGATEまたはRETRYGATEに合わせられた)再試行と一緒にITIの軽減をトリガする。図10BはITIの軽減を用いた読み取り動作に対応するので、METACMD[1]は、セクタ4に関するRDGATE信号およびRETRY信号に合わせられるときにアクティブである。DATA_R上の第1のFULL4は「不良」であり、したがって、第2の側面の軽減が試みられ、SECTOR_GOOD信号に至ることが留意される。図10Bの第1の「FULL4」は、decode(iti(left,read1))を含み、第2の「FULL4」は、decode(iti(left,right,read1))[ITI_SIDES=0]を含むことが留意される。
【0069】
図10Cは、図10Aの例示的な自動的な両側のITI動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な自動的な両側のITI動作モードは、ITIの軽減が2つの隣接するトラックに対して実行されることを可能にする。図10Cにおいて、例示的な自動的な両側のITIモードに関して、ITIの軽減は、一度に2つの隣接するトラックに対して実行される。したがって、ITI_SIDES=1、RETRYモードのみである。例示的なDATA_W信号は、ITIの軽減がセクタ4に対して左側のトラックおよび右側のトラックを用いて実行されることを示す。METACMD[1]信号は、(RDGATEに合わせられた)読み取りと一緒にITIの軽減をトリガする。図10CはITIの軽減を用いた読み取り動作に対応するので、METACMD[1]は、セクタ4に関するRDGATE信号に合わせられるときにアクティブである。図10Cの「FULL4」は、decode(iti(left,right,read1))[ITI_SIDES=1]を含むことが留意される。
【0070】
軽減のアーキテクチャおよび実装
DFIRフィルタ285(例えば、図2〜4)の出力の信号は、符号間干渉とトラック間干渉の両方を含む。ITIは、隣接するトラックに記憶されたデータに関する硬判定を用いて本発明にしたがって軽減される。片側のITIの軽減に関しては、どちらかの隣接するトラックに関するデータが使用され、一方、両側のITIの軽減に関しては、両方の隣接するトラックに関するデータが使用される。
【0071】
隣接するトラック110−1および110−3(図1)に関するデータは、前の読み取り動作で隣接するトラック110−1および110−3を読み取ることによって取得され、例えば、DRAM220(図2)に記憶された。隣接するトラックのデータは、DFIR285の出力の信号に含まれるITIを推定し、軽減するために使用される。
【0072】
次いで、任意的に、ITIを軽減された信号が、トラックNのデータを再生するために、雑音予測最尤(noise−predictive maximum likelihood)(NPML)検出器(図示せず)および復号器270を通される。ITIの軽減を容易にするために、SMRハードディスクドライブ(HDD)は、隣接するトラックのセクタがそれらのトラック内の位置に関して揃えられている揃えられたセクタ・データ・フォーマットを使用することが期待される。通常の非シングルドHDD(non−shingled HDD)は、概して、隣接するトラックのセクタが通常は揃えられていない、揃えられていないセクタ・データ・フォーマットを使用する。揃えられたセクタ・データ・フォーマットの利点は、トラックNのセクタに対するITIを軽減するために、トラックN−1およびN+1の1つの隣接するセクタに関するデータだけが考慮される必要があることである。揃えられていないセクタ・データ・フォーマットの場合、トラックN−1およびN+1のそれぞれの2つの隣接するセクタに関するデータが考慮される必要がある。
【0073】
揃えられたセクタ・データ・フォーマットを用いても、隣接するトラックのセクタは、書き込みプロセスが理想的でないために数ビット期間ずらされる可能性がある。また、異なるトラックにデータを書き込む間のディスクの回転数(frequency)の変動が、隣接するトラックに書き込まれたデータ間のわずかな回転数のずれを引き起こす可能性がある。この回転数のずれが、トラックNから読み取られる信号内のN−1およびN+1のITIの応答の位相ドリフトを引き起こす可能性がある。良好なビット誤り率(BER)性能のために、ITI軽減アルゴリズムは、理想的でない書き込みプロセスが原因の隣接するセクタ間の位相差と、隣接するトラック間の回転数のずれが原因のITIの応答の位相ドリフトの両方を考慮すべきである。
【0074】
SMRハードディスクドライブは、オフラインの誤り回復のためにITIの軽減を使用する可能性がある。ITIの軽減を用いないトラックNの目標のセクタの復号が通常の読み取り動作中に失敗するときにはいつでも、HDDは、隣接するトラックのセクタを読み取り(または再試行動作中に、トラックNの失敗するセクタを再読み取りし)、ITIの軽減を用いてこのセクタの復号を再開する。したがって、本明細書に記載のITIの軽減のために使用される隣接するトラックに関する硬判定を再生するために、片側のITIの軽減は余分な1回転を引き起こし、両側のITIの軽減は余分な2回転を引き起こす。
【0075】
サイドトラックN−1およびN+1に関する硬判定は、例えば、DRAM220(図2)に記憶され得る。オフラインの単一のセクタのITIの軽減に関して、トラックN−1およびN+1に関する1つのセクタだけ(合計で、片側のITIの軽減のために1セクタ、および両側のITIの軽減のために2セクタ)が、DRAM220に記憶される必要がある。通常のHDDと比較して、HDDコントローラ210とリード・チャネル250の間の追加的なデータ経路が、ITIの軽減のためのトラックN−1およびN+1に対応するデータを転送するために必要とされる。開示された実施形態においては、書き込みデータ経路が、ITIの軽減のためのトラックN−1およびN+1に対応するキャンセル・データを転送するために使用される。
【0076】
トラックのランダムな読み取りは隣接するトラックのデータを読み取るために追加的な回転を必要とするので、通常の読み取り動作中のオンザフライ(OTF)のTTIの軽減は、トラックの連続的な読み取りを必要とする。連続的な読み取りを用いる片側のOTFのITIの軽減においては、トラック1、2、3などが、ITIの軽減のために順番に読み取られ、ITIは、前の読み取られたトラックからの記憶された硬判定を用いてトラックNから軽減される。片側のOTFのITIの軽減に関して、トラックは、逆順で順番に読み取られ、ITIは、前の読み取られたトラックからの記憶された硬判定を用いてトラックNから軽減される。したがって、片側のOTFのITIの軽減は、トラック全体の分の硬判定がDRAM220に記憶されることを必要とする。
【0077】
OTFのITIの軽減は、リード・チャネル250からコントローラ210への2つの同時のデータストリーム、すなわち、リード・チャネル250からコントローラ210への復号されたセクタの転送と、コントローラ210からリード・チャネル250への隣接するトラックのセクタに関するデータの転送とがサポートされる必要があるので、HDDのDRAMメモリの追加的な帯域幅も必要とする。
【0078】
当業者に明らかであろうように、3つの側面のITIの軽減などの追加的なトラックを用いるITIの軽減が本発明にしたがって実行され得ることが留意される。
【0079】
既に示されたように、本明細書に記載の磁気記録システムおよびリード・チャネルの構成は、従来の構成に比していくつかの利点をもたらす。再度、本発明の上述の実施形態は、単に例示的であるように意図されていることが強調されるべきである。概して、例示的な磁気記録システムは、当業者に明らかであろうように、書き込みデータ経路を用いてITI軽減データを提供するITI軽減方式を組み込むように修正され得る。加えて、ITIの軽減のための開示された技術は、独立したディスクの冗長アレイ(RAID)システムなどの仮想ストレージ・システム/ストレージ仮想化システムのような任意の磁気記録システムで使用され得る。
【0080】
本明細書に記載のインターフェースおよびデータフロー・メカニズムは、当業者に明らかであろうように、修正なしに追加的な動作モードおよび構成をサポートする。例えば、開示されたITI軽減技術は、示されたように干渉する複数のサイドトラックを有する通常のドライブ(N個の側面の軽減のための潜在的な使用)と、揃えられたセクタまたは揃えられていないセクタを有するシングルド・ドライブ(shingled drive)または通常のドライブ(知られているデータの潜在的な使用)と、意図しない詰め込み(squeezing)を有する通常のドライブ(したがって、そのドライブは、シングルド・ドライブではないにもかかわらずITIの再生を必要とする)とで実装され得る。概して、揃えられていないセクタは、隣接するセクタのデータが揃えられていないときに発生する。例えば、図1を参照すると、真ん中のトラック110−2は隣接するトラック110−1、110−3のうちの1つまたは複数と揃っていなかったので、トラックは、揃えられていないと言われる。揃えられていないトラックがある場合、本発明は、隣接するトラックの揃えられた部分が属するセクタに無関係に、所与のトラックのセクタに揃えられている隣接するトラックの部分を用いる、所与のトラックのセクタのITIの軽減を可能にする。
【0081】
本発明の例示的な実施形態がデジタル論理ブロックに関して説明されたが、当業者に明らかであろうように、さまざまな機能は、ソフトウェアプログラムの、回路要素もしくは状態機械によるハードウェアの、またはソフトウェアとハードウェアの両方の組み合わせの処理ステップとしてデジタル領域で実装され得る。そのようなソフトウェアは、例えば、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、マイクロコントローラ、または多目的コンピュータで使用され得る。そのようなハードウェアおよびソフトウェアは、集積回路内に実装された回路内に具現化され得る。
【0082】
本発明の集積回路の実装においては、通常、複数の集積回路ダイが、ウェハの表面上の繰返しパターンで形成される。それぞれのそのようなダイは、本明細書に記載のデバイスを含むことができ、その他の構造または回路を含み得る。ダイは、ウェハから切断またはダイシングされ、次いで、集積回路としてパッケージングされる。当業者は、パッケージングされた集積回路を製造するためにウェハをどのようにダイシングすべきか、およびダイをどのようにパッケージングすべきかを知っているであろう。そのように製造された集積回路は、本発明の一部とみなされる。
【0083】
したがって、本発明の機能は、方法、およびそれらの方法を実施するための装置の形態で具現化され得る。本発明の1つまたは複数の態様は、例えば、ストレージ媒体に記憶され、機械にロードされるおよび/もしくは機械によって実行されるのか、または何らかの伝送媒体を介して送信されるのかに関わらずプログラムコードの形態で具現化されることができ、そのプログラムコードがコンピュータなどの機械にロードされ、機械によって実行されるとき、当該機械は本発明を実施するための装置になる。汎用プロセッサで実装されるとき、プログラムコードのセグメントは、特定の論理回路と同様に動作するデバイスを提供するためにプロセッサと連携する。本発明は、集積回路、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラのうちの1つまたは複数で実装されることもできる。
