説明

移動及び変形可能なキッチンカウンタ

【課題】 キッチンに備えられるキッチンカウンタであるとともに、多くの目的で使用可能な構造を有するキッチンカウンタを提供する。
【解決手段】 複数の枠材を立体的に組み合わせて形成した枠構造体及び該枠構造体に取り付けられたパネルを有する箱体(101)と、箱体の上方に水平の姿勢で具備され、端部の少なくとも一部が箱体側面より水平方向に100mm以上突出して配置される板材である天板(110)と、一端側を箱体の上部に、他端側を天板の下面に固定され、他端側が鉛直方向上下に移動することが許容されるとともに、複数の鉛直方向上下位置でその姿勢を留め置くことが可能である昇降機構(120)と、箱体の下部に設けられた車輪(130)とを備えることにより、天板を鉛直方向上下に昇降させて全高を変化させることが可能であるとともに、車輪で自在に移動することができることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建物に備えられたキッチンスペースで使用するキッチンカウンタに関し、詳しくは、キッチンカウンタとして利用可能であるのみでなく、容易な操作で、ダイニングテーブルやデスク等にも利用可能な姿勢に変形及び移動ができるキッチンカウンタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家族構成の変化や子供達の成長を考慮し、状況に応じて住宅の内装や装備の変更をするために、あらかじめ、備えられた装備を移動できるような構造及び構成にしておきたいという需要が高まっている。また、このように長いスパンだけでなく、日常においても、1つの設備に多くの機能を備えた上で移動可能とし、多くの設備を購入せずに、スペースを有効に使用したいという要望も高まってきている。
【0003】
かかる状況において、住宅等におけるキッチンは、生活の基本を構成するために必要不可欠なスペースとして多くの住宅等に備えられており、キッチンで使用する設備を他の目的で使用できれば、非常に便利である。キッチン設備の中で、キッチンスペースとダイニングスペースとの境界に位置し、該2つのスペースを連通させた開口を有する形式であるカウンタキッチンと呼ばれるものがある。これは、キッチンとダイニングとがカウンタを介して連通して配置されている。これにより使用者がダイニングにいる家族とコミュニケーションを取ったり、ダイニングの様子を確認したり出来るので、キッチン使用者の快適性、利便性が向上し、需要が高まっている。
【0004】
このようなカウンタキッチンに使用されるキッチンカウンタにも多種多様な形式があり、住宅や建物に合わせて適用されている。その中でもアイランドカウンタと呼ばれる形式のキッチンカウンタは、アイランド、つまり島のようにカウンタを壁から離して独立して配置したキッチンカウンタである。これによりキッチンとダイニングとがさらに開放され、連帯感を得た感覚となり、キッチン使用者が孤立せず、複数人で協力して調理する時等にも快適に作業をすることができる。
【0005】
従来において、このアイランドカウンタについては、上述のような多くの機能を備えるとともに移動可能としたものは提案されていない。これまでには、キッチン周りで使用するものとして、アイランドカウンタではなく、移動可能ないわゆるキャビネットやワゴン、あるいはキッチンそのものに関して特許文献1〜5が開示されているのみである。
【0006】
特許文献1のフロアーキャビネットは、台輪により高さを調節する代わりに、キャビネットの天板を昇降することで、キャビネットの高さを変化させることができるというものである。また、特許文献2の流し台は、流し台や調理機器を備えたキッチンユニット自体を移動可能にしたものである。
【0007】
特許文献3のワゴンは通常時には収納されているワゴンを、必要に応じて移動させ、作業台として利用するもので、そのときに天板を昇降させることによりキッチンカウンタと高さを合わせる事ができる。特許文献4のキッチン装置に関しても、天板を昇降させることにより高さを合わせる事ができるとともに、ジャッキ等としての利用も可能であるとしたワゴンについて記述している。特許文献5のキッチンカウンタは、台部と収納部とが分離可能とされ、そのうちの台部が移動可能となっている。
【特許文献1】実開平6−58729号公報
【特許文献2】実公平8−947号公報
【特許文献3】特開平7−213352号公報
【特許文献4】特許第3055053号公報
【特許文献5】特開2002−204725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1のフロアーキャビネット、特許文献3のワゴン及び特許文献4のキッチン装置は、作業台として補助的に使用するための構造となっており、例えば該キャビネットの周りに椅子を配置してテーブルとして利用することができる構造とはなっていない。従って、上述したような、キッチンで使用する設備を他の目的で使用するということには必ずしも適していない構造であるという問題があった。
