説明

神経刺激のためのシステムおよび方法

神経刺激のシステムおよび方法を開示する。前記方法は、少なくとも1つの電極を第1組織に電気的に接続するステップと、前記少なくとも1つの電極に刺激を印加するステップと、第2組織の応答を観測するステップと、前記刺激が少なくとも1つの電極に印加されたときに、所望の応答が前記第2組織で生じる、前記第1組織上の電極の位置を同定するステップと、前記同定された電極の位置に前記少なくとも1つの電極を固定するステップとを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経、筋肉、または器官のような標的組織の神経刺激を調整するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2007年10月9日、2007年12月29日、および2008年8月12日にそれぞれ提出された、米国特許出願第60/978,519号、第61/017,614号、および第61/136,102号の利益を主張し、それらの全体は引用により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願は、米国特許出願第60/978,519号、第61/017,614号、および第61/136,102号の利益を同様に主張する国際特許出願[整理番号:069737−5005−WO]に関連する。
【0004】
神経刺激は、世界中で数百万の人々を侵している生理学的状態である、疼痛、関節炎、睡眠時無呼吸、発作、失禁、および偏頭痛を含む、様々な急性および慢性の病状の治療に役立つ。現在の治療は、薬物介入から、睡眠時無呼吸に対する持続気道陽圧(CPAP:continuous positive air pressure)装置のような非侵襲的手法、そして侵襲的な外科的処置までの範囲で選択肢を得る。多くの場合、患者の承諾および治療コンプライアンスは、所望のレベルを大きく下回っており、長期的な解決方法として現在の治療を非効果的なものにしている。
【0005】
インプラントは、有望な代替治療である。たとえば、迷走神経刺激は、発作の活性化を引き起こしやすい脳内領域へのいくつかの接続に作用すると考えられている。千骨神経刺激は、切迫性尿失禁を低減するための、FDAが承認した電気刺激治療である。末梢神経の刺激は、関節炎痛の治療に役立つ。別の例として、舌下神経(XII)刺激による咽頭の拡張は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の効果的な治療法であることが示されている。神経は、インプラントされた電極を使用して刺激される。特に、内側XII神経枝(すなわち、オトガイ舌筋)については、上気道の気流抵抗を有意に減少すること(すなわち、咽頭内径の増大)が実証されている。
【0006】
神経の電気刺激は、特定の状態(たとえば、睡眠時無呼吸の場合では、上気道内の閉塞)を除去または改善することが実験的に示されている一方で、現在の実装法は、一般的に標的組織の正確かつ選択的な刺激を必要とする。したがって、標的組織(たとえば、筋肉または神経)上の最適な位置を同定するとともに、当該位置にインプラント電極を配置することで、当該標的組織の最適な刺激を実現するシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、神経、筋肉、または器官のような標的の神経刺激を調整するためのシステムおよびその方法を含む。本発明の一実施形態において、前記方法は、少なくとも1つの電極を第1組織に電気的に接続するステップと、前記少なくとも1つの電極に刺激を印加するステップと、第2組織の応答を観測するステップと、前記刺激が前記少なくとも1つの電極に印加されたときに、所望の応答が前記第2組織で生じる、前記第1組織上の電極の位置を同定するステップと、前記同定された電極の位置に前記少なくとも1つの電極の位置を固定するステップとを具備する。特定の実施形態において、前記刺激のアプリケータは、ディスポーサブルである。
【0008】
前記刺激は、電圧信号、電流信号であることが可能であるとともに、予めプログラミングすることができる。特定の実施形態において、前記電圧および電流信号は、制御される電圧信号、または制御される電流信号である。他の実施形態において、推定最小刺激が計算されるとともに、別の実施形態において、刺激プロファイルが生成される。刺激される組織は、神経組織、筋組織、および器官組織からなるグループから選択され得る。所望の刺激応答の例は、気道開存性の変化、神経インパルスの少なくとも部分的な阻害、および少なくとも1つの神経インパルスの開始を含む。応答は、視覚的にまたは機器を用いて、直接的または間接的に観測される。
【0009】
本発明の別の実施形態において、神経刺激システムは、第1組織に電気的に接続された少なくとも1つの電極と、前記少なくとも1つの電極に刺激を印加する手段と、第2組織の応答を観測する手段と、前記刺激が少なくとも1つの電極に印加されたときに、所望の応答が前記第2組織で生じる、前記第1組織上の電極の位置を同定する手段とを具備し、前記同定された電極の位置に前記少なくとも1つの電極の位置を固定する手段とを具備する。
【0010】
さらに、本発明の別の実施形態において、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ実行可能命令が保存されるコンピュータ可読媒体を有し、前記命令がコンピュータ上で実行された場合、第1組織に電気的に接続された少なくとも1つの電極に刺激を印加するステップと、第2組織の応答を観測するステップと、前記刺激が前記少なくとも1つの電極に印加されたときに、所望の応答が前記第2組織で生じる、前記第1組織上の電極の位置を同定するステップとを有する神経刺激方法を前記コンピュータに行われる。
