説明

積層型圧電アクチュエータ

【課題】 積層型圧電アクチュエータへのリード線のはんだ付け接続の際に、セラミック積層体の各側面にはんだ粒が飛散付着して、絶縁抵抗の劣化や共振周波数特性の変動が生じることを防止する。
【解決手段】 複数の圧電セラミック層11と内部電極層12とを交互に積層して構成されるセラミック積層体10において、その側面に形成された外部電極14にリード線17をはんだ付け接合するための、はんだ点16の周囲を、熱硬化型あるいはUV硬化型のエポキシ系樹脂によるレジスト領域15によって囲むように設ける。前記レジスト領域15は、はんだ点16に対して内部電極層12の露出部が形成されている側の1面、もしくははんだ点16の左右の側面の側も含めた3面、またははんだ点16の周囲全面のいずれかに設けて、飛散したはんだ粒が前記レジスト領域15により受け止められる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的エネルギーを変位量や機械エネルギーに変換する装置である、圧電アクチュエータに関するもので、とくに複数層の圧電振動子を積層してなる、積層型圧電アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電アクチュエータは、圧電素子に電圧を印加することにより駆動力を得るアクチュエータである。一般に電気エネルギーを駆動力に変換する際の変換効率が高く、応答速度も速く、さらに小型軽量でありながら発生する駆動力が大きいことから、カメラ、計測機器、その他の精密機器におけるデバイスの駆動や精密な位置決めのために利用されている。圧電アクチュエータには積層型とバイモルフ型の2種類の方式がある。このうち積層型では高い変位精度と大きな発生力が得られ、一方バイモルフ型では大きな変位量が得られる特徴がある。このうち精密位置決め装置や精密X−Yテーブルなどのアクチュエータとしては、積層型が多く用いられている。
【0003】
積層型圧電アクチュエータは、圧電縦効果を有する圧電振動子を複数層積層して構成されるアクチュエータであり、一般に圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層し、焼結することによって得られる、セラミック積層体を用いて作製される。積層型圧電アクチュエータの変位量は、圧電セラミック層と内部電極層の積層数に比例し、また必要な駆動電圧は圧電セラミック層の厚さに比例するので、圧電セラミック層の各層の厚さを薄くすると共に積層数を多くすることで変位量を大きくし、かつ駆動電圧の低電圧化を実現することができる。さらに、積層型圧電アクチュエータの変位方向に直交する圧電セラミック層の各断面形状と、各内部電極層の断面形状とを一致させる構造とすることで、圧電セラミック層の内部に発生する歪み応力の集中を解消することが可能であり、これによって大きな発生力を得ることができる。
【0004】
図3を元に従来の積層型圧電アクチュエータの構成に関して説明する。図3は特許文献1における、積層型圧電アクチュエータの内部および外部電極の形成方法を示す斜視図である。図3において、セラミック積層体20は、圧電セラミック層21と内部電極層22とが交互に積層された構成であって、内部電極層22は圧電セラミック層21の全面に設けられ、さらに圧電セラミック層21には内部電極層22によって覆われない領域が生じないよう構成されている。また互いに対向する2つの側面28において、内部電極層22の露出端部を1層おきに互い違いとなるように絶縁層23にて覆ったのち、この2つの側面に、リード線等をはんだ付け可能な外部電極24を形成して外部との導通を確保している。なお特許文献1には、外部電極24が異なる2種類の電極材料により形成された場合について記載されているが、実際には外部電極24は単一の電極材料によって形成される場合が一般的である。
【0005】
【特許文献1】特開2000−252537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
積層型圧電アクチュエータの外部電極へのリード線の接続は、外部電極上にリード線の接続固定を行うための接続点である、いわゆるはんだ点を設け、このはんだ点に対してはんだ付けを行ってリード線を固定している。このはんだ付け工程は、従来は一般にはんだごてによる手作業により行われていた。しかし近年の積層型圧電アクチュエータの小型化、製造工程の自動化によって、リード線の接続工程が、レーザ溶接や遠赤外線方式によるはんだ溶融接続方法に変更されつつあり、それに伴いはんだ溶融時のはんだ飛散が大きくなる傾向にある。この場合、外部電極が形成されているセラミック積層体の側面に設けたはんだ点の周辺領域や、場合によっては前記の側面以外の面にもはんだ粒が飛散して付着するため、それによって生じる絶縁抵抗の劣化や共振周波数特性の変動が問題となっていた。
