説明

移植機

【課題】機体の前後重量バランスを良好に確保することができる移植機を提供する。
【解決手段】畝を跨いだ状態で自走可能とした自走装置1に、苗の移植作業を可能とした移植装置2を設けた移植機であって、自走装置は、原動機部9にトランスミッション部を介して移植装置2を連動連結すると共に、同トランスミッション部の前方に移植装置2を配置する一方、同トランスミッション部の後方に原動機部9を配置して、機体の略重心位置に座席5を配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場内の畝に苗を移植する乗用型の移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移植機の一形態として、畝を跨いだ状態で自走可能とした自走装置に、苗の移植作業を可能とした移植装置を設けたものがある。そして、かかる移植機の自走装置は、畝幅よりもやや広幅に配置した左右一対のクローラ式の走行部と、両走行部間の上方に配設した機体フレーム上に、前方から順次原動機部とトランスミッション部と移植装置と座席とを配設したものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−21061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記移植機では、機体フレーム上に比較的重量物である原動機部とトランスミッション部と移植装置とが前方から順次配設されて、機体の重心位置が前部寄りとなっている。そのために、座席は後方へ張り出し状に配置されて、同座席に作業者が着座することにより、移植作業時における機体の前後方向の重量バランスが保たれるようにしているが、作業者が着座していない状態では、機体の前後方向の重量バランスが良くないという不具合がある。
【0004】
この発明は、上記問題を解決するためになされたもので、機体の前後重量バランスを良好に確保することができる移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、畝を跨いだ状態で自走可能とした自走装置に、苗の移植作業を可能とした移植装置を設けた移植機であって、自走装置は、原動機部にトランスミッション部を介して移植装置を連動連結すると共に、同トランスミッション部の前方に移植装置を配置する一方、同トランスミッション部の後方に原動機部を配置して、機体の略重心位置に座席を配置したことを特徴とする移植機である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、座席は左右一対配置すると共に、両座席間に、移植装置を昇降自在に連結する昇降リンク機構を配設して、同昇降リンク機構内にトランスミッション部を収容したことを特徴とする請求項1記載の移植機である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、トランスミッション部に、移植装置により移植される苗の株間を調整するための株間調整機構を設けたことを特徴とする請求項2記載の移植機である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、自走装置が具備する左右一対のクローラ式の走行部に、前記トランスミッション部から左右外側方へ向けて伸延させた走行伝動軸を連動連結すると共に、各走行伝動軸は、走行部よりも上方位置に配置する一方、自走装置に設けた機体フレームの左右側部にそれぞれ床部を張設すると共に、各床部は、各走行伝動軸と同等位置ないしは下方位置に配置したことを特徴とする請求項3記載の移植機である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、前記機体フレームの後端部は、クローラ式の走行部の後端部よりも後方位置まで延設し、同後端部の一側方には昇降用ステップ部を張り出し状に張設すると共に、同昇降用ステップ部はクローラ式の走行部の後端部を上方から後下方にかけて被覆しかつ始端部を後方へ向けて張り出し状に配置する一方、機体フレームの後端部の他側方には、操作ボックスをクローラ式の走行部の直後方位置に張り出し状に配置したことを特徴とする請求項4記載の移植機である。
【発明の効果】
【0010】
(1)請求項1記載の本発明では、畝を跨いだ状態で自走可能とした自走装置に、苗の移植作業を可能とした移植装置を設けた移植機であって、自走装置は、原動機部にトランスミッション部を介して移植装置を連動連結すると共に、同トランスミッション部の前方に移植装置を配置する一方、同トランスミッション部の後方に原動機部を配置して、機体の略重心位置に座席を配置している。
【0011】
このように、比較的重量物であるトランスミッション部と移植装置と原動機部を、トランスミッション部を中心に、その前後に移植装置と原動機部をバランス良く振り分けて配置して、機体の略重心位置に座席を配置しているため、座席に作業者が着座しているか否かに関わりなく機体の前後重量バランスを良好に確保することができる。
【0012】
従って、特に作業者の乗降時の機体の安定性を良好に確保することができて、作業者に安心感を与えることができる。
【0013】
(2)請求項2記載の本発明では、座席は左右一対配置すると共に、両座席間に、移植装置を昇降自在に連結する昇降リンク機構を配設して、同昇降リンク機構内にトランスミッション部を収容している。
