移動通信システムにおける基地局、中継局及び方法
【課題】基地局及びユーザ装置と通信する中継局に必要な論理パスの設定情報を、基地局から中継局へ適切に通知できるようにすること。
【解決手段】移動通信システムにおける基地局は、ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを生成する生成部と、第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを中継局に送信した後に、第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを中継局に送信する送信部とを有する。
【解決手段】移動通信システムにおける基地局は、ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを生成する生成部と、第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを中継局に送信した後に、第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを中継局に送信する送信部とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおける基地局、中継局及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ方式の移動通信システムにおいて、セルのカバレッジを拡張するため及び/又は基地局(eNB)の負荷分散を図るため、基地局(eNB)と移動局(より一般的にはユーザ装置(UE))の間に中継局(Relay Node:RN)が設けられる場合がある。この場合における基地局(eNB)は、親局として機能し、ドナー基地局(Donor eNodeB:DeNB)と言及されることもある。ユーザ装置(UE)は、典型的には移動局であるが固定局でもよい。ユーザ装置(UE)は、例えば、携帯電話、情報端末、スマートフォン、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ等の適切な如何なる装置でもよい。基地局(eNB)及び中継局(RN)の間の無線インターフェースは「Un」と言及される。中継局(RN)及び移動局(UE)間の無線インターフェースは、「RN−Un」と言及される。
【0003】
基地局(eNB)と無線通信を行うには、基地局(eNB)から報知信号を受信して基地局(eNB)にアクセス可能になった後、無線ベアラ又は論理パスを適切に設定する必要がある。すなわち、RLC、MAC及びPDCPサブレイヤ等の各サブレイヤにおける各種のパラメータを、基地局(eNB)に合わせておく必要がある。論理パスの設定は、ユーザ装置(UE)だけでなく中継局(RN)も行う必要がある。この場合において、ユーザ装置(UE)の論理パスの設定と、中継局(RN)の論理パスの設定とは少なくとも部分的に異なる。
【0004】
例えば、中継局(RN)は、基地局(eNB)からの受信とユーザ装置(UE)への送信を、同一周波数による半二重方式で実現するため、時分割複信(TDD)方式を使用する。その際、中継局(RN)は、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)を伝送するように設定可能なサブフレームを使用して、基地局(eNB)から信号を受信する必要がある。これに対して、ユーザ装置(UE)にはそのような制約はない。したがって、少なくともサブフレームの使用法に関して、中継局(RN)及びユーザ装置(UE)の論理パスの設定は異なる。サブフレームの設定以外にも、例えば、セミパーシステントスケジューリング(SPS)におけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号(SRS)のリソースを示す情報及びMACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報等の設定が異なる可能性がある。
【0005】
したがって、基地局(eNB)は、中継局(RN)及びユーザ装置(UE)に対して、論理パスを設定するための情報を提供する必要がある。本願出願前に議論されている3GPP標準仕様によれば、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通の設定情報を含む個別RRCメッセージと、中継局(RN)に専用の設定情報を含む個別RRCメッセージとを送信することが検討されている(これについては、例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Report of 3GPP TSG RAN WG2 meeting #69, R2−101978
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、中継局に必要な論理パスの設定情報を基地局がどのようにして中継局に通知するかについての具体的詳細は決まっていない。
【0008】
本発明の課題は、基地局及びユーザ装置と通信する中継局に必要な論理パスの設定情報を、基地局から中継局へ適切に通知できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態による基地局は、
移動通信システムにおける基地局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを生成する生成部と、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する送信部と
を有する基地局である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一形態によれば、基地局及びユーザ装置と通信する中継局に必要な論理パスの設定情報を、基地局から中継局へ適切に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】中継局(RN)に所定の設定情報を通知する際に基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンス図。
【図2】中継局(RN)に所定の設定情報を通知する際に基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンス図。
【図3】中継局(RN)に更新用の所定の設定情報を通知する際に基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンス図。
【図4】基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンス図。
【図5】基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンス図。
【図6】基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンス図。
【図7】基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンス図。
【図8】基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンス図。
【図9】中継局(RN)における動作を示すフローチャート。
【図10】基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンス図。
【図11】基地局(eNB)及び中継局(RN)の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の観点から実施例を説明する。
【0013】
1.設定順序
2.設定できなかった場合
2.1 メッセージ毎に再接続要求
2.2 まとめて再接続要求
2.3 更新時の再接続要求
2.4 動作フロー
3.設定項目
4.基地局(eNB)及び中継局(RN)
【実施例1】
【0014】
<1.設定順序>
図1は、中継局(RN)に所定の設定情報を通知する際に基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンスを示す。
【0015】
ステップS11において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。図中、「RRC Procedure」とあるのは、この第1のRRCメッセージによる手順が、RRC接続再設定メッセージ(RRC connection reconfiguration message)のようなRRCコネクションを設定するためのプロシジャであることを示す。第1の設定情報は、具体的には、論理パスによる無線ベアラの優先度を示す情報、セミパーシステントスケジューリング(SPS)におけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号(SRS)のリソースを示す情報及びMACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報等を含むが、これらに限定されない。例えば、ハンドオーバによるセキュリティ暗号鍵の変更に関する情報が、第1の設定情報に含まれてもよい。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0016】
ステップS12において、基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。図中、「Un Configuration」とあるのは、第2の設定情報が、中継局(RN)のコンフィギュレーションに関連することを示す。従来のRRCプロシジャ(RRC Procedure)には、この第2のRRCメッセージによる手順に該当するものはない。第2の設定情報は、例えば、ユーザ装置に報知されているシステム情報及びMBSFN用のサブフレームを示す情報を含むが、これらに限定されない。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報に加えて、第2の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0017】
ステップS13において、中継局(RN)は、ステップS11による第1のRRCメッセージを適切に受信できたことを、RRCプロシジャ完了メッセージ(RRC Procedure Complete)により基地局(eNB)に通知する。
【0018】
ステップS14において、中継局(RN)は、ステップS12による第2のRRCメッセージを適切に受信できたことを、Unコンフィギュレーション完了メッセージ(Un Configuration Complete)により基地局(eNB)に通知する。
【0019】
図示の手順によれば、基地局(eNB)は、ステップS11による第1のRRCメッセージを送信した後、その第1のRRCメッセージに対する応答メッセージ(RRC Procedure Complete)の受信を待機せずに、ステップS12において第2のRRCメッセージを送信している。したがって、中継局(RN)は、第1及び第2のRRCメッセージを速やかに受信し、中継局としての設定を早期に行うことができる。
【0020】
図2は、中継局(RN)に所定の設定情報を通知する際に基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンスを示す。
【0021】
ステップS21において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0022】
ステップS22において、中継局(RN)は、ステップS21による第1のRRCメッセージを適切に受信できたことを、RRCプロシジャ完了メッセージ(RRC Procedure Complete)により基地局(eNB)に通知する。この点、図1のシーケンスと順序が異なる点に留意を要する。
【0023】
ステップS23において、基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS12の手順に相当する。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報に加えて、第2の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0024】
ステップS24において、中継局(RN)は、ステップS23による第2のRRCメッセージを適切に受信できたことを、Unコンフィギュレーション完了メッセージ(Un Configuration Complete)により基地局(eNB)に通知する。
【0025】
図2の手順によれば、基地局(eNB)は、ステップS21による第1のRRCメッセージを送信した後、その第1のRRCメッセージに対する応答メッセージ(RRC Procedure Complete)をステップS22において受信する。その後に、基地局(eNB)は、ステップS23において第2のRRCメッセージを送信している。したがって、第1及び第2のRRCメッセージを中継局(RN)が双方とも取得できる時点は、図1のシーケンスの場合より遅い。しかしながら、図2のシーケンスの場合、第1のRRCメッセージに対する応答信号(RRC Procedure Complete)が基地局(eNB)に届かなかった場合、基地局(eNB)は、第2のRRCメッセージを無駄に送信せずに済む点で有利である。
【0026】
図3は、中継局(RN)に所定の設定情報を通知する際に基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンスを示す。図1、図2は中継局(RN)の起動時におけるシーケンスに対応し、図3は起動した後の動作中におけるシーケンスに対応する。
【0027】
ステップS31において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。以後、図1又は図2で説明した手順が行われ、中継局(RN)は、第1の設定情報に加えて、第2の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。その後、中継局(RN)として機能するのに必要な第2の設定情報が、基地局(eNB)において更新されたと仮定する。
【0028】
ステップS32において、基地局(eNB)は、更新後の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。中継局(RN)は、更新後の第2の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、適切な中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0029】
ステップS33において、中継局(RN)は、ステップS32による第2のRRCメッセージを適切に受信できたことを、Unコンフィギュレーション完了メッセージ(Un Configuration Complete)により基地局(eNB)に通知する。
【0030】
このように基地局(eNB)において第2の設定情報が更新された場合、更新された第2の設定情報を受信することで、中継局(RN)は論理パスを更新後の内容に効率的に設定することができる。仮に中継局(RN)がこのような更新を行わなかったならば、更新後の新しい設定を有する基地局(eNB)と、古い設定を有する中継局(RN)との間で無線リンクを適切に維持することができなくなってしまうおそれがある。
