説明

移転情報収集装置、移転情報収集プログラム、移転情報収集方法、ならびに移転情報提供システム

【課題】企業の移転情報を、迅速、正確に収集する。
【解決手段】移転情報収集装置(移転情報収集サーバ10)は、電話番号の使用状況が加入者番号の変更を示すと判定した場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、当該取得した移転先電話番号をキーに、IP網30経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する。ここで収集された移転情報は、必要に応じて契約ユーザに閲覧のために提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話番号の使用状況を相手先の電話を鳴らすことなく定期的に調査して保存し、保存した使用状況から相手先の移転情報を収集する、移転情報収集装置、移転情報収集プログラム、移転情報収集方法、ならびに移転情報収集装置で収集した移転情報を要求のあった契約ユーザに提供する、移転情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信技術の発展により電子商取引が盛んになり、金融機関、通販業者、一般企業等では、取引先の住所や電話番号を常に最新のものに管理することが重要になってきている。ここで、取引先の情報は、サイト検索を行なうことによりホームページを閲覧することにより取得することが出来る。また、このとき、移転等の異動についても、住所等が変更になっていること等から確認することができる。なお、移転については、東京商工リサーチや帝国データバンクの企業情報やNTT東西の電話帳データベース(タウンページ)等から取得可能な企業情報によって、あるいは企業側からの告知、法務局の登録情報、官報等からも知ることが出来る。
【0003】
ところで、従来、電話帳に掲載されない電話番号の他、刻々と変化する電話番号を逐次チェックし、常に有効な電話番号が何番であるかを情報提供すると共に、移転等の異動があった場合でも電話番号の変更情報を提供することができる電話番号情報の自動作成装置が特許出願されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、出願人は、特許文献1、2に記載された技術に基づき、国内に存在する固定電話と携帯電話の全ての電話番号に対して相手方の電話を鳴らすことなく調査対象の電話番号が、「現在使用されている(有効)、未使用になった(新規無効)、以前から未使用である(無効)、移転先電話番号を案内(移転)、都合取り消し案内中である(都合取り消し)」等の電話番号使用状況を定期的に電話番号自動発信装置で調査し、電話番号履歴情報として提供するシステムである「Doc.Bell(登録商標)」を商用化している。
【0004】
Doc.Bell(登録商標)によれば、1日24時間、ほぼ365日、システムを無停止で起動することが出来、国内に存在する企業の電話番号群(電話帳企業編で1000万件程度:NTT東西タウンページや市販されている電話帳データベース)やインターネット上で公開されている国内企業の電話番号群であれば、毎日でもその有効、無効等について調査することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−117235号公報
【特許文献2】特開平2000−316048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、企業の移転情報を知るためには時間と費用を要する。ただ、決め打ち等により特定の企業のホームページを毎日手動で閲覧し、監視していれば、移転、併合等、直ちに発見できることは明らかである。しかしながら、数千、数万単位の企業数であれば現実的でない。したがって、全国的に発生する大量の企業移転情報を、1、2カ月以内に低いコストで収集する方法の出現が望まれている。特に、企業の倒産は、上場企業の倒産に限れば新聞記事等で数日後に確認できるが、非上場の場合企業の場合は、裁判所申し立てで、あるいは官報等で知るより術がなかった。
【0007】
また、上記した特許文献1、2に開示された技術によれば、月単位で更新される電話番号データから、新設電話番号情報、廃止電話番号情報等を都度生成し、その結果刻々と変化する国内全ての固定電話と携帯電話の3億9千万件の有効電話番号を把握できるが、その有効電話番号を使用している取引先を特定するものではない。このため、移転、倒産、解散等の企業の重大事項、あるいは、個人の住所移転等の移転情報を、直ちに、他の誰よりも早く正確に取得することができるツール、ならびにシステムの出現が望まれていた。
【0008】
本発明は上記した課題に鑑みなされたものであって、移転先電話番号からインターネット上に公開された企業情報を検索する仕組みを構築することで、企業の移転情報を迅速、正確に知り得、また、欠番になった電話番号から、企業の倒産、被産、解散、併合等の企業属性を収集可能な、移転情報収集装置、移転情報収集プログラム、移転情報収集方法を提供することを目的とする。また、法人、個人を問わず、移転先住所等を迅速に収集可能な、移転情報収集装置およびプログラムを提供することも目的とする。更に、収集した移転情報を閲覧要求があった契約ユーザに提供することができる移転情報提供システムを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、電話番号の使用状況を相手先の電話を鳴らすことなく定期的に調査して保存し、前記保存した使用状況の変化から前記相手先の移転情報を収集する、少なくとも、記憶装置と、演算処理装置と、入出力装置とからなる移転情報収集装置であって、前記演算処理装置は、前記電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき前記電話番号の使用状況を判定する使用状況判定部と、前記使用状況が加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、前記取得した移転先電話番号をキーに、インターネット回線網経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、前記いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する移転情報生成部と、を備え、前記移転情報生成部は、前記生成した移転情報を前記記憶装置に記録するか、前記入出力装置に出力することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、移転情報生成部は、使用状況判定部が、使用状況が加入者番号の変更を示すと判定した場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、当該取得した移転先電話番号をキーに、インターネット回線網経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する。