説明

空気清浄方法及び装置

【課題】製造コストの上昇を抑制することができる簡素な構造でありながら、汚染空気の十分な浄化を行うことができ、汚染空気から細菌などを除去する効率が高い空気清浄方法及び装置を提供する。
【解決手段】液体Aを収容した容器本体2内に取り入れた空気PAを送風機4により加圧し、この空気PAを、上下に開口を有して上下方向に延び、下部開口3Bが液体Aの液面から離間する筒状体3内に上部開口3Aから吹き込んで螺旋状に回転させながら下降させ、液体Aに衝突させて混合攪拌させ、浄化された空気CAを筒状体3の外側を上昇させて容器本体2外へ排出する。送風機4の羽根の回転及び筒状体3の内壁面との接触により螺旋状に回転しながら下降する空気PAは、液体Aに衝突して混合攪拌され、あたかも空気を液体で洗濯しているような状態となるため、空気PAを非常に効率的に液体Aに接触させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵埃や細菌などで汚染された室内の空気を浄化する空気清浄方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、家屋、病院、ビルなどの室内の空気の汚染は進むばかりである。汚染物質としては、ホコリ、カビ、ダニ、花粉のほか、インフルエンザウイルス、結核菌、院内感染菌といわれるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、レジオネラ菌、SARS(重症急性呼吸器感染症候群)ウイルスなどのコロナウイルス、食中毒菌であるノロウイルス、カンピロバクター、O−157などの各種病原菌など多様なものがある。これら多種多様な浮遊菌や空気感染菌などの汚染物質が室内の空間に浮遊し、また室内の壁面、天井、家具などに付着することで、室内環境を悪化させ、人体に甚大な悪影響を及ぼしている。
【0003】
前記汚染物質により汚染された室内の空気(以下、「汚染空気」という。)を浄化する空気清浄装置として、上下に吸入口及び排出口が形成された風洞と、吸入口から汚染空気を風洞内に吸引して排出口から排出するファンと、ポンプにより加圧された液体を風洞の空気通路全体に亘って散布するノズルと、液体を回収するための回収タンクとを備え、ファンによって風洞内に吸引された汚染空気をノズルから散布された液体に接触させて浄化するもの(例えば、特許文献1参照。)、洗浄水が貯留されたハウジングと、洗浄水の上側に設置され、ファンにより下方へ汚染空気を吹き付ける送風機と、送風機の下端から洗浄水中に延在して下方に拡径するとともに内面に螺旋状突起であるリブが形成され、送風機の回転軸に固定されてファンとともに回転するガイドとを備え、ファンによって下方へ吹き付けられた汚染空気をガイドの回転により上方へ移送された洗浄水に接触させて浄化するもの(例えば、特許文献2参照。)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7−17324号公報
【特許文献2】特表2008−520424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の空気清浄装置は、ポンプ及びノズルが必要になるためその分の製造コストが上昇するとともに、ノズルから散布された水玉状の液体の表面に汚染空気を接触させる構成であることから、液体と汚染空気の接触時間が比較的短いため、汚染空気の浄化が不十分となり細菌などの除去効率が低下する場合がある。
特許文献2の空気清浄装置は、送風機の下端から洗浄水中に延在するガイドを送風機の回転軸に固定しており、このように洗浄水中に延在するガイドも回転させる構成であることから、送風機のファン及びガイドを回転させる大容量のモータが必要になることや回転軸の支持構造が複雑になるため、その分、消費電力などのエネルギー消費量や製造コストが上昇する。
その上、特許文献2の空気清浄装置において、下方に拡径し、しかも洗浄水中に延在するガイドを回転させずに送風機のファンのみを回転させる構成を採用したとしても、汚染空気を吹き出すガイドの下部開口が洗浄水中に位置していることから、洗浄水の抵抗が大きく大容量の送風機が必要とされるため、その分、消費電力などのエネルギー消費量や製造コストが上昇する。
【0006】
