空気浄化装置
【課題】 空気を大量に浄化できる空気浄化装置を提供する。
【解決手段】 筐体1に吸込み口2を形成し、この吸込み口2とは異なる筐体1側面に排出口3を複数個、もしくは筐体1側面の全周面に亘って連続して配する。筐体1内部の吸込み口2の周りに、吸込み口2から流入する空気を排出口3に送るための遠心タイプ送風機4の翼列5を配し、吸込み口2と排出口3との間の流体経路、例えば排出口3の近傍にグラフト重合物質を入れたタンク16を配する。このように排出口3を複数個、もしくは筐体1側面の全周面に亘って設けることにより、排出口3が一箇所の従来のものより排出口3への流路面積が増え、従来のものに比べ空気を大量に浄化する能力を示す。
【解決手段】 筐体1に吸込み口2を形成し、この吸込み口2とは異なる筐体1側面に排出口3を複数個、もしくは筐体1側面の全周面に亘って連続して配する。筐体1内部の吸込み口2の周りに、吸込み口2から流入する空気を排出口3に送るための遠心タイプ送風機4の翼列5を配し、吸込み口2と排出口3との間の流体経路、例えば排出口3の近傍にグラフト重合物質を入れたタンク16を配する。このように排出口3を複数個、もしくは筐体1側面の全周面に亘って設けることにより、排出口3が一箇所の従来のものより排出口3への流路面積が増え、従来のものに比べ空気を大量に浄化する能力を示す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に吸込み口と排出口と遠心タイプ送風機と、グラフト重合物質を入れたタンクもしくは脱臭触媒もしくは除菌触媒を備え、空気を浄化する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集塵フィルタや脱臭フィルタと送風機を備え、空気を浄化する装置は、広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、脱臭作用を有するグラフト重合物質を放出する空気浄化装置も既に知られている。この空気浄化装置の従来例を図14に示す。同図において、右の図は送風機翼列軸心を含んだ断面を示し、左の図は送風機翼列軸心に垂直方向の断面を示す。
【0004】
図14に示す空気浄化装置9において、筐体1に設けた吸込み口2から流入した流体は吸込み口2の存在する面もしくはそれ以外の面の一箇所に配した排出口3より流出する。筐体1の内側の、吸込み口2の近傍に翼列5を有した遠心タイプ送風機4を配し、その外側にグラフト重合物質を入れたタンク16を配する。この空気浄化装置9ではグラフト 重合剤タンク16に遠心タイプ送風機4から空気を送り、グラフト重合剤分子を空気中に放出させ、におい成分の分子に吸着させ、脱臭する。
【特許文献1】特開2003−106581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の空気浄化装置では、図14に示すように排出口3は小さく、通風抵抗は図15に示すようにR0となり、遠心タイプ送風機4のファン性能は、筐体側面1fが近接しているため、C0となる。このため、流量はQ0と少なく、空気を大量に浄化できないという問題があった。
【0006】
またグラフト重合物質はその表面が大気にさらされていると空気の流れがなくとも蒸発してしまい、短期間でなくなってしまい、補給インターバルが短いという問題があった。
【0007】
そして筐体が日射などを受けると、その壁面の温度が上昇し、筐体内部に熱が侵入し、内部温度も高くなる。グラフト重合物質は温度の上昇と共にその蒸発量は増加し、その減少速度は大きくなり、その結果グラフト重合物質の補給インターバルが短くなるという問題があった。
【0008】
本発明は、従来のこのような点に鑑みて為されたもので、空気を大量に浄化できる空気浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る空気浄化装置は、筐体に形成された吸込み口と、この吸込み口とは異なる筐体側面に形成された排出口と、吸込み口から流入する流体を排出口に送るための遠心タイプ送風機と、吸込み口と排出口との間の流体経路に設けられ、グラフト重合物質を入れたタンクとを備え、排出口が、筐体側面の全面に亘って形成されるか、または筐体側面の複数箇所に形成されたことを特徴とする。
【0010】
ここで、吸込み口の内側に煙を捕集するフィルタを設けた構成とすることもできる。
【0011】
また、タンクより送風機側に脱臭触媒または除菌触媒を設けた構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、空気浄化装置を、空気を大量に浄化できる能力を有するものとすることができる。
【0013】
また、吸込み口の内側に煙を捕集するフィルタを設けたり、タンクより送風機側に触媒を設けたりした構成とすることにより、脱臭、除菌機能を付加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図において、同符号は同一部分または対応部分を示す。
【0015】
また、以下の各実施形態の空気浄化装置構成を示す図においては、下の図は送風機翼列軸心を含んだ断面を示し、上の図は送風機駆動電動機を含んだ、前記軸心に垂直方向の断面を示す。上の図では送風機のハブ断面の表記は省略する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0017】
この実施形態の空気浄化装置9は、円筒状の筐体1の上部面の中央部に、網目状の開口部を有する吸込み口2が形成されている。また、この吸い込み口2とは異なる筐体1側面に、網目状に形成された複数の開口部を有する排出口3が形成されている。そして、筐体1内部の吸込み口2の周りに、吸込み口2から流入する空気を排出口3に送るための遠心タイプ送風機4の翼列5を配し、吸込み口2と排出口3との間の流体経路、例えば排出口3の近傍にグラフト重合物質を入れたタンク16を配している。ここで、空気浄化装置9の筐体1側面に排出口3を、少なくとも、遠心タイプ送風機4の翼列5の半径方向に略180°異なる方向に2個、もしくは遠心タイプ送風機4の周りに複数個、もしくは筐体1側面の全周面に亘って連続して配した構造とする。
