説明

磁気記録媒体の検査方法及び製造方法

【課題】磁気記録媒体を非破壊により短時間で検査することを可能とした磁気記録媒体の検査方法を提供する。
【解決手段】検査対象となる磁気記録媒体の表面に直線偏光の光を照射し、磁場を印加しながら、媒体表面からの反射光を測定することによって、磁気カー効果によるカー回転角を測定し、印加磁場の大きさと磁化量との関係を示すヒステリシス曲線を求める工程と、ヒステリシス曲線から磁気記録領域からの信号成分と、分離領域からの信号成分とを分離し、この分離された信号成分から磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、分離領域におけるヒステリシス曲線とを求める工程と、磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、分離領域におけるヒステリシス曲線とを参照し、これら磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を判別する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記録再生装置に用いられる磁気記録媒体の検査方法及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気記録の分野では、例えば磁気記録再生装置や、フレキシブルディスク装置、磁気テープ装置など、その適用範囲は著しく増大しており、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体についても、その記録密度の著しい向上が図られつつある。
【0003】
特に、MRヘッド、及びPRML技術の導入以来、面記録密度の上昇は、更に激しさを増しており、近年ではGMRヘッドやTuMRヘッドなども導入されて、1年に約1.5倍ものペースで増加を続けている。
【0004】
したがって、磁気記録媒体については、今後更に高記録密度を達成することが要求されており、具体的には磁性層の高保磁力化、高信号対雑音比(SNR)、高分解能等を達成することが要求されている。また、近年では、線記録密度の向上と同時にトラック密度の増加によって面記録密度を上昇させようとする努力も続けられている。
【0005】
また、最新の磁気記録再生装置においては、トラック密度が110kTPIにも達している。しかしながら、トラック密度を上げていくと、隣接するトラック間の磁気記録情報が互いに干渉し合い、その境界領域の磁化遷移領域がノイズ源となりSNRを損なうという問題が生じやすくなる。このことはそのままビットエラーレートの悪化につながるため、記録密度の向上に対して障害となっている。
【0006】
ここで、面記録密度を上昇させるためには、磁気記録媒体上の各記録ビットのサイズをより微細なものとし、各記録ビットに可能な限り大きな飽和磁化と磁性膜厚とを確保する必要がある。しかしながら、記録ビットを微細化していくと、1ビット当たりの磁化最小体積が小さくなり、熱揺らぎによる磁化反転で記録データが消失するという問題が生じる。
【0007】
一方、磁気記録再生装置では、トラック密度を上げていくと、トラック間距離が近づくために、極めて高精度のトラックサーボ技術が必要となる。このため、記録は幅広く実行し、再生は隣接トラックからの影響をできるだけ排除するために、記録時よりも狭く実行する方法が一般的に用いられている。しかしながら、この方法ではトラック間の影響を最小限に抑えることができる反面、再生出力を十分得ることができず、その結果、十分なSNRを確保することが困難となるという問題がある。
【0008】
そこで、上述した熱揺らぎの問題を解決し、十分なSNR及び出力の確保を達成する方法の一つとして、磁気記録媒体の表面に記録トラックに沿った凹凸を形成し、記録トラック同士を物理的に分離することによって、トラック密度を上げようとする試みがなされている(以下、このような技術をディスクリートトラック法と呼び、このディスクリートトラック法によって製造された磁気記録媒体のことをディスクリートトラック媒体と呼ぶ。)。また、同一トラック内のデータ領域を更に分割した、いわゆるパターンドメディアを製造しようとする試みもある。
【0009】
ディスクリートトラック媒体の一例として、表面に凹凸パターンを形成した非磁性基板上に磁性層を形成して、物理的に分離した磁気記録トラック及びサーボ信号パターンを形成してなる磁気記録媒体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
この磁気記録媒体は、表面に複数の凹凸のある基板の表面に軟磁性層を介して強磁性層を形成し、その表面に保護膜を形成したものである。この磁気記録媒体では、凸部領域に周囲と物理的に分断された磁気記録領域が形成されている。この磁気記録媒体によれば、軟磁性層での磁壁発生を抑制できるため熱揺らぎの影響が出にくく、隣接する信号間の干渉もないので、ノイズの少ない高密度磁気記録媒体を形成できるとされている。
【0011】
