説明

穴加工工具

【課題】ステムガイド穴の仕上げ加工をするに際し、加工穴の仕上げ面の面粗度を、潤滑油を確保するのに最適な範囲に制御し、ステムガイド穴の焼き付きを防止することが可能な穴加工工具を提供する。
【解決手段】被切削材に予め形成された下穴に挿入されて、該下穴の内壁面を切削して加工穴を形成するリーマにおいて、切刃31と3つのベアリング部26を周方向に等間隔に形成し、各ベアリング部26の表面粗さをRz値にて1.1〜1.4μmの範囲内に設定するとともに、複数のベアリング部26の工具周方向の幅の和W26を、切刃31の外径Dに対して0.15×D〜0.45×Dmmの範囲内に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被切削材に予め形成された下穴に挿入されて、下穴の内壁面を切削加工する際に用いられる穴加工工具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の穴加工工具としては、軸線回りに回転される長尺円柱状の工具本体の先端部に切刃が備えられたリーマが一般的に知られている。このリーマが、軸線回りに回転されるとともに軸線方向に送りを与えられ、被切削材に予め形成された下穴に挿入されて、該下穴の内壁面を刃先部に形成された切刃によって切削することによって、例えばエンジンにおけるバルブの軸部が摺動する際にガイドされるステムガイド穴が所定の内径に加工される。
【0003】
このようなリーマは仕上げ加工として使用されるため、従来は加工穴の仕上げ面の面粗さについては、より精度を高くすることのみが求められていた。そこでこのような要求に応える高精度のリーマとして、例えば特許文献1に示すものが提案されている。
【0004】
特許文献1のリーマは、図4に示すように、円柱形状をなす工具本体1の先端に刃部2が設けられており、この刃部2の外周に工具本体1の軸線O方向に沿って切屑排出溝3が形成され、この切屑排出溝3の工具回転方向を向く面に工具径方向外側に向けて切刃4が備えられている。
一方、刃部2の外周には、切屑排出溝3の工具回転方向後方側に連なるようにしてマージン部5が形成されているとともに、該マージン部5の工具回転方向後方側の外周には工具周方向に幅広のベアリング部6が形成されている。また、ベアリング部6のさらに工具回転方向後方側の外周面には、切屑排出溝3の工具回転方向側に連なるようにしてパット部7が形成されている。
【0005】
このような高精度リーマを用いた切削加工においては、マージン部5、ベアリング部6及びパット部7が、切刃4により切削加工された加工穴の内周面に摺接することになる。これにより、いわゆるバニシング効果によって平滑な仕上げ面が得られるとともに、刃部2が軸線Oに沿って案内されることによって工具本体1の直進性が確保される。また、この高精度リーマにおいては、ベアリング部6の位置、マージン部5及びパット部7の工具周方向の幅の大きさの最適化が施されており、これによって、特に仕上げ面の面粗度においては2〜4μmといった極めて高い精度を実現することが可能となっている。
【特許文献1】特開平8−52617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のような高精度リーマでこのステムガイド穴の仕上げ加工をした場合には、却ってバルブのステムがステムガイド穴に焼き付きを生じてしまうことがあった。
一方、一般的なリーマを用いて仕上げ加工をした場合には、加工穴の仕上げ面が必要以上に粗くなってやはり焼き付きを生じてしまい、ステムガイド穴の仕上げ加工として好ましくない。
【0007】
この発明はこのような事情に基づいてなされたものであって、エンジン稼動時におけるステムガイド穴の焼き付きを防止することが可能な穴加工工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここで、本発明の発明者らがこのようなステムガイド穴について鋭意研究を重ねたところ、ステムガイド穴の焼き付きを防止するためには、該ステムガイド穴の内周面に潤滑油を保持するための微細な凹凸を形成する必要があり、リーマによる仕上げ加工において、一定範囲に制御された面粗度、即ち、4μmを超え8μm以下の範囲内の面粗度を付与する必要があるという知見を得るに至った。