【0018】
この実施形態の構成では、筐体側面が近接していないため、ファン特性は図15に示すようにC0から大流量、大静圧側にシフトしたC1となる。また排出口3への流路面積が増えることにより通風抵抗はR0からR1と小さくなる。その結果、作動流量はQ1となり、従来のQ0より増加し、従来に比べ空気を大量に浄化する能力を示す。
【0019】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0020】
この第2の実施形態の空気浄化装置は、第1の実施形態のように吸込み口2と排出口3との間の流体経路にグラフト重合物質を入れたタンク16を配した空気浄化装置9において、少なくとも1つ(図では4つ)のタンク16の上部に、送風機4による動圧を利用した可動式のフタ17を設け、フタ全開時にフタ17の回転角は、鉛直方向位置より小さくし(α<90°)、送風機4による動圧が小さくなると重力でフタ17が閉じる構造とする。送風機4が作動していないときは、フタ17が閉まることによりその表面が大気や、空気の流れにさらされることが無くなる。よってグラフト重合物質の蒸発は抑えられその減少速度は小さくなる。その結果グラフト重合物質の補給インターバルが延びる。
【0021】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0022】
この第3の実施形態の空気浄化装置は、第2の実施形態において少なくとも1つの可動式のフタ17の排出側に、フタ17の全開位置と略平行に導風板19を設けた構造とする。この構造では導風板19に沿って流れる空気流速によりフタ17を開放側に押し付ける力が働く。よって低流量時もフタ17が開きやすくなり、空気がグラフト重合剤タンク16の中に流れ込み、グラフト重合剤分子を空気中に放出させ、空気を浄化する。
【0023】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0024】
この第4の実施形態の空気浄化装置は各タンク16の上部に複数個の可動式のフタ17a、17bを配し、フタ17a、17bのタンク16から突出する部分の面積をそれぞれSa、Sbと異なるようにする。面積が大きいほどフタ17a、17bの重量が大きくなり、フタ17a、17bは開きにくくなる。一方、流量が増えるにつれ、フタ17a、17bへの動圧は増える。面積と動圧の積でフタを押し上げる力が決まる。フタ17a、17bの面積を変えることによりフタ17a、17bの開閉のしやすさを任意に設定できる。そしてグラフト重合物質の減り具合をコントロールしつつ空気を浄化できる。
【0025】
(第5の実施形態)
この第5の実施形態の空気浄化装置は、タンクの上部に可動式のフタを複数個配し、タンクに対するフタ17a、17bの支点18の回転抵抗をそれぞれ変えることによりフタ17a、17bの開閉のしやすさを任意に設定できる。そしてグラフト重合物質の減り具合をコントロールしつつ空気を浄化できる。
【0026】
(第6の実施形態)
また第6の実施形態の空気浄化装置は、タンクの上部に可動式フタを複数個配し、厚み、質量の異なる材質のものを選択するなどして単位面積あたりのフタ17a、17bの重さをそれぞれ変える。これによりフタ17a、17bの開閉のしやすさを任意に設定できる。そしてグラフト重合物質の減り具合をコントロールしつつ空気を浄化できる。
【0027】
(第7の実施形態)
図5は、本発明の第7の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0028】
この第7の実施形態の空気浄化装置は、第1の実施形態において吸込み口2の内側に煙を捕集するフィルタ20を配する。これによりタバコなどの煙は煙フィルタ20にトラップされ、煙を除かれた空気は浄化装置のグラフト重合など、その本来の脱臭手段により浄化される。このため、煙臭いにおいがしなくなり、空気浄化性能が向上する。
【0029】
(第8の実施形態)
この第8の実施形態の空気浄化装置は、第2の実施形態において、上述の第7の実施形態と同様、吸込み口2の内側に煙を捕集するフィルタ20を配するものであり、同じ効果を示す。
【0030】
(第9の実施形態)
図6は、本発明の第9の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。なお、同図において、下の図は、上の図の筐体1の対角線の位置における矢印方向に見た断面を示す図である。
【0031】
この第9の実施形態の空気浄化装置は、筐体1が、吸込み口2に対し垂直方向からの投影で略正方形となっており、排出口3が略正方形の筐体1の少なくとも隅の部分に設けられ、排出口3が設けられている略正方形の筐体1の少なくとも隅の部分に、タンク16を配した構造である。これにより翼列5から流出した空気によって隅の空間圧力が上昇し、スムーズに排出口3から流出する。その結果、第1の実施形態のものに対して筐体1の軸方向投影面積が小さい略正方形であるにもかかわらず、通風抵抗が小さいため流量があまり変わらず、第1の実施形態のものと同等の空気を大量に浄化する能力を示す。
【0032】
(第10の実施形態)
図7は、本発明の第10の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0033】
この第10の実施形態の空気浄化装置は、筐体1が、吸込み口2に対し垂直方向からの投影で略長方形となっており、排出口3が略長方形の筐体の少なくとも隅の部分に設けられ、排出口3が設けられている略長方形の筐体1の少なくとも隅の部分に、タンク16を配した構造である。
【0034】
すなわち、この第10の実施形態は、筐体1の形状を、吸込み口2に対し垂直方向からの投影で、上述の第1の実施形態のように円形とする代わりに、略長方形としたもので、略長方形の筐体の短辺側側面1bと、長辺側側面1cのうち、長辺側側面1cにおいて、短辺側側面1bとの交点近傍から、流体の下流側における遠心タイプ送風機4の翼列5との距離が最も近くなる点までの部分に排出口3を配するとともに、排出口3が設けられている略長方形の筐体1の少なくとも隅の部分に、タンク16を配した構造である。