ディスクリートトラック法には、何層かの薄膜からなる磁気記録層を形成した後に、物理的にトラックを形成する方法と、基板表面に凹凸パターンを形成した後に、磁気記録層の薄膜形成を行う方法とがある(例えば、特許文献2,3を参照。)。
【0012】
また、ディスクリートトラック媒体の磁気トラック間を物理的に分離する方法としては、予め形成した連続した磁性層に、窒素や酸素等のイオンを注入する、又は、レーザを照射することにより、その部分の磁気的な特性を変化させて分離する方法が開示されている(例えば、特許文献4〜6参照。)。
【0013】
このようなディスクリートトラック媒体やパターンドメディアの製造工程においては、物理的に分離された磁気記録領域を形成するため、酸素やハロゲンを用いた反応性プラズマ若しくは反応性イオンに晒すことにより磁性層に分離された磁気記録パターンを形成する方法や、磁性層にイオン注入を行うことによって分離された磁気記録領域を形成する方法が用いられている(以下、磁性層改質法と呼ぶ。)。
【0014】
これらの製造方法は、磁性層の表面にマスク層を形成し、このマスク層をフォトリソグラフィー技術によりパターニングし、磁気記録領域の境界領域にイオン注入等を行い、当該箇所の磁気特性を低下させる若しくは非磁性化することにより、ディスクリートトラック媒体及びパターンドメディアを製造する方法である。
【0015】
これらの製造方法は、磁性層を物理的に加工して境界領域に非磁性材料を埋め込み、その後、表面を平滑化する製造方法(以下、磁性層加工法と呼ぶ。)に比べて、製造プロセスを簡略化でき、また、製造プロセスにおける磁気記録媒体の汚染の影響を減らせる点で優れている。
【0016】
ところで、非磁性基板の少なくとも一方の面に磁性層が設けられ、この磁性層に磁気的に分離された磁気記録領域と、この磁気記録領域を磁気的に分離する分離領域とが設けられた磁気記録媒体では、これら磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を検査するのに、基板を切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察したり、或いは表面の凹凸形状を10分以上の時間をかけて原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)で計測したりすることが行われている。
【0017】
しかしながら、このような従来の磁気記録媒体の検査方法では、非破壊により短時間で検査することが困難なために、検査にかかる時間が長くなってしまうという問題があった。そこで、記録層の凹凸パターンの凹部深さを非破壊で迅速に確認可能とした凹凸パターンの凹部深さ検査方法が提案されている(特許文献7を参照。)
【0018】
具体的に、この特許文献7には、基板、該基板の上に形成された軟磁性層、該軟磁性層の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層及び厚さ方向の核形成磁界の大きさと異なり該記録層及び前記軟磁性層の間に形成された中間磁性層を含む検査体の前記記録層側の面に光を照射すると共にその反射光を測定して磁気カー効果特性を測定する磁気カー効果特性測定工程と、該磁気カー効果特性の測定結果に基づいて前記凹凸パターンの凹部の底面の位置を判別する凹部深さ判別工程と、を含むことを特徴とする凹凸パターンの凹部深さ検査方法が記載されている。
【0019】
この特許文献7に記載の発明は、記録層の凹凸パターンの凹部深さを非破壊で検査するために、光の磁気カー(Kerr)効果を利用したものであり、ヒステリシス曲線に段部がないことを確認することにより凹部の底面が中間磁性層の領域に位置しないことを判別し、ヒステリシス曲線に段部があることを確認することにより凹部の底面が中間磁性層の領域に位置していることを判別している。また、ヒステリシス曲線における外部磁場が正の領域(又は負の領域)において屈曲部が1つだけあることを確認することにより凹部の底面が中間磁性層の領域に位置しないことを判別し、ヒステリシス曲線における外部磁場の正の領域(又は負の領域)において3つ又は2つの屈曲部があることを確認することにより凹部の底面が中間磁性層の領域に位置することを判別している。
【0020】
なお、この特許文献7に記載の発明では、ヒステリシス曲線の形状そのものから記録層の凹凸パターンの凹部深さを判別しようとしたものであり、この特許文献7に記載の発明からは、求めたヒステリシス曲線から特定の信号成分を分離して判別を行うといった技術思想を伺うことはできない。したがって、この特許文献7に記載の発明は、本発明とはその技術的思想を異にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2004−164692号公報
【特許文献2】特開2004−178793号公報
【特許文献3】特開2004−178794号公報
【特許文献4】特開平5−205257号公報
【特許文献5】特開2006−209952号公報
【特許文献6】特開2006−309841号公報
