説明

移動通信方法、移動局、コアネットワーク装置及び無線基地局

【課題】Udインタフェースにおける無線リンクの品質が劣化した場合の救済手段を提供する。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法では、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、無線基地局eNBとの間で設定されているUuインタフェースにおける無線リンクを介することなく、移動局UE#1と移動局UE#2との間で設定されているUdインタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、Uuインタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる。移動局UE#1は、第1通信状態において、UdインタフェースにおいてRLFを検出した場合、第2通信状態に遷移する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法、移動局、コアネットワーク装置及び無線基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式では、移動局UEは、Uuインタフェースにおける無線リンクにおいて、無線基地局eNBからのRS(Reference Signal、参照信号)等の信号を受信し、その品質(SIR:Signal to Interference Ratio)を監視するように構成されている。
【0003】
具体的には、移動局UEは、無線基地局eNBによってRRC(Radio Resource Control)メッセージで設定されるパラメータN310やN311やT310を用いて、以下の通り、RLF(Radio Link Failure、無線リンク障害)を検出するように構成されている。
【0004】
移動局UEにおいて、物理レイヤは、受信信号(RS)の品質(SIR)を測定し、かかる品質が「Qout」以下となると、RRCレイヤに対して「out-of-sync」を通知し、かかる品質が「Qin」以上となると、RRCレイヤに対して「in-of-sync」を通知する。
【0005】
ここで、かかる品質が「Qin」と「Qout」との間にある場合、移動局UEの物理レイヤは、RRCレイヤに対して何も通知しない。なお、かかる測定は、40ms周期で行われる。
【0006】
そして、図6に示すように、移動局UEにおいて、RRCレイヤは、物理レイヤから連続してN310回「out-of-sync」を受信すると、T310を開始する。
【0007】
その後、RRCレイヤは、T310が起動している間に連続してN311回「in-of-sync」を受信すると、T310を停止してリセットする(CASE2)。
【0008】
一方、RRCレイヤは、T310が満了すると、RLFを検出する(CASE1)。
【0009】
移動局UEは、RLFを検出すると、セル選択処理を行い、「suitable cell」が見つかれば、再接続処理(RRC Connection Re-establishment)を行う。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】3GPP TS36.331
【非特許文献2】3GPP TS36.133
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来のLTE方式の移動通信システムでは、複数の移動局UEが、同一セル(或いは、無線基地局eNB配下のセル)内に位置している場合であっても、データ信号及び制御信号の両方が、無線基地局eNBを介して送受信されるように構成されているため、無線基地局eNBの処理負荷が増大してしまうという問題点があった。
【0012】
かかる問題点を解決するために、複数の移動局UEが、無線基地局eNBとの間で設定されているUuインタフェースにおける無線リンクを介することなく、移動局間インタフェース(以下、Udインタフェース)における無線リンクを介して、データ信号の送受信を行うことを想定することができる。
【0013】
しかしながら、従来のLTE方式の移動通信システムの仕組みでは、複数の移動局UEが、Udインタフェースにおける無線リンクを介してデータ信号の送受信を行っている場合、Udインタフェースにおける無線リンクの品質が劣化した場合に、救済手段が存在しないという問題点があった。
【0014】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、Udインタフェースにおける無線リンクの品質が劣化した場合の救済手段を提供することができる移動通信方法、移動局、コアネットワーク装置及び無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の特徴は、第1移動局と第2移動局との間で、無線基地局との間で設定されている無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介することなく、該第1移動局と該第2移動局との間で設定されている移動局間インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、該第1移動局と該第2移動局との間で、該無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる移動通信方法であって、前記第1移動局が、前記第1通信状態において、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害を検出した場合、前記第2通信状態に遷移する工程を有することを要旨とする。
【0016】