【0009】
そこで、前記課題を解決するため、この発明は上記知見に基づき以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係る穴加工工具は、軸線回りに回転される工具本体を有し、この工具本体の先端に設けられた加工部に、工具後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝の工具回転方向を向く壁面の先端外周側に切刃を備え、被切削材に予め形成された下穴に挿入されて、該下穴の内壁面を切削して加工穴を形成する穴加工工具であって、前記加工部の外周面に前記軸線方向に延びる複数のベアリング部が形成され、これらベアリング部は前記切刃と略等しい外径で前記軸線を中心とした断面円弧状をなすとともに、工具周方向に間隔を空けて配置されており、各前記ベアリング部の表面粗さがRz値にて1.1〜1.4μmの範囲内に設定されているとともに、複数の前記ベアリング部の工具周方向の幅の和が、前記切刃の外径Dに対して0.15×D〜0.45×Dmmの範囲内に設定されていることを特徴としている。
【0010】
このような特徴の穴加工工具によれば、仕上げ加工の際に被切削材の下穴はベアリング部によるバニシング効果の寄与を受けることになるが、当該ベアリング部の表面粗さが上記範囲内に設定されていることから、加工穴が平滑になり過ぎるのを回避することができる。さらに、複数のベアリング部の工具周方向の幅の和が上記範囲内に設定されていることから、加工穴とベアリング部との接触度合いを一定範囲に抑えることができ、ベアリング部によって加工穴の面粗さが必要以上に大きくなるのを抑制することが可能になる。
これにより、加工穴の仕上げ面の面粗度を、十分な量の潤滑油を保持するために最適な4μmを超え8μm以下の範囲内に制御することが可能となる。
【0011】
また、本発明に係る切削工具においては、前記切刃と前記ベアリングとが、工具周方向に等間隔に配置されていることを特徴としている。
これによって、加工穴の円筒度を維持しながら仕上げ面の面粗度を確実に4μmを超え8μm以下の範囲内に制御することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る穴加工工具によれば、ベアリング部の表面粗さ及び周方向の幅の和を一定範囲内に設定することにより、加工穴の仕上げ面の面粗度をステムガイド穴が潤滑油を確保するのに最適な範囲に制御して、エンジン稼動時にステムガイド穴が焼き付くのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の穴加工工具の実施の形態であるリーマについて、図1及び図2を用いて詳細に説明する。図1は本発明の実施形態であるリーマの側面図であり、図2は本発明の実施形態であるリーマの正面図である。
【0014】
本実施形態のリーマは、図1に示すように、軸線Oを中心とする長尺円柱状をなすとともに軸線O回りに工具回転方向Tに回転される工具本体10を有しており、この工具本体10の後端側(図1において上側)がシャンク部11とされ、工具本体10の先端側(図1において下側)が加工部20とされている。
【0015】
シャンク部11は、鋼材等で構成されており、その先端面には中央部分がシャンク部11の後端側に向けてV字型に凹んだV字溝12が、その溝底部を軸線Oに直交させてV字の二等分線が軸線O上に位置するように形成されている。
さらに、シャンク部12の後端面13から先端側に向かって軸線Oに沿って貫通するようにしてクーラント供給孔14が穿設されており、該クーラント供給孔14は先端側においてV字溝12に開口している。
【0016】
加工部20は、超硬合金で構成された軸線Oを中心とする略円柱状をなしており、後端面には、シャンク部11先端面に形成されたV字溝12に嵌合可能な断面凸V字状の凸状部21が、そのV字の稜線をやはり軸線Oに直交させてV字の二等分線が軸線O上に位置するように形成されている。この凸状部21とV字溝12とがろう付けされることによって加工部20とシャンク部11とが固定一体化されている。
【0017】