【0014】
この際、トランスミッション部は昇降リンク機構内に収容しているため、同昇降リンク機構内のデッドスペースを有効利用することができて、この点からも機体の前後重量バランスの安定化とコンパクト化を図ることができる。
【0015】
しかも、トランスミッション部内に配設した変速機構等を操作する操作レバーを、左右の座席間にて両座席に近接配置することができるため、同操作レバーの操作性を向上させることができる。
【0016】
(3)請求項3記載の本発明では、トランスミッション部に、移植装置により移植される苗の株間を調整するための株間調整機構を設けている。
【0017】
このように、株間調整機構は、移植装置に設けることなく、自走装置に配設したトランスミッション部に設けているため、適宜昇降させる移植装置の軽量化を図ることができる。
【0018】
しかも、トランスミッション部は、左右一対の座席間に配設しているため、同トランスミッション部に設けた株間調整機構を座席に近接配置することができて、同株間調整機構の操作も、座席に着座した状態で楽に行うことができる。
【0019】
(4)請求項4記載の本発明では、自走装置が具備する左右一対のクローラ式の走行部に、前記トランスミッション部から左右外側方へ向けて伸延させた走行伝動軸を連動連結すると共に、各走行伝動軸は、走行部よりも上方位置に配置する一方、自走装置に設けた機体フレームの左右側部にそれぞれ床部を張設すると共に、各床部は、各走行伝動軸と同等位置ないしは下方位置に配置している。
【0020】
このように、トランスミッション部から左右外側方に伸延させた走行伝動軸は、クローラ式の走行部よりも上方に配置する一方、機体フレームの左右側部に張設した各床部は、各走行伝動軸と同等位置ないしは下方位置に配置しているため、走行伝動軸の最低地上高は確保しつつ、昇降ステップ部を低位置化することができて、同昇降ステップ部への乗降性と作業性の簡易化を図ることができる。
【0021】
(5)請求項5記載の本発明では、前記機体フレームの後端部は、クローラ式の走行部の後端部よりも後方位置まで延設し、同後端部の一側方には昇降用ステップ部を張り出し状に張設すると共に、同昇降用ステップ部はクローラ式の走行部の後端部を上方から後下方にかけて被覆しかつ始端部を後方へ向けて張り出し状に配置する一方、機体フレームの後端部の他側方には、操作ボックスをクローラ式の走行部の直後方位置に張り出し状に配置している。
【0022】
このように、機体フレームの後端部の一側方に設けた昇降用ステップ部は、クローラ式の走行部の後端部を上方から後下方にかけて被覆しかつ始端部を後方へ向けて張り出し状に配置後方へ向けて張り出し状に配置しているため、体格の小さい老人や女性等であっても、昇降用ステップ部の始端部を介して楽に機体フレーム上に乗降することができる。
【0023】
しかも、昇降用ステップ部の始端部は、後方へ向けて張り出し状に配置しているため、作業者等が昇降用ステップ部の始端部の後方を歩く際に、クローラ式の走行部の後端部と作業者等の足の爪先との間に、干渉回避用の一定間隔を確保することができて、作業者等の安全性を図ることができる。
【0024】
また、機体フレームの後端部の他側方には、操作ボックスをクローラ式の走行部の直後方位置に張り出し状に配置しているため、作業者等が操作ボックスの後方を歩く際に、クローラ式の走行部の後端部と作業者等の足の爪先との間に、干渉回避用の一定間隔を確保することができて、作業者等の安全性を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明に係る最良形態としての移植機は、畝を跨いだ状態で自走可能とした自走装置に、苗の移植作業を可能とした移植装置を設けて、畝を跨いだ状態で自走装置を畝に沿って自走させながら、移植装置により畝に苗を移植するようにしている。
【0026】
自走装置は、畝幅よりもやや広幅に配置した左右一対のクローラ式の走行部間の上方に機体フレームを配設しており、同機体フレームは、四角形枠状に形成して、左右の走行部の略後半部から両走行部の後端よりも後方に張り出し状に配置している。
【0027】
そして、機体フレーム上において、前部左右側に左右一対の座席をそれぞれ前方に向けて着座するように配設し、両座席間にトランスミッション部を配設して、同トランスミッション部の後方に原動機部としてのエンジンを配設すると共に、同エンジンにトランスミッション部を連動連結し、同エンジンの後方には油圧ポンプを配設すると共に、同エンジンに油圧ポンプを連動連結している。なお、エンジンと油圧ポンプの左右側方には、それぞれ移植装置に給水するための水タンクを配設している。いずれか一方の座席の後方近接位置には操作部を設けて、同操作部に左右クラッチレバー、主クラッチレバー、昇降兼植付クラッチレバー、アクセルレバーを設け、各レバーをトランスミッション部内に配設したクラッチに連動連結しており、作業者は、座席に着座した状態で各レバーを操作することができるようにしている。
【0028】
また、左右一対の座席間に位置する機体フレームの中央前部(左右走行部間の中央部)に支柱を立設し、同支柱に昇降リンク機構の基端部を枢支すると共に、同昇降リンク機構の先端部に移植装置を取り付けて、同昇降リンク機構の先端部側を前記油圧ポンプ39に連動連結した昇降シリンダにより昇降可能としている。