【0031】
図1−3を参照しながら説明したように、基地局(eNB)は、先ず、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。第1の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、中継局(RN)は、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。次に、
基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。第1の設定情報加えて、第2の設定情報にしたがって論理パスを設定し直すことで、中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0032】
仮に、第2の設定情報にしたがって論理パスを設定した後で、第1の設定情報にしたがって論理パスを設定し直した場合、中継局(RN)に専用の設定事項が、中継局(RN)及びユーザ装置(UE)に共通の設定事項に変更されてしまうので、中継局(RN)として適切に動作することができないことが懸念される。また、中継局(RN)は、例えば10個のサブフレームを含む無線フレームの中で、MBSFNとして設定可能なサブフレーム(例えば、#1、#2、#3、#6、#7、#8の内の1つ以上)を利用して、基地局(eNB)から信号を受信しなければならない(ユーザ装置(UE)にはそのような制約はない)。したがって、先にこの設定がなされると、6個以下に限られたサブフレームの中で、基地局(eNB)から信号を受信しなければならず、設定が完了する時点が送れてしまうことも懸念される。したがって、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報にしたがって論理パスを設定した後で、中継局(RN)に専用の第2の設定情報にしたがって論理パスを設定し、必要に応じて第2の設定情報を更新することが好ましい。
【0033】
<2.設定できなかった場合>
<<2.1 メッセージ毎に再接続要求>>
図1−3を参照しながら説明したように、中継局(RN)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を適切に受信して論理パスを設定することで、中継局(RN)として機能することができる。したがって、第1及び第2のRRCメッセージの双方又は一方を適切に受信できなかった場合、適切な中継局(RN)として機能することはできない。このような場合、以下に説明する例では、再接続用のRRCメッセージを利用することで、中継局(RN)は、第1及び第2のRRCメッセージの再送を促すことができる。
【0034】
図4は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンスを示す。ステップS41において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。しかしながら、中継局(RN)は、何らかの事情により第1の設定情報を適切に設定することができなかったと仮定する。例えば、フェージングに起因して設定情報の全部又は一部が欠落していた等の場合が考えられる。
【0035】
ステップS42において、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−establishment)を基地局(eNB)に送信する。図示されてはいないが、基地局(eNB)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を受信すると、第1の設定情報を第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)により再送する。
【0036】
図5は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンスを示す。ステップS51において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0037】
ステップS52において、中継局(RN)は、ステップS21による第1のRRCメッセージを適切に受信できたことを、RRCプロシジャ完了メッセージ(RRC Procedure Complete)により基地局(eNB)に通知する。
【0038】
ステップS53において、基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS12の手順に相当する。しかしながら、中継局(RN)は、何らかの事情により第2の設定情報を適切に設定することができなかったと仮定する。例えば、フェージングに起因して設定情報の全部又は一部が欠落していた等の場合が考えられる。
【0039】
ステップS54において、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−establishment)を基地局(eNB)に送信する。図示されてはいないが、基地局(eNB)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を受信すると、第1の設定情報を第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)により再送する。ステップS53の第2のRRCメッセージ(Un Configuration)は、従来のシーケンスには存在しないメッセージなので、この第2のRRCメッセージを適切に受信できなかったことに応じて、ステップS54において送信される再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)も、従来のシーケンスには存在しない点に留意を要する。
【0040】
図4及び図5に示す例の場合、第1のメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)のメッセージ各々について、必要に応じて再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)が送信される。したがって、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を受信した基地局(eNB)は、第1及び第2のRRCメッセージのいずれが適切に受信できなかったかを区別することができる。例えば、第1のRRCメッセージに対する応答信号(RRC Procedure Complete)の代わりに再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)が基地局(eNB)に届いた場合、基地局(eNB)は、第2のRRCメッセージを無駄に送信せずに、第1のRRCメッセージを速やかに再送することができる。
【0041】
<<2.2 まとめて再接続要求>>
図6は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンスを示す。ステップS61において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。しかしながら、中継局(RN)は、何らかの事情により第1の設定情報を適切に設定することができなかったと仮定する。例えば、フェージングに起因して設定情報の全部又は一部が欠落していた等の場合が考えられる。
【0042】
図4に示すシーケンスとは異なり、図6のシーケンスでは、ステップS62において、基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージ(Un Configuration)により、中継局(RN)に送信する。すなわち、基地局(eNB)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)に対する中継局(RN)からの応答信号(RRC Procedure Complete)を受信してもしなくても、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を中継局(RN)に送信する。
【0043】
ステップS63において、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−establishment)を基地局(eNB)に送信する。図示されてはいないが、基地局(eNB)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を受信すると、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を再送する。
【0044】
図7は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンスを示す。シーケンスは概して図6のものと同じであるが、受信に失敗する時点が異なる。
【0045】
ステップS71において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。
【0046】
ステップS72において、基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。すなわち、基地局(eNB)は、第1のRRCメッセージに対する中継局(RN)からの応答信号(RRC Procedure Complete)を受信してもしなくても、第2のRRCメッセージを中継局(RN)に送信する。しかしながら、中継局(RN)は、何らかの事情により第2の設定情報を適切に設定することができなかったと仮定する。例えば、フェージングに起因して設定情報の全部又は一部が欠落していた等の場合が考えられる。
【0047】
ステップS73において、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−establishment)を基地局(eNB)に送信する。図示されてはいないが、基地局(eNB)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を受信すると、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を再送する。
【0048】
図6及び図7に示す例の場合、中継局(RN)は、第1のRRCメッセージの後の第2のRRCメッセージの後に、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を送信する。したがって、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)は、第1及び第2の2つのRRCメッセージに対して1回しか送信されない。この点、第1及び第2のRRCメッセージ各々について、必要に応じて再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)が送信される場合がある図4、図5のシーケンスと異なる。
【0049】
<<2.3 更新時の再接続要求>>
図8は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンスを示す。図4−図7は中継局(RN)の起動時におけるシーケンスに対応し、図8は起動した後の動作中におけるシーケンスに対応する。
【0050】
ステップS81において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。以後、図1又は図2で説明した手順が行われ、中継局(RN)は、第2の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。その後、中継局(RN)として機能するのに必要な第2の設定情報が、基地局(eNB)において更新されたと仮定する。
【0051】
ステップS82において、基地局(eNB)は、更新後の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS12の手順に相当する。しかしながら、中継局(RN)は、何らかの事情により第2の設定情報を適切に設定することができなかったと仮定する。例えば、フェージングに起因して設定情報の全部又は一部が欠落していた等の場合が考えられる。
【0052】
ステップS83において、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−establishment)を基地局(eNB)に送信する。図示されてはいないが、基地局(eNB)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を受信すると、更新後の第2の設定情報を第2のRRCメッセージ(Un Configuration)により再送する。
【0053】
図4−図8を参照しながら説明したように、中継局(RN)が第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び/又は第2のRRCメッセージ(Un Configuration)の受信に失敗した場合、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を基地局(eNB)に送信する。これにより、基地局(eNB)は、第1及び第2のRRCメッセージを中継局(RN)に再送することができる。
【0054】
<<2.4 動作フロー>>
図9は、図4−図8を参照しながら説明した動作を、中継局(RN)の観点から説明するためのフローチャートである。
【0055】
ステップS91において、中継局(RN)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)の既存の設定が存在するか否かを判断する。Noの場合、既存の設定は存在しないので、これは起動時における動作であり、フローはステップS92に進む。Yesの場合、既存の設定が存在するので、これは更新時における動作であり、フローはステップS96に進む。
【0056】
ステップS92において、中継局(RN)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)による設定が完了したか否かを判断する。設定できていない場合、フローはステップS93に進む。
【0057】
ステップS93では、設定に失敗したことに起因して、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を基地局(eNB)に送信する。これは、図4のステップS42及び図6のステップS63に対応する。その後、基地局(eNB)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を中継局(RN)に送信する。
【0058】
一方、ステップS92において、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)による設定が完了していた場合、フローはステップS94に進む。
【0059】
