説明

空気ばね

【課題】 構造物の上下方向免震を実現できる、小型でストロークが長い高強度空気ばねを提供する。
【解決手段】 本発明に係る空気ばね1は、底面2aを有し、上方に開放する円筒状の外筒2内に、外筒2より小径の作動体3が挿入され、外筒2と作動体3とがダイアフラム4によって連結された構成とされている。作動体3は、上端面3aおよび下端面3bを有する円筒状容器であり、その内部は補助タンク6とされ、下端面3bにはオリフィス7が形成されている。ダイアフラム4は、円筒状のゴム膜であって、上縁部および下縁部に形成されたビード部4b、4cを介して、作動体3の下端面3bと外筒2の底面2aにそれぞれ固着されている。ダイアフラム4を形成するゴム膜中には、ナイロン繊維からなる補強繊維が、ダイアフラム4の経線方向に対して対称に補強繊維角度を有して二方向に配されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気ばねに関し、特に、構造物の上下方向免震に使用される空気ばねに関する。
【背景技術】
【0002】
立設する外筒内に、ダイアフラムと呼ばれる円筒状のゴム膜が嵌装され、当該ダイアフラムの上端部には上下方向に移動自在な内筒を備える「ローリングシール型空気ばね」と呼ばれる空気ばねは、圧力有効直径が殆ど変化せず、大きなストロークが可能という特徴を有しており、従来より車両の防振等に使用されてきた。
建築物の上下方向免震を実現するには、大きなストロークを有する軟らかいバネで2秒程度以上の固有周期を実現する必要があり、このローリングシール型空気ばねが適していると考えられる。特許文献1では、ローリングシール型空気ばねと積層ゴムとを直列に連結することにより、構造物の3次元免震装置を実現している。
【特許文献1】特開2005−16633号公報 (第2−5頁、第1−2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のローリングシール型空気ばねで建築物のような大重量のものを支持しようとすると、空気ばねの直径が非常に大きくなってしまう場合があり、コストが上昇するうえ、必要とされる個数の空気ばねを平面的に配置するのが困難となる。従って、ローリングシール型空気ばねを使用して大重量の建築物の上下方向免震を実現しようとする場合には、高い内圧で使用できる高強度空気ばねとする必要があり、高強度化の工夫が必要となる。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、構造物の上下方向免震を実現できる、小型でストロークが長い高強度空気ばねを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、底面を有し、上方に開放する外筒内に挿入された、円筒状のゴム膜からなるダイアフラムの下端部が前記外筒の底面に固着され、前記ダイアフラムの上端部は、内部が補助タンクとされ、下端面にオリフィスが形成された作動体の当該下端面に固着され、前記作動体が前記ダイアフラムに支持されて前記外筒内を上下方向に可動する空気ばねであって、前記ダイアフラムを形成するゴム膜中に配される補強繊維が、当該ダイアフラムの経線方向に対して所定の角度(以下、補強繊維角度と称す)を有して二方向に配されていることを特徴とする。
【0006】
図1に示すように、作動体3を変位xだけ下方に押し込むと、ダイアフラム4は作動体3に巻き込まれて動き、ダイアフラム4上の点AはA’に、点BはB’にそれぞれ移動し、ダイアフラム4の高さもx/2だけ変化する。このような丸まった部分が移動する動きを、ダイアフラム4が「ロールする」と表現し、その部分をロール部4aと呼ぶ。
ダイアフラム4がロールするとき、ロール部4a付近のゴム膜は、ダイアフラムの緯線方向に伸縮しなければならない。所要ストロークが十分短い場合は、図2(b)のような円錐台型のダイアフラム4’とすることにより、緯線方向の伸縮を小さく抑えることができるが、所要ストロークが長い場合は、ダイアフラム4の何処がロール部4aとなっても特性が変化しない、図2(a)のような長い平行部を有する円筒型ダイアフラムが適している。
【0007】