【0029】
ここで、昇降リンク機構は、前後方向に伸延するリンクを上下に左右一対配置して立体枠状となすと共に、機体フレームから上方に立ち上げた左右一対の支柱に、各リンクの基端部を上下回動自在に枢支する一方、各リンクの先端部に四角形枠状の移植装置取付枠体を取り付けて、同移植装置取付枠体に移植装置を取り付けると共に、同移植装置を前後方向の軸線を中心に左右側部を上下方向に揺動自在となして、移植装置が畝上面に沿って適宜姿勢変更するようにしている。
【0030】
上記のように立体枠状に形成した昇降リンク機構内には、前記昇降シリンダとトランスミッション部と同トランスミッション部から移植装置に動力を伝達する伝達機構とを収容している。また、トランスミッション部内に配設した変速切り替え機構に前後進変速レバーの基端部を連動連結して、同前後進変速レバーの先端部を昇降リンク機構内から外方である後上方へ伸延させて、同前後進変速レバーの中途部を座席に着座した作業者が適宜操作することができるようにしている。
【0031】
このように、トランスミッション部の前方に伝達機構を介して連動連結した移植装置を配置する一方、同トランスミッション部の後方に連動連結したエンジンや油圧ポンプ39を配置して、機体の前後方向の略重心位置に左右一対の座席が配置されるようにしている。
【0032】
また、前記トランスミッション部には、移植装置により移植される苗の株間を調整するための株間調整機構を設け、同トランスミッション部から左右外側方へ向けて伸延させた走行伝動軸をそれぞれ左右の走行部に連動連結すると共に、各走行伝動軸は、走行部よりも上方位置に配置している。また、株間調整機構には株間調整レバーの基端部を連動連結して、同株間調整レバーの先端部を昇降リンク機構内から外方である上方に伸延させて、同株間調整レバーの先端部を座席に着座した作業者が適宜操作することができるようにしている。
【0033】
そして、機体フレームの左右側方にそれぞれ昇降用ステップ部を設けると共に、各昇降用ステップ部は、前記各走行伝動軸と同等位置ないしはそれよりも下方位置に配置している。
【0034】
前記機体フレームの後端部は、クローラ式の走行部の後端部よりも後方位置まで延設し、同後端部の一側方には昇降用ステップ部を張り出し状に張設すると共に、同昇降用ステップ部はクローラ式の走行部の後端部を上方から後下方にかけて被覆しかつ始端部を後方へ向けて張り出し状に配置する一方、機体フレームの後端部の他側方には、操作ボックスをクローラ式の走行部の直後方位置に張り出し状に配置している。
【0035】
移植装置は、苗を供給する苗供給部と、同苗供給部から供給される苗を受けて畝に移植する移植部とを装備しており、苗供給部は、座席側に近接して左右方向に移動する苗補給側と、座席から離隔する前方において左右方向に移動する苗供給側とを具備し、移植部は、同苗供給側の下方に複数の移植体を左右方向に間隔を開けて配置している。
【実施例】
【0036】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
図1は本発明に係る移植機の全体右側面図、図2は本発明に係る移植機の全体左側面図、図3は同移植機の全体平面図、図4は走行部と機体フレームとの関係を示す平面図、図5は同移植機の移植装置取付枠体に移植装置が取り付けられた状態を示す説明図、図6は同移植機のトランスミッション部及びその周辺部の正面図、図7は同移植機のトランスミッション部及びその周辺部の側面図である。
【0038】
本発明に係る移植機Aは、図1〜図4に示すように、畝Uを跨いだ状態で自走可能とした自走装置1に、苗の移植作業を可能とした移植装置2を設けて、畝Uを跨いだ状態で自走装置1を畝Uに沿って自走させながら、移植装置2により畝Uに苗を移植するようにしている。
【0039】
〔自走装置〕
自走装置1は、図1〜図4に示すように、畝幅よりもやや広幅に配置した左右一対のクローラ式の走行部4,4間の上方に基台19を介して機体フレーム3を配設しており、同機体フレーム3は、四角形枠状に形成して、左右の走行部4,4の略後半部から両走行部4,4の後端よりも後方に張り出し状に配置している。以下、各部の構造について詳細に説明する。
【0040】
走行部4,4は、前後方向に伸延する走行フレーム12,12の前端部に履帯張り調整部13,13を介して転動輪14,14を取り付ける一方、走行フレーム12の後端部に駆動輪ステー15,15を介して駆動輪16,16を取り付けて、同駆動輪16,16を走行フレーム12,12の後端部よりも後上方に配置して、両輪14,16間に履帯17,17を巻介している。18,18は転動輪である。
【0041】
左右一対の上記走行フレーム12,12間には、基台19を架設しており、同基台19は、各走行フレーム12,12の内側面の略中央部と後部から、それぞれ前・後支持フレーム20,20,21,21を前記履帯17の上側回動側部17aのやや上方位置まで立ち上げて形成し、左右に対向する各前・後支持フレーム20,20,21,21間に左右方向に伸延する前・後横架フレーム22,23をそれぞれ横架し、両前・後横架フレーム22,23の中途部間には前後方向に伸延する左右一対の左・右横架フレーム24,25を左右方向に一定の間隔を開けて横架して形成している。
【0042】