ステップS94において、中継局(RN)は、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)による設定が完了しているか否かを判断する。完了していなかった場合、フローはステップS93に進み、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を基地局(eNB)に送信する。これは、図5のステップS54及び図7のステップS73に対応する。その後、基地局(eNB)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を中継局(RN)に送信する。一方、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)による設定が完了していた場合、フローはステップS95に進む。
【0060】
ステップS95にフローが至る場合、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)による設定は適切に行われており、中継局(RN)としての論理パスの設定は完了し、フローは終了する。
【0061】
他方、ステップS91において、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)の既存の設定が存在していた場合、フローはステップS96に進む。
【0062】
ステップS96において、中継局(RN)は、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)による設定が完了しているか否かを判断する。完了していなかった場合、フローはステップS93に進み、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を基地局(eNB)に送信する。その後、基地局(eNB)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を中継局(RN)に送信する。一方、ステップS94において、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)による設定が完了していた場合、フローはステップS95に進む。上述したように、この場合は、更新時における動作に相当する。
【0063】
ステップS95にフローが至る場合、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)による設定は適切に行われており、中継局(RN)としての論理パスの設定は完了し、フローは終了する。
【0064】
<3.設定項目>
上述したように、中継局(RN)は、起動時において、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を受信して設定を行い、更新時において、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を受信して設定を行う。したがって、このような動作を実現できるように、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)に含まれる第1の設定情報、及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)に含まれる第2の設定情報を、適切に規定しておく必要がある。
【0065】
第1の設定情報は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する情報であり、具体的には、論理パスによる無線ベアラの優先度を示す情報、セミパーシステントスケジューリング(SPS)におけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号(SRS)のリソースを示す情報及びMACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報等を含むが、これらに限定されない。例えば、ハンドオーバによるセキュリティ暗号鍵の変更に関する情報が、第1の設定情報に含まれてもよい。
【0066】
第2の設定情報は、中継局(RN)に専用の情報であり、具体的には、ユーザ装置に報知されているシステム情報及びMBSFN用のサブフレームを示す情報を含む。システム情報は、マスター情報ブロック(Master Information Block:MIB)及びシステム情報ブロック(System Information Blocks:SIB)により伝送される情報である。システム情報は、例えば、システム帯域幅やシステムフレーム番号のような必要最低限の情報、セルID、セル選択情報、トラッキングエリア等を示す情報、SIB2以降の情報のスケジューリング情報、全てのユーザ装置(UE)に共通する無線リソースのコンフィギュレーション情報、同一周波数及び異周波のセル再選択に共通する情報、同一周波数のセル再選択に関する情報、異周波や異RATのセル再選択に関する情報等を含むが、これらに限定されない。
【0067】
図10は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンスを示す。シーケンスは図2を参照しながら説明したものと同じであるが、図1や図3等のような他のシーケンスが使用されてもよい。
【0068】
ステップS101において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を、個別的な第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)により中継局(RN)に送信する。第1の設定情報は、基地局(eNB)のユーザ装置用設定データベース(UE用設定DB)に保存されている。図示の例では、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に設定可能な項目は全部で26個あり、その内、第1の設定項目は20個あり、それらを便宜上、A、B、...Tのように表す。設定項目Aの値は1であり、設定項目Bの値は2であり、以下同様に値が設定されており、設定項目Tの値は20である。設定項目の数及びそれらの値は、説明の便宜的な観点から例示されているにすぎず、適切な如何なる値が使用されてもよい。中継局(RN)は、設定項目A−Tの値を第1の設定情報にしたがって設定することで、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0069】
ステップS102において、中継局(RN)は、ステップS21による第1のRRCメッセージを適切に受信できたことを、RRCプロシジャ完了メッセージ(RRC Procedure Complete)により基地局(eNB)に通知する。RRCプロシジャ完了メッセージの通知は、後のタイミングで行われてもよい。
【0070】
ステップS103において、基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。第2の設定情報は、基地局(eNB)の中継局用設定データベース(RN用設定DB)に保存されている。なお、UE用設定DB及びRN用設定DBは、別々に設けられてもよいし、1つのデータベースの中で区分けされていてもよい。中継局(RN)は、設定項目A及び設定項目U−Zの値を第2の設定情報にしたがって設定することで、中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。設定項目Aは、第1の設定情報にも第2の設定情報にも含まれているが、第1の設定情報では値が1であるのに対して、第2の設定情報では値が30である点が異なる。この場合、中継局(RN)としての設定(第2の設定情報における設定項目Aの値)が優先され、設定項目Aの値は、1から30に変更(上書き)される。設定項目U−Zは、ユーザ装置(UE)用の第1の設定情報には含まれておらず、中継局(RN)用の第2の設定情報に含まれている。このような設定項目の差分に相当する項目については、中継局(RN)において設定が追加され、重複した設定項目については中継局(RN)用の値が上書きされる。
【0071】
設定項目A−Tに該当する情報は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する情報であり、具体的には、論理パスによる無線ベアラの優先度を示す情報、セミパーシステントスケジューリング(SPS)におけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号(SRS)のリソースを示す情報及びMACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報等を含むが、これらに限定されない。例えば、ハンドオーバによるセキュリティ暗号鍵の変更に関する情報が含まれてもよい。なお、ある設定項目を上書きする処理は、起動時だけでなく、その設定項目を更新する際にも当然に行われる。
【0072】
設定項目U−Zに該当する情報は、中継局(RN)に専用の情報であり、具体的には、ユーザ装置に報知されているシステム情報及びMBSFN用のサブフレームを示す情報等が挙げられる。
【0073】
ステップS104において、中継局(RN)は、ステップS103による第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を適切に受信できたことを、Unコンフィギュレーション完了メッセージ(Un Configuration Complete)により基地局(eNB)に通知する。
【0074】
このように、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する設定項目が第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)により中継局(RN)に通知され、中継局(RN)に専用の設定項目が第2のRRCメッセージ(Un Configuration)により中継局(RN)に通知される。各種の設定項目をこのように分離して通知することで、ステップS104以降に中継局(RN)の設定を更新する場合、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)のみを中継局(RN)に通知すればよい。このようにすることで、図3で説明したシーケンスを実現することができる。
【0075】
<4.基地局(eNB)及び中継局(RN)>
図11は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の機能ブロック図を示す。図示の機能要素は、基地局(eNB)及び中継局に備わる各種の機能要素の内、上記の各種の動作に必要なものを示している。
【0076】
ドナー基地局(DeNB)である基地局(eNB)は、RRC設定項目分離部111、送信順序制御部112、設定情報送信部113及び再接続制御部114を少なくとも有する。中継局(RN)は、設定情報受信部115、上書き判定部116、設定反映部117及び再接続要否判定部118を少なくとも有する。
【0077】
基地局(eNB)は、RRC設定項目分離部111において、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報(図10における設定項目A−T)と、中継局(RN)に専用の第2の設定情報(設定項目A、U−Z)とを判別し、出力する。送信順序制御部112は、第1の設定情報を含む第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)の後に、第2の設定情報を含む第2のRRCメッセージ(Un Configuration)が送信されるように、送信順序を制御する。設定情報送信部113は、送信順序制御部112からの指示にしたがって、第1の設定情報を含む第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)の後に、第2の設定情報を含む第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を中継局(RN)に送信する。
【0078】
中継局(RN)は、設定情報受信部115により、第1の設定情報を含む第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)の後に、第2の設定情報を含む第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を受信する。上書き判定部116は、既に設定済みの設定項目を上書きすることの要否を判定する。上書き判定部116は、起動時に図10のステップS103により、設定項目Aを上書きするか否かを判定する場合に加えて、更新の際に値を更新するか否かを判定する場合にも使用される。設定反映部117は、設定項目各々の値を設定する。
【0079】
一方、中継局(RN)は、再接続要否判断部118により、受信した第1及び第2のRRCメッセージから設定情報を適切に取得できたか否かを判定する。適切に取得できなかった場合、中継局(RN)は、再接続を要求するRRCメッセージ(RRC connection re−est)を基地局(eNB)に送信する。基地局(eNB)は、再接続制御部114により、再接続を要求するRRCメッセージ(RRC connection re−est)を処理し、第1及び第2のRRCメッセージを再送するように、設定情報送信部113に指示を送る。
【0080】
以上本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、それらは単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。特に、実施例又は項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。
【0081】
例えば、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)の後に第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を中継局(RN)に通知する図1の処理を行う際に、中継局(RN)が再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を必要に応じて送信する図6及び図7の処理が併用されてもよい。さらに、図10を参照しながら説明した設定項目を区分けすること及び中継局(RN)の設定項目を優先することが、図1の処理を行う際に併用されてもよい。同様に、図2の処理を行う際に、図4及び図5の処理が併用されてもよい。さらに、設定項目を区分けすること及び中継局(RN)の設定項目を優先することが、図2の処理を行う際に併用されてもよい。そして、図3の処理を行う際に、図8の処理が併用されてもよい。さらに、設定項目を区分けすること及び中継局(RN)の設定項目を優先することが、図3の処理を行う際に併用されてもよい。
【0082】
本発明は、基地局及びユーザ装置の通信を中継する中継局を使用する適切な如何なる移動通信システムに適用されてもよい。例えば本発明は、W−CDMA方式のシステム、HSDPA/HSUPA方式のW−CDMAシステム、LTE方式のシステム、LTE−Advanced方式のシステム、IMT−Advanced方式のシステム、WiMAX、Wi−Fi方式のシステム等に適用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に用意されてもよい。