本発明の第2の特徴は、第1移動局と第2移動局との間で、無線基地局との間で設定されている無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介することなく、該第1移動局と該第2移動局との間で設定されている移動局間インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、該第1移動局と該第2移動局との間で、該無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる移動通信システムにおいて該第1移動局として動作可能な移動局であって、前記第1通信状態において、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害が検出された場合、前記第2通信状態に遷移するように構成されている通信部を具備することを要旨とする。
【0017】
本発明の第3の特徴は、第1移動局と第2移動局との間で、無線基地局との間で設定されている無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介することなく、該第1移動局と該第2移動局との間で設定されている移動局間インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、該第1移動局と該第2移動局との間で、該無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる移動通信システムで用いられるコアネットワーク装置であって、前記第1通信状態の前記第1移動局から、前記無線基地局を介して、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害が検出された旨の報告を受信した場合に、該無線基地局を介して、該第1移動局及び前記第2移動局に対して、前記第1通信状態から前記第2通信状態への遷移を指示するように構成されている指示部を具備することを要旨とする。
【0018】
本発明の第4の特徴は、第1移動局と第2移動局との間で、無線基地局との間で設定されている無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介することなく、該第1移動局と該第2移動局との間で設定されている移動局間インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、該第1移動局と該第2移動局との間で、該無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる移動通信システムで用いられる該無線基地局であって、前記第1通信状態の前記第1移動局から、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害が検出された旨の報告を受信した場合に、該第1移動局及び前記第2移動局に対して、前記第1通信状態から前記第2通信状態への遷移を指示するように構成されている指示部を具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、Udインタフェースにおける無線リンクの品質が劣化した場合の救済手段を提供することができる移動通信方法、移動局、コアネットワーク装置及び無線基地局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るコアネットワーク装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図6】従来の移動通信システムの動作について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0022】
本実施形態に係る移動通信システムは、LTE方式の移動通信システムであって、図1に示すように、コアネットワーク装置CNと、コアネットワーク装置CN配下に接続されている無線基地局eNBとを具備している。なお、本発明は、LTE方式以外のセルラー方式の移動通信システムにも適用可能である。
【0023】
ここで、第1通信状態では、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、無線基地局eNBとの間で設定されているUuインタフェースにおける無線リンクを介することなく、移動局UE#1と移動局UE#2との間で設定されているUdインタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号が送受信されるように構成されている。
【0024】
ただし、移動局UE#1及び移動局UE#2は、第1通信状態において、制御信号については、Uuインタフェースにおける無線リンクを介して、無線基地局eNBとの間で送受信するように構成されている。
【0025】
また、第2通信状態では、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、Uuインタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号が送受信されるように構成されている。
【0026】
すなわち、移動局UE#1は、移動局UE#2との間で、無線基地局eNBを介して(Uuインタフェースにおける無線リンクを介して)データ信号を送受信することもできるし(第2通信状態)、無線基地局eNBを介さないで(Udインタフェースにおける無線リンクを介して)データ信号を送受信することもできる(第1通信状態)。
【0027】
同様に、移動局UE#2は、移動局UE#1との間で、無線基地局eNBを介して(Uuインタフェースにおける無線リンクを介して)データ信号を送受信することもできるし(第2通信状態)、無線基地局eNBを介さないで(Udインタフェースにおける無線リンクを介して)データ信号を送受信することもできる(第1通信状態)。
【0028】
例えば、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、コアネットワーク装置CNは、移動管理ノードMME(Mobility Management Entity)やゲートウェイ装置P/S-GW(PDN/Serving Gateway)であってもよい。
