説明

空気浄化装置および空気浄化設備

【課題】浄化処理のための吸着濾材を取り出すことなく再生処理が可能な構造の空気浄化装置および空気浄化設備を提供する。
【解決手段】空気浄化装置1A,1Bは、空気を吸引して取り込む空気取込部2と、空気取込部2により取り込まれた空気を導入して浄化処理する浄化処理部3とを有する。浄化処理部3は、空気排出口49が設けられたケース体4と、ケース体4の内部に組み込まれた外筒および内筒とを有し、内筒と外筒との間の空間には加熱による脱着が可能な吸着濾材が充填される。空気取込部2は、浄化処理部3の空気導入空間に連通する空気の引込通路を有し、その引込通路内にファン21、引込通路外にファン21を駆動して引込通路に空気の吸引力を生じさせるモータ22が配備されるとともに、引込通路の入口部23は熱風発生機8の熱風出口81に連通する連結管10が接続可能に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、室内外の空気を取り込んで脱臭等の浄化処理を行うための空気浄化装置に関し、特にこの発明は、浄化処理のための吸着濾材を取り出すことなく再生処理が可能な構造の空気浄化装置と、その空気浄化装置が用いられた空気浄化設備とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場などの実験室や研究室において、室内の不快臭や有毒ガスなどの臭気成分を除去して脱臭する空気浄化装置として、活性炭のような吸着濾材を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のものは、ケース体内に通気性のある内筒および外筒を組み込むとともに内筒と外筒との間の空間に吸着濾材を充填して構成されたものである。内筒の内側は空気導入空間になっており、この空気導入空間の上部に、軸流ファンと、その軸流ファンを駆動するモータとが組み込まれている。外筒とケース体との間は空気導出空間になっており、空気導出空間の下方は排気が可能なように開放されている。
【0003】
上記した構成の空気浄化装置において、軸流ファンが回ると、臭気成分を含む空気が空気導入空間に取り込まれる。その空気が吸着濾材を通過するとき、臭気成分の分子が吸着濾材に吸着されて除去される。吸着濾材を通過した空気は空気導出空間へ導出され、浄化された空気が空気導出空間の下方の開放部より外部へ排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平4−41929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
吸着濾材として用いられている活性炭は、臭気成分の分子が表面を覆い尽くすまで吸着することが可能であるが、表面および微細孔が臭気成分の分子で覆い尽くされると、吸着性能がなくなるため、活性炭を回収して新しいものと交換する必要がある。この活性炭の交換にメンテナンスが必要となり、ランニングコストが高くつくという問題がある。
【0006】
また、上記の空気浄化装置では、吸着濾材として、臭気成分のうち高濃度成分を除去することが可能な活性炭が用いられるため、分子の大きさが異なる各臭気成分を有効に吸着除去することが困難であり、脱臭性能が十分でない。さらに、上記の空気浄化装置は、環境保全のために、室内の汚れた空気を浄化して外部へ排出するという用途に用いられるものであり、外気を取り込んで浄化しその浄化された空気を実験室などの室内へ送り込むという用途に用いることは考慮されておらず、用途が限定されるという問題がある。
【0007】
この発明は、上記の問題に着目してなされたもので、加熱による脱着が可能な吸着濾材を用い、吸着濾材を交換することなく再生処理を可能とし、さらに、種類の異なる吸着濾材による浄化処理を行うために複数段の接続を可能として脱臭性能を高め、加えて、室内外の空気の浄化が可能な構造にして用途を拡大した空気浄化装置および空気清浄設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による空気浄化装置は、空気を吸引して取り込む空気取込部と、空気取込部により取り込まれた空気を導入して浄化処理する浄化処理部とを有している。前記浄化処理部は、空気排出口が設けられたケース体と、ケース体の内部に組み込まれた外筒と、外筒内に設けられた内筒とを有し、内筒と外筒との間の空間には加熱による脱着が可能な吸着濾材が充填されている。内筒の内側には、取り込まれた空気が導入される空気導入空間が形成され、外筒とケース体との間には、吸着濾材を通過した空気が導出され前記空気排出口に連通する空気導出空間が形成されている。前記空気取込部は、前記浄化処理部の空気導入空間に連通する空気の引込通路を有し、その引込通路内にファン、引込通路外にファンを駆動して引込通路に空気の吸引力を生じさせるモータが配備されるとともに、引込通路の入口は熱風発生機の熱風出口に連通する連結管が接続可能に形成されている。