【0083】
したがって、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【0084】
以下、本発明により教示される手段を例示的に列挙する。
【0085】
(eNB1)
移動通信システムにおける基地局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを生成する生成部と、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する送信部と
を有する基地局。
【0086】
(eNB2)
前記送信部が、前記第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を当該基地局が受信したか否かによらず、前記送信部が前記第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する、eNB1記載の基地局。
【0087】
(eNB3)
前記送信部が、前記第1のRRCメッセージを前記中継局に送信し、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を当該基地局が受信した後に、前記送信部が前記第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する、eNB1記載の基地局。
【0088】
(eNB4)
前記送信部は、前記第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後に、前記第2のRRCメッセージを前記中継局に反復的に送信することで、前記第2の設定情報による論理パスの設定を更新する、eNB1ないし3の何れか1項に記載の基地局。
【0089】
(eNB5)
前記中継局が前記第1の設定情報及び/又は前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該基地局は、前記中継局から再接続用のRRCメッセージを受信し、前記第1及び第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する、eNB1ないし4の何れか1項に記載の基地局。
【0090】
(eNB6)
前記中継局が前記第1の設定情報を受信できなかった場合において、当該基地局は、前記中継局から再接続用のRRCメッセージを受信し、前記中継局が前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該基地局は、前記中継局から再接続用のRRCメッセージを受信する、eNB5記載の基地局。
【0091】
(RN1)
ユーザ装置及び基地局と通信する中継局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び前記基地局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記基地局から受信した後に、前記基地局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する受信部と、
前記第1の設定情報にしたがって、前記ユーザ装置との通信における論理パス及び前記基地局との通信における論理パスを設定し、前記第2の設定情報にしたがって、前記基地局との通信における論理パスを設定する設定部と
を有する中継局。
【0092】
(RN2)
前記受信部が、前記第1のRRCメッセージを前記基地局から受信し、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を前記基地局へ送信する前に、前記受信部が前記第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する、RN1記載の中継局。
【0093】
(RN3)
前記受信部が、前記第1のRRCメッセージを前記基地局から受信し、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を前記基地局へ送信した後に、前記受信部が前記第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する、RN1記載の中継局。
【0094】
(RN4)
前記受信部は、前記第1のRRCメッセージを前記基地局から受信した後に、前記第2のRRCメッセージを前記基地局から反復的に受信することで、前記第2の設定情報による論理パスの設定を更新する、RN1ないし3の何れか1項に記載の中継局。
【0095】
(RN5)
当該中継局が前記第1の設定情報及び/又は前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該中継局は、再接続用のRRCメッセージを前記基地局に送信し、前記第1及び第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する、RN1ないし4の何れか1項に記載の中継局。
【0096】
(RN6)
当該中継局が前記第1の設定情報を受信できなかった場合において、当該中継局は、再接続用のRRCメッセージを前記基地局に送信し、当該中継局が前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該中継局は、再接続用のRRCメッセージを前記基地局に送信する、RN5記載の中継局。
【0097】
(方法1)
移動通信システムにおける方法であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを基地局において生成し、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記基地局から前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記基地局から前記中継局に送信するステップ
を有する方法。
【0098】
(eNB1)
移動通信システムにおける基地局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを生成する生成部と、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する送信部と
を有し、前記第1の設定情報は、前記論理パスによる無線ベアラの優先度を示す情報、セミパーシステントスケジューリングにおけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号のリソースを示す情報、MACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報及びハンドオーバによるセキュリティ暗号鍵の変更に関する情報を少なくとも含み、
前記第2の設定情報は、ユーザ装置に報知されているシステム情報及びMBSFN用のサブフレームを示す情報を少なくとも含む、基地局。
【0099】
(eNB2)
前記第1及び第2の設定情報双方に含まれるが値は異なる設定項目の情報が存在する場合、前記第2の設定情報による値が前記中継局において優先される、eNB1記載の基地局。
【0100】
(RN1)
ユーザ装置及び基地局と通信する中継局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び前記基地局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記基地局から受信した後に、前記基地局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する受信部と、
前記第1の設定情報にしたがって、前記ユーザ装置との通信における論理パス及び前記基地局との通信における論理パスを設定し、前記第2の設定情報にしたがって、前記基地局との通信における論理パスを設定する設定部と
を有し、前記第1の設定情報は、前記論理パスによる無線ベアラの優先度を示す情報、セミパーシステントスケジューリングにおけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号のリソースを示す情報、MACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報及びハンドオーバによるセキュリティ暗号鍵の変更に関する情報を少なくとも含み、
前記第2の設定情報は、ユーザ装置に報知されているシステム情報及びMBSFN用のサブフレームを示す情報を少なくとも含む、中継局。
【0101】
(RN2)
前記第1及び第2の設定情報双方に含まれるが値は異なる設定項目の情報が存在する場合、前記第2の設定情報による値が当該中継局において優先される、RN1記載の中継局。
【0102】
(方法1)
移動通信システムにおける方法であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを基地局において生成し、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記基地局から前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記基地局から前記中継局に送信するステップ
を有し、前記第1の設定情報は、前記論理パスによる無線ベアラの優先度を示す情報、セミパーシステントスケジューリングにおけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号のリソースを示す情報、MACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報及びハンドオーバによるセキュリティ暗号鍵の変更に関する情報を少なくとも含み、
前記第2の設定情報は、ユーザ装置に報知されているシステム情報及びMBSFN用のサブフレームを示す情報を少なくとも含む、方法。
【符号の説明】
【0103】
eNB 基地局
RN 中継局
UE ユーザ装置
111 RRC設定項目分離部
112 送信順序制御部
113 設定情報送信部
114 再接続制御部
115 設定情報受信部
116 上書き判定部
117 設定反映部
118 再接続要否判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおける基地局、中継局及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ方式の移動通信システムにおいて、セルのカバレッジを拡張するため及び/又は基地局(eNB)の負荷分散を図るため、基地局(eNB)と移動局(より一般的にはユーザ装置(UE))の間に中継局(Relay Node:RN)が設けられる場合がある。この場合における基地局(eNB)は、親局として機能し、ドナー基地局(Donor eNodeB:DeNB)と言及されることもある。ユーザ装置(UE)は、典型的には移動局であるが固定局でもよい。ユーザ装置(UE)は、例えば、携帯電話、情報端末、スマートフォン、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ等の適切な如何なる装置でもよい。基地局(eNB)及び中継局(RN)の間の無線インターフェースは「Un」と言及される。中継局(RN)及び移動局(UE)間の無線インターフェースは、「RN−Un」と言及される。
【0003】
基地局(eNB)と無線通信を行うには、基地局(eNB)から報知信号を受信して基地局(eNB)にアクセス可能になった後、無線ベアラ又は論理パスを適切に設定する必要がある。すなわち、RLC、MAC及びPDCPサブレイヤ等の各サブレイヤにおける各種のパラメータを、基地局(eNB)に合わせておく必要がある。論理パスの設定は、ユーザ装置(UE)だけでなく中継局(RN)も行う必要がある。この場合において、ユーザ装置(UE)の論理パスの設定と、中継局(RN)の論理パスの設定とは少なくとも部分的に異なる。
【0004】
例えば、中継局(RN)は、基地局(eNB)からの受信とユーザ装置(UE)への送信を、同一周波数による半二重方式で実現するため、時分割複信(TDD)方式を使用する。その際、中継局(RN)は、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)を伝送するように設定可能なサブフレームを使用して、基地局(eNB)から信号を受信する必要がある。これに対して、ユーザ装置(UE)にはそのような制約はない。したがって、少なくともサブフレームの使用法に関して、中継局(RN)及びユーザ装置(UE)の論理パスの設定は異なる。サブフレームの設定以外にも、例えば、セミパーシステントスケジューリング(SPS)におけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号(SRS)のリソースを示す情報及びMACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報等の設定が異なる可能性がある。
【0005】
したがって、基地局(eNB)は、中継局(RN)及びユーザ装置(UE)に対して、論理パスを設定するための情報を提供する必要がある。本願出願前に議論されている3GPP標準仕様によれば、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通の設定情報を含む個別RRCメッセージと、中継局(RN)に専用の設定情報を含む個別RRCメッセージとを送信することが検討されている(これについては、例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Report of 3GPP TSG RAN WG2 meeting #69, R2−101978
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、中継局に必要な論理パスの設定情報を基地局がどのようにして中継局に通知するかについての具体的詳細は決まっていない。
【0008】
本発明の課題は、基地局及びユーザ装置と通信する中継局に必要な論理パスの設定情報を、基地局から中継局へ適切に通知できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態による基地局は、
移動通信システムにおける基地局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを生成する生成部と、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する送信部と
を有する基地局である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一形態によれば、基地局及びユーザ装置と通信する中継局に必要な論理パスの設定情報を、基地局から中継局へ適切に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】中継局(RN)に所定の設定情報を通知する際に基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンス図。