【特許文献7】特開2008−159196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、非磁性基板の少なくとも一方の面に磁性層が設けられ、この磁性層に磁気的に分離された磁気記録領域と、この磁気記録領域を磁気的に分離する分離領域とが設けられた磁気記録媒体において、磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を非破壊により短時間で検査することを可能とした磁気記録媒体の検査方法及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は以下の手段を提供する。
(1) 非磁性基板の少なくとも一方の面に磁性層が設けられ、この磁性層に磁気的に分離された磁気記録領域と、この磁気記録領域を磁気的に分離する分離領域とが設けられた磁気記録媒体の検査方法であって、
検査対象となる磁気記録媒体の表面に直線偏光の光を照射し、磁場を印加しながら、媒体表面からの反射光を測定することによって、磁気カー効果によるカー回転角を測定すると共に、印加磁場の大きさを変えながらカー回転角を測定することによって、印加磁場の大きさと磁化量との関係を示すヒステリシス曲線を求める工程と、
前記ヒステリシス曲線から前記磁気記録領域からの信号成分と、前記分離領域からの信号成分とを分離し、この分離された信号成分から前記磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、前記分離領域におけるヒステリシス曲線とを求める工程と、
前記磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、前記分離領域におけるヒステリシス曲線とを参照し、これら磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を判別する工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の検査方法。
(2) 非磁性基板の少なくとも一方の面に磁性層が設けられ、この磁性層に磁気的に分離された磁気記録領域と、この磁気記録領域を磁気的に分離する分離領域とが設けられた磁気記録媒体の製造方法であって、
請求項1に記載の磁気記録媒体の検査方法を用いて、検査対象となる磁気記録媒体の磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を検査した後に、この検査結果に基づいて、前記磁気記録媒体を製造する際の条件設定を行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明によれば、検査対象となる磁気記録媒体から磁気カー効果によるカー回転角を測定し、このカー回転角から磁化量を求めて算出した印加磁場の大きさと磁化量との関係を示すヒステリシス曲線から、磁気記録領域からの信号成分と、分離領域からの信号成分とを分離し、この分離された信号成分から磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、分離領域におけるヒステリシス曲線とを求め、これらのヒステリシス曲線を参照しながら、磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を容易に判別することが可能である。
【0025】
したがって、本発明によれば、検査対象となる磁気記録媒体の磁性層に設けられた磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を非破壊により短時間で検査することが可能なため、この検査結果を当該磁気記録媒体の製造工程にフィードバックすることで、当該磁気記録媒体の製造歩留まりを飛躍的に改善することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、ヒステリシス曲線の一例を示すグラフである。
【図2】図2は、補正したヒステリシス曲線を示すグラフである。
【図3】図3は、ヒステリシス曲線の分離を説明するためのグラフである。
【図4】図4は、分離されたヒステリシス曲線を示すグラフである。
【図5】図5は、磁気記録媒体の一構成例を示す断面図である。
【図6】図6は、磁気記録再生装置の一構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を適用した磁気記録媒体の検査方法及び製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0028】
(磁気記録媒体の検査方法)