【0035】
このような構造にすることにより、翼列5から流出した空気によって翼列5と排出口3の間の空間圧力が上昇し、第9の実施形態のものよりも筐体内の排気口上流側空間が広いため流速は小さくなり、スムーズに排出口3から流出する。その結果、通風抵抗が小さいため流量が増加し、第1の実施形態のものと同等の空気を大量に浄化する能力を示す。
【0036】
(第11の実施形態)
図8は、本発明の第11の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0037】
この第11の実施形態の空気浄化装置は、タンク16より送風機4側にフィルタ状または多孔体状の脱臭触媒21を配した構成である。これにより脱臭触媒21で脱臭された空気がさらにグラフト重合により浄化され、空気浄化性能が向上する。
【0038】
特に、大量の臭い物質を含む空気が流れてきたときは、脱臭触媒21により物理的に臭い物質を捕集することができる。捕集した後、時間経過によって、脱臭触媒21で捕集された臭い物質が再放出されるが、この放出された臭い物質はタンク16のグラフト重合物質により化学的に捕集される。
【0039】
(第12の実施形態)
また、第12の実施形態の空気浄化装置は、第11の実施形態において、タンク16より送風機4側に脱臭触媒21の替わりにフィルタ状または多孔体状の除菌触媒27を配したものである。これにより除菌触媒27で菌の低減された空気がさらにグラフト重合により、脱臭など浄化され、空気浄化性能が向上する。
【0040】
(第13の実施形態)
図9は、本発明の第13の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。この第13の実施形態の空気浄化装置は、筐体1に形成された吸込み口2と、この吸込み口とは異なる筐体側面に形成された排出口3と、吸込み口2から流入する流体を排出口3に送るための遠心タイプ送風機4と、吸込み口2に対向させてフィルタ状または多孔体状の除菌触媒27またはフィルタ状または多孔体状の脱臭触媒21を配し、排出口3が、筐体側面の全面に亘って形成されるか、または筐体側面の1箇所もしくは複数箇所に形成される。これにより、排出口3側に第1の実施形態のようなタンク16がないので翼列5を排出口3側により近づけることができ、翼列5の径を大きくすることができ、ファン特性は図15に示すように大流量、大静圧側にシフトしたC2となる。また吸込み口2の面積を大きく取ることができる為、通風抵抗はR2と小さくなる。その結果、作動流量はQ2となり、従来のものより増加し、従来に比べ空気を大量に浄化する能力を示す。
【0041】
(第14の実施形態)
図10は、本発明の第14の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0042】
この第14の実施形態の空気浄化装置は、第1から第12の実施形態の空気浄化装置において、吸込み口2と排出口3との間の流体経路にグラフト重合物質を入れたタンク16を、スペーサ22を介するなどして筐体1の壁面より離して配したものである。筐体1が日射などを受け、その壁面の温度が上昇しても、タンク16を筐体1の壁面より離して配したことにより、両者の間の隙間に空気の断熱層ができ、タンク温度は高くならない。よってグラフト重合物質の蒸発量は増加せず、その減少速度は小さくなり、その結果グラフト重合物質の補給インターバルは短くならない。
【0043】
(第15の実施形態)
図11は、本発明の第15の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0044】
この第15の実施形態の空気浄化装置は、第1から第12、および第14の実施形態の空気浄化装置において、タンク16と筐体1の壁面の間またはタンク16の外表面に断熱材28を配したものである。これにより、両者の間の熱抵抗が増加しタンク温度は高くならず、第14の実施形態と同様の効果が得られる。
【0045】
(第16の実施形態)
第16の実施形態の空気浄化装置は、第1から第12、および第14の実施形態の空気浄化装置において、吸込み口2と排出口3との間の流体経路にグラフト重合物質を入れたタンク16を筐体壁面より離して配し、タンク16外表面またはフタ17外表面を鏡面とする。これにより、タンク16への流入熱量が減少し、タンク温度は高くならず、第14の実施形態と同様の効果が得られる。
【0046】
(第17の実施形態)
第17の実施形態の空気浄化装置は、第1から第12、および第14の実施形態の空気浄化装置において、吸込み口2と排出口3との間の流体経路にグラフト重合物質を入れたタンク16を筐体壁面より離して配し、筐体1の内表面を鏡面とする。これにより、筐体から内部へのへの流入熱量が減少し、タンク16の温度は高くならず、第14の実施形態と同様の効果が得られる。
【0047】
(第18の実施形態)
図12は、本発明の第18の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0048】
この第18の実施形態の空気浄化装置は、第1から第12、および第14から第17の実施形態の空気浄化装置において、タンク16と、筐体の側面の一部を着脱可能のフタとし、フタとした部分25と、タンク16とを一体化してカセット23とし、カセット23に設けられた取っ手24により外側より着脱可能とする。これによりグラフト重合の補充が容易となる。
【0049】
(第19の実施形態)
図13は、本発明の第19の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0050】