【0029】
移動局UE#1の機能及び移動局UE#2の機能は、基本的に同一であるため、以下、代表して移動局UE#1の機能について説明する。図2に示すように、移動局UE#1は、受信部11と、RLF検出部12と、送信部13と、セル選択・再接続処理部14とを具備している。
【0030】
受信部11は、移動局UEが、第1通信状態である場合、Uuインタフェースにおける無線リンクを介して無線基地局eNBから制御信号を受信し、Udインタフェースにおける無線リンクを介して移動局UE#2からデータ信号を受信するように構成されている。
【0031】
また、受信部11は、移動局UEが、第2通信状態である場合、Uuインタフェースにおける無線リンクを介して無線基地局eNBから制御信号及びデータ信号を受信するように構成されている。
【0032】
さらに、受信部11は、チャネル推定用に移動局UE#2によって送信されたRSを受信するように構成されている。
【0033】
RLF検出部14は、UuインタフェースにおけるRLFに加えて、UdインタフェースにおけるRLFを検出するように構成されている。
【0034】
例えば、RLF検出部14は、UuインタフェースにおけるRLFの検出と同様の方法で、UdインタフェースにおけるRLFを検出するように構成されていてもよい。
【0035】
ここで、RLF検出部14は、UuインタフェースにおけるRLFの検出で用いるパラメータN310やN311やT310の値と同じ値を用いて、UdインタフェースにおけるRLFを検出するように構成されていてもよいし、UuインタフェースにおけるRLFの検出で用いるパラメータN310やN311やT310の値と異なる値を用いて、UdインタフェースにおけるRLFを検出するように構成されていてもよい。
【0036】
送信部13は、移動局UEが、第1通信状態である場合、Uuインタフェースにおける無線リンクを介して無線基地局eNBに対して制御信号を送信し、Udインタフェースにおける無線リンクを介して移動局UE#2に対してデータ信号を送信するように構成されている。
【0037】
また、送信部13は、移動局UEが、第2通信状態である場合、Uuインタフェースにおける無線リンクを介して無線基地局eNBに対して制御信号及びデータ信号を送信するように構成されている。
【0038】
さらに、送信部13は、チャネル推定用に移動局UE#2に対してRSを送信するように構成されている。
【0039】
なお、RLF検出部14が、UdインタフェースにおけるRLFを検出した場合、送信部13は、その旨を無線基地局eNBに対して報告する、すなわち、その旨を示す「Ud RLF Report」を送信するように構成されている。
【0040】
セル選択・再接続処理部14は、セル選択処理及び再接続処理を行うように構成されている。
【0041】
ここで、送信部13及び受信部11は、移動局UE#1が、第1通信状態である場合で、かつ、RLF検出部14が、UdインタフェースにおいてRLFを検出した場合、第2通信状態に遷移するように構成されている。
【0042】
例えば、受信部11が、無線基地局eNBから、後述する「Reconfiguration」を受信した場合、送信部13及び受信部11は、第1通信状態から第2通信状態に遷移するように構成されていてもよい。
【0043】
また、移動局UEが、第1通信状態である場合で、かつ、RLF検出部14が、UdインタフェースにおいてRLFを検出した場合、セル選択・再接続処理部14は、Udインタフェースにおける無線リンクを解放し、セル選択処理を行い、再接続処理によって、選択されたセルとの間でUuインタフェースにおける無線リンクを確立するように構成されていてもよい。
【0044】
その結果、送信部13及び受信部11は、第1通信状態から第2通信状態に遷移するように構成されている。
【0045】
図2に示すように、無線基地局eNBは、受信部21と、送信部22とを具備している。
【0046】
受信部21は、第1通信状態の移動局UE#1や移動局UE#2から制御信号を受信し、第2通信状態の移動局UE#1や移動局UE#2から制御信号及びデータ信号を受信するように構成されている。
【0047】
また、受信部21は、第1通信状態の移動局UE#1や移動局UE#2から、上述の「Ud RLF Report」を受信するように構成されている。
【0048】
送信部22は、第1通信状態の移動局UE#1や移動局UE#2に対して制御信号を送信し、第2通信状態の移動局UE#1や移動局UE#2に対して制御信号及びデータ信号を送信するように構成されている。
【0049】
また、受信部21が、第1通信状態の移動局UE#1や移動局UE#2から「Ud RLF Report」を受信した場合、送信部22は、コアネットワーク装置CNに対して、UdインタフェースにおいてRLFが検出された旨を示す「Ud Failure Report」を送信するように構成されている。
【0050】
また、受信部21が、コアネットワーク装置CNから、移動局UE#1や移動局UE#2についての第1通信状態から第2通信状態への遷移を指示する「Ud to Uu Command」を受信した場合、送信部22は、第1通信状態の移動局UE#1や移動局UE#2に対して、第1通信状態から第2通信状態への遷移を指示する「Reconfiguration」を送信するように構成されている。
【0051】
図3に示すように、コアネットワーク装置CNは、受信部31と、送信部32とを具備している。
【0052】
受信部31は、無線基地局eNBから各種信号を受信するように構成されている。送信部32は、無線基地局eNBに対して各種信号を送信するように構成されている。
【0053】
例えば、受信部31が、無線基地局eNBから「Ud Failure Report」を受信した場合、送信部32は、無線基地局eNBに対して「Ud to Uu Command」を送信するように構成されている。
【0054】