円筒型ダイアフラムの場合、図3(a)のように、経線方向L1と緯線方向L2に補強繊維5を配置すると、ロールに伴うゴム膜の伸縮が妨げられ、ダイアフラム4が作動体3や外筒2に馴染まない。また、作動体3と外筒2とが相対的に傾いたり、水平方向にずれたりせず、ダイアフラム4が軸対称の形状を必ず保持する場合は、図3(b)のような経線方向L1のみの補強とすることも考えられるが、実際は、作動体3と外筒2とが相対的に傾いたり、水平方向にずれたりする。そのため、図3(c)のように、補強繊維5を経線方向L1に対して補強繊維角度ψを有して二方向に配する(以下、バイアス補強と称す)ことが望ましい。
【0008】
本発明では、外筒内に挿入されるダイアフラムを円筒状とし、且つダイアフラムを形成するゴム膜中に配される補強繊維をバイアス補強とすることにより、小型でストロークが長く、且つ大重量を支持できる割に剛性の低い空気ばねを実現することができる。
【0009】
また、本発明では、前記外筒と前記作動体との間の水平方向の間隙(以下、ロール部径と称す)を前記ダイアフラムの膜厚の4〜8倍とし、前記外筒と前記ダイアフラムとの間の初期隙間をロール部径の1/2以下とすることを好適とする。
【0010】
図4は、本発明に係る空気ばねに鉛直荷重が作用していない自然状態を示したものである。同図に示すように、ロール部径Rは、外筒2と作動体3との間の水平方向の間隙であり、初期隙間Cは、自然状態におけるダイアフラム4と外筒2との間の間隙をいう。
【0011】
空気ばね1の強度の点ではロール部径Rが小さいほうが有利であるが、ダイアフラム4の膜厚に比べてロール部径Rが小さすぎると、滑らかな作動の妨げとなることがあり、またゴム膜を過大な曲率で曲げるために耐久性の点でも問題が生じる。
そこで、膜厚に対するロール部径Rの比を変化させて作動性を確認した結果より、ロール部径Rを膜厚の4〜8倍とした。
【0012】
一方、初期隙間Cを大きくすると、緯線方向の膜力が大きくなって最大内圧は低下する。さらに、初期隙間Cを大きくすると、ダイアフラム4が外筒2に接しなくなり、外筒2側のビード部4cが破損しやすくなる。従って、空気ばね1の強度の観点からは、初期隙間Cは小さいほどよい。製作(施工)性の観点からは、ダイアフラム4および外筒2の寸法誤差を吸収できるように、初期隙間Cは大きいほど都合がよいが、ロール部径Rの1/2より大きくする必要はない。なぜならば、初期隙間Cをロール部径Rの1/2より大きくすると、作動体3との納まりが問題となるからである。
そこで、初期隙間Cは、ロール部径Rの1/2以下とする。
【0013】
さらに、本発明では、前記補強繊維角度ψ(度)を5〜50度とし、且つ次式を満足することが望ましい。
ψ≦28{2α/(α−1)−α・t・p/(N・n・T)}
ここに、
α=R/t(4≦α≦8)、R:ロール部径(mm)、t:ダイアフラムの膜厚(mm)、p:ダイアフラムの終局時最大内圧(MPa)、N:補強繊維の層数(ただし、Nは偶数)、n:ダイアフラム単位幅当たりの補強繊維の本数(本/mm)、T:補強繊維の強度(N/本)
【0014】
補強繊維角度ψが小さい程、空気ばねを高圧化できるが、ダイアフラム4の非対称変形を考慮する必要があるため、補強繊維角度ψの最小値は5度とする。一方、補強繊維角度ψの最大値については、後述するように、ダイアフラム4が外筒2に接する限界および上式の適用限界を考慮し、50度とする。
【0015】
ロール部径Rが膜厚tのα倍で、初期隙間Cをロール部径Rの1/2以下とした空気ばね1において、一本当たり強度Tの補強繊維5をn本/mmのピッチで並べた補強繊維層をN層配置するダイアフラム4の場合、所要の終局時最大内圧pを達成するためには、補強繊維角度ψは上式を満足しなければならない。即ち、上式を満足するように補強繊維角度ψを設定すれば、所要の終局時最大内圧pが実現される。
【0016】
さらに、本発明では、前記補強繊維は鋼繊維またはアラミド繊維であってもよい。
