説明

移動体用ナビゲーシヨン装置

【目的】 推奨経路をその進行方向が分かるように表示手段に示す移動体用ナビゲーション装置を得る。
【構成】 CD−ROM3A,操作部5A,自立航行型位置センサ6からの信号により処理装置1Aにより現在地と進行方向の演算、経路探索、及びディスプレイ4の表示制御等を行う。操作部5Aにより目的地を設定し、処理装置1Aにより推奨経路を探索し、ディスプレイ4に推奨経路を示す推奨経路マークを推奨経路の向きが識別できるデザインで表示する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地図の表示上に、検出された移動体の現在地と目的地間、或いは入力設定された出発地と目的地間の推奨経路を表示する移動体用ナビゲーション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は例えば特開平2−28800号公報に示された従来のナビゲーション装置を示す構成例であり、1はマイクロコンピュータ構成の処理装置であり、CPU11,ROM12,RAM13及び入出力インターフェイス14がバス15で接続されている。2は交通情報用受信機であり、例えば交通情報センターより準マイクロ波方式、誘導無線方式或いはFM多重方式等に依り、渋滞、工事、規制等の交通情報を受信する。
【0003】3はコンパクトディスクプレーヤーであり、道路地図を記憶している読み出し専用の外部記憶手段であるCD−ROM(コンパクトディスク・リードオンリーメモリー)を内蔵している。4は前記CD−ROMの地図データ、或いは交通情報用受信機2で受信した交通情報を処理装置1により処理し、画像信号に変換し表示する例えばCRT等のディスプレイである。5は運転者等が操作する為の操作部、6は自立航行型位置センサであり、方位センサ、距離センサからなり、これらセンサ信号を処理装置1により演算処理し、移動体の現在地を特定するものである。
【0004】次に動作について図7のフローチャートについて説明する。ステップ201においては、操作部5の操作により出発地点、目的地の指定、経路の選択条件等が入力され、入力データに従った地図情報がコンパクトディスクプレーヤー3から読み出され、ディスプレイ4に表示される。ここで経路の選択条件(例えば最短距離、最短時間等)が選択されれば、処理装置1により候補ルートが探索される。
【0005】ステップ202では、既に候補ルートが入力されているかの判断を行なう。候補ルートが入力されていなければステップ203に進み、操作部5より候補ルートを入力する。ステップ204はステップ203にて入力された候補ルートに対し他のルートを探索する為の制限条件(候補ルートから一定距離以内の探索等)を加えて探索する為のステップである。ステップ205は交通情報用受信機2から入力された交通情報、及びルート選択条件によりステップ204で探索されたルートから最も推奨するルートを選択するステップであり、選択されたルートはステップ206において図8(a)の30に示す様にディスプレイ4に表示される。
【0006】ステップ207は移動体が目的地に到着したか否かの判定であり、目的地に着けば終了となる。目的地に到着しない場合は、再度ステップ201に戻り上記ルーチンを繰り返すが、この時は、ステップ202では候補ルートは既に入力されている為ステップ208に進む。
【0007】交通情報の変化、或いはルート選択条件が無ければステップ208からステップ201に戻るが、条件の変化が有った場合はステップ205に進み、再探索が行なわれ、ステップ206で表示例として図8(b)に示すように再度変更表示が行なわれる。この図では、交通情報用受信機2により渋滞情報を受信した結果、渋滞表示をするとともに、推奨経路が変更され、さらに42の地点で事故が有ったことを表示している。その結果、移動体の現在位置41から目的地への推奨経路が40のように再探索されて表示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の移動体用ナビゲーション装置は以上の様に構成されており、探索した出発地から目的地までの推奨経路を太線で表示するのみで経路の誘導方向までは表示しないので、地理不案内な土地で一旦推奨経路を外れ、道路を旋回し、方向感覚を失うと、再び推奨経路に戻っても、表示装置の画面内に出発地あるいは目的地がない場合は、誘導方向が分からないなどの問題点があった。
【0009】この発明は上記のような問題点を解消する為になされたもので、推奨経路をその進行方向が分かるように表示手段に示す移動体用ナビゲーション装置を得る事を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の移動体用ナビゲーション装置は、推奨経路を誘導する場合に、推奨経路をその進行方向が分かるように表示手段に表示するものである。
【0011】
【作用】この発明に係る移動体用ナビゲーション装置は、表示手段に表示した経路誘導方向を、移動体の乗員が容易に認識することができ、推奨経路を走行するものである。
【0012】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明する。図1はこの発明の一実施例による移動体用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図2は移動体の乗員により操作される操作部の模式図である。
【0013】図1において、1Aは移動体の現在地と走行方向の演算、地図情報、目的地情報、現在地情報(または出発地情報)をもとにその誘導方向を含む推奨経路の探索の演算処理、地図、現在地、推奨経路等の表示の制御等を行う例えばマイクロコンピュータ構成の処理装置である。3は地図情報を記憶するCD−ROM3Aからその地図情報を再生するコンパクトディスクプレーヤー、4はCD−ROM3Aの地図データ等を処理装置1Aにより処理し、画像信号に変換し表示するディスプレイである。