以下、図5を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、移動局UE#1及び移動局UE#2が第1通信状態から第2通信状態に遷移する場合の動作について説明する。
【0055】
図5に示すように、ステップS1001において、移動局UE#1は、Udインタフェースにおける無線リンクを介して移動局UE#2に対してRS#1を送信し、ステップS1002において、移動局UE#2は、Udインタフェースにおける無線リンクを介して移動局UE#2に対してRS#2を送信する。
【0056】
移動局UE#1は、ステップS1003において、受信したRS#2の品質の測定結果に基づいて、UdインタフェースにおけるRLFを検出し、ステップS1004において、無線基地局eNBに対して「Ud RLF Report」を送信する。
【0057】
ステップS1005において、無線基地局eNBは、コアネットワーク装置CNに対して「Ud Failure Report」を送信する。
【0058】
ステップS1006において、コアネットワーク装置CNは、無線基地局eNBに対して「Ud to Uu Command」を送信する。
【0059】
無線基地局eNBは、ステップS1007において、移動局UE#1に対して、第1通信状態から第2通信状態への遷移を指示する「Reconfiguration」を送信すると共に、ステップS1008において、移動局UE#2に対して、第1通信状態から第2通信状態への遷移を指示する「Reconfiguration」を送信する。
【0060】
ステップS1009において、移動局UE#2は、無線基地局eNBに対して、「Reconfig Complete」を送信し、ステップS1010において、移動局UE#1は、無線基地局eNBに対して、「Reconfig Complete」を送信する。
【0061】
ステップS1011において、無線基地局eNBは、コアネットワーク装置CNに対して「Ud to Uu Complete」を送信する。
【0062】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、Udインタフェースにおける無線リンクの品質が劣化した場合、すなわち、第1通信状態の移動局UE#1及び移動局UE#2が、UdインタフェースにおいてRLFを検出した場合に、第1通信状態から第2通信状態に遷移することによって、Udインタフェースの代わりにUuインタフェースを用いて通信を継続することができる。
【0063】
(変更例1)
変更例1に係る移動通信システムでは、無線基地局eNBは、移動局UE#1及び移動局UE#2から「Ud RLF Report」を受信した場合、コアネットワーク装置CNに対して「Ud Failure Report」を送信することなく、移動局UE#1及び移動局UE#2に対して、第1通信状態から第2通信状態への遷移を指示する「Reconfiguration」を送信するように構成されていてもよい。
【0064】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0065】
本実施形態の第1の特徴は、移動局UE#1(第1移動局)と移動局UE#2(第2移動局)との間で、無線基地局eNBとの間で設定されているUuインタフェース(無線基地局インタフェース)における無線リンクを介することなく、移動局UE#1と移動局UE#2との間で設定されているUdインタフェース(移動局間インタフェース)における無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、Uuインタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる移動通信方法であって、移動局UE#1が、第1通信状態において、UdインタフェースにおいてRLF(無線リンク障害)を検出した場合、第2通信状態に遷移する工程を有することを要旨とする。
【0066】
本実施形態の第1の特徴において、上述の工程は、移動局UE#1が、第1通信状態において、UdインタフェースにおいてRLFを検出した場合、その旨を無線基地局eNBに対して報告する工程と、無線基地局eNBが、コアネットワーク装置CNに対して、UdインタフェースにおいてRLFが検出された旨を報告する工程と、コアネットワーク装置CNが、無線基地局eNBを介して、移動局UE#1及び移動局UE#2に対して、第1通信状態から第2通信状態への遷移を指示する工程とを有していてもよい。
【0067】
本実施形態の第1の特徴において、上述の工程は、移動局UE#1が、第1通信状態において、UdインタフェースにおいてRLFを検出した場合、その旨を無線基地局eNBに対して報告する工程と、無線基地局eNBが、移動局UE#1及び移動局UE#2に対して、第1通信状態から第2通信状態への遷移を指示する工程とを有していてもよい。
【0068】
本実施形態の第1の特徴において、上述の工程は、移動局UE#1が、第1通信状態において、UdインタフェースにおいてRLFを検出した場合、Udインタフェースにおける無線リンクを解放し、セル選択処理を行い、Uuインタフェースにおける無線リンクを確立する工程を有していてもよい。
【0069】
本実施形態の第2の特徴は、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、無線基地局eNBとの間で設定されているUuインタフェースにおける無線リンクを介することなく、移動局UE#1と移動局UE#2との間で設定されているUdインタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、Uuインタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる移動通信システムにおいて移動局UE#1として動作可能な移動局UEであって、第1通信状態において、UdインタフェースにおいてRLFが検出された場合、第2通信状態に遷移するように構成されている送信部13及び受信部11(通信部)を具備することを要旨とする。