本発明では、補強繊維を鋼繊維またはアラミド繊維とすることにより、空気ばねを、より高強度化することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ストロークが長く、且つ大重量を支持でき、過大な荷重を受けても破裂のおそれの少ない信頼性の高い高強度空気ばねを実現することができる。これにより、建築物や大型構造物などの上下方向免震が可能となる。また、小型で構造がシンプルであるため、空気ばねの製造コストを低く抑えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る空気ばねの実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明に係る空気ばね1は、底面2aを有し、上方に開放する円筒状の外筒2内に、外筒2より小径の作動体3が挿入され、外筒2と作動体3とがダイアフラム4によって連結された構成とされている。
【0019】
作動体3は、上端面3aおよび下端面3bを有する円筒状容器であり、その内部は空気を蓄える補助タンク6とされている。
【0020】
ダイアフラム4は、円筒状のゴム膜であって、上縁部および下縁部にはそれぞれビード部4b、4cが形成されており、ビード部4b、4cを介して、作動体3の下端面3bと外筒2の底面2aにそれぞれ気密に固着されている。
作動体3の下端面3bにはオリフィス7が形成されており、ダイアフラム4内の空気と補助タンク6内の空気とはオリフィス7を介して連通している。空気がオリフィス7を通過する際に、空気の流れに流通抵抗が発生し、減衰機能を備えた空気ばねとなる。
【0021】
ダイアフラム4を形成するゴム膜中には、ナイロン繊維からなる補強繊維5が、ダイアフラム4の経線方向L1に対して対称に補強繊維角度ψを有して二方向に配されている(図3(c)参照)。即ち、バイアス補強されている。これにより、作動体3および外筒2に馴染みやすく、作動体3と外筒2とが相対的に傾いたり、水平方向にずれたりしても支障のないダイアフラムを実現することができる。
【0022】
上記構成を有する空気ばね1の性状を左右する要因には以下のものがある(図4参照)。
(イ)ロール部径R
(ロ)初期隙間C
(ハ)補強繊維角度ψ
(ニ)補強繊維5の本数または補強繊維層数
(ホ)補強繊維5の材質
【0023】
図5および図6は、初期隙間Cが小さい場合(C=16mm)と大きい場合(C=29mm)それぞれについて、補強繊維角度ψによる膜力分布の変化を示したものである。初期隙間Cが小さいほうが経線方向の膜力nφが大きく、従って空気ばねとして負担できる荷重も大きい(強度が高い)が、緯線方向膜力nθの値は逆に小さく、初期隙間Cが大きくなると、無駄な応力を生じていると言える。
また、補強繊維角度ψが小さい程、経線方向の膜力nφが大きく、空気ばねとして負担できる荷重が大きいことがわかる。
【0024】
繊維補強角度ψが35度の場合と49度の場合を例にとり、ロール部径Rと初期隙間Cを変動させた場合の最大内圧の評価結果を図7に示す。ロール部4aの水平断面積に内圧を乗じて得られる力が作動体3側と外筒2側で分担されるので、ロール部径Rを小さくすることが空気ばねの高強度化に最も効果的である。
補強繊維角度ψが大きく初期隙間Cも大きい場合は、ダイアフラム4が最早、外筒2に接しなくなり、実際のロール部径Rが小さくなるので、最大内圧が上昇する。図7(b)において、曲線が重なって右肩上がりとなっている部分がこれに相当する。但し、この場合はダイアフラム4が外筒2に押し付けられず摩擦力が殆ど作用しないため、ダイアフラム4を外筒2の底面2aに取り付けるビード部4cの強度が高くないと、その部分で破壊が生じる場合がある。
【0025】
図8は、補強繊維角度ψが49度、補強繊維層が2、4層で外径が243mmのダイアフラム4を使用し、ロール部径Rを30、50mm、初期隙間Cを16、29mmとした6ケースについて、水を封入した空気ばねに荷重を掛けて破裂させる耐圧試験を実施した結果を示したものである。補強繊維層の数を4層とした場合の結果は、シミュレーション値よりはやや低目であるが、ロール部径R=30mmの場合、200気圧(20MPa)を超える結果が得られている。
なお、補強層数を多くすると、ゴム膜が厚くなって補強繊維に均等に力が負担され難くなる場合があるので、その場合はアラミド繊維等の高強度材料を用いるのがよい。
