神経変性疾患を治療する方法
本発明で特徴とされる態様は、例えば、神経変性障害の治療のなどのためにα−シヌクレイン(SNCA)遺伝子の発現を阻害するための組成物および方法に関する。SNCA遺伝子を標的とする本発明で特徴とされる抗SNCA剤は、神経細胞に優先的に分布するように修飾されていてもよい。
Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298
【特許請求の範囲】
【請求項1】
α−シヌクレイン(SNCA)RNAのヌクレオチド配列に対して相補的なアンチセンス鎖、および該アンチセンス鎖に対してハイブリダイズするために十分に相補的なセンス鎖からなる、iRNA剤。
【請求項2】
生物学的試料中におけるiRNA剤の安定性の増大を引き起こす修飾を含んでなる請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項3】
ホスホロチオエートまたは2’−OMe’修飾を含んでなる請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項4】
ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−アデニン−3’(5’−UA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−グアニン−3’(5’−UG−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−アデニン−3’(5’−CA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−ウリジン−3’(5’−UU−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−シチジン−3’(5’−CC−3’)ジヌクレオチドを含んでなる、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項5】
前記アンチセンス鎖が、配列番号6、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、および配列番号24からなる群から選択される配列を含んでなる、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項6】
前記iRNA剤のセンス鎖が、配列番号5、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、および配列番号23から群から選択される配列を含んでなる、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項7】
前記アンチセンス鎖がSNCA RNAの多型に対して相補的である配列を含んでなる、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項8】
前記アンチセンス鎖が、SNCA RNAの5’非翻訳領域(UTR)または3’UTRのヌクレオチド配列に対して相補的な配列を含んでなる、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項9】
前記iRNA剤が少なくとも21ヌクレオチド長であり、かつ該iRNAの二本鎖領域が約18〜25ヌクレオチド長である、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項10】
dsRNAのアンチセンスRNA鎖が25ヌクレオチド長以下である、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項11】
1〜4個の非対合ヌクレオチドを有するヌクレオチド突出部を含んでなる、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項12】
前記ヌクレオチド突出部がiRNA剤のアンチセンス鎖の3’末端にある、請求項11に記載のiRNA剤。
【請求項13】
ヒトを治療する方法であって、
神経変性障害を有するか、または神経変性障害を発症するリスクがあると診断されたヒトを同定する工程、ならびに
α−シヌクレイン(SNCA)RNAのヌクレオチド配列に対して相補的なアンチセンス鎖、および該アンチセンス鎖にハイブリダイズするために十分に相補的なセンス鎖からなるiRNA剤を投与する工程
からなる方法。
【請求項14】
前記iRNA剤が、生物学的試料中における該iRNA剤の安定性の増大を引き起こす修飾を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記iRNA剤がホスホロチオエートまたは2’−OMe修飾を含んでなる請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記iRNA剤が、ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−アデニン−3’(5’−UA−3’)ジヌクレオチド、または、5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−グアニン−3’(5’−UG−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−アデニン−3’(5’−CA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−ウリジン−3’(5’−UU−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−シチジン−3’(5’−CC−3’)ジヌクレオチドを含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記アンチセンス鎖が、配列番号6、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、および配列番号24からなる群から選択される配列を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記iRNA剤のセンス鎖が、配列番号5、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、および配列番号23からなる群から選択される配列を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記iRNA剤のアンチセンス鎖がSNCA RNAの多型に対して相補的な配列を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記iRNA剤のアンチセンス鎖がSNCA RNAの5’UTRまたは3’UTRのヌクレオチド配列に対して相補的な配列を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記ヒトがParkin遺伝子またはユビキチンカルボキシ末端ヒドロラーゼL1(UCHL1)遺伝子中に遺伝子変異を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記ヒトがSNCAの遺伝子の多重化を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