【0070】
本実施形態の第2の特徴において、送信部13は、第1通信状態において、UdインタフェースにおいてRLFが検出された場合、その旨を無線基地局eNBに対して報告するように構成されており、コアネットワーク装置CNから、無線基地局eNBを介して、第1通信状態から第2通信状態への遷移を指示する情報を受信した場合に、第2通信状態に遷移するように構成されていてもよい。
【0071】
本実施形態の第2の特徴において、送信部13は、第1通信状態において、UdインタフェースにおいてRLFが検出された場合、その旨を無線基地局eNBに対して報告するように構成されており、無線基地局eNBから、第1通信状態から第2通信状態への遷移を指示する情報を受信した場合に、第2通信状態に遷移するように構成されていてもよい。
【0072】
本実施形態の第2の特徴において、セル選択・再接続処理部14(通信部)は、第1通信状態において、UdインタフェースにおいてRLFが検出された場合、Udインタフェースにおける無線リンクを解放し、セル選択処理を行い、Uuインタフェースにおける無線リンクを確立するように構成されていてもよい。
【0073】
本実施形態の第3の特徴は、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、無線基地局eNBとの間で設定されているUuインタフェースにおける無線リンクを介することなく、移動局UE#1と移動局UE#2との間で設定されているUdインタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、Uuインタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる移動通信システムで用いられるコアネットワーク装置CNであって、第1通信状態の移動局UE#1から、無線基地局eNBを介して、UdインタフェースにおいてRLFが検出された旨の報告を受信した場合に、無線基地局eNBを介して、移動局UE#1及び移動局UE#2に対して、第1通信状態から第2通信状態への遷移を指示するように構成されている送信部31(指示部)を具備することを要旨とする。
【0074】
本実施形態の第4の特徴は、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、無線基地局eNBとの間で設定されているUuインタフェースにおける無線リンクを介することなく、移動局UE#1と移動局UE#2との間で設定されているUdインタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、移動局UE#1と移動局UE#2との間で、Uuインタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる移動通信システムで用いられる無線基地局eNBであって、第1通信状態の移動局UEから、UdインタフェースにおいてRLFが検出された旨の報告を受信した場合に、移動局UE#1及び移動局UE#2に対して、第1通信状態から第2通信状態への遷移を指示するように構成されている送信部21(指示部)を具備することを要旨とする。
【0075】
なお、上述のコアネットワーク装置CNや無線基地局eNBや移動局UE等の動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0076】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0077】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、コアネットワーク装置CNや無線基地局eNBや移動局UE等内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてコアネットワーク装置CNや無線基地局eNBや移動局UE等内に設けられていてもよい。
【0078】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0079】
UE…移動局
eNB…無線基地局
CN…コアネットワーク装置
11、21、31…受信部
12…RLF検出部
13、22、32…送信部
14…セル選択・再接続処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1移動局と第2移動局との間で、無線基地局との間で設定されている無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介することなく、該第1移動局と該第2移動局との間で設定されている移動局間インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、該第1移動局と該第2移動局との間で、該無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる移動通信方法であって、
前記第1移動局が、前記第1通信状態において、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害を検出した場合、前記第2通信状態に遷移する工程を有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
前記工程は、
前記第1移動局が、前記第1通信状態において、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害を検出した場合、その旨を前記無線基地局に対して報告する工程と、
前記無線基地局が、コアネットワーク装置に対して、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害が検出された旨を報告する工程と、
前記コアネットワーク装置が、前記無線基地局を介して、前記第1移動局及び前記第2移動局に対して、前記第1通信状態から前記第2通信状態への遷移を指示する工程とを有することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項3】