【0011】
本発明の別の実施形態において、神経刺激システムは、第1組織に電気的に接続された少なくとも1つの電極と、前記少なくとも1つの電極に結合され、かつ刺激を供給する全体調整刺激装置と、前記全体調整刺激装置と通信し、かつ少なくとも1つのセンサを有する刺激測定サブシステムとを具備し、前記少なくとも1つのセンサは、第2組織の応答を測定し、前記神経刺激システムは、前記刺激測定サブシステムと通信するプログラミングサブシステムを具備し、前記プログラミングサブシステムは、刺激データおよび組織応答データからなるグループからデータを収集する。
【0012】
前述の概略的な記載および後述の詳細な記載の両方は、例示的で説明的なものであるとともに、主張される本発明のさらなる説明を提供することを意図していることが理解される。
【0013】
添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書の一部と組み合わされることで、本発明の実施形態を例示するとともに、発明の詳細な記載と一緒に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】全体調整刺激システムの例示的な実施形態を例示する図である。
【図2】初期全体調整方法の例示的な実施形態を例示する図である。
【図3】手術後調整方法の例示的な実施形態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、様々な急性および慢性の病状を治療するために、刺激電極の配置を調整する全体調整刺激システム(gross adjustment stimulation system)およびその方法に関する。インプラントを用いて治療可能な病状は、限定するわけではないが、関節炎、睡眠時無呼吸、発作、失禁、および偏頭痛を含む。例示的な病状は、たとえば、2007年2月16にいずれも提出された米国特許出願第11/707,104号および第11/707,053号に開示されている方法およびシステム(その全体は引用により本明細書に組み込まれる)を使用して治療してもよい。他の例示的な方法およびシステムは、以下に記載される。
【0016】
I.電気刺激および神経回復(Neural Recruitment)
電気刺激は、中枢神経系(たとえば、脊髄および脳)を構成する感覚神経および運動神経と同様に、末梢の感覚神経および運動神経の両方を活性化させるために、有効に適用されてきた。一般に、電気刺激は、神経の活性化が以下に記載するいくつかの簡単な基準に従うようにされてきた。
(a)活性化している陰極接触(cathodal contact)に最も近い神経は、それよりも離れている近くの神経より先に活性化(回復)される。
(b)直径が大きい線維を有する神経は、細い線維を有する神経より先に回復する。
(c)神経回復は、供給された電流量に正比例する。
【0017】
神経は、電流パルスの電気刺激を使用して電気的に刺激または回復され得る。閾値が最も低い軸索線維を有する神経が、最初に選択的に回復される。電気刺激による神経軸索の興奮は、刺激している電極接触に近接する神経が、電極によって興奮されるのに十分低い活性化閾値を有するとともに、閾値膜電位を超えて脱分極される場合に生じる。
【0018】
この活性化閾値の主要な要因の1つは、神経の直径である。神経の電気ケーブル特性により、直径が大きい神経線維は、直径が小さい線維よりも低い興奮閾値を有しているため、より興奮されやすい。神経線維は、活性化している電極に近接し、かつ他の線維よりも直径が大きい場合、電気刺激パルスによってより回復されやすい。
【0019】
活性化される運動単位の過駆動の問題のため、および筋活性化の比較的長い時定数は、高周波刺激の必要性を低減させるため、運動神経の興奮は、一般的に、非常に遅い刺激速度または周波数で行われる。運動神経に供給される刺激のパルスごとに、興奮した運動単位の対応する収縮が存在する。この収縮は、筋運動単位の物理的および電気化学的特性によって制御されるとともに、それを活性化させる神経の興奮よりも非常に長い時定数を有する。運動単位に供給された単一パルスが単収縮を生じさせる一方で、適切な周波数におけるパルスのバーストまたは複数パルスは、小さい脈動特性を有する融合収縮を引き起こす。筋肉群(muscle group)に応じて、この融合周波数または強縮周波数は、大きい筋肉に対しては約15Hzと低く、または小さい筋肉に対しては約80〜100Hzと高くすることが可能である。何千Hzもの刺激周波数が可能である蝸牛インプラント刺激のような、感覚神経での適用と比較すると、運動神経刺激は非常に遅い。
【0020】
運動神経を興奮させる周波数は、非常に低いため、複数電極は、単一のパルス生成器に対して多重化することができる。単一接触のみが1回にアクティブであると同時に、複数の筋肉群は、基本的に、インタレースされた刺激パターンを使用して同時に駆動される。筋肉のダイナミクスは、神経と比べて非常に遅いため、生じた複数の収縮は、同時でかつ滑らかなように見える。
【0021】
複数接触システムはさらに、同じプール内の運動単位群によって共有される活性化が、筋肉疲労のような問題(電気的に刺激された筋肉における共通の問題)を回避するのを可能にする。複数接触システムはさらに、複数の筋肉群を同時活性化して、所望の筋応答を実現することができる。手または前腕の筋肉を活性化する場合、たとえば、インタレースされたパルスを最初にある接触へ供給し、次いで別の接触へ供給することによって、いくつかの接触が同時に活性化されることで、2つ以上の筋肉群を活性化し得る(加算されたときに、所望の方向における力ベクトルを生じる)。