【図2】中継局(RN)に所定の設定情報を通知する際に基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンス図。
【図3】中継局(RN)に更新用の所定の設定情報を通知する際に基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンス図。
【図4】基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンス図。
【図5】基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンス図。
【図6】基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンス図。
【図7】基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンス図。
【図8】基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンス図。
【図9】中継局(RN)における動作を示すフローチャート。
【図10】基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンス図。
【図11】基地局(eNB)及び中継局(RN)の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の観点から実施例を説明する。
【0013】
1.設定順序
2.設定できなかった場合
2.1 メッセージ毎に再接続要求
2.2 まとめて再接続要求
2.3 更新時の再接続要求
2.4 動作フロー
3.設定項目
4.基地局(eNB)及び中継局(RN)
【実施例1】
【0014】
<1.設定順序>
図1は、中継局(RN)に所定の設定情報を通知する際に基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンスを示す。
【0015】
ステップS11において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。図中、「RRC Procedure」とあるのは、この第1のRRCメッセージによる手順が、RRC接続再設定メッセージ(RRC connection reconfiguration message)のようなRRCコネクションを設定するためのプロシジャであることを示す。第1の設定情報は、具体的には、論理パスによる無線ベアラの優先度を示す情報、セミパーシステントスケジューリング(SPS)におけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号(SRS)のリソースを示す情報及びMACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報等を含むが、これらに限定されない。例えば、ハンドオーバによるセキュリティ暗号鍵の変更に関する情報が、第1の設定情報に含まれてもよい。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0016】
ステップS12において、基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。図中、「Un Configuration」とあるのは、第2の設定情報が、中継局(RN)のコンフィギュレーションに関連することを示す。従来のRRCプロシジャ(RRC Procedure)には、この第2のRRCメッセージによる手順に該当するものはない。第2の設定情報は、例えば、ユーザ装置に報知されているシステム情報及びMBSFN用のサブフレームを示す情報を含むが、これらに限定されない。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報に加えて、第2の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0017】
ステップS13において、中継局(RN)は、ステップS11による第1のRRCメッセージを適切に受信できたことを、RRCプロシジャ完了メッセージ(RRC Procedure Complete)により基地局(eNB)に通知する。
【0018】
ステップS14において、中継局(RN)は、ステップS12による第2のRRCメッセージを適切に受信できたことを、Unコンフィギュレーション完了メッセージ(Un Configuration Complete)により基地局(eNB)に通知する。
【0019】
図示の手順によれば、基地局(eNB)は、ステップS11による第1のRRCメッセージを送信した後、その第1のRRCメッセージに対する応答メッセージ(RRC Procedure Complete)の受信を待機せずに、ステップS12において第2のRRCメッセージを送信している。したがって、中継局(RN)は、第1及び第2のRRCメッセージを速やかに受信し、中継局としての設定を早期に行うことができる。
【0020】
図2は、中継局(RN)に所定の設定情報を通知する際に基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンスを示す。
【0021】
ステップS21において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0022】
ステップS22において、中継局(RN)は、ステップS21による第1のRRCメッセージを適切に受信できたことを、RRCプロシジャ完了メッセージ(RRC Procedure Complete)により基地局(eNB)に通知する。この点、図1のシーケンスと順序が異なる点に留意を要する。
【0023】
ステップS23において、基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS12の手順に相当する。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報に加えて、第2の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0024】
ステップS24において、中継局(RN)は、ステップS23による第2のRRCメッセージを適切に受信できたことを、Unコンフィギュレーション完了メッセージ(Un Configuration Complete)により基地局(eNB)に通知する。
【0025】
図2の手順によれば、基地局(eNB)は、ステップS21による第1のRRCメッセージを送信した後、その第1のRRCメッセージに対する応答メッセージ(RRC Procedure Complete)をステップS22において受信する。その後に、基地局(eNB)は、ステップS23において第2のRRCメッセージを送信している。したがって、第1及び第2のRRCメッセージを中継局(RN)が双方とも取得できる時点は、図1のシーケンスの場合より遅い。しかしながら、図2のシーケンスの場合、第1のRRCメッセージに対する応答信号(RRC Procedure Complete)が基地局(eNB)に届かなかった場合、基地局(eNB)は、第2のRRCメッセージを無駄に送信せずに済む点で有利である。
【0026】
図3は、中継局(RN)に所定の設定情報を通知する際に基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンスを示す。図1、図2は中継局(RN)の起動時におけるシーケンスに対応し、図3は起動した後の動作中におけるシーケンスに対応する。
【0027】
ステップS31において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。以後、図1又は図2で説明した手順が行われ、中継局(RN)は、第1の設定情報に加えて、第2の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。その後、中継局(RN)として機能するのに必要な第2の設定情報が、基地局(eNB)において更新されたと仮定する。
【0028】
ステップS32において、基地局(eNB)は、更新後の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。中継局(RN)は、更新後の第2の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、適切な中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0029】
ステップS33において、中継局(RN)は、ステップS32による第2のRRCメッセージを適切に受信できたことを、Unコンフィギュレーション完了メッセージ(Un Configuration Complete)により基地局(eNB)に通知する。
【0030】
このように基地局(eNB)において第2の設定情報が更新された場合、更新された第2の設定情報を受信することで、中継局(RN)は論理パスを更新後の内容に効率的に設定することができる。仮に中継局(RN)がこのような更新を行わなかったならば、更新後の新しい設定を有する基地局(eNB)と、古い設定を有する中継局(RN)との間で無線リンクを適切に維持することができなくなってしまうおそれがある。
【0031】
図1−3を参照しながら説明したように、基地局(eNB)は、先ず、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。第1の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、中継局(RN)は、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。次に、
基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。第1の設定情報加えて、第2の設定情報にしたがって論理パスを設定し直すことで、中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0032】
仮に、第2の設定情報にしたがって論理パスを設定した後で、第1の設定情報にしたがって論理パスを設定し直した場合、中継局(RN)に専用の設定事項が、中継局(RN)及びユーザ装置(UE)に共通の設定事項に変更されてしまうので、中継局(RN)として適切に動作することができないことが懸念される。また、中継局(RN)は、例えば10個のサブフレームを含む無線フレームの中で、MBSFNとして設定可能なサブフレーム(例えば、#1、#2、#3、#6、#7、#8の内の1つ以上)を利用して、基地局(eNB)から信号を受信しなければならない(ユーザ装置(UE)にはそのような制約はない)。したがって、先にこの設定がなされると、6個以下に限られたサブフレームの中で、基地局(eNB)から信号を受信しなければならず、設定が完了する時点が送れてしまうことも懸念される。したがって、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報にしたがって論理パスを設定した後で、中継局(RN)に専用の第2の設定情報にしたがって論理パスを設定し、必要に応じて第2の設定情報を更新することが好ましい。
【0033】
<2.設定できなかった場合>
<<2.1 メッセージ毎に再接続要求>>
図1−3を参照しながら説明したように、中継局(RN)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を適切に受信して論理パスを設定することで、中継局(RN)として機能することができる。したがって、第1及び第2のRRCメッセージの双方又は一方を適切に受信できなかった場合、適切な中継局(RN)として機能することはできない。このような場合、以下に説明する例では、再接続用のRRCメッセージを利用することで、中継局(RN)は、第1及び第2のRRCメッセージの再送を促すことができる。
【0034】
図4は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンスを示す。ステップS41において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。しかしながら、中継局(RN)は、何らかの事情により第1の設定情報を適切に設定することができなかったと仮定する。例えば、フェージングに起因して設定情報の全部又は一部が欠落していた等の場合が考えられる。
【0035】
ステップS42において、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−establishment)を基地局(eNB)に送信する。図示されてはいないが、基地局(eNB)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を受信すると、第1の設定情報を第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)により再送する。
【0036】
図5は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンスを示す。ステップS51において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0037】
ステップS52において、中継局(RN)は、ステップS21による第1のRRCメッセージを適切に受信できたことを、RRCプロシジャ完了メッセージ(RRC Procedure Complete)により基地局(eNB)に通知する。
【0038】
ステップS53において、基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS12の手順に相当する。しかしながら、中継局(RN)は、何らかの事情により第2の設定情報を適切に設定することができなかったと仮定する。例えば、フェージングに起因して設定情報の全部又は一部が欠落していた等の場合が考えられる。
【0039】
ステップS54において、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−establishment)を基地局(eNB)に送信する。図示されてはいないが、基地局(eNB)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を受信すると、第1の設定情報を第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)により再送する。ステップS53の第2のRRCメッセージ(Un Configuration)は、従来のシーケンスには存在しないメッセージなので、この第2のRRCメッセージを適切に受信できなかったことに応じて、ステップS54において送信される再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)も、従来のシーケンスには存在しない点に留意を要する。
【0040】
