説明

空気清浄機能を有する熱交換器およびその製造方法

【課題】基材に吸着材層を設けることなく、臭気成分を効率よく分解することができる空気清浄機能を有する熱交換器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】基材71で形成され、内部を流通する流体と外部を流通する空気との間で熱交換を行うコア部5と、基材71の少なくとも一部を覆うように配置され、水分と接触すると活性酸素が発生するポリアニリンを含有するポリアニリン含有被膜72と、ポリアニリン含有被膜72に形成され、直径1nm〜500μmの孔73とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機能を有する熱交換器に関し、特に空調装置用熱交換器に好適に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
従来、空調装置において、空調装置を通して発生する臭気を低減するために、空調装置用熱交換器の表面に、水分と接触すると活性酸素が発生するポリアニリンを含有するポリアニリン含有被膜(以下、分解膜ともいう)を塗布し、空気中の臭気成分を酸化分解する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような手法では、分解膜の表面に発生する活性酸素と、熱交換器を通過する臭気成分が接触することによって、臭気成分が酸化分解される。このため、効率良く臭気成分を酸化分解するためには、臭気成分に対し大過剰の活性酸素が分解膜の表面に存在し、臭気成分との接触機会を増加させる必要がある。
【0004】
分解膜から大過剰の活性酸素を発生させるには、多量の分解膜成分を熱交換器に塗布しなくてはならない。しかしながら、分解膜の厚さが増加すると、通風抵抗が増大し、空調装置本来の機能が低下するという問題があった。
【0005】
これに対し、熱交換器の基材に活性炭等の吸着材層を設け、吸着材層に臭気成分を吸着させるとともに、吸着材層に担持した触媒にポリアニリンから発生した活性酸素を作用させ、酸化力のより強い活性酸素を発生させることで、臭気成分を効率的に分解する手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−71296号公報
【特許文献2】特開2005−331124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2に記載の手法では、熱交換器の基材にポリアニリン層および吸着材層を被覆し、多層構造とする必要があるため、加工に手間とコストがかかってしまう。さらに、各層間の熱抵抗が増大するため、空調装置の空調性能が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は、上記点に鑑み、基材に吸着材層を設けることなく、臭気成分を効率よく分解することができる空気清浄機能を有する熱交換器およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基材(71)で形成され、内部を流通する流体と外部を流通する空気との間で熱交換を行う熱交換部(5)と、基材(71)の少なくとも一部を覆うように配置され、水分と接触すると活性酸素が発生するポリアニリンを含有するポリアニリン含有被膜(72)と、ポリアニリン含有被膜(72)に形成され、直径1nm〜500μmの孔(73)とを備えることを特徴としている。
【0010】
これによれば、ポリアニリン含有被膜(72)を活性炭様構造とすることができるので、ポリアニリン含有被膜(72)に形成された孔(73)に臭気成分を吸着させることができる。したがって、基材(71)に吸着材層を設けることなく、臭気成分を効率よく分解することが可能となる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明では、ポリアニリンを溶媒に溶解させたポリアニリン溶液(81)に、昇華性を有する昇華性微粒子(82)を混合して膜材料(83)を生成する工程と、膜材料(83)を基材(71)に塗布する塗布工程と、膜材料(81)が塗布された基材(71)を昇華性微粒子(82)の昇華温度まで加熱することにより、基材(71)の表面にポリアニリン含有被膜(71)を形成するとともに、ポリアニリン含有被膜(72)に直径1nm〜500μmの孔(73)を形成する工程とを備えることを特徴としている。
【0012】
これによれば、孔(73)を有する、すなわち活性炭様構造のポリアニリン含有被膜(72)を基材(71)の表面に形成することができるので、ポリアニリン含有被膜(72)に形成された孔(73)に臭気成分を吸着させることができる。したがって、基材(71)に吸着材層を設けることなく、臭気成分を効率よく分解できる空気清浄機能を有する熱交換器を製造することが可能となる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明では、ポリアニリン溶液(81)の溶媒には、水が含まれており、昇華性微粒子(82)の昇華温度が、溶媒中の水が蒸発する温度である100℃以下となっていることを特徴としている。
【0014】