【0009】
上記した構成の空気浄化装置において、空気取込部のモータを駆動すると、引込通路内のファンが回り、空気が引込通路に吸い込まれて浄化処理部の空気導入空間に導入される。さらに空気は、内筒と外筒との間の空間に装填された吸着濾材を通過し、空気導出空間へ導出される。空気が吸着濾材を通過するとき、臭気成分の分子が吸着濾材に吸着されて除去される。空気導出空間へ導出された空気は空気排出口より排出される。
【0010】
この発明の上記した構成において、吸着濾材として活性炭が好適であり、活性炭として、木炭、ヤシ殻炭、石炭などの粒状の活性炭の他、繊維状の活性炭を用いることもできる。吸着濾材は、加熱による脱着が可能なものであれば、活性炭に限られるものではない。
【0011】
上記した構成の空気浄化装置は、連結管を介して複数段連結して空気浄化設備を構成し得るもので、各段の空気浄化装置には、浄化処理部の内筒と外筒との間に、種類の異なる吸着濾材がそれぞれ充填される。
【0012】
空気浄化装置が複数段接続された空気浄化設備では、後段の空気浄化装置の空気取込部の引込通路の入口に前段の空気浄化装置の空気排出口に連通する連結管が接続され、前段の空気浄化装置で浄化された空気が後段の空気浄化装置の空気取込部に引き込まれて空気導入空間に導入される。前後各段の空気浄化装置の浄化処理部には種類の異なる吸着濾材がそれぞれ充填されているので、例えば、前段では臭気成分のうちの高濃度成分が除去され、後段では臭気成分のうちの微量成分が除去され、十分な脱臭が行われる。
なお、上記の「種類の異なる吸着濾材」とは、一方が木炭、他方がヤシ殻炭の如き、原料が異なるものを含む他、同じ原料(例えば木炭)であって微細孔の径、密度、構造などが異なるものも含む。
【0013】
また、この発明による空気浄化設備は、上記した構成の少なくとも1台の空気浄化装置と、吸着濾材の再生処理時に、空気浄化装置の空気取込部の引込通路の入口に連結管を介して接続される熱風発生機とで構成される。
【0014】
吸着濾材の再生処理時は、空気取込部の引込通路の入口に熱風発生機に連通する連結管が接続されている。空気取込部のモータを駆動すると、引込通路内のファンが回り、熱風発生機で発生した熱風が空気取込部に引き込まれて空気導入空間に導入される。空気取込部のモータは引込通路外に配設されているので、熱風にモータが晒されず、高温に加熱されるおそれがなく、熱によるモータの故障、破損、および劣化を防止できる。空気導入空間に導入された熱風が吸着濾材を通過するとき、吸着濾材が加熱されて昇温し、吸着濾材に吸着されていた臭気成分の分子にエネルギーが与えられる。その結果、分子運動が活発となり、臭気成分の分子が吸着濾材より離脱する。吸着濾材周辺の臭気成分の濃度が高められると、臭気成分の分子の吸着濾材からの離脱が阻害されるが、離脱した臭気成分の分子は、熱風により空気導出空間へ強制的に送り出されるので、吸着濾材周辺の臭気成分の濃度が殊更高められることはなく、臭気成分の分子の吸着濾材からの離脱が阻害されず、吸着濾材の再生処理が円滑に行われる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、吸着濾材として加熱による脱着が可能なものを用いるとともに、吸着濾材の再生処理のための熱風発生機を接続可能としかつ熱風の通過にも耐え得る構造としたから、吸着濾材の再生が可能であり、吸着濾材の交換に関わるメンテナンスが不要となり、ランニングコストも安価となる。
また、室内の汚れた空気を浄化して外部へ排出するという環境保全のための用途に加えて、外気を取り込んで浄化しその浄化された空気を実験室などの室内へ送り込むという用途にも用いることができる構成としたから、用途が限定されず、用途を拡大できる。
