移動端末、移動静止判定方法、及びプログラム
【課題】移動しているかどうかの誤判定を低減すること。
【解決手段】移動しているか静止しているかを判定する移動端末は、当該移動端末の加速度情報に基づいて、運動加速度を検知する運動加速度検知部と、在圏するセルを表す情報を取得する在圏セル情報取得部と、該在圏するセルを表す情報に基づいて、在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する在圏セル情報切り替わり判定部と、該在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、運動加速度が検知されたかどうかに基づいて、当該移動端末が移動したかどうかを判定する移動静止判定部とを有する。
【解決手段】移動しているか静止しているかを判定する移動端末は、当該移動端末の加速度情報に基づいて、運動加速度を検知する運動加速度検知部と、在圏するセルを表す情報を取得する在圏セル情報取得部と、該在圏するセルを表す情報に基づいて、在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する在圏セル情報切り替わり判定部と、該在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、運動加速度が検知されたかどうかに基づいて、当該移動端末が移動したかどうかを判定する移動静止判定部とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
定期的に、自動測位を行うとともに、サービス提供者へ測位位置を通知する移動端末が知られている。移動端末は、GPSを利用して測位を行うこともある。サービス提供者には、コンテンツプロバイダや、電気通信事業者が含まれる。
【0003】
また、省電力化を図るために、移動端末では、連続歩行を行っていることを検知することや、セクタが切り替わったことを検知することが行われている。具体的には、移動端末は、連続歩行を行っていることを加速度センサにより検知し、セクタが切り替わったことを基地局からのエリア情報により検知する。連続歩行を行っていることを検知したり、セクタが切り替わったことを検知したりすることにより、移動していることや、静止していることを判定できる。移動端末は、移動中であると判定した場合に、所定の周期で、測位を行うとともに、サービス提供者へ位置通知を行う。
【0004】
移動端末に関して、静止していないが位置情報を頻繁に取得する必要がない場合に、位置情報の取得頻度を下げて消費電力を節約する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−267886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
セクタの切り替わりにより静止しているかどうかを判定する機能が動作している場合を考える。
【0007】
図1は、移動端末における移動又は静止を判定する処理(その1)を示す。
【0008】
図1において、横軸は時間である。縦軸には、Host−CPU状態と、現在の在圏セクタを表す情報と、実ユーザの動作とが示されている。
【0009】
Host−CPU状態として、監視状態が維持されている。同等の無線品質のセクタを複数検出できる移動端末は、監視状態において、アクティブ状態のセクタを頻繁に切り替えることがある。図1に示される例では、ユーザが静止状態に拘わらず、在圏セクタがBからA、AからC、CからAに切り替わる例が示される。
【0010】
在圏セクタが切り替わることによりユーザが静止状態にあるにも拘わらず移動状態であると誤判定されることがある。
【0011】
このような、在圏セクタが切り替わることによりユーザが静止状態にあるにも拘わらず移動状態であると誤判定されることを低減するために、以下に示される方法がある。
【0012】
図2は、移動端末における移動又は静止を判定する処理(その2)を示す。
【0013】
図2において、横軸は時間である。縦軸には移動しているか、静止しているかを判定する機能を有する移動静止判定部と、セクタID情報履歴テーブルと、現在の在圏セクタIDと、Host−CPU状態と、実ユーザによる動作とが示されている。
【0014】
この移動端末は周期タイマを有する。該周期タイマは時間Tが経過すると満了する。該周期タイマが満了する時間T毎に、移動端末は、当該移動端末が移動しているか静止しているかを判定する。
【0015】
該移動端末は、周期タイマが満了し、移動しているか静止しているかを判定する際に、前回までの在圏セクタを記録したテーブルを参照する。図2に示される例では、過去3回の在圏セクタが記録される。該テーブルに、現在の在圏セクタと同じセクタIDがある場合には、セクタIDが前回取得されたセクタIDと異なっていても「静止」と判定する。
【0016】
具体的に説明する。
【0017】
時間(1)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「A」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルを参照し、取得された現在の在圏セクタIDと同一のセクタIDを表す情報が無い場合に、移動と判断する。時間(1)では、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「A」と同一のセクタIDを表す情報が無いため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0018】
時間(2)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「B」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「B」と同一のセクタIDを表す情報が無いため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0019】
時間(3)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「B」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「B」と同一のセクタIDを表す情報があるため、静止と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0020】
時間(4)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「A」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「A」と同一のセクタIDを表す情報があるため、静止と判定される。該現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0021】
時間(5)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「A」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「A」と同一のセクタIDを表す情報があるため、静止と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0022】
時間(6)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「B」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「B」と同一のセクタIDを表す情報があるため、静止と判定される。該現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0023】
時間(7)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「C」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「C」と同一のセクタIDを表す情報がないため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0024】
時間(8)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「D」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「D」と同一のセクタIDを表す情報がないため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0025】
時間(9)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「E」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「E」と同一のセクタIDを表す情報がないため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0026】
時間(10)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「F」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「F」と同一のセクタIDを表す情報がないため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0027】
時間(11)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「G」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「G」と同一のセクタIDを表す情報がないため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0028】
この方法により、同等の無線品質のセクタが複数検出される場合に、アクティブ状態のセクタが頻繁に切り替わることにより、静止しているにも拘わらず移動していると誤判定されることが回避される。しかし、アクティブ状態のセクタが頻繁に切り替わっているのか、移動端末が前回在圏していたセクタに移動しているのかは判定できない。つまり、移動端末が前回在圏していたセクタに移動した場合には移動と判定されるべきであるが、上述した方法では静止と誤判定される場合がある。
【0029】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、移動しているかどうかの誤判定を低減できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
