説明

積層シート及び発泡積層シート

【課題】基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであって、前記発泡剤含有樹脂層に無機充填剤を含み、かつ電子線架橋後においても変色が抑制された積層シート、及び変色が抑制された発泡積層シートを提供する。
【解決手段】基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであって、
(1)前記発泡剤含有樹脂層が、樹脂成分100重量部に対して、平均粒径が16μm以下である軽質炭酸カルシウムを25重量部以上含有し、かつ、
前記樹脂成分に対する重質炭酸カルシウムの含有量が20重量部未満であり、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、電子線架橋されている、
ことを特徴とする積層シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層シート及び発泡積層シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発泡積層シートとしては、基材(例えば、裏打紙)に塩化ビニル樹脂の発泡樹脂層を形成したものが知られている。近年では、環境に配慮して、発泡樹脂層にはエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂などの、ハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている。また、上記発泡樹脂層は、一般に基材上に発泡剤含有樹脂層を形成後、当該発泡剤含有樹脂層を加熱により発泡させることにより得られる。発泡剤含有樹脂層の形成方法には、カレンダー法やTダイを用いた押出し法、その他、樹脂エマルジョンを塗工する方法がある。
【0003】
ここで、発泡積層シートに対して難燃性を付与する、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分の量を減らす等の目的で、発泡前の積層シート(以下、単に積層シートともいう)の発泡剤含有樹脂層に含有される無機充填剤として安価な重質炭酸カルシウムが用いられている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−102950
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記重質炭酸カルシウムを含む発泡剤含有樹脂層に対して、溶融張力を高めて発泡倍率を調整する目的で電子線照射による架橋を行う場合、当該発泡剤含有樹脂層が変色してしまい、発泡積層シートとしたときに意匠表現ができないという問題がある。
【0006】
従って、基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであって、前記発泡剤含有樹脂層に無機充填剤を含み、かつ電子線架橋後においても変色が抑制された積層シートの開発が望まれている。
【0007】
本発明は、基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであって、前記発泡剤含有樹脂層に無機充填剤を含み、かつ電子線架橋後においても変色が抑制された積層シート、及び変色が抑制された発泡積層シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、発泡剤含有樹脂層に特定の無機充填剤を特定量含有することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、下記の積層シート及び発泡積層シートに関する。
1. 基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであって、
(1)前記発泡剤含有樹脂層が、樹脂成分100重量部に対して、平均粒径が16μm以下である軽質炭酸カルシウムを25重量部以上含有し、かつ、
前記樹脂成分に対する重質炭酸カルシウムの含有量が20重量部未満であり、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、電子線架橋されている、
ことを特徴とする積層シート。
2. 前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分としてポリエチレン及びエチレン共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する、上記項1に記載の積層シート。
3. 前記発泡剤含有樹脂層上に非発泡樹脂層Aが形成されている、上記項1又は2に記載の積層シート。
4. 前記基材と前記発泡剤含有樹脂層との間に非発泡樹脂層Bが形成されている、上記項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
5. 上記項1〜4のいずれかに記載の積層シートを加熱発泡させて得られる発泡積層シート。
6. 前記基材が繊維質シートである、上記項5記載の発泡積層シート。
【0010】
以下、本発明の積層シート及び発泡積層シートについて詳細に説明する。
【0011】
積層シート
本発明の積層シートは、基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであって、
(1)前記発泡剤含有樹脂層が、樹脂成分100重量部に対して、平均粒径が16μm以下である軽質炭酸カルシウムを25重量部以上含有し、かつ、
前記樹脂成分に対する重質炭酸カルシウムの含有量が20重量部未満であり、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、電子線架橋されていることを特徴とする。
【0012】
上記積層シートは、発泡剤含有樹脂層に軽質炭酸カルシウムを含有しているため、難燃性を付与しつつ、樹脂製膜性に優れ、さらに電子線架橋後においても変色が抑制される。また、前記積層シートの発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シートは、変色が抑制される。