図4及び図5に示す例の場合、第1のメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)のメッセージ各々について、必要に応じて再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)が送信される。したがって、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を受信した基地局(eNB)は、第1及び第2のRRCメッセージのいずれが適切に受信できなかったかを区別することができる。例えば、第1のRRCメッセージに対する応答信号(RRC Procedure Complete)の代わりに再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)が基地局(eNB)に届いた場合、基地局(eNB)は、第2のRRCメッセージを無駄に送信せずに、第1のRRCメッセージを速やかに再送することができる。
【0041】
<<2.2 まとめて再接続要求>>
図6は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンスを示す。ステップS61において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。しかしながら、中継局(RN)は、何らかの事情により第1の設定情報を適切に設定することができなかったと仮定する。例えば、フェージングに起因して設定情報の全部又は一部が欠落していた等の場合が考えられる。
【0042】
図4に示すシーケンスとは異なり、図6のシーケンスでは、ステップS62において、基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージ(Un Configuration)により、中継局(RN)に送信する。すなわち、基地局(eNB)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)に対する中継局(RN)からの応答信号(RRC Procedure Complete)を受信してもしなくても、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を中継局(RN)に送信する。
【0043】
ステップS63において、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−establishment)を基地局(eNB)に送信する。図示されてはいないが、基地局(eNB)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を受信すると、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を再送する。
【0044】
図7は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンスを示す。シーケンスは概して図6のものと同じであるが、受信に失敗する時点が異なる。
【0045】
ステップS71において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。
【0046】
ステップS72において、基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。すなわち、基地局(eNB)は、第1のRRCメッセージに対する中継局(RN)からの応答信号(RRC Procedure Complete)を受信してもしなくても、第2のRRCメッセージを中継局(RN)に送信する。しかしながら、中継局(RN)は、何らかの事情により第2の設定情報を適切に設定することができなかったと仮定する。例えば、フェージングに起因して設定情報の全部又は一部が欠落していた等の場合が考えられる。
【0047】
ステップS73において、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−establishment)を基地局(eNB)に送信する。図示されてはいないが、基地局(eNB)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を受信すると、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を再送する。
【0048】
図6及び図7に示す例の場合、中継局(RN)は、第1のRRCメッセージの後の第2のRRCメッセージの後に、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を送信する。したがって、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)は、第1及び第2の2つのRRCメッセージに対して1回しか送信されない。この点、第1及び第2のRRCメッセージ各々について、必要に応じて再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)が送信される場合がある図4、図5のシーケンスと異なる。
【0049】
<<2.3 更新時の再接続要求>>
図8は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われる別のシーケンスを示す。図4−図7は中継局(RN)の起動時におけるシーケンスに対応し、図8は起動した後の動作中におけるシーケンスに対応する。
【0050】
ステップS81において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を個別的な第1のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS11の手順に相当する。図示されてはいないが、中継局(RN)は、第1の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。以後、図1又は図2で説明した手順が行われ、中継局(RN)は、第2の設定情報にしたがって論理パスを設定することで、中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。その後、中継局(RN)として機能するのに必要な第2の設定情報が、基地局(eNB)において更新されたと仮定する。
【0051】
ステップS82において、基地局(eNB)は、更新後の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。これは、図1のステップS12の手順に相当する。しかしながら、中継局(RN)は、何らかの事情により第2の設定情報を適切に設定することができなかったと仮定する。例えば、フェージングに起因して設定情報の全部又は一部が欠落していた等の場合が考えられる。
【0052】
ステップS83において、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−establishment)を基地局(eNB)に送信する。図示されてはいないが、基地局(eNB)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を受信すると、更新後の第2の設定情報を第2のRRCメッセージ(Un Configuration)により再送する。
【0053】
図4−図8を参照しながら説明したように、中継局(RN)が第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び/又は第2のRRCメッセージ(Un Configuration)の受信に失敗した場合、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を基地局(eNB)に送信する。これにより、基地局(eNB)は、第1及び第2のRRCメッセージを中継局(RN)に再送することができる。
【0054】
<<2.4 動作フロー>>
図9は、図4−図8を参照しながら説明した動作を、中継局(RN)の観点から説明するためのフローチャートである。
【0055】
ステップS91において、中継局(RN)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)の既存の設定が存在するか否かを判断する。Noの場合、既存の設定は存在しないので、これは起動時における動作であり、フローはステップS92に進む。Yesの場合、既存の設定が存在するので、これは更新時における動作であり、フローはステップS96に進む。
【0056】
ステップS92において、中継局(RN)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)による設定が完了したか否かを判断する。設定できていない場合、フローはステップS93に進む。
【0057】
ステップS93では、設定に失敗したことに起因して、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を基地局(eNB)に送信する。これは、図4のステップS42及び図6のステップS63に対応する。その後、基地局(eNB)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を中継局(RN)に送信する。
【0058】
一方、ステップS92において、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)による設定が完了していた場合、フローはステップS94に進む。
【0059】
ステップS94において、中継局(RN)は、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)による設定が完了しているか否かを判断する。完了していなかった場合、フローはステップS93に進み、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を基地局(eNB)に送信する。これは、図5のステップS54及び図7のステップS73に対応する。その後、基地局(eNB)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を中継局(RN)に送信する。一方、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)による設定が完了していた場合、フローはステップS95に進む。
【0060】
ステップS95にフローが至る場合、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)による設定は適切に行われており、中継局(RN)としての論理パスの設定は完了し、フローは終了する。
【0061】
他方、ステップS91において、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)の既存の設定が存在していた場合、フローはステップS96に進む。
【0062】
ステップS96において、中継局(RN)は、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)による設定が完了しているか否かを判断する。完了していなかった場合、フローはステップS93に進み、中継局(RN)は、再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を基地局(eNB)に送信する。その後、基地局(eNB)は、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を中継局(RN)に送信する。一方、ステップS94において、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)による設定が完了していた場合、フローはステップS95に進む。上述したように、この場合は、更新時における動作に相当する。
【0063】
ステップS95にフローが至る場合、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)による設定は適切に行われており、中継局(RN)としての論理パスの設定は完了し、フローは終了する。
【0064】
<3.設定項目>
上述したように、中継局(RN)は、起動時において、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を受信して設定を行い、更新時において、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を受信して設定を行う。したがって、このような動作を実現できるように、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)に含まれる第1の設定情報、及び第2のRRCメッセージ(Un Configuration)に含まれる第2の設定情報を、適切に規定しておく必要がある。
【0065】
第1の設定情報は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する情報であり、具体的には、論理パスによる無線ベアラの優先度を示す情報、セミパーシステントスケジューリング(SPS)におけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号(SRS)のリソースを示す情報及びMACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報等を含むが、これらに限定されない。例えば、ハンドオーバによるセキュリティ暗号鍵の変更に関する情報が、第1の設定情報に含まれてもよい。
【0066】
第2の設定情報は、中継局(RN)に専用の情報であり、具体的には、ユーザ装置に報知されているシステム情報及びMBSFN用のサブフレームを示す情報を含む。システム情報は、マスター情報ブロック(Master Information Block:MIB)及びシステム情報ブロック(System Information Blocks:SIB)により伝送される情報である。システム情報は、例えば、システム帯域幅やシステムフレーム番号のような必要最低限の情報、セルID、セル選択情報、トラッキングエリア等を示す情報、SIB2以降の情報のスケジューリング情報、全てのユーザ装置(UE)に共通する無線リソースのコンフィギュレーション情報、同一周波数及び異周波のセル再選択に共通する情報、同一周波数のセル再選択に関する情報、異周波や異RATのセル再選択に関する情報等を含むが、これらに限定されない。
【0067】
図10は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の間で行われるシーケンスを示す。シーケンスは図2を参照しながら説明したものと同じであるが、図1や図3等のような他のシーケンスが使用されてもよい。
【0068】
ステップS101において、基地局(eNB)は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報を、個別的な第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)により中継局(RN)に送信する。第1の設定情報は、基地局(eNB)のユーザ装置用設定データベース(UE用設定DB)に保存されている。図示の例では、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に設定可能な項目は全部で26個あり、その内、第1の設定項目は20個あり、それらを便宜上、A、B、...Tのように表す。設定項目Aの値は1であり、設定項目Bの値は2であり、以下同様に値が設定されており、設定項目Tの値は20である。設定項目の数及びそれらの値は、説明の便宜的な観点から例示されているにすぎず、適切な如何なる値が使用されてもよい。中継局(RN)は、設定項目A−Tの値を第1の設定情報にしたがって設定することで、ユーザ装置(UE)と同様に基地局(eNB)と通信することができるようになる。