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、製造コストの上昇を抑制することができる簡素な構造でありながら、汚染空気の十分な浄化を行うことができ、汚染空気から細菌などを除去する効率が高い空気清浄方法及び装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る空気清浄方法は、前記課題解決のために、殺菌液、消臭液又は水である液体を収容した容器本体内に取り入れた空気を送風機により加圧し、前記送風機により加圧された空気を、上下に開口を有して上下方向に延び、吹き出し口としての下部開口が前記液体の液面から離間する筒状体内に上部開口から吹き込み、前記上部開口から前記筒状体内に吹き込まれて螺旋状に回転しながら下降する空気を前記下部開口から吹き出して前記液体に衝突させて混合攪拌し、前記液体と混合攪拌された空気を前記筒状体の外側を上昇させて容器本体外へ排出することを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、容器本体内に取り入れた空気は送風機により加圧され、送風機の羽根の回転及び筒状体の内壁面との接触により螺旋状に回転しながら下降して吹き出し口である下部開口から液面に向かって吹き出され、液体に衝突して容器底まで突入し、空気が液体の略全量と混合攪拌され、あたかも空気を液体で洗濯しているような状態となるため、容器本体内に取り入れた空気を非常に効率的に液体に接触させることができる。
よって、ホコリ、ゴミ、カビ、ダニ、花粉などの汚染物質の他、液体が殺菌液である場合には、ウイルス、細菌などの汚染物質を効率的に殺菌・除去することができ、液体が消臭液である場合には、タバコやホルマリンなどの悪臭を効率的に消臭することができ、液体が水である場合には、工事現場や工場などのホコリを効率的に除去することができる。
その上、特許文献1のようなポンプ及びノズルが不要であり、特許文献2のように送風機の回転軸に固定されて洗浄水中に延在するガイドを回転させる構成とは異なり、送風機の下方に配置した筒状体は駆動されないとともに筒状体の吹き出し口としての下部開口が液体の液面から離間していることから、大容量の送風機やモータが必要になることや構造が複雑になることがないため、消費電力などのエネルギー消費量や製造コストの上昇を抑制することができる。
【0009】
ここで、前記空気を前記筒状体の外側を上昇させて容器本体外へ排出する流路の途中で除液をすると好ましい。
このような構成によれば、空気が液体と混合して攪拌された後に上昇して排出される途中で除液された後に容器本体外へ排出されることから、排出される空気中の液分量を抑制して容器本体内の液体の減少量を少なくすることができるため、液体を補充する間隔を長くすることができる。
【0010】
本発明に係る空気清浄装置は、前記課題解決のために、殺菌液、消臭液又は水である液体を収容した容器本体と、下部開口が前記液体の液面から離間するように前記容器本体内に配置された、上下に開口を有して上下方向に延びる筒状体と、前記筒状体の上方に位置するように前記容器本体内に配置された、前記容器本体の空気取入口から取り入れた空気を加圧して吹き込み口としての上部開口から前記筒状体内へ吹き込む送風機と、前記容器本体の前記筒状体の外方に形成された空気排出口とを備え、前記送風機により前記上部開口から前記筒状体内へ吹き込まれた空気は、螺旋状に回転しながら下降して吹き出し口としての前記下部開口から吹き出され、前記液体に衝突して混合攪拌され、前記筒状体の外側を上昇して前記空気排出口から排出されることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、空気取入口から取り入れた空気は送風機により加圧され、送風機の羽根の回転及び筒状体の内壁面との接触により螺旋状に回転しながら下降して吹き出し口である下部開口から液面に向かって吹き出され、液体に衝突して容器底まで突入し、空気が液体の略全量と混合攪拌され、あたかも空気を液体で洗濯しているような状態となるため、空気取入口から取り入れた空気を非常に効率的に液体に接触させることができる。
よって、ホコリ、ゴミ、カビ、ダニ、花粉などの汚染物質の他、液体が殺菌液である場合には、ウイルス、細菌などの汚染物質を効率的に殺菌・除去することができ、液体が消臭液である場合には、タバコやホルマリンなどの悪臭を効率的に消臭することができ、液体が水である場合には、工事現場や工場などのホコリを効率的に除去することができる。
その上、特許文献1のようなポンプ及びノズルが不要であり、特許文献2のように送風機の回転軸に固定されて洗浄水中に延在するガイドを回転させる構成とは異なり、送風機の下方に配置した筒状体は駆動されないとともに筒状体の吹き出し口としての下部開口が液体の液面から離間していることから、大容量の送風機やモータが必要になることや構造が複雑になることがないため、消費電力などのエネルギー消費量や製造コストの上昇を抑制することができる。
【0012】
ここで、前記容器本体の前記液体を収容する液体収容部の底部に棒状体を立設して前記筒状体内の略中央へ延ばしてなると好ましい。
このような構成によれば、棒状体により筒状体内から吹き出されて液体に衝突する空気の通過断面積が小さくなることから、螺旋状に回転しながら下降する空気の圧力が強くなるため、空気と液体との混合攪拌が促進される。