【0013】
本発明の積層シートの構成は限定的でなく、基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであればよい。例えば、基材上に非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層A、絵柄模様層、表面保護層が順に積層された積層シート等が挙げられる。以下、上記積層シートの構成を代表例として、構成する各層について説明する。
【0014】
基材
基材は、積層シートの基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、例えば、樹脂シート、繊維質シート(例えば、紙、不織布等。単に繊維質ともいう。)などが一般に使用できる。
【0015】
上記の中でも紙等の繊維質シートが好ましく、具体的には、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
【0016】
基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜80g/m程度がより好ましい。
【0017】
非発泡樹脂層B
本発明では、必要に応じて基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていてもよい。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、基材と発泡樹脂層との優れた密着性が得られる。
【0018】
非発泡樹脂層Bとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等を好適に用いることができる。非発泡樹脂層Bは樹脂成分以外に公知の添加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。
【0019】
非発泡樹脂層Bの厚みは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましく、特に5〜15μm程度がより好ましい。
【0020】
発泡剤含有樹脂層
本発明では、発泡剤含有樹脂層は、少なくとも樹脂成分、平均粒径が16μm以下である軽質炭酸カルシウム、及び発泡剤を含む。
【0021】
樹脂成分としては、ポリエチレン、及びエチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以下、「エチレン共重合体」と略記する)からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0022】
ポリエチレン及びエチレン共重合体は融点及びMFRの観点で押出し製膜に適している。エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。これらのエチレン共重合体は単独又は2種以上を混合して使用できる。
【0023】
特にエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、及びポリエチレンとエチレン−αオレフィン共重合体の混合物のいずれか1種を含有することが好ましい。樹脂成分としてポリエチレンとエチレン−αオレフィン共重合体の混合物を含有する場合、エチレン−αオレフィン共重合体の含有量は50重量%以上であることが好ましい。
【0024】
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、及びポリエチレンとエチレン−αオレフィン共重合体の混合物のいずれか1種と他の樹脂の1種以上とを併用する場合には、前記いずれかの1種の樹脂成分の含有量は、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
【0025】
ポリエチレン又はエチレン共重合体のMFRは9〜70g/10分が好ましく、9〜20g/10分がより好ましい。このようなMFRを採用することにより、押出し製膜性がより高まる。なお、本明細書のMFRは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定した値である。試験条件は、JIS K 6760記載の「190℃、21.18N(2.16kgf)」を採用したものである。
【0026】
また、エチレン共重合体は、エチレン以外のモノマーの含有量としては、5〜30重量%が好ましく、9〜20重量%がより好ましい。このような共重合比率を採用することにより、押出し製膜性がより高まる。具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)としては9〜25重量%が好ましく、9〜20重量%がより好ましい。また、エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレートの共重合比率(MMA量)としては5〜25重量%が好ましく、5〜15重量%がより好ましい。
【0027】
発泡剤としては公知の発泡剤から選択することができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などの有機系熱分解型発泡剤や、マイクロカプセル型発泡剤、重曹などの無機系発泡剤等が挙げられる。発泡剤の含有量は、発泡剤の種類や発泡倍率に応じて設定する。なお、本発明では、発泡倍率は5倍以上、好ましくは6.5〜10倍程度とする。発泡剤は、樹脂成分100重量部に対して、1〜10重量部程度とすることが好ましい。
【0028】
本発明では、発泡剤含有樹脂層に、平均粒径が16μm以下である軽質炭酸カルシウムを含有する。発泡剤含有樹脂層に前記軽質炭酸カルシウムを含有することにより、発泡剤含有樹脂層に対して難燃性を付与しつつ、樹脂製膜性に優れ、さらに電子線架橋後においても変色が抑制される。
【0029】
本発明における軽質炭酸カルシウムとは、(緻密質)石灰石を原料として化学的に製造した炭酸カルシウム(合成品)を示すものであり、天然に産出する風化カキ殻や海産微生物殻の堆積物、糖晶石灰石等を乾式又は湿式粉砕して造った重質炭酸カルシウム(天然品)とは区別される。