【0084】
本明細書において示され、説明された実施形態および変更形態は、本発明の原理を例示するに過ぎず、さまざまな修正が、本発明の範囲および精神を逸脱することなく当業者によって実施され得ることを理解されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、磁気記録システムに関し、より具体的には、そのような磁気記録システムにおけるトラック間干渉の影響を軽減するための改善された技術に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記録(MR)システムにおいて、データは、通常、一連の小さな磁気領域として、磁気媒体上の同心円状のトラックに記録される。所与のトラックに隣接するトラックに書き込まれたデータは、所与のトラックの媒体から読み出される信号に影響を与える。1つまたは複数の隣接するトラックの結果として所与のトラックの読み取り中に引き起こされる信号は、クロストークまたはトラック間干渉(ITI)と呼ばれる。所与のトラックの読み出される信号内の、隣接するトラックによって引き起こされたITI雑音の軽減は、概して、ITI軽減回路またはプロセスに与えられる隣接するトラックからのデータパターンについての情報に頼る。
【0003】
ITIは、データの同心円状のまたはらせん状のトラックが、媒体に、ヘッドのサイズに比して互いにごく近くに記録されるハードディスクドライブ(HDD)において特に問題である。ディスクドライブの容量は、トラックをより近くにまとめて配置することによって増やされる。しかし、ITIは、テクノロジーの微細化とともに増大することが知られており、トラックの分離距離が短くなるにつれて重大な雑音源になる。トラックがより近くにまとめて配置されるにつれて、隣接するトラックは、所与のトラックが媒体から読み出されるときにその所与のトラックの信号により影響を与えやすくなり、全体的な信号対雑音比を低下させる。したがって、ITIは、磁気媒体の所与の領域に信頼性高く記憶され得るトラックの数を制限する。ITIは、トラックが一部のケースでは互いに接触するほど近くに配置され、その他のケースではデータを書き込まれたときに互いに重なる可能性さえあるシングルド磁気記録(Shingled Magnetic Recording)(SMR)システムにおいては一層大きな問題である。
【0004】
磁気記録システムにおけるITIの影響を軽減するためのいくつかの技術が、提案されている。例えば、既存のSMRの実装においては、軽減プロセスが、通常、ハードディスクコントローラ(HDC)のソフトウェアによって実行される。しかし、ITIの軽減が有効化されるとき、HDCは、ディスクの3〜6回転ごとに数セクタ(および典型的には1セクタのみ)よりも多いセクタを再生するのに十分なほど速くデータを処理することができないことが分かっている。しかし、ディスクの各回転は、(例えば、使用される特定のディスクドライブ、プラッタのサイズ、およびディスク上の各トラックの半径方向の位置に応じて)例えば、500以上のセクタを含む可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第13/186,174号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、ITIの影響を軽減するための改善された技術に対するニーズが、存在する。ITIの影響を軽減するためのハードウェアに基づく技術に対するさらなるニーズが、存在する。ハードディスクコントローラがITIの計算を実行することを要求しない、ITIの影響を軽減するためのハードウェアに基づく技術に対するさらに別のニーズが、存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概して、磁気記録システムにおけるトラック間干渉の軽減のためのハードウェアに基づく方法および装置が、提供される。本発明の一態様によれば、トラック間干渉(ITI)が、ITIキャンセル・データを取得することと、ITIキャンセル・データを、読み取り動作中に、磁気記録システムの書き込みデータ経路を用いてITI軽減回路に提供することとによって磁気記録システムにおいて軽減される。任意的に、書き込みデータ経路は、読み取りデータ経路が読み取り動作を実行するのと実質的に同時に動作することができる。
【0008】
ITIキャンセル・データは、例えば、書き込みデータ経路の外部にあるメモリから得られる可能性がある。ITIキャンセル・データは、例えば、ユーザ・データおよび/または媒体データを含む。一実施形態において、書き込みデータ経路は、ユーザ・データをITIの軽減のための媒体データに変換する。
【0009】
ITIの軽減は、データの所与のセクタに対して選択的に有効化されることができる。加えて、ITIの軽減は、1つまたは複数の隣接するトラックに関する所与の読み取り動作に対して選択的に実行され得る。任意的に、ITIの軽減は、ITIを補正されたデータを後処理するための後処理手順と組み合わせて実行される可能性があり、および/または後処理されたデータに対してITIの軽減を実行する可能性がある。
【0010】
本発明、ならびに本発明のさらなる特徴および利点のより完全な理解が、以下の詳細な説明および図面を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】シングルド磁気記録(SMR)システムの磁気媒体上のいくつかの例示的なトラックの一部を示す図である。
【図2】本発明によるITIの軽減を組み込む磁気記録システムの概略構成図である。
【図3】図2の一部として示されたリード・チャネルの代替的な実装の概略構成図である。
【図4】図2の一部として示されたリード・チャネルの代替的な実装の概略構成図である。
【図5A】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図5B】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図6A】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図6B】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図7A】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図7B】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図8A】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図8B】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図8C】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図8D】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図9A】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図9B】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図10A】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図10B】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【図10C】いくつかの例示的な動作モードおよび各モードに関する対応するインターフェース信号を実装するためのさまざまな構成の図2〜4のリード・チャネルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、磁気記録システムにおけるトラック間干渉の軽減のためのハードウェアに基づく方法および装置を提供する。ITIの軽減は、正しいデータ再生の見込みを高めるために、媒体から読み取られるデータを追加的なデータ(以降、「キャンセル・データ」と呼ばれる)と組み合わせる。キャンセル・データは、ITI軽減回路またはプロセスに供給されなければならない。キャンセル・データは、当業者に明らかであろうように、ディスク媒体から読み取られるか、または別のソースから取得され得る。
【0013】
本発明の一態様によれば、開示されたトラック間干渉の軽減のためのハードウェアに基づく技術は、HDCからキャンセル・データを取得するが、HDCの処理ユニットがITIの計算を実行することを要求しない。本発明の別の態様によれば、後のデジタル信号処理(DSP)のために読み取りデータ経路に示すためのキャンセル・データを記憶し、供給し、操作し、それによって、書き込まれたデータを正しく再生する可能性を高めるためのシステムが、開示された。
【0014】
リード・チャネルは、通常、所与の時間に読み取りモードかまたは書き込みモードのいずれかであるスレーブ・デバイスである。各モードで、データは、通常、一方向にしか流れない。例えば、データは、書き込みモードにおいては、ハードディスクコントローラ(HDC)から、媒体へのリード・チャネル(RC)に流れ、読み取りモードにおいては、媒体からRCへ流れ、次いでHDCへと流れる。本発明は、書き込みデータ経路(WDP)の少なくとも一部が、リード・チャネルが読み取りモードで読み取り動作を実行しているときに通常はアイドル状態であることを認識する。
【0015】
したがって、本発明のさらなる態様によれば、(読み取り動作中、通常はアイドル状態であるか、または休止状態である)書き込みデータ経路が、読み取りデータ経路のITI軽減回路にキャンセル・データを伝達するために使用される。このように、書き込みデータ経路が、キャンセル・データをリード・チャネルに送信するために、読み取り動作中に使用される。キャンセル・データは、磁気媒体から読み取りデータ経路によって取得される媒体データと実質的に同時にITI軽減回路に与えられる。その他の利点として、書き込みデータ経路は、通常、データを符号化し、スクランブルし、バッファリングし、(後で媒体に書き込まれる)誤り訂正データを計算するための機能を含み、この機能が、ITIの軽減のために本発明にしたがって利用されることができる。このようにして、開示されたITI軽減システムは、書き込み経路のそうでなければアイドル状態であるハードウェアおよび既存のバッファリング能力を利用して、最小限の設計の労力、領域の消費、および電力のコストでITIの軽減を可能にする。
【0016】