機体フレーム3は、図4に示すように、全体を枠状に形成して、基台19上に載設している。すなわち、機体フレーム3は、上記基台19の前・後横架フレーム22,23上に、前後方向に伸延する左右一対の縦フレーム30,31を横架し、左側の縦フレーム30の前端部と左横架フレーム24との間に左補強フレーム32を介設する一方、右側の縦フレーム31の前端部と右横架フレーム25との間に右補強フレーム33を介設し、両縦フレーム30,31間の中途部である前記支柱26,27の直背後位置に、左右方向に伸延する中途横フレーム34を横架すると共に、同中途横フレーム34と両支柱26,27の下端部背面とを連設し、また、両縦フレーム30,31の後端間に、左右方向に伸延する後端横フレーム35を横架して形成している。36は補強用縦フレーム、37は補強用横フレームである。
【0043】
ここで、図1及び図2に示すように、左右一対の縦フレーム30,31は、前記基台19の前・後支持フレーム20,20,21,21よりも一定幅だけ内方に配置し、前部には後述する走行伝動シャフト106,106との干渉を回避するための干渉回避用湾曲部30a,31aを上方へ突状に湾曲させて形成している。
【0044】
そして、機体フレーム3には左右一対の支柱26,27を設けており、両支柱26,27は、前記左・右横架フレーム24,25の直後方に位置する後横架フレーム23の部分に直上方へ向けて立ち上がり状に立設して、両支柱26,27の上部間に連結フレーム28を横架状に介設している。
【0045】
図3に示すように、上記した左右一対の支柱26,27には昇降リンク機構6を介して移植装置2を取り付けて、同昇降リンク機構6を昇降シリンダ8により昇降させるようにしている。そして、昇降リンク機構6は、上記左右一対の支柱26,27に、前後方向に伸延する上下一対の枠状リンク形成体46,47の基端部を枢支し、両枠状リンク形成体46,47の先端部に移植装置取付枠体50を取り付けている。
【0046】
図3に示すように、上側の枠状リンク形成体46は、前後方向に伸延する左右一対のリンク片46a,46bの前端間と後端間に、左右方向に伸延する前後一対の連結片107a,107bを横架して、平面視四角形枠状に形成しており、左右一対の支柱26,27の上部には、それぞれ前方へ向けて上部枢支片89a,89aを突設して、両上部枢支片89a,89a間に、上記後側のリンク片46a,46bを配置すると共に、左右方向に軸線を向けた枢軸48,48を介して同軸的に枢支している。49a,49bは、左右一対のリンク片46a,46bの中途部間に架設したシリンダ連結片である。
【0047】
下側の枠状リンク形成体47は、前後方向に伸延する左右一対のリンク片47a,47bの前端間に、左右方向に伸延する連結片108を横架して、平面視門型形状に形成しており、左右一対の支柱26,27の下部には、それぞれ前方へ向けて下部枢支片89b,89bを突設して、各下部枢支片89b,89bに、リンク片47a,47bの後端部(基端部)を、左右方向に軸線を向けた枢軸48,48を介して同軸的に枢支している。
【0048】
図5に示すように、移植装置取付枠体50は、上下方向に伸延する左右一対の枠体形成片110,110の上部間と下端間に、左右方向に伸延する上部枠体形成片93と下端枠形成片94を横架して、正面視四角形枠状に形成しており、左右一対の枠体形成片110,110の上下部には、それぞれ後方へ向けて上・下・左・右側枢止片111,111,111,111を突設して、各上・下・左・右側枢止片111,111,111,111に、前記リンク片46a,46b,47a,47bの前端部(先端部)を、左右方向に軸線を向けた枢軸44,44,44,44を介して同軸的に枢支して、上下側に対向するリンク片46a,46b,47a,47b同士を平行状態となしている。
【0049】
そして、下端枠形成片94の中央部に、後述する移植装置2を支持する上支持フレーム83及び下支持フレーム85を、前後方向に軸線を向けた支軸91を介して左右揺動自在に枢支すると共に、上部枠体形成片93の左右側部に円弧状のガイド用長孔90a,90bを、上記支軸91の軸芯を中心とする同一円弧状に配置して形成し、各円弧状のガイド用長孔90a,90b中にガイドピン92,92を摺動自在に挿通して、両ガイドピン92,92を介して移植装置2の装置支持フレーム83,85に連結している。このようにして、畝U上面に沿って移動する移植装置2が、畝U上面の形状に適応しながら適宜姿勢を変更するように、左右揺動自在となしている。
【0050】
図3に示すように、昇降シリンダ8は、前記基台19の前横架フレーム22の上面中央部に突設したシリンダステー109に昇降シリンダ8の本体の基端部を枢支する一方、前記上側の枠状リンク形成体46,47のシリンダ連結片49a,49bにピストンロッド53の先端部54を連結している。そして、昇降シリンダ8は、後述する油圧ポンプ39に連動連結して、油圧ポンプ39により昇降シリンダ8のピストンロッド53を上下方向に進退作動させることにより、前記昇降リンク機構6の前端(先端)側を昇降作動させることができるようにしている。
【0051】
上記のように、立体枠状に形成した昇降リンク機構6の基端部を、機体フレーム3に立設した左右一対の支柱26,27に取り付けて、同昇降リンク機構6を左右側の走行部4,4間にて昇降させるようにしているため、同昇降リンク機構6の先端部に取り付けた移植装置2の昇降量(昇降範囲)を大きく確保することができると共に、同昇降リンク機構6を強固に支持することができる。