【0030】
本発明における前記軽質炭酸カルシウムは、市販されているものを使用することができる。例えば、商品名:PC(白石工業(株)製)、商品名:Brilliant−15(白石工業(株)製)等を使用することができる。
【0031】
また、前記軽質炭酸カルシウムは、公知の方法(例えば、炭酸ガス化合法)によって製造することができる。なお、前記炭酸ガス化合法とは、(緻密質)石灰石を約1000℃で焼成して生石灰と炭酸ガスに分解し、この生石灰を水と反応させて生成した水酸化カルシウム懸濁液(石灰乳)に焼成時に発生した炭酸ガスを導入、反応させて炭酸カルシウムを生成沈降させ、これを脱水、乾燥仕上げして製品化する方法である。
【0032】
軽質炭酸カルシウムの平均粒径は16μm以下のものを使用する。好ましい平均粒径は7μm以下であり、より好ましくは0.02〜3.2μmである。なお、本発明における平均粒径は、モード径(粒子径分布(頻度分布)の最大値)をいう。前記平均粒径は、レーザー回折散乱法を用いて測定することができる。粒径が上記の範囲であることで、発泡剤含有樹脂層の厚みを薄く押し出し製膜(特に、90μm未満)した場合でも、樹脂切れし難く、高速で製膜することができる。
【0033】
軽質炭酸カルシウムの含有量は、樹脂成分100重量部に対して25重量部以上であればよく、好ましい含有量は、樹脂成分100重量部に対して100重量部以下である。なお、発泡ボリュームの観点から、前記含有量の上限値は80重量部がより好ましい。
【0034】
軽質炭酸カルシウムの形状は限定的ではないが、立方体形、紡錘形、針状形(あるいは棒状形)、板状形、微細な立方体や針状等の一次粒子を緩くまり藻状に凝集させた絡合体等が挙げられる。
【0035】
本発明では、樹脂成分100重量部に対して20重量部未満という条件で重質炭酸カルシウムを併用してもよい。上記の範囲で重質炭酸カルシウムを加えることで、発泡積層シートの切削性や難燃性が向上する。但し、重質炭酸カルシウムを樹脂成分100重量部に対して20重量部以上使用すると、電子線照射による架橋を行った場合において当該発泡剤含有樹脂層の変色が著しく、特に20μm未満の粒径のものを多く含む場合はその傾向が顕著となるため、好ましくない。
【0036】
発泡剤含有樹脂層には、本発明の効果に影響を与えない範囲で、他の無機充填剤を使用しても良い。例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。前記無機充填剤の含有量は特に限定されないが、樹脂成分100重量部に対して1〜20重量部程度とすればよい。
【0037】
発泡剤含有樹脂層には、本発明の効果に影響を与えない範囲で添加剤を加えてもよい。例えば、顔料、発泡安定剤、酸化防止剤、発泡助剤(亜鉛化合物)、架橋剤、表面処理剤、蛍光増白剤、防カビ剤、滑剤等を添加剤として用いることができる。
【0038】
顔料については、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100重量部に対して10〜50重量部程度が好ましく、15〜40重量部程度がより好ましい。
【0039】
発泡安定剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩やアルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムの少なくとも1種が好ましい。
【0040】
また、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸や界面活性剤を使用することもできる。これらの含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.3〜10重量部程度が好ましく、1〜5重量部程度がより好ましい。
【0041】
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤である2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート〕メタン、リン系酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
【0042】
発泡助剤としては、例えば、亜鉛の酸化物、水酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、亜燐酸塩、カルボン酸塩等が挙げられる。かかる亜鉛化合物は、発泡速度向上の観点から添加することが好ましい。上記カルボン酸塩としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、ベヘニン酸等の脂肪族酸や、安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、トルイル酸、サリチル酸、ナフテン酸等の芳香族酸が挙げられる。これらのカルボン酸を用いた亜鉛のカルボン酸塩は正塩、酸性塩、塩基性塩のいずれの形態であってもよい。亜鉛のカルボン酸塩を構成するカルボン酸としては上記のものが使用できるが、VOCを低減する観点からは、炭素数12以上の脂肪酸を用いた常温で粉体であるもの、例えば、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛等が好ましい。他のカルボン酸を用いた場合には、液状であったり、ハンドリング性を良くするために有機溶媒に溶かす作業が必要であったりする場合がある。
【0043】
亜鉛化合物の含有量は樹脂成分100重量部に対して、0.001〜20重量部程度が好ましく、0.001〜10重量部程度がより好ましい。
【0044】
発泡剤含有樹脂層の厚みは限定的ではないが、非発泡状態(発泡前)で40〜100μm程度であり、50〜70μmがより好ましい。発泡後は400〜700μmが好ましい。
【0045】
発泡剤含有樹脂層を発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すれば良い。
【0046】
非発泡樹脂層A
発泡剤含有樹脂層のおもて面には、更に非発泡樹脂層Aを形成してもよい。
【0047】