上記の課題を解決するために、本発明の移動端末は、
移動しているか静止しているかを判定する移動端末であって、
当該移動端末の加速度情報に基づいて、運動加速度を検知する運動加速度検知部と、
在圏するセルを表す情報を取得する在圏セル情報取得部と、
該在圏セル情報取得部により取得されるべき在圏するセルを表す情報に基づいて、在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する在圏セル情報切り替わり判定部と、
該在圏セル情報切り替わり判定部により在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前記運動加速度検知部により運動加速度が検知されたかどうかに基づいて、当該移動端末が移動したかどうかを判定する移動静止判定部と
を有する、移動端末として達成される。
【0031】
前記運動加速度検知部は、第1の周期で、運動加速度を検知し、
前記在圏セル情報切り替わり判定部は、前記第1の周期より長い第2の周期で、在圏するセルが切り替わったかどうかを判定し、
前記移動静止判定部は、前記在圏セル情報切り替わり判定部により在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前回の在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する処理以降に、前記運動加速度検知部により運動加速度が検知されたかどうかに基づいて、該移動端末が移動したかどうかを判定する、ように構成してもよい。
【0032】
前記移動静止判定部は、前記在圏セル情報切り替わり判定部により在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前回の在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する処理以降に、前記運動加速度検知部により運動加速度が検知された場合には、当該移動端末が移動したと判定する、ように構成してもよい。
【0033】
また、上記移動端末が実行する移動静止判定方法、上記移動端末が実行するプログラムとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0034】
開示された移動端末によれば、移動しているかどうかの誤判定を低減できる技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】移動端末における移動または静止を判定する処理(その1)を示す図である。
【図2】移動端末における移動または静止を判定する処理(その2)を示す図である。
【図3】無線通信システムの一実施例を示す図である。
【図4】移動端末の一実施例を示す図である。
【図5】移動端末の動作の一実施例を示す図である。
【図6】移動端末の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図7】運動加速度管理テーブルの一実施例を示す図である。
【図8】移動端末の動作(その1)の一実施例を示すフローチャートである。
【図9】移動端末の動作(その2)の一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面に基づいて、実施例を説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0037】
<実施例>
<無線通信システム>
図3は、無線通信システムの一実施例を示す。
【0038】
無線通信システムには、基地局200m(mは、m>0の整数)が含まれる。基地局200mは、「親機」、「アクセスポイント」、「ステーション」等と呼ばれてもよい。図3には、一例として、m=2の場合が示される。基地局200mは、セルをカバーする。基地局200mは、エリア情報を報知する。該エリア情報を受信することにより、移動端末100は、在圏するセルを表す情報を取得できる。さらに、基地局200mが複数のセクタをカバーしていてもよい。基地局200mが複数のセクタをカバーする場合、エリア情報には、セクタを表す情報が含まれる。該エリア情報を受信することにより、移動端末100は、在圏するセクタを表す情報を取得できる。本実施例では、セルには、セクタが含まれるものとして説明する。セルとセクタとが区別されてもよい。
【0039】
無線通信システムには、GPS衛星5001−500n(nは、n>3の整数)が含まれる。GPS衛星5001−500nは、測位信号を送信する。
【0040】
無線通信システムには、移動端末100が含まれる。移動端末100は、発見できた基地局200mが切り替わったかどうかに応じて、当該移動端末100が移動したかどうかを判定する。移動端末100は、ユーザが通信することができる適切な如何なる端末でもよく、例えば、携帯電話、情報端末、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
移動端末100には、アプリケーションがインストールされる。ユーザは、該アプリケーションを起動させ、利用することができる。アプリケーションには、移動端末100による位置の測位結果を利用するものが含まれる。位置の測位結果を利用するアプリケーションがインストールされた移動端末100は、定期的に自動測位を行い、測位結果をサービス提供装置400に通知する。
【0042】
移動端末100は、基地局200mと無線接続される。該基地局200mは、通信網300と接続される。該基地局200mと通信網300との間は、有線接続されてもよいし無線接続されてもよい。有線接続の場合には、光回線により接続されてもよい。また、通信網300には、移動端末100にサービスを提供するサービス提供装置400が接続される。サービス提供装置400は、移動端末100からの位置の測位結果に応じて、該移動端末100に、該位置に応じたサービスを提供する。例えば、サービス提供装置400は、ユーザの位置情報に基づいて、該位置周辺の天気の情報や、該位置周辺で開催されているイベントに関する情報をプッシュで配信する。移動端末100は、プッシュで配信された該位置周辺の天気の情報や、該位置周辺で開催されているイベントに関する情報を取得できる。また、例えば、サービス提供装置400は、ユーザの位置情報に基づいて、該位置周辺の駅の終電情報などに関する情報をプッシュで配信する。移動端末100は、プッシュで配信された該位置周辺の駅の終電情報を取得できる。
【0043】
<移動端末>
図4は、移動端末100の一実施例を示す。図4には、主にハードウェア構成が示される。
【0044】
移動端末100は、中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)102と、記憶部104と、入力部106と、出力部108と、通信部110と、GPS(Global Positioning System)受信装置112と、センサ114とを有する。各機能ブロックは、バス150により接続される。
【0045】
中央演算処理装置102は、記憶部104、入力部106、出力部108、通信部110、GPS受信装置112、及びセンサ114の制御を行う。中央演算処置装置102は、記憶部104に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0046】
記憶部104は、アプリケーションと、オペレーティングシステム(OS: Operating System)とを有する。アプリケーションは、ユーザが移動端末100上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。オペレーティングシステムは、移動端末100において、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。さらに、記憶部104には、当該移動端末100を機能させる際に動作するプログラムが格納される。該プログラムには、当該移動端末100が移動しているか静止しているかを判定する際に動作する移動静止判定プログラムが含まれる。
【0047】
入力部106は、例えば、キーボードやマウスにより構成され、当該移動端末100への指示や、データの入力を行うための装置である。タッチパネルにより構成してもよい。タッチパネルにより構成された場合には、当該移動端末100への指示や、データの入力はタッチパネルを介して行われる。該指示は、オペレーティングシステムに対するものや、アプリケーションに対するものが含まれる。
【0048】
出力部108は、例えば、ディスプレイにより構成され、当該移動端末装置100による処理状態や処理結果を表示する。該処理状態や処理結果には、オペレーティングシステムやアプリケーションによるものが含まれる。ディスプレイには、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、プラズマ(PDP: Plasma Display Panel)ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどが含まれる。
【0049】
通信部110は、中央演算処理装置102による制御により、基地局200との間で、所定の無線通信方式により無線通信を行う。該無線通信方式には、W−CDMA(Wideband CDMA)が含まれてもよいし、LTE(Long Term Evolution)が含まれてもよい。通信部110は、当該移動端末100の在圏するセルの情報を中央演算処理装置102に入力する。例えば、通信部110は、在圏するセルが切り替わった際に、切り替わった先のセルを表す情報を入力するようにしてもよい。また、所定の周期で在圏するセルを表す情報を通知するようにしてもよい。
【0050】
GPS受信装置112は、中央演算処理装置102により入力された制御信号(測位命令)に従って、当該移動端末100の位置を測定する。例えば、GPS受信装置112は、GPS衛星5001−500n(nは、n>3の整数)により送信される測位信号に基づいて、当該GPS受信装置112の位置を測位する。該測位は、測位すべき時間間隔に従う。