図1は、例示的なシングルド磁気記録(SMR)システムの磁気媒体100上のいくつかの例示的なトラック110−1から110−3の一部を示す。トラック110−1から110−3は、通常、(図1において下から上に示されるような)数が大きくなる順序で書き込まれる。本明細書に記載のいくつかの例は、左右のトラックに言及し、それらは、所与のトラックに対してそれぞれ左および右に隣接するトラックについての言及である。図1に示されるように、例示的なトラック110−1、110−2、および110−3は、トラック110−1と110−2の間の第1の重なる領域120−1を有し、トラック110−2と110−3の間の第2の重なる領域120−2を有するように書き込まれる。例えば、トラック110−2から読み取られる信号は、トラック110−3が、既に書き込まれたトラック110−2に重ねて書き込まれるので、トラック110−3から読み取られる信号によって大きく影響される。トラック110−2から読み取られる信号は、トラック110−2の左端が、トラック110−1の右端の上に書き込まれるので、トラック110−1に既に書き込まれたデータによってやはり影響される。トラック110−2に関するリード信号は、記録されたデータを読むためにトラック上に位置付けられる読み取りヘッドの位置およびサイズに大きく依存する。読み取りヘッドが、例えば、端140などのその他のトラック110−3の端よりも、端130などのトラック110−2の一端に近く位置付けられる場合、端130に隣接する対応するトラック110−1は、端140に隣接するトラック110−3よりもトラック110−2のリード信号に影響を与える。読み取りヘッドが110−2の重ねられていない領域と同じか、またはそれよりも大きい場合、トラック110−1と110−3の両方が、ITI雑音を引き起こす可能性が高い。
【0017】
一方の隣接するトラックは、他方の隣接するトラックよりも重大なITIの影響を有する可能性があることが留意される。例えば、隣接するトラックの位置に対する真ん中のトラック110−2上の読み取りヘッドの位置は、真ん中のトラックに対する、それぞれの隣接するトラックによって寄与されるITIの量に影響する可能性がある。したがって、任意的に、ITIの軽減は、より重大なITIの寄与を有する隣接するトラックに対して最初に実行され得る。以下でさらに検討されるように、本明細書に記載の例示的な実施形態は、一方の側のトラックを使用するかもしくは反対側のトラックを使用するかについて、または両側のITIの軽減が実行されている場合には側面のトラックの順序についていかなる制限も課さない。開示されたITI軽減メカニズムは、正常な再生が行われるとITI軽減プロセスが終了することを許すように、(事前に知られている場合)最も重要なキャンセルが最初に実行されることを可能にする。
【0018】
図2は、本発明によるITIの軽減を組み込む磁気記録システム200の一部の概略構成図である。図2は、読み取り動作中のITIの軽減のための磁気記録システム200の構成を示す。図2に示されるように、磁気記録システム200は、ハードディスクコントローラ(HDC)210およびリード・チャネル(RC)250を含む。リード・チャネル250は、読み取りデータ経路(RDP)260−Rおよび書き込みデータ経路(WDP)260−Wを含む。既に示されたように、書き込みデータ経路260−Wは、所与のトラックNに隣接するトラックN−1およびN+1などの1つまたは複数の隣接するトラックに関するキャンセル・データを、読み取りデータ経路260−RのITI軽減回路280に伝達するために本発明によって使用される。キャンセル・データは、磁気媒体から読み取りデータ経路260−Rによって取得される媒体データと実質的に同時にITI軽減回路280に与えられる。
【0019】
概して、RDP−アナログ・ブロック290は、交流結合減衰器(ac−coupling,attenuator)(ACC)、適応制御、ベースライン補償(baseline compensation)、磁気抵抗非対称(MRA)補償(magneto−resist asymmetric(MRA) compensation)、サーマル・アスペリティ(thermal asperity)(TA)検出を備える可変利得増幅器(VGA)、デジタル信号処理のための適応制御を備える連続時間フィルタ(CTF)、およびアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)などのいくつかのアナログ・コンポーネントを含む。概して、サーマル・アスペリティは、読み取りヘッドが、磁気材料が存在するディスク・プラッタの平面の上に隆起しているその磁気材料の一部に衝突するときに発生し、信号の振幅を実質的に大きくする。サーマル・アスペリティ検出ブロックは、知られている方法で、そのような磁気材料部分を特定し、それらを補償するように試みる。
【0020】
次いで、デジタル化された信号が、信号を等化するデジタル有限インパルス応答(DFIR)フィルタ285によってフィルタリングされる。DFIR285は、フィルタリングされた出力をITI軽減回路280に提供する。次に、ITI軽減回路280によって生成されたITIが打ち消された信号が、ビタビ検出器と、低密度パリティ検査復号器などの復号器とを含む反復復号ブロック270に与えられる。読み取りデータ経路260−Rは、所与のトラックNに関する復号されたデータをハードディスクコントローラ210に提供する。
【0021】
既に示されたように、書き込みデータ経路260−Wは、概して、誤り訂正が後のデータの読み取りに対して実行され得るように、媒体に書き込まれるべきデータを符号化する機能を含む。加えて、書き込みデータ経路260−Wは、さらに、データをスクランブルし、バッファリングし、この機能は、ITIの軽減のために本発明によって利用されることができる。
【0022】
例示的なITI軽減回路280のより詳細な検討については、例えば、参照により本明細書に援用される、「Systems and Methods for Inter−Track Interference Compensation」と題された、2011年7月19日に出願された米国特許出願第13/186,174号(代理人整理番号AGERE−022110)を参照されたい。本発明によるITIの軽減のためのいくつかの例示的な技術が、図5〜10に関連して以下でさらに検討される。例えば、本発明のさまざまな実装は、ITIの軽減を用いるかまたは用いない、磁気媒体295の直接読み取りをサポートする。加えて、本発明の別の実装は、少なくとも片側のITIの軽減を用いるオンザフライ(OTF)またはリアルタイムの読み取りをサポートする。本発明のさらに別の実装は、両側のITIの軽減まで用いたオフラインの読み取りをサポートする。
【0023】
本発明は、Y−平均された(Y−Averaged)データなどの後処理されたDFIRデータのITIの軽減、および/またはITIを軽減されたデータのY−平均などの、ITIを軽減されたDFIRデータの後処理もサポートする。例えば、Y−平均されたデータのITIの軽減は、複数の読み取りにわたるY−平均を取得することと、次いで、Y−平均されたサンプルを用いてITIの軽減および復号を実行することとを含む。同様に、ITIを軽減されたデータのY−平均は、セクタを読み取ることと、現在の読み取ったセクタを用いてITIの軽減および任意的に復号を実行することと、複数の読み取りからのITIを軽減されたサンプルを用いてY−平均を得ることとを含み、その後に次のセクタの読み取りが続き、以下同様である。
【0024】
図2に示されるように、ハードディスクコントローラ210は、それぞれ、読み取りデータ経路(RDP)260−Rおよび書き込みデータ経路(WDP)260−Wの対応する長レイテンシ・インターフェース(long latency interface)(LLI)255−R、255−Wと通信するための例示的な長レイテンシ・インターフェース(LLI)240−R、240−Wを含む。
【0025】
ハードディスクコントローラ210は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)220などの外部ダブルデータレート(DDR)デバイスと通信するためのダブルデータレート(DDR)PHYインターフェース230も含む。キャンセル・データは、例えば、外部DRAM220、またはスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)もしくはフラッシュメモリなどの別の不揮発性メモリに記憶され得る。例示的なDRAM220は、磁気媒体100(図1)または磁気媒体295(図2)の1つまたは複数のトラックに関するキャンセル・データを記憶することができる。例えば、記憶されるキャンセル・データの量は、現在読み取られているトラックに関するトラック間隔(track spacing)に応じて決まる可能性がある。例示的なDRAM220は、DRAMに記憶される必要があるデータの量を削減するために1つまたは複数のセクタ(例えば、以前の読み取り動作中に正常に再生されることができなかったセクタ)だけに関するキャンセル・データを記憶することもできる。
【0026】
サイドトラック・データとも呼ばれるキャンセル・データは、当業者に明らかであろうように、いくつかの例示的なフォーマットを有する可能性がある。概して、例示的なキャンセル・データは、書き込まれた媒体の波形に対応する符号化された媒体データ、またはハードディスクコントローラ210によって通常供給される符号化されていないユーザ・データを含み得る。概して、例示的な媒体データ・フォーマットは、低密度パリティ検査(LDPC)オーバヘッド、ランレングス制限(run−length limited)(RLL)符号化オーバヘッド、および誤り検出符号(EDC)オーバヘッドを含む符号化されたデータを含む。図3および4は、媒体データを処理するための異なる実施形態を組み込むリード・チャネル250の代替的な実装250’および250’’をそれぞれ示す。図3および4において、ランレングス制限および誤り検出符号符号器および復号器機能ならびにスクランブラ機能は、「ESR」(すなわち、誤り検出符号、スクランブラ、およびRLL)とラベル付けされる。
【0027】
例示的な実施形態において、ITI軽減回路280は、「Y−データ(Y−Data)」と呼ばれる等化されたアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)サンプルを処理することがさらに留意される。代替的な実施形態において、ITI軽減回路280は、本明細書では「ADCデータ」と呼ばれる生の(等化されていない)ADCサンプルを処理することができる。Y−データまたはADCデータは、例えば、媒体に書き込まれた各媒体ビット(media bit)に関する6ビットのデータである可能性がある。ADC−データまたはY−データは、磁気媒体295から読み取られ、それぞれ、ADCまたはDFIR等化器の出力で利用可能である。反復復号ブロック270は、各Y−データ・サンプルを検出された媒体データの単一のビットに、ならびに(パリティおよびその他のオーバヘッド・ビットの除去の後)検出されたユーザ・データの単一のビットに変換する。反復復号ブロック270は、例えば、よく知られているLDPC復号器を用いて具現化され得る。
【0028】
例示的な実施形態において、書き込みデータ経路260−Wは、ITIキャンセル・データをユーザまたは媒体データ・フォーマットで表す。代替的な実施形態において、書き込みデータ経路260−Wは、ITIキャンセル・データをADCまたはY−データ・フォーマットで表し、その場合、媒体ビットごとの複数のビットが、DRAMに記憶され、HDCから書き込みデータ経路260−Wに供給される。ITI軽減回路280は、書き込みデータ経路260−Wが何を供給するかに応じて媒体データ、ADCデータ、またはY−データに基づいてITIを軽減する。HDCがITIキャンセル・データをリード・チャネルにユーザ・データ・フォーマットで提供する場合、書き込みデータ経路は、図3および4に示されるように、ユーザ・データを媒体データに変換する。