非発泡樹脂層Aは、主として発泡剤含有樹脂層を保護するものである。
【0048】
非発泡樹脂層Aに含まれる樹脂成分は特に限定されず、例えばポリエチレン、エチレン共重合体、アイオノマー樹脂等を使用することができる。前記エチレン共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。これらの樹脂成分は単独又は2種以上を混合して使用できる。
【0049】
また、特に優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性を得るためには、前記樹脂成分として、アクリル酸(CH=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH=C(CH)COOH)の少なくとも1種のモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体を樹脂成分として好適に用いることができる。より具体的には、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種を用いることが望ましい。アイオノマー樹脂としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の分子間をナトリウム、亜鉛等の金属のイオンで分子間結合した構造を有する樹脂が使用できる。このような樹脂成分を用いる場合には、特に樹脂中の水素結合等に起因する強固な層を形成することができる。なお、これらは、公知又は市販のものを使用することができる。
【0050】
前記共重合体におけるアクリル酸又はメタクリル酸の含有量は限定的ではないが、15重量%以下が好ましく、4〜15重量%程度がより好ましい。このような樹脂も市販品を使用することができる。前記樹脂組成物には、公知の添加剤を配合することもできる。
【0051】
非発泡樹脂層Aの厚みは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましく、特に8〜20μm程度がより好ましい。
【0052】
前記樹脂成分のメルトフローレート値は、用いる樹脂成分の種類等によるが、一般に10g/10分以上の範囲内で適宜設定すれば良い。通常は10〜100g/10分、特に10〜95g/10分、さらに20〜80g/10分の範囲にあることが好ましい。このような数値範囲のものを使用することにより、より優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。
【0053】
また、樹脂組成物中の前記樹脂成分の含有量は限定的ではないが、通常70〜100重量%の範囲内で適宜設定することが好ましい。
【0054】
絵柄模様層
本発明では、発泡剤含有樹脂層の上(非発泡樹脂層Aを設ける場合にはその上)に絵柄模様層を設けてもよい。
【0055】
絵柄模様層は、(発泡)積層シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、(発泡)積層シートの種類に応じて選択できる。
【0056】
絵柄模様層は、例えば、非発泡樹脂層Aのおもて面に絵柄模様を印刷することで形成できる。なお、絵柄模様層を形成する際には、必要に応じてあらかじめプライマー層を形成したり、非発泡樹脂層Aの表面にコロナ放電処理を施しても良い。コロナ放電処理は、公知の方法に従って実施することができる。
【0057】
印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤(又は分散媒)を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用しても良い。
【0058】
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
【0059】
結着材樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
【0060】
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
【0061】
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
【0062】
表面保護層(オーバーコート層)
本発明では、絵柄模様層の表面に艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護層を有してもよい。表面保護層の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層であれば、例えば、シリカなどの既知フィラーを含む表面保護層がある。表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層を設けることもできる。
【0063】
発泡積層シートの表面強度(耐スクラッチ性など)、耐汚染性、絵柄模様層の保護等を目的として表面保護層を形成する場合には、電離放射線硬化型樹脂を樹脂成分として含有するものが好適である。電離放射線硬化型樹脂としては、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。
【0064】
表面保護層の厚みは限定的ではないが、0.1〜15μm程度が好ましい。
【0065】
エンボス
本発明では、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、(発泡)積層シートの最表面層(基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が表面保護層である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
【0066】
<発泡積層シートの製造方法>
発泡積層シートの製造方法は特に限定されない。例えば、基材上に発泡樹脂層と非発泡樹脂層Aとを有する発泡積層シートは、基材上に発泡剤含有樹脂層と非発泡樹脂層Aとを同時溶融押出しにより製膜して積層シートを得た後、発泡剤含有樹脂層の表側から電子線を照射し、次いで加熱により発泡剤含有樹脂層を発泡することにより得られる。