【0007】
図4は、図3に示した従来の積層型圧電アクチュエータにリード線をはんだ付け接続した場合について、外部電極が形成された側面の方向から見た場合を示した図である。図4において、側面28に設けられた外部電極24の端部には、リード線27をはんだ付けするためのはんだ点26が設けられており、そのはんだ付け工程において発生したはんだ粒29が飛散して前記外部電極24、およびその周辺や横側面の一部に付着している。もしこのはんだ粒29が内部電極層22の露出した端部に付着した場合は、その周囲に予期しない導通を生じさせて絶縁抵抗を劣化させる原因となってしまう。また絶縁層23や外部電極24に付着した場合には絶縁抵抗を劣化させることはないものの、セラミック積層体へのはんだ付着により周波数特性において不必要な共振、反共振が生じることがある。いずれにしろこのようなはんだ粒の飛散は、積層型圧電アクチュエータにおける不良品発生の原因となっていた。
【0008】
従って、本発明の目的は、積層型圧電アクチュエータへのリード線の接続時にはんだ粒が飛散して、前記積層型圧電アクチュエータの側面に付着することを防止し、はんだ粒の付着による絶縁抵抗の劣化や共振周波数特性の変動が生じない、積層型圧電アクチュエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明においては、積層型圧電アクチュエータの側面に設けられた外部電極上にリード線をはんだ付け固定するためのはんだ点を設けると共に、前記はんだ点の周囲の少なくとも1箇所に、熱硬化型もしくはUV硬化型のエポキシ系樹脂によるレジスト領域を設ける。このレジスト領域は、前記はんだ点と、前記側面に露出している内部電極層の端部との間に設置することが好適である。また前記はんだ点を設けた以外の側面へのはんだ粒の飛散付着を防止する目的で、前記はんだ点を囲む領域のうち、前記のレジスト領域を設けていない、残りの領域のうち2面、もしくは3面全ての領域にも、同様に前記のエポキシ系樹脂によるレジスト領域を設ける。さらには前記はんだ点を含む円形もしくは楕円形の領域を残し、その周囲に前記のエポキシ系樹脂によるレジスト領域を形成することとする。
【0010】
即ち、本発明は、少なくとも3層の圧電セラミック層と、前記圧電セラミック層の間に設けられた少なくとも2層の内部電極層とからなる柱状の積層体であって、前記内部電極層の端部が前記柱状の積層体の側面に露出し、前記内部電極層と前記側面に設けられた外部電極とにそれぞれ電気的な接続が形成され、入出力用導体をはんだ付け接続するためのはんだ点が、前記外部電極の一部に形成されている積層型圧電アクチュエータにおいて、前記はんだ点の周囲に、はんだ付けの際にはんだ飛散の障壁となる絶縁材料によるレジスト領域が形成されていることを特徴とする積層型圧電アクチュエータである。
【0011】
また、本発明は、絶縁材料による前記レジスト領域が、前記はんだ点と前記はんだ点に近接して位置する前記内部電極層の露出した端部との間に形成されていることを特徴とする積層型圧電アクチュエータである。
【0012】
さらに、本発明は、絶縁材料による前記レジスト領域が、前記はんだ点の周囲を、コの字状に半包囲して形成されていることを特徴とする積層型圧電アクチュエータである。
【0013】
さらに、本発明は、絶縁材料による前記レジスト領域が、前記はんだ点の周囲全体を包囲して形成されていることを特徴とする積層型圧電アクチュエータである。
【0014】
さらに、本発明は、絶縁材料による前記レジスト領域が、前記はんだ点が存在する円形もしくは楕円形の領域を残してその周囲に形成されていることを特徴とする積層型圧電アクチュエータである。
【0015】