加工部20の外周には、軸線Oに直交する断面において、加工部20の外周を工具径方向外側に向けて略L字状に切り開いた形状の切屑排出溝22が、加工部20の先端から後端側に向かって延びるように設けられている。
【0018】
また、加工部20には、軸線Oに沿って延びるように穿設されて、後端部において凸状部21に開口して、シャンク部11のクーラント供給孔14に連通される連通路24が設けられている。
さらに、この連通路24からそれぞれ径方向外側に向けて延びて、切屑排出溝22の工具回転方向T後方側を向く面に開口する1つの切刃用クーラント排出孔25aと、後述する外周逃げ面20aのうち工具回転方向T後方側に位置する2つの外周逃げ面20aに開口する2つの外周用クーラント排出孔25bとが穿設されている。
【0019】
この切屑排出溝22の先端部は切刃部30とされており、切屑排出溝22の工具回転方向Tの前方側を向く壁面の先端外周側の辺稜部に切刃31が設けられている。即ち、切刃31は加工部20に一体成形されており、これにより切刃31も加工部20と同様に超硬合金によって形成されている。
【0020】
加工部20の外周には、軸線Oを中心とする断面円弧状をなして軸線Oに略平行に延びるベアリング部26が、切屑排出溝22の工具回転方向T前方側を向く面を基準として工具周方向に90°の間隔を空けて3つ設けられている。
このベアリング部26は、当該ベアリング部26が形成されている部分を残して加工部20の外周を面取りした上で、軸線Oを中心とした円筒研磨を加工部20に施すことにより形成されている。なお、この面取りによってベアリング部26から径方向内側に一段凹んだ部分は外周逃げ面27とされている。
【0021】
ここで、軸線Oに直交する断面において、ベアリング部26の外周面と軸線Oとの距離は、切刃31と軸線Oの距離と略同一に設定されている。また、各ベアリング部26の工具周方向の幅W26は全て等しい幅に形成されており、本実施形態においては、各切刃31の幅W26の和は外径Dに対して0.15×D〜0.45×Dの範囲内、より好ましくは0.273×Dとなるように設定されている。
【0022】
さらに、各ベアリング部26の外周表面には、所定のメッシュ(粒度)の砥粒を用いた砥石による研磨加工が施されることによってある程度の面粗さが付与されている。当該砥石加工に際しては、例えば粒度200メッシュ、325メッシュ等の砥石が用いられ、これによりベアリング部26の表面粗さは、JISB0601:2001における最大高さ粗さRz値にて1.1μm〜1.4μmの範囲内、より好ましくは1.179μm〜1.389μmの範囲内に設定されている。
【0023】
また、加工部20の外周面における切屑排出溝22に接する工具回転方向T後方側に連なる縁部には、外周面が切刃31よりも僅かに小さな外径で軸線Oを中心とした断面円弧状をなすマージン部28が該切屑排出溝22の工具回転方向T前方側を向く面の外周側稜線部に交差するように設けられている。
従って、マージン部28は、工具周方向に90°の間隔で配置された3つのベアリング部26のうち工具周方向両端の2つのベアリング部26とそれぞれ90°の間隔で配置されることになり、即ち本実施形態においては、マージン部28と各ベアリング部26とが加工部20の外周を均等に4分割するように配置されている。
【0024】
以下、本発明の穴加工工具の実施の形態であるリーマを用いた切削加工について説明する。本実施形態のリーマは、先端部外周に切削インサートが配備された切削工具の先端に装着される。そしてこの切削工具が工作機械の主軸端に取り付けられて、軸線O回りに回転されるとともに軸線O先端方向に向けて送られて、リーマの工具本体10がステムガイド穴(被切削材に形成された下穴)に挿入される。
【0025】
この際、切削油剤が工作機械からパイプを通じてシャンク部10のクーラント供給孔14に供給されて加工部20の連通路を介して切刃用クーラント排出孔25a及び外周用クーラント排出孔25bから排出される。
そして、切刃31が下穴の内周面を切削して加工孔を形成していくとともに、3つのベアリング部26が加工穴に摺動することによるいわゆるバニシング効果によって仕上げ面をが形成されていく。
【0026】