この第19の実施形態の空気浄化装置は、第1から第12、および第14から第17の実施形態の空気浄化装置において、タンク16および着脱可能のフタとした部分25を一体化した第18の実施形態のカセット23に対し、さらに排出口3の部分も一体化してカセット一体排出部26とする。これにより第18の実施形態と同等の効果が得られ、さらにカセット一体排出部26を、筐体1が上下さかさまの場合でも着脱可能とすれば、空気浄化装置が天井取り付け、床取り付けのいずれの場合でも適用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図5】本発明の第7の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図6】本発明の第9の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図7】本発明の第10の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図8】本発明の第11の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図9】本発明の第13の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図10】本発明の第14の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図11】本発明の第15の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図12】本発明の第18の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図13】本発明の第19の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図14】従来装置の構成を示す断面図。
【図15】従来装置および本発明の実施形態の装置における遠心タイプ送風機の静圧−流量特性と装置の通風抵抗を示す図。
【符号の説明】
【0052】
1…筐体
1a、1b、1c、1d、1e…筐体側面(またはその一部)
2…吸込み口
3…排出口
4…遠心タイプ送風機
5…翼列
9…空気浄化装置
16…グラフト重合物質を入れたタンク(グラフト重合剤タンク)
17、17a、17b…タンクフタ
18…フタ支点
19…導風板
20…煙フィルタ
21…脱臭触媒
22…スペーサ
23…カセット
24…取っ手
25…着脱可能のフタとした部分
26…カセット一体排出部
27…除菌触媒
28…断熱材
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に吸込み口と排出口と遠心タイプ送風機と、グラフト重合物質を入れたタンクもしくは脱臭触媒もしくは除菌触媒を備え、空気を浄化する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集塵フィルタや脱臭フィルタと送風機を備え、空気を浄化する装置は、広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、脱臭作用を有するグラフト重合物質を放出する空気浄化装置も既に知られている。この空気浄化装置の従来例を図14に示す。同図において、右の図は送風機翼列軸心を含んだ断面を示し、左の図は送風機翼列軸心に垂直方向の断面を示す。
【0004】
図14に示す空気浄化装置9において、筐体1に設けた吸込み口2から流入した流体は吸込み口2の存在する面もしくはそれ以外の面の一箇所に配した排出口3より流出する。筐体1の内側の、吸込み口2の近傍に翼列5を有した遠心タイプ送風機4を配し、その外側にグラフト重合物質を入れたタンク16を配する。この空気浄化装置9ではグラフト 重合剤タンク16に遠心タイプ送風機4から空気を送り、グラフト重合剤分子を空気中に放出させ、におい成分の分子に吸着させ、脱臭する。
【特許文献1】特開2003−106581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の空気浄化装置では、図14に示すように排出口3は小さく、通風抵抗は図15に示すようにR0となり、遠心タイプ送風機4のファン性能は、筐体側面1fが近接しているため、C0となる。このため、流量はQ0と少なく、空気を大量に浄化できないという問題があった。
【0006】
またグラフト重合物質はその表面が大気にさらされていると空気の流れがなくとも蒸発してしまい、短期間でなくなってしまい、補給インターバルが短いという問題があった。
【0007】
そして筐体が日射などを受けると、その壁面の温度が上昇し、筐体内部に熱が侵入し、内部温度も高くなる。グラフト重合物質は温度の上昇と共にその蒸発量は増加し、その減少速度は大きくなり、その結果グラフト重合物質の補給インターバルが短くなるという問題があった。
【0008】
本発明は、従来のこのような点に鑑みて為されたもので、空気を大量に浄化できる空気浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る空気浄化装置は、筐体に形成された吸込み口と、この吸込み口とは異なる筐体側面に形成された排出口と、吸込み口から流入する流体を排出口に送るための遠心タイプ送風機と、吸込み口と排出口との間の流体経路に設けられ、グラフト重合物質を入れたタンクとを備え、排出口が、筐体側面の全面に亘って形成されるか、または筐体側面の複数箇所に形成されたことを特徴とする。
【0010】
ここで、吸込み口の内側に煙を捕集するフィルタを設けた構成とすることもできる。
【0011】
また、タンクより送風機側に脱臭触媒または除菌触媒を設けた構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、空気浄化装置を、空気を大量に浄化できる能力を有するものとすることができる。
【0013】
また、吸込み口の内側に煙を捕集するフィルタを設けたり、タンクより送風機側に触媒を設けたりした構成とすることにより、脱臭、除菌機能を付加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図において、同符号は同一部分または対応部分を示す。
【0015】