【0022】
しかし、多重化された複数接触システムを用いても、電極は、なおも当該電極に近接する神経線維を活性化させる傾向がある、その意味で、それらは選択的ではないとともに、接触に近接しているそれらの神経細胞のみを活性化させることに制約される。神経細胞の適切なプールを実際に選択的に活性化させることができないことを補償するために、いくつかの刺激システムは、所望の応答がさらに実現され得るように、適切な回数で刺激を印加するためのセンサに依存する。2つの接触の間のどこかに位置する神経細胞の選択されたプールを活性化させるために、(しかし、それは所望の神経細胞のプールのみを表している)、多重化された連続パルスを供給する刺激装置よりは、同時に独立して制御された刺激パルスを供給することが可能な刺激装置を使用することが望ましい。
【0023】
同時刺激パルスを供給する刺激装置を用いて、システムは、各接触に電流を同時に供給することができる。特定の実施形態において、これらの電流は、独立して制御される。システムは、これらの電流が接触に隣接する線維の閾値よりも下(すなわち、神経の回復(recruitment)レベルよりも下)のレベルであるように、電流を制御することができる。各接触周辺の電場(field)は、神経の回復または閾値レベルよりも低い一方で、前記電場は、所望の神経を活性化させるのに十分強いパルスを生成するために、同時に活性化された他の電極による電場と組み合わせることができる。したがって、刺激電極接触の真下に位置していない神経集団を優先的かつ選択的に活性化させることができる。神経を選択的に活性化させることができるため、センサが刺激の供給が所望の結果を実現するように調整を支援する必要はない。
【0024】
患者固有の刺激プログラミングと組み合わせて、選択的な刺激、複数の独立電流源システムおよび部位固有の複数接触電極の構成を用いて、タイミングに依存しない活性化に対して応答可能な、1つ以上の神経線維の1部分のみを回復および活性化することによって、良好な開ループ刺激を適用する機会を提供する。所望であれば、刺激のタイミングおよび供給を向上させるために、センサを使用することができる。センサは、閉ループシステム、トリガード開ループ、開ループシステム、またはその3つの組み合わせで使用することができる。
【0025】
A.インプラントを用いて治療可能な病状の例
本発明とともに使用される方法およびシステムは、病状の治療と関連する神経を刺激することによって、多数の病状を治療するのに使用することができる。刺激は、興奮性経路を活性化することにより、刺激が神経によって伝達されるようにすることができる、または刺激は、神経における神経伝達が抑制性経路を活性化することによって阻害されるようにすることができる。例示的な実施形態において、前記神経は仙骨神経である。別の実施形態において、前記神経は迷走神経である。さらに別の実施形態において、前記神経は末梢神経である。代替として、標的組織は、筋肉であり、頭部および頸部、胴体、上肢、ならびに下肢からの筋肉を含むことが可能である。標的組織はさらに、身体の器官(たとえば、腎臓、肝臓、肺、脳、皮膚、卵巣、腸、動脈および静脈、リンパ節、骨、または関節)であることが可能である。
【0026】
B.例示的な実施形態−閉塞性睡眠時無呼吸
HGNは、1つ以上の舌筋をそれぞれ制御する複数の神経線維から成る。特定の治療において、選択されたHGN神経線維は、選択された舌筋の動きを引き起こすために刺激される。所望の刺激応答を引き起こすように標的組織上に電極を配置する、本発明による全体調整刺激システムおよびその方法を以下に記載する。
【0027】
II.全体調整刺激システム
図1は、全体調整刺激システム100の例示的な実施形態を示している。前記システムは、少なくとも1つの電極110、全体調整刺激装置120、刺激測定サブシステム130、およびプログラミングサブシステム140を有している。以下に、それぞれ説明する。
【0028】
A.全体調整刺激装置
図1に示されている例示的な実施形態において、全体調整刺激装置120は、少なくとも1つのインプラント電極110に送られる刺激を生成するように構成されている。全体調整刺激装置120は、インプラントされる装置(たとえば、インプラント可能パルス生成器)と同等な方法で、インプラント電極110を刺激する。本明細書に記載されるように、電極110は、単一電極、複数電極、または少なくとも1つの電極アレイであってよい。電極および全体調整刺激装置の例は、限定するわけではないが、2007年10月9日、2007年12月29日、および2008年8月12日にそれぞれ提出された、米国特許出願第60/978,519号、第61/017,614号、および第61/136,102号(それらの全体は引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている、電極とインプラント可能パルス生成器とを含む。
【0029】
特定の実施形態において、全体調整刺激装置120は、医師、医師の助手、または技師(本明細書では、医師として総称する)が、刺激を開始および停止させるとともに、適切な機能に関する情報について刺激測定サブシステム130に照会することを可能する。ある例示的な実施形態において、全体調整刺激装置120はさらに、これらの機能を実行するように、患者が前記システムに指示することを可能にする。特定の実施形態において、全体調整刺激装置120は、たとえば、全体調整刺激装置が、外部コントローラ(図示せず)を有するIPG(図示せず)とともに使用される場合、刺激装置への通信および電源リンクの状態と、外部コントローラの状態とを表示する。特定の実施形態において、医師または患者はさらに、患者が眠ろうとする場合の睡眠モード、患者が通常のレベルを上回る身体的活動を行う場合の運動モード、および患者または医師がプログラムし得る他の代替的な動作モードなどの刺激装置の動作モードを選択してもよい。特定の実施形態において、医師または患者はさらに、全体調整刺激装置120を使用して、刺激のレベルを調整してもよい。