このため、移転先電話番号を取得したらインターネッ検索エンジンでインターネット上に公開されたホームページを検索する仕組みを構築することで、移転企業が移転に伴い公開されたホームページを更新していれば、現時点における企業属性等を、手動操作によらず自動的に、迅速、かつ正確に収集することができる。また、個人、法人を問わず電話帳に移転先住所を掲載していれば、次回電話帳の発刊に合わせて速やかに移転情報を収集可能である。
【0011】
本発明において、前記移転情報生成部は、前記理由識別情報に基づき、前回有効から今回無効と判定された電話番号から同じ電話番号を持つ法人名をキーに、前記インターネット回線網経由で企業のサイト検索を行い、前記サイト検索でヒットしたホームページの法人を、休眠企業、併合企業、解散企業、倒産企業の一つと判定し、前記生成した移転情報を記録または出力することを特徴とする。本発明によれば、欠番になった電話番号から、企業の倒産、被産、解散、併合等の企業属性を含む移転情報を、迅速、かつ正確に収集することができる。
【0012】
本発明において、前記移転情報生成部は、前記理由識別情報に基づき、前回有効から今回無効と判定された電話番号をキーに、前記インターネット回線網経由で企業のサイト検索を行い、前記サイト検索でヒットしたホームページの法人を、休眠企業、併合企業、解散企業、倒産企業の一つと判定し、前記生成した移転情報を記録または出力することを特徴とする。本発明によれば、欠番になった電話番号から、企業の倒産、被産、解散、併合等の企業属性を含む移転情報を、迅速、かつ正確に収集することができる。
【0013】
本発明において、前記移転情報生成部は、前記理由識別情報に基づき、前記発信した電話番号が前記加入者番号の変更を示す以前から有効であると判定された場合に、前記サイト検索の結果得られる法人は併合であると判定して前記生成した移転情報を記録することを特徴とする。本発明によれば、欠番になった電話番号から、企業の併合に関する移転情報を迅速、正確に収集することができる。
【0014】
本発明において、前記移転情報生成部は、前記理由識別情報に基づき前記移転先電話番号を取得すると、前記移転先電話番号と、前記移転先電話番号に基づく市内局番のエリア情報と、前記移転先電話番号の掲載者情報とから、前記インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、個人の移転先住所を生成して前記記憶部に記録し、または前記入出力装置に出力することを特徴とする。本発明によれば、移転先電話番号からインターネット上に公開された電話帳データベースを検索することにより、法人、個人を問わず移転先住所を迅速、かつ正確に収集することができる。
【0015】
また、本発明は、コンピュータ上で実行され、電話番号の使用状況を相手先の電話を鳴らすことなく定期的に調査して記憶装置に保存し、前記保存した使用状況から前記相手先の移転情報を収集して前記記憶装置に出力する移転情報収集プログラムであって、前記コンピュータに、前記電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき前記電話番号の使用状況を判定する判定処理と、前記使用状況が加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、前記取得した移転先電話番号をキーに、インターネット回線網経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、前記いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する演算処理と、を実行させることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、使用状況が加入者番号の変更を示すと判定した場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、当該取得した移転先電話番号をキーに、インターネット回線網経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する演算処理を実行することにより、移転先電話番号を取得したらインターネット検索エンジンでインターネット上に公開されたホームページを検索する仕組みを構築することができる。したがって、移転企業が、移転に伴いホームページを更新してさえしていれば、その企業属性や移転先所在地等を含む移転情報を手動操作によらず自動的に、迅速かつ正確に取得でき、また、個人、法人を問わず電話帳に移転先住所を掲載していれば、次回電話帳の発刊に合わせて速やかに移転情報を取得することが可能な移転情報収集プログラムを提供することができる。
【0017】
また、本発明は、電話番号の使用状況を相手先の電話を鳴らすことなく定期的に調査して保存し、前記保存した使用状況から前記相手先の移転情報を収集する、移転情報収集方法であって、前記電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき前記電話番号の使用状況を判定する工程と、前記使用状況が加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、前記取得した移転先電話番号をキーに、インターネット回線網経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、前記いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から、少なくとも移転先の住所を含む移転情報を取得する工程と、を有することを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき電話番号の使用状況を判定し、加入者番号の変更を示すと判定した場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号をキーにインターネット回線網経由でサイト検索を行なう演算処理を自動で実行するか、あるいは、取得した移転先電話番号に基づき手動でサイト検索を行うことより、移転企業が、移転に伴いホームページを更新してさえしていれば、その企業属性や移転先所在地等を含む移転情報を、迅速かつ正確に取得できる。また、個人、法人を問わず電話帳に移転先住所を掲載していれば、次回電話帳の発刊に合わせて速やかに移転情報を取得する移転情報収集方法を提供することが出来る。