ヒトがSNCAの遺伝子の二重化を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ヒトがSNCAの遺伝子の三重化を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記神経変性障害がシヌクレイン症である、請求項13に記載の方法。
【請求項26】
前記神経変性障害がパーキンソン病である、請求項13に記載の方法。
【請求項27】
前記神経変性障害がアルツハイマー病、多系統萎縮症、またはレーヴィ小体痴呆である、請求項13に記載の方法。
【請求項28】
前記iRNA剤が少なくとも21ヌクレオチド長であり、かつ該iRNA剤の二本鎖領域が約18〜25ヌクレオチド長である、請求項13に記載の方法。
【請求項29】
前記iRNA剤のアンチセンスRNA鎖が25ヌクレオチド長以下である、請求項13に記載の方法。
【請求項30】
前記iRNA剤が1〜4個の非対合ヌクレオチドを有するヌクレオチド突出部を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項31】
前記ヌクレオチド突出部が前記iRNA剤のアンチセンス鎖の3’末端にある、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
α−シヌクレイン遺伝子を標的とするiRNA剤、および
薬学的に許容可能な担体
からなる薬学的組成物であって、
前記iRNA剤は、α−シヌクレイン(SNCA)RNAのヌクレオチド配列に対して相補的なアンチセンス鎖、および該アンチセンス鎖に対してハイブリダイズするために十分に相補的なセンス鎖からなることを特徴とする、薬学的組成物。
【請求項33】
前記iRNA剤が、生物学的試料中における該iRNA剤の安定性の増大を引き起こす修飾をさらに含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項34】
前記iRNA剤がホスホロチオエートまたは2’−OMe修飾をさらに含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項35】
前記iRNA剤が、ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−アデニン−3’(5’−UA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−グアニン−3’(5’−UG−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−アデニン−3’(5’−CA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−ウリジン−3’(5’−UU−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−シチジン−3’(5’−CC−3’)ジヌクレオチドを含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項36】
前記iRNAのアンチセンス鎖が、配列番号6、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、および配列番号24からなる群から選択される配列を含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項37】
前記iRNA剤のセンス鎖が、配列番号5、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、および配列番号23からなる群から選択される配列を含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項38】
前記iRNA剤がホスホロチオエートまたは2’−OMe修飾を含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項39】
前記iRNA剤が少なくとも21ヌクレオチド長であり、かつ該iRNA剤の二本鎖領
域が約18〜25ヌクレオチド長である、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項40】
前記iRNA剤のアンチセンスRNA鎖が25ヌクレオチド長以下である、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項41】
前記iRNA剤が1〜4個の非対合ヌクレオチドを有するヌクレオチド突出部を含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項42】
前記ヌクレオチド突出部が前記iRNA剤のアンチセンス鎖の3’末端にある、請求項41に記載の薬学的組成物。
【請求項43】
対象の細胞中のSNCA RNAの量を低減する方法であって、
α−シヌクレイン(SNCA)RNAのヌクレオチド配列に対して相補的なアンチセンス鎖、および該アンチセンス鎖に対してハイブリダイズするために十分に相補的なセンス鎖からなるiRNA剤と細胞を接触させる工程を包含する方法。
【請求項44】
前記iRNA剤が、生物学的試料中における該iRNA剤の安定性の増大を引き起こす修飾をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記iRNA剤がホスホロチオエートまたは2’−OMe修飾をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記iRNA剤は、ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−アデニン−3’(5’−UA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−グアニン−3’(5’−UG−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−アデニン−3’(5’−CA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−ウリジン−3’(5’−UU−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−シチジン−3’(5’−CC−3’)ジヌクレオチドをさらに含んでなる、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記iRNA剤が、配列番号6、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、および配列番号24からなる群から選択される配列を含んでなるアンチセンス鎖を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記iRNA剤が、配列番号5、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、および配列番号23からなる群から選択される配列を含んでなるセンス鎖を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記iRNA剤がSNCA RNAの多型に対して相補的な配列を含んでなるアンチセンス鎖を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記iRNA剤が少なくとも21ヌクレオチド長であり、かつ該iRNA剤の二本鎖領域が約18〜25ヌクレオチド長である、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