【0030】
例示的な実施形態において、全体調整刺激装置120の刺激は、予めプログラムされ得る制御された電圧信号、または制御された電流信号である。特定の実施形態において、全体調整刺激装置120は、RFまたは他の無線信号によって、駆動および/または制御される。特定の実施形態において、全体調整刺激装置120は、1つ以上の刺激信号の形で、少なくとも1つの電極110に刺激を送る。他の実施形態において、刺激は、少なくとも2つの電極110、または電極110のアレイに送ることができる。他の実施形態において、刺激装置は、インプラント処置の少なくとも一部について、連続的な、またはほぼ連続的な刺激を電極110に送る。非限定的な実施例は、1つ以上のパルス、パルス列、シグモイド、定常源信号、または当業者に知られている他の制御された信号の形式を含む。したがって、特定の波形に限定されない標的組織への刺激、および応答組織への効果は、患者の要求に基づいて制御することができる。
【0031】
本発明の一実施形態において、全体調整刺激装置120は、任意でクリプトブロックを含んでもよい(図示せず)。暗号ブロックは、別の刺激装置120によって制御される他の電極を干渉せずに、所望の電極110のみに対して特有の信号を符号化するのに役立つ。したがって、2つ以上の全体調整刺激装置120が同じ付近にある場合、クリプトブロックは、所望の1つ以上の電極110のみに作用する特有の信号を生成する。
【0032】
別の実施形態において、全体調整刺激装置120はさらに、データを保存および/または記録するために、データ保存ユニットおよび/または記録ユニット(図示せず)をそれぞれ含んでもよい。全体調整刺激装置120はさらに、外部システムにデータを収集または転送するために、コンピュータインタフェース(たとえば、無線リンク、USBポート、シリアルポート、またはファイヤワイヤ)を含んでもよい。特定の実施形態において、全体調整刺激装置120は、ディスポーサブルである。
【0033】
B.刺激測定サブシステム
図1に示した例示的な実施形態において、刺激測定サブシステム130は、印加された刺激に対する標的組織の応答を測定する。特定の実施形態において、全体調整刺激装置120からの刺激を受ける1つ以上のインプラント電極110から刺激は生じる。刺激応答は、直接的に、間接的に、またはその2つのいくつかの組み合わせで測定することができる。測定は、インプラントと一体化したセンサ、インプラント外部のセンサ、またはその2つのいくつかの組み合わせのセンサを使用して、行うことができる。直接的および間接的感知、ならびに一体型および外部センサを、以下に記載する。
【0034】
1.直接的測定
直接的測定は、気道開存性に直接影響する1つ以上の要因の測定である。気道開存性に直接影響する要因は、限定するわけではないが、口腔のサイズ、挺舌または筋緊張、および呼吸気流(すなわち、気道気流)を含む。これらの要因を測定する方法は多様にある。これらの要因は、視覚的に測定してもよく、または機械的、電気的、もしくは電気化学的センサを使用して測定することができる。口腔のサイズは、たとえば、音響学的咽頭音測定法(acoustic pharyngometry)を使用して測定することができる。挺舌または筋緊張は、たとえば、近接センサ、加速度計、または圧力センサのうち1つ以上を使用して測定することができる。前記センサは、口、耳、首、または当業者に知られている他の適切な位置にあってよい。挺舌または筋緊張はさらに、写真、超音波検査、または当業者に知られている他の画像モダリティを利用する軟組織画像装置によって測定してもよい。さらに他の方法は、内視鏡による観測、または舌表面に対する蛍光染色パターンの適用、および紫外線または蛍光光源を使用した照明を含む。
【0035】
呼吸気流は、機械的に、電気的に、電気機械センサにより、またはこれらのいくつかの組み合わせにより測定してもよい。1つの方法は、鼻カニュラまたはサーミスタを使用するものである。他の方法は、熱電温度計を含む呼吸変換器、圧電温度センサ、圧力および差圧センサ、または当業者に知られている他の流動センサを含む。呼吸気流はさらに、呼吸気流計または呼吸インダクタンス・プレチスモグラフによって測定してもよい。これらの方法は、単に例示的であって、記載したものに限定されない。当業者に知られている他の方法を、本発明の範囲から逸脱せずに使用してもよい。
【0036】
2.間接的測定
間接的測定は、気道開存性による影響を受ける1つ以上の指標の測定である。例示的な指標は、限定するわけではないが、血中酸素濃度、血圧、心拍、胴体の動き(たとえば、相対的な呼吸のしやすさを感知するための)、およびいびきを含む。多様なセンサが、これらの間接的な標識を測定することができる。間接的測定は、たとえば、末梢動脈圧測定法を使用して行うことができる。他の例において、血中酸素濃度は、酸素センサ、パルス酸素濃度計、赤外線(IR)センサ、または耳垂モニタリングユニットにより測定してもよい。いびきは、たとえば差圧センサ、振動センサ、またはマイクを使用して、測定することができる。いびきはさらに、鼻カニュラを使用して検出することができる。
【0037】
3.センサ