【0026】
以上、空気ばねの強度に影響のある各種の要因について、最大内圧に及ぼす影響を調べた結果、得られた知見を以下に列記する。
(イ)ロール部径Rは出来るだけ小さいほうがよい。
(ロ)初期隙間Cは小さいほうがよい。但し、初期隙間Cが多少大きくても、補強繊維角度ψを小さくすることで補うことができる。初期隙間Cが過大だとダイアフラム4が外筒2に接しなくなり、実際のロール部径Rが小さくなって耐力が上がるが、外筒2側のビード部4cで破壊し易くなる。
(ハ)補強繊維角度ψが小さい程、高圧化できる。但し、作動体3が外筒2に対して水平にずれたり傾いたりする場合を考慮し、余り小さい角度としないほうがよい。
【0027】
その他に、補強繊維5に関して以下の方策を採用することも、高強度化を図るうえで効果的である。
(ニ)配置のピッチを狭める、補強繊維層数を増やす等の方法により、単位幅当たり本数を増やす。
(ホ)鋼線やアラミド繊維等の高強度の補強繊維を使用する。
【0028】
上記知見に基づき、本発明では、空気ばね1の諸元を以下のように設定する。
ロール部径Rをダイアフラム4の膜厚の4〜8倍とし、初期隙間Cをロール部径Rの1/2以下とする。
【0029】
また、補強繊維角度ψ(度)を5〜50度とし、且つ(1)式を満足するようにする。これにより、(1)式を満足するように補強繊維角度ψを設定すれば、所要の終局時最大内圧pが実現される。
ψ≦28{2α/(α−1)−α・t・p/(N・n・T)} …(1)
ここに、
α=R/t(4≦α≦8)、R:ロール部径(mm)、t:ダイアフラムの膜厚(mm)、p:ダイアフラムの終局時最大内圧(MPa)、N:補強繊維の層数(ただし、Nは偶数)、n:ダイアフラム単位幅当たりの補強繊維の本数(本/mm)、T:補強繊維の強度(N/本)
【0030】
逆に、補強繊維角度ψが決まっている場合は、終局時最大内圧pは(2)式により評価される。
p={2/(α−1)−ψ/(28α)}N・n・T/t …(2)
【0031】
図9は、ダイアフラム4が外筒2に接しなくなるパラメータの組み合わせを示したシミュレーション結果である。同図より、補強繊維角度ψを50度より大きくすると、ダイアフラム4が外筒2に接しなくなることがわかる。しかも、ロール部径Rの膜厚tに対する比を4≦α≦8、補強繊維角度を5≦ψ≦50、初期隙間Cをロール部径Rの1/2以下と限定すれば、外筒2の内径が膜厚tの50倍程度以上の空気ばねについて、ダイアフラム4が外筒2に接しない場合を除外することができる。
【0032】
図10は、(1)式の適用性を評価したシミュレーション結果である。(1)式を示す一点鎖線は、回帰直線(初期隙間Cを一定とし、補強繊維角度ψと外筒2の内径を変化させて理論的に求めた結果に対する回帰直線)と概ね同じ勾配を持ち、且つ、初期隙間Cをロール部径Rの1/2としたケース(例えば、α=8なら初期隙間C=4t、α=6なら初期隙間C=3t)の下限を与えていることが分かる。
【0033】
本実施形態による空気ばね1によれば、ストロークが長く、且つ大重量を支持でき、過大な荷重を受けても破裂のおそれの少ない信頼性の高い高強度空気ばねを実現することができる。これにより、建築物や大型構造物などの上下方向免震が可能となる。
また、本実施形態による空気ばね1によれば、小型で構造がシンプルであるため、空気ばねの製造コストを低く抑えることが可能となる。
【0034】
以上、本発明に係る空気ばねの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。要は、本発明において所期の機能が得られればよいのである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る空気ばねの実施形態の一例を示す立断面図である。
【図2】ダイアフラムの立断面図であり、(a)は円筒型ダイアフラム、(b)は円錐台型ダイアフラムである。
【図3】円筒型ダイアフラムに使用される補強繊維の配置を示す図であり、(a)は補強繊維を経線方向および緯線方向に配置した場合、(b)は補強繊維を経線方向に配置した場合、(c)はバイアス補強した場合を示す。