【0019】
また、本発明は、ユーザ端末と、電話番号の使用状況を相手先の電話を鳴らすことなく定期的に調査して保存し、前記保存した使用状況から前記相手先の移転情報を収集すると共に、前記ユーザ端末から通信ネットワーク経由で、特定の電話番号に基づく前記相手先の移転情報の閲覧要求を受信し、前記収集した結果を前記通信ネットワーク経由で要求のあったユーザ端末へ送信する移転情報収集装置と、からなる移転情報提供システムであって、前記移転情報収集装置は、前記通信ネットワークとの間で所定のプロトコルに基づきデータの送受信を行ない、前記調査のために電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき前記電話番号の使用状況を判定し、前記使用状況が加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、前記取得した移転先電話番号をキーに、前記通信ネットワーク経由でインターネット上のサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、前記いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する演算処理装置を備え、前記ユーザ端末から前記通信ネットワーク経由で前記特定の相手先の移転情報の閲覧要求を受信すると、前記演算処理装置で生成された該当する相手先の移転情報を、前記通信ネットワーク経由で前記閲覧要求のあったユーザ端末に送信することを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、移転先電話番号を取得したらインターネット検索エンジンでインターネット上に公開されたホームページを検索する仕組みを構築すると共に、契約ユーザから特定の法人もしくは個人の移転情報閲覧要求を受信すると、該当の移転情報を提供する仕組みを構築することにより、移転企業が移転に伴い公開されているホームページを更新してさえしていれば、その企業属性や移転先所在地等を含む移転情報を手動操作によらず自動的に、迅速かつ正確に取得することかできる。また、個人、法人を問わず電話帳に移転先住所を掲載していれば、次回電話帳の発刊に合わせて速やかに移転情報を取得する移転情報提供システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、移転先電話番号からインターネット上に公開された企業情報を検索する仕組みを構築することにより、法人の移転情報を迅速、かつ正確に知り得、また、欠番になった電話番号から、企業の倒産、被産、解散、併合等、現時点における企業属性を含む移転情報を収集可能である。また、法人、個人を問わず、移転先住所を迅速に収集可能であり、かつ、その移転情報を、閲覧要求があった契約ユーザに提供可能な、移転情報収集装置、移転情報収集プログラム、移転情報収集方法、ならびに移転情報提供システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る移転情報提供システムの接続構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る移転情報収集装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る移転情報収集装置において、交換機から返送される理由表示の一例を表形式で示した図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る移転情報収集装置により生成される電話番号履歴情報DBのデータ構造の一例、およびその具体例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る移転情報収集装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る移転情報収集装置において、移転先電話番号から企業属性の判定例を表形式で示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0024】
(実施形態の構成)
図1は、本実施形態に係る移転情報提供システムの接続構成の一例を示す図である。本実施形態に係る移転情報提供システム1は、移転情報収集装置である移転情報収集サーバ10が、収集した法人や個人の移転情報を契約ユーザが閲覧できるように、インターネット等のオープンネットワーク(IP:Internet Protocol網30)を経由して提供する構成になっている。
【0025】
図1に示されるように、本実施形態に係る移転情報提供システム1は、例えば、PC(PersonalComputer)等で構成される複数のユーザ端末70が、IP網30経由で、移転情報収集サーバ10に接続されている。移転情報収集サーバ10は、国内に存在する固定電話や携帯電話等、電話機40の全ての電話番号に対して相手方の電話機を鳴らすことなく発信し、調査対象の電話番号が、「現在使用されている(有効)、未使用になった(新規無効)、以前から未使用である(無効)、移転先電話番号を案内(移転)、都合取り消し案内中である(都合取り消し)」等を定期的に電話番号自動発信装置で調査して電話番号履歴情報を生成する。
【0026】
