説明

穴あき問題作成装置

【課題】穴あき問題を回答穴の位置を自由に設定して作成すること出来る穴あき問題作成装置の提供。
【解決手段】通信ネットワークを介して端末装置から送られてくる穴あき問題を作成すべき原文を、端末装置の操作者別に格納するメモリ、操作者に対して、原文上で、回答穴を設定したい場所を指定するように指示する手段、回答穴を設定すべき場所が指定された場合に、指定された回答穴の原文上での位置を判定する手段、判定された回答穴の位置に基づいて、原文に対して回答穴を設定して問題を作成する問題文加工手段及び、メモリ内に格納された問題文を端末装置に表示させる表示指令手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回答穴の設けられた文章中に、適切な用語を入力することにより正しい文章を完成させることを目的とする穴あき問題を作成することのできる、穴あき問題作成装置に関する。
【0002】
【背景技術】
【0003】
従来、通信回線を用いて、文章問題等の問題を回答者に提示し、その回答を採点するシステムなどが知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−275252号公報
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、こうした問題のなかで、空欄の設けられた文章中に、適切な用語を入力することにより正しい文章を完成させることを目的とする、穴あき問題は、暗記トレーニングなどに有効であるが、回答者(トレーニングする者)側で回答穴の位置を自由に設定して活用出来にくいことが多かった。また、問題を作成する側でも、穴あき問題を簡単に自由度の高い形で作ることが出来ることが望まれている。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑み、穴あき問題を回答穴の位置を自由に設定して作成すること出来る穴あき問題作成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、通信ネットワーク(13)を介して複数の端末装置(15)が接続される穴あき問題作成装置(1)において、
通信ネットワークを介して前記端末装置から送られてくる穴あき問題を作成すべき原文(GB)を、端末装置の操作者別に格納するメモリ(6)、
前記メモリに原文を登録した操作者に対して、当該原文上で、回答穴(17)を設定したい場所を指定するように前記端末装置を介して指示する、回答穴設置指示手段(12)、
前記端末装置が操作されて前記回答穴を設定すべき場所が指定された場合に、当該原文上で、操作者により指定された回答穴の原文上での位置を判定する回答穴位置判定手段(12)、
前記判定された回答穴の位置に基づいて、原文に対して回答穴を設定して問題(QS)を作成すると共に、当該回答穴部分に記載されていた文字を、当該回答穴に対する正解データとしてメモリに前記作成された問題と共に操作者別に格納する、問題文加工手段(7)及び、
前記メモリ内に格納された問題文を前記通信ネットワークを介して前記複数の端末装置の内の少なくとも一つの端末装置に表示させる表示指令手段を有して構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、操作者が端末装置を操作して、自分が登録した任意の原文に対して、任意の位置に回答穴を設定して問題文を作成することが出来、自由度の高い穴あき問題の作成が可能となる。
【0010】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
【0012】
図1は、本発明が適用される、穴あき問題作成装置の一例がネットワークに接続された状態を示す図、図2は、文章問題の原文の一例を示す図、図3は、図2の原文に回答穴を設定する様子を示す図。図4は、ディスプレイに表示される穴あき問題の一例を示す図。図5は、穴あき問題に対する回答例を示す図。図6は、図5に示した回答例に対する採点結果の表示例を示す図である。
【0013】
穴あき問題作成装置である、穴あき問題作成採点装置1は、図1に示すように、主制御部2を有しており、主制御部2には、バス線3を介して入出力制御部5,問題文登録メモリ6,問題文加工部7,問題メモリ9,正誤判定部10,問題進行制御部11及び問題作成制御部12などが接続している。穴あき問題作成採点装置1は、入出力制御部5を介して、インターネット、LANなどの通信ネットワーク13に接続しており、通信ネットワーク13には、携帯端末やパソコンなどの不特定多数の端末装置15が、穴あき問題作成採点装置1に対して通信ネットワーク13を介して接続自在に設けられている。
【0014】
なお、図1に示す穴あき問題作成採点装置1は、当該装置で行う機能をブロック化した形で表現しているが、これらは、通常、CPU、主記憶装置、補助記憶装置などを備えたコンピュータに、所定のプログラムを実行させることにより、マルチタスクの形で実行される。即ち、プログラムの指令に基づいてコンピュータが、時分割的に、穴あき問題作成採点装置1を構成する各ブロックに対応する機能を実行する。しかし、図1に示したように、各部に対応したハードウエアを配置して穴あき問題作成採点装置1を構成することも当然可能である。