具体的には、該複数のGPS衛星5001−500nから当該GPS受信装置112までの距離(擬似距離)をそれぞれ算出する。該GPS受信装置112は、該擬似距離に基づいて当該GPS受信装置112が搭載された移動端末100の測位を行う。位置情報は、経度、緯度により表されてもよい。GPS衛星5001−500nにより発射された信号は、GPS衛星5001−500nとGPS受信装置112との間の距離を電波が伝搬する時間だけ遅れてGPS受信装置112に到達する。従って、複数のGPS衛星5001−500nについて電波伝搬に要する時間を求めれば、測位演算によってGPS受信装置112の位置を求めることができる。例えば、複数のGPS衛星5001−500nにより発射された電波は、GPS受信装置112の測距部において、各GPS衛星5001−500nからGPS受信装置112までの距離が求められる。そして、測位演算部において、測距部において求められた距離に基づいて、GPS受信装置112の位置が求められる。GPS受信装置112は、位置情報をCPU102に入力する。現在、約30個のGPS衛星が高度約20,000kmの上空で地球を一周しており、55度ずつ傾いた6つの地球周回軌道面があり、各々の軌道面に4個以上のGPS衛星が均等に配置されている。従って、天空が開けている場所であれば、地球上のどの場所にいても、常時、少なくとも5個以上のGPS衛星が観測可能である。
【0051】
GPS受信装置112は、測位により得られた位置情報を出力する。例えば、GPS受信装置112は、通信部100から、位置情報をサービス提供装置400に送信する。
【0052】
センサ114は、当該移動端末100を携帯するユーザが移動しているかどうかを判定するための情報を得ることができるセンサを含む。例えば、センサ114には、加速度センサが含まれてもよい。
【0053】
<移動端末100の機能>
移動端末100は、当該移動端末100が移動中であるか静止中であるかを判定する。以下、移動端末100が移動中であるか静止中であるかを判定する処理を「移動静止判定処理」という。該移動端末100は、当該移動端末100が移動中であると判定した場合に、所定の周期で、自動測位を行うとともに、サービス提供装置400へ測位位置を通知する。
【0054】
図5は、移動端末100により実行される移動静止判定処理を示す。
【0055】
図5において、横軸は時間である。縦軸には、移動端末100が移動中であるか静止中であるかを判定する機能を有する移動静止判定部の動作が示される。また、縦軸には、在圏するセルを表す情報を取得する機能を有する在圏セル情報取得部の動作が示される。また、縦軸には、現在の在圏セクタIDと、Host−CPU状態とが示されている。
【0056】
移動端末100は、所定の周期T1で、スリープ状態からアクティブ状態に遷移する。移動端末100は、アクティブ状態に遷移した際に、当該移動端末100の加速度情報を取得する。該移動端末100は、該加速度情報に基づいて、運動加速度を検知する。該移動端末100は、所定の周期T2で、在圏するセクタが切り替わっているかどうかを判定する。該移動端末100は、該在圏するセクタが切り替わっているかどうかの判定結果に基づいて、移動静止判定処理を行う。所定の周期T1は、所定の周期T2未満である。所定の周期T2は、所定の周期T1の整数倍であるのが好ましい。複数の加速度情報に基づいて、当該移動端末100が移動しているか静止しているかを判定するのが、精度の観点から好ましいためである。つまり、αT1=T2(αは、α>0の整数)であるのが好ましい。図5には、一例として、α=5である場合が示される。αは、1以上4以下の整数であってもよいし、6以上の整数であってもよい。
【0057】
移動端末100は、移動静止判定処理を実行する際に、前回の移動静止判定処理から、今回の移動静止判定処理までの間に取得された運動加速度に基づいて、運動加速度が検知されたかどうかを判定する。前回の移動静止判定処理から、今回の移動静止判定処理までの間に、1又は複数回の運動加速度が検知されたかどうかを表す情報が取得される。移動端末100は、前回の移動静止判定処理から、今回の移動静止判定処理までの間に、運動加速度が検知され、且つ在圏するセルが切り替わった場合に移動と判定する。つまり、移動端末100は、前回の移動静止判定処理以降に、運動加速度が検知され、且つ在圏するセルが切り替わった場合に移動と判定する。運動加速度は、少なくとも1回検知されていればよい。移動端末100は、前回の移動静止判定処理以降に、運動加速度が検知されない場合には、在圏するセルが切り替わった場合でも静止と判定する。
【0058】
移動端末100は、移動と判定した場合、定期的に、自動測位を行うとともに、サービス提供装置400へ測位位置を通知する。この処理と並行して、移動静止判定処理も実行される。移動静止判定処理により静止と判定された場合に、定期的に、自動測位行い、サービス提供装置400へ測位位置を通知する処理は中止されてもよい。
【0059】
図6は、移動端末100の機能を示す機能ブロック図である。図6には、中央演算処理装置102により実行される機能が主に示される。つまり、中央演算処理装置102が、記憶部104に格納された移動静止判定プログラムに従って機能することにより実行される。
【0060】
移動端末100は、在圏セル情報取得部1022と、在圏セルID切り替わり検知部1024と、運動加速度検知部1026と、移動静止判定部1028とを有する。
【0061】
在圏セル情報取得部1022は、当該移動端末100が在圏するセルの情報を取得する。例えば、在圏セル情報取得部1022は、当該移動端末100が移動することにより在圏しているセルとは異なるセルにハンドオーバし、在圏するセルが変更された際に、在圏するセルを表す情報(以下、「在圏セルID」という)を取得するようにしてもよい。また、在圏セル情報取得部1022は、予め設定された所定の周期で在圏セルIDを取得するようにしてもよい。在圏セル情報取得部1022は、セルID切り替わり検知部1026に、在圏セルIDを入力する。本実施例では、時間T2毎に、在圏セル情報取得部1022は、在圏セルIDを取得する。
【0062】
在圏セルID切り替わり検知部1024は、在圏セル情報取得部1022と接続される。在圏セルID切り替わり検知部1024は、在圏セル情報取得部1022により入力されるべき在圏セルIDに基づいて、該在圏セルIDが在圏セル情報取得部1022から前回入力された在圏セルIDと異なるかどうかを判定する。在圏セルID切り替わり検出部1026は、移動静止判定部1028に、在圏セル情報取得部1022から前回入力された在圏セルIDが今回入力された在圏セルIDと異なるかどうかを表す情報(以下、「在圏セルID切り替わり情報」という)を入力する。移動静止判定部1028に、在圏セルID切り替わり情報を入力する場合に、所定の周期で在圏セルIDを取得するように設定されている場合には、取得した在圏セルIDが変更されている場合(前回入力された在圏セルIDと異なる場合)に、移動静止判定部1028に入力するようにしてもよい。
【0063】
また、セルID切り替わり検知部1026は、在圏セル情報取得部1022により在圏セルIDが入力された場合に、前回までの在圏セルIDを記録したテーブル(在圏セルID情報格納テーブル)を参照するようにしてもよい。具体的には、過去3回の在圏セルIDを記録したテーブルが用意されてもよい。過去2回の在圏セルIDを記録したテーブルであってもよいし、過去4回の在圏セルIDを記録したテーブルであってもよい。図2のセクタID情報履歴テーブルと略同一の構成としてもよい。この場合、最新の在圏セクタIDが上位に格納されることにより、取得された在圏セクタIDが新しいかどうかを判定できる。また、在圏セクタIDに、取得された日時情報を含ませることにより、取得された在圏セクタIDが新しいかどうかを判定できるようにしてもよい。
【0064】
在圏セルID切り替わり検知部1024は、該テーブルに、現在の在圏セルIDと同じ在圏セルIDがない場合に、在圏セルIDが変更されていると判定してもよい。つまり、在圏セルID切り替わり検知部1024は、該テーブルに、現在の在圏セルIDと同じ在圏セルIDがある場合には、在圏セルIDが前回取得された在圏セルIDと異なっていても異なっていないと判定してもよい。
【0065】
センサ114は、当該移動端末100を携帯しているユーザが移動しているかどうかを判定する。例えば、センサ114により、加速度情報が取得される。センサ114は、運動加速度検知部1026に、加速度情報を入力する
運動加速度検知部1026は、センサ114と接続される。運動加速度検知部1026は、センサ114からの加速度情報に基づいて、運動加速度を検知する。具体的には、センサ114から加速度情報が入力される度に、運動加速度が検知されるかどうかを判定する。運動加速度検知部1026は、運動加速度管理テーブルに、運動加速度が検知されたかどうかを表す情報を格納する。
【0066】
図7は、運動加速度管理テーブルの一実施例を示す。図7には、所定の周期T1で、運動加速度が検出されたかどうかを表す情報が格納される例が示される。図7では、「1」は運動加速度が検知されたことを表し、「0」は運動加速度が検知されなかったことを表す。
【0067】
図7に示される運動加速度管理テーブルには、時間T1毎に、運動加速度が検知されるかどうかの判定結果が記録される。具体的には、時間T1では、「1」が記録される。上述したように、「1」は運動加速度が検知されたことを表す。時間T2では、時間T1で記録された「1」に続いて、「0」が記録される。上述したように、「0」は運動加速度が検知されなかったことを表す。以下同様の処理が継続され、時間NT2(Nは、N>0の整数)では、「1」、「0」、「1」、「1」に続いて、「1」が記録される。図7に示される例では、N=5の場合である。
【0068】
運動加速度検知部1026は、移動静止判定処理が実行される際に、移動静止判定部1028に、運動加速度管理テーブルに記録された情報(以下、「運動加速度検知情報」という)を入力する。
【0069】
また、移動静止判定部1028が、運動加速度管理テーブルを有するようにしてもよい。この場合、運動加速度検知部1026は、運動加速度の検知が行われる度に、移動静止判定部1028に、判定結果を入力するようにしてもよい。移動静止判定部1028は、運動加速度管理テーブルに、移動静止判定部1028からの運動加速度が検知されたかどうかの判定結果を反映する。
【0070】
移動静止判定部1028は、在圏セルID切り替わり検知部1024、及び運動加速度検知部1026と接続される。移動静止判定部1028は、在圏セルID切り替わり検知部1024からの在圏セルID切り替わり情報に基づいて、該在圏セルID切り替わり情報が、在圏セルIDが切り替わったことを表すかどうかを判定する。在圏セルID切り替わり情報が、在圏セルIDが切り替わっていないことを表す場合、移動静止判定部1028は、当該移動端末100が静止していると判定する。この場合、移動静止判定処理は終了する。
【0071】
在圏セルID切り替わり情報が、在圏セルIDが切り替わったことを表す場合、移動静止判定部1028は、運動加速度検知部1026からの運動加速度検知情報に基づいて、前回の移動静止判定処理から、今回の移動静止判定処理までの間に、運動加速度が検知されたかどうかを判定する。つまり、前回の移動静止判定処理以降に、運動加速度が検知されたかどうかを判定する。運動加速度が検知されたと判定された場合、移動静止判定部1028は、在圏セルIDが切り替わったと判定する。この場合、移動中であると判定されてもよい。一方、運動加速度が検知されないと判定された場合、移動静止判定部1028は、当該移動端末100が静止していると判定する。この場合、移動静止判定処理は終了する。