具体的に、移転情報収集サーバ10は、電話番号を発信したときに公衆電話回線網の一つであるISDN(Integrated Service Digital Network)網20に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき、電話番号の使用状況を判定する。そして、ここで判定された使用状況が、加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、取得した移転先電話番号をキーに、インターネット回線網であるIP網30経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された、例えば、NTTタウンページ等の電話帳データベースを検索し、いずれかの検索にヒットした場合に、企業サーバ50または電話帳サーバ60から得られる情報から、少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する。
【0027】
移転情報収集サーバ10は、更に、IP網30を介して接続されるユーザ端末70との間で、例えば、TCP/IP(Transmission Control/Internet Protocol)等、所定のプロトコルに基づきデータの送受信を行なう。すなわち、ユーザ端末70から、特定の法人の営業履歴や個人の居住履歴に関する閲覧要求を受信すると、電話番号の使用状況からサイト検索、または公開された電話帳の検索を行ない、法人の場合であれば、休眠、併合、解散、倒産等の企業属性を生成し、個人の場合であれば新たな住所を得、IP網30経由で要求のあったユーザ端末70へ送信する。なお、閲覧要求に対する応答は契約ユーザに対してのみ許可される。
【0028】
移転情報収集サーバ10は、図2にその内部構成が示されるように、記憶装置11と、演算処理装置12と、により構成される。演算処理装置12は、内蔵のメモリ、又は記憶装置11の一部領域に割り付けられ格納されるプログラムに基づき、電話番号を発信したときにISDN網20に接続される交換機から返信される理由識別情報(理由表示)に基づき調査対象となる電話番号の使用状況を判定する。そして、使用状況が加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、当該取得した移転先電話番号をキーに、IP網30経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成し、生成した移転情報を記憶装置11に出力(保存)するか、IP網30経由で閲覧要求のあった契約ユーザ(ユーザ端末70)へ出力する。
【0029】
このため、演算処理装置12が実行するプログラム(移転情報収集プログラム)は、図2にその構造が機能展開されて示されているように、使用状況収集部121と、音声・回線制御部122と、使用状況判定部123と、通信ネットワークインタフェース部124と、移転情報生成部125とを含む。なお、記憶装置11には、上記した移転情報収集プログラムが割り当てられ記憶される不図示のプログラム領域の他に、電話番号使用履歴情報DB111と、企業属性DB112が割り付けられ記憶される。これらDB(Data Base)のデータ構造等、詳細については後述する。
【0030】
使用状況収集部121は、電話帳に不掲載の電話番号を含む、刻々変化する全国の有効電話番号をISDN網20経由でオートダイヤルにより得、電話番号の使用状況を示す理由識別情報、および移転先電話番号を、調査年月日と共に電話番号使用履歴情報として記憶装置11に保存する。このため、使用状況収集部121は、音声・回線制御部122を介してISDN網20に接続される。
【0031】
使用状況判定部123は、使用状況収集部121により収集される理由識別情報に基づき、調査対象の電話番号が、「現在使用されている(有効)、未使用になった(新規無効)、以前から未使用である(無効)、移転先電話番号を案内(移転)、都合取り消し案内中である(都合取り消し)」等を判定して移転情報生成部125に引き渡す。
【0032】
通信ネットワークインタフェース部124は、IP網30を介して接続される企業が管理運営する企業サーバ50、あるいはNTT東西が管理運営する電話帳サーバ60、更には、ユーザ端末70との間で、TCP/IP等所定のプロトコルに基づきデータの送受信を行なう。ところで、NTT東西では、職業別電話帳であるタウンページDBを月単位で更新しており、NTT情報開発(株)が2〜3ヶ月遅れで更新年月を付加して契約ユーザに提供している。又、ハローページは、一般家庭に無償配布されている他に、NTT東西が自らホームページ上に公開している。発刊サイクルは、都市部で年1回、郡部で2年に1回程度である。
【0033】
移転情報生成部125は、使用状況判定部123で判定された電話番号使用状況に基づいて移転先電話番号を取得し、当該取得した移転先電話番号をキーに、IP網30経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成し、当該生成した移転情報を記憶装置11に出力(保存)する。
【0034】
移転情報生成部125は、使用状況判定部123で判定された電話使用状況(理由識別情報)に基づき、前回有効から今回無効と判定された電話番号、あるいはその電話番号と同じ電話番号を持つ法人名をキーに、IP網30経由で企業のサイト検索を行い、サイト検索でヒットしたホームページの法人の企業属性は、「休眠企業」、「併合企業」、「解散企業」、「倒産企業」のいずれかであると判定し、生成した移転情報と共に記憶装置11に保存(出力)してもよい。また、移転情報生成部125は、理由識別情報に基づき、発信した電話番号が加入者番号の変更を示す以前から有効であると判定された場合に、サイト検索の結果得られる法人は、「併合企業」であると判定し、生成した移転情報と共に記憶装置11に保存(出力)してもよい。
【0035】
また、移転情報生成部125は、理由識別情報に基づき移転先電話番号を取得すると、当該移転先電話番号と、移転先電話番号に基づく市内局番のエリア情報と、移転先電話番号の掲載者情報とから、インターネット上に公開された、例えば、NTT東西が提供する電話帳DB等を検索し、個人の移転先住所を生成して記憶装置11に保存(出力)してもよい。
【0036】