【0029】
DDR PHY230が追加的な費用およびシステム設計の修正なしにY−データまたはADCデータ・フォーマット(例えば、記憶された媒体ビットごとに6ビット)をサポートするのに十分な帯域幅を持たない場合、本発明のユーザまたは媒体データ・フォーマットの実装である単一ビット・フォーマットは、それでもサポートされることができることが留意される。単一ビット・フォーマットを用いると、1ビット単位の帯域幅が追加される必要があるだけである。読み取りデータは、既存の非ITIドライブのメモリに書き込まれることがさらに留意される。したがって、DDRからデータを読み取り、開示されたITIキャンセル手順で使用するためにリード・チャネルにキャンセル・データを送るために1帯域幅ビット単位が追加されるだけである。単一ビット・フォーマットを使用することによって、DRAMでITIキャンセル・データのために必要とされるストレージの量が、やはり大幅に削減される。
【0030】
1つの例示的な実施形態において、磁気記録システム200は、ITIキャンセル・データが所与の読み取り動作のために使用されるべきかどうかを示す、例えば、METACMD[1]またはITI_GATEと呼ばれるITI制御信号またはレジスタを含む。ITI制御信号がITIキャンセル・データが所与の読み取り動作のために使用されるべきでないことを示す場合、ITI軽減回路280は、図3〜4で以下にさらに示されるように(ITIの軽減のために使用されるべきデータが存在しないので)任意的に迂回されることができる。加えて、例示的な磁気記録システム200は、例示的な実施形態において、ITIのキャンセルが1つの隣接するトラックのみに対して実行されるべきか(例えば、ITI_SIDESがITI_SIDES=0に設定される)、または2つの隣接するトラックに対して実行されるべきか(例えば、ITI_SIDESがITI_SIDES=1に設定される)を示すための、例えば、ITI_SIDESと呼ばれるモード制御信号またはレジスタを含む。概して、任意の数Nのトラックが、真ん中のトラックにITIの影響を有する可能性がある。当業者に明らかであろうように、追加的に、N個の側面のITIの軽減が、本発明にしたがってNステップで実行され得る。
【0031】
図3は、書き込みデータ経路がITI軽減回路280に示すための媒体データを生成する、図2のリード・チャネル250の代替的な実装250’の概略構成図である。図3に示されるように、例示的なリード・チャネル250’は、図2と同様にして、読み取りデータ経路360−Rと、書き込みデータ経路360−Wとを含む。読み取りデータ経路360−Rは、図2の読み取りデータ経路260−Rと同様にして実装され得る。既に示されたように、書き込みデータ経路360−Wは、キャンセル・データを、読み取りデータ経路360−RのITI軽減回路280に伝達するために本発明によって使用される。キャンセル・データは、磁気媒体から読み取りデータ経路360−Rによって取得される媒体データと実質的に同時にITI軽減回路280に与えられる。別の例示的な実施形態において、キャンセル・データは、磁気媒体から読み取りデータ経路360−Rによって取得される対応する媒体データの前または後にITI軽減回路280に与えられる。
【0032】
読み取りデータ経路(RDP)360−Rおよび書き込みデータ経路360−Wの長レイテンシ・インターフェース(LLI)255−R、255−Wは、それぞれ、図2と同様にして実装され得る。さらに、反復復号ブロック270およびITI軽減回路280は、図2と同様にして実装され得る。
【0033】
図3の例示的な実施形態において、符号化された媒体データは、書き込みデータ経路360−Wによって生成される。HDCは、ITIキャンセル・データを書き込みデータ経路にユーザ・データ・フォーマットで提供する。図3に示されるように、例示的な書き込みデータ経路360−Wは、ユーザ・データを、ITIキャンセル・データとしてITI軽減回路に提供される符号化された媒体データに符号化するESR符号器320−WおよびLDPC符号器330を含む。書き込みデータ経路は、媒体への書き込み動作中と同様の方法でユーザ・データを符号化する。
【0034】
図3に示されるように、読み取りデータ経路360−RのITI軽減回路280は、ITIのキャンセルが所与の読み取り動作に関して有効化されないとき、任意的に迂回され得る。さらに、読み取りデータ経路360−RのESR符号器320−Rは、媒体データ・フォーマットが再生されるべきであるとき、任意的に迂回され得る。
【0035】
図4は、書き込みデータ経路がユーザ・データをITI軽減回路280に提供し、ITI軽減回路280がユーザ・データから媒体データを生成する、図2のリード・チャネル250の代替的な実装250’’の概略構成図である。図4に示されるように、例示的なリード・チャネル250’’は、図2と同様にして、読み取りデータ経路460−Rと、書き込みデータ経路360−Wとを含む。読み取りデータ経路460−Rは、図2の読み取りデータ経路260−Rと同様にして実装され得る。既に示されたように、書き込みデータ経路460−Wは、キャンセル・データを、読み取りデータ経路460−RのITI軽減回路280に伝達するために本発明によって使用される。キャンセル・データは、磁気媒体から読み取りデータ経路460−Rによって取得される媒体データと実質的に同時にITI軽減回路280に与えられる。別の例示的な実施形態または動作モードにおいて、キャンセル・データは、磁気媒体から読み取りデータ経路460−Rによって取得される媒体データの前または後にITI軽減回路280に与えられる。
【0036】
読み取りデータ経路(RDP)460−Rおよび書き込みデータ経路460−Wの長レイテンシ・インターフェース(LLI)255−R、255−Wは、それぞれ、図2と同様にして実装され得る。さらに、反復復号ブロック270およびITI軽減回路280は、図2と同様にして実装され得る。
【0037】
図4の例示的な実施形態において、符号化された媒体データは、書き込みデータ経路460−Wによって提供されるユーザ・データからITI軽減回路280により生成される。したがって、図4に示されるように、例示的な書き込みデータ経路460−WのESR符号器420−WおよびLDPC符号器430は、ITI軽減回路280に与えられるユーザ・データによって迂回される。書き込みデータ経路460−WのESR符号器420−WおよびLDPC符号器430は、ユーザ・データが媒体に書き込まれる前に媒体データに符号化されるときは、書き込み動作中にユーザ・データによって迂回されない。
【0038】
図4に示されるように、読み取りデータ経路460−RのITI軽減回路280は、ITIのキャンセルが所与の読み取り動作に関して有効化されないとき、任意的に迂回され得る。さらに、読み取りデータ経路460−RのESR符号器420−Rは、媒体データ・フォーマットが再生されるべきであるとき、任意的に迂回され得る。
【0039】
図5〜10は、いくつかの例示的な動作モードを実装するためのさまざまな構成のリード・チャネル250を示す。図5〜10において、アクティブな信号経路は、太字破線矢印を用いて示される。図5〜10に示されるように、および上で検討されたように、リード・チャネル250は、デジタル有限インパルス応答フィルタ285、ITI軽減回路280、および反復復号ブロック270を含む。
【0040】
加えて、図5〜10に関連して以下でさらに検討されるように、リード・チャネル250は、マルチプレクサ505、515、Y−AVG後処理ブロック510、Y−MEMメモリ・ブロック520、およびY−データを処理するためのY−MEMアドレス・ブロック530をさらに含む。
【0041】
図5Aは、例示的な非ITI動作モードのリード・チャネル250を示す。概して、非ITIモードは、ITIの軽減が必要とされないときに(例えば、トラックの分離が十分であるときに)選択的に無効化されることを可能にし、さらに、リード・チャネル250がITIの軽減がサポートされない可能性があるレガシーシステムで使用されることを可能にする。図5Aに示されるように、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505を用いて迂回され、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515を用いて迂回される。したがって、非ITIモードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。概して、Y−データは、Y−MEMブロック520に記憶され、次いで、復号のために反復復号ブロック270に適用される。
【0042】
図5Bは、図5Aの例示的な非ITI動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。概して、以下の図において、MEDIA信号は、何が媒体上にあるか(サーボ(servo)、フラグメント(fragment)、またはフル・セクタ(full sector))を示す。図の用語「FRG」は、セクタのフラグメントを示し、用語「FULL」は、完全なセクタを示し、用語「SERVO」は、分割セクタ(split sector)を示す(例えば、FRG5.1は、左のセクタのフラグメントであり、FRG5.2は、右のセクタのフラグメントであり、それらは、「SERVO」ラベルによって示されるように分割される)。したがって、FRG5.1とFRG5.2とが一緒にFULL5を構成する(フル・セクタが2つに分割される)。加えて、2つのRDGATEパルスが、各部分を読み取るために使用され、チャネルが、組み合わせてfull5セクタを再生する。一部の図において、用語「MEDIA(1回転目)」および「MEDIA(2回転目)」は、同じセクタが2回読まれる(ディスクが、ヘッドをもう一度そのセクタの上に持ってくるために一周しなければならない)ことを示す。
【0043】
SVGATE信号は、(単に参照のために)サーボ・ゲート(servo gate)を示す(および、媒体上のあらゆるSERVOの上でhighである)。DARA_W信号は、(ITIキャンセル・データがチャネルに入る)書き込み経路データを示す。LEFT#は、同じ番号を有するセクタに関する左キャンセル・データを示し、つまり、LEFT#は、左のトラックに書き込まれた隣接するデータに対応する。RIGHT#は、同じ番号を有するセクタに関する右キャンセル・データを示し、つまり、RIGHT#は、右のトラックに書き込まれた隣接するデータに対応する。図1を参照すると、トラック2がデータが再生される現在のトラックである場合、トラック1およびトラック3が、それぞれ、隣接する左トラックおよび右トラックである。
【0044】