よって、空気取入口から取り入れた空気をさらに効率的に液体に接触させることができる。
【0013】
また、前記容器本体の前記液体を収容する液体収容部の底部又は側部に邪魔板(バッフル)を突設してなると好ましい。
このような構成によれば、邪魔板による攪拌促進効果により螺旋状に回転しながら下降する空気と液体との混合攪拌が促進されるため、空気取入口から取り入れた空気をさらに効率的に液体に接触させることができる。
【0014】
さらに、前記容器本体の前記液体を収容する液体収容部の底部に攪拌機を配置してなると好ましい。
このような構成によれば、攪拌機による攪拌促進効果により螺旋状に回転しながら下降する空気と液体との混合攪拌が促進されるため、空気取入口から取り入れた空気をさらに効率的に液体に接触させることができる。
【0015】
さらにまた、前記空気を前記筒状体の外側を上昇させて前記空気排出口から排出する流路の途中に除液手段を設けてなると好ましい。
このような構成によれば、空気が液体と混合して攪拌された後に上昇して排出される途中で除液手段により除液された後に空気排出口から排出されることから、排出される空気中の液分量を抑制して容器本体内の液体の減少量を少なくすることができるため、液体を補充する間隔を長くすることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明に係る空気清浄方法及び装置によれば、送風機により加圧された空気を、下部開口(吹き出し口)を液体の液面から離間させた筒状体内に上部開口から吹き込んで螺旋状に回転させながら下降させて吹き出し口としての下部開口から液面へ向けて強く吹き出すことで、液体に衝突させて混合攪拌することから、空気を非常に効率的に液体に接触させることができるため、製造コストの上昇を抑制することができる簡素な構造でありながら、汚染空気の十分な浄化を行うことができ、汚染空気から細菌などを除去する効率が高いという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る空気清浄装置を示す斜視図である。
【図2】同じく部分縦断面図である。
【図3】容器本体の液体収容部の底部に棒状体を立設した構成を示す部分縦断面図である。
【図4】容器本体の液体収容部の底部に邪魔板を突設した構成を示す部分縦断面図である。
【図5】容器本体の液体収容部の底部に攪拌機を配置した構成を示す部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、屋内、例えば家庭用の空気清浄装置とした実施の形態を示すものであり、電源コード15先端に取り付けられた電源プラグ16を図示しないコンセントに挿してスイッチ17を入れることにより稼働状態となり、側面上部に形成された空気取入口5,5,…から汚染空気PAを取り入れて殺菌液、消臭液又は水に接触させることにより、空気排出口6,6,…から嫌な臭いのない清浄空気CAとして排出される。
ここで、空気排出口6,6,…の上縁部分に、下方傾斜したルーバー7,7,…が設けられていることから、空気排出口6,6,…から清浄空気CAが下向きに排出されるため、空気取入口5,5,…から清浄空気CAを吸い込むことが抑制される。
【0019】
図2に示すように、空気清浄装置1は、殺菌液、消臭液又は水である液体Aを収容した容器本体2と、下部開口3Bが液体Aの液面から離間するように容器本体2内に配置された、上下に開口3A,3Bを有して上下方向に延びる筒状体3と、筒状体3の上方に位置するように容器本体2内に配置された、容器本体2の空気取入口5,5,…から取り入れた汚染空気PAを加圧して吹き込み口としての上部開口3Aから筒状体3内へ吹き込む送風機4と、容器本体2の筒状体3の外方に形成された空気排出口6,6,…とを備え、送風機4により上部開口3Aから筒状体3内へ吹き込まれた汚染空気PAは、螺旋状に回転しながら下降して吹き出し口としての下部開口3Bから吹き出され、液体Aに衝突して混合攪拌され、筒状体3の外側を上昇して空気排出口6,6,…から排出される。
【0020】
図1及び図2に示すように、空気清浄装置1の容器本体2は、その外観が略円柱状であり、殺菌液、消臭液又は水である液体Aを収容する液体収容部であるとともに、上部側面にルーバー7,7,…が設けられ、これらルーバー7,7,…の下側に周方向に延びる長穴である空気排出口6,6,…が形成された液体収容容器2Aと、その内部の中央に送風機4が取り付けられるとともに、側面に多数の丸穴である空気取入口5,5,…が形成された送風機組立体2Bとを、連結部材2Cにより連結して構成される。
また、容器本体2内の液体Aの上方で送風機4の下方には、吹き出し口である下部開口3Bが液体Aの液面から離間するように、上下に開口を有して上下方向に延びる筒状体3が配置され、筒状体3の外側には、除液手段である上下の水切り金網8,9が配置される。