【0052】
前記のように形成した機体フレーム3上には、比較的重量物である原動機部9とトランスミッション部10を配設すると共に、機体フレーム3上に立設した前記支柱26,27に昇降リンク機構6を介して移植装置2を昇降自在に取り付けて、前方から移植装置2、トランスミッション部10、原動機部9の順に配置して、トランスミッション部10を機体の前後方向の略重心位置に配置している。
【0053】
すなわち、原動機部9は、エンジンEや燃料タンク29等を具備しており、同エンジンEは、機体フレーム3の中央後部である補強用縦フレーム36,36間の上部に搭載している。エンジンEの後方には油圧ポンプ39を配設すると共に、同エンジンEに油圧ポンプ39を連動連結している。
【0054】
図3及び図4に示すように、そして、トランスミッション部10は、機体フレーム3の中央前部位置において、具体的には基台19の左・右横架フレーム24,25の内側方において、前・後横架フレーム22,23間に支持体69を介して横架している。
【0055】
また、エンジンEとトランスミッション部10との左側壁間には動力伝達機構51を介設して、同エンジンEから動力伝達機構51を介してトランスミッション部10に動力を伝達するようにしている。
【0056】
図6及び図7に示すように、トランスミッション部10の右側壁外方に動力取出機構63を設け、また、トランスミッション部10の右側上部に動力取出機構63と連動連結した動力取出ケース65を設けて、同動力取出ケース65から前方にPTO軸104を突設して、同PTO軸104に前後方向に伸延する移植装置伝動シャフト67を介して移植装置2を連動連結している。
【0057】
そして、動力取出機構63は、トランスミッション部10の前部から右側方に突設した出力軸98に出力プーリ97を取り付ける一方、同トランスミッション部10の後部から右側方に突設した入力軸101に入力プーリ100を取り付けて、両プーリ97,100間に伝動ベルト99を介設し、同伝動ベルト99にテンションローラ102を介してテンションアーム96を接離自在となして、同伝動ベルト99を緊張・弛緩可能となしている。しかも、出力プーリ97は、いわゆる割プーリを適用して、伝動ベルト99の緊張具合に応じて出力径が変化して回転数が無段に変化する無段可変速プーリとなしている。
【0058】
ここで、上記した動力取出機構63は、移植装置2により移植される苗の株間を調整するための株間調整機構としても機能しており、上記テンションアーム96に上下方向に伸延する株間調節ロッド103の基端部を連動連結する一方、同株間調節ロッド103の上端部に株間調整レバー66を取り付けて、同株間調整レバー66を株間調節ロッド103の軸線廻りに回転操作することにより、同株間調節ロッド103を上下方向に進退させると共に、同株間調節ロッド103に連動連結したテンションアーム96を伝動ベルト99にテンションローラ102を介して接離させて、株間を任意に調節することができるようにしている。
【0059】
このようにして、株間調整機構は、移植装置2に設けることなく、自走装置1に配設したトランスミッション部10に設けているため、適宜昇降させる移植装置2の軽量化を図ることができる。また、同株間調整レバー66の先端部を座席5,5に着座した作業者が適宜操作することができる。
【0060】
また、移植装置伝動シャフト67は、移植装置取付枠体50内中を通して前端部(先端部)を移植装置2に連動連結しており、昇降リンク機構6内にあって、同昇降リンク機構6と一体的に昇降するように、中途部を中折れ自在となしている。
【0061】
図3に示すように、トランスミッション部10の左右側壁の中途下部には、左・右の走行伝動軸45,45を左右外側方に向けて突設して、各左・右の走行伝動軸45,45に前記走行部4,4の各駆動輪16,16を走行伝動機構105,105を介して連動連結している。そして、走行伝動機構105,105は、左右方向に伸延する走行伝動シャフト106と、前高後低の傾斜方向に伸延する走行伝動ケース15aとを具備して、走行伝動シャフト106の内側端部を走行伝動軸45に連動連結する一方、同走行伝動シャフト106の外側端部を走行部4の上方近傍を横断させると共に、同走行伝動シャフト106の外側端部と駆動輪16との間に、走行伝動ケース15aを走行部4の外側方に配置して介設している。
【0062】
上記のような構成において、トランスミッション部10とその周辺に設けた機構等、すなわち、動力伝達機構51の前半部、動力取出機構63、動力取出ケース65、PTO軸104、移植装置伝動シャフト67、及び、昇降シリンダ8は、立体枠状に形成した昇降リンク機構6内に配設しているため、同昇降リンク機構6内のデッドスペースを有効利用することができて、この点からも機体の前後重量バランスの安定化とコンパクト化を図ることができる。
【0063】
昇降リンク機構6の左右側方に位置する機体フレーム3上には、運転部11,11を配設している。すなわち、運転部11,11は、左・右横架フレーム24,25の外側壁に、上下方向に開口するボス部43,43を設け、各ボス部43,43に座席支持体112,112の基端部(下端部)を取り付け、同座席支持体112,112の先端部(上端部)に座席5,5を取り付けて、各座席5,5の下方に位置する部分には、床部38,38を張設している。113,113は、座席5,5に着座して作業を行う作業者の足下を保護する保護用隔壁である。