図3は、ISDN網20上で電話番号を発信したときに交換機から返送される理由識別情報(理由表示)の代表例である。デジタル交換機からの理由表示はCCITT(国際電信電話諮問委員会)勧告を基にTTC(電信電話技術委員会)標準によりJT−Q931に規定された回線交換呼の基本呼制御手順にしたがう。NTTは、INS(Information Network System)ネットサービスの技術資料において理由表示を公開している。音声・回線制御部122は、交換機との呼制御メッセージを利用してJT−Q931(レイヤ3)情報を収集することになる。交換機からの理由表示には、「001:欠番」、「016:正常」、「022:加入者番号変更」、「028:無効番号」、等があり、使用状況収集部121は、これらを必要な種類に分類し、同時に、調査年月、時間等を記憶装置11の電話番号使用履歴情報DB(111)に蓄積する。
【0037】
交換機からの理由表示には大別される「使用中電話番号」と「未使用電話番号」の他に、「A:使用中電話番号であっても都合取り外し電話番号」、「B:未使用電話番号であっても(移転先メッセージ案内中電話番号)、(連絡先メッセージ案内中電話番号)」、「C:番号誤りメッセージ案内中電話番号)、(現在使われていませんメッセージを案内中電話番号)」、「D:前回調査で未使用電話番号から今回使用中になった電話番号」等が存在する。この収集された調査時点での「電話番号」、「理由表示」、「年月日」、「時間」等は、記憶装置11に保存され、使用状況収集部121は、この処理を定期的または随時行うことで、記憶装置11に電話番号使用履歴情報DB(111)を構築することができる。
【0038】
図4に、電話番号使用履歴情報DB(111)のデータ構造の一例、およびその具体例が例示されている。図4(a)に示すように、1回の調査毎に電話番号使用履歴として、調査対象である「電話番号」と、調査時に判明した移転先あるいは連絡先電話番号である「新加入者番号」と、交換機から返送される「理由表示」と、「調査年月日」と、交換機から返信されるレイヤに関する「その他レイヤ情報」とが保存される。また、図4(b)に示すように、電話番号使用歴情報の例として、電話番号「03−3359−0906」が調査され、調査毎に図4(a)に示すデータ構造にしたがい調査情報が順次蓄積され、記憶装置11上に電話番号使用履歴情報としてデータベース(電話番号使用履歴情報DB111)が構築される。
【0039】
(実施形態の動作)
図5は、本実施形態に係る移転情報収集装置の動作を示すフローチャートである。以下、図5のフローチャートを参照しながら、図2に示す移転情報収集装置(移転情報収集サーバ10)の移転情報収集処理動作について詳細に説明する。
【0040】
使用状況収集部121は、音声・回線制御部122と連携して動作することにより、電話帳に不掲載の電話番号を含む、刻々変化する全国の有効電話番号をISDN網20経由でオートダイヤルにより得、理由表示、移転先電話番号、調査年月日からなる電話番号使用履歴情報DB111を構築し、記憶装置11上に蓄積してあるものとする。
【0041】
使用状況判定部123は、まず、電話番号使用履歴情報DB111から調査対象の1件毎の電話番号使用履歴情報を抽出する(ステップS101)。そして、インターネット上に公開されている企業情報(企業サーバ50)や電話帳(電話帳サーバ60)を閲覧することにより、その電話番号が代表電話番号であるか否かを判定する(ステップS102)。ここで、その電話番号が代表電話番号であると判定されると(ステップS102“YES”)、使用状況判定部123は、交換機から返信される理由表示からその電話番号が、現在使用されている(有効)、未使用になった(新規無効)、以前から未使用である(無効)、移転先電話番号を案内中(移転案内中)である、都合取り消し案内中である(都合取り消し)等、電話番号の使用状況の判定を行なう。
【0042】
ここで、「移転案内中」であると判定されると(ステップS103“YES”)、使用状況判定部123は、引き続き移転先電話番号が代表電話番号か否かを判定する(ステップS104)。インターネット検索等により移転先電話番号が代表電話番号であると判定されると(ステップS104“YES”)、使用状況判定部121は、更に、移転案内前からその電話番号を使用中か否かを判定する(ステップS105)。ここで、移転案内前からその電話番号が使用されていたと判定されると(ステップS105“YES”)、使用状況判定部123は、使用電話番号に基づく企業属性は「合併」であると判定し、その情報を移転情報生成部125に引き渡す。移転情報生成部125では、使用状況判定部123から引き渡された企業属性が合併を示す場合、その電話番号をキーに行なわれるインターネット検索により、通信ネットワークインタフェース部124を介しヒットした社名や移転先住所を含む移転に関する情報を取り込んで移転情報を生成し、企業属性DB112に保存する(ステップS106)。
【0043】
一方、ステップS105で、移転先電話番号が移転案内前から使用中でないと判定されると(ステップS105“NO”)、使用状況判定部123は、医用電話番号に基づく企業属性は「移転」であると判定し、その企業属性を移転情報生成部125に引き渡す。移転情報生成部125では、使用状況判定部123から引き渡された企業属性が移転を示す場合、通信ネットワークインタフェース部124を介して行なわれるインターネット検索により、ヒットした社名や移転先住所を含む移転に関する情報を取り込んで移転情報を生成し、企業属性DB112に保存する(ステップS107)。
【0044】
なお、ステップS103で、移転先案内中でないと判定された場合(ステップS103“NO”)、または、ステップS104で、移転先電話番号が代表電話番号でないと判定された場合(ステップS104“NO”)、使用状況判定部123は、使用電話番号に基づく企業属性は、「倒産」、「解散」、または「閉鎖」と判定し、その情報を移転情報生成部125に引き渡す。移転情報生成部125は、使用状況判定部123から引き渡された企業属性が、倒産、解散、閉鎖を示す場合、その旨を企業属性DB112に保存する(ステップS108)。
【0045】
使用状況判定部123および移転情報生成部125は、上記したステップS101〜S108の動作を、電話番号使用履歴情報DB111に蓄積された調査対象電話番号の全件読み出し終了(ステップS109“YES”)まで繰り返し実行することにより上記した一連の移転情報収集処理を終了する。
【0046】
なお、本実施形態によれば、移転情報生成部125により生成される移転情報は、推定される企業属性と共に記憶装置11上の企業属性DB112に出力されるものとして説明したが、IP網30経由で接続されるユーザ端末70からの要求に基づきサービス提供しても良い。
【0047】