【0072】
本移動端末100は、複数のCPUを有するようにしてもよい。例えば、図6に示される機能のうち、在圏セル情報取得部1022は、C−CPU(Communication−CPU)により実行されるようにしてもよい。C−CPUには、上述したH−CPUが含まれてもよい。C−CPUは、伝送系制御用のCPUであり、例えば、基地局、交換機との間の接続、切断などの通信動作の制御を行う。また、図6に示される機能のうち、在圏セルID切り替わり検知部1024、運動加速度検知部1026、移動静止判定部1028は、A−CPU(Application−CPU)により実行されるようにしてもよい。A−CPUは、アプリケーション系制御用のCPUであり、例えば各種アプリケーション機能やユーザインタフェースの制御を行う。
【0073】
<移動端末100の動作>
<運動加速度検知処理>
図8は、移動端末100の動作の一実施例を示す。図8には、主に、運動加速度検知部1026による処理が示される。
【0074】
運動加速度検知部1026は、運動加速度検知タイマを作動させる(ステップS802)。図5に示される移動静止判定処理では、運動加速度検知タイマは、移動静止判定処理の開始から時間T1おきに起動されるように設定される。
【0075】
運動加速度検知部1026は、加速度情報を取得する(ステップS804)。運動加速度検知部1026は、センサ114から加速度情報を取得する。A−CPUがアクティブに遷移することにより、運動加速度検知部1026に、センサ114から、加速度情報を取得させる。例えば、A−CPUは1秒程度の短い時間アクティブ状態に遷移し、運動加速度検知部1026に、センサ114から、加速度情報を取得させてもよい。加速度情報の取得後、A−CPUはスリープ状態に遷移してもよい。
【0076】
運動加速度検知部1026は、運動加速度を判定する(ステップS806)。運動加速度検知部1026は、センサ114から取得した加速度情報に基づいて、運動加速度が検知されるかどうかを判定する。
【0077】
運動加速度検知部1026は、運動加速度管理テーブルに、運動加速度が検知されるかどうかの判定結果を記録する(ステップS808)。
【0078】
ステップS802−S808の処理は、中央演算処理装置102が移動静止判定プログラムに従って処理を行うことにより実行される。移動静止判定プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網300を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。中央演算処理装置102は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図8の各ステップS802−S808を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0079】
<移動静止判定処理>
図9は、移動端末100の動作の一実施例を示す。図9には、主に、在圏セルID切り替わり検出部1024による処理、移動静止判定部1028による処理が示される。
【0080】
移動静止判定部1028は、在圏セルID切替検知タイマを作動させる(ステップS902)。図5に示される移動静止判定処理では、在圏セルID切替検知タイマは、移動静止判定処理の開始から時間T2おきに起動されるように設定される。
【0081】
在圏セルID切り替わり検出部1024は、在圏セルIDを取得する(ステップS904)。
【0082】
在圏セルID切り替わり検出部1024は、ステップS904により取得された在圏セルIDが、在圏セルID情報格納テーブルに格納された在圏セルIDに含まれるかどうかを照合することにより判定する。在圏セルID切り替わり検出部1024は、在圏セルID情報格納テーブルに、在圏セルIDを記述することにより更新する(ステップS906)。
【0083】
在圏セルID切り替わり検出部1024は、ステップS904により取得された在圏セルIDが、前回までに取得された在圏セルIDと異なるかどうかを判定する(ステップS908)。
【0084】
ステップS904により取得された在圏セルIDが、前回までに取得された在圏セルIDと異なると判定されない場合(ステップS908:NO)、終了する。この場合、当該移動端末100は静止していると判定される。
【0085】
ステップS904により取得された在圏セルIDが、前回までに取得された在圏セルIDと異なると判定された場合(ステップS908:YES)、移動静止判定部1028は、過去の時間T2で、運動加速度が検知されたかどうかを判定する(ステップS910)。つまり、前回の移動静止判定処理から時間T2までの間に、運動加速度が検知されたかどうかを判定する。
【0086】
過去の時間T2で、運動加速度が検知されたと判定されない場合(ステップS910:NO)、終了する。この場合、当該移動端末100は静止していると判定される。
【0087】
過去の時間T2で、運動加速度が検知されたと判定された場合(ステップS910:YES)、移動静止判定部1028は、在圏セルIDが切替えられたことを検出したと判定する(ステップS912)。この場合、当該移動端末100は移動していると判定される。
【0088】
ステップS902−S912の処理は、中央演算処理装置102が移動静止判定プログラムに従って処理を行うことにより実行される。移動静止判定プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網300を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。中央演算処理装置102は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図9の各ステップS902−S912を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0089】
本実施例によれば、在圏セクタIDと、加速度とを監視し、前回取得された在圏セクタIDと、在圏セクタIDが異なる場合に、加速度の変化に基づいて、移動端末の移動の確からしさを判定することにより、移動しているのか静止しているのかの誤判定を低減できる。この場合、ハードウェアや、ネイティブソフトウェアの改造などは要さない。つまり、Sub−CPUの搭載を必要としない。加速度センサと、上位のアプリケーションによる処理で実行できるためである。
【0090】
このため、オープンプラットフォーム端末においても、上位アプリケーションをアドオンすることにより、在圏するセルが切り替わったことを検知する機能を実現できる。この機能では、省電力、高精度を実現できる。
【0091】
このため、定期的に、自動測位を行うとともに、サービス提供者のサービス提供装置へ測位位置を通知することにより、サービス提供者からサービスを受けることができる。
【0092】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0093】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0094】
100 移動端末
102 CPU
1022 在圏セル情報取得部
1024 在圏セルID切り替わり検知部
1026 運動加速度検知部
1028 移動静止判定部
104 記憶部
106 入力部
108 出力部
110 通信部
112 GPS受信装置
114 センサ
150 バス
200m(mは、m>0の整数) 基地局
300 通信網
400 サービス提供装置
500n(nは、n>3の整数) GPS衛星
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
定期的に、自動測位を行うとともに、サービス提供者へ測位位置を通知する移動端末が知られている。移動端末は、GPSを利用して測位を行うこともある。サービス提供者には、コンテンツプロバイダや、電気通信事業者が含まれる。
【0003】
また、省電力化を図るために、移動端末では、連続歩行を行っていることを検知することや、セクタが切り替わったことを検知することが行われている。具体的には、移動端末は、連続歩行を行っていることを加速度センサにより検知し、セクタが切り替わったことを基地局からのエリア情報により検知する。連続歩行を行っていることを検知したり、セクタが切り替わったことを検知したりすることにより、移動していることや、静止していることを判定できる。移動端末は、移動中であると判定した場合に、所定の周期で、測位を行うとともに、サービス提供者へ位置通知を行う。
【0004】
移動端末に関して、静止していないが位置情報を頻繁に取得する必要がない場合に、位置情報の取得頻度を下げて消費電力を節約する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−267886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
セクタの切り替わりにより静止しているかどうかを判定する機能が動作している場合を考える。
【0007】
図1は、移動端末における移動又は静止を判定する処理(その1)を示す。
【0008】
図1において、横軸は時間である。縦軸には、Host−CPU状態と、現在の在圏セクタを表す情報と、実ユーザの動作とが示されている。
【0009】
Host−CPU状態として、監視状態が維持されている。同等の無線品質のセクタを複数検出できる移動端末は、監視状態において、アクティブ状態のセクタを頻繁に切り替えることがある。図1に示される例では、ユーザが静止状態に拘わらず、在圏セクタがBからA、AからC、CからAに切り替わる例が示される。
【0010】
在圏セクタが切り替わることによりユーザが静止状態にあるにも拘わらず移動状態であると誤判定されることがある。
【0011】
このような、在圏セクタが切り替わることによりユーザが静止状態にあるにも拘わらず移動状態であると誤判定されることを低減するために、以下に示される方法がある。
【0012】
図2は、移動端末における移動又は静止を判定する処理(その2)を示す。
【0013】
図2において、横軸は時間である。縦軸には移動しているか、静止しているかを判定する機能を有する移動静止判定部と、セクタID情報履歴テーブルと、現在の在圏セクタIDと、Host−CPU状態と、実ユーザによる動作とが示されている。
【0014】
この移動端末は周期タイマを有する。該周期タイマは時間Tが経過すると満了する。該周期タイマが満了する時間T毎に、移動端末は、当該移動端末が移動しているか静止しているかを判定する。