ところで、このリーマの切削対象となるステムガイド穴は、稼動時のバルブの軸部の摺動による焼きつきを防止するために、内周面に潤滑油を保持しなければならない。従って、内周面の微細な凹凸によって潤滑油を保持すべく、仕上げ加工においてある程度の面粗さを確保することが要求される。
【0027】
本実施形態のリーマにおいては、被切削材の下穴は上記のように各ベアリング部26によるバニシング効果の寄与を受けることになるが、当該ベアリング部26の表面は、Rz値にて1.1μm〜1.4μmの範囲内、より好ましくは1.179μm〜1.389μmの範囲内といったある程度高い表面粗さを有しているため、これと摺動接触するすることにより形成される加工穴が平滑になり過ぎるとを避けることができる。
さらに、各ベアリング部26の周方向の幅W26の和は工具全体として0.15×D〜0.45×Dの範囲内、より好ましくは0.273×Dとなるように設定されている。これにより、ベアリング部26と被切削材の加工穴との接触度合いを制御され、当該ベアリング部26の摺動接触によって必要以上に加工穴の面粗さが大きくなるのを抑制することができる。
【0028】
したがって、本実施形態のリーマを用いての仕上げ加工によれば、上記のようにベアリング部26の表面粗さと周方向の幅W26の和を一定範囲内に設定することで、加工穴の仕上げ面の面粗度を十分な量の潤滑油を保持するために最適な4μmを超え8μm以下の範囲内に制御することできる。これにより、ステムガイド穴は、その内周面にある程度の面粗さが付与されてこれによる凹凸によって潤滑油を保持することができるため、焼き付きを起こすことなくして円滑なエンジンの稼動を行うことが可能となる。
【0029】
また、上記ベアリング部26が、工具周方向に90°の間隔で等間隔に配設されていることで、工具回転時の重心バランスを維持することができ、効果的に振れの発生を防止して加工穴の円筒度を高いものとすることができる。
【0030】
以上、本発明の実施の形態であるリーマについて説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態においては、外周用クーラント排出孔25bは2つが形成されているが、3つ以上形成されたものであってもよい。
また、ベアリング部26が3つ形成されたものに限られず、複数のベアリング部26の周方向の幅の和が0.15×D〜0.45×Dの範囲内、より好ましくは0.273×Dとされている限り、4つ以上形成されたものであってもよい。
【実施例】
【0031】
焼結合金より成る被切削物にリーマを用いて穴加工を施す場合におけるベアリング部の表面粗さ(Rz値)についての対照試験を行った。本試験に用いたリーマはいずれも直径5.5mmの一枚刃のリーマであって、その外周面には周方向の幅が等しい3つのベアリング部が設けられている。
本対照試験においては、実施例1のリーマとして、各ベアリング部の周方向の幅を5mmとするとともに該ベアリング部の表面に粒度325メッシュの砥石で砥石加工を施すことで表面粗さをRz値にて1.179μmとしたものを、実施例2のリーマとして、各ベアリング部の周方向の幅を5mmとするとともにベアリング部の表面に粒度200メッシュの砥石で砥石加工を施すことで表面粗さをRz値にて1.389μmとしたものを、それぞれ用意した。なお、これら実施例1、2のリーマでは、ベアリング部の周方向の幅の和は、切刃外径Dに対して0.273×Dに設定されている。
また、比較対照例として、表1に示すように、それぞれベアリング部の表面粗さや周方向の幅の大きさを実施例1、2のリーマとは異なるものとした実施例1〜10のリーマを用意した。
このようなリーマを用いて、それぞれ切削速度を33m/min(回転速度0.16mm/rev)として計3回の切削試験を行い、これら切削試験後の加工穴の仕上げ面の面粗度を測定した。その結果を図3に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
図3に示す測定結果から、比較例1〜4及び比較例6のリーマにおいては、ほぼ全ての切削試験において加工穴の仕上面の面粗度が8μmを超えている。この場合、仕上面が必要以上に粗くなり焼き付きを生じてしまうため、ステムガイド穴の仕上げ加工を行うには好ましくない。
【0034】