本発明は、非磁性基板の少なくとも一方の面に磁性層が設けられ、この磁性層に磁気的に分離された磁気記録領域と、この磁気記録領域を磁気的に分離する分離領域とが設けられた磁気記録媒体の検査方法であって、検査対象となる磁気記録媒体の表面に直線偏光の光を照射し、磁場を印加しながら、媒体表面からの反射光を測定することによって、磁気カー効果によるカー回転角を測定すると共に、印加磁場の大きさを変えながらカー回転角を測定することによって、印加磁場の大きさとカー回転角から算出した磁化量との関係を示すヒステリシス曲線を求める工程(測定工程)と、ヒステリシス曲線から磁気記録領域からの信号成分と、分離領域からの信号成分とを分離し、この分離された信号成分から磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、分離領域におけるヒステリシス曲線とを求める工程(分離工程)と、磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、分離領域におけるヒステリシス曲線とを参照し、これら磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を判別する工程(判別工程)とを含むことを特徴とする。
【0029】
具体的に、測定工程においては、検査対象となる磁気記録媒体の表面に直線偏光の光を照射し、磁場を印加しながら、媒体表面からの反射光を測定する。このとき、磁気カー(Kerr)効果により磁気記録領域からの反射光と、分離領域からの反射光とが、それぞれの磁気特性に応じて偏光面が回転し、楕円偏光となるため、その偏光面の回転角(カー回転角という。)を測定する。さらに、本発明では、印加磁場の大きさを変えながらカー回転角を測定することによって該箇所の磁化量を算出する。
【0030】
ここで、カー回転角と磁化量との間には相関関係があり、磁性層の層厚を一定とした場合は、カー回転角のヒステリシス曲線は磁化量のヒステリシス曲線とほぼ同じとなる。したがって、印加磁場の大きさとカー回転角から算出した磁化量との関係を示すヒステリシス曲線を求めることができる。なお、上記カー回転角及びヒステリシス曲線の測定には、例えばネオアーク社製のBH−810CPC(垂直磁気記録媒体記録層評価装置)を用いることができる。
【0031】
特に、垂直磁気記録媒体の垂直磁性層に対しては、極カー(Kerr)効果を用いた測定が行われる。すなわち、垂直磁気記録媒体の測定では、測定光の入射方向を媒体表面に対して垂直な方向とする。また、媒体表面に対して垂直な方向に外部磁場を印加し、その大きさを変えながら、カー回転角を測定し、このカー回転角から磁化量を求めて算出した印加磁場の大きさと磁化量との関係を示すヒステリシス曲線を得る。
【0032】
このようにして得られた印加磁場の大きさと磁化量との関係を示すヒステリシス曲線の一例を図1に示す。なお、このヒステリシス曲線のグラフにおいて、横軸は印加磁場の大きさH(kOe)、縦軸は磁性層の磁化量M(a.u.)を表す。
【0033】
ここで、磁性層のヒステリシス曲線は、高磁場印加時において磁化の値が飽和するため、本来は横軸と平行になる。しかしながら、磁性層には非磁性物質が含まれている場合があり、特にグラニュラー構造の磁性層では、磁性粒界にSiや酸素などの非磁性物質が含まれている。上記ヒステリシス曲線の測定では、これらの非磁性物質よっても影響を受け、これらの信号がヒステリシス曲線に重畳されると、高磁場印加時における磁化の値が横軸と平行な線からずれることになる。
【0034】
そこで、本発明では、高磁場印加時のヒステリシス曲線の飽和値を横軸と平行にするための補正(基板傾き補正と呼ぶ。)を行う。具体的には、上記図1に示すヒステリシス曲線を原点に対して回転させ、高磁場印加時のヒステリシス曲線の飽和値を横軸と平行にし、図2に示すような補正したヒステリシス曲線を得る。
【0035】
分離工程においては、図2に示す補正したヒステリシス曲線から、計算によって磁気記録領域からの信号成分と、分離領域からの信号成分とを分離する。具体的に、図3に示すように、上記補正したヒステリシス曲線は、磁性層の磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、分離領域におけるヒステリシス曲線とが重畳されたものである。また、これら2つのヒステリシス曲線は、基本的にはそれぞれ原点に対して回転対称形である。
【0036】
このため、上記補正したヒステリシス曲線の変曲点が縦軸との交点に現れ、この交点におけるMr値と上記補正したヒステリシス曲線の飽和値との差分をMr値から引いた値が磁気記録領域(ランド部)のMs値(以下、MsL値という。)となる。また、このMsL値をMr値から引いた値が分離領域(グルーブ部)のMs値(以下、MsG値という。)となる。
【0037】
したがって、上記補正したヒステリシス曲線から、MsL値を飽和値とするヒステリシス曲線が磁気記録領域におけるヒステリシス曲線となり、このヒステリシス曲線Aを上記補正したヒステリシス曲線からを引いた曲線が分離領域におけるヒステリシス曲線となる。すなわち、上記補正したヒステリシス曲線から、磁気記録領域からの信号成分と、分離領域からの信号成分とを分離することで、図4に示すような磁気記録領域におけるヒステリシス曲線Aと、分離領域におけるヒステリシス曲線Bとを求めることができる。
【0038】