気道開存性を感知および測定する機能は、刺激パターンに対する患者の応答を評価する容易さおよび精度を直接的または間接的に増加させる。図1に示した例示的な実施形態において、刺激測定サブシステム130にデータを入力する1つ以上のセンサは、電極110もしくは電極110のアレイ、全体調整刺激装置120、またはIPG(図示せず)の内部にあってもよい。他の例示的な実施形態において、1つ以上のセンサは、電極110もしくは電極110のアレイ、全体調整刺激装置120、またはIPG(図示せず)の外部にあってもよい。特定の実施形態において、少なくとも1つの内部センサは、圧力センサまたは加速度計のようなMEMS装置である。別の実施形態において、少なくとも1つの内部センサは、筋緊張の変化に関係する変化を記録可能な電気センサである。センサ情報(たとえば、内部および/または外部センサからの)は、双方向リンク(たとえば、RFまたは当業者に知られている他の無線リンク)により、または皮表の下に配置されたインタフェースの使用を通して、リアルタイムに読み出される。特定の実施形態において、センサは、電極110またはIPGの外部にあるものの、患者の体内にある。たとえば、外部センサは、耳、鼻腔、咽喉、または当業者に知られている他の測定点に配置されてもよい。外部センサはさらに、医療施設、研究室、または患者の家において、患者の外部に配置してもよい。
【0038】
C.プログラミングサブシステム
図1の例示的な実施形態において、プログラミングサブシステム140は、全体調整の間、印加された刺激に関するデータを収集する。プログラミングサブシステム140は、少なくとも1つの電極110に刺激を印加するために使用され得る、予めプログラミングされた刺激データを含んでもよい。他の実施形態において、プログラミングサブシステム140は、刺激応答(たとえば、組織応答)に関するデータを収集するとともに、さらに他の例示的な実施形態において、プログラミングサブシステムは、印加された刺激および刺激応答の両方に関するデータを収集する。次に、舌下神経インプラントへのダウンロードのため、このデータは、気道を開き、かつ睡眠呼吸障害/閉塞性睡眠時無呼吸を低減するように、ユーザ特有の刺激パターンをプログラムするために使用される。特定の実施形態において、たとえば、少なくとも1つのセンサは、神経線維x、y、およびzが、nHzの周波数で刺激された場合、突出筋(protruder muscle)a、c、およびfは、所与の刺激によって影響されないが、牽引筋(flattening muscle)b、d、およびeは、刺激されるデータを収集する。特定の例示的な実施形態において、センサ情報は、刺激測定サブシステム130内のセンサメモリ(図示せず)に保存される。測定されたデータは、プログラミングサブシステム140によって渡される、または得られ、印加された刺激パターンとともに記録および収集される。
【0039】
感知された情報データはさらに、プログラミングサブシステム140に直接渡されてもよい。データが収集および関連付けられると、プログラミングサブシステム140は、得られた情報に基づいて刺激プロファイルを生成する。刺激プロファイルは、IPG(図示せず)、または全体調整刺激装置120にダウンロードされてもよい。これらのセンサ(内部または外部の)からの信号は、直接の観測(たとえば、医師、患者、または他のユーザによる)によって関連付けることができる、または刺激プロファイルを生成するソフトウェアアルゴリズムによってデジタル化および解析することができる。このプロファイルは、標的組織において所望の応答を引き起こす刺激を印加するために使用することができる。特定の実施形態において、プログラミングサブシステム140内のソフトウェアは、所望の刺激応答を引き起こすために、電極の組み合わせおよび刺激レベルを提示するアルゴリズムを生成する。
【0040】
III.初期全体調整
図2は、初期全体調整方法200の例示的な実施形態を示している。示された例示的な方法において、少なくとも1つの電極110は、ステップ210で、標的組織の上またはその付近の初期位置に配置される。電極110は、標的組織と物理的に接続または接触させる必要はない。電極110は、標本組織との電気的接続がなされるように、組織に十分接近しているだけでよい。標的組織は、患者身体の神経、筋肉、または器官である。特定の実施形態において、標的組織は、舌下神経である。ステップ220において、少なくとも1つの刺激は、少なくとも電極110に印加される。刺激は、手動で選択してもよく、または予めプログラムされてもよい。示されている例示的な方法において、刺激は、全体調整刺激装置120によって印加されるが、他の実施形態では、別のソースから刺激を印加することができる。特定の実施形態において、全体調整刺激装置120は、動作室内環境における使用の条件に合う。動作室内環境における使用の条件に合う装置に関する例示的なガイドラインは、「Draft Guidance for Industry and FDA Staff: Radio-Frequency Wireless Technology in Medical Devices, released for comment on January 3, 2007」に記載されており、その全体は引用により本明細書に組み込まれる動作室内における無線使用のために構成された刺激装置は、無線で動作する必要はないが、所望の場合は可能である。
【0041】