【0015】
該移動端末は、周期タイマが満了し、移動しているか静止しているかを判定する際に、前回までの在圏セクタを記録したテーブルを参照する。図2に示される例では、過去3回の在圏セクタが記録される。該テーブルに、現在の在圏セクタと同じセクタIDがある場合には、セクタIDが前回取得されたセクタIDと異なっていても「静止」と判定する。
【0016】
具体的に説明する。
【0017】
時間(1)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「A」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルを参照し、取得された現在の在圏セクタIDと同一のセクタIDを表す情報が無い場合に、移動と判断する。時間(1)では、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「A」と同一のセクタIDを表す情報が無いため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0018】
時間(2)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「B」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「B」と同一のセクタIDを表す情報が無いため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0019】
時間(3)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「B」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「B」と同一のセクタIDを表す情報があるため、静止と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0020】
時間(4)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「A」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「A」と同一のセクタIDを表す情報があるため、静止と判定される。該現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0021】
時間(5)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「A」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「A」と同一のセクタIDを表す情報があるため、静止と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0022】
時間(6)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「B」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「B」と同一のセクタIDを表す情報があるため、静止と判定される。該現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0023】
時間(7)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「C」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「C」と同一のセクタIDを表す情報がないため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0024】
時間(8)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「D」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「D」と同一のセクタIDを表す情報がないため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0025】
時間(9)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「E」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「E」と同一のセクタIDを表す情報がないため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0026】
時間(10)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「F」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「F」と同一のセクタIDを表す情報がないため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0027】
時間(11)では、Host−CPU状態が停止状態から監視状態に遷移し、現在の在圏セクタIDとして「G」が取得される。Host−CPU状態が監視状態から停止状態に遷移する。移動静止判定部は、セクタID情報履歴テーブルに、取得された現在の在圏セクタ「G」と同一のセクタIDを表す情報がないため、移動と判定される。現在の在圏セクタIDを表す情報がセクタID情報履歴テーブルに格納される。
【0028】
この方法により、同等の無線品質のセクタが複数検出される場合に、アクティブ状態のセクタが頻繁に切り替わることにより、静止しているにも拘わらず移動していると誤判定されることが回避される。しかし、アクティブ状態のセクタが頻繁に切り替わっているのか、移動端末が前回在圏していたセクタに移動しているのかは判定できない。つまり、移動端末が前回在圏していたセクタに移動した場合には移動と判定されるべきであるが、上述した方法では静止と誤判定される場合がある。
【0029】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、移動しているかどうかの誤判定を低減できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
上記の課題を解決するために、本発明の移動端末は、
移動しているか静止しているかを判定する移動端末であって、
当該移動端末の加速度情報に基づいて、運動加速度を検知する運動加速度検知部と、
在圏するセルを表す情報を取得する在圏セル情報取得部と、
該在圏セル情報取得部により取得されるべき在圏するセルを表す情報に基づいて、在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する在圏セル情報切り替わり判定部と、
該在圏セル情報切り替わり判定部により在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前記運動加速度検知部により運動加速度が検知されたかどうかに基づいて、当該移動端末が移動したかどうかを判定する移動静止判定部と
を有する、移動端末として達成される。
【0031】
前記運動加速度検知部は、第1の周期で、運動加速度を検知し、
前記在圏セル情報切り替わり判定部は、前記第1の周期より長い第2の周期で、在圏するセルが切り替わったかどうかを判定し、
前記移動静止判定部は、前記在圏セル情報切り替わり判定部により在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前回の在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する処理以降に、前記運動加速度検知部により運動加速度が検知されたかどうかに基づいて、該移動端末が移動したかどうかを判定する、ように構成してもよい。
【0032】
前記移動静止判定部は、前記在圏セル情報切り替わり判定部により在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前回の在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する処理以降に、前記運動加速度検知部により運動加速度が検知された場合には、当該移動端末が移動したと判定する、ように構成してもよい。
【0033】
また、上記移動端末が実行する移動静止判定方法、上記移動端末が実行するプログラムとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0034】
開示された移動端末によれば、移動しているかどうかの誤判定を低減できる技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】移動端末における移動または静止を判定する処理(その1)を示す図である。
【図2】移動端末における移動または静止を判定する処理(その2)を示す図である。
【図3】無線通信システムの一実施例を示す図である。
【図4】移動端末の一実施例を示す図である。
【図5】移動端末の動作の一実施例を示す図である。
【図6】移動端末の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図7】運動加速度管理テーブルの一実施例を示す図である。
【図8】移動端末の動作(その1)の一実施例を示すフローチャートである。
【図9】移動端末の動作(その2)の一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面に基づいて、実施例を説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0037】
<実施例>
<無線通信システム>
図3は、無線通信システムの一実施例を示す。
【0038】
無線通信システムには、基地局200m(mは、m>0の整数)が含まれる。基地局200mは、「親機」、「アクセスポイント」、「ステーション」等と呼ばれてもよい。図3には、一例として、m=2の場合が示される。基地局200mは、セルをカバーする。基地局200mは、エリア情報を報知する。該エリア情報を受信することにより、移動端末100は、在圏するセルを表す情報を取得できる。さらに、基地局200mが複数のセクタをカバーしていてもよい。基地局200mが複数のセクタをカバーする場合、エリア情報には、セクタを表す情報が含まれる。該エリア情報を受信することにより、移動端末100は、在圏するセクタを表す情報を取得できる。本実施例では、セルには、セクタが含まれるものとして説明する。セルとセクタとが区別されてもよい。