RDGATE信号は、リード・ゲート(read gate)に対応し、媒体からの読み取りを示す。RDGATE信号は、各セクタおよびセクタのフラグメントの始まりにおいてアクティブである。RETRYGATE信号は、記憶されたサンプルからの(y−メモリ(y−memory)からの)再試行を示す。RETRYGATE信号は本明細書においてはITIの軽減との関連で示されるが、当業者に明らかであろうように、RETRYGATE信号は、その他の用途でも使用され得ることが留意される。
【0045】
本明細書において検討されるように、信号METACMD[1]は、(RDGATEまたはRETRYGATEに合わせられた)読み取りまたは再試行と一緒にITIの軽減をトリガする。図5Bは軽減を用いない通常の読み取り動作に対応するので、METACMD[1]はアクティブではない。
【0046】
DATA−R信号は、再生されたセクタ・データを示す(FULL#は、同じ名前の媒体のセクタに関する再生されたデータを意味する)。加えて、SECTOR_GOOD信号は、良好なセクタが再生されたことを示す(セクタが良好でないときは、追加的な処理が、セクタを再生するために実行される)。
【0047】
さらに、以下の図のうちの1つまたは複数において、以下の表記が使用される。
avg(data1,data2)は、同じデータの2回の読み取り動作からのデータのビットごとの平均を示し、媒体上に記憶された各ビットに関して、対応するY−サンプル(Y−sample)data1およびdata2が平均される。代替的な実装においては、ADCサンプルが平均される。
decode(data)は、LDPC復号動作(Y−データから媒体またはユーザ・ビットに変換されるデータ再生)を示し、Y−データは、例えば、6ビットを用いて表される。
iti(left,data)は、「data」内の主トラック信号から左の隣接するトラックによってもたらされたITIを除去することを示す。
iti(left,right,data)は、「data」内の主トラック信号から左右両方の隣接するトラックによってもたらされたITIを除去することを示す。
【0048】
図6Aは、例示的な後処理(非ITI)動作モードのリード・チャネル250を示す。図6Aに示されるように、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505を用いて迂回される。したがって、非ITIモードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、(マルチプレクサ515を用いて選択される)Y−AVGブロック510、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。Y−MEMアドレス・ブロック530は、知られている方法でY−MEMブロック520の選択を制御する。概して、所与のセクタからの記憶されたデータの最初の読み取りに関するY−データが、Y−MEMブロック520に記憶され、次に、そのセクタからのデータのその後の再読み取りに関するすべてのサンプルが、Y−AVGブロック510によってフィードバック経路540を用いてY−MEMブロック520の内容と合併される、つまり、平均される。所与のセクタは、その所与のセクタからの記憶されたデータが正常な復号動作によって示されるように正常に読み取られるまで、Y−MEMブロック520の内容が繰返しのたびに更新されるようにして複数回読み取られる可能性がある。Y−MEMブロック520の出力は、復号のために反復復号ブロック270にやはり適用される。
【0049】
図6Bは、図6Aの例示的な後処理(非ITI)動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な実施形態において実行される後処理は、記憶されたデータを2回読み取り、図6Bに示される2回の読み取り動作で読み取られたデータのビットごとの平均を実行することなどによる、ITIの軽減を用いない平均読み取り(Average Read)を含む。当業者に明らかであろうように、平均は、任意の回数の読み取り動作に対して実行され得る。第2の読み取りおよび平均が、データが再生され得るように雑音を十分に削減するので、ITIの軽減が必要とされないことが留意される。図6Bに示されるように、SECTOR_GOOD信号が、第3のセクタ上の第1の通過に関しては存在しないが、第3のセクタ上の第2の通過の後には存在する。セクタFULL3は、第1の読み取り中に読み取られ、次いで、反復復号器に渡され、復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡されることが留意される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。第2の回転で、第2の読み取りの後、2つの読み取りのY−データが平均され、Y−平均されたデータが、反復復号ブロックに渡され、反復復号ブロックが、セクタを正常に復号する。
【0050】
図7Aは、例示的なリアルタイムITI動作モードのリード・チャネル250を示す。概して、ITIの軽減が、データ転送速度で実行され、あらゆるセクタに対して任意的に実行され得る。図7Aの実施形態において、ITIの軽減は、スループットへの影響を少なくするために(例えば、例示的なモード制御信号またはレジスタ、ITI_SIDESによって示されるように)1つの隣接するトラックに対してのみ実行される。ITIキャンセル・データは、図2に関連して上で検討されたように、書き込みデータ経路260−W(図2)から得られる。図7Aに示されるように、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505によってアクティブな信号経路に置かれ、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515によって迂回される。したがって、リアルタイムITIモードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、ITI軽減回路280、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。概して、ITI軽減回路280のITIを補正された出力は、Y−MEMブロック520に記憶され、次いで、復号のために反復復号ブロック270に適用される。
【0051】
図7Bは、図7Aの例示的なリアルタイムITI動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。本明細書において検討されるように、例示的なリアルタイムITI動作モードは、ITIの軽減が、RDGATE信号と同時にMETACMD[1]信号をアサートすることによって選択的に有効化されることを可能にする。(OTFまたは再試行動作のいずれかに関してITI_SIDES=0)。
【0052】
RDGATE信号はセクタ1、2、3、4、5、6、7が媒体から読み取られることを示す。DATA_W信号は、ITIの軽減がセクタ3、4、および6に対して左側のトラックを用いて実行されることを示す。METACMD[1]信号は、(RDGATEまたはRETRYGATEに合わせられた)読み取りまたは再試行と一緒にITIの軽減をトリガする。セクタ1、2、5、および7は、METACMD[1]信号が関連するRDGATEとともにアサートされないので、通常通りに処理されることが留意される。
【0053】
両側のITI動作モードは、図10Aから10Cに関連して以下でさらに検討されることが留意される。
【0054】
図8Aは、例示的なITI軽減付きの後処理動作モードのリード・チャネル250を示す。概して、ITI軽減付きの後処理モードは、後処理されたY−データに対してITIの軽減を実行する。図8Aに示されるように、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505を用いて選択的にアクティブな信号経路に置かれ、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515を用いてアクティブな信号に置かれる。したがって、ITI軽減付きの後処理モードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、ITI軽減回路280、Y−AVGブロック510、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。Y−MEMアドレス・ブロック530は、知られている方法でY−MEMブロック520の選択を制御する。
【0055】
概して、所与のセクタの最初の読み取りに関して、ITI軽減回路280およびY−AVGブロック510は迂回され、Y−データがY−MEMブロック520に記憶される。そのセクタのその後のM回の再読み取りに関して、個々の読み取りからの新しいYサンプルは、Y−AVGブロック510によってフィードバック経路540を用いてY−MEMブロック520の内容と合併される(すなわち、平均される)。所与のセクタは、そのセクタが正常に読み取られるまで、Y−MEMブロック520の内容が繰返しのたびに更新されるようにして複数回読み取られる可能性がある。M+1回目の読み取り動作およびY−平均動作の完了の後、Y−MEMブロック520は、同じセクタのM+1回の読み取り動作からのY−データの平均を含む。Y−MEMブロック520の出力は、復号のために反復復号ブロック270にやはり適用される。
【0056】
後処理されたY−データを用いて、事前に定義された回数(M+1回)の再読み取りの後でセクタが正常に読み取れない場合、後処理されたデータに対してITIの軽減を実行するために、ITIの軽減が有効化され得る。ITIの軽減を実行するための指示が、RETRYGATEとMETACMD[1]の組み合わされたシグナリングによって(または、RETRYGATEとITI_GATEの組み合わされたシグナリングによって)開始される。このモードにおいては、Y−データが、マルチプレクサ502の制御の下で、フィードバック経路545を用いてY−MEMブロック520からITI軽減回路280に適用される。RETRYGATE信号は、Y−データが、媒体のセクタを読み取ることによって得られないが、前の読み取り動作からのYサンプルを含むY−MEMブロックを読み取ることによって得られることを示す。(例示的なITI_SIDES制御語の値に基づいて片側または両側の)ITIキャンセル・データは、図2に関連して上で検討されたように、書き込みデータ経路260−W(図2)から得られる。加えて、Y−AVGブロック510は、そのとき、マルチプレクサ515を用いて迂回され、したがって、後処理され、次いで打ち消されたデータが、反復復号ブロック270による復号の前にY−MEMブロック520に記憶されることができる。
【0057】
さらなる変形形態において、平均の再読み取り動作の回数は、動的に決定され得る(または事前に定義された条件が発生すると終了され得る)。平均動作のたびに、平均されたデータが復号器にプッシュされるときに、データが復号され、復号の品質に関する1つまたは複数の測定基準が生成される。例えば、1つの例示的な品質の測定基準は、ビット誤りの数を含み得る。1つの例示的な実装において、平均手順は、ビット誤りの数が減少するまで継続され得る。ビット誤りの数が横ばいになる(すなわち、さらなる平均がもはや助けにならない可能性がある)場合、ITIの軽減が実行されることができる。同様に、ITIの軽減のその後の使用も、動的に決定され得る。ITIの軽減動作が実行されるとき、(潜在的に、ビット誤りに関して上で検討された同じ例を用いて)データおよび測定基準が計算され、コントローラに送信され、コントローラが、再生が実現されると直ちに終了する可能性がある。この場合、信号ITI_SIDESが片側のキャンセルのみを実行するように調整され、それぞれの側が、再生が成功するまで、各ステップの後に分析された測定基準/データを用いて1つずつ実行される。