【0015】
穴あき問題作成採点装置1は、以上のような構成を有するので、穴あき問題作成採点装置1を用いて、穴あき問題を作成する場合には、問題作成者(操作者)は、まず自分の端末装置15を操作して通信ネットワーク13を介して穴あき問題作成採点装置1にログインする。この際、穴あき問題作成採点装置1では、当該ログインしてきた端末装置15の操作者が、穴あき問題作成採点装置1に登録された真正な操作者であるかを確認するために、適宜なID、パスワード等の入力を要求する。
【0016】
適正にログインすることの出来た操作者は、端末装置15を操作して、まず、自分が作成しようと思う穴あき問題の原文GBを、テキストデータの形で入力し、通信ネットワーク13を介して穴あき問題作成採点装置1に送る。
【0017】
穴あき問題作成採点装置1では、入出力制御部5を介して端末装置15から送られてきた原文GBを、問題文登録メモリ6内に、操作者のID情報を付加した形で格納する。問題文登録メモリ6内の操作者が穴あき問題作成採点装置1に対して入力した情報は、当該操作者の専用のIDホルダに個別に格納され、それらの情報は他の操作者に対しては秘匿されるように、情報管理される。なお、操作者が入力した原文GBは、適宜な時点で又は操作者の端末装置15からの要求により穴あき問題作成採点装置1側から、再度操作者の端末装置15へ出力され、そのディスプレイ16上に、図2に示すように表示される。なお、原文GBを穴あき問題作成採点装置1へ登録した直後には、端末装置15にいまだ原文GBが表示されたままなので、穴あき問題作成採点装置1は、問題文登録メモリ6に登録された原文GBと端末装置15に表示された原文GBとの一致を、その操作者のID情報と共に取って、当該原文GBがそのままディスプレイ16に表示される。
【0018】
こうして、操作者は、原文GBを入力した後に、端末装置15を操作して、穴あき問題作成採点装置1に対して、これから穴あき問題の作成を行う旨の問題作成開始信号S1を出力する。これを受けて、穴あき問題作成採点装置1の主制御部2は、問題作成制御部12に対して、問題作成開始信号S1が出力された端末装置15に対して問題作成制御を開始するように指令する。なお、前述した原文GBの端末装置15から穴あき問題作成採点装置1へ入力する作業は、これから述べる穴あき問題作成作業とは、別の時点で行っても良い。即ち、操作者が予め多数の原文GBをまとめて端末装置15から穴あき問題作成採点装置1の問題文登録メモリ6に、自己のID情報と共に登録しておく。そして、当該操作者が穴あき問題の作成を開始する際に、穴あき問題作成採点装置1にログインして、自己のID情報が付された、即ち、自分が登録した原文GBを読み出して、その中からこれから問題を作成する原文GBを選択して、端末装置15にダウンロードして表示させるようにしても良い。
【0019】
いずれにせよ、操作者が穴あき問題を作成出来る原文GBは、当該操作者が登録した原文GBのみであり、他の操作者が登録した問題文登録メモリ6内の原文GBに対してはアクセス出来ず、穴あき問題を作成することは出来ないように制御される。
【0020】
穴あき問題の作成に際して、問題作成制御部12は、通信ネットワーク13を介して端末装置15に対して、ディスプレイ16に表示された原文GB上で、回答穴17を設定したい場所を、カーソルなどの表示指令手段を用いて指定するように、ディスプレイ16上にテキストの形で(また、端末装置15のスピーカなどを用いた音声などによる指示でもよい)指示する。操作者は、該指示を受けて、マウスなどを適宜操作して、図3に示すように、ディスプレイ16に表示される原文GBに対して、回答穴17を設定したい場所(文章の一部分)を、アンダーラインや領域指定などの形で指定する。
【0021】
操作者による領域指定が完了し、原文GB上で、回答穴17を設定したい場所が指定されたところで、操作者は端末装置15を操作して、設定完了信号S2を通信ネットワーク13を介して穴あき問題作成採点装置1に出力する。これを受けて、問題作成制御部12は、端末装置15に表示された原文GBのデータを取り込み(操作者が端末装置15を操作して、原文GBのデータを穴あき問題作成採点装置1に出力する形でも可)、当該原文GB上で、操作者により指定された回答穴17の原文GB上での位置を判定する。
【0022】
操作者により指定された回答穴17の原文GB上での位置が判定されると、その判定結果を問題文加工部7に出力し、問題文加工部7に対して問題文の作成を指令する。問題文加工部7はこれを受けて、図4に示すように、操作者により指定された部分、即ち設置位置が判定された部分に空白の長方形の図形から構成される回答穴17を設定すると共に、当該回答穴17部分に記載されていた文字を、当該回答穴17に対する正解データDTとして当該回答穴17と関連付ける処理を行う。こうした処理を、操作者が指定した回答穴17の数だけ行って、原文GBに操作者が指定した数の回答穴17が、操作者が指定した位置に設定され、問題QSが作成される。こうして、当該作成された問題QS及び各回答穴17に対応する正解データDTを、問題メモリ9に操作者のID情報と共に格納する。
【0023】