ここで、移転情報生成部125による企業属性の判定および推定の仕方について図6を参照しながら補足説明を行う。図6では、ケース#1〜ケース#6の6つの例が示されている。
【0048】
ケース#1は、2011年6月から移転案内が開始され、移転先の電話番号が2011年6月から欠番になっている場合を示す。この場合、企業属性は、図5のフローチャートにしたがい「移転」と判定される。ケース#2は、2011年6月から移転案内が開始され、移転先の代表電話番号が給電を番号と同じく代表電話番号であって、2011年6月以前から使用中(有効)であり、かつ社名が変更されている場合を示す。この場合の企業属性は、図5のフローチャートにしたがい「合併」と判定される。ケース#3は、2011年6月から移転案内が開始され、移転先の電話番号が2011年6月以前から使用中(有効)であって社名が変更されている場合を示す。この場合の企業属性は、図5のフローチャートにしたがい「ほぼ合併」であると推定される。
【0049】
ケース#4は、2011年6月から移転案内が開始されたにもかかわらず新電話番号が無い場合を示す。この場合の企業属性は、図5のフローチャートにしたがい、「倒産」もしくは「解散」と推定される。ケース#5は、2011年6月から移転案内が開始され、移転先の電話番号が2011年6月以前から使用中(有効)であって社名の変更が無い場合を示す。この場合の企業属性は「併合」と判定される。ケース#6は、同じく2011年6月から移転案内が開始されたにもかかわらず新電話番号が無い場合である。この場合の企業属性は、図5のフローチャートにしたがい「閉鎖」と判定される。
【0050】
なお、上記した本実施形態に係る移転情報収集装置10によれば、法人の移転に関する追跡を例示して説明したが、法人に限らず、個人についても同様に移転先住所等の追跡が可能である。この場合、移転情報生成部125は、サイト検索の代わりに、取得した移転先電話番号と、移転先電話番号に基づく市内局番のエリア情報と、移転先電話番号の掲載者情報とから、インターネット上に公開された電話帳DB(電話帳サーバ60)を検索することになる。検索にヒットした場合、移転先の住所を取得することができる。但し、この場合は、電話帳に移転先住所が掲載されていることが前提である。
【0051】
また、本実施形態に係る移転情報収集装置10によれば、電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき電話番号の使用状況を判定し、加入者番号の変更を示すと判定した場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号をキーにインターネット回線網経由でサイト検索を行なう演算処理を、自動で、かつシームレスに実行する例についてのみ説明したが、判定された電話番号の使用状況を一旦出力した後、ユーザがオフラインでインターネットによるサイト検索を行い、移転情報を生成しても良い。すなわち、この場合、演算処理により判定され、取得される、移転先電話番号を含む電話番号の使用状況を、一旦、画面に表示し、それを視認したユーザが、随時、手動でインターネットによるサイト検索を行い、ヒットした場合に得られる情報をもとに移転情報を生成することになる。
【0052】
(実施形態の効果)
以上説明のように、本実施形態に係る移転情報収集サーバ10によれば、移転情報生成部125は、使用状況判定部123が、使用状況が加入者番号の変更を示すと判定した場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、当該取得した移転先電話番号をキーに、IP網30経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する。このように、移転先電話番号を取得したらインターネット検索エンジンでインターネット上に公開されたホームページを検索する仕組みを構築することで、移転企業が移転に伴いホームページを公開さえしていれば、移転先所在地等を手動操作によらず自動的に迅速に取得できる。また、個人、法人を問わず電話帳に移転先住所を掲載していれば、次回電話帳の発刊に合わせて速やかに移転情報を取得することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る移転情報収集サーバ10によれば、前回有効から今回無効と判定された電話番号、もしくは同じ電話番号を持つ掲載者名をキーに企業のサイト検索を行い、サイト検索でヒットしたホームページの法人を、「休眠企業」、「併合企業」、「解散企業」、「倒産企業」の一つと推定出来、このことにより、移転情報を迅速に収集することができる。また、理由表示が、加入者番号の変更を示す以前から有効であると判定された場合に、サイト検索の結果得られる法人は「併合企業」であると判定することが出来、したがって、欠番になった電話番号から、企業の併合に関する移転情報を迅速に収集することができる。なお、本実施形態に係る移転情報収集サーバ10を、取引先の与信に用いることにより、顕著な効果が得られる。
【0054】
(移転情報収集プログラム)
なお、本実施形態に係る移転情報収集プログラムは、例えば、図1、図2に示されるように、コンピュータ(移転情報収集サーバ10)上で実行され、電話番号の使用状況を相手先の電話を鳴らすことなく定期的に調査して記憶装置11に保存し、前記保存した使用状況から前記相手先の移転情報を収集して前記記憶装置11に出力する移転情報収集プログラムである。そして、この移転情報収集プログラムは、例えば、図5のフローチャートに示されるように、前記コンピュータ(移転情報収集サーバ10)に、前記電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき前記電話番号の使用状況を判定する判定処理(ステップS101〜S105)と、前記使用状況が加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、前記取得した移転先電話番号をキーに、インターネット回線網経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、前記いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する演算処理(ステップS106〜S108)と、を実行させる。
【0055】