【0058】
図8Bは、図8Aの例示的な片側のITI軽減付きの後処理動作モード(ITI_SIDES=0)に関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な実施形態において実行される後処理は、図8Bに示される2回の読み取りの平均などの、片側のITIの軽減を用いる平均読み取りを含む。当業者に明らかであろうように、平均は、任意の回数の読み取り動作に対して実行され得る。読み取りは、第1の読み取り動作または第2の読み取り動作がSECTOR_GOOD信号を有する場合、停止され得ることが留意される。DATA_R信号に関して、図8Bの第1の「FULL3」は、decode(avg(read1,read2))を含み、第2の「FULL3」は、decode(iti(left,avg(read1,read2)))を含むことがさらに留意される。セクタFULL3は、第1の読み取り中に読み取られ、次いで、反復復号器に渡され、復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡されることが留意される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。第2の回転で、第2の読み取りの後、2つの読み取りのY−データが平均され、Y−平均されたデータが、反復復号ブロックに渡され、復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。次に、RETRYGATEおよびMETACMD[1]信号が、本発明によるITIのキャンセルを開始して、Y−平均されたデータを処理し、主トラックのセクタ3に隣接する左トラック(LEFT3)に関するキャンセル・データを用いてITIを軽減する。このキャンセル・データLEFT3は、DATA_Wバスを用いて書き込みデータ経路で前もって与えられた。結果が、反復復号ブロックに渡され、反復復号ブロックが、復号されたセクタを生成する。復号されたセクタは、DATA_Rバスに渡される。このセクタが誤りなしに正常に復号されたので、SECTOR_GOOD信号が、アサートされる。
【0059】
図8Cは、図8Aの例示的な自動的な両側のITI軽減付きの後処理動作モード(ITI_SIDES=1)に関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な実施形態において実行される後処理は、図8Cに示される2回の読み取りの平均などの、自動的な両側のITIの軽減を用いる平均読み取りを含む。当業者に明らかであろうように、平均は、任意の回数の読み取り動作に対して実行され得る。読み取りは、第1の読み取り動作または第2の読み取り動作がSECTOR_GOOD信号を有する場合、または第1のITI RETRYがSECTOR_GOOD信号を有するとき、停止され得ることが留意される。DATA_R信号に関して、図8Cの第1の「FULL3」は、decode(avg(read1,read2))を含み、第2の「FULL3」は、decode(iti(left,right,avg(read1,read2)))を含むことがさらに留意される。セクタFULL3は、第1の読み取り中に読み取られ、次いで、反復復号器に渡されることが留意される。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。第2の回転で、第2の読み取りの後、2つの読み取りのY−データが平均され、Y−平均されたデータが、反復復号ブロックに渡される。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。次に、(ITI_Sides=1として)RETRYGATEおよびMETACMD[1]信号が、自動的な両側のITI軽減動作モードを開始して、Y−平均されたデータを処理し、主トラックのセクタ3に隣接する左トラック(LEFT3)と右トラック(RIGHT3)の両方に関するキャンセル・データを用いてITIを軽減する。このキャンセル・データLEFT3およびRIGHT3は、DATA_Wバスを用いて書き込みデータ経路で前もって与えられた。組み合わされた結果が、反復復号ブロックに渡され、反復復号ブロックが、復号されたセクタを生成する。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。このセクタが誤りなしに正常に復号されたので、SECTOR_GOOD信号が、アサートされる。
【0060】
図8Dは、ITIの軽減が片側ずつ実行される(ITI_SIDES=0)、図8Aの例示的な両側のITI軽減付きの後処理動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な実施形態において実行される後処理は、図8Dに示される2回の読み取りの平均などの、両側のITIの軽減を(片側ずつ)用いる平均読み取りを含む。当業者に明らかであろうように、やはり、平均は、任意の回数の読み取り動作に対して実行され得る。読み取りは、いつでもSECTOR_GOOD信号が検出されるときに停止され得ることが留意される。DATA_R信号に関して、図8Dの下半分の第1の「FULL3」は、decode(read1)を含み、第2のFULL3は、decode(avg(read1,read2))を含み、第3の「FULL3」は、decode(iti(left,avg(read1,read2)))を含み、第4の「FULL3」は、decode(iti(left,right,avg(read1,read2)))を含むことがさらに留意される。セクタFULL3は、第1の読み取り中に読み取られ、次いで、反復復号器に渡されることが留意される。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。第2の回転で、第2の読み取りの後、2つの読み取りのY−データが平均され、Y−平均されたデータが、反復復号ブロックに渡される。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。セクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。次に、(ITI_Sides=0として)第1のRETRYGATEおよびMETACMD[1]信号が、両側のITI軽減動作モード(ただし片側ずつ)を開始して、Y−平均されたデータを処理し、主トラックのセクタ3に隣接する左トラック(LEFT3)に関するキャンセル・データを用いてITIを軽減する。このキャンセル・データLEFT3は、DATA_Wバスを用いて書き込みデータ経路で前もって与えられた。ITIのキャンセルの結果が、反復復号ブロックに渡され、反復復号ブロックが、復号されたセクタを生成する。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。このセクタが誤りなしに正常に復号されなかったので、SECTOR_GOOD信号は、アサートされない。(ITI_Sides=0として)RETRYGATEおよびMETACMD[1]信号の第2の組が、主トラックのセクタ3に隣接する右トラック(RIGHT3)に関するキャンセル・データを用いてITIの軽減を開始する。このキャンセル・データRIGHT3は、DATA_Wバスを用いて書き込みデータ経路で前もって与えられた。次に、組み合わされた結果が、反復復号ブロックに渡され、反復復号ブロックが、復号されたセクタを生成する。復号されたセクタが、DATA_Rバスに渡される。このセクタが誤りなしに正常に復号されたので、SECTOR_GOOD信号が、アサートされる。
【0061】
図9Aは、例示的な後処理付きのITI軽減動作モードのリード・チャネル250を示す。この構成において、後処理付きのITI軽減モードは、最初にITIの軽減を実行し、次にY−データの後処理を実行する。図9Aに示されるように、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505を用いて選択的にアクティブな信号経路に置かれ、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515を用いてアクティブな信号に置かれる。したがって、後処理付きのITI軽減モードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、ITI軽減回路280、Y−AVGブロック510、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。Y−MEMアドレス・ブロック530は、知られている方法でY−MEMブロック520の選択を制御する。
【0062】
図9Aの実施形態において、ITIの軽減は、例えば、例示的なモード制御信号またはレジスタ、ITI_SIDESと、(ITIの軽減をバイパスする、すなわち「まったく実行しない」ための)METACMD[1]とによって示されるように、所与の読み取り動作に対して、どちらかの隣接するトラックもしくは両方の隣接するトラックに対して実行されるか、またはまったく実行されない。ITIキャンセル・データは、図2に関連して上で検討されたように、書き込みデータ経路260−W(図2)から得られる。図9Aに示されるように、サンプルの第1の組に関して、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505によってアクティブな信号経路に置かれ、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515によって迂回され、ITIを補正されたデータが、Y−MEMブロック520および反復復号ブロック270に送信される。
【0063】
加えて、すべての残りのITIを補正されたサンプルが、Y−AVGブロック510によってフィードバック経路540を用いてY−MEMブロック520の内容と合併される(すなわち、平均される)。所与のセクタは、そのセクタが正常に読み取られるまで、Y−MEMブロック520の内容が繰返しのたびに更新されるようにして複数回読み取られる可能性がある。Y−MEMブロック520の出力は、復号のために反復復号ブロック270にやはり適用される。
【0064】