こうして、操作者により問題QSが作成され、問題メモリ9に格納されると、操作者による問題の作成作業は終了する。
【0024】
次に、問題を回答者に対して提示して試験を受けさせる場合には、穴あき問題作成採点装置1の問題進行制御部11を介して、回答者が操作する各端末装置15に対して、問題メモリ9に格納された問題QSを、通信ネットワーク13を介してそれぞれ出力し、図4に示すように、各端末装置15のディスプレイ16上に表示させる。この際、問題進行制御部11は、端末装置15のディスプレイ16に、「端末装置15を操作して、回答穴17に対して回答を入力するように」促す表示を行い、回答者は、端末装置15を操作して、図5に示すように、問題QSの各回答穴17に正解と思われる回答ASを入力する。
【0025】
回答ASの入力が終了したところで、回答者が入力終了信号S3を穴あき問題作成採点装置1に出力すると、主制御部2は、正誤判定部10に対して、問題QSの採点を行うように指令する。
【0026】
これを受けて、正誤判定部10は、回答者の操作する端末装置15から、回答者が回答ASを記入した問題QSを通信ネットワーク13を介して取り込み(回答者が端末装置15を操作して、回答ASを記入した問題QSを穴あき問題作成採点装置1に出力する形でも可)、当該回答ASを記入した問題QSを採点する。採点は、問題メモリ9に格納された対応する問題QSの正解データDTと、回答者により各回答穴17に記入された回答ASを比較し、一致するものは「正解」とし、一致しないものは「不正解」とする採点処理を行い、その結果を、回答者の端末装置15のディスプレイ16に、図6に示すように表示する。この際、一緒に、全体の回答穴17数に対する正解の割合を「点数」として、表示しても良い。更に、各回答穴17における「正解」と「不正解」を、図6に示すように、「丸」や「バツ」などの記号で表示しても良い。
【0027】
なお、穴あき問題作成採点装置1に対して、穴あき問題を作成する場合や穴あき問題を受験する(解く)ばあいになどにおいて、端末装置15側では、穴あき問題作成採点装置1からの指示に応じて、問題の原文GBを入力したり、回答を入力したりするだけで、具体的な問題QSの作成や、回答穴17の設定、採点などすべての処理は穴あき問題作成採点装置1側で行うので、端末装置15側には特別なソフトウエアが不要であり、市販されているパソコンや携帯電話など、文字情報を通信ネットワーク15上に送出することが出来る装置であれは、どのような装置でも特別なソフトウエアのダウンロードを行うことなく直ちに使用可能である。
【0028】
なお、回答者と操作者が同一人物であることを阻害しないので、自己の記憶力の鍛錬ために、または学習のために、自分で穴あき問題を作成して、自分で問題に回答するように装置を使用することも当然可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、教育現場などで、穴あき問題を作成する際に利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明が適用される、穴あき問題作成装置の一例がネットワークに接続された状態を示す図。
【図2】図2は、文章問題の原文の一例を示す図。
【図3】図3は、図2の原文に回答穴を設定する様子を示す図。
【図4】図4は、ディスプレイに表示される穴あき問題の一例を示す図。
【図5】図5は、穴あき問題に対する回答例を示す図。
【図6】図6は、図5に示した回答例に対する採点結果の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
1……穴あき問題作成装置(穴あき問題作成採点装置)
6……メモリ
7……問題文加工手段(問題文加工部)
12……回答穴設置指示手段、回答穴位置判定手段(問題作成制御部)
13……ネットワーク
15……端末装置
17……回答穴
GB……原文
QS……問題

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して複数の端末装置が接続される穴あき問題作成装置において、
通信ネットワークを介して前記端末装置から送られてくる穴あき問題を作成すべき原文を、端末装置の操作者別に格納するメモリ、
前記メモリに原文を登録した操作者に対して、当該原文上で、回答穴を設定したい場所を指定するように前記端末装置を介して指示する、回答穴設置指示手段、
前記端末装置が操作されて前記回答穴を設定すべき場所が指定された場合に、当該原文上で、操作者により指定された回答穴の原文上での位置を判定する回答穴位置判定手段、
前記判定された回答穴の位置に基づいて、原文に対して回答穴を設定して問題を作成すると共に、当該回答穴部分に記載されていた文字を、当該回答穴に対する正解データとしてメモリに前記作成された問題と共に操作者別に格納する、問題文加工手段及び、
前記メモリ内に格納された問題文を前記通信ネットワークを介して前記複数の端末装置の内の少なくとも一つの端末装置に表示させる表示指令手段を有する、
穴あき問題作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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