【図4】本発明に係る空気ばねに鉛直荷重が作用していない自然状態を示す立断面図である。
【図5】補強繊維角度による膜力分布の変化(ロール部径50mm、初期隙間16mm)を示すシミュレーション結果であり、(a)が経線方向膜力、(b)が緯線方向膜力の図である。
【図6】補強繊維角度による膜力分布の変化(ロール部径50mm、初期隙間29mm)を示すシミュレーション結果であり、(a)が経線方向膜力、(b)が緯線方向膜力の図である。
【図7】ロール部径と初期隙間が最大内圧に及ぼす影響を示したシミュレーション結果であり、(a)は補強繊維角度が35度の場合、(b)は補強繊維角度が49度の場合の図である。
【図8】本発明に係る空気ばねの耐圧試験結果を示した図であり、(a)はロール部径が30mmの場合、(b)はロール部径が50mmの場合である。
【図9】ダイアフラムが外筒に接しなくなるパラメータの組み合わせを示したシミュレーション結果であり、(a)は膜厚が5mmの場合、(b)は膜厚が7mmの場合の図である。
【図10】(1)式の適用性を評価したシミュレーション結果であり、(a)は膜厚5mm、ロール部径40mm、α=8の場合、(b)は膜厚5mm、ロール部径30mm、α=6の場合、(c)は膜厚5mm、ロール部径20mm、α=4の場合、(d)は膜厚7mm、ロール部径56mm、α=8の場合、(e)は膜厚7mm、ロール部径42mm、α=6の場合、(f)は膜厚7mm、ロール部径28mm、α=4の場合の図である。
【符号の説明】
【0036】
1 空気ばね
2 外筒
3 作動体
4、4’ ダイアフラム
4a ロール部
4b、4c ビード部
5 補強繊維
6 補助タンク
7 オリフィス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面を有し、上方に開放する外筒内に挿入された、円筒状のゴム膜からなるダイアフラムの下端部が前記外筒の底面に固着され、前記ダイアフラムの上端部は、内部が補助タンクとされ、下端面にオリフィスが形成された作動体の当該下端面に固着され、
前記作動体が前記ダイアフラムに支持されて前記外筒内を上下方向に可動する空気ばねであって、
前記ダイアフラムを形成するゴム膜中に配される補強繊維が、当該ダイアフラムの経線方向に対して所定の角度(以下、補強繊維角度と称す)を有して二方向に配されていることを特徴とする空気ばね。
【請求項2】
前記外筒と前記作動体との間の水平方向の間隙(以下、ロール部径と称す)を前記ダイアフラムの膜厚の4〜8倍とし、前記外筒と前記ダイアフラムとの間の初期隙間をロール部径の1/2以下とすることを特徴とする請求項1に記載の空気ばね。
【請求項3】
前記補強繊維角度ψ(度)は5〜50度とされ、且つ次式を満足することを特徴とする請求項2に記載の空気ばね。
ψ≦28{2α/(α−1)−α・t・p/(N・n・T)}
ここに、
α=R/t(4≦α≦8)、R:ロール部径(mm)、t:ダイアフラムの膜厚(mm)、p:ダイアフラムの終局時最大内圧(MPa)、N:補強繊維の層数(ただし、Nは偶数)、n:ダイアフラム単位幅当たりの補強繊維の本数(本/mm)、T:補強繊維の強度(N/本)
【請求項4】
前記補強繊維は鋼繊維またはアラミド繊維からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気ばね。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−342940(P2006−342940A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−171298(P2005−171298)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度、経済産業省、発電用新型炉技術確証試験に関する委託業務、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000230940)日本原子力発電株式会社 (130)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】