前記工程は、
前記第1移動局が、前記第1通信状態において、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害を検出した場合、その旨を前記無線基地局に対して報告する工程と、
前記無線基地局が、前記第1移動局及び前記第2移動局に対して、前記第1通信状態から前記第2通信状態への遷移を指示する工程とを有することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項4】
前記工程は、
前記第1移動局が、前記第1通信状態において、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害を検出した場合、該移動局間インタフェースにおける無線リンクを解放し、セル選択処理を行い、前記無線基地局インタフェースにおける無線リンクを確立する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項5】
第1移動局と第2移動局との間で、無線基地局との間で設定されている無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介することなく、該第1移動局と該第2移動局との間で設定されている移動局間インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、該第1移動局と該第2移動局との間で、該無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる移動通信システムにおいて該第1移動局として動作可能な移動局であって、
前記第1通信状態において、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害が検出された場合、前記第2通信状態に遷移するように構成されている通信部を具備することを特徴とする移動局。
【請求項6】
前記通信部は、前記第1通信状態において、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害が検出された場合、その旨を前記無線基地局に対して報告するように構成されており、
前記コアネットワーク装置から、前記無線基地局を介して、前記第1通信状態から前記第2通信状態への遷移を指示する情報を受信した場合に、該第2通信状態に遷移するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の移動局。
【請求項7】
前記通信部は、前記第1通信状態において、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害が検出された場合、その旨を前記無線基地局に対して報告するように構成されており、
前記無線基地局から、前記第1通信状態から前記第2通信状態への遷移を指示する情報を受信した場合に、該第2通信状態に遷移するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の移動局。
【請求項8】
前記通信部は、前記第1通信状態において、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害が検出された場合、該移動局間インタフェースにおける無線リンクを解放し、セル選択処理を行い、前記無線基地局インタフェースにおける無線リンクを確立するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の移動局。
【請求項9】
第1移動局と第2移動局との間で、無線基地局との間で設定されている無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介することなく、該第1移動局と該第2移動局との間で設定されている移動局間インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、該第1移動局と該第2移動局との間で、該無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる移動通信システムで用いられるコアネットワーク装置であって、
前記第1通信状態の前記第1移動局から、前記無線基地局を介して、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害が検出された旨の報告を受信した場合に、該無線基地局を介して、該第1移動局及び前記第2移動局に対して、前記第1通信状態から前記第2通信状態への遷移を指示するように構成されている指示部を具備することを特徴とするコアネットワーク装置。
【請求項10】
第1移動局と第2移動局との間で、無線基地局との間で設定されている無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介することなく、該第1移動局と該第2移動局との間で設定されている移動局間インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第1通信状態と、該第1移動局と該第2移動局との間で、該無線基地局インタフェースにおける無線リンクを介して、データ信号の送受信を行う第2通信状態とを切り替えることができる移動通信システムで用いられる該無線基地局であって、
前記第1通信状態の前記第1移動局から、前記移動局間インタフェースにおいて無線リンク障害が検出された旨の報告を受信した場合に、該第1移動局及び前記第2移動局に対して、前記第1通信状態から前記第2通信状態への遷移を指示するように構成されている指示部を具備することを特徴とする無線基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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