【0009】
また、特許文献2の流し台は、流し台そのものを移動できるものの、キッチンで使用する設備を他の目的で使用するということには必ずしも適していない構造であるという問題があった。
【0010】
特許文献5のキッチンカウンタは、台部を移動可能とすることによりキッチンカウンタを他の目的で使用可能な構成とされているものの、移動がレールに沿ったものとなり、移動範囲に自由度が低いという問題があった。
【0011】
そこで、本発明はキッチンに備えられるキッチンカウンタであるとともに、多くの目的で使用可能な構造を有するキッチンカウンタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、鋭意検討の結果、キッチンカウンタとしてのみではなく多目的に利用することができるキッチンカウンタを開発した。以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0013】
請求項1の発明は、複数の枠材を立体的に組み合わせて形成した枠構造体及び該枠構造体に取り付けられたパネルを有する箱体(101)と、箱体の上方に水平の姿勢で具備され、端部の少なくとも一部が箱体側面より水平方向に100mm以上突出して配置される板材である天板(110)と、一端側を箱体の上部に、他端側を天板の下面に固定され、他端側が鉛直方向上下に移動することが許容されるとともに、複数の鉛直方向上下位置でその姿勢を留め置くことが可能である昇降機構(120)と、箱体の下部に設けられた車輪(130)とを備えることにより、天板を鉛直方向上下に昇降させて全高を変化させることが可能であるとともに、車輪で自在に移動することができることを特徴とするキッチンカウンタ(100)を提供することにより前記課題を解決する。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1に記載のキッチンカウンタ(100)は、車輪(130)が該車輪を上下に移動可能とする車輪収納機構(140)を介して箱体(101)の下部に取り付けられることにより、車輪を上方に移動させて車輪を箱体の内部へ収納し、車輪を床面から離すことができるとともに、車輪を下方に移動させて車輪を箱体の下面の下方に突出して配置し、車輪のみを床面に設置して配置することができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、天板を昇降可能とすることにより、使用目的に応じた高さのキッチンカウンタとすることができ、キッチンカウンタとしてのみではなく、様々な目的に使用可能となる。また、天板の一部を箱体の側面に対して水平方向に相当量突出して延設することにより、キッチンカウンタの横に椅子を配置し、該椅子に座った使用者が、自分の膝等を箱体に当てることなく天板を使用して作業をすることができる。これにより椅子に座って快適に作業することが可能なキッチンカウンタにもなる。さらに、下部に車輪を備えることにより、キッチンカウンタの移動が可能となるため、使用者の利便性を向上させることができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、移動しないときには箱体の下部に備えられた車輪を箱体内部に収納できるので、キッチンカウンタは、その下面全体で床面と接し、非常に高い安定感を得ることができる。一方移動時には、車輪を箱体の下面から下方に突出させることによって、キッチンカウンタは車輪を介して床面と接しているので、移動が非常に容易であり、使用者の利便性及び快適性を向上させることができる。
【0017】
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0019】
図1は、本発明の1つの実施形態にかかるキッチンカウンタ100の斜視図である。キッチンカウンタ100は、複数の枠材を立体的に組み合わせて形成される枠構造体及び該枠構造体に固定されたパネルを具備する箱体101と、該箱体101の上方に設けられた天板110とを備えている。また、キッチンカウンタ100には、箱体101に一方の端部を、天板110の下面に他方の端部を取り付けられた昇降機構120(図2参照)が取り付けられている。これにより、天板110は昇降可能となっている。さらに、箱体101は、その下部に、車輪130(図2参照)と、該車輪130(図2参照)を箱体101の下面から突没可能にする車輪収納機構140(図2参照)とを主要部材として備えている。よって、車輪130を箱体101の内側へ収納すれば、箱体101の下面が床に接し、車輪130を箱体101の下面より下方へ突出させて配置すれば、箱体101の下面は床面から浮き上がり、車輪130のみが床面に接する。車輪130の箱体101の下面からの突没についての詳細は後で説明する。
【0020】