【0039】
無線通信システムには、GPS衛星5001−500n(nは、n>3の整数)が含まれる。GPS衛星5001−500nは、測位信号を送信する。
【0040】
無線通信システムには、移動端末100が含まれる。移動端末100は、発見できた基地局200mが切り替わったかどうかに応じて、当該移動端末100が移動したかどうかを判定する。移動端末100は、ユーザが通信することができる適切な如何なる端末でもよく、例えば、携帯電話、情報端末、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
移動端末100には、アプリケーションがインストールされる。ユーザは、該アプリケーションを起動させ、利用することができる。アプリケーションには、移動端末100による位置の測位結果を利用するものが含まれる。位置の測位結果を利用するアプリケーションがインストールされた移動端末100は、定期的に自動測位を行い、測位結果をサービス提供装置400に通知する。
【0042】
移動端末100は、基地局200mと無線接続される。該基地局200mは、通信網300と接続される。該基地局200mと通信網300との間は、有線接続されてもよいし無線接続されてもよい。有線接続の場合には、光回線により接続されてもよい。また、通信網300には、移動端末100にサービスを提供するサービス提供装置400が接続される。サービス提供装置400は、移動端末100からの位置の測位結果に応じて、該移動端末100に、該位置に応じたサービスを提供する。例えば、サービス提供装置400は、ユーザの位置情報に基づいて、該位置周辺の天気の情報や、該位置周辺で開催されているイベントに関する情報をプッシュで配信する。移動端末100は、プッシュで配信された該位置周辺の天気の情報や、該位置周辺で開催されているイベントに関する情報を取得できる。また、例えば、サービス提供装置400は、ユーザの位置情報に基づいて、該位置周辺の駅の終電情報などに関する情報をプッシュで配信する。移動端末100は、プッシュで配信された該位置周辺の駅の終電情報を取得できる。
【0043】
<移動端末>
図4は、移動端末100の一実施例を示す。図4には、主にハードウェア構成が示される。
【0044】
移動端末100は、中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)102と、記憶部104と、入力部106と、出力部108と、通信部110と、GPS(Global Positioning System)受信装置112と、センサ114とを有する。各機能ブロックは、バス150により接続される。
【0045】
中央演算処理装置102は、記憶部104、入力部106、出力部108、通信部110、GPS受信装置112、及びセンサ114の制御を行う。中央演算処置装置102は、記憶部104に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0046】
記憶部104は、アプリケーションと、オペレーティングシステム(OS: Operating System)とを有する。アプリケーションは、ユーザが移動端末100上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。オペレーティングシステムは、移動端末100において、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。さらに、記憶部104には、当該移動端末100を機能させる際に動作するプログラムが格納される。該プログラムには、当該移動端末100が移動しているか静止しているかを判定する際に動作する移動静止判定プログラムが含まれる。
【0047】
入力部106は、例えば、キーボードやマウスにより構成され、当該移動端末100への指示や、データの入力を行うための装置である。タッチパネルにより構成してもよい。タッチパネルにより構成された場合には、当該移動端末100への指示や、データの入力はタッチパネルを介して行われる。該指示は、オペレーティングシステムに対するものや、アプリケーションに対するものが含まれる。
【0048】
出力部108は、例えば、ディスプレイにより構成され、当該移動端末装置100による処理状態や処理結果を表示する。該処理状態や処理結果には、オペレーティングシステムやアプリケーションによるものが含まれる。ディスプレイには、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、プラズマ(PDP: Plasma Display Panel)ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどが含まれる。
【0049】
通信部110は、中央演算処理装置102による制御により、基地局200との間で、所定の無線通信方式により無線通信を行う。該無線通信方式には、W−CDMA(Wideband CDMA)が含まれてもよいし、LTE(Long Term Evolution)が含まれてもよい。通信部110は、当該移動端末100の在圏するセルの情報を中央演算処理装置102に入力する。例えば、通信部110は、在圏するセルが切り替わった際に、切り替わった先のセルを表す情報を入力するようにしてもよい。また、所定の周期で在圏するセルを表す情報を通知するようにしてもよい。
【0050】
GPS受信装置112は、中央演算処理装置102により入力された制御信号(測位命令)に従って、当該移動端末100の位置を測定する。例えば、GPS受信装置112は、GPS衛星5001−500n(nは、n>3の整数)により送信される測位信号に基づいて、当該GPS受信装置112の位置を測位する。該測位は、測位すべき時間間隔に従う。
具体的には、該複数のGPS衛星5001−500nから当該GPS受信装置112までの距離(擬似距離)をそれぞれ算出する。該GPS受信装置112は、該擬似距離に基づいて当該GPS受信装置112が搭載された移動端末100の測位を行う。位置情報は、経度、緯度により表されてもよい。GPS衛星5001−500nにより発射された信号は、GPS衛星5001−500nとGPS受信装置112との間の距離を電波が伝搬する時間だけ遅れてGPS受信装置112に到達する。従って、複数のGPS衛星5001−500nについて電波伝搬に要する時間を求めれば、測位演算によってGPS受信装置112の位置を求めることができる。例えば、複数のGPS衛星5001−500nにより発射された電波は、GPS受信装置112の測距部において、各GPS衛星5001−500nからGPS受信装置112までの距離が求められる。そして、測位演算部において、測距部において求められた距離に基づいて、GPS受信装置112の位置が求められる。GPS受信装置112は、位置情報をCPU102に入力する。現在、約30個のGPS衛星が高度約20,000kmの上空で地球を一周しており、55度ずつ傾いた6つの地球周回軌道面があり、各々の軌道面に4個以上のGPS衛星が均等に配置されている。従って、天空が開けている場所であれば、地球上のどの場所にいても、常時、少なくとも5個以上のGPS衛星が観測可能である。
【0051】
GPS受信装置112は、測位により得られた位置情報を出力する。例えば、GPS受信装置112は、通信部100から、位置情報をサービス提供装置400に送信する。
【0052】
センサ114は、当該移動端末100を携帯するユーザが移動しているかどうかを判定するための情報を得ることができるセンサを含む。例えば、センサ114には、加速度センサが含まれてもよい。
【0053】
<移動端末100の機能>
移動端末100は、当該移動端末100が移動中であるか静止中であるかを判定する。以下、移動端末100が移動中であるか静止中であるかを判定する処理を「移動静止判定処理」という。該移動端末100は、当該移動端末100が移動中であると判定した場合に、所定の周期で、自動測位を行うとともに、サービス提供装置400へ測位位置を通知する。
【0054】
図5は、移動端末100により実行される移動静止判定処理を示す。
【0055】
図5において、横軸は時間である。縦軸には、移動端末100が移動中であるか静止中であるかを判定する機能を有する移動静止判定部の動作が示される。また、縦軸には、在圏するセルを表す情報を取得する機能を有する在圏セル情報取得部の動作が示される。また、縦軸には、現在の在圏セクタIDと、Host−CPU状態とが示されている。
【0056】
移動端末100は、所定の周期T1で、スリープ状態からアクティブ状態に遷移する。移動端末100は、アクティブ状態に遷移した際に、当該移動端末100の加速度情報を取得する。該移動端末100は、該加速度情報に基づいて、運動加速度を検知する。該移動端末100は、所定の周期T2で、在圏するセクタが切り替わっているかどうかを判定する。該移動端末100は、該在圏するセクタが切り替わっているかどうかの判定結果に基づいて、移動静止判定処理を行う。所定の周期T1は、所定の周期T2未満である。所定の周期T2は、所定の周期T1の整数倍であるのが好ましい。複数の加速度情報に基づいて、当該移動端末100が移動しているか静止しているかを判定するのが、精度の観点から好ましいためである。つまり、αT1=T2(αは、α>0の整数)であるのが好ましい。図5には、一例として、α=5である場合が示される。αは、1以上4以下の整数であってもよいし、6以上の整数であってもよい。
【0057】
移動端末100は、移動静止判定処理を実行する際に、前回の移動静止判定処理から、今回の移動静止判定処理までの間に取得された運動加速度に基づいて、運動加速度が検知されたかどうかを判定する。前回の移動静止判定処理から、今回の移動静止判定処理までの間に、1又は複数回の運動加速度が検知されたかどうかを表す情報が取得される。移動端末100は、前回の移動静止判定処理から、今回の移動静止判定処理までの間に、運動加速度が検知され、且つ在圏するセルが切り替わった場合に移動と判定する。つまり、移動端末100は、前回の移動静止判定処理以降に、運動加速度が検知され、且つ在圏するセルが切り替わった場合に移動と判定する。運動加速度は、少なくとも1回検知されていればよい。移動端末100は、前回の移動静止判定処理以降に、運動加速度が検知されない場合には、在圏するセルが切り替わった場合でも静止と判定する。
【0058】
移動端末100は、移動と判定した場合、定期的に、自動測位を行うとともに、サービス提供装置400へ測位位置を通知する。この処理と並行して、移動静止判定処理も実行される。移動静止判定処理により静止と判定された場合に、定期的に、自動測位行い、サービス提供装置400へ測位位置を通知する処理は中止されてもよい。
【0059】