本実施形態に係る移転情報収集プログラムによれば、使用状況が加入者番号の変更を示すと判定した場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、当該取得した移転先電話番号をキーに、インターネット回線網経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する演算処理を実行することにより、移転先電話番号を取得したらインターネット検索エンジンでインターネット上に公開されたホームページを検索する仕組みを構築することができ、したがって、移転企業が移転に伴いホームページを更新してさえしていれば、その企業属性や移転先所在地等を含む移転情報を手動操作によらず自動的に迅速に取得できる。また、個人、法人を問わず電話帳に移転先住所を掲載していれば、次回電話帳の発刊に合わせて速やかに移転情報を取得することができる。
【0056】
(移転情報提供方法)
本実施形態に係る移転情報収集方法は、電話番号の使用状況を相手先の電話を鳴らすことなく定期的に調査して保存し、前記保存した使用状況から前記相手先の移転情報を収集する、移転情報収集方法であって、例えば、図5のフローチャートに示されるように、前記電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき前記電話番号の使用状況を判定する工程(S101〜105)と、前記使用状況が加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、前記取得した移転先電話番号をキーに、インターネット回線網経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、前記いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から、少なくとも移転先の住所を含む移転情報を取得する工程(S106〜S108)と、を有することを特徴とする。
【0057】
本実施形態に係る移転情報収集方法によれば、電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき電話番号の使用状況を判定し、加入者番号の変更を示すと判定した場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号をキーにインターネット回線網経由でサイト検索を行なう演算処理を自動で実行するか、あるいは、取得した移転先電話番号に基づき、手動でサイト検索を行うことより、移転企業が、移転に伴いホームページを更新してさえしていれば、その企業属性や移転先所在地等を含む移転情報を、迅速かつ正確に取得できる。また、個人、法人を問わず電話帳に移転先住所を掲載していれば、次回電話帳の発刊に合わせて速やかに移転情報を取得する移転情報収集方法を提供することが出来る。
【0058】
(移転情報提供システム)
本実施形態に係る移転情報提供システムは、例えば、図1に示されるように、ユーザ端末70と、電話番号の使用状況を相手先の電話を鳴らすことなく定期的に調査して保存し、前記保存した使用状況から前記相手先の移転情報を収集すると共に、前記ユーザ端末から通信ネットワーク(IP網30)経由で、特定の電話番号に基づく前記相手先の移転情報の閲覧要求を受信し、前記収集した結果を前記通信ネットワーク(IP網30)経由で要求のあったユーザ端末70へ送信する移転情報収集装置(移転情報収集サーバ10)と、からなる移転情報提供システム1である。そして、移転情報収集装置(移転情報収集サーバ10)は、前記通信ネットワーク(IP網30)との間で所定のプロトコルに基づきデータの送受信を行ない、前記調査のために電話番号を発信したときに公衆電話回線網(ISDN網30)に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき前記電話番号の使用状況を判定し、前記使用状況が加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、前記取得した移転先電話番号をキーに、前記通信ネットワーク(IP網30)経由でインターネット上のサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、前記いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する演算処理装置12を備える。そして、移転情報収集サーバ10は、ユーザ端末70から前記通信ネットワーク(IP網30)経由で前記特定の相手先の移転情報の閲覧要求を受信すると、前記演算処理装置12で生成された該当する相手先の移転情報を、前記通信ネットワーク(IP網30)経由で前記閲覧要求のあったユーザ端末70に送信する。
【0059】
本実施形態に係る移転情報提供システム1によれば、移転先電話番号を取得したらインターネット検索エンジンでインターネット上に公開されたホームページを検索する仕組みを構築すると共に、契約ユーザから特定の法人もしくは個人の移転情報閲覧要求を受信すると、該当の移転情報を提供する仕組みをシステム構築することにより、移転企業が移転に伴い公開されているホームページを更新してさえしていれば、その企業属性や移転先所在地等を含む移転情報を手動操作によらず自動的に迅速に取得することかできる。また、個人、法人を問わず電話帳に移転先住所を掲載していれば、次回電話帳の発刊に合わせて速やかに移転情報を取得することができる。
【0060】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0061】
1 移転情報提供システム
10 移転情報収集サーバ(移転情報収集装置)
11 記憶装置
12 演算処理装置
20 ISDN網(公衆回線網)
30 IP網(インターネット回線)
40 電話機
50 企業サーバ
60 電話帳サーバ
70 ユーザ端末
111 電話番号使用履歴情報DB
112 企業属性DB
121 使用状況収集部
122 音声・回線制御部
123 使用状況判定部
124 通信ネットワークインタフェース部
125 移転情報生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話番号の使用状況を相手先の電話を鳴らすことなく定期的に調査して保存し、前記保存した使用状況から前記相手先の移転情報を収集する、少なくとも、記憶装置と、演算処理装置とからなる移転情報収集装置であって、