なお、除液手段は、水切り金網ではなく、フィルタ又はインペラー、あるいはサイクロン式遠心分離手段等であってもよい。
【0021】
空気取入口5、5,…から取り入れた汚染空気PAは、送風機4により加圧されて上部開口3Aから筒状体3内へ吹き込まれ、送風機4の羽根の回転及び筒状体3の内壁面との接触により螺旋状に回転しながら下降して吹き出し口である下部開口3Bから液面に向けて吹き出され、液体Aに衝突して混合攪拌される。
なお、送風機4の羽根の下側に渦巻状のグリル等を配置することにより、さらに螺旋状の回転力を強くすることができる。
また、汚染空気PAと液体Aとの混合攪拌の程度は、送風機4の風量及び風圧、筒状体3の形状及び上下方向長さ並びに液体Aの量(深さ)等の諸元によって異なるものとなり、例えば筒状体3の上下方向長さが短か過ぎると下降する汚染空気PAが螺旋状にならなかったり、あるいは螺旋の程度が弱くなり、筒状体3の上下方向長さが長過ぎると摩擦損失が大きくなって風圧が低下するため、汚染空気PAと液体Aとの混合攪拌の程度が弱くなる傾向がある。
したがって、空気清浄装置1に要求される空気浄化能力等の仕様に応じて、送風機4により加圧されて筒状体3内へ吹き込まれた汚染空気PAが螺旋状に回転しながら下降して液体Aに衝突して所要の程度に混合攪拌されるように、実験又はシミュレーション等により前記諸元を決定する。
【0022】
なお、参考までに、吹き出し口である下部開口3Bと液体Aの液面との距離を20mmとし、送風機4として山洋電気株式会社製のACファン(型番109S075UL)を用いて行った空気と液体との混合状態を観察した試験結果を表1〜表3に示す。
筒状体3の形状を変化させた表1の結果から、下方へ縮径又は拡径するものよりも、上下の開口3A,3Bの直径が等しい円筒状のものの方が前記混合状態が良いこと、筒状体3の上下長さを変化させた表2の結果から、筒状体3の上下長さが長くなるにつれて前記混合状態が弱くなる傾向があること、液量・液深を変化させた表3の結果から、液量・液深が大きくなるにつれて前記混合状態が弱くなる傾向があることがわかる。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
【表3】

【0026】
以上のような空気清浄装置1の構成によれば、空気取入口5,5,…から取り入れた汚染空気PAは送風機4により加圧されて螺旋状に回転しながら下降して吹き出し口である下部開口3Bから液面に向かって吹き出され、液体Aに衝突して容器底まで突入し、汚染空気PAが液体Aの略全量と混合攪拌され、あたかも空気を液体で洗濯しているような状態となるため、空気取入口5,5,…から取り入れた汚染空気PAを非常に効率的に液体Aに接触させることができる。
よって、ホコリ、ゴミ、カビ、ダニ、花粉などの汚染物質の他、液体Aが殺菌液である場合には、ウイルス、細菌などの汚染物質を効率的に殺菌・除去することができ、液体Aが消臭液である場合には、タバコやホルマリンなどの悪臭を効率的に消臭することができ、液体Aが水である場合には、工事現場や工場などのホコリを効率的に除去することができる。
【0027】
その上、特許文献1のようなポンプ及びノズルが不要であり、特許文献2のように送風機の回転軸に固定されて洗浄水中に延在するガイドを回転させる構成とは異なり、送風機の下方に配置した筒状体3は駆動されないとともに筒状体3の吹き出し口としての下部開口3Bが液体Aの液面から離間していることから、大容量の送風機やモータが必要になることや構造が複雑になることがないため、消費電力などのエネルギー消費量や製造コストの上昇を抑制することができる。
さらに、螺旋状に回転しながら下降して液体Aに衝突して混合攪拌された後の清浄空気CAが筒状体3の外側を上昇して空気排出口6,6,…から排出される流路の途中には、除液手段である上下の水切り金網8,9が配置されているため、除液手段により除液された後に空気排出口6,6,…からから排出されることから、排出される清浄空気CA中の液分量を抑制して容器本体2内の液体Aの減少量を少なくすることができるため、液体Aを補充する間隔を長くすることができる。
【0028】
ここで、図3に示すように、液体Aを収容する液体収容部である液体収容容器2Aの底部に棒状体10を立設して筒状体3内の略中央へ延ばすことにより、棒状体10により筒状体3内から吹き出されて液体Aに衝突する汚染空気PAの通過断面積が小さくなることから、螺旋状に回転しながら下降する汚染空気PAの圧力が強くなり、汚染空気PAと液体Aとの混合攪拌が促進されるため、空気取入口5,5,…から取り入れた汚染空気PAをさらに効率的に液体Aに接触させることができる。
【0029】