さらに、本発明は、前記レジスト領域が、熱硬化型またはUV硬化型のエポキシ系樹脂により形成されていることを特徴とする積層型圧電アクチュエータである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、積層型圧電アクチュエータに対してリード線をはんだ付け接続を行う際に、内部電極の端部が露出した各側面に、はんだ粒が飛散して付着することを防止することができる。従ってはんだ粒の付着により発生する絶縁抵抗の劣化や、周波数特性における不必要な共振、反共振が生じることのない、積層型圧電アクチュエータを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施の形態に係る積層型圧電アクチュエータを、図1、図2に基づいて以下に説明する。
【0018】
図1は、本発明における積層型圧電アクチュエータの実施の形態を示す図である。図1(a)は積層型圧電アクチュエータを、外部電極の設けられた側面の向きから見た図であり、図1(b)は図1(a)における前記積層型圧電アクチュエータの、A−A’における断面を示した図である。一般にジルコンチタン酸鉛系セラミックからなる圧電セラミック層11と、銀パラジウム合金が好適な内部電極層12が交互に複数積層され、セラミック積層体10が得られる。側面18に露出した内部電極層12の端部には、互いに対向する電極となるように、1層おきにガラスからなる絶縁層13が形成されている。また表面に絶縁層が設けられていない部位の内部電極層12を電気的に接続するために、外部電極14が形成された構造となっている。さらにはんだ点16においてリード線17を前記外部電極14の端部に接続固定する際に、はんだ粒が飛散して側面18に付着することを防止するために、前記はんだ点16と図の上方に位置する各内部電極層12との間に、レジスト領域15が設けられた構成となっている。
【0019】
また図2は、本発明における図1に示した積層型圧電アクチュエータとは異なる実施の形態を示す図であり、図1の場合とはレジスト領域15の形状が異なっている。図2(a)はセラミック積層体10の側面18に形成された外部電極14上のはんだ点16の周囲の3面に、レジスト領域15からなる障壁を形成したものである。また図2(b)は同じくはんだ点16の周囲の4面全てに、レジスト領域15からなる障壁を形成したものである。さらに図2(c)は同じくはんだ点16を含むレジスト領域を設けない領域が、円形あるいは楕円形となるように、はんだ点16の周囲にレジスト領域15からなる障壁を形成したものである。図1の場合にははんだ粒の飛散防止の効果は、主にセラミック積層体10の外部電極14を設けた側面に限られているが、図2(a)、図2(b)、図2(c)の場合は、同時にはんだ粒が前記側面とは別の横側面に回り込むことも合わせて防止するものとなっている。即ち図中で、はんだ点16の両脇や下方に設けられたレジスト領域15が存在することにより、はんだ粒が、前記はんだ点16の両側の横側面に露出した内部電極に付着することを防止する構成である。
【0020】
このレジスト領域を例えばセラミック積層体の側面全域に形成すれば、はんだ粒付着による絶縁抵抗劣化をほぼ完全に防ぐことができる。ただしこの場合にはレジスト領域の存在によって、変位量を初めとする各種電気特性が大きく変動する結果とになるので、積層型圧電アクチュエータとして用いることができなくなってしまう。従って、レジスト領域によって被覆されないセラミック積層体の側面領域を大きく残存させつつ、効率よくはんだ粒の飛散を防止する形状のレジスト領域を設けることが必要である。
【0021】
上記図1および図2に示されるレジスト領域は、前記セラミック積層体の側面に対して、熱硬化型あるいはUV硬化型のエポキシ系樹脂のスクリーン印刷、あるいは転写ローラによる転写によって形成することができる。また前記レジスト領域の形成の際には、積層圧電アクチュエータとして必要な変位量が得られる範囲であれば、セラミック積層体の側面のうち、圧電セラミック層、および内部電極が形成された領域の一部を、ある程度前記樹脂によって被覆しても構わない。これら樹脂材料によるレジスト領域は絶縁体であるので、その表面に付着したはんだ粒は、内部電極層や外部電極に対して電気的な影響を与えることはない。
【0022】
なおはんだ粒の飛散付着による積層型圧電アクチュエータの特性劣化の要因としては、はんだ粒が内部電極層の端部に付着することによる絶縁抵抗劣化の他に、任意の領域に付着することによる歪み応力が主な原因である、周波数特性の変動がある。もっともレジスト領域の表面に付着した場合には、歪み応力の大部分を前記レジスト領域が吸収するので、セラミック積層体に対する影響はほとんど無視できるものになる。また一般にレジスト領域として用いられる樹脂材料ははんだ濡れ性が低いため、表面に付着したはんだ粒の多くは固着することができず、後工程にて取り除くことが可能である。