前記演算処理装置は、
前記電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき前記電話番号の使用状況を判定する使用状況判定部と、
前記使用状況が加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、前記取得した移転先電話番号をキーに、インターネット回線網経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、前記いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から、少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する移転情報生成部と、を備え、
前記移転情報生成部は、
前記生成した移転情報を前記記憶装置に出力することを特徴とする移転情報収集装置。
【請求項2】
前記移転情報生成部は、
前記理由識別情報に基づき、前回有効から今回無効と判定された電話番号から同じ電話番号を持つ法人名をキーに、前記インターネット回線網経由でサイト検索を行い、前記サイト検索でヒットした法人を、休眠企業、併合企業、解散企業、倒産企業の一つと推定して前記移転情報を生成することを特徴とする請求項1記載の企業移転情報収集装置。
【請求項3】
前記移転情報生成部は、
前記理由識別情報に基づき、前回有効から今回無効と判定された電話番号をキーに、前記インターネット回線網経由で企業のサイト検索を行い、前記サイト検索でヒットしたホームページの法人を、休眠企業、 併合企業、解散企業、倒産企業の一つと推定して前記移転情報を生成することを特徴とする請求項1記載の移転情報収集装置。
【請求項4】
前記移転情報生成部は、
前記理由識別情報に基づき、前記発信した電話番号が前記加入者番号の変更を示す以前から有効であると判定された場合に、前記サイト検索の結果得られる法人は併合企業であると判定して前記移転情報を推定することを特徴とする請求項1記載の移転情報収集装置。
【請求項5】
前記移転情報生成部は、
前記理由識別情報に基づき前記移転先電話番号を取得すると、前記移転先電話番号と、前記移転先電話番号に基づく市内局番のエリア情報と、前記移転先電話番号の掲載者情報とから、前記インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、個人の移転先住所を生成することを特徴とする請求項1記載の移転情報収集装置。
【請求項6】
コンピュータ上で実行され、電話番号の使用状況を相手先の電話を鳴らすことなく定期的に調査して記憶装置に保存し、前記保存した使用状況から前記相手先の移転情報を収集して前記記憶装置に出力する移転情報収集プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき前記電話番号の使用状況を判定する判定処理と、
前記使用状況が加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、前記取得した移転先電話番号をキーに、インターネット回線網経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、前記いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する演算処理と、
を実行させることを特徴とする移転情報収集プログラム。
【請求項7】
電話番号の使用状況を相手先の電話を鳴らすことなく定期的に調査して保存し、前記保存した使用状況から前記相手先の移転情報を収集する、移転情報収集方法であって、
前記電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき前記電話番号の使用状況を判定する工程と、
前記使用状況が加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、前記取得した移転先電話番号をキーに、インターネット回線網経由でサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、前記いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から、少なくとも移転先の住所を含む移転情報を取得する工程と、
を有することを特徴とする移転情報収集方法。
【請求項8】
ユーザ端末と、電話番号の使用状況を相手先の電話を鳴らすことなく定期的に調査して保存し、前記保存した使用状況から前記相手先の移転情報を収集すると共に、前記ユーザ端末から通信ネットワーク経由で、特定の電話番号に基づく前記相手先の移転情報の閲覧要求を受信し、前記収集した結果を前記通信ネットワーク経由で要求のあったユーザ端末へ送信する移転情報収集装置と、からなる移転情報提供システムであって、
前記移転情報収集装置は、
前記通信ネットワークとの間で所定のプロトコルに基づきデータの送受信を行ない、前記調査のために電話番号を発信したときに公衆電話回線網に接続される交換機から返信される理由識別情報に基づき前記電話番号の使用状況を判定し、前記使用状況が加入者番号の変更を示す場合に、その移転先案内に基づく移転先電話番号を取得し、前記取得した移転先電話番号をキーに、前記通信ネットワーク経由でインターネット上のサイト検索を行なうか、インターネット上に公開された電話帳データベースを検索し、前記いずれかの検索にヒットした場合に得られる情報から少なくとも移転先の住所を含む移転情報を生成する演算処理装置を備え、
前記ユーザ端末から前記通信ネットワーク経由で前記特定の相手先の移転情報の閲覧要求を受信すると、前記演算処理装置で生成された該当する相手先の移転情報を、前記通信ネットワーク経由で前記閲覧要求のあったユーザ端末に送信することを特徴とする移転情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−58936(P2013−58936A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196451(P2011−196451)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(596155786)
【Fターム(参考)】