また、箱体101には、引き出し102、103やキャビネット104等の収納部が設けられ、利用者の利便性を向上させている。
【0021】
図2は、キッチンカウンタ100の平面図である。図2(a)は上面図、図2(b)は正面図、図2(c)は側面図である。図2(c)においては、箱体101の下部を破断面により示し、箱体101の内部に備えられた車輪130、130と車輪収納機構140とを示した。図2により天板110、昇降機構120、120、120、120、車輪130、130及び車輪収納機構140について説明する。天板110は、図2(a)のようにキッチンカウンタ100上方から見ると略長方形を有しており、そのうちの一辺が円弧状に湾曲している。また、図2(b)のように正面から見ると、天板110は、箱体101より広い幅を有しており、両端部は箱体101の両側面に対して外側に突出して配置されている。さらに図2(c)のように、キッチンカウンタ100を側面から見ると、キッチンカウンタ100の奥行き方向に関しても、天板110は、箱体101に比べて大きく形成されている。特に天板110の奥行き方向の両端部のうち、一方の端部(図2(c)においては紙面右側端部)は他方の端部に比べて、箱体101の側面に対してさらに大きく突出させて配置されている。該大きく突出させた部分は、箱体101の側面に対して水平方向に少なくとも100mm以上の量を突出させて形成されている。
【0022】
昇降機構120、120、120、120は、図2(a)に破線で示したように、キッチンカウンタ100の箱体101の上面4隅近くのそれぞれに合計4つ取り付けられている。昇降機構120、120、120、120はその一端側を箱体101に、他端側を天板110に略鉛直に取り付けられている。昇降機構120、120、120、120は、入れ子式に伸縮可能に取り付けられており、天板110に取り付けられた端部を鉛直方向上下に移動可能であるとともに、複数の所定位置で固定できるようになっている。これにより、昇降機構120、120、120、120に取り付けられた天板110の上下位置を変えることができる。
【0023】
昇降機構に適用する昇降のための機構は、昇降機構120に限定されるものではなく、通常当業者により適用される昇降機構を用いることができる。また、昇降機構120についても図2のように4つの昇降機構120、120、120、120を使用することに限定されない。例えば3つの昇降機構としても良いし、4つ以上の昇降機構120を用いても良い。いずれにおいても、昇降機構により天板の上下方向位置を変化させることができ、上下方向変更後において天板が略水平で安定した状態で配置されるものであれば良い。
【0024】
箱体101の下部で内部である位置には、図2(c)の破断面部分に示したように、車輪収納機構140及び該車輪収納機構140に取付けられた車輪130、130が備えられている。車輪は箱体下部の4隅近くのそれぞれに合計4つ設けられている。該車輪を車輪収納機構によって箱体の下面から下方へ突出させたり、収納させたりすることができる。その具体的な様子は後で説明する。
【0025】
以上のような構造のキッチンカウンタ100とすることにより、キッチンに備えられるキッチンカウンタであるとともに、多くの目的で使用可能な構造を有するキッチンカウンタを提供することができる。
【0026】
図3は、キッチンカウンタ100の天板110の一端が箱体101の側面に対して水平方向に大きく突出した部分の近くに椅子613を配置した場面におけるキッチンカウンタ100及び椅子613の側面図である。前述のように天板110には、該天板110の一端が箱体101の側面に対して水平方向に相当量突出して配置される突出部110bが設けられている。これにより、突出部110bの近くに椅子を配置して、該椅子に使用者が座り、天板110の上で作業や食事を快適にすることができる。もしこの突出部110bがないとすれば、使用者が天板で作業したり食事をしたりしようとすると、使用者の膝等が箱体に当たってしまい、使用者に不快な感覚を与える。それでも天板を利用しようとすれば、使用者は非常に不自然な姿勢を取らざるを得ず、使用者の健康に害を与えかねない。キッチンカウンタ100では、天板110の構造により、キッチンカウンタとしての利用に留まらず、このように椅子を配置して座っても使用者が快適に利用できる。これによりキッチンカウンタ100は多くの使用目的を満たすキッチンカウンタとすることができる。
【0027】