判別工程においては、図4に示す磁気記録領域におけるヒステリシス曲線Aと、分離領域におけるヒステリシス曲線Bとを参照し、これら磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を判別する。具体的に、これらヒステリシス曲線AのMsL値と、ヒステリシス曲線BのMsG値とから、磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態(失活量)を求めることができる。例えば、MsL値が100(a.u.)、MsG値が20(a.u.)となる場合は、磁気記録領域に対して分離領域の飽和磁化Msが80%失活したことになる。
【0039】
以上のようにして、本発明を適用した磁気記録媒体の検査方法では、検査対象となる磁気記録媒体から磁気カー効果によるカー回転角を測定し、これから求めた印加磁場の大きさと磁化量との関係を示すヒステリシス曲線から、磁気記録領域からの信号成分と、分離領域からの信号成分とを分離し、この分離された信号成分から磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、分離領域におけるヒステリシス曲線とを求め、これらのヒステリシス曲線を参照しながら、磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を容易に判別することが可能である。
【0040】
(磁気記録媒体の製造方法)
本発明を適用した磁気記録媒体の製造方法は、上記本発明を適用した磁気記録媒体の検査方法を用いて、検査対象となる磁気記録媒体の磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を検査した後に、この検査結果に基づいて、磁気記録媒体を製造する際の条件設定を行うことを特徴とする。
【0041】
本発明を適用した磁気記録媒体の製造方法では、上述した磁気記録媒体の検査結果を製造工程にフィードバックすることで、当該磁気記録媒体の製造歩留まりを飛躍的に改善することが可能である。すなわち、本発明によれば、磁気記録再生装置に組み込んだ際に不良率の低い磁気記録媒体を製造することが可能となる。
【0042】
なお、本発明を適用した磁気記録媒体の製造方法は、非磁性基板の少なくとも一方の面に磁性層が設けられ、この磁性層に磁気的に分離された磁気記録領域と、この磁気記録領域を磁気的に分離する分離領域とが設けられた磁気記録媒体を製造する場合に幅広く適用することが可能である。
【0043】
具体的に、このような磁気記録媒体としては、磁気記録パターンが1ビットごとに一定の規則性をもって配置されたメディアや、この磁気記録パターンがトラック状に配置されたメディア、その他、この磁気記録パターンがサーボ信号パターンであるメディア等を挙げることができる。本発明は、この中でも磁気的に分離された磁気記録パターンが磁気記録トラック及びサーボ信号パターンである、いわゆるディスクリート型の磁気記録媒体に適用することが、その製造における簡便性から好ましい。
【0044】
また、磁気記録媒体を製造する際の条件設定とは、磁気記録領域を磁気的に分離する際の設定条件であり、例えば、マスク層やレジスト層の厚さ、マスク層やレジスト層をパターニングする際のエッチング条件(ミリングイオン量、加速電圧、ミリング時間等)、磁性層の失活条件(イオン注入量、加速電圧、注入時間等)、マスク層の剥離条件(プラズマ密度、ガス圧、エッチング時間等)などを挙げることができる。
【0045】
以下、本発明を適用して製造される磁気記録媒体の具体的な構成について、例えば図5に示すディスクリート型の磁気記録媒体30を例に挙げて詳細に説明する。
この磁気記録媒体30は、図5に示すように、非磁性基板1の表面に、軟磁性層2と、中間層3と、非磁性化層4aにより磁気的に分離された磁気的パターン4bを有する記録磁性層4と、保護層5とが順次積層されてなり、さらに最表面に図示を省略する潤滑膜が形成された構造を有している。また、軟磁性層2、中間層3及び記録磁性層4によって磁性層6が構成されている。
【0046】
この磁気記録媒体30では、記録密度を高めるため、記録磁性層4の磁性部分である磁気的パターン(磁気記録領域に対応)4bの幅Wを200nm以下、非磁性部分である非磁性化層(分離領域に対応)4aの幅Lを100nm以下とすることが好ましい。また、トラックピッチP(=W+L)は、記録密度を高めるためにはできるだけ狭くすることが好ましく、具体的には300nm以下の範囲とすることが好ましい。
【0047】
非磁性基板1としては、Alを主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板や、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、結晶化ガラス類、シリコン、チタン、セラミックス、各種樹脂からなる基板など、非磁性基板であれば任意のものを用いることができる。その中でも、非磁性基板1には、Al合金基板や、結晶化ガラス等のガラス製基板、シリコン基板を用いることが好ましく、また、これら基板の平均表面粗さ(Ra)は、1nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.5nm以下であり、その中でも特に0.1nm以下であることが好ましい。