【実施例】
【0023】
(実施例1)
積層型圧電アクチュエータのはんだ点に、リード線を遠赤外線方式にてはんだ付け接続した場合の、レジスト領域の有無によるはんだ付着率の違いを測定した。図3(b)に示す形状の、レジスト領域を設けていない場合(従来品)と、図1(a)に示した、はんだ点の上方の1面のみにレジスト領域を設けた場合(本発明品1)について実験している。本実験では実体顕微鏡による目視観察によって各側面へのはんだ付着の有無を判定し、また絶縁抵抗計を用いて絶縁抵抗の劣化について評価した。絶縁抵抗については1MΩ以下を不良と判定した。本発明品1におけるレジスト領域の厚さは30μm、レジスト領域の幅(図1(a)において上下方向)は200μmである。また評価したサンプル数は各1,000個である。レジスト領域を設けていない従来品、および本発明品1における、はんだ付着率と絶縁抵抗劣化率の評価結果を表1に示す。
【0024】
【表1】

【0025】
はんだ粒が付着した比率と絶縁抵抗劣化率の値は似通っており、はんだ粒の付着が絶縁抵抗の劣化の主な原因であることが分かる。またレジスト領域を設けた場合は不良率が約30%改善しており、レジスト領域の設置は不良率の改善に一定の効果があることが分かる。ただし残り70%の不良率の改善には更なる努力が必要である。実態顕微鏡にて観察したところ、本発明品1における不良の多くはレジスト領域を設けていない、両側の横側面へのはんだ粒の飛散付着が理由となっており、その点に関する新たな改善が必要であることが分かった。なお本発明品1において、はんだ粒付着率に対する絶縁抵抗劣化率の比率は約84%であり、絶縁抵抗の劣化が全てはんだ粒の付着が原因で生じるものと仮定する場合、はんだ粒が付着したサンプルの8割以上が不良と判定されることとなる。
【0026】
(実施例2)
積層型圧電アクチュエータのはんだ点に、リード線を遠赤外線方式にてはんだ付け接続した場合の、レジスト領域の幅の値によるはんだ付着率の違いを測定した。図2(a)に示す形状の、はんだ点の上方の1面および左右の2面の、合計3面にレジスト領域を設けた場合の3種類のサンプル(本発明品2〜本発明品4)について実験している。各サンプルはいずれもほぼ同じ形状であって、はんだ点の左右に設けたレジスト領域の各々の幅のみが異なっており、幅は順に50μm、100μm、200μmである。各サンプルにおける左右のレジスト領域の幅や形状は各々左右対称である。各サンプルにおけるレジスト領域の厚さはいずれも30μm、はんだ点の上方に設けたレジスト領域の幅(図2(a)において上下方向)は各200μmである。各サンプルの評価方法、不良の判定方法は実施例1の場合と同一であり、評価数量は各1,000個である。本発明品2〜本発明品4におけるはんだ付着率と絶縁抵抗劣化率の評価結果を表2に示す。
【0027】
【表2】

【0028】
表1に示した本発明品1に比較して、はんだ粒付着率、絶縁抵抗劣化率の双方がいずれも向上しており、はんだ点の左右にレジスト領域を設けることが不良率の改善において効果的であることが分かる。実験からはレジスト領域の幅が50μmであってもはんだ粒付着率を低減させる効果を有することが分かるが、レジスト領域の幅が100μm以上の場合にははんだ粒付着率が0%と、実質的にはんだ粒の付着を完全に防止することが可能であり、一層確実な防止効果を得ることが可能である。
【0029】
(実施例3)
積層型圧電アクチュエータのはんだ点に、リード線を遠赤外線方式にてはんだ付け接続した場合の、レジスト領域の形状によるはんだ付着率の違いを測定した。図2(b)に示す形状の、はんだ点の上方、左右、下方の4面全てをレジスト領域によって囲む場合(本発明品5)、および図2(c)に示す形状の、はんだ点を含むその内側の領域が楕円形となるようにレジスト領域を設けた場合(本発明品6)の2種類のサンプルについて実験している。各サンプルにおけるレジスト領域の厚さはいずれも30μm、はんだ点の上方に設けたレジスト領域の幅(図2(a)において上下方向)は各200μm、上方以外の各レジスト領域の幅はいずれも最も狭い場所で100μm以上である。各サンプルの評価方法、不良の判定方法は実施例1の場合と同一であり、評価数量は各1,000個である。本発明品5、本発明品6におけるはんだ付着率と絶縁抵抗劣化率の評価結果を表3に示す。
【0030】
【表3】

【0031】