図6は、移動端末100の機能を示す機能ブロック図である。図6には、中央演算処理装置102により実行される機能が主に示される。つまり、中央演算処理装置102が、記憶部104に格納された移動静止判定プログラムに従って機能することにより実行される。
【0060】
移動端末100は、在圏セル情報取得部1022と、在圏セルID切り替わり検知部1024と、運動加速度検知部1026と、移動静止判定部1028とを有する。
【0061】
在圏セル情報取得部1022は、当該移動端末100が在圏するセルの情報を取得する。例えば、在圏セル情報取得部1022は、当該移動端末100が移動することにより在圏しているセルとは異なるセルにハンドオーバし、在圏するセルが変更された際に、在圏するセルを表す情報(以下、「在圏セルID」という)を取得するようにしてもよい。また、在圏セル情報取得部1022は、予め設定された所定の周期で在圏セルIDを取得するようにしてもよい。在圏セル情報取得部1022は、セルID切り替わり検知部1026に、在圏セルIDを入力する。本実施例では、時間T2毎に、在圏セル情報取得部1022は、在圏セルIDを取得する。
【0062】
在圏セルID切り替わり検知部1024は、在圏セル情報取得部1022と接続される。在圏セルID切り替わり検知部1024は、在圏セル情報取得部1022により入力されるべき在圏セルIDに基づいて、該在圏セルIDが在圏セル情報取得部1022から前回入力された在圏セルIDと異なるかどうかを判定する。在圏セルID切り替わり検出部1026は、移動静止判定部1028に、在圏セル情報取得部1022から前回入力された在圏セルIDが今回入力された在圏セルIDと異なるかどうかを表す情報(以下、「在圏セルID切り替わり情報」という)を入力する。移動静止判定部1028に、在圏セルID切り替わり情報を入力する場合に、所定の周期で在圏セルIDを取得するように設定されている場合には、取得した在圏セルIDが変更されている場合(前回入力された在圏セルIDと異なる場合)に、移動静止判定部1028に入力するようにしてもよい。
【0063】
また、セルID切り替わり検知部1026は、在圏セル情報取得部1022により在圏セルIDが入力された場合に、前回までの在圏セルIDを記録したテーブル(在圏セルID情報格納テーブル)を参照するようにしてもよい。具体的には、過去3回の在圏セルIDを記録したテーブルが用意されてもよい。過去2回の在圏セルIDを記録したテーブルであってもよいし、過去4回の在圏セルIDを記録したテーブルであってもよい。図2のセクタID情報履歴テーブルと略同一の構成としてもよい。この場合、最新の在圏セクタIDが上位に格納されることにより、取得された在圏セクタIDが新しいかどうかを判定できる。また、在圏セクタIDに、取得された日時情報を含ませることにより、取得された在圏セクタIDが新しいかどうかを判定できるようにしてもよい。
【0064】
在圏セルID切り替わり検知部1024は、該テーブルに、現在の在圏セルIDと同じ在圏セルIDがない場合に、在圏セルIDが変更されていると判定してもよい。つまり、在圏セルID切り替わり検知部1024は、該テーブルに、現在の在圏セルIDと同じ在圏セルIDがある場合には、在圏セルIDが前回取得された在圏セルIDと異なっていても異なっていないと判定してもよい。
【0065】
センサ114は、当該移動端末100を携帯しているユーザが移動しているかどうかを判定する。例えば、センサ114により、加速度情報が取得される。センサ114は、運動加速度検知部1026に、加速度情報を入力する
運動加速度検知部1026は、センサ114と接続される。運動加速度検知部1026は、センサ114からの加速度情報に基づいて、運動加速度を検知する。具体的には、センサ114から加速度情報が入力される度に、運動加速度が検知されるかどうかを判定する。運動加速度検知部1026は、運動加速度管理テーブルに、運動加速度が検知されたかどうかを表す情報を格納する。
【0066】
図7は、運動加速度管理テーブルの一実施例を示す。図7には、所定の周期T1で、運動加速度が検出されたかどうかを表す情報が格納される例が示される。図7では、「1」は運動加速度が検知されたことを表し、「0」は運動加速度が検知されなかったことを表す。
【0067】
図7に示される運動加速度管理テーブルには、時間T1毎に、運動加速度が検知されるかどうかの判定結果が記録される。具体的には、時間T1では、「1」が記録される。上述したように、「1」は運動加速度が検知されたことを表す。時間T2では、時間T1で記録された「1」に続いて、「0」が記録される。上述したように、「0」は運動加速度が検知されなかったことを表す。以下同様の処理が継続され、時間NT2(Nは、N>0の整数)では、「1」、「0」、「1」、「1」に続いて、「1」が記録される。図7に示される例では、N=5の場合である。
【0068】
運動加速度検知部1026は、移動静止判定処理が実行される際に、移動静止判定部1028に、運動加速度管理テーブルに記録された情報(以下、「運動加速度検知情報」という)を入力する。
【0069】
また、移動静止判定部1028が、運動加速度管理テーブルを有するようにしてもよい。この場合、運動加速度検知部1026は、運動加速度の検知が行われる度に、移動静止判定部1028に、判定結果を入力するようにしてもよい。移動静止判定部1028は、運動加速度管理テーブルに、移動静止判定部1028からの運動加速度が検知されたかどうかの判定結果を反映する。
【0070】
移動静止判定部1028は、在圏セルID切り替わり検知部1024、及び運動加速度検知部1026と接続される。移動静止判定部1028は、在圏セルID切り替わり検知部1024からの在圏セルID切り替わり情報に基づいて、該在圏セルID切り替わり情報が、在圏セルIDが切り替わったことを表すかどうかを判定する。在圏セルID切り替わり情報が、在圏セルIDが切り替わっていないことを表す場合、移動静止判定部1028は、当該移動端末100が静止していると判定する。この場合、移動静止判定処理は終了する。
【0071】
在圏セルID切り替わり情報が、在圏セルIDが切り替わったことを表す場合、移動静止判定部1028は、運動加速度検知部1026からの運動加速度検知情報に基づいて、前回の移動静止判定処理から、今回の移動静止判定処理までの間に、運動加速度が検知されたかどうかを判定する。つまり、前回の移動静止判定処理以降に、運動加速度が検知されたかどうかを判定する。運動加速度が検知されたと判定された場合、移動静止判定部1028は、在圏セルIDが切り替わったと判定する。この場合、移動中であると判定されてもよい。一方、運動加速度が検知されないと判定された場合、移動静止判定部1028は、当該移動端末100が静止していると判定する。この場合、移動静止判定処理は終了する。
【0072】
本移動端末100は、複数のCPUを有するようにしてもよい。例えば、図6に示される機能のうち、在圏セル情報取得部1022は、C−CPU(Communication−CPU)により実行されるようにしてもよい。C−CPUには、上述したH−CPUが含まれてもよい。C−CPUは、伝送系制御用のCPUであり、例えば、基地局、交換機との間の接続、切断などの通信動作の制御を行う。また、図6に示される機能のうち、在圏セルID切り替わり検知部1024、運動加速度検知部1026、移動静止判定部1028は、A−CPU(Application−CPU)により実行されるようにしてもよい。A−CPUは、アプリケーション系制御用のCPUであり、例えば各種アプリケーション機能やユーザインタフェースの制御を行う。
【0073】
<移動端末100の動作>
<運動加速度検知処理>
図8は、移動端末100の動作の一実施例を示す。図8には、主に、運動加速度検知部1026による処理が示される。
【0074】
運動加速度検知部1026は、運動加速度検知タイマを作動させる(ステップS802)。図5に示される移動静止判定処理では、運動加速度検知タイマは、移動静止判定処理の開始から時間T1おきに起動されるように設定される。
【0075】
運動加速度検知部1026は、加速度情報を取得する(ステップS804)。運動加速度検知部1026は、センサ114から加速度情報を取得する。A−CPUがアクティブに遷移することにより、運動加速度検知部1026に、センサ114から、加速度情報を取得させる。例えば、A−CPUは1秒程度の短い時間アクティブ状態に遷移し、運動加速度検知部1026に、センサ114から、加速度情報を取得させてもよい。加速度情報の取得後、A−CPUはスリープ状態に遷移してもよい。
【0076】
運動加速度検知部1026は、運動加速度を判定する(ステップS806)。運動加速度検知部1026は、センサ114から取得した加速度情報に基づいて、運動加速度が検知されるかどうかを判定する。
【0077】
運動加速度検知部1026は、運動加速度管理テーブルに、運動加速度が検知されるかどうかの判定結果を記録する(ステップS808)。
【0078】
ステップS802−S808の処理は、中央演算処理装置102が移動静止判定プログラムに従って処理を行うことにより実行される。移動静止判定プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網300を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。中央演算処理装置102は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図8の各ステップS802−S808を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0079】
<移動静止判定処理>
図9は、移動端末100の動作の一実施例を示す。図9には、主に、在圏セルID切り替わり検出部1024による処理、移動静止判定部1028による処理が示される。
【0080】
移動静止判定部1028は、在圏セルID切替検知タイマを作動させる(ステップS902)。図5に示される移動静止判定処理では、在圏セルID切替検知タイマは、移動静止判定処理の開始から時間T2おきに起動されるように設定される。
【0081】
在圏セルID切り替わり検出部1024は、在圏セルIDを取得する(ステップS904)。
【0082】
在圏セルID切り替わり検出部1024は、ステップS904により取得された在圏セルIDが、在圏セルID情報格納テーブルに格納された在圏セルIDに含まれるかどうかを照合することにより判定する。在圏セルID切り替わり検出部1024は、在圏セルID情報格納テーブルに、在圏セルIDを記述することにより更新する(ステップS906)。
【0083】
在圏セルID切り替わり検出部1024は、ステップS904により取得された在圏セルIDが、前回までに取得された在圏セルIDと異なるかどうかを判定する(ステップS908)。
【0084】