また、以下の各実施形態の空気浄化装置構成を示す図においては、下の図は送風機翼列軸心を含んだ断面を示し、上の図は送風機駆動電動機を含んだ、前記軸心に垂直方向の断面を示す。上の図では送風機のハブ断面の表記は省略する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0017】
この実施形態の空気浄化装置9は、円筒状の筐体1の上部面の中央部に、網目状の開口部を有する吸込み口2が形成されている。また、この吸い込み口2とは異なる筐体1側面に、網目状に形成された複数の開口部を有する排出口3が形成されている。そして、筐体1内部の吸込み口2の周りに、吸込み口2から流入する空気を排出口3に送るための遠心タイプ送風機4の翼列5を配し、吸込み口2と排出口3との間の流体経路、例えば排出口3の近傍にグラフト重合物質を入れたタンク16を配している。ここで、空気浄化装置9の筐体1側面に排出口3を、少なくとも、遠心タイプ送風機4の翼列5の半径方向に略180°異なる方向に2個、もしくは遠心タイプ送風機4の周りに複数個、もしくは筐体1側面の全周面に亘って連続して配した構造とする。
【0018】
この実施形態の構成では、筐体側面が近接していないため、ファン特性は図15に示すようにC0から大流量、大静圧側にシフトしたC1となる。また排出口3への流路面積が増えることにより通風抵抗はR0からR1と小さくなる。その結果、作動流量はQ1となり、従来のQ0より増加し、従来に比べ空気を大量に浄化する能力を示す。
【0019】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0020】
この第2の実施形態の空気浄化装置は、第1の実施形態のように吸込み口2と排出口3との間の流体経路にグラフト重合物質を入れたタンク16を配した空気浄化装置9において、少なくとも1つ(図では4つ)のタンク16の上部に、送風機4による動圧を利用した可動式のフタ17を設け、フタ全開時にフタ17の回転角は、鉛直方向位置より小さくし(α<90°)、送風機4による動圧が小さくなると重力でフタ17が閉じる構造とする。送風機4が作動していないときは、フタ17が閉まることによりその表面が大気や、空気の流れにさらされることが無くなる。よってグラフト重合物質の蒸発は抑えられその減少速度は小さくなる。その結果グラフト重合物質の補給インターバルが延びる。
【0021】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0022】
この第3の実施形態の空気浄化装置は、第2の実施形態において少なくとも1つの可動式のフタ17の排出側に、フタ17の全開位置と略平行に導風板19を設けた構造とする。この構造では導風板19に沿って流れる空気流速によりフタ17を開放側に押し付ける力が働く。よって低流量時もフタ17が開きやすくなり、空気がグラフト重合剤タンク16の中に流れ込み、グラフト重合剤分子を空気中に放出させ、空気を浄化する。
【0023】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0024】
この第4の実施形態の空気浄化装置は各タンク16の上部に複数個の可動式のフタ17a、17bを配し、フタ17a、17bのタンク16から突出する部分の面積をそれぞれSa、Sbと異なるようにする。面積が大きいほどフタ17a、17bの重量が大きくなり、フタ17a、17bは開きにくくなる。一方、流量が増えるにつれ、フタ17a、17bへの動圧は増える。面積と動圧の積でフタを押し上げる力が決まる。フタ17a、17bの面積を変えることによりフタ17a、17bの開閉のしやすさを任意に設定できる。そしてグラフト重合物質の減り具合をコントロールしつつ空気を浄化できる。
【0025】
(第5の実施形態)
この第5の実施形態の空気浄化装置は、タンクの上部に可動式のフタを複数個配し、タンクに対するフタ17a、17bの支点18の回転抵抗をそれぞれ変えることによりフタ17a、17bの開閉のしやすさを任意に設定できる。そしてグラフト重合物質の減り具合をコントロールしつつ空気を浄化できる。
【0026】
(第6の実施形態)
また第6の実施形態の空気浄化装置は、タンクの上部に可動式フタを複数個配し、厚み、質量の異なる材質のものを選択するなどして単位面積あたりのフタ17a、17bの重さをそれぞれ変える。これによりフタ17a、17bの開閉のしやすさを任意に設定できる。そしてグラフト重合物質の減り具合をコントロールしつつ空気を浄化できる。
【0027】
(第7の実施形態)
図5は、本発明の第7の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0028】
この第7の実施形態の空気浄化装置は、第1の実施形態において吸込み口2の内側に煙を捕集するフィルタ20を配する。これによりタバコなどの煙は煙フィルタ20にトラップされ、煙を除かれた空気は浄化装置のグラフト重合など、その本来の脱臭手段により浄化される。このため、煙臭いにおいがしなくなり、空気浄化性能が向上する。
【0029】
(第8の実施形態)
この第8の実施形態の空気浄化装置は、第2の実施形態において、上述の第7の実施形態と同様、吸込み口2の内側に煙を捕集するフィルタ20を配するものであり、同じ効果を示す。
【0030】
(第9の実施形態)
図6は、本発明の第9の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。なお、同図において、下の図は、上の図の筐体1の対角線の位置における矢印方向に見た断面を示す図である。
【0031】
この第9の実施形態の空気浄化装置は、筐体1が、吸込み口2に対し垂直方向からの投影で略正方形となっており、排出口3が略正方形の筐体1の少なくとも隅の部分に設けられ、排出口3が設けられている略正方形の筐体1の少なくとも隅の部分に、タンク16を配した構造である。これにより翼列5から流出した空気によって隅の空間圧力が上昇し、スムーズに排出口3から流出する。その結果、第1の実施形態のものに対して筐体1の軸方向投影面積が小さい略正方形であるにもかかわらず、通風抵抗が小さいため流量があまり変わらず、第1の実施形態のものと同等の空気を大量に浄化する能力を示す。