表2に示した本発明品3、本発明品4と同様に、はんだ粒付着率、絶縁抵抗劣化率の双方の値がいずれも0%であり、図2(a)、図2(b)、図2(c)のいずれかに示した形状で、はんだ点の周囲に幅が100μm以上のレジスト領域を設けた場合には、積層型圧電アクチュエータのリード線のはんだ付けにおいて、はんだ粒の飛散に対して確実な防止効果を得ることが可能であることが分かる。以上の結果より、本発明において提案した方法によって、リード線接続時のはんだ飛散を抑制し、絶縁抵抗劣化のない積層型圧電アクチュエータを提供できることが確認できた。
【0032】
なお、上記実施例の説明は、本発明の実施の形態に係る積層型圧電アクチュエータの、セラミック積層体へのはんだ粒飛散の防止効果について説明するためのものであって、これによって特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは請求の範囲を減縮するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明における積層型圧電アクチュエータの実施の形態を示す図。図1(a)はこの積層型圧電アクチュエータの側面図、図1(b)は図1(a)の位置A−A'における縦断面図。
【図2】本発明における積層型圧電アクチュエータにおける、図1とは別の実施の形態を示す図。図2(a)、図2(b)、図2(c)はレジスト領域の形状がそれぞれ互いに異なる場合の積層型圧電アクチュエータの側面図。
【図3】特許文献1に記載の積層型圧電アクチュエータの従来例に関する斜視図。
【図4】図3に記載の積層型圧電アクチュエータにリード線をはんだ付けした場合の、はんだ粒の飛散状況の説明図。
【符号の説明】
【0034】
10、20 セラミック積層体
11、21 圧電セラミック層
12、22 内部電極層
13、23 絶縁層
14、24 外部電極
15 レジスト領域
16、26 はんだ点
17、27 リード線
18、28 側面
29 はんだ粒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3層の圧電セラミック層と、前記圧電セラミック層の間に設けられた少なくとも2層の内部電極層とからなる柱状の積層体であって、
前記内部電極層の端部が前記柱状の積層体の側面に露出し、前記内部電極層と前記側面に設けられた外部電極とにそれぞれ電気的な接続が形成され、
入出力用導体をはんだ付け接続するためのはんだ点が、前記外部電極の一部に形成されている積層型圧電アクチュエータにおいて、
前記はんだ点の周囲に、はんだ付けの際にはんだ飛散の障壁となる絶縁材料によるレジスト領域が形成されていることを特徴とする積層型圧電アクチュエータ。
【請求項2】
絶縁材料による前記レジスト領域が、前記はんだ点と前記はんだ点に近接して位置する前記内部電極層の露出した端部との間に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の積層型圧電アクチュエータ。
【請求項3】
絶縁材料による前記レジスト領域が、前記はんだ点の周囲を、コの字状に半包囲して形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の積層型圧電アクチュエータ。
【請求項4】
絶縁材料による前記レジスト領域が、前記はんだ点の周囲全体を包囲して形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の積層型圧電アクチュエータ。
【請求項5】
絶縁材料による前記レジスト領域が、前記はんだ点が存在する円形もしくは楕円形の領域を残してその周囲に形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の積層型圧電アクチュエータ。
【請求項6】
前記レジスト領域が、熱硬化型またはUV硬化型のエポキシ系樹脂により形成されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の積層型圧電アクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−66560(P2008−66560A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243828(P2006−243828)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)