電極接触の置換、様々な電流の振幅、期間、および/または周波数の刺激の供給を含む刺激パターンの変更は、少なくとも1つの電極110に適用される。特定の実施形態において、これらの変化する刺激パターンは、医師または技師の制御の下で適用されるとともに、プログラミングされてもよい。これらの様々な刺激パターンは、舌の位置、筋緊張、ならびに後舌の気道のサイズおよび開存性を制御する、神経線維に対して様々な効果を有する。どの神経線維が、気道を開く舌の筋肉における所望の刺激応答を引き起こすかを同定するために、刺激は、注目している各標的神経線維の集団に独立して印加される。特定の実施形態において、電極の位置、印加された刺激、および刺激応答は、適切な刺激を供給する、神経上の電極の位置を同定するために記録される。
【0042】
神経線維への様々なレベルの刺激は、生理学的条件の症状を軽減するために必要とされる、適切な筋肉の動きを引き起こすために必要な最小刺激を識別するために印加される。様々なレベルの刺激は、多くの場合、応答する筋肉に応じて、および刺激される様々な神経または神経線維に応じて、様々な応答を引き起こす。例示的な刺激パターンは、当該技術において知られている、または米国特許出願第11/707,104号および第11/707,053号に教示されている。
【0043】
ステップ220で印加された刺激は、多くの形式をとることが可能である。刺激は、高周波数で印加され得るが、滑らか、テタヌス性で、かつ安楽な収縮のために最小限必要な刺激周波数に低下される(たとえば、全体的な電力消費を減少するとともに、電気刺激によって生じる筋肉疲労を低減するのに役立つ)。刺激はさらに、単一パルス、パルスのバースト、または1つ以上の周波数での複数パルスとして供給される。各周波数は、大きい標的筋肉に対しては約15Hzと低く、または小さい筋肉に対しては約80〜100Hzと高くすることができる。他の実施形態において、刺激周波数は、最小の1Hzから最大の100Hzまでに調節される。代替として、刺激は多重化されるとともに、さらに他の実施形態において、刺激は同時パルスで供給される。刺激は、所望の刺激レベルで標的組織を刺激するように、電極110におけるいくつかの接触(図示せず)に供給され得る、または刺激は、インタレースされたパルスを1つの接触に供給して、次いで別の接触に供給することによって連続的に印加されることで、加算されたときに、所望の方向における力ベクトルを生じる複数の電場を生成する。
【0044】
ステップ230において、医師、医師の助手、または技師(本明細書では、医師と総称する)は、所望の刺激応答が得られたかを見るためにチェックする。このステップは、ステップ220の間または後に行われる。特定の例示的な実施形態において、所望の応答は、神経インパルスの阻害である(たとえば、抑制性経路を活性化することによって)。他の特定の例示的な実施形態において、所望の応答は、気道開存性の変化である。気道開存性の直接的または間接的な変化は、刺激が印加される間またはその後に観測される。所望の刺激応答の確認は、どの接触および電流パターンの組み合わせが最も望ましいかを決定するのに役立つ。次に、刺激パターンは、無呼吸の重症度に従って調整することができる。
【0045】
刺激応答は、コンピュータもしくは他の機器のような他の電気的手段、または同等の視覚的観測によって、刺激測定サブシステム130を使用して測定してもよい。これらの測定は、直接的または間接的であることが可能である。刺激測定サブシステム130および測定手段は、本明細書の他でも記載しているため、繰り返して説明しない。示された例示的な実施形態において、全体調整刺激装置120は、少なくとも1つの電極110に刺激を印加するとともに、医師は、所望の刺激応答(たとえば、気道開存性における舌の動きの変化)が実現されたかどうかを見るように確認する(230)。特定の実施形態において、これは、どの接触および電流パターンの組み合わせが患者にとって望ましいかを決定するのに役立つ。他の例示的な実施形態において、所望の応答は、神経インパルスの少なくとも部分的な阻害であるとともに、他の例示的な実施形態において、所望の応答は、神経インパルスの開始である。次に、所望の応答を引き起こす刺激パターンは、インプラント、患者が制御する装置(patient control device)、安全なアーカイブ、またはプログラミングサブシステム140に保存される。この刺激は、医師が選択してもよく、または予めプログラムしてもよい。
【0046】
所望の刺激応答が得られなかった場合、ステップ240で、医師は追加の刺激を印加するかどうかを判断する。医師が追加の刺激を印加することを選択した場合(240)、医師は、所望の刺激パターンを用いて、ステップ220を繰り返す。代替的に、またはステップ240に追加して、ステップ250で、医師は電極の再配置が望ましいかどうかを判断する。再配置が選択された場合、医師は、たとえば、少なくとも1つの電極110を標本組織に沿って移動させて、ステップ210を開始することによって、新しい位置を選択する。
【0047】
再配置が望ましくない場合、ステップ260で、医師は、現在の位置において電極に印加された刺激によって許容可能な結果が得られたかどうかを判断する。そうである場合、医師は、ステップ270で電極の位置を固定する。そうでない場合、医師は、ステップ280で、電極を取り外す。電極は、縫合、接着、締結、または当業者に知られている他の手段のような外科的手段を使用して位置を固定してもよい。前記方法は、追加の刺激電極110を用いて行ってもよく、電極110のアレイを用いて行ってもよい。前記ステップは、示された順番で実行されなければならないものではなく、それらが全て実行されなければならないものでもない。前記方法は、単に例示的なものであって、記載されたものに限定されない。
【0048】
IV.手術後調整