【0069】
ステップS102において、中継局(RN)は、ステップS21による第1のRRCメッセージを適切に受信できたことを、RRCプロシジャ完了メッセージ(RRC Procedure Complete)により基地局(eNB)に通知する。RRCプロシジャ完了メッセージの通知は、後のタイミングで行われてもよい。
【0070】
ステップS103において、基地局(eNB)は、中継局(RN)に専用の第2の設定情報を個別的な第2のRRCメッセージにより、中継局(RN)に送信する。第2の設定情報は、基地局(eNB)の中継局用設定データベース(RN用設定DB)に保存されている。なお、UE用設定DB及びRN用設定DBは、別々に設けられてもよいし、1つのデータベースの中で区分けされていてもよい。中継局(RN)は、設定項目A及び設定項目U−Zの値を第2の設定情報にしたがって設定することで、中継局(RN)として、基地局(eNB)と通信することができるようになる。設定項目Aは、第1の設定情報にも第2の設定情報にも含まれているが、第1の設定情報では値が1であるのに対して、第2の設定情報では値が30である点が異なる。この場合、中継局(RN)としての設定(第2の設定情報における設定項目Aの値)が優先され、設定項目Aの値は、1から30に変更(上書き)される。設定項目U−Zは、ユーザ装置(UE)用の第1の設定情報には含まれておらず、中継局(RN)用の第2の設定情報に含まれている。このような設定項目の差分に相当する項目については、中継局(RN)において設定が追加され、重複した設定項目については中継局(RN)用の値が上書きされる。
【0071】
設定項目A−Tに該当する情報は、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する情報であり、具体的には、論理パスによる無線ベアラの優先度を示す情報、セミパーシステントスケジューリング(SPS)におけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号(SRS)のリソースを示す情報及びMACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報等を含むが、これらに限定されない。例えば、ハンドオーバによるセキュリティ暗号鍵の変更に関する情報が含まれてもよい。なお、ある設定項目を上書きする処理は、起動時だけでなく、その設定項目を更新する際にも当然に行われる。
【0072】
設定項目U−Zに該当する情報は、中継局(RN)に専用の情報であり、具体的には、ユーザ装置に報知されているシステム情報及びMBSFN用のサブフレームを示す情報等が挙げられる。
【0073】
ステップS104において、中継局(RN)は、ステップS103による第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を適切に受信できたことを、Unコンフィギュレーション完了メッセージ(Un Configuration Complete)により基地局(eNB)に通知する。
【0074】
このように、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する設定項目が第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)により中継局(RN)に通知され、中継局(RN)に専用の設定項目が第2のRRCメッセージ(Un Configuration)により中継局(RN)に通知される。各種の設定項目をこのように分離して通知することで、ステップS104以降に中継局(RN)の設定を更新する場合、第2のRRCメッセージ(Un Configuration)のみを中継局(RN)に通知すればよい。このようにすることで、図3で説明したシーケンスを実現することができる。
【0075】
<4.基地局(eNB)及び中継局(RN)>
図11は、基地局(eNB)及び中継局(RN)の機能ブロック図を示す。図示の機能要素は、基地局(eNB)及び中継局に備わる各種の機能要素の内、上記の各種の動作に必要なものを示している。
【0076】
ドナー基地局(DeNB)である基地局(eNB)は、RRC設定項目分離部111、送信順序制御部112、設定情報送信部113及び再接続制御部114を少なくとも有する。中継局(RN)は、設定情報受信部115、上書き判定部116、設定反映部117及び再接続要否判定部118を少なくとも有する。
【0077】
基地局(eNB)は、RRC設定項目分離部111において、ユーザ装置(UE)及び中継局(RN)に共通する第1の設定情報(図10における設定項目A−T)と、中継局(RN)に専用の第2の設定情報(設定項目A、U−Z)とを判別し、出力する。送信順序制御部112は、第1の設定情報を含む第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)の後に、第2の設定情報を含む第2のRRCメッセージ(Un Configuration)が送信されるように、送信順序を制御する。設定情報送信部113は、送信順序制御部112からの指示にしたがって、第1の設定情報を含む第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)の後に、第2の設定情報を含む第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を中継局(RN)に送信する。
【0078】
中継局(RN)は、設定情報受信部115により、第1の設定情報を含む第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)の後に、第2の設定情報を含む第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を受信する。上書き判定部116は、既に設定済みの設定項目を上書きすることの要否を判定する。上書き判定部116は、起動時に図10のステップS103により、設定項目Aを上書きするか否かを判定する場合に加えて、更新の際に値を更新するか否かを判定する場合にも使用される。設定反映部117は、設定項目各々の値を設定する。
【0079】
一方、中継局(RN)は、再接続要否判断部118により、受信した第1及び第2のRRCメッセージから設定情報を適切に取得できたか否かを判定する。適切に取得できなかった場合、中継局(RN)は、再接続を要求するRRCメッセージ(RRC connection re−est)を基地局(eNB)に送信する。基地局(eNB)は、再接続制御部114により、再接続を要求するRRCメッセージ(RRC connection re−est)を処理し、第1及び第2のRRCメッセージを再送するように、設定情報送信部113に指示を送る。
【0080】
以上本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、それらは単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。特に、実施例又は項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。
【0081】
例えば、第1のRRCメッセージ(RRC Procedure)の後に第2のRRCメッセージ(Un Configuration)を中継局(RN)に通知する図1の処理を行う際に、中継局(RN)が再接続用のRRCメッセージ(RRC connection re−est)を必要に応じて送信する図6及び図7の処理が併用されてもよい。さらに、図10を参照しながら説明した設定項目を区分けすること及び中継局(RN)の設定項目を優先することが、図1の処理を行う際に併用されてもよい。同様に、図2の処理を行う際に、図4及び図5の処理が併用されてもよい。さらに、設定項目を区分けすること及び中継局(RN)の設定項目を優先することが、図2の処理を行う際に併用されてもよい。そして、図3の処理を行う際に、図8の処理が併用されてもよい。さらに、設定項目を区分けすること及び中継局(RN)の設定項目を優先することが、図3の処理を行う際に併用されてもよい。
【0082】
本発明は、基地局及びユーザ装置の通信を中継する中継局を使用する適切な如何なる移動通信システムに適用されてもよい。例えば本発明は、W−CDMA方式のシステム、HSDPA/HSUPA方式のW−CDMAシステム、LTE方式のシステム、LTE−Advanced方式のシステム、IMT−Advanced方式のシステム、WiMAX、Wi−Fi方式のシステム等に適用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に用意されてもよい。
【0083】
したがって、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【0084】
以下、本発明により教示される手段を例示的に列挙する。
【0085】
(eNB1)
移動通信システムにおける基地局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを生成する生成部と、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する送信部と
を有する基地局。
【0086】
(eNB2)
前記送信部が、前記第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を当該基地局が受信したか否かによらず、前記送信部が前記第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する、eNB1記載の基地局。
【0087】
(eNB3)
前記送信部が、前記第1のRRCメッセージを前記中継局に送信し、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を当該基地局が受信した後に、前記送信部が前記第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する、eNB1記載の基地局。
【0088】
(eNB4)
前記送信部は、前記第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後に、前記第2のRRCメッセージを前記中継局に反復的に送信することで、前記第2の設定情報による論理パスの設定を更新する、eNB1ないし3の何れか1項に記載の基地局。
【0089】
(eNB5)
前記中継局が前記第1の設定情報及び/又は前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該基地局は、前記中継局から再接続用のRRCメッセージを受信し、前記第1及び第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する、eNB1ないし4の何れか1項に記載の基地局。
【0090】
(eNB6)
前記中継局が前記第1の設定情報を受信できなかった場合において、当該基地局は、前記中継局から再接続用のRRCメッセージを受信し、前記中継局が前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該基地局は、前記中継局から再接続用のRRCメッセージを受信する、eNB5記載の基地局。
【0091】
(RN1)
ユーザ装置及び基地局と通信する中継局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び前記基地局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記基地局から受信した後に、前記基地局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する受信部と、
前記第1の設定情報にしたがって、前記ユーザ装置との通信における論理パス及び前記基地局との通信における論理パスを設定し、前記第2の設定情報にしたがって、前記基地局との通信における論理パスを設定する設定部と
を有する中継局。
【0092】
(RN2)
前記受信部が、前記第1のRRCメッセージを前記基地局から受信し、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を前記基地局へ送信する前に、前記受信部が前記第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する、RN1記載の中継局。
【0093】
(RN3)
前記受信部が、前記第1のRRCメッセージを前記基地局から受信し、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を前記基地局へ送信した後に、前記受信部が前記第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する、RN1記載の中継局。
【0094】
(RN4)
前記受信部は、前記第1のRRCメッセージを前記基地局から受信した後に、前記第2のRRCメッセージを前記基地局から反復的に受信することで、前記第2の設定情報による論理パスの設定を更新する、RN1ないし3の何れか1項に記載の中継局。
【0095】
(RN5)
当該中継局が前記第1の設定情報及び/又は前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該中継局は、再接続用のRRCメッセージを前記基地局に送信し、前記第1及び第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する、RN1ないし4の何れか1項に記載の中継局。
【0096】
(RN6)
当該中継局が前記第1の設定情報を受信できなかった場合において、当該中継局は、再接続用のRRCメッセージを前記基地局に送信し、当該中継局が前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該中継局は、再接続用のRRCメッセージを前記基地局に送信する、RN5記載の中継局。
【0097】
(方法1)
移動通信システムにおける方法であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを基地局において生成し、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記基地局から前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記基地局から前記中継局に送信するステップ
を有する方法。
【0098】
(eNB1)