【0032】
(第10の実施形態)
図7は、本発明の第10の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0033】
この第10の実施形態の空気浄化装置は、筐体1が、吸込み口2に対し垂直方向からの投影で略長方形となっており、排出口3が略長方形の筐体の少なくとも隅の部分に設けられ、排出口3が設けられている略長方形の筐体1の少なくとも隅の部分に、タンク16を配した構造である。
【0034】
すなわち、この第10の実施形態は、筐体1の形状を、吸込み口2に対し垂直方向からの投影で、上述の第1の実施形態のように円形とする代わりに、略長方形としたもので、略長方形の筐体の短辺側側面1bと、長辺側側面1cのうち、長辺側側面1cにおいて、短辺側側面1bとの交点近傍から、流体の下流側における遠心タイプ送風機4の翼列5との距離が最も近くなる点までの部分に排出口3を配するとともに、排出口3が設けられている略長方形の筐体1の少なくとも隅の部分に、タンク16を配した構造である。
【0035】
このような構造にすることにより、翼列5から流出した空気によって翼列5と排出口3の間の空間圧力が上昇し、第9の実施形態のものよりも筐体内の排気口上流側空間が広いため流速は小さくなり、スムーズに排出口3から流出する。その結果、通風抵抗が小さいため流量が増加し、第1の実施形態のものと同等の空気を大量に浄化する能力を示す。
【0036】
(第11の実施形態)
図8は、本発明の第11の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0037】
この第11の実施形態の空気浄化装置は、タンク16より送風機4側にフィルタ状または多孔体状の脱臭触媒21を配した構成である。これにより脱臭触媒21で脱臭された空気がさらにグラフト重合により浄化され、空気浄化性能が向上する。
【0038】
特に、大量の臭い物質を含む空気が流れてきたときは、脱臭触媒21により物理的に臭い物質を捕集することができる。捕集した後、時間経過によって、脱臭触媒21で捕集された臭い物質が再放出されるが、この放出された臭い物質はタンク16のグラフト重合物質により化学的に捕集される。
【0039】
(第12の実施形態)
また、第12の実施形態の空気浄化装置は、第11の実施形態において、タンク16より送風機4側に脱臭触媒21の替わりにフィルタ状または多孔体状の除菌触媒27を配したものである。これにより除菌触媒27で菌の低減された空気がさらにグラフト重合により、脱臭など浄化され、空気浄化性能が向上する。
【0040】
(第13の実施形態)
図9は、本発明の第13の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。この第13の実施形態の空気浄化装置は、筐体1に形成された吸込み口2と、この吸込み口とは異なる筐体側面に形成された排出口3と、吸込み口2から流入する流体を排出口3に送るための遠心タイプ送風機4と、吸込み口2に対向させてフィルタ状または多孔体状の除菌触媒27またはフィルタ状または多孔体状の脱臭触媒21を配し、排出口3が、筐体側面の全面に亘って形成されるか、または筐体側面の1箇所もしくは複数箇所に形成される。これにより、排出口3側に第1の実施形態のようなタンク16がないので翼列5を排出口3側により近づけることができ、翼列5の径を大きくすることができ、ファン特性は図15に示すように大流量、大静圧側にシフトしたC2となる。また吸込み口2の面積を大きく取ることができる為、通風抵抗はR2と小さくなる。その結果、作動流量はQ2となり、従来のものより増加し、従来に比べ空気を大量に浄化する能力を示す。
【0041】
(第14の実施形態)
図10は、本発明の第14の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0042】
この第14の実施形態の空気浄化装置は、第1から第12の実施形態の空気浄化装置において、吸込み口2と排出口3との間の流体経路にグラフト重合物質を入れたタンク16を、スペーサ22を介するなどして筐体1の壁面より離して配したものである。筐体1が日射などを受け、その壁面の温度が上昇しても、タンク16を筐体1の壁面より離して配したことにより、両者の間の隙間に空気の断熱層ができ、タンク温度は高くならない。よってグラフト重合物質の蒸発量は増加せず、その減少速度は小さくなり、その結果グラフト重合物質の補給インターバルは短くならない。
【0043】
(第15の実施形態)
図11は、本発明の第15の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0044】
この第15の実施形態の空気浄化装置は、第1から第12、および第14の実施形態の空気浄化装置において、タンク16と筐体1の壁面の間またはタンク16の外表面に断熱材28を配したものである。これにより、両者の間の熱抵抗が増加しタンク温度は高くならず、第14の実施形態と同様の効果が得られる。
【0045】
(第16の実施形態)
第16の実施形態の空気浄化装置は、第1から第12、および第14の実施形態の空気浄化装置において、吸込み口2と排出口3との間の流体経路にグラフト重合物質を入れたタンク16を筐体壁面より離して配し、タンク16外表面またはフタ17外表面を鏡面とする。これにより、タンク16への流入熱量が減少し、タンク温度は高くならず、第14の実施形態と同様の効果が得られる。
【0046】
(第17の実施形態)
第17の実施形態の空気浄化装置は、第1から第12、および第14の実施形態の空気浄化装置において、吸込み口2と排出口3との間の流体経路にグラフト重合物質を入れたタンク16を筐体壁面より離して配し、筐体1の内表面を鏡面とする。これにより、筐体から内部へのへの流入熱量が減少し、タンク16の温度は高くならず、第14の実施形態と同様の効果が得られる。
【0047】
(第18の実施形態)