また、比較例5及び比較例7〜10のリーマにおいては、ほとんどの切削試験において加工穴の仕上面の面粗度が4μm未満となっており、これでは、仕上面が滑らか過ぎて潤滑油を保持することができず、やはり焼き付きを生じてしまうため、ステムガイド穴の仕上げ加工を行うには好ましくない。
【0035】
一方、実施例1、2のリーマについては、いずれの切削試験においても、加工穴の面粗度は4μmを超えた値を確保しつつも8μm未満の値に抑えられており、即ち、当該面粗度は4μm〜8μmの範囲に制御されたものとなっている。
従って、本実施形態のリーマを適用した実施例1、2のように、各ベアリング部の表面粗さをRz値にて1.179μm〜1.389μmの範囲に設定し、さらに、これらベアリング部の周方向の幅の和を切刃外径Dに対して0.273×Dに設定することで、加工穴の仕上げ面の面粗度を潤滑油を確保するのに最低な範囲に制御することができることがわかった。
【0036】
なお、ベアリング部の表面粗さについては、上記のように厳密に1.179μm〜1.389μmの範囲とせずとも、1.1μm〜1.4μm程度の範囲内に設定することで上記同様の効果を奏するものと推認される。
【0037】
また、ベアリング部の周方向の幅については、それらの和を切刃外径Dに対して0.273×Dとすることが有効であることが証明されたが、比較例1〜10の結果を鑑みるに、これら比較例の各ベアリング部の幅0.2mm及び0.9mmの間、即ち、例えば0.3mm〜0.8mm程の範囲内に各ベアリング部の幅を設定しても同様の効果を奏するものと予測される。従って、各ベアリング部の幅が0.3mm〜0.8mm程度、即ち、各ベアリング部の周方向の幅の和が切刃外径Dに対して0.15×D〜0.45×Dの範囲内に設定することでも、加工穴の仕上げ面の面粗度を潤滑油を確保するのに最低な範囲に制御できることが推認される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態であるリーマの側面図である。
【図2】本発明の実施形態であるリーマの正面図である。
【図3】実施例1、2及び比較例1〜10により切削試験を行った際の面粗度の測定値である。
【図4】従来の高精度リーマの正面図である。
【符号の説明】
【0039】
10 工具本体
20 加工部
22 切屑排出溝
26 ベアリング部
31 切刃
W26 ベアリング部の工具周方向の幅
O 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線回りに回転される工具本体を有し、この工具本体の先端に設けられた加工部に、工具後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝の工具回転方向を向く壁面の先端外周側に切刃を備え、被切削材に予め形成された下穴に挿入されて、該下穴の内壁面を切削して加工穴を形成する穴加工工具であって、
前記加工部の外周面に前記軸線方向に延びる複数のベアリング部が形成され、
これらベアリング部は前記切刃と略等しい外径で前記軸線を中心とした断面円弧状をなすとともに、工具周方向に間隔を空けて配置されており、
各前記ベアリング部の表面粗さがRz値にて1.1〜1.4μmの範囲内に設定されているとともに、複数の前記ベアリング部の工具周方向の幅の和が、前記切刃の外径Dに対して0.15×D〜0.45×Dmmの範囲内に設定されていることを特徴とする穴加工工具。
【請求項2】
前記切刃と前記ベアリングとが、工具周方向に等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の穴加工工具。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−297803(P2009−297803A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152123(P2008−152123)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【出願人】(507040806)三菱マテリアルツールズ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】