また、図4に示すように、液体収容容器2Aの底部に邪魔板(バッフル)11を突設してもよく、このような構成によれば、邪魔板11による攪拌促進効果により螺旋状に回転しながら下降する汚染空気PAと液体Aとの混合攪拌が促進されるため、空気取入口5,5,…から取り入れた汚染空気PAをさらに効率的に液体Aに接触させることができる。
なお、邪魔板11は液体収容容器2Aの側部の液体Aに浸漬されている部分に突設してもよい。
【0030】
さらに、図5に示すように、液体収容容器2Aの底部にモータ13及び攪拌翼14からなる攪拌機12を配置してもよく、このような構成によれば、攪拌機12による攪拌促進効果により螺旋状に回転しながら下降する汚染空気PAと液体Aとの混合攪拌が促進されるため、空気取入口5,5,…から取り入れた汚染空気PAをさらに効率的に液体Aに接触させることができる。
【0031】
以上の説明においては、空気清浄装置1の容器本体2の外観が略円柱状である場合を示したが、容器本体2の外観は略円柱状に限定されるものではなく多角形柱状等の他の形状にしてもよい。
また、空気取入口5,5,…及び空気排出口6,6,…の形状も、本実施の形態に限定されるものではなく、丸穴、スリット又は長穴等の適宜大きさの穴を空気取入口及び空気排出口として採用することができる。
さらに、空気取入口は、送風機組立体2B(容器本体2)の上面の天板に形成してもよく、送風機組立体2Bの側面の空気取入口5,5,…と併用してもよい。
さらにまた、液体収容容器2Aと送風機組立体2Bとの間の連結部材2Cをなくしてもよく、容器本体2を上下に分割する範囲及び分割構造についても、本実施の形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0032】
A 液体(殺菌液、消臭液又は水)
CA 清浄空気
PA 汚染空気
1 空気清浄装置
2 容器本体
2A 液体収容容器(液体収容部)
2B 送風機組立体
2C 連結部材
3 筒状体
3A 上部開口(吹き込み口)
3B 下部開口(吹き出し口)
4 送風機
5 空気取入口
6 空気排出口
7 ルーバー
8,9 金網(除液手段)
10 棒状体
11 邪魔板
12 攪拌機
13 モータ
14 攪拌翼
15 電源コード
16 電源プラグ
17 スイッチ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌液、消臭液又は水である液体を収容した容器本体内に取り入れた空気を送風機により加圧し、
前記送風機により加圧された空気を、上下に開口を有して上下方向に延び、吹き出し口としての下部開口が前記液体の液面から離間する筒状体内に上部開口から吹き込み、
前記上部開口から前記筒状体内に吹き込まれて螺旋状に回転しながら下降する空気を前記下部開口から吹き出して前記液体に衝突させて混合攪拌し、
前記液体と混合攪拌された空気を前記筒状体の外側を上昇させて容器本体外へ排出することを特徴とする空気清浄方法。
【請求項2】
前記空気を前記筒状体の外側を上昇させて容器本体外へ排出する流路の途中で除液をする請求項1記載の空気清浄方法。
【請求項3】
殺菌液、消臭液又は水である液体を収容した容器本体と、
下部開口が前記液体の液面から離間するように前記容器本体内に配置された、上下に開口を有して上下方向に延びる筒状体と、
前記筒状体の上方に位置するように前記容器本体内に配置された、前記容器本体の空気取入口から取り入れた空気を加圧して吹き込み口としての上部開口から前記筒状体内へ吹き込む送風機と、
前記容器本体の前記筒状体の外方に形成された空気排出口とを備え、
前記送風機により前記上部開口から前記筒状体内へ吹き込まれた空気は、螺旋状に回転しながら下降して吹き出し口としての前記下部開口から吹き出され、前記液体に衝突して混合攪拌され、前記筒状体の外側を上昇して前記空気排出口から排出されることを特徴とする空気清浄装置。
【請求項4】
前記容器本体の前記液体を収容する液体収容部の底部に棒状体を立設して前記筒状体内の略中央へ延ばしてなる請求項3記載の空気清浄装置。
【請求項5】
前記容器本体の前記液体を収容する液体収容部の底部又は側部に邪魔板を突設してなる請求項3記載の空気清浄装置。
【請求項6】
前記容器本体の前記液体を収容する液体収容部の底部に攪拌機を配置してなる請求項3記載の空気清浄装置。
【請求項7】
前記空気を前記筒状体の外側を上昇させて前記空気排出口から排出する流路の途中に除液手段を設けてなる請求項3〜6の何れか1項に記載の空気清浄装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−120720(P2012−120720A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274212(P2010−274212)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000236045)
【Fターム(参考)】