図12は、本発明の第18の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0048】
この第18の実施形態の空気浄化装置は、第1から第12、および第14から第17の実施形態の空気浄化装置において、タンク16と、筐体の側面の一部を着脱可能のフタとし、フタとした部分25と、タンク16とを一体化してカセット23とし、カセット23に設けられた取っ手24により外側より着脱可能とする。これによりグラフト重合の補充が容易となる。
【0049】
(第19の実施形態)
図13は、本発明の第19の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す図である。
【0050】
この第19の実施形態の空気浄化装置は、第1から第12、および第14から第17の実施形態の空気浄化装置において、タンク16および着脱可能のフタとした部分25を一体化した第18の実施形態のカセット23に対し、さらに排出口3の部分も一体化してカセット一体排出部26とする。これにより第18の実施形態と同等の効果が得られ、さらにカセット一体排出部26を、筐体1が上下さかさまの場合でも着脱可能とすれば、空気浄化装置が天井取り付け、床取り付けのいずれの場合でも適用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図5】本発明の第7の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図6】本発明の第9の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図7】本発明の第10の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図8】本発明の第11の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図9】本発明の第13の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図10】本発明の第14の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図11】本発明の第15の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図12】本発明の第18の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図13】本発明の第19の実施形態に係る空気浄化装置の構成を示す断面図。
【図14】従来装置の構成を示す断面図。
【図15】従来装置および本発明の実施形態の装置における遠心タイプ送風機の静圧−流量特性と装置の通風抵抗を示す図。
【符号の説明】
【0052】
1…筐体
1a、1b、1c、1d、1e…筐体側面(またはその一部)
2…吸込み口
3…排出口
4…遠心タイプ送風機
5…翼列
9…空気浄化装置
16…グラフト重合物質を入れたタンク(グラフト重合剤タンク)
17、17a、17b…タンクフタ
18…フタ支点
19…導風板
20…煙フィルタ
21…脱臭触媒
22…スペーサ
23…カセット
24…取っ手
25…着脱可能のフタとした部分
26…カセット一体排出部
27…除菌触媒
28…断熱材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に形成された吸込み口と、この吸込み口とは異なる筐体側面に形成された排出口と、前記吸込み口から流入する流体を前記排出口に送るための遠心タイプ送風機と、前記吸込み口と前記排出口との間の流体経路に設けられ、グラフト重合物質を入れたタンクとを備え、前記排出口が、前記筐体側面の全面に亘って形成されるか、または前記筐体側面の複数箇所に形成されたことを特徴とする空気浄化装置。
【請求項2】
筐体に形成された吸込み口および排出口と、前記吸込み口から流入する流体を前記排出口に送るための遠心タイプ送風機と、前記吸込み口と前記排出口との間の流体経路に設けられ、グラフト重合物質を入れたタンクとを備えた空気浄化装置において、前記タンクのうちの少なくとも1つのタンクの上部に前記遠心タイプ送風機による動圧を利用した可動式のフタを設け、前記フタ全開時の前記フタの回転角を、鉛直方向位置より小さくし、前記遠心タイプ送風機による動圧が小さくなると重力で前記フタが閉じるようにしたことを特徴とする空気浄化装置。
【請求項3】
前記可動式のフタの流体排出側に、前記フタの全開位置と略平行に導風板を設けたことを特徴とする請求項2に記載の空気浄化装置。
【請求項4】
前記タンクの上部に設けられた可動式のフタは、それぞれのタンクにおいて複数個のフタからなるものとし、複数個のフタのそれぞれの流体の流量に対する開閉条件を異なるものとしたことを特徴とする請求項2に記載の空気浄化装置。
【請求項5】
前記吸込み口の内側に煙を捕集するフィルタを配したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気浄化装置。
【請求項6】
前記筐体が、前記吸込み口に対し垂直方向からの投影で略正方形となっており、前記排出口が略正方形の筐体の少なくとも隅の部分に設けられ、前記タンクが、前記排出口が設けられている前記略正方形の筐体の少なくとも隅の部分に配されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の空気浄化装置。
【請求項7】
前記筐体が、前記吸込み口に対し垂直方向からの投影で略長方形となっており、前記排出口が略長方形の筐体の少なくとも隅の部分に設けられ、前記タンクが、前記排出口が設けられている前記略長方形の筐体の少なくとも隅の部分に配されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の空気浄化装置。
【請求項8】
前記タンクより前記遠心タイプ送風機側に、脱臭触媒または除菌触媒を配したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の空気浄化装置。