ポリアニリン溶液(81)の溶媒中の水が蒸発することにより、基材(71)の表面にポリアニリン含有被膜(72)が形成される。このため、昇華性微粒子(82)の昇華温度を、溶媒中の水が蒸発する温度である100℃以下、すなわち、ポリアニリン含有被膜(72)が形成される温度(以下、膜形成温度という)以下とすることで、基材(71)を膜形成温度以上に加熱することなく、昇華性微粒子(82)を昇華させることができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明のように、昇華性微粒子(82)は、安息香酸で構成されていてもよい。
【0016】
また、請求項5に記載の発明では、ポリアニリンを溶媒に溶解させたポリアニリン溶液(81)に、塩(84)を混合して膜材料(83a)を生成する工程と、膜材料(83a)を基材(71)に塗布する工程と、膜材料(83a)が塗布された基材(71)を加熱した後、基材(71)を流水洗浄することにより、基材(71)の表面にポリアニリン含有被膜(72)を形成するとともに、ポリアニリン含有被膜(72)に直径1nm〜500μmの孔(73)を形成する工程とを備えることを特徴としている。
【0017】
これによれば、孔(73)を有する、すなわち活性炭様構造のポリアニリン含有被膜(72)を基材(71)の表面に形成することができるので、ポリアニリン含有被膜(72)に形成された孔(73)に臭気成分を吸着させることができる。したがって、基材(71)に吸着材層を設けることなく、臭気成分を効率よく分解できる空気清浄機能を有する熱交換器を製造することが可能となる。
【0018】
また、請求項6に記載の発明では、塩(84)は、ポリアニリン溶液(81)と反応して気体が発生するものであることを特徴としている。
【0019】
これによれば、塩(84)とポリアニリン溶液(81)とが反応することで発生した気体により、ポリアニリン含有被膜(72)に孔(73)を形成することができるので、基材(71)を流水洗浄する工程を廃止することができる。したがって、簡易な方法で、基材(71)に吸着材層を設けることなく、臭気成分を効率よく分解できる空気清浄機能を有する熱交換器を製造することが可能となる。
【0020】
また、請求項7に記載の発明のように、塩(84)は、水に溶解した場合に塩基性を示すとともに炭酸イオンが生成されるものであってもよい。
【0021】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係る蒸発器を示す正面図である。
【図2】第1実施形態におけるコア部5を示す拡大断面図である。
【図3】第1実施形態における被膜72の製造工程を示す模式図である。
【図4】実施例1で得られた被膜を示すSEM写真である。
【図5】図4の一部(後述する凹部)を拡大したSEM写真である。
【図6】従来の方法で得られた被膜のSEM写真である。
【図7】第2実施形態における被膜72の製造工程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0024】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜図6に基づいて説明する。本実施形態は、車両用空調装置の蒸発器に本発明の空気清浄機能を有する熱交換器を適用したものである。
【0025】
図1は、本第1実施形態に係る蒸発器を示す正面図である。図1に示すように、蒸発器は、冷媒が流れる複数本のチューブ1と、チューブ1の長手方向両端側にて複数本のチューブ1に連通するヘッダタンク2、3と、チューブ1の外表面に接合されて蒸発器に流入する空調用空気との伝熱面積を増大させるフィン4とを備えている。以下、チューブ1およびフィン4等からなる熱交換部をコア部5という。
【0026】
コア部5の端部には、コア部5を補強するサイドプレート6が配置されている。また、2つのヘッダタンク2、3のうち、コア部5の上方側に配置される流入側タンク2には、冷媒が流入する流入ジョイント2aが設けられており、コア部5の下方側に配置される流出側タンク3には、冷媒が流出する流出ジョイント3aが設けられている。本実施形態ではチューブ1やヘッダタンク2、3等の構成部品をアルミニウム合金製とするとともに、これらをろう付けして一体接合している。
【0027】
図2は、本第1実施形態におけるコア部5を示す拡大断面図である。図2に示すように、コア部5を構成するチューブ1およびフィン4は、アルミニウム合金製の基材71で形成されている。そして、基材71の表面には、ポリアニリンを含有するポリアニリン含有被膜(以下、被膜という)72が形成されている。
【0028】
被膜72には、ミクロ孔〜マクロ孔、すなわち直径1nm〜500μmの孔73が複数形成されている。このため、被膜72は、活性炭様構造、すなわち多孔質構造となっている。被膜72の孔73に入った臭気成分は、分子間力により孔73内に留まるようになっている。これにより、被膜72の孔73に臭気成分を吸着させることができる。
【0029】
次に、上記構成の被膜72の製造方法について説明する。図3は、本第1実施形態における被膜72の製造工程を示す模式図である。
【0030】
まず、図3(a)に示すように、ポリアニリンを溶媒に溶解させたポリアニリン溶液81に昇華性を有する昇華性微粒子82を分散させ、膜材料溶液83を生成する。本実施形態では、溶媒として、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)と水の混合溶媒を用いている。