前記iRNA剤のアンチセンスRNA鎖が25ヌクレオチド長以下である、請求項43に記載の方法。
【請求項52】
前記iRNA剤が1〜4個の非対合ヌクレオチドを有するヌクレオチド突出部を含んで
なる、請求項43に記載の方法。
【請求項53】
前記ヌクレオチド突出部が前記iRNA剤のアンチセンス鎖の3’末端にある、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
iRNA剤を作製する方法であって、
SNCA mRNAのヌクレオチド配列から18〜25ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を選択する工程、および
iRNA剤のセンス鎖が選択されたヌクレオチド配列からなり、かつアンチセンス鎖が該センス鎖にハイブリダイズするために十分に相補的であることを特徴とするiRNA剤を合成する工程
を含む方法。
【請求項55】
前記iRNA剤を対象に投与する工程をさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記対象がシヌクレイン症を有すると診断される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記対象がパーキンソン病、アルツハイマー病、多系統萎縮症、またはレーヴィ小体痴呆を有すると診断される、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記対象がヒトである、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
SNCA核酸を標的とするiRNA剤を評価する方法であって、
アンチセンス配列がSNCA mRNAのヌクレオチド配列に対して相補的であり、かつセンス鎖が該アンチセンス鎖にハイブリダイズするために十分に相補的であるiRNA剤を供給する工程;
SNCA遺伝子を含む細胞に該iRNA剤を接触させる工程;
細胞に該iRNA剤を接触させる前と細胞に該iRNA剤を接触させた後のSNCA遺伝子の発現を比較する工程;ならびに
該iRNA剤がSNCA遺伝子の発現を阻害するために有用であるか否かを決定する工程であって、細胞中に存在するSNCAのRNAまたはタンパク質の量が、細胞にiRNA剤を接触させる前の量よりも少ない場合に該iRNAが有用であることを特徴とする工程、
を含む方法。
【請求項60】
前記比較工程が、ノーザンブロット、ウェスタンブロット、RT−PCR、およびRNAse保護アッセイからなる群から選択される方法を実行することからなる、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
SNCAの発現を阻害する能力について薬剤を評価する方法であって、候補薬剤を供給する工程、および該薬剤が動物におけるSNCAの発現を減少させるか否かを決定する工程を含む方法。
【請求項62】
第1の試験系で薬剤を評価する前工程、および所定のレベルの変化が見られる場合には、前記動物中で該候補薬剤を評価する工程を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
2つの試験系を使用し、第1の試験系が、第2の動物の系よりも少なくとも100倍多い化合物をスクリーニングするために使用される高スループット系である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
第1の試験系が、
SNCA標的、SNCA RNA標的、またはDNA標的と候補薬剤を接触させ、標的との相互作用が存在するか否かを決定することを含む試験系;
細胞と候補薬物とを接触させ、SNCA発現の変化を評価することを含む試験系;
候補薬剤をin vitroで組織試料と接触させ、SNCAまたはSNCA RNAのレベルを評価することを含む試験系
から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記第1の系が、SNCAまたはSNCA RNAを(内在性遺伝子または外来構築物から)発現可能な細胞と前記候補薬剤を接触させる工程、およびSNCAまたはSNCA
RNAのレベルを評価する工程を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第1の系が、SNCA制御領域からRNAまたはタンパク質を発現可能な細胞と前記候補薬剤を接触させる工程、およびRNAまたはタンパク質のレベルに対する効果を決定する工程を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記第1の系が、異種マーカータンパク質に結合したSNCA制御領域からRNAまたはタンパク質を発現可能な細胞と前記候補薬剤を接触させる工程を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記動物を薬剤の効果についてモニターする、請求項61に記載の方法。
【請求項69】
脳組織または眼組織をSNCA発現に対する薬剤の効果について試験する、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記決定する工程が、ノーザンブロット、ウェスタンブロット、RT−PCR、およびRNAse保護アッセイからなる群より選択される方法を実行することを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項71】
前記薬剤が、低分子、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、またはタンパク質、ポリペプチド、もしくはペプチドである、請求項61に記載の方法。
【請求項1】
α−シヌクレイン(SNCA)RNAのヌクレオチド配列に対して相補的なアンチセンス鎖、および該アンチセンス鎖に対してハイブリダイズするために十分に相補的なセンス鎖からなる、iRNA剤。
【請求項2】
生物学的試料中におけるiRNA剤の安定性の増大を引き起こす修飾を含んでなる請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項3】
ホスホロチオエートまたは2’−OMe’修飾を含んでなる請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項4】
ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−アデニン−3’(5’−UA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−グアニン−3’(5’−UG−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−アデニン−3’(5’−CA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−ウリジン−3’(5’−UU−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−シチジン−3’(5’−CC−3’)ジヌクレオチドを含んでなる、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項5】
前記アンチセンス鎖が、配列番号6、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、および配列番号24からなる群から選択される配列を含んでなる、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項6】
前記iRNA剤のセンス鎖が、配列番号5、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、および配列番号23から群から選択される配列を含んでなる、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項7】
前記アンチセンス鎖がSNCA RNAの多型に対して相補的である配列を含んでなる、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項8】
前記アンチセンス鎖が、SNCA RNAの5’非翻訳領域(UTR)または3’UTRのヌクレオチド配列に対して相補的な配列を含んでなる、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項9】
前記iRNA剤が少なくとも21ヌクレオチド長であり、かつ該iRNAの二本鎖領域が約18〜25ヌクレオチド長である、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項10】
dsRNAのアンチセンスRNA鎖が25ヌクレオチド長以下である、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項11】
1〜4個の非対合ヌクレオチドを有するヌクレオチド突出部を含んでなる、請求項1に記載のiRNA剤。
【請求項12】
前記ヌクレオチド突出部がiRNA剤のアンチセンス鎖の3’末端にある、請求項11に記載のiRNA剤。
【請求項13】
ヒトを治療する方法であって、
神経変性障害を有するか、または神経変性障害を発症するリスクがあると診断されたヒトを同定する工程、ならびに
α−シヌクレイン(SNCA)RNAのヌクレオチド配列に対して相補的なアンチセンス鎖、および該アンチセンス鎖にハイブリダイズするために十分に相補的なセンス鎖からなるiRNA剤を投与する工程
からなる方法。
【請求項14】
前記iRNA剤が、生物学的試料中における該iRNA剤の安定性の増大を引き起こす修飾を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記iRNA剤がホスホロチオエートまたは2’−OMe修飾を含んでなる請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記iRNA剤が、ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−アデニン−3’(5’−UA−3’)ジヌクレオチド、または、5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−グアニン−3’(5’−UG−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−アデニン−3’(5’−CA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−ウリジン−3’(5’−UU−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−シチジン−3’(5’−CC−3’)ジヌクレオチドを含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記アンチセンス鎖が、配列番号6、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、および配列番号24からなる群から選択される配列を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記iRNA剤のセンス鎖が、配列番号5、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、および配列番号23からなる群から選択される配列を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記iRNA剤のアンチセンス鎖がSNCA RNAの多型に対して相補的な配列を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記iRNA剤のアンチセンス鎖がSNCA RNAの5’UTRまたは3’UTRのヌクレオチド配列に対して相補的な配列を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記ヒトがParkin遺伝子またはユビキチンカルボキシ末端ヒドロラーゼL1(UCHL1)遺伝子中に遺伝子変異を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記ヒトがSNCAの遺伝子の多重化を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
ヒトがSNCAの遺伝子の二重化を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ヒトがSNCAの遺伝子の三重化を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記神経変性障害がシヌクレイン症である、請求項13に記載の方法。
【請求項26】
前記神経変性障害がパーキンソン病である、請求項13に記載の方法。
【請求項27】
前記神経変性障害がアルツハイマー病、多系統萎縮症、またはレーヴィ小体痴呆である、請求項13に記載の方法。
【請求項28】
前記iRNA剤が少なくとも21ヌクレオチド長であり、かつ該iRNA剤の二本鎖領域が約18〜25ヌクレオチド長である、請求項13に記載の方法。
【請求項29】
前記iRNA剤のアンチセンスRNA鎖が25ヌクレオチド長以下である、請求項13に記載の方法。
【請求項30】
前記iRNA剤が1〜4個の非対合ヌクレオチドを有するヌクレオチド突出部を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項31】