移動通信システムにおける基地局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを生成する生成部と、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する送信部と
を有し、前記第1の設定情報は、前記論理パスによる無線ベアラの優先度を示す情報、セミパーシステントスケジューリングにおけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号のリソースを示す情報、MACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報及びハンドオーバによるセキュリティ暗号鍵の変更に関する情報を少なくとも含み、
前記第2の設定情報は、ユーザ装置に報知されているシステム情報及びMBSFN用のサブフレームを示す情報を少なくとも含む、基地局。
【0099】
(eNB2)
前記第1及び第2の設定情報双方に含まれるが値は異なる設定項目の情報が存在する場合、前記第2の設定情報による値が前記中継局において優先される、eNB1記載の基地局。
【0100】
(RN1)
ユーザ装置及び基地局と通信する中継局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び前記基地局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記基地局から受信した後に、前記基地局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する受信部と、
前記第1の設定情報にしたがって、前記ユーザ装置との通信における論理パス及び前記基地局との通信における論理パスを設定し、前記第2の設定情報にしたがって、前記基地局との通信における論理パスを設定する設定部と
を有し、前記第1の設定情報は、前記論理パスによる無線ベアラの優先度を示す情報、セミパーシステントスケジューリングにおけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号のリソースを示す情報、MACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報及びハンドオーバによるセキュリティ暗号鍵の変更に関する情報を少なくとも含み、
前記第2の設定情報は、ユーザ装置に報知されているシステム情報及びMBSFN用のサブフレームを示す情報を少なくとも含む、中継局。
【0101】
(RN2)
前記第1及び第2の設定情報双方に含まれるが値は異なる設定項目の情報が存在する場合、前記第2の設定情報による値が当該中継局において優先される、RN1記載の中継局。
【0102】
(方法1)
移動通信システムにおける方法であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを基地局において生成し、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記基地局から前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記基地局から前記中継局に送信するステップ
を有し、前記第1の設定情報は、前記論理パスによる無線ベアラの優先度を示す情報、セミパーシステントスケジューリングにおけるリソースの使用法を示す情報、サウンディングリファレンス信号のリソースを示す情報、MACサブレイヤにおけるコンフィギュレーション情報及びハンドオーバによるセキュリティ暗号鍵の変更に関する情報を少なくとも含み、
前記第2の設定情報は、ユーザ装置に報知されているシステム情報及びMBSFN用のサブフレームを示す情報を少なくとも含む、方法。
【符号の説明】
【0103】
eNB 基地局
RN 中継局
UE ユーザ装置
111 RRC設定項目分離部
112 送信順序制御部
113 設定情報送信部
114 再接続制御部
115 設定情報受信部
116 上書き判定部
117 設定反映部
118 再接続要否判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信システムにおける基地局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを生成する生成部と、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する送信部と
を有する基地局。
【請求項2】
前記送信部が、前記第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を当該基地局が受信したか否かによらず、前記送信部が前記第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する、請求項1記載の基地局。
【請求項3】
前記送信部が、前記第1のRRCメッセージを前記中継局に送信し、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を当該基地局が受信した後に、前記送信部が前記第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する、請求項1記載の基地局。
【請求項4】
前記送信部は、前記第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後に、前記第2のRRCメッセージを前記中継局に反復的に送信することで、前記第2の設定情報による論理パスの設定を更新する、請求項1ないし3の何れか1項に記載の基地局。
【請求項5】
前記中継局が前記第1の設定情報及び/又は前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該基地局は、前記中継局から再接続用のRRCメッセージを受信し、前記第1及び第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する、請求項1ないし4の何れか1項に記載の基地局。
【請求項6】
前記中継局が前記第1の設定情報を受信できなかった場合において、当該基地局は、前記中継局から再接続用のRRCメッセージを受信し、前記中継局が前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該基地局は、前記中継局から再接続用のRRCメッセージを受信する、請求項5記載の基地局。
【請求項7】
ユーザ装置及び基地局と通信する中継局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び前記基地局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記基地局から受信した後に、前記基地局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する受信部と、
前記第1の設定情報にしたがって、前記ユーザ装置との通信における論理パス及び前記基地局との通信における論理パスを設定し、前記第2の設定情報にしたがって、前記基地局との通信における論理パスを設定する設定部と
を有する中継局。
【請求項8】
前記受信部が、前記第1のRRCメッセージを前記基地局から受信し、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を前記基地局へ送信する前に、前記受信部が前記第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する、請求項7記載の中継局。
【請求項9】
前記受信部が、前記第1のRRCメッセージを前記基地局から受信し、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を前記基地局へ送信した後に、前記受信部が前記第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する、請求項7記載の中継局。
【請求項10】
前記受信部は、前記第1のRRCメッセージを前記基地局から受信した後に、前記第2のRRCメッセージを前記基地局から反復的に受信することで、前記第2の設定情報による論理パスの設定を更新する、請求項7ないし9の何れか1項に記載の中継局。
【請求項11】
当該中継局が前記第1の設定情報及び/又は前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該中継局は、再接続用のRRCメッセージを前記基地局に送信し、前記第1及び第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する、請求項7ないし10の何れか1項に記載の中継局。
【請求項12】
当該中継局が前記第1の設定情報を受信できなかった場合において、当該中継局は、再接続用のRRCメッセージを前記基地局に送信し、当該中継局が前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該中継局は、再接続用のRRCメッセージを前記基地局に送信する、請求項11記載の中継局。
【請求項13】
移動通信システムにおける方法であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを基地局において生成し、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記基地局から前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記基地局から前記中継局に送信するステップ
を有する方法。
【請求項1】
移動通信システムにおける基地局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを生成する生成部と、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する送信部と
を有する基地局。
【請求項2】
前記送信部が、前記第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を当該基地局が受信したか否かによらず、前記送信部が前記第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する、請求項1記載の基地局。
【請求項3】
前記送信部が、前記第1のRRCメッセージを前記中継局に送信し、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を当該基地局が受信した後に、前記送信部が前記第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する、請求項1記載の基地局。
【請求項4】
前記送信部は、前記第1のRRCメッセージを前記中継局に送信した後に、前記第2のRRCメッセージを前記中継局に反復的に送信することで、前記第2の設定情報による論理パスの設定を更新する、請求項1ないし3の何れか1項に記載の基地局。
【請求項5】
前記中継局が前記第1の設定情報及び/又は前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該基地局は、前記中継局から再接続用のRRCメッセージを受信し、前記第1及び第2のRRCメッセージを前記中継局に送信する、請求項1ないし4の何れか1項に記載の基地局。
【請求項6】
前記中継局が前記第1の設定情報を受信できなかった場合において、当該基地局は、前記中継局から再接続用のRRCメッセージを受信し、前記中継局が前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該基地局は、前記中継局から再接続用のRRCメッセージを受信する、請求項5記載の基地局。
【請求項7】
ユーザ装置及び基地局と通信する中継局であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び前記基地局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記基地局から受信した後に、前記基地局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する受信部と、
前記第1の設定情報にしたがって、前記ユーザ装置との通信における論理パス及び前記基地局との通信における論理パスを設定し、前記第2の設定情報にしたがって、前記基地局との通信における論理パスを設定する設定部と
を有する中継局。
【請求項8】
前記受信部が、前記第1のRRCメッセージを前記基地局から受信し、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を前記基地局へ送信する前に、前記受信部が前記第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する、請求項7記載の中継局。
【請求項9】
前記受信部が、前記第1のRRCメッセージを前記基地局から受信し、該第1のRRCメッセージに対する応答信号を前記基地局へ送信した後に、前記受信部が前記第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する、請求項7記載の中継局。
【請求項10】
前記受信部は、前記第1のRRCメッセージを前記基地局から受信した後に、前記第2のRRCメッセージを前記基地局から反復的に受信することで、前記第2の設定情報による論理パスの設定を更新する、請求項7ないし9の何れか1項に記載の中継局。
【請求項11】
当該中継局が前記第1の設定情報及び/又は前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該中継局は、再接続用のRRCメッセージを前記基地局に送信し、前記第1及び第2のRRCメッセージを前記基地局から受信する、請求項7ないし10の何れか1項に記載の中継局。
【請求項12】
当該中継局が前記第1の設定情報を受信できなかった場合において、当該中継局は、再接続用のRRCメッセージを前記基地局に送信し、当該中継局が前記第2の設定情報を受信できなかった場合において、当該中継局は、再接続用のRRCメッセージを前記基地局に送信する、請求項11記載の中継局。
【請求項13】
移動通信システムにおける方法であって、
ユーザ装置との通信における論理パスの設定及び中継局との通信における論理パスの設定に共通に使用される第1の設定情報と、前記中継局との通信における論理パスの設定にのみ使用される第2の設定情報とを基地局において生成し、
前記第1の設定情報を含む個別的な第1のRRCメッセージを前記基地局から前記中継局に送信した後に、前記第2の設定情報を含む個別的な第2のRRCメッセージを前記基地局から前記中継局に送信するステップ
を有する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−44335(P2012−44335A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181911(P2010−181911)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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