【0031】
次に、図3(b)に示すように、膜材料溶液83を基材71の表面に塗布する。続いて、この基材71を加熱すると、図3(c)に示すように、ポリアニリン溶液の溶媒に含まれる水が蒸発して、基材71の表面に被膜72が形成される。このとき、基材71を昇華性微粒子82の昇華温度以上に加熱すると、昇華性微粒子82が昇華(気化)して、被膜72から気泡となって出ていく。その結果、被膜72の表面に孔73が形成される。
【0032】
以上説明したように、孔73を有する、すなわち活性炭様構造の被膜72を基材71の表面に形成することができるので、被膜72に形成された孔73に臭気成分を吸着させることができる。したがって、基材71に吸着材層を設けることなく、臭気成分を効率よく分解できる空気清浄機能を有する熱交換器を製造することが可能となる。
【0033】
次に、本発明を限定するものではないが、本発明の実施例1について、より具体的に説明する。
【0034】
(実施例1)
本例は、昇華性微粒子として安息香酸を用いた例である。まず、ポリアニリンをNMPと水の混合溶媒に溶解させてポリアニリン溶液を生成する。このポリアニリン溶液に対して、飽和安息香酸水溶液を、体積比にして1:1の割合で混合し、膜材料溶液を作成する。
【0035】
次に、この膜材料溶液を基材の表面に任意の方法で一様に塗布する。そして、膜材料溶液が塗布された基材を、80℃で1〜5分程度乾燥させた後、100℃で1時間加熱する。
【0036】
このとき、ポリアニリンは溶媒の一部である水が蒸発することで、基材表面に被膜を形成する。それと同時に、大気圧、90℃において安息香酸は徐々に昇華していくため、小さな孔が被膜の表面上に形成される。
【0037】
続いて、この被膜の表面を電子走査顕微鏡(SEM)で観察する。
【0038】
図4は実施例1で得られた被膜を示すSEM写真、図5は図4の一部(後述する凹部)を拡大したSEM写真である。なお、図4は斜め方向から見た写真で、図5は被膜表面に垂直な方向から見た写真である。また、比較のため、従来の方法、すなわちポリアニリン溶液のみを基材に塗布した後、成膜する方法で得られた被膜のSEM写真(斜め方向から見た写真)を図6に示す。
【0039】
図6に示すように、従来の方法で得られた被膜は、表面に多少の凹凸があるものの、ほぼ平坦に形成されている。これに対し、図4に示すように、実施例1で得られた被膜の表面には、従来の方法で得られた被膜と比較して、細かい凹部が多数形成されていることが確認できる。さらに、図5に示すように、実施例1で得られた被膜72の表面に形成された凹部には、直径50nm以上のマクロ孔73aおよび直径2〜50nmのメソ孔73bが存在しているのが確認できる。
【0040】
本実施例1のように、昇華性微粒子として、その昇華温度が溶媒中の水が蒸発する温度(100℃)以下、すなわち膜形成温度以下である安息香酸を用いることで、基材を膜形成温度以上に加熱することなく、昇華性微粒子を昇華させて、被膜に孔を形成することができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図7に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と比較して、被膜72の製造方法が異なっている。
【0042】
本実施形態における被膜72の製造方法について説明する。図7は、本第2実施形態における被膜72の製造工程を示す模式図である。
【0043】
まず、図7(a)に示すように、ポリアニリンを溶媒に溶解させたポリアニリン溶液81に成膜を妨げない塩84を分散させ、膜材料溶液83aを生成する。本実施形態では、溶媒として、NMPと水の混合溶媒を用いている。
【0044】
次に、図7(b)に示すように、膜材料溶液83aを基材71の表面に塗布する。続いて、この基材71を加熱すると、図7(c)に示すように、基材71の表面に被膜72が形成されるとともに、塩84が析出する。
【0045】
続いて、この基材71を流水に曝して流水洗浄することで、図7(d)に示すように、塩84が被膜72から溶け出し、取り除かれる。その結果、被膜72に孔73が形成される。
【0046】
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、孔73を有する、すなわち活性炭様構造の被膜72を基材71の表面に形成することができるので、被膜72に形成された孔73に臭気成分を吸着させることができる。したがって、基材71に吸着材層を設けることなく、臭気成分を効率よく分解できる空気清浄機能を有する熱交換器を製造することが可能となる。
【0047】
次に、本発明を限定するものではないが、本発明の実施例2について、より具体的に説明する。
【0048】
(実施例2)
本例は、塩として炭酸ナトリウム塩を用いた例である。まず、ポリアニリンをNMPと水の混合溶媒に溶解させて、ポリアニリン溶液を作成する。そして、このポリアニリン溶液を、基材の表面に任意の方法で一様に塗布する。
【0049】
次に、基材に塗布したポリアニリン溶液に、飽和炭酸ナトリウム溶液をポリアニリン溶液の2.5倍量滴下塗布した後、この基材を80℃で1〜5分程度乾燥させ、その後、120℃で15分加熱する。
【0050】