【0048】
磁性層6は、面内磁気記録媒体用の面内磁性層でも、垂直磁気記録媒体用の垂直磁性層でもかまわないが、より高い記録密度を実現するためには垂直磁性層が好ましい。また、磁性層6は、主としてCoを主成分とする合金から形成することが好ましい。
【0049】
例えば、垂直磁気記録媒体用の磁性層6としては、例えば軟磁性のFeCo合金(FeCoB、FeCoSiB、FeCoZr、FeCoZrB、FeCoZrBCuなど)、FeTa合金(FeTaN、FeTaCなど)、Co合金(CoTaZr、CoZrNB、CoBなど)等からなる軟磁性層2と、Ru等からなる中間層3と、60Co−15Cr−15Pt合金や70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金からなる記録磁性層4とを積層したものを利用できる。また、軟磁性層2と中間層3との間にPt、Pd、NiCr、NiFeCrなどからなる配向制御膜を積層してもよい。
【0050】
一方、面内磁気記録媒体用の磁性層6としては、非磁性のCrMo下地層と強磁性のCoCrPtTa磁性層とを積層したものを利用できる。
【0051】
記録磁性層4の厚みは、3nm以上20nm以下、好ましくは5nm以上15nm以下とし、使用する磁性合金の種類と積層構造に合わせて、十分なヘッド出入力が得られるように形成すればよい。また、記録磁性層4は、再生の際に一定以上の出力を得るのにある程度以上の膜厚が必要であり、一方で記録再生特性を表す諸パラメーターは出力の上昇とともに劣化するのが通例であるため、最適な膜厚に設定する必要がある。記録磁性層4は、通常はスパッタ法により薄膜として形成する。
【0052】
本実施形態では、磁気記録トラック及びサーボ信号パターンとなる領域を磁気的に分離するため、すでに成膜された記録磁性層4の分離領域を反応性プラズマに曝す、又は、イオン注入して当該分離領域の磁気特性を改質する、又は、当該分離領域をイオンミリング等により除去した後に非磁性材料等を埋め込む。これにより、非磁性化層4aにより磁気的に分離された磁気的パターン4bを記録磁性層4に形成することができる。なお、磁気特性の改質とは、具体的には、記録磁性層4の分離領域における保磁力や残留磁化等を変化させることを指し、その変化とは、保磁力を下げ、残留磁化を下げることを指す。
【0053】
また、磁気記録パターン4bを形成する別の方法としては、例えば、記録磁性層4の表面に、磁気記録パターン4bに合致させたレジストパターンをフォトリソグラフィー法、ナノインプリント法等で形成した後、その表面にイオン注入を行い、記録磁性層4を部分的に非磁性化し、その後、レジストを除去する方法がある。
【0054】
上記レジストとしては、熱硬化型樹脂、UV硬化型樹脂、SOG等を用いることができる。また、上記レジストパターンの形成には、記録磁性層4又はこの記録磁性層4に続いて成膜される保護層5上にレジストを塗布し、その上から直接スタンパーを密着させ、高圧でプレスすることにより、レジストパターンを形成する方法が採用できる。また、通常のフォトリソグラフィー技術を適用してパターン形成を行うこともできる。
【0055】
上記プロセスで用いられるスタンパーは、例えば、金属プレートに電子線描画などの方法を用いて微細なトラックパターンを形成したものが使用でき、材料としてはプロセスに耐えうる硬度、耐久性が要求されるため、例えばNiなどが好適に使用されるが、上記目的に合致するものであれば材料は問わない。また、スタンパーには、通常のデータを記録するトラックの他に、例えば、バーストパターン、グレイコードパターン、プリアンブルパターンなどのサーボ信号パターンも形成できる。
【0056】
一方、イオン注入処理を行った後のレジストの除去には、例えば、ドライエッチング、反応性イオンエッチング、イオンミリング、湿式エッチングなどの方法を用いることができる。
【0057】
保護層5としては、一般的にはDLC(Diamond Like Carbon)の薄膜をP−CVDなどを用いて成膜したものを用いることができるが、これに特に限定されるものではない。すなわち、保護層5としては、炭素(C)、水素化炭素(HxC)、窒素化炭素(CN)、アルモファスカーボン、炭化珪素(SiC)等の炭素質層や、SiO、Zr、TiNなど、通常保護層として用いられる材料を用いることができる。また、保護層5は、2層以上の層から構成されていてもよい。保護層5の厚みは、10nm未満とする必要がある。保護層5の厚みが10nmを越えると、磁気ヘッドと磁性層4との距離が大きくなり、十分な出入力信号の強さが得られなくなるからである。
【0058】
保護層5の上には、潤滑剤を塗布して潤滑膜(図示せず。)を形成することが好ましい。潤滑剤としては、フッ素系潤滑剤や、炭化水素系潤滑剤、これらの混合物等を挙げることができ、通常は潤滑剤を1〜4nmの厚みで塗布して潤滑膜を形成する。