【請求項9】
筐体に形成された吸込み口と、この吸込み口とは異なる筐体側面に形成された排出口と、前記吸込み口から流入する流体を前記排出口に送るための遠心タイプ送風機と、前記吸込み口に対向させて設けられた除菌触媒または脱臭触媒とを備え、前記排出口が、前記筐体側面の全面に亘って形成されるか、または前記筐体側面の1箇所もしくは複数箇所に形成されたことを特徴とする空気浄化装置。
【請求項10】
前記筐体の熱が前記グラフト重合物質に伝わることを防止する手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の空気浄化装置。
【請求項11】
前記筐体の一部を着脱可能のフタとし、フタとした部分と前記タンクとを一体化してカセットとすることにより、外側より着脱可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか、または請求項10に記載の空気浄化装置。
【請求項12】
前記タンクと、排出口の部分を含む前記筐体の一部を着脱可能のフタとし、フタとした部分と前記タンクとを一体化してカセットとすることにより、外側より着脱可能とするとともに、前記筐体が上下さかさまの場合でも着脱可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか、または請求項10に記載の空気浄化装置。
【請求項1】
筐体に形成された吸込み口と、この吸込み口とは異なる筐体側面に形成された排出口と、前記吸込み口から流入する流体を前記排出口に送るための遠心タイプ送風機と、前記吸込み口と前記排出口との間の流体経路に設けられ、グラフト重合物質を入れたタンクとを備え、前記排出口が、前記筐体側面の全面に亘って形成されるか、または前記筐体側面の複数箇所に形成されたことを特徴とする空気浄化装置。
【請求項2】
筐体に形成された吸込み口および排出口と、前記吸込み口から流入する流体を前記排出口に送るための遠心タイプ送風機と、前記吸込み口と前記排出口との間の流体経路に設けられ、グラフト重合物質を入れたタンクとを備えた空気浄化装置において、前記タンクのうちの少なくとも1つのタンクの上部に前記遠心タイプ送風機による動圧を利用した可動式のフタを設け、前記フタ全開時の前記フタの回転角を、鉛直方向位置より小さくし、前記遠心タイプ送風機による動圧が小さくなると重力で前記フタが閉じるようにしたことを特徴とする空気浄化装置。
【請求項3】
前記可動式のフタの流体排出側に、前記フタの全開位置と略平行に導風板を設けたことを特徴とする請求項2に記載の空気浄化装置。
【請求項4】
前記タンクの上部に設けられた可動式のフタは、それぞれのタンクにおいて複数個のフタからなるものとし、複数個のフタのそれぞれの流体の流量に対する開閉条件を異なるものとしたことを特徴とする請求項2に記載の空気浄化装置。
【請求項5】
前記吸込み口の内側に煙を捕集するフィルタを配したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気浄化装置。
【請求項6】
前記筐体が、前記吸込み口に対し垂直方向からの投影で略正方形となっており、前記排出口が略正方形の筐体の少なくとも隅の部分に設けられ、前記タンクが、前記排出口が設けられている前記略正方形の筐体の少なくとも隅の部分に配されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の空気浄化装置。
【請求項7】
前記筐体が、前記吸込み口に対し垂直方向からの投影で略長方形となっており、前記排出口が略長方形の筐体の少なくとも隅の部分に設けられ、前記タンクが、前記排出口が設けられている前記略長方形の筐体の少なくとも隅の部分に配されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の空気浄化装置。
【請求項8】
前記タンクより前記遠心タイプ送風機側に、脱臭触媒または除菌触媒を配したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の空気浄化装置。
【請求項9】
筐体に形成された吸込み口と、この吸込み口とは異なる筐体側面に形成された排出口と、前記吸込み口から流入する流体を前記排出口に送るための遠心タイプ送風機と、前記吸込み口に対向させて設けられた除菌触媒または脱臭触媒とを備え、前記排出口が、前記筐体側面の全面に亘って形成されるか、または前記筐体側面の1箇所もしくは複数箇所に形成されたことを特徴とする空気浄化装置。
【請求項10】
前記筐体の熱が前記グラフト重合物質に伝わることを防止する手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の空気浄化装置。
【請求項11】
前記筐体の一部を着脱可能のフタとし、フタとした部分と前記タンクとを一体化してカセットとすることにより、外側より着脱可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか、または請求項10に記載の空気浄化装置。
【請求項12】
前記タンクと、排出口の部分を含む前記筐体の一部を着脱可能のフタとし、フタとした部分と前記タンクとを一体化してカセットとすることにより、外側より着脱可能とするとともに、前記筐体が上下さかさまの場合でも着脱可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか、または請求項10に記載の空気浄化装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−141422(P2006−141422A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−331431(P2004−331431)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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