図4は、キッチンカウンタ100の天板110を昇降した2つの場面を示したキッチンカウンタ100の正面図及び側面図である。図4(a)は天板110の最も低い位置におけるキッチンカウンタ100、図4(b)は天板110を上げた一場面におけるキッチンカウンタ100を示している。天板110は、前述の機構により昇降可能であるとともに複数の位置でその姿勢を維持することができるようになっている。図4はそのうちの2つの場面を示したものであり、実際には他の高さにも安定して配置させることが可能である。天板110をこのように昇降可能にすることで、例えばキッチンカウンタとして利用するときにはキッチンの高さに調整可能なので、立ち仕事に好適な高さとすることができる。また、ダイニングテーブルにつなげて利用する場合には、該ダイニングテーブルの上面に面一になるように高さを調整すればテーブルを拡張することもできる。また、図3で示したように椅子に座ってデスクワーク等をしたい場合には、通常のデスクと同じ高さに調整し、座って仕事をするのに好適なキッチンカウンタ100となる。
【0028】
図5は、箱体101の下部を示す破断面である。図5で車輪130、130及び車輪収納機構140について説明する。図5(a)は、車輪130、130が収納された場面、図5(b)は車輪130、130が箱体101の下面より下方に突出した位置に配置された場面を示している。図5はカウンタ100の側面図における箱体101下部の破断面なので、車輪は図5で示した車輪130、130の他に紙面奥方向にさらに2つの車輪を備えている。ここでは、紙面奥側に備えられた他の2つの車輪についても、図5に示した車輪130、130と同様の構造となっているので、紙面手前にある2つの車輪130、130についてのみ説明する。車輪収納機構140は基体140aを備えている。該基体140aには、その下面に車輪130、130が取り付けられている。この基体140aを上下方向を含む方向に移動をさせることにより、車輪130、130を箱体101の下面から突没させている。車輪収納機構140には、基体140aを上下方向を含む方向に移動をさせるため、一端を箱体101に回動可能に取り付けられ、他端を基体140aに回動自由に取り付けられた部材140b、140cが備えられている。車輪収納機構140では、基体140aに紙面右方向に押す力を加えることで、部材140b及び部材140cを箱体101側回動軸を中心に回動させ、基体140aを上下方向を含む方向に移動させている。以上により車輪130、130を箱体101の下面から突出させることができる。また逆の操作により車輪130、130を箱体101の下部に収納することができる。
【0029】
このように、車輪130、130を箱体101に突没可能に備えることにより、車輪収納時には、キッチンカウンタ100は、箱体101の下面が床に接して配置されるので床との設置面積を多く確保することができ、作業の時の安定感を得ることができる。また、車輪130、130を箱体101の下面から下方に突出させて配置した場合には、キッチンカウンタ100は車輪によってのみ床と接地しているので、その移動が容易となり、使用者の移動の負担を大幅に軽減することができる。
【0030】
車輪130、130を箱体101の下面から突没させるための機構は、図5に示した機構によるものに限定される必要はなく、他の機構によるものであっても良い。通常当業者により適用される車輪を箱体101の下面から突没させるための機構のあらゆるものを適用することができる。
【0031】
以上のような構造を有するキッチンカウンタ100とすることにより、キッチンカウンタ100は、使用者にとって利便性の高いキッチンに備えられたキッチンカウンタであるとともに、多くの目的で使用可能な構造を有するキッチンカウンタを提供することができる。
【0032】
キッチンカウンタ100の使用される場面を以下に説明する。図6は、キッチンカウンタ100が配置された住宅600の2階部分上面図である。住宅600の2階部分は、キッチンとダイニングとが一体となった空間610と、リビング620とを主要な空間として備えている。その他に、階段650やトイレ640等、通常の住宅が備える設備、スペースを有している。また、キッチンとダイニングとが一体となった空間610には、キッチン611と、ダイニングテーブル612とが配置されている。また、リビング620はソファー621と、テレビ622とを備えている。建物の間取りやその中に備えられる物は特に限定されるものではない。
【0033】
上述のように、本発明のキッチンカウンタ100は多くの目的で使用することが可能であるので、図6ではその例として、キッチンカウンタ100の配置を示した。キッチンカウンタ100は、図6に示した配置に限られるものではなく、あらゆる用途に利用することが可能である。図6(a)は、キッチンカウンタ100をアイランドカウンタとして利用している場面を示したものである。図6(a)においては、キッチンカウンタ100は、キッチンとダイニングとの間に配置され、キッチンカウンタとして本来の目的で使用されている。この場合には、キッチンカウンタ100は、キッチン使用者に作業スペースを提供し、快適な作業を助ける。さらに、キッチン使用者がダイニングにいる家族等とキッチンカウンタ100越しにコミュニケーションをとることができ、使用者は利便性よく快適に過ごすことができる。この際、キッチンカウンタ100の天板110の高さはキッチンの高さに合わせられ、立ち仕事をするのに好適な高さとされている。