さらに、空気浄化装置の多段接続を可能とするとともに、各空気浄化装置の浄化処理部に種類の異なる吸着濾材をそれぞれ充填したから、分子の大きさが異なる臭気成分を有効に吸着除去でき、脱臭性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の一実施例である空気浄化装置を2段接続した状態を示す空気浄化設備の正面図である。
【図2】吸着濾材の再生処理時に熱風発生機を接続した状態を示す空気浄化設備の正面図である。
【図3】空気浄化装置の内部構造を示す断面図である。
【図4】この発明の他の実施例である空気浄化設備を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、この発明の一実施例である空気浄化設備の外観を示している。図示例の空気浄化設備は、室外の空気(外気)を取り込んで臭気成分を除去し、その脱臭された空気を検査室Rへ送り込むのに用いているが、この発明の空気浄化設備は、そのような用途に限らず、室内の汚れた空気を浄化して外部へ排出するという環境保全の用途にも用いることができる。
また、図示例では、2台の空気浄化装置1A,1Bを連結管10により2段に連結して空気浄化設備を構成しているが、1台の空気浄化装置により構成してもよく、また、3台以上の空気浄化装置を連結管10により多段に連結してもよい。なお、上記の連結管10として、可撓性を有する蛇腹状のホースを用いているが、これに限らず、金属製パイプなどを用いることもできる。
【0018】
前記の検査室Rは、自動車組立工場内に設置され、新車認証試験を実施するためのものである。この検査室R内に乗用自動車などの新車が導入され、新車が発する塗装などに起因する臭気成分を計測する。検査室R内には空気浄化設備より脱臭処理された空気が送り込まれ、検査対象の新車が導入される毎に検査室Rが臭いのないクリーンな状態に設定される。
【0019】
各空気浄化装置1A,1Bは、空気を吸引して取り込む空気取込部2と、空気取込部2により取り込まれた空気を導入して脱臭のための浄化処理を行う浄化処理部3とで構成されている。
【0020】
空気取込部2は、ケーシング20の内部に空気の引込通路を有し、その引込通路内にシロッコファン21が、引込通路外にシロッコファン21を駆動して引込通路に空気の吸引力を生じさせるモータ22が、それぞれ配備されている。引込通路の出口部24は前記浄化処理部3の空気導入口46に連通し、入口部23は蛇腹状のホースより成る連結管10(図2参照)を連結することが可能になっている。
前段の空気浄化装置1Aは、図1の浄化処理時は、外気を図中矢印pの方向へ引き込むために前記入口部23が開放された状態に設定されるが、後述する吸着濾材5の再生処理時は、図2に示すように、前記入口部23に熱風発生機8の熱風出口81に連通する連結管10が連結される。図示例の熱風発生機8は、内蔵するファンにより前記熱風出口81へ80〜100℃の熱風を送り出す。
後段の空気浄化装置1Bの入口部23には、後述するフィルタ6の出口部62に連通する連結管10が連結されるか、または前段の空気浄化装置1Aの空気排出口49に連通する連結管10が連結される。
【0021】
浄化処理部3は、図3に示すように、床面上を移動することが可能な平板状の台車30上に筒状のケース体4を一体に縦設して構成されている。ケース体4の内部には通気性のある外筒41が組み込まれ、外筒41の内側の同心円上に通気性のある内筒40が組み付けられている。内筒40および外筒41は耐熱性をもたせるためにステンレスのメッシュ材により製作されている。外筒41の外周面の上端部には短い補強リブ43が、内筒40の内周面にはほぼ筒全長にわたる長い補強リブ42が、それぞれ等角度位置に設けられている。台車30の下面の四隅には車輪31が取り付けられ、台車30の上面の後端部にはハンドル32が設けられている。
【0022】
ケース体4の下端面は台車30の上面によって塞がれ、上端面はドーナツ形状の天板44により塞がれている。天板44の中央の開口部には空気導入管45が連設されている。空気導入管45の先端は空気導入口46であり、空気導入口46の周縁に空気取込部2のケーシング20と連結するためのフランジ45aが形成されている。
【0023】