【0059】
(磁気記録再生装置)
次に、上記ディスクリート型の磁気記録媒体30を備えた磁気記録再生装置(HDD)の一構成例を図6に示す。
この磁気記録再生装置は、図6に示すように、上記本発明を適用して製造された磁気記録媒体30と、この磁気記録媒体を回転駆動する回転駆動部(磁気記録媒体を記録方向に駆動する媒体駆動部)31と、磁気記録媒体30に対する記録動作と再生動作とを行う磁気ヘッド32と、磁気ヘッド32を磁気記録媒体30の径方向に移動させるヘッド駆動部(磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対移動させるヘッド移動手段)33と、磁気ヘッド32への信号入力と磁気ヘッド32から出力信号の再生とを行うための記録再生信号処理系(記録再生信号処理手段)34とを備えている。
【0060】
この磁気記録再生装置では、上記ディスクリートトラック型の磁気記録媒体30を用いることにより、記録密度の高い磁気記録再生装置を構成することが可能となる。また、磁気記録媒体30の記録トラックを磁気的に不連続に加工したことによって、従来はトラックエッジ部の磁化遷移領域の影響を排除するために再生ヘッド幅を記録ヘッド幅よりも狭くして対応していたものを、両者をほぼ同じ幅にして動作させることができる。これにより十分な再生出力と高いSNRを得ることができるようになる。
【0061】
さらに、磁気ヘッド32の再生部をGMRヘッド又はTMRヘッドで構成することにより、高記録密度においても十分な信号強度を得ることができ、高記録密度を持った磁気記録再生装置を実現することができる。またこの磁気ヘッド32の浮上量を0.005μm〜0.020μmの範囲内とし、従来より低い高さで浮上させると、出力が向上して高い装置SNRが得られ、大容量で高信頼性の磁気記録再生装置を提供することができる。また、最尤復号法による信号処理回路を組み合わせるとさらに記録密度を向上でき、例えば、トラック密度100kトラック/インチ以上、線記録密度1000kビット/インチ以上、1平方インチ当たり100Gビット以上の記録密度で記録・再生する場合にも十分なSNRが得られる。
【実施例】
【0062】
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
【0063】
(実施例1)
実施例1では、先ず、検査対象となる磁気記録媒体を作製した。具体的には、先ず、HD用ガラス基板をセットした真空チャンバを予め1.0×10−5Pa以下に真空排気した。ここで使用されるガラス基板は、LiSi、Al−KO、Al−KO、MgO−P、Sb−ZnOを構成成分とする結晶化ガラスからなり、外径は65mm、内径は20mm、平均表面粗さ(Ra)は2オングストローム(単位:Å、0.2nm)である。
【0064】
次に、このガラス基板にDCスパッタリング法を用いて、軟磁性層としてFeCoB、中間層としてRu、磁性層として70Co−5Cr−15Pt−10SiO合金をこの順で積層した。各層の厚みは、FeCoB軟磁性層が600Å、Ru中間層が100Å、磁性層が150Åである。
【0065】
次に、このガラス基板の表面に、UV硬化性樹脂を200nmの厚さで塗布し、更にこの上に、予め用意していたNi製スタンパーを用いてインプリントを施した。スタンパーは、トラックピッチが100nm、トラック幅が50nm、トラック間の溝の深さが20nmである。このスタンパーを用いて保護層上のUV硬化性樹脂に対してインプリントを実施した。
【0066】
次に、この表面を反応性プラズマに曝して、UV硬化性樹脂で覆われていない箇所の磁性層の改質を行った。磁性層の反応性プラズマ処理は、アルバック社製の誘導結合プラズマ装置NE550を用いた。プラズマの発生に用いるガス及び条件としては、例えばCF4を10cc/分、Oを90cc/分とし、プラズマ発生のための投入電力を200W、装置内の圧力を0.5Paとし、基板バイアス200Wにて磁気記録媒体の表面を60秒間処理した。
【0067】
次に、表面のレジストをドライエッチングにより除去し、その表面にP−CVD法を用いて平均層厚4nmのC(カーボン)保護層を形成し、磁気記録媒体の積層構造を作製した。
【0068】
そして、作製した磁気記録媒体について、本発明の検査方法を用いた磁性層の検査を行った。具体的に、磁性層のヒステリシス曲線の測定には、ネオアーク社製のBH−810CPCを用い、測定光の波長を408nm、測定光の入射方向を媒体表面に対して垂直、磁場の印加を媒体表面に対して垂直に±20kOeの範囲で変化させながら、磁性層におけるヒステリシス曲線の測定を行った。
【0069】
その結果、磁性層の分離領域からはヒステリシス曲線が計測されず、分離領域は完全に非磁性化していることが分かった。なお、この計測及び解析に要した時間は、評価装置への磁気記録媒体の設置時間を除けば1秒以下であった。
【0070】
(実施例2)