【0034】
図6(b)は、キッチンカウンタ100をダイニングテーブル612に当接して配置した場面を示した図である。このとき、キッチンカウンタ100はダイニングテーブル612に延設して配置される。これによりダイニングテーブル612が延長され、広いスペースを得ることができる。このことは、来客時において、来客と家族全員で一緒に食事をとる際にキッチンカウンタ100の周りにも椅子を配置すれば、1つの食卓を全員で囲むことができ、非常に快適な時間を過ごすことができる。また、家族のみの食事の際にも例えば多くの品を並べたいときに広いスペースを確保することができる。
【0035】
図6(c)は、キッチンカウンタ100をリビングの壁に当接させて配置した場面を示した図である。このとき、キッチンカウンタ100は、椅子に座って物を書いたり、仕事や勉強をしたりするいわゆるデスクとして利用することができる。これにより例えば主婦がキッチンカウンタ100で仕事や作業をしたり、子供がリビングで家族とともに勉強したりすることができる。
【0036】
以上をまとめてみると、図6に示した各場面において、図6(a)の場合はキッチンにおける立ち仕事に適した高さであることが望ましい。また、図6(b)の場面では、ダイニングテーブルと同じ高さになることが望ましく、さらに図6(c)の場面では、使用者の座高に応じた高さに合わせた高さになることが望まれる。また、図6(b)及び図6(c)の場面においては、椅子を配置し、該椅子に座ってキッチンカウンタ100を使用することが多いので、人が椅子に座ってキッチンカウンタ100に向かうために適した構造であることが必要である。さらには、移動しやすいことがキッチンカウンタ100の使いやすさを大きく向上させることにもなるので、移動しやすい構造であることが必要である。本発明のキッチンカウンタ100は以上のような条件を全て満たすことができ、利便性及び快適性に優れたキッチンカウンタ100とすることができる。
【0037】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うキッチンカウンタもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の1つの実施形態にかかるキッチンカウンタの斜視図である。
【図2】図1に示したキッチンカウンタの平面図である。
【図3】図1に示したキッチンカウンタにおいて、天板が箱体の側面に対して大きく突出した部分の近くに椅子を配置した場面における側面図である。
【図4】図1に示したキッチンカウンタの天板を昇降した2つの場面を示したキッチンカウンタの正面図及び側面図である。
【図5】図1に示したキッチンカウンタの箱体の下部を示す破断面である。
【図6】図1に示したキッチンカウンタが配置された住宅の2階部分上面図である。
【符号の説明】
【0039】
100 キッチンカウンタ
101 箱体
102 引き出し
103 引き出し
104 キャビネット
110 天板
120 昇降機構
130 車輪
140 車輪収納機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の枠材を立体的に組み合わせて形成した枠構造体及び該枠構造体に取り付けられたパネルを有する箱体と、
前記箱体の上方に水平の姿勢で具備され、端部の少なくとも一部が前記箱体側面より水平方向に100mm以上突出して配置される板材である天板と、
一端側を前記箱体の上部に、他端側を前記天板の下面に固定され、前記他端側が鉛直方向上下に移動することが許容されるとともに、複数の前記鉛直方向上下位置でその姿勢を留め置くことが可能である昇降機構と、
前記箱体の下部に設けられた車輪と、を備えることにより、
前記天板を鉛直方向上下に昇降させて全高を変化させることが可能であるとともに、前記車輪で自在に移動することができることを特徴とするキッチンカウンタ。
【請求項2】
前記車輪が該車輪を上下に移動可能とする車輪収納機構、を介して前記箱体の下部に取り付けられることにより、
前記車輪を上方に移動させて前記車輪を前記箱体の内部へ収納し、前記車輪を床面から離すことができるとともに、前記車輪を下方に移動させて前記車輪を前記箱体の下面の下方に突出して配置し、前記車輪のみを前記床面に接地して配置することができる請求項1に記載のキッチンカウンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−311896(P2006−311896A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135268(P2005−135268)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(302045705)トステム株式会社 (949)
【Fターム(参考)】