図9Bは、図9Aの例示的な後処理付きのITI軽減動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な実施形態において実行される後処理は、ITIを軽減されたデータの平均を含む。当業者に明らかであろうように、やはり、平均は、任意の回数の読み取り動作に対して実行され得る。概して、このプロセスは、媒体を2回読み取ることを含む。媒体を読み取るたびに、ITIが軽減され、その結果が、前に計算された/記憶された結果と平均される。例えば、2回の読み取り動作に対する平均に関して、プロセスは、媒体から目標のセクタを読み取ることと、読み取られたデータに対してITIの軽減を実行すること(例えば、左の隣接するトラックからのITIが軽減される)と、結果を記憶すること(すなわち、1組のサンプルの平均を記憶する)と、媒体295から同じ目標のセクタを再び読み取ることと、読み取られたデータに対してITIの軽減を実行すること(例えば、右の隣接するトラックからのITIが軽減される)と、第2のITIを軽減されたデータを記憶されたデータと平均すること(ITIが打ち消されたデータの平均を生じる)とを含む。これは、avg(iti(first_read),iti(second_read))=(iti(read1)+iti(read2))/2.0と表され得る。2回の読み取り中に、同じ隣接するトラックからのITIが代替的な動作モードで軽減された可能性があることが留意される。
【0065】
図9Aおよび9Bの例示的な後処理付きのITI軽減動作モードは片側のITIの軽減に関して示されているが、本明細書において検討されるように、および当業者に明らかであろうように、N個の側面のITIの軽減が可能であることが留意される。
【0066】
図10Aは、例示的な両側のITI動作モードのリード・チャネル250を示す。ITIキャンセル・データは、図2に関連して上で検討されたように、書き込みデータ経路260−W(図2)から得られる。最初に、片側のITIの軽減が、図7Aと同様にして実行される(すなわち、1つの隣接するトラックに対するITIの軽減)。図10Aに示されるように、ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505によってアクティブな信号経路に置かれ、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515によって迂回される。したがって、リアルタイムITIモードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、ITI軽減回路280、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。概して、ITI軽減回路280のITIを補正された出力は、Y−MEMブロック520に記憶され、次いで、復号のために反復復号ブロック270に適用される。
【0067】
第2の隣接するトラックに対するITIの軽減を実行するために、Y−MEMブロック520からのY−データが、retrygate信号の制御の下でかまたは自動的にかのいずれかで、フィードバック経路545と、マルチプレクサ502による適切な選択とを用いてITI軽減ブロック280に適用される。このようにして、データは、(側面の数に関わらず)媒体の1回の読み取りがデータの1つのセクタを生成するように、復号器270に一度だけ渡される。したがって、retrygate信号によって制御されるとき、2つのイベント(1回の媒体の読み取りおよび1回の再試行)が、データの2つのセクタを生成するか、または(自動モードにおいて)1つのイベント(媒体の読み取り)が、データの1つのセクタを生成する。ITIキャンセル・データが、他方の隣接するトラックに関して、図2に関連して上で検討されたように書き込みデータ経路260−W(図2)から得られる。ITI軽減回路280は、マルチプレクサ505によってアクティブな信号経路に残り、Y−AVGブロック510は、マルチプレクサ515によってやはり迂回される。したがって、リアルタイムITIモードのためのアクティブな信号経路は、DFIRフィルタ285、ITI軽減回路280、Y−MEMブロック520、および反復復号ブロック270を含む。概して、ITI軽減回路280のITIを補正された出力は、Y−MEMブロック520に記憶され、次いで、復号のために反復復号ブロック270に適用される。このようにして、両側のITI動作モードは、磁気媒体の単一の読み取りのみによって両方の隣接するトラックに関するITIの軽減を可能にする。
【0068】
図10Bは、2つの片側のITIのキャンセルが続けてトリガされる、図10Aの例示的な両側のITI動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な両側のITI動作モードは、ITIの軽減が2つの隣接するトラックに対して実行されることを可能にする(ITI_SIDES=0、RETRY動作のみ)。図10Bにおいて、例示的な両側のITIモードに関して、ITIの軽減は、片側ずつ実行される。したがって、ITI_SIDES=0である。例示的なDATA_W信号は、ITIの軽減がセクタ4に対して左側のトラックおよび右側のトラックを用いて実行されることを示す。METACMD[1]信号は、(RDGATEまたはRETRYGATEに合わせられた)再試行と一緒にITIの軽減をトリガする。図10BはITIの軽減を用いた読み取り動作に対応するので、METACMD[1]は、セクタ4に関するRDGATE信号およびRETRY信号に合わせられるときにアクティブである。DATA_R上の第1のFULL4は「不良」であり、したがって、第2の側面の軽減が試みられ、SECTOR_GOOD信号に至ることが留意される。図10Bの第1の「FULL4」は、decode(iti(left,read1))を含み、第2の「FULL4」は、decode(iti(left,right,read1))[ITI_SIDES=0]を含むことが留意される。
【0069】
図10Cは、図10Aの例示的な自動的な両側のITI動作モードに関して、いくつかのインターフェース信号を時間の関数として示す。例示的な自動的な両側のITI動作モードは、ITIの軽減が2つの隣接するトラックに対して実行されることを可能にする。図10Cにおいて、例示的な自動的な両側のITIモードに関して、ITIの軽減は、一度に2つの隣接するトラックに対して実行される。したがって、ITI_SIDES=1、RETRYモードのみである。例示的なDATA_W信号は、ITIの軽減がセクタ4に対して左側のトラックおよび右側のトラックを用いて実行されることを示す。METACMD[1]信号は、(RDGATEに合わせられた)読み取りと一緒にITIの軽減をトリガする。図10CはITIの軽減を用いた読み取り動作に対応するので、METACMD[1]は、セクタ4に関するRDGATE信号に合わせられるときにアクティブである。図10Cの「FULL4」は、decode(iti(left,right,read1))[ITI_SIDES=1]を含むことが留意される。
【0070】
軽減のアーキテクチャおよび実装
DFIRフィルタ285(例えば、図2〜4)の出力の信号は、符号間干渉とトラック間干渉の両方を含む。ITIは、隣接するトラックに記憶されたデータに関する硬判定を用いて本発明にしたがって軽減される。片側のITIの軽減に関しては、どちらかの隣接するトラックに関するデータが使用され、一方、両側のITIの軽減に関しては、両方の隣接するトラックに関するデータが使用される。
【0071】
隣接するトラック110−1および110−3(図1)に関するデータは、前の読み取り動作で隣接するトラック110−1および110−3を読み取ることによって取得され、例えば、DRAM220(図2)に記憶された。隣接するトラックのデータは、DFIR285の出力の信号に含まれるITIを推定し、軽減するために使用される。
【0072】
次いで、任意的に、ITIを軽減された信号が、トラックNのデータを再生するために、雑音予測最尤(noise−predictive maximum likelihood)(NPML)検出器(図示せず)および復号器270を通される。ITIの軽減を容易にするために、SMRハードディスクドライブ(HDD)は、隣接するトラックのセクタがそれらのトラック内の位置に関して揃えられている揃えられたセクタ・データ・フォーマットを使用することが期待される。通常の非シングルドHDD(non−shingled HDD)は、概して、隣接するトラックのセクタが通常は揃えられていない、揃えられていないセクタ・データ・フォーマットを使用する。揃えられたセクタ・データ・フォーマットの利点は、トラックNのセクタに対するITIを軽減するために、トラックN−1およびN+1の1つの隣接するセクタに関するデータだけが考慮される必要があることである。揃えられていないセクタ・データ・フォーマットの場合、トラックN−1およびN+1のそれぞれの2つの隣接するセクタに関するデータが考慮される必要がある。
【0073】
揃えられたセクタ・データ・フォーマットを用いても、隣接するトラックのセクタは、書き込みプロセスが理想的でないために数ビット期間ずらされる可能性がある。また、異なるトラックにデータを書き込む間のディスクの回転数(frequency)の変動が、隣接するトラックに書き込まれたデータ間のわずかな回転数のずれを引き起こす可能性がある。この回転数のずれが、トラックNから読み取られる信号内のN−1およびN+1のITIの応答の位相ドリフトを引き起こす可能性がある。良好なビット誤り率(BER)性能のために、ITI軽減アルゴリズムは、理想的でない書き込みプロセスが原因の隣接するセクタ間の位相差と、隣接するトラック間の回転数のずれが原因のITIの応答の位相ドリフトの両方を考慮すべきである。
【0074】
SMRハードディスクドライブは、オフラインの誤り回復のためにITIの軽減を使用する可能性がある。ITIの軽減を用いないトラックNの目標のセクタの復号が通常の読み取り動作中に失敗するときにはいつでも、HDDは、隣接するトラックのセクタを読み取り(または再試行動作中に、トラックNの失敗するセクタを再読み取りし)、ITIの軽減を用いてこのセクタの復号を再開する。したがって、本明細書に記載のITIの軽減のために使用される隣接するトラックに関する硬判定を再生するために、片側のITIの軽減は余分な1回転を引き起こし、両側のITIの軽減は余分な2回転を引き起こす。
【0075】
サイドトラックN−1およびN+1に関する硬判定は、例えば、DRAM220(図2)に記憶され得る。オフラインの単一のセクタのITIの軽減に関して、トラックN−1およびN+1に関する1つのセクタだけ(合計で、片側のITIの軽減のために1セクタ、および両側のITIの軽減のために2セクタ)が、DRAM220に記憶される必要がある。通常のHDDと比較して、HDDコントローラ210とリード・チャネル250の間の追加的なデータ経路が、ITIの軽減のためのトラックN−1およびN+1に対応するデータを転送するために必要とされる。開示された実施形態においては、書き込みデータ経路が、ITIの軽減のためのトラックN−1およびN+1に対応するキャンセル・データを転送するために使用される。
【0076】
トラックのランダムな読み取りは隣接するトラックのデータを読み取るために追加的な回転を必要とするので、通常の読み取り動作中のオンザフライ(OTF)のTTIの軽減は、トラックの連続的な読み取りを必要とする。連続的な読み取りを用いる片側のOTFのITIの軽減においては、トラック1、2、3などが、ITIの軽減のために順番に読み取られ、ITIは、前の読み取られたトラックからの記憶された硬判定を用いてトラックNから軽減される。片側のOTFのITIの軽減に関して、トラックは、逆順で順番に読み取られ、ITIは、前の読み取られたトラックからの記憶された硬判定を用いてトラックNから軽減される。したがって、片側のOTFのITIの軽減は、トラック全体の分の硬判定がDRAM220に記憶されることを必要とする。