前記ヌクレオチド突出部が前記iRNA剤のアンチセンス鎖の3’末端にある、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
α−シヌクレイン遺伝子を標的とするiRNA剤、および
薬学的に許容可能な担体
からなる薬学的組成物であって、
前記iRNA剤は、α−シヌクレイン(SNCA)RNAのヌクレオチド配列に対して相補的なアンチセンス鎖、および該アンチセンス鎖に対してハイブリダイズするために十分に相補的なセンス鎖からなることを特徴とする、薬学的組成物。
【請求項33】
前記iRNA剤が、生物学的試料中における該iRNA剤の安定性の増大を引き起こす修飾をさらに含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項34】
前記iRNA剤がホスホロチオエートまたは2’−OMe修飾をさらに含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項35】
前記iRNA剤が、ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−アデニン−3’(5’−UA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−グアニン−3’(5’−UG−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−アデニン−3’(5’−CA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−ウリジン−3’(5’−UU−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−シチジン−3’(5’−CC−3’)ジヌクレオチドを含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項36】
前記iRNAのアンチセンス鎖が、配列番号6、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、および配列番号24からなる群から選択される配列を含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項37】
前記iRNA剤のセンス鎖が、配列番号5、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、および配列番号23からなる群から選択される配列を含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項38】
前記iRNA剤がホスホロチオエートまたは2’−OMe修飾を含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項39】
前記iRNA剤が少なくとも21ヌクレオチド長であり、かつ該iRNA剤の二本鎖領
域が約18〜25ヌクレオチド長である、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項40】
前記iRNA剤のアンチセンスRNA鎖が25ヌクレオチド長以下である、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項41】
前記iRNA剤が1〜4個の非対合ヌクレオチドを有するヌクレオチド突出部を含んでなる、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項42】
前記ヌクレオチド突出部が前記iRNA剤のアンチセンス鎖の3’末端にある、請求項41に記載の薬学的組成物。
【請求項43】
対象の細胞中のSNCA RNAの量を低減する方法であって、
α−シヌクレイン(SNCA)RNAのヌクレオチド配列に対して相補的なアンチセンス鎖、および該アンチセンス鎖に対してハイブリダイズするために十分に相補的なセンス鎖からなるiRNA剤と細胞を接触させる工程を包含する方法。
【請求項44】
前記iRNA剤が、生物学的試料中における該iRNA剤の安定性の増大を引き起こす修飾をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記iRNA剤がホスホロチオエートまたは2’−OMe修飾をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記iRNA剤は、ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−アデニン−3’(5’−UA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−グアニン−3’(5’−UG−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−アデニン−3’(5’−CA−3’)ジヌクレオチド、または5’−ウリジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−ウリジン−ウリジン−3’(5’−UU−3’)ジヌクレオチド、または5’−シチジンが2’−修飾ヌクレオチドである少なくとも1つの5’−シチジン−シチジン−3’(5’−CC−3’)ジヌクレオチドをさらに含んでなる、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記iRNA剤が、配列番号6、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、および配列番号24からなる群から選択される配列を含んでなるアンチセンス鎖を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記iRNA剤が、配列番号5、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、および配列番号23からなる群から選択される配列を含んでなるセンス鎖を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記iRNA剤がSNCA RNAの多型に対して相補的な配列を含んでなるアンチセンス鎖を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記iRNA剤が少なくとも21ヌクレオチド長であり、かつ該iRNA剤の二本鎖領域が約18〜25ヌクレオチド長である、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
前記iRNA剤のアンチセンスRNA鎖が25ヌクレオチド長以下である、請求項43に記載の方法。
【請求項52】
前記iRNA剤が1〜4個の非対合ヌクレオチドを有するヌクレオチド突出部を含んで
なる、請求項43に記載の方法。
【請求項53】
前記ヌクレオチド突出部が前記iRNA剤のアンチセンス鎖の3’末端にある、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
iRNA剤を作製する方法であって、