【0064】
座席支持体112は、上方へ立ち上げて形成した基端部40と、同基端部40の上端から略水平に張り出し状に伸延させた中途部41と、同中途部41の先端から上方へ突出させた先端部42とから形成して、ボス部43に基端部40をその軸線廻りに回動自在に枢支している。
【0065】
座席5は、座部と背もたれ部とを有して、上記座席支持体112の先端部42に座部5aの下面中央部を旋回自在に枢支している。このようにして、座席5に着座した作業者は、旋回自在の座席5の座部により左右方向へ体の向きを自在に変更することができると共に、座席支持体112により前後方向へも座席5の位置を自在に変更することができるため、作業性を向上させることができる。
【0066】
ここで、座席5,5は、昇降リンク機構6内に収容して、機体の前後方向の略重心位置に配置しているトランスミッション部10の左右側方に配置しているため、座席5,5も機体の前後方向の略重心位置に配置していることになり、その結果、座席5,5に作業者が着座しているか否かに関わりなく機体の前後重量バランスを良好に確保することができる。従って、特に作業者の乗降時の機体の安定性を良好に確保することができて、作業者に安心感を与えることができる。
【0067】
図1及び図2に示すように、左右側の床部38,38は、前記走行伝動軸45,45と同等位置ないしは下方位置に配置しており、各床部38,38の後端縁部には、前記干渉回避用湾曲部30a,31aの上面に沿って上方へ突状に湾曲させて形成した各カバー体114a,114bの前端縁部を接続して、各カバー体114a,114bにより走行伝動シャフト106,106の上方を被覆している。
【0068】
このように、トランスミッション部10から左右外側方に伸延させた走行伝動軸45は、クローラ式の走行部4,4よりも上方に配置する一方、機体フレーム3の左右側方に設けた床部38,38は、各走行伝動軸45と同等位置ないしは下方位置に配置しているため、走行伝動軸45の最低地上高は確保しつつ、床部38,38を低位置化することができて、同床部38,38への乗降性と作業性の簡易化を図ることができる。
【0069】
また、図3および図4に示すように、トランスミッション部10内に配設した変速切り替え機構68に前後進変速レバー64の基端部を連動連結して、同前後進変速レバー64の先端部を昇降リンク機構6内から外方である後上方へ伸延させて、この後上方へ伸延する前後進変速レバー64の後上方伸延部を、左右一対の座席5,5のいずれに着座した作業者でも適宜操作することができるようにしている。このようにして、トランスミッション部10内に配設した変速切り替え機構68等を操作する前後進変速レバー64を、左右の座席5,5間にて両座席5,5に近接配置することができるため、同前後進変速レバー64の操作性を向上させることができる。
【0070】
さらに、前記したようにトランスミッション部10に設けた株間調整機構の株間調整レバー66は、昇降リンク機構6内から外方である上方に伸延させて、同株間調整レバー66を座席5,5に着座した作業者が適宜操作することができるようにしている。
【0071】
また、機体フレーム3の後端部の右側方位置でかつ右側方の座席5の後方近接位置に、操作部7となる操作ボックス55を右側の走行部4の直後方位置に張り出し状に配設している。同操作ボックス55には、左右クラッチレバー56a,56b、主クラッチレバー57、昇降兼植付クラッチレバー58、アクセルレバー59を設けている。各レバーをトランスミッション部10内に配設したクラッチ(図示せず)に連動連結しており、右側の座席5に着座した作業者は、着座状態にて各レバーを操作することができるようにしている。なお、本実施例では、操作ボックス55を右側に配設しているが、線対称の位置である左側に配設して、左側の座席5に着座した作業者が、着座状態にて各レバーを操作することができるようにしてもよい。
【0072】
また、前記機体フレーム3の後端部は、クローラ式の走行部4,4の後端部よりも後方位置まで延設し、同後端部の右側方には昇降用ステップ部70を張り出し状に張設すると共に、同昇降用ステップ部70はクローラ式の左側の走行部4の後端部を上方から後下方にかけて被覆しかつ始端部(後端部)を後方へ向けて張り出し状に配置している。
【0073】
このように、機体フレーム3の後端部の左側方に設けた昇降用ステップ部70は、クローラ式の左側の走行部4の後端部を上方から後下方にかけて被覆しかつ始端部を後方へ向けて張り出し状に配置しているため、体格の小さい老人や女性等であっても、昇降用ステップ部70の始端部を介して楽に機体フレーム3上に乗降することができる。本実施例では、昇降用ステップ部70は、図3に示すように、機体の左側に設けているが、機体の右側または機体の両側に設けることもできる。
【0074】
しかも、昇降用ステップ部70の始端部は、後方へ向けて張り出し状に配置しているため、作業者等が昇降用ステップ部70の始端部の後方を歩く際に、クローラ式の走行部4,4の後端部と作業者等の足の爪先との間に、干渉回避用の一定間隔を確保することができて、作業者等の安全性を図ることができる。
【0075】