【0014】5Aは運転者等が操作して目的地等を処理装置1Aに入力する為の操作部、6は自立航行型位置センサであり、移動体の進行方向を検出する方位センサと移動距離を検出する距離センサからなり、これらセンサ信号を処理装置1Aにより演算処理し、移動体の走行現在地を特定するものである。
【0015】図2において、21は所要の地図情報の読出しを指示するための地図スイッチ、22は目的地を入力設定するための目的地設定スイッチ、23は地図等を拡大表示するための拡大スイッチ、24は同じく縮小表示するための縮小スイッチ、25A,25B,25C,25Dは表示された地図等を上下,左右方向にスクロールするためのスクロールスイッチである。
【0016】次に図1および図2を参照して、一実施例の動作について説明する。処理装置1Aは自立航行型位置センサ6の信号より移動体の現在地と走行方向を逐次演算する。地図スイッチ21を操作すると、処理装置1Aは演算した現在地の位置座標周辺の地図情報を、コンパクトディスクプレーヤー3を通じてCD−ROM3Aより読み出し、ディスプレイ4に、地図と、現在地マークを表示する。
【0017】一方、目的地設定スイッチ22により目的地を設定すると、処理装置1Aは、現在地から目的地までの推奨経路と誘導経路の向きを演算する。そして、処理装置1Aは、ディスプレイ4の地図等の表示上に、その演算結果である推奨経路マークを表示する。
【0018】図3は、移動体の現在地を推奨経路の出発地とし、地図と移動体の現在地を示す現在地マーク27と、目的地までの推奨経路に沿った推奨経路マーク28を表示したディスプレイ4の一画面例である。推奨経路マーク28は図3に示すように、経路誘導の向きが識別できるデザインで表示する。移動体が移動すると、それに伴い移動体の位置が常にディスプレイ4に表示した地図の中心になるように、地図がスクロールする。
【0019】移動体の走行とともに地図がスクロールすると、出発地がディスプレイ4に表示した地図より外れる。出発地と目的地間が相当近くない限り、このときまだ目的地はディスプレイ4に表示した地図より外れているのが一般的である。図4は移動体の乗員の都合により、一時的に推奨経路を外れたり、あるいは間違えて推奨経路以外の道路を走行し、再び推奨経路に戻るときのディスプレイ4の表示例である。図4に示すように、ディスプレイ4に表示した地図に、出発地も目的地も含まれていなくても、それらの間の推奨経路をその進行方向とともに示す推奨経路マーク28のデザインにより、移動体の乗員は推奨経路の進行方向を容易に認識することができる。
【0020】以上が一実施例の移動体用ナビゲーション装置の基本動作であるが、続いてフローチャートにより、処理装置1Aの地図表示に関する基本動作について説明する。図5は本実施例の処理装置1Aの動作を示すフローチャートである。図5において、まずステップ101で、地図スイッチ21から操作信号を受信すると、ステップ102で、現在地の位置座標周辺の地図データをコンパクトディスクプレーヤー3を通じてCD−ROM3Aより読み出し、現在地の位置座標を中心に、ディスプレイ4に表示する。
【0021】次にステップ103で、ディスプレイ4に表示した地図の中心に、現在地マーク27を表示する。ステップ104で、目的地設定済と判断すると、ステップ105で、目的地を設定した時に処理装置1Aが演算した推奨経路に基づき各推奨経路マーク28を、経路誘導の方向に向けてディスプレイ4に表示する。ステップ104で、目的地設定済でないと判断すると、ステップ105をジャンプする。
【0022】上記実施例では、出発地について詳細に述べなかったが、移動体位置検出手段により検出したある1つの現在地をその推奨経路の出発地としてもよいし、操作手段によりその出発地を入力して経路探索するようにしてもよい。
【0023】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば地図上に目的地までの推奨経路をその進行方向が分かるように表示するように構成したので、走行中、推奨経路の進行方向が認識可能となり、誘導中一旦推奨経路を外れても、間違わず確実に目的地に到達できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による移動体用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例のシステムの操作部の模式図である。
【図3】この発明の一実施例のディスプレイの表示画面例の図である。
【図4】この発明の一実施例のディスプレイの表示画面例の図である。
【図5】この発明の一実施例の処理装置の基本動作を示すフローチャートである。
【図6】従来の移動体用ナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図7】従来例の移動体用ナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】従来例の移動体用ナビゲーション装置の表示画面例の図である。
【符号の説明】
1A 処理装置
3 コンパクトディスクプレーヤー
3A CD−ROM
4 ディスプレイ
5A 操作部
6 自立航行型位置センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 地図データを記憶し、再生する地図データ記憶再生手段と、移動体の現在地を検出する移動体位置検出手段と、少なくとも目的地を入力するための操作手段と、地図情報、目的地情報、および移動体の現在地情報または入力設定される出発地情報とに基づいて、目的地までの推奨経路とその進行方向を探索する経路探索手段と、地図情報および移動体の現在地を表示し、かつ推奨経路をその進行方向が分かるように表示する表示手段とを備えたことを特徴とする移動体用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【図8】
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【図7】
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