実施例2では、実施例1と同様に磁気記録媒体の作製を行ったが、磁性層の部分的な改質工程をイオン注入により行った。具体的には、プロセスガスとして窒素と水素との混合ガス(混合比は1:1で各ガスの流量は40sccm)を使用し、加速電圧1000V、電流密度0.4mA/cm、処理時間を12秒とした。
【0071】
そして、作製した磁気記録媒体について、実施例1と同様の検査を行った。その結果、得られた磁性層のヒステリシス曲線から、磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、分離領域におけるヒステリシス曲線とが分離された。そして、これら磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を調べたところ、磁気記録領域に対する分離領域の飽和磁化は32%であり、磁気記録媒体の磁気記録領域を磁気的に分離するためには、不十分な値であることがわかった。なお、この解析に要した時間は1秒以下であった。
【0072】
(実施例3)
実施例3では、実施例2の検査結果を磁気記録媒体の製造工程にフィードバックし、磁性層を部分的に改質する工程のイオン注入の時間を15秒とした。それ以外は、実施例2と同様に磁気記録媒体の作製を行った。
【0073】
そして、作製した磁気記録媒体について、実施例1と同様の検査を行った。その結果、得られた磁性層のヒステリシス曲線から、磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、分離領域におけるヒステリシス曲線とが分離された。そして、これら磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を調べたところ、磁気記録領域に対する分離領域の飽和磁化は24%であり、磁気記録媒体の磁気記録領域を磁気的に分離するためには十分な値であることがわかった。なお、実施例3では、実施例1とは異なり、腐食性のハロゲンガスを使用せずに磁気記録媒体を製造することができた。
【0074】
以上のことから、本発明によれば、検査対象となる磁気記録媒体の磁性層に設けられた磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を非破壊により短時間で検査することが可能なため、この検査結果を当該磁気記録媒体の製造工程にフィードバックすることで、当該磁気記録媒体の製造歩留まりを飛躍的に改善することが可能である。
【符号の説明】
【0075】
1…非磁性基板 2…軟磁性層 3…中間層 4…磁気記録層 4a…非磁性化層 4b…磁気記録パターン 5…保護層 6…磁性層
30…磁気記録媒体 31…媒体駆動部 32…磁気ヘッド 33…ヘッド駆動部 34…記録再生信号処理系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性基板の少なくとも一方の面に磁性層が設けられ、この磁性層に磁気的に分離された磁気記録領域と、この磁気記録領域を磁気的に分離する分離領域とが設けられた磁気記録媒体の検査方法であって、
検査対象となる磁気記録媒体の表面に直線偏光の光を照射し、磁場を印加しながら、媒体表面からの反射光を測定することによって、磁気カー効果によるカー回転角を測定すると共に、印加磁場の大きさを変えながらカー回転角を測定することによって、印加磁場の大きさと磁化量との関係を示すヒステリシス曲線を求める工程と、
前記ヒステリシス曲線から前記磁気記録領域からの信号成分と、前記分離領域からの信号成分とを分離し、この分離された信号成分から前記磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、前記分離領域におけるヒステリシス曲線とを求める工程と、
前記磁気記録領域におけるヒステリシス曲線と、前記分離領域におけるヒステリシス曲線とを参照し、これら磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を判別する工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の検査方法。
【請求項2】
非磁性基板の少なくとも一方の面に磁性層が設けられ、この磁性層に磁気的に分離された磁気記録領域と、この磁気記録領域を磁気的に分離する分離領域とが設けられた磁気記録媒体の製造方法であって、
請求項1に記載の磁気記録媒体の検査方法を用いて、検査対象となる磁気記録媒体の磁気記録領域と分離領域との磁気的な分離状態を検査した後に、この検査結果に基づいて、前記磁気記録媒体を製造する際の条件設定を行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−70744(P2011−70744A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222721(P2009−222721)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】