手術後調整は、外傷が治癒すれば開始してもよい。患者および外傷が治癒すると、医師は、夜間の後舌または咽頭の気道を最大化するためのインプラントプログラミングを開始する。プログラミングは、刺激値の範囲、インプラントのスイッチを入れてから刺激を開始するまでのプログラム可能な遅延、時間に伴う刺激強度の傾斜、および予めセットされたインターバル後の自動シャットダウンを含んでもよい。プログラミングは、初期試行と、患者による使用のための最終刺激プログラムとの両方で、無線リンクによりインプラントにダウンロードされてもよく、またはUSB、シリアル、もしくは他のコネクションにおいてダウンロードされてもよい。プログラミングパラメータは、インプラントのスイッチを入れてから刺激を開始するまでのプログラム可能な遅延、時間に伴う刺激強度の傾斜、および予め決定されたインターバル後の自動シャットダウンと同様に、刺激値の全範囲を含んでもよい。他の実施形態において、IPG自身が、全体調整中に使用される信号および刺激パターンを生成するように使用されてもよい。
【0049】
図3は、手術後調整方法300の例示的な実施形態を示している。示されている例示的な方法のステップ310において、電極刺激が印加されると同時に、患者が覚醒しているとともに、上気道(URT)は開いている。ステップ320において、舌の位置は、印加された刺激に応答して測定される。例示的な実施形態において、舌の位置は、挺舌較正装置を用いて測定される。前記装置は、口の前部に配置されるとともに、歯、唇、もしくはその他の方法によって、適切な位置に保持される。特定の方法において、挺舌装置は、たとえば、圧力センサを使用して、前側舌突出を測定するように構成される。
【0050】
ステップ330で、患者は、刺激に応答して舌の位置の相対的な安楽を評価するために質問される。所望の刺激応答が得られなかった場合、ステップ310〜330が、別の刺激によって繰り返されてもよい。ステップ340で、医師は、刺激応答が望ましいかどうかを評価する。所望の刺激応答(すなわち、患者に不快感を生じさせずに、気道の開口または気道開存性の変化を引き起こす刺激)が得られた場合、刺激プログラムは、後の使用のためにステップ350で保存される。刺激は、医師、医師の助手、または技師、さらには患者によってプログラミングされる。
【0051】
別の例示的な外科手術後の調整方法は、舌が通常の日中の状態を有する場合、たとえば神経電図センサを使用して現在の神経活性化のレベルを記録するものである。この手法の下では、標的組織(たとえば舌下神経)からの信号は、患者が覚醒しながら、記録されうる。この記録は、患者の通常の日中における行動中に可能である、または患者が研究室または医療施設にいながら行うことが可能である。神経電図センサから収集されたこの情報は、閉塞性睡眠時無呼吸の治療のために患者が眠る間に使用される、日中の神経信号を模擬する刺激プログラムを用意するために使用される。神経電図センサの使用は、単に例示である。当業者に知られている他のセンサも同様に、本発明の範囲から逸脱せずに所望の刺激プログラムを生成するための、上記情報を得るために使用することができる。
【0052】
さらに別の手法または例示的な方法は、URT開存性を最大化するために、研究室で観測されたURTの閉塞、いびき、ならびに無呼吸およびまたは呼吸低下のイベントを最小化する刺激プロトコルを使用して、研究室でHGNインプラントをプログラムするものである。プログラミングは、初期試行と、患者による使用のための最終刺激プログラムとの両方で、無線リンクによりインプラントにダウンロードされてもよい。
【0053】
本発明の範囲から逸脱せずに様々な変更および変形を本発明の装置になし得ることは、当業者にとって自明である。したがって、本発明は本発明の変更および変形を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0054】
100 全体調整刺激システム
110 電極
120 全体調整刺激装置
130 刺激測定サブシステム
140 プログラミングサブシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経刺激方法であって、
少なくとも1つの電極を第1組織に電気的に接続するステップと、
前記少なくとも1つの電極に刺激を印加するステップと、
第2組織の応答を観測するステップと、
前記刺激が前記少なくとも1つの電極に印加されたときに、所望の応答が前記第2組織で生じる、前記第1組織上の電極の位置を同定するステップと、
前記同定された電極の位置に前記少なくとも1つの電極の位置を固定するステップと、
を具備することを特徴とした神経刺激の方法。
【請求項2】
前記印加される刺激は、電圧信号であることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項3】
前記印加される刺激は、制御される電圧信号であることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項4】
前記印加される刺激は、電流信号であることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項5】
前記印加される刺激は、制御される電流信号であることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項6】
前記印加される刺激は、予めプログラムされることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激。
【請求項7】
前記刺激のアプリケータは、ディスポーサブルであることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電極に追加の刺激を印加するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの電極を再配置するステップを具備することを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項10】