【0077】
OTFのITIの軽減は、リード・チャネル250からコントローラ210への2つの同時のデータストリーム、すなわち、リード・チャネル250からコントローラ210への復号されたセクタの転送と、コントローラ210からリード・チャネル250への隣接するトラックのセクタに関するデータの転送とがサポートされる必要があるので、HDDのDRAMメモリの追加的な帯域幅も必要とする。
【0078】
当業者に明らかであろうように、3つの側面のITIの軽減などの追加的なトラックを用いるITIの軽減が本発明にしたがって実行され得ることが留意される。
【0079】
既に示されたように、本明細書に記載の磁気記録システムおよびリード・チャネルの構成は、従来の構成に比していくつかの利点をもたらす。再度、本発明の上述の実施形態は、単に例示的であるように意図されていることが強調されるべきである。概して、例示的な磁気記録システムは、当業者に明らかであろうように、書き込みデータ経路を用いてITI軽減データを提供するITI軽減方式を組み込むように修正され得る。加えて、ITIの軽減のための開示された技術は、独立したディスクの冗長アレイ(RAID)システムなどの仮想ストレージ・システム/ストレージ仮想化システムのような任意の磁気記録システムで使用され得る。
【0080】
本明細書に記載のインターフェースおよびデータフロー・メカニズムは、当業者に明らかであろうように、修正なしに追加的な動作モードおよび構成をサポートする。例えば、開示されたITI軽減技術は、示されたように干渉する複数のサイドトラックを有する通常のドライブ(N個の側面の軽減のための潜在的な使用)と、揃えられたセクタまたは揃えられていないセクタを有するシングルド・ドライブ(shingled drive)または通常のドライブ(知られているデータの潜在的な使用)と、意図しない詰め込み(squeezing)を有する通常のドライブ(したがって、そのドライブは、シングルド・ドライブではないにもかかわらずITIの再生を必要とする)とで実装され得る。概して、揃えられていないセクタは、隣接するセクタのデータが揃えられていないときに発生する。例えば、図1を参照すると、真ん中のトラック110−2は隣接するトラック110−1、110−3のうちの1つまたは複数と揃っていなかったので、トラックは、揃えられていないと言われる。揃えられていないトラックがある場合、本発明は、隣接するトラックの揃えられた部分が属するセクタに無関係に、所与のトラックのセクタに揃えられている隣接するトラックの部分を用いる、所与のトラックのセクタのITIの軽減を可能にする。
【0081】
本発明の例示的な実施形態がデジタル論理ブロックに関して説明されたが、当業者に明らかであろうように、さまざまな機能は、ソフトウェアプログラムの、回路要素もしくは状態機械によるハードウェアの、またはソフトウェアとハードウェアの両方の組み合わせの処理ステップとしてデジタル領域で実装され得る。そのようなソフトウェアは、例えば、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、マイクロコントローラ、または多目的コンピュータで使用され得る。そのようなハードウェアおよびソフトウェアは、集積回路内に実装された回路内に具現化され得る。
【0082】
本発明の集積回路の実装においては、通常、複数の集積回路ダイが、ウェハの表面上の繰返しパターンで形成される。それぞれのそのようなダイは、本明細書に記載のデバイスを含むことができ、その他の構造または回路を含み得る。ダイは、ウェハから切断またはダイシングされ、次いで、集積回路としてパッケージングされる。当業者は、パッケージングされた集積回路を製造するためにウェハをどのようにダイシングすべきか、およびダイをどのようにパッケージングすべきかを知っているであろう。そのように製造された集積回路は、本発明の一部とみなされる。
【0083】
したがって、本発明の機能は、方法、およびそれらの方法を実施するための装置の形態で具現化され得る。本発明の1つまたは複数の態様は、例えば、ストレージ媒体に記憶され、機械にロードされるおよび/もしくは機械によって実行されるのか、または何らかの伝送媒体を介して送信されるのかに関わらずプログラムコードの形態で具現化されることができ、そのプログラムコードがコンピュータなどの機械にロードされ、機械によって実行されるとき、当該機械は本発明を実施するための装置になる。汎用プロセッサで実装されるとき、プログラムコードのセグメントは、特定の論理回路と同様に動作するデバイスを提供するためにプロセッサと連携する。本発明は、集積回路、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラのうちの1つまたは複数で実装されることもできる。
【0084】
本明細書において示され、説明された実施形態および変更形態は、本発明の原理を例示するに過ぎず、さまざまな修正が、本発明の範囲および精神を逸脱することなく当業者によって実施され得ることを理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気記録システムにおけるトラック間干渉(ITI)の軽減のための方法であって、
トラック間干渉キャンセル・データを取得することと、
前記トラック間干渉キャンセル・データを、前記磁気記録システムの書き込みデータ経路の少なくとも一部を用いてトラック間干渉軽減回路に提供することとを含む、方法。
【請求項2】
前記トラック間干渉キャンセル・データは、ユーザ・データ、媒体データ、ADCデータ、およびY−データのうちの1つまたは複数を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記書き込みデータ経路は、読み取りデータ経路が読み取り動作を実行するのと実質的に同時に動作する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記トラック間干渉の軽減は、所与の読み取り動作に対して、1つまたは複数の隣接するセクタに関して選択的に実行される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記提供するステップは、読み取り動作中に実行される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
磁気記録システムにおけるトラック間干渉(ITI)の軽減のための装置であって、
読み取りデータ経路と、
トラック間干渉キャンセル・データを、前記磁気記録システムのトラック間干渉軽減回路に提供するための書き込みデータ経路とを含む、装置。
【請求項7】
前記書き込みデータ経路は、前記読み取りデータ経路が読み取り動作を実行するのと実質的に同時に動作する請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記トラック間干渉の軽減を開始するための、リード・ゲート信号と実質的に同時にアサートされる第1の制御信号を生成するための手段をさらに含む請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記トラック間干渉の軽減のための、前の読み取り動作からのデータおよび後処理されたデータのうちの1つまたは複数の使用を示す第2の制御信号を生成するための手段をさらに含む請求項6に記載の装置。
【請求項10】
読み取りデータ経路と、
前記読み取りデータ経路による前の読み取り動作からの記憶されたデータおよび記憶された後処理されたデータのうちの1つまたは複数の使用を示す再試行制御信号を生成するための手段とを含む、磁気記録システム。
【請求項1】
磁気記録システムにおけるトラック間干渉(ITI)の軽減のための方法であって、
トラック間干渉キャンセル・データを取得することと、
前記トラック間干渉キャンセル・データを、前記磁気記録システムの書き込みデータ経路の少なくとも一部を用いてトラック間干渉軽減回路に提供することとを含む、方法。
【請求項2】
前記トラック間干渉キャンセル・データは、ユーザ・データ、媒体データ、ADCデータ、およびY−データのうちの1つまたは複数を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記書き込みデータ経路は、読み取りデータ経路が読み取り動作を実行するのと実質的に同時に動作する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記トラック間干渉の軽減は、所与の読み取り動作に対して、1つまたは複数の隣接するセクタに関して選択的に実行される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記提供するステップは、読み取り動作中に実行される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
磁気記録システムにおけるトラック間干渉(ITI)の軽減のための装置であって、
読み取りデータ経路と、
トラック間干渉キャンセル・データを、前記磁気記録システムのトラック間干渉軽減回路に提供するための書き込みデータ経路とを含む、装置。
【請求項7】
前記書き込みデータ経路は、前記読み取りデータ経路が読み取り動作を実行するのと実質的に同時に動作する請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記トラック間干渉の軽減を開始するための、リード・ゲート信号と実質的に同時にアサートされる第1の制御信号を生成するための手段をさらに含む請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記トラック間干渉の軽減のための、前の読み取り動作からのデータおよび後処理されたデータのうちの1つまたは複数の使用を示す第2の制御信号を生成するための手段をさらに含む請求項6に記載の装置。
【請求項10】
読み取りデータ経路と、
前記読み取りデータ経路による前の読み取り動作からの記憶されたデータおよび記憶された後処理されたデータのうちの1つまたは複数の使用を示す再試行制御信号を生成するための手段とを含む、磁気記録システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【公開番号】特開2013−80553(P2013−80553A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−215775(P2012−215775)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(508243639)エルエスアイ コーポレーション (124)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−215775(P2012−215775)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(508243639)エルエスアイ コーポレーション (124)
【Fターム(参考)】
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