内筒40と外筒41との間の一周する空間Aには、加熱による脱着が可能な吸着濾材5が充填されている。この実施例では、吸着濾材5として粒状の活性炭が用いてある。前段側の空気浄化装置1Aは臭気成分のうち専ら高濃度成分の分子を吸着する性能を有する活性炭が、後段側の空気清浄装置1Bには専ら微量成分の分子を吸着する性能を有する活性炭が、それぞれ用いられている。なお、図中、47aは空間Aに活性炭を供給するために対角位置にそれぞれ設けられた蓋付きの供給口、47bは空間Aより活性炭を取り出すために対角位置にそれぞれ設けられた蓋付きの取出口である。
【0024】
内筒40の内側の空間は、空気導入口46より空気が導入される空気導入空間Bであり、外筒41の外側の一周する空間は、吸着濾材5を通過して臭気成分が除去された空気が導出される空気導出空間Cである。ケース体4の下端部の前部には空気導出空間Cに連通する空気排出管48が連設されている。空気排出管48の先端は空気排出口49であり、この空気排出口49にフィルタ6の入口部61が連結されている。
【0025】
前段の空気浄化装置1Aに取り付けられたフィルタ6の出口部62には後段の空気浄化装置1Bに連通させる蛇腹状のホースより成る連結管10が接続されている。後段の空気浄化装置1Bに取り付けられたフィルタ6の出口部62には検査室Rに連通させる金属製のパイプより成る連結管7が接続されている。各フィルタ6は、浄化処理時に吸着濾材5の粉塵や塵芥などを捕捉するのに用いられるもので、浄化処理の開始当初にのみ装着され、その後は取り外される。なお、各フィルタ6は吸着濾材5の再生時には装着されない。
フィルタ6を取り外した状態のとき、前段の空気浄化装置1Aの空気排出管48の空気排出口49に後段の空気浄化装置1Bの空気取込部2の入口部23に連通させる蛇腹状のホースより成る連結管10を直接接続することが可能になっており、また、後段の空気浄化装置1Bの空気排出管48の空気排出口49に金属製のパイプより成る連結管7を直接接続することが可能になっている。
【0026】
前記連結管7は、二股形状に分岐する分岐管71を有し、連結管7の本体部70内と分岐管71の内部に外部操作により開閉動作するダンパー72,73が配設されている。分岐管71の先端は検査室Rに連通させ、浄化処理時は分岐管71のダンパー73を開き、連結管7の本体部70のダンパー72を閉じることで、浄化された空気を図中、矢印qで示すように検査室Rへ送り込む。後述する再生処理時は、連結管7の本体部70のダンパー72を開き、分岐管71のダンパー73を閉じることで、熱風を図2の矢印rで示すように外部へ排出する。
【0027】
図4は、空気浄化設備の他の実施例を示すもので、前段の空気浄化装置1Aの空気取込部2の入口部23に、前記の分岐管71を有する連結管7を接続し、その連結管7に熱風発生機8の熱風出口81と連通する連結管10を連結したものである。浄化処理時は分岐管71内のダンパー73を開き、連結管7の本体部70のダンパー72を閉じることで、空気取込部2に外気を取り込み、再生処理時はダンパー73の方を閉じ、ダンパー72の方を開くことで、空気取込部2に熱風を取り込むものである。
【0028】
なお、上記した空気浄化設備を室内の汚れた空気を浄化して外部へ排出するという環境保全の用途に用いる場合は、前段の空気浄化装置1Aの空気取込部2の入口部23に連結管10を接続し、この連結管10を介して室内の空気を空気浄化装置1Aの空気取込部2に取り込むようにする。
【0029】
上記した構成の各空気浄化装置1A,1Bにおいて、空気取込部2のモータ22を駆動すると、引込通路内のシロッコファン21が回り、空気が引込通路に吸い込まれて浄化処理部3の空気導入空間Bに導入され、さらに、内筒40と外筒41との間の空間Aに装填された吸着濾材5を通過し、空気導出空間Cへ導出される。空気が吸着濾材5を通過するとき、臭気成分の分子が吸着濾材5に吸着されて除去される。空気導出空間Cへ導出された空気は空気排出管48の空気排出口49より排出される。
【0030】
空気浄化装置1A,1Bが2段に接続された図1に示す空気浄化設備では、後段の空気浄化装置1Bの空気取込部2の引込通路の入口部23に前段の空気浄化装置1Aの空気排出口49に連通する連結管10が接続され、前段の空気浄化装置1Aで浄化された空気が空気取込部2に引き込まれて空気導入空間Bに導入される。前後各段の空気浄化装置1A,1Bの浄化処理部2には種類の異なる吸着濾材5がそれぞれ充填されているので、例えば、前段では臭気成分のうちの高濃度成分が除去され、後段では臭気成分のうちの微量成分が除去され、十分な脱臭が行われる。