また、機体フレーム3の後端部の右側方には、操作ボックス55をクローラ式の右側の走行部4の直後方位置に張り出し状に配置しているため、作業者等が操作ボックス55の後方を歩く際に、クローラ式の右側の走行部4の後端部と作業者等の足の爪先との間に、干渉回避用の一定間隔を確保することができて、作業者等の安全性を図ることができる。
【0076】
なお、エンジンEと油圧ポンプ39の左右側方には、それぞれ移植装置に給水するための水タンク61を配設している。すなわち、機体フレーム3の補強用横フレーム37,37上であって、エンジンEの左右両側にタンク置き場60を設置し、そのタンク置き場60に水タンク61を複数個載置している。タンク置き場60は、機体フレーム3上に矩形の枠体62で構成されている。載置する水タンク61は、灌水用のもので移植体73の開孔器81に供給される。このようにして、機体の後部において水タンク61を配置して、機体の前部に後述する移植装置2を配設することにより、機体の重量バランスを確保することができる。
【0077】
〔移植装置〕
図1および図2に示すように、移植装置2は、苗を供給する苗供給部71と、同苗供給部71から供給される苗を受けて畝Uに移植する移植部72とを装備しており、苗供給部71は、座席5,5側に近接して左右方向に移動する苗補給側(X側)と、座席5,5から離隔する前方において左右方向に移動する苗供給側(Y側)とを具備し、移植部72は、同苗供給側(Y側)の下方に複数の移植体73を左右方向に間隔を開けて配置している。図1および図2に示す87は覆土輪である。
【0078】
図3に示すように、苗供給部71は、移植装置2の移植装置取付枠体50の上端から機体の前方に張り出した上支持フレーム83上に、長円形(長リング形)に形成された苗搬送台77を固設している。苗搬送台77の下方には、駆動スプロケット75を回転自在に設けるとともに、従動スプロケット76を回転自在に設けている。そして、図3に示すように、その駆動スプロケット75と従動スプロケット76には、苗搬送ポット連84が巻回されている。苗搬送ポット連84には、筒体の上部を拡開した漏斗状に構成された各ポット74を有している。各ポット74内に野菜の苗が供給される。苗搬送ポット連84は、各ポット74の下部に設けられた転動ローラ79により苗搬送台77上で転動する。
【0079】
前記苗搬送台77の苗供給側(Y側)は、下方に配設された移植部72に苗を受け渡しする貫通孔(図示せず)が配設されており、また、各ポット74の下部には、その下部を閉蓋する平板状のシャッター78が略水平に設けられている。そして、前記貫通孔により、シャッター78が下方に回動して、苗を移植部72に供給するように設けている。
【0080】
図3に示すように、長円形の苗搬送ポット連84のうち、席側に近接して左右方向に移動する苗補給側(X側)とし、座席5,5から離隔する前方において左右方向に移動する苗供給側(Y側)とする。このようにして、座席5,5に着座した作業者は、座席5,5側に近接して左右方向に移動する苗補給側(X側)に苗を楽に補給することができる。この際、左右方向に移動する苗供給側(Y側)が座席5,5から離隔する前方に配置されているため、作業者が誤って、同苗供給側(Y側)に苗を供給するという不具合の発生を確実に回避することができる。
【0081】
また、前記苗供給側(Y側)の上方に図示しない蓋体を設置し、その蓋体の上方に図示しない苗置き場とすることができる。これにより、作業者は、座席5,5に座った状態で、苗置き場からの野菜の苗を取りやすくすることができる。また、苗供給側(Y側)の上方に蓋体を有するので、前記苗搬送ポット連84の苗補給側(X側)に苗を供給することができ、誤って苗供給側(Y側)に苗を供給するのを防止することができる。
【0082】
前記苗搬送台77の苗供給側(Y側)の下方には、移植部72を配設している。移植部72は、前記上支持フレーム83の先端部と、その上支持フレーム83の下方に伸延した下支持フレーム85との間に固設されている。移植部72は、同苗供給側(Y側)の下方に4つの移植体73を左右方向に所定間隔を開けて配置している。各移植体73は、その駆動の心臓部となるロータリケース80と、畝Uへ搬送する開孔器81と、その開孔器81を昇降させる昇降ガイド82(ガイドレール)と、これらの動力を伝動させる伝動機構86などで構成されている。
【0083】
そして、開孔器81が上昇端に位置するときはその爪部88は閉じた状態であり、前記苗供給側(Y側)から苗が供給される。次いで、トランスミッション部10からの動力により、ロータリケース80が回動しながら開孔器81は同時に昇降ガイド82に沿って下降し、略楕円軌跡を描いて下降する。この後、開孔器81は下端位置まで下降すると、開閉カム(図示せず)の回動により、その開閉カムに当接した当接アーム(図示せず)が回動し(開閉カムの小径部に当接する)、爪支点軸(図示せず)を中心に回動して、爪部88を開いて畝U上の下端位置において苗を落下放出する。このようにして、畝U上に苗が植え付けられる。
【0084】
上記のような構成において、本発明における移植機Aは、畝幅よりもやや広幅に配置した左右一対の走行部4,4と、両走行部4,4の上方に配置した座席5,5とを具備する自走装置1を有し、同座席5,5の側方に隣接させて昇降リンク機構6を配設すると共に、同昇降リンク機構6の先端部に前記移植装置2を取り付けて、同移植装置2を左右一対の走行部4,4間において昇降可能としたことである。
【0085】