SNCA mRNAのヌクレオチド配列から18〜25ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を選択する工程、および
iRNA剤のセンス鎖が選択されたヌクレオチド配列からなり、かつアンチセンス鎖が該センス鎖にハイブリダイズするために十分に相補的であることを特徴とするiRNA剤を合成する工程
を含む方法。
【請求項55】
前記iRNA剤を対象に投与する工程をさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記対象がシヌクレイン症を有すると診断される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記対象がパーキンソン病、アルツハイマー病、多系統萎縮症、またはレーヴィ小体痴呆を有すると診断される、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記対象がヒトである、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
SNCA核酸を標的とするiRNA剤を評価する方法であって、
アンチセンス配列がSNCA mRNAのヌクレオチド配列に対して相補的であり、かつセンス鎖が該アンチセンス鎖にハイブリダイズするために十分に相補的であるiRNA剤を供給する工程;
SNCA遺伝子を含む細胞に該iRNA剤を接触させる工程;
細胞に該iRNA剤を接触させる前と細胞に該iRNA剤を接触させた後のSNCA遺伝子の発現を比較する工程;ならびに
該iRNA剤がSNCA遺伝子の発現を阻害するために有用であるか否かを決定する工程であって、細胞中に存在するSNCAのRNAまたはタンパク質の量が、細胞にiRNA剤を接触させる前の量よりも少ない場合に該iRNAが有用であることを特徴とする工程、
を含む方法。
【請求項60】
前記比較工程が、ノーザンブロット、ウェスタンブロット、RT−PCR、およびRNAse保護アッセイからなる群から選択される方法を実行することからなる、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
SNCAの発現を阻害する能力について薬剤を評価する方法であって、候補薬剤を供給する工程、および該薬剤が動物におけるSNCAの発現を減少させるか否かを決定する工程を含む方法。
【請求項62】
第1の試験系で薬剤を評価する前工程、および所定のレベルの変化が見られる場合には、前記動物中で該候補薬剤を評価する工程を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
2つの試験系を使用し、第1の試験系が、第2の動物の系よりも少なくとも100倍多い化合物をスクリーニングするために使用される高スループット系である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
第1の試験系が、
SNCA標的、SNCA RNA標的、またはDNA標的と候補薬剤を接触させ、標的との相互作用が存在するか否かを決定することを含む試験系;
細胞と候補薬物とを接触させ、SNCA発現の変化を評価することを含む試験系;
候補薬剤をin vitroで組織試料と接触させ、SNCAまたはSNCA RNAのレベルを評価することを含む試験系
から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記第1の系が、SNCAまたはSNCA RNAを(内在性遺伝子または外来構築物から)発現可能な細胞と前記候補薬剤を接触させる工程、およびSNCAまたはSNCA
RNAのレベルを評価する工程を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第1の系が、SNCA制御領域からRNAまたはタンパク質を発現可能な細胞と前記候補薬剤を接触させる工程、およびRNAまたはタンパク質のレベルに対する効果を決定する工程を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記第1の系が、異種マーカータンパク質に結合したSNCA制御領域からRNAまたはタンパク質を発現可能な細胞と前記候補薬剤を接触させる工程を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記動物を薬剤の効果についてモニターする、請求項61に記載の方法。
【請求項69】
脳組織または眼組織をSNCA発現に対する薬剤の効果について試験する、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記決定する工程が、ノーザンブロット、ウェスタンブロット、RT−PCR、およびRNAse保護アッセイからなる群より選択される方法を実行することを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項71】
前記薬剤が、低分子、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、またはタンパク質、ポリペプチド、もしくはペプチドである、請求項61に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【公表番号】特表2007−528367(P2007−528367A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533636(P2006−533636)
【出願日】平成16年6月9日(2004.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/018271
【国際公開番号】WO2005/004794
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(505369158)アルナイラム ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】ALNYLAM PHARMACEUTICALS, INC.
【出願人】(598091963)マヨ ファウンデーション フォー メディカル エデュケーション アンド リサーチ (17)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月9日(2004.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/018271
【国際公開番号】WO2005/004794
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(505369158)アルナイラム ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】ALNYLAM PHARMACEUTICALS, INC.
【出願人】(598091963)マヨ ファウンデーション フォー メディカル エデュケーション アンド リサーチ (17)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]