【0031】
吸着濾材5の再生処理時は、図2に示すように、前段の空気浄化装置1Aの空気取込部2の引込通路の入口部23に熱風発生機8の熱風出口81に連通する連結管10が接続されている。各空気浄化装置1A,1Bの空気取込部2のモータ22をそれぞれ駆動すると、引込通路内のシロッコファン21が回り、熱風発生機8で発生させた熱風が前段の空気浄化装置1Aの空気取込部2に引き込まれて空気導入空間Bに導入される。空気取込部2のモータ22は引込通路外に配設されているので、熱風にモータ22が晒されず、高温に加熱されるおそれがなく、熱によるモータ22の故障、破損、および劣化を防止できる。空気導入空間Bに導入された熱風が吸着濾材5を通過するとき、吸着濾材5が加熱されて昇温し、吸着濾材5に吸着されていた臭気成分の分子にエネルギーが与えられる。その結果、分子運動が活発となり、臭気成分の分子が吸着濾材5より離脱する。吸着濾材5周辺の臭気成分の濃度が高められると、臭気成分の分子の吸着濾材5からの離脱が阻害されるが、離脱した臭気成分の分子は、熱風により空気導出空間Cへ強制的に送り出されるので、吸着濾材5周辺の臭気成分の濃度が高められることはなく、臭気成分の分子の吸着濾材5からの離脱が阻害されず、吸着濾材5の再生処理が円滑に行われる。
後段の空気浄化装置1Bについては、前段の空気浄化装置1Aに連通する連結管10を介して熱風が空気取込部2に引き込まれ、浄化処理部3において同様の吸着濾材5の再生処理が行われる。
【0032】
なお、上記の熱風による再生処理は、例えば1週間に1回程度の頻度で、約1時間程度実施すればよく、これにより吸着濾材5を長期にわたって使用でき、吸着濾材5の交換を従来のように頻繁に行う必要はない。
【符号の説明】
【0033】
1A,1B 空気浄化装置
2 空気取込部
3 浄化処理部
4 ケース体
5 吸着濾材
7 連結管
8 熱風発生機
10 連結管
21 ファン
22 モータ
49 空気排出口
81 熱風出口
B 空気導入空間
C 空気導出空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吸引して取り込む空気取込部と、空気取込部により取り込まれた空気を導入して浄化処理する浄化処理部とを有し、
前記浄化処理部は、空気排出口が設けられたケース体と、ケース体の内部に組み込まれた外筒と、外筒内に設けられた内筒とを有し、内筒と外筒との間の空間には加熱による脱着が可能な吸着濾材が充填され、内筒の内側には、取り込まれた空気が導入される空気導入空間が形成され、外筒とケース体との間には、吸着濾材を通過した空気が導出され前記空気排出口に連通する空気導出空間が形成されており、
前記空気取込部は、前記浄化処理部の空気導入空間に連通する空気の引込通路を有し、その引込通路内にファン、引込通路外にファンを駆動して引込通路に空気の吸引力を生じさせるモータが配備されるとともに、引込通路の入口は熱風発生機の熱風出口に連通する連結管が接続可能に形成されて成る空気浄化装置。
【請求項2】
請求項1に記載された空気浄化装置を連結管を介して複数段連結して構成される空気浄化設備であって、各段の空気浄化装置は、浄化処理部の内筒と外筒との間の空間に、種類の異なる吸着濾材がそれぞれ充填されて成る空気浄化設備。
【請求項3】
請求項1または2に記載された少なくとも1台の空気浄化装置と、吸着濾材の再生処理時に、空気浄化装置の空気取込部の引込通路の入口に連結管を介して接続される熱風発生機とで構成されて成る空気浄化設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−165853(P2012−165853A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28314(P2011−28314)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(503086293)エスイー工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】