従って、昇降リンク機構6を長幅化して、同昇降リンク機構6の先端部の昇降量(昇降範囲)を大きく確保することができると共に、同昇降リンク機構6の先端部の前後方向の移動量を小さくすることができるため、同先端部に取り付けた移植装置2を、座席5,5に着座した作業者にとって作業に適した位置に配置することができる。その結果、作業者にとって苗供給作業等の移植装置2に働きかける作業が楽に行えて、作業上の快適性を良好に確保することができる。
【0086】
また、図3に示すように、移植装置2を、機体フレーム3に対して、左右一対の走行フレーム12,12を前方に張り出し、同左右一対の走行フレーム12,12の間に、移植装置2を配置して、畝幅より広幅に配置した左右一対の走行部4,4間において昇降可能となしたことにある。
【0087】
このようにして、移植装置2を走行フレーム12,12間に配設しているので、機体から移植装置2の張り出し量を少なくすることができ、本移植機Aの走行時の姿勢変化に対しても、移植装置2の植付深さ・左右の位置変化を少なくすることできる。従って、条合わせが容易になる。
【0088】
さらに、左右一対の座席5,5間にトランスミッション部10を配置し、同トランスミッション部10の前方に連動連結した移植装置2を配置する一方、同トランスミッション部10の後方に連動連結した原動機部9を配置して、機体の前後方向の略重心位置がトランスミッション部10の配設位置となるようにすると共に、そのトランスミッション部10の左右側方に一対の座席5,5を配置している。
【0089】
このように、比較的重量物であるトランスミッション部10と移植装置2と原動機部9を具備する移植機Aにおいて、トランスミッション部10を中心に、その前後に移植装置2と原動機部9をバランス良く振り分けて配置して、機体の前後方向の略重心位置にトランスミッション部10を配置し、同トランスミッション部10の左右側方に一対の座席5,5を配置しているため、座席5,5に作業者が着座しているか否かに関わりなく機体の前後重量バランスを良好に確保することができる。従って、特に作業者の乗降時の機体の安定性を確保することができて、作業者に安心感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】この発明の実施の形態における移植機の全体構成を示す右側面図である。
【図2】この発明の実施の形態における移植機の全体構成を示す左側面図である。
【図3】この発明の実施の形態における移植機の全体構成を示す平面図である。
【図4】この発明の実施の形態における移植機の走行部と機体フレームとの構成を示す平面図である。
【図5】この発明の実施の形態における移植機の移植装置取付枠体に移植装置が取り付けられた状態を示す正面図である。
【図6】この発明の実施の形態における移植機のトランスミッション部及びその周辺部の正面図である。
【図7】この発明の実施の形態における移植機のトランスミッション部及びその周辺部の側面図である。
【符号の説明】
【0091】
A 移植機
U 畝
1 自走装置
2 移植装置
3 機体フレーム
4 走行部
5 座席
6 昇降リンク機構
7 操作部
8 昇降シリンダ
9 原動機部
10 トランスミッション部
26 27 支柱
71 苗供給部
72 移植部
73 移植体
X 苗補給側
Y 苗供給側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
畝を跨いだ状態で自走可能とした自走装置に、苗の移植作業を可能とした移植装置を設けた移植機であって、
自走装置は、原動機部にトランスミッション部を介して移植装置を連動連結すると共に、同トランスミッション部の前方に移植装置を配置する一方、同トランスミッション部の後方に原動機部を配置して、
機体の略重心位置に座席を配置したことを特徴とする移植機。
【請求項2】
座席は左右一対配置すると共に、両座席間に、移植装置を昇降自在に連結する昇降リンク機構を配設して、同昇降リンク機構内にトランスミッション部を収容したことを特徴とする請求項1記載の移植機。
【請求項3】
トランスミッション部に、移植装置により移植される苗の株間を調整するための株間調整機構を設けたことを特徴とする請求項2記載の移植機。
【請求項4】
自走装置が具備する左右一対のクローラ式の走行部に、前記トランスミッション部から左右外側方へ向けて伸延させた走行伝動軸を連動連結すると共に、各走行伝動軸は、走行部よりも上方位置に配置する一方、
自走装置に設けた機体フレームの左右側部にそれぞれ床部を張設すると共に、各床部は、各走行伝動軸と同等位置ないしは下方位置に配置したことを特徴とする請求項3記載の移植機。
【請求項5】
前記機体フレームの後端部は、クローラ式の走行部の後端部よりも後方位置まで延設し、同後端部の一側方には昇降用ステップ部を張り出し状に張設すると共に、同昇降用ステップ部はクローラ式の走行部の後端部を上方から後下方にかけて被覆しかつ始端部を後方へ向けて張り出し状に配置する一方、機体フレームの後端部の他側方には、操作ボックスをクローラ式の走行部の直後方位置に張り出し状に配置したことを特徴とする請求項4記載の移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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