ステップS904により取得された在圏セルIDが、前回までに取得された在圏セルIDと異なると判定されない場合(ステップS908:NO)、終了する。この場合、当該移動端末100は静止していると判定される。
【0085】
ステップS904により取得された在圏セルIDが、前回までに取得された在圏セルIDと異なると判定された場合(ステップS908:YES)、移動静止判定部1028は、過去の時間T2で、運動加速度が検知されたかどうかを判定する(ステップS910)。つまり、前回の移動静止判定処理から時間T2までの間に、運動加速度が検知されたかどうかを判定する。
【0086】
過去の時間T2で、運動加速度が検知されたと判定されない場合(ステップS910:NO)、終了する。この場合、当該移動端末100は静止していると判定される。
【0087】
過去の時間T2で、運動加速度が検知されたと判定された場合(ステップS910:YES)、移動静止判定部1028は、在圏セルIDが切替えられたことを検出したと判定する(ステップS912)。この場合、当該移動端末100は移動していると判定される。
【0088】
ステップS902−S912の処理は、中央演算処理装置102が移動静止判定プログラムに従って処理を行うことにより実行される。移動静止判定プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網300を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。中央演算処理装置102は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図9の各ステップS902−S912を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0089】
本実施例によれば、在圏セクタIDと、加速度とを監視し、前回取得された在圏セクタIDと、在圏セクタIDが異なる場合に、加速度の変化に基づいて、移動端末の移動の確からしさを判定することにより、移動しているのか静止しているのかの誤判定を低減できる。この場合、ハードウェアや、ネイティブソフトウェアの改造などは要さない。つまり、Sub−CPUの搭載を必要としない。加速度センサと、上位のアプリケーションによる処理で実行できるためである。
【0090】
このため、オープンプラットフォーム端末においても、上位アプリケーションをアドオンすることにより、在圏するセルが切り替わったことを検知する機能を実現できる。この機能では、省電力、高精度を実現できる。
【0091】
このため、定期的に、自動測位を行うとともに、サービス提供者のサービス提供装置へ測位位置を通知することにより、サービス提供者からサービスを受けることができる。
【0092】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0093】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0094】
100 移動端末
102 CPU
1022 在圏セル情報取得部
1024 在圏セルID切り替わり検知部
1026 運動加速度検知部
1028 移動静止判定部
104 記憶部
106 入力部
108 出力部
110 通信部
112 GPS受信装置
114 センサ
150 バス
200m(mは、m>0の整数) 基地局
300 通信網
400 サービス提供装置
500n(nは、n>3の整数) GPS衛星
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動しているか静止しているかを判定する移動端末であって、
当該移動端末の加速度情報に基づいて、運動加速度を検知する運動加速度検知部と、
在圏するセルを表す情報を取得する在圏セル情報取得部と、
該在圏セル情報取得部により取得されるべき在圏するセルを表す情報に基づいて、在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する在圏セル情報切り替わり判定部と、
該在圏セル情報切り替わり判定部により在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前記運動加速度検知部により運動加速度が検知されたかどうかに基づいて、当該移動端末が移動したかどうかを判定する移動静止判定部と
を有する、移動端末。
【請求項2】
請求項1に記載の移動端末において、
前記運動加速度検知部は、第1の周期で、運動加速度を検知し、
前記在圏セル情報切り替わり判定部は、前記第1の周期より長い第2の周期で、在圏するセルが切り替わったかどうかを判定し、
前記移動静止判定部は、前記在圏セル情報切り替わり判定部により在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前回の在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する処理以降に、前記運動加速度検知部により運動加速度が検知されたかどうかに基づいて、該移動端末が移動したかどうかを判定する、移動端末。
【請求項3】
請求項2に記載の移動端末において、
前記移動静止判定部は、前記在圏セル情報切り替わり判定部により在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前回の在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する処理以降に、前記運動加速度検知部により運動加速度が検知された場合には、当該移動端末が移動したと判定する、移動端末。
【請求項4】
移動しているか静止しているかを判定する移動端末における移動静止判定方法であって、
当該移動端末の加速度情報に基づいて、運動加速度を検知する運動加速度検知ステップと、
在圏するセルを表す情報を取得する在圏セル情報取得ステップと、
該在圏セル情報取得ステップにより取得されるべき在圏するセルを表す情報に基づいて、在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する在圏セル情報切り替わり判定ステップと、
該在圏セル情報切り替わり判定ステップにより在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前記運動加速度検知ステップにより運動加速度が検知されたかどうかに基づいて、当該移動端末が移動したかどうかを判定する移動静止判定ステップと
を有する、移動静止判定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の移動静止判定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
移動しているか静止しているかを判定する移動端末であって、
当該移動端末の加速度情報に基づいて、運動加速度を検知する運動加速度検知部と、
在圏するセルを表す情報を取得する在圏セル情報取得部と、
該在圏セル情報取得部により取得されるべき在圏するセルを表す情報に基づいて、在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する在圏セル情報切り替わり判定部と、
該在圏セル情報切り替わり判定部により在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前記運動加速度検知部により運動加速度が検知されたかどうかに基づいて、当該移動端末が移動したかどうかを判定する移動静止判定部と
を有する、移動端末。
【請求項2】
請求項1に記載の移動端末において、
前記運動加速度検知部は、第1の周期で、運動加速度を検知し、
前記在圏セル情報切り替わり判定部は、前記第1の周期より長い第2の周期で、在圏するセルが切り替わったかどうかを判定し、
前記移動静止判定部は、前記在圏セル情報切り替わり判定部により在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前回の在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する処理以降に、前記運動加速度検知部により運動加速度が検知されたかどうかに基づいて、該移動端末が移動したかどうかを判定する、移動端末。
【請求項3】
請求項2に記載の移動端末において、
前記移動静止判定部は、前記在圏セル情報切り替わり判定部により在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前回の在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する処理以降に、前記運動加速度検知部により運動加速度が検知された場合には、当該移動端末が移動したと判定する、移動端末。
【請求項4】
移動しているか静止しているかを判定する移動端末における移動静止判定方法であって、
当該移動端末の加速度情報に基づいて、運動加速度を検知する運動加速度検知ステップと、
在圏するセルを表す情報を取得する在圏セル情報取得ステップと、
該在圏セル情報取得ステップにより取得されるべき在圏するセルを表す情報に基づいて、在圏するセルが切り替わったかどうかを判定する在圏セル情報切り替わり判定ステップと、
該在圏セル情報切り替わり判定ステップにより在圏するセルが切り替わったと判定された場合に、前記運動加速度検知ステップにより運動加速度が検知されたかどうかに基づいて、当該移動端末が移動したかどうかを判定する移動静止判定ステップと
を有する、移動静止判定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の移動静止判定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−21514(P2013−21514A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153294(P2011−153294)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【特許番号】特許第5118763号(P5118763)
【特許公報発行日】平成25年1月16日(2013.1.16)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【特許番号】特許第5118763号(P5118763)
【特許公報発行日】平成25年1月16日(2013.1.16)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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