【0067】
同時溶融押出しには、複数層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、多種多層を同時に押出し成膜・積層すればよい。なお、発泡剤含有樹脂層には無機充填剤が含まれるので、発泡剤含有樹脂層を押出し成形により形成する場合は、押出し成形機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これがシート表面の異物となり易い。そのため、上記非発泡樹脂層Aに加え非発泡樹脂層Bを発泡剤含有樹脂層とともに同時押出し成形することが好ましい。このように発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し成形することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。また、基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため基材と接着される。
【0068】
なお、予め多層を同時成膜した積層体を用意して、それを基材上に載せて、熱ラミネートすることにより基材と接着してもよい。
【0069】
電子線照射は加熱処理の前に行う。これにより樹脂成分を架橋できるため、発泡積層シートの表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は1〜7Mrad程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。
【0070】
樹脂成分の架橋は、化学架橋剤(架橋剤又は架橋助剤ともいう。)を用いて実施することもできる。例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。架橋剤は、樹脂成分100重量部に対して0〜10重量部程度とすることが好ましく、1〜4重量部とすることがより好ましい。なお、電子線照射と前記架橋剤を併用することにより、電子線照射による架橋を促進させることも可能である。
【0071】
なお、電子線を照射する前に絵柄模様層や表面保護層を形成してもよい。絵柄模様層の形成方法は、前記の通りとすれば良い。また、電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を形成した場合には、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋させるために行う電子線照射と同時に(同処理で)表面保護層が硬化するため、効率的である。つまり、発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層、絵柄模様層及び電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を順に形成後、電子線照射を行って、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋するとともに表面保護層に含まれる樹脂を硬化させることができる。
【0072】
加熱条件は、発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は200〜220℃程度、加熱時間は30〜45秒程度である。また、得られた発泡積層シートには、エンボス加工をしてもよい。
【0073】
発泡積層シートは、発泡壁紙、ラミネート化粧板用表皮材、クッション性床材、断熱化粧材等を用途として使用することができる。
【発明の効果】
【0074】
本発明の積層シートは、発泡剤含有樹脂層に軽質炭酸カルシウムを含有しているため、難燃性を付与しつつ、樹脂製膜性に優れ、さらに電子線架橋後においても変色が抑制される。また、前記積層シートの発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シートは、変色が抑制される。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
【0076】
実施例1
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に厚み10μm/70μm/10μmになるように紙質基材(裏打紙)に押出し製膜した。これにより、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B/紙質基材からなる積層体を得た。
【0077】
基材としては、裏打紙「WK−665DO((株)興人製)」を用意し、これを90℃に加熱した後、上記3層を押出し製膜した。
【0078】
押出し条件は、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は140℃とし、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を収容したシリンダー温度は120℃とし、非発泡樹脂層Bを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は100℃とした。また、ダイス温度はいずれも120℃とした。
【0079】
上記積層体に対して、非発泡樹脂層Aの側から電子線(195kV,30KGy)を照射して特に発泡剤含有樹脂層を樹脂架橋した。また、非発泡樹脂層A上にコロナ放電処理を行った。
【0080】
次に、非発泡樹脂層A上に水性インキ「ハイドリック」(大日精化工業(株)製)を用いてグラビア印刷により布目絵柄を印刷し、積層シートを得た。
【0081】
次に、布目絵柄を印刷した積層シートをギアオーブンで加熱(220℃で35秒)し、発泡剤含有樹脂層を発泡させた。
【0082】
最後に、上記発泡体に対して布目パターンのエンボスを施して発泡積層シートを得た。
【0083】
各層は、それぞれ以下の成分を用いて形成した。
【0084】
非発泡樹脂層Aは、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体「ニュクレルN1560(MAA含有量:15重量%)、三井・デュポン ポリケミカル(株)製」により形成した。