前記所望の応答を実現する推定最小刺激レベルを計算するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項11】
刺激プロファイルを生成するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項12】
前記刺激プロファイルは、前記所望の応答を引き起こすように提示される電極の組み合わせと刺激レベルとを具備することを特徴とする請求項11に記載の神経刺激方法。
【請求項13】
前記第1および第2組織は、神経組織、筋組織、および器官組織からなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項14】
前記第1組織は、神経組織であることを特徴とする請求項13に記載の神経刺激方法。
【請求項15】
前記神経組織は、舌下神経線維であることを特徴とする請求項14に記載の神経刺激方法。
【請求項16】
前記第2組織は、舌筋組織であることを特徴とする請求項13に記載の神経刺激方法。
【請求項17】
前記舌筋組織は、舌牽引筋肉であることを特徴とする請求項16に記載の神経刺激方法。
【請求項18】
前記舌筋組織は、舌突出筋であることを特徴とする請求項16に記載の神経刺激。
【請求項19】
前記所望の応答は、気道開存性の変化であることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項20】
前記所望の応答は、神経インパルスの少なくとも部分的な阻害であることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項21】
所望の応答は、少なくとも1つの神経インパルスの開始であることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項22】
前記第2組織の応答は、視覚的に観測されることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項23】
前記第2組織の応答は、機器を使用して観測されることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項24】
前記第2組織の応答は、直接的に観測されることを特徴とする請求項1に記載の前記神経刺激方法。
【請求項25】
前記第2組織の応答は、間接的に観測されることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項26】
前記第2組織の応答は、患者体内のセンサによって観測されることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項27】
前記第2組織の応答は、患者体外のセンサによって観測されることを特徴とする請求項1に記載の神経刺激方法。
【請求項28】
第1組織に電気的に接続された少なくとも1つの電極と、
前記少なくとも1つの電極に刺激を印加する手段と、
第2組織の応答を観測する手段と、
前記刺激が前記少なくとも1つの電極に印加されたときに、所望の応答が前記第2組織で生じる、前記第1組織上の電極の位置を同定する手段と、
前記同定された電極の位置に前記少なくとも1つの電極の位置を固定する手段と
を具備することを特徴とする神経刺激システム。
【請求項29】
コンピュータ実行可能命令が保存されるコンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラム製品であって、
前記命令が前記コンピュータで実行された場合、
第1組織に電気的に接続された少なくとも1つの電極に刺激を印加するステップと、
第2組織の応答を観測するステップと、
前記刺激が前記少なくとも1つの電極に印加されたときに、所望の応答が前記第2組織で生じる、前記第1組織上の電極の位置を同定するステップと
を有する神経刺激方法を前記コンピュータに行わせることを特徴とするプログラム製品。
【請求項30】
神経刺激システムであって、
第1組織に電気的に接続された少なくとも1つの電極と、
前記少なくとも1つの電極に結合され、かつ刺激を供給する全体調整刺激装置と、
前記全体調整刺激装置と通信し、かつ少なくとも1つのセンサを有する刺激測定サブシステムと
を具備し、
前記少なくとも1つのセンサは、第2組織の応答を測定し、
前記神経刺激システムは、
前記刺激測定サブシステムと通信するプログラミングサブシステムを具備し、
前記プログラミングサブシステムは、刺激データおよび組織応答データからなるグループからデータを収集することを特徴とする神経刺激システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−500144(P2011−500144A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528881(P2010−528881)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/011599
【国際公開番号】WO2009/048581
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(510098227)イムセラ・メディカル・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】