このとき、ポリアニリンは溶媒の一部である水が蒸発することで、基材表面に被膜を形成する。また、炭酸ナトリウムはポリアニリン溶液の溶媒中に存在する酸性成分と反応し、炭酸ガスを発生させながら被膜の表面上に炭酸ナトリウム塩を形成する。このとき、被膜表面は、炭酸ナトリウム塩が存在しているので白色になる。
【0051】
次に、得られた基材を1〜2時間、流水に曝すことで、被膜表面に存在する白色の炭酸ナトリウム塩が取り除かれる。このため、被膜表面は、ポリアニリン由来の黒色になる。このとき、被膜上には、炭酸ガスの気泡により形成された孔、および炭酸ナトリウム塩が取り除かれたことにより生じた孔が形成される。
【0052】
本実施例2のように、塩として、ポリアニリン溶液と反応して気体(炭酸ガス)が発生する炭酸ナトリウム塩を用いることで、塩とポリアニリン溶液とが反応することで発生した気体により、被膜に孔を形成することができる。
【0053】
(他の実施形態)
なお、上記第2実施例では、被膜が形成された基材を流水洗浄する工程を有しているが、塩としてポリアニリン溶液と反応して気体が発生するものを用いた場合は、塩とポリアニリン溶液とが反応することで発生した気体により被膜に孔を形成することができるので、基材を流水洗浄する工程を廃止してもよい。これにより、簡易な方法で、基材に吸着材層を設けることなく、臭気成分を効率よく分解できる空気清浄機能を有する熱交換器を製造することが可能となる。
【符号の説明】
【0054】
5 コア部(熱交換部)
71 基材
72 被膜(ポリアニリン含有被膜)
73 孔
81 ポリアニリン溶液
82 昇華性微粒子
83 膜材料
84 塩

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(71)で形成され、内部を流通する流体と外部を流通する空気との間で熱交換を行う熱交換部(5)と、
前記基材(71)の少なくとも一部を覆うように配置され、水分と接触すると活性酸素が発生するポリアニリンを含有するポリアニリン含有被膜(72)と、
前記ポリアニリン含有被膜(72)に形成され、直径1nm〜500μmの孔(73)とを備えることを特徴とする空気清浄機能を有する熱交換器。
【請求項2】
基材(71)で形成され、内部を流通する流体と外部を流通する空気との間で熱交換を行う熱交換部(5)と、
前記基材(71)の少なくとも一部を覆うように配置され、水分と接触すると活性酸素が発生するポリアニリンを含有するポリアニリン含有被膜(72)とを備える空気清浄機能を有する熱交換器の製造方法であって、
ポリアニリンを溶媒に溶解させたポリアニリン溶液(81)に、昇華性を有する昇華性微粒子(82)を混合して膜材料(83)を生成する工程と、
前記膜材料(83)を前記基材(71)に塗布する塗布工程と、
前記膜材料(81)が塗布された前記基材(71)を前記昇華性微粒子(82)の昇華温度まで加熱することにより、前記基材(71)の表面に前記ポリアニリン含有被膜(71)を形成するとともに、前記ポリアニリン含有被膜(72)に直径1nm〜500μmの孔(73)を形成する工程とを備えることを特徴とする空気清浄機能を有する熱交換器の製造方法。
【請求項3】
前記ポリアニリン溶液(81)の前記溶媒には、水が含まれており、
前記昇華性微粒子(82)の昇華温度が、前記溶媒中の水が蒸発する温度である100℃以下となっていることを特徴とする請求項2に記載の空気清浄機能を有する熱交換器の製造方法。
【請求項4】
前記昇華性微粒子(82)は、安息香酸で構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の空気清浄機能を有する熱交換器の製造方法。
【請求項5】
基材(71)で形成され、内部を流通する流体と外部を流通する空気との間で熱交換を行う熱交換部(5)と、
前記基材(71)の少なくとも一部を覆うように配置され、水分と接触すると活性酸素が発生するポリアニリンを含有するポリアニリン含有被膜(72)とを備える空気清浄機能を有する熱交換器の製造方法であって、
ポリアニリンを溶媒に溶解させたポリアニリン溶液(81)に、塩(84)を混合して膜材料(83a)を生成する工程と、
前記膜材料(83a)を前記基材(71)に塗布する工程と、
前記膜材料(83a)が塗布された前記基材(71)を加熱した後、前記基材(71)を流水洗浄することにより、前記基材(71)の表面に前記ポリアニリン含有被膜(72)を形成するとともに、前記ポリアニリン含有被膜(72)に直径1nm〜500μmの孔(73)を形成する工程とを備えることを特徴とする空気清浄機能を有する熱交換器の製造方法。
【請求項6】
前記塩(84)は、前記ポリアニリン溶液(81)と反応して気体が発生するものであることを特徴とする請求項5に記載の空気清浄機能を有する熱交換器の製造方法。
【請求項7】
前記塩(84)は、水に溶解した場合に塩基性を示すとともに炭酸イオンが生成されるものであることを特徴とする請求項5または6に記載の空気清浄機能を有する熱交換器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−164220(P2010−164220A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5397(P2009−5397)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】