【0085】
発泡剤含有樹脂層は、
EVA「ウルトラセン633(VA含有量:20重量%)、東ソー(株)製」100重量部、
発泡剤「ユニフォームウルトラAZ3050 大塚化学(株)製」4重量部、
軽質炭酸カルシウム「PC、平均粒径:3.2μm、白石工業(株)製」80重量部、
二酸化チタン「タイピュアR−350、デュポン(株)製」20重量部、
発泡助剤「MFX−50J−3、大協化成工業(株)製」4重量部、
架橋助剤「オプスターJUA702、JSR(株)製」1重量部
により形成した。
【0086】
非発泡樹脂層Bは、EVA「ウルトラセン750(VA含有量:32重量%)、東ソー(株)製」により形成した。
【0087】
発泡樹脂層の発泡倍率は7倍であった。
【0088】
実施例2
非発泡樹脂層Aは、低密度ポリエチレン「ペトロセン202、東ソー(株)製」により形成した。
【0089】
発泡剤含有樹脂層は、
低密度ポリエチレン「ペトロセン208、東ソー(株)製」50重量部、
超低密度ポリエチレン「LUMITAC54−1、東ソー(株)製」50重量部、
発泡剤「ユニフォームウルトラAZ3050 大塚化学(株)製」4重量部、
軽質炭酸カルシウム「Brilliant−15、平均粒径:0.15μm、白石工業(株)製」40重量部、
二酸化チタン「タイピュアR−108、デュポン(株)製」30重量部、
発泡助剤「アデカスタブOF−101、(株)ADEKA製」5重量部、
架橋助剤「オプスターJUA702、JSR(株)製」1重量部
により形成した。
【0090】
上記以外の条件は実施例1と同様にして、積層シート及び発泡積層シートを作製した。
【0091】
発泡樹脂層の発泡倍率は6.5倍であった。
【0092】
実施例3
軽質炭酸カルシウム「Brilliant−15、白石工業(株)製」40重量部に代えて、軽質炭酸カルシウム「Brilliant−15、白石工業(株)製」25重量部及び重質炭酸カルシウム「ホワイトンP−50(平均粒径:19μm)、白石工業(株)製」19重量部を使用した以外は実施例2と同様にして積層シート及び発泡積層シートを得た。
【0093】
発泡樹脂層の発泡倍率は6.5倍であった。
【0094】
比較例1
軽質炭酸カルシウム「PC、白石工業(株)製」に代えて、重質炭酸カルシウム「ホワイトンH(平均粒径:22μm)、白石工業(株)製」を使用した以外は実施例1と同様にして積層シート及び発泡積層シートを得た。
【0095】
比較例2
軽質炭酸カルシウム「PC、白石工業(株)製」に代えて、重質炭酸カルシウム「ホワイトン306(平均粒径:12μm)、白石工業(株)製」を使用した以外は実施例1と同様にして積層シート及び発泡積層シートを得た。
【0096】
比較例3
軽質炭酸カルシウム「PC、白石工業(株)製」に代えて、重質炭酸カルシウム「ホワイトンP−10(平均粒径:3μm)、白石工業(株)製」を使用した以外は実施例1と同様にして積層シート及び発泡積層シートを得た。
【0097】
比較例4
軽質炭酸カルシウム「Brilliant−15、白石工業(株)製」に代えて、重質炭酸カルシウム「ホワイトンP−30(平均粒径:4μm)、白石工業(株)製」を使用した以外は実施例2と同様にして積層シート及び発泡積層シートを得た。
【0098】
試験例1
積層シートの電子線照射前後、及び発泡積層シートの加熱発泡の前後において、樹脂層側から見た色差(ΔE)を調べた。
【0099】
△Eは、ミノルタ製色彩色差計(CR−300)を用いてL*,a*,b*を測定し、(1)式を用いて算出した。なお、L*,a*,b*は測定データ、L*,a*,b*は色差基準色である。
ΔE=√{(L*−L*+(a*−a*+(b*−b*} (1)
結果を下記表1に示す。
【0100】
試験例2
実施例及び比較例で作製した積層シートに関して、発泡剤含有樹脂層の製膜性を評価した。機内発泡(押出し製膜前の押出し機シリンダー内での早期発泡)が無く、引取速度が60m/minで樹脂切れ無く正常に製膜できた場合を○と評価し、引取速度が45m/minまでであれば樹脂切れ無く製膜できた場合を△と評価し、引取速度が30m/minまでの場合を×と評価した。
【0101】
【表1】

【0102】
実施例における積層シートは、樹脂製膜性に優れ、さらに電子線照射前後において色差(ΔE)が1.0以下であり、変色が抑制されている。また、実施例における発泡積層シートは、加熱発泡前後の色差(ΔE)が3.0以下であり、変色が抑制されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであって、
(1)前記発泡剤含有樹脂層が、樹脂成分100重量部に対して、平均粒径が16μm以下である軽質炭酸カルシウムを25重量部以上含有し、かつ、
前記樹脂成分に対する重質炭酸カルシウムの含有量が20重量部未満であり、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、電子線架橋されている、
ことを特徴とする積層シート。
【請求項2】
前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分としてポリエチレン及びエチレン共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の積層シート。
【請求項3】
前記発泡剤含有樹脂層上に非発泡樹脂層Aが形成されている、請求項1又は2に記載の積層シート。
【請求項4】
前記基材と前記発泡剤含有樹脂層との間に非発泡樹脂層Bが形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の積層シートを加熱発泡させて得られる発泡積層シート。
【請求項6】
前記基材が繊維質シートである、請求項5記載の発泡積層シート。

【公開番号】特開2012−71521(P2012−71521A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219052(P2010−219052)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】