説明

空気清浄機

【課題】室内空気中に浮遊する粉塵の粒径に適した運転を制御することにより効率的に室内空気を浄化することを目的とする。
【解決手段】空気中の粉塵の粒径と濃度を検出する埃センサー7と、この埃センサー7より出力される粉塵の粒径の大きさと濃度に応じて吸込風向板17の角度を制御する制御部8を有し、室内空気を吸気する吸込口2は、本体1の前面下部に設けた第一の吸込口2aと、この第一の吸込口2aより上部に設けた第二の吸込口2bからなり、吸込風向を上方から下方および下方から上方に角度調整可能な吸込風向板17を第一の吸込口2aに設け、制御部8は吸込風向板17を角度調整することにより吸込風向を上方から下方または下方から上方に設定してなる空気清浄機が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸込み気流を制御できる空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の空気清浄機は、複数の吸気口の吸気比率や吸気方向を変更できるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下その空気清浄機について図10を参照しながら説明する。
【0004】
図に示すように、前面吸気口101および下部吸気口102とを備え、下部吸気口102は前カバー103の下端部付近に開口するとともに、前面吸気口101より開口面積を大としたことにより、卓上面または床面に滞留する汚染空気を効率的に除去できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−21353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の空気清浄機では、複数の吸気口の吸気口比率を変更できるが、室内空気の粉塵粒径の大きさが考慮されていないため、大粒径の粉塵の汚れに対しては、吸引力の不足により床面などに沈降しやすく、充分に清浄化できないことがあり、また小粒径の粉塵の汚れに対しては、室内の上層部分に浮遊して拡散することがあるという課題があり、室内に分散した大小の粒径の粉塵に対応して、吸気口の大きさなどを変更できるようにして効率よく吸気することにより、室内を確実に清浄化することが要求されている。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、粉塵の粒径の大きさと濃度に対応した吸気口の大きさや吸気方向などを変更することにより、粉塵の粒径に対応した吸込気流を形成し、粉塵を効率的に吸気口から吸引して、確実に除去できる空気清浄機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の空気清浄機は上記目的を達成するために、本体は吸込口から吸気した空気を清浄化する清浄化手段と、この清浄化手段に通風する送風手段と、本体に設けた清浄された空気を室内に吹出すための吹出口と、空気中の粉塵の粒径と濃度を検出する埃センサーと、この埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさと濃度に応じて前記吸込風向板の角度を制御する制御部を有し、室内空気を吸気する吸込口は、本体の前面下部に設けた第一の吸込口と、この第一の吸込口より上部に設けた第二の吸込口からなり、吸込風向を上方から下方および下方から上方に角度調整可能な吸込風向板を前記第一の吸込口に設け、前記制御部は前記吸込風向板を角度調整することにより吸込風向を上方から下方または下方から上方に設定してなるものである。
【0009】
また他の手段は、制御部は、少なくとも埃センサーが大粒径の粉塵を検出したと判定する場合において、埃センサーの検出する粉塵濃度が高いと判定するときは、吸込風向板の角度調整により吸込風向を下方から上方に設定するものである。
【0010】
また他の手段は、制御部は、埃センサーが小粒径の粉塵を検出したと判定する場合は、埃センサーの検出する粉塵の濃度に関わらず、吸込風向板を角度調整することにより吸込風向を上方から下方に設定するものである。
【0011】
また他の手段は、本体に人を検知する人感センサーを有し、制御部は、この人感センサーが居室内に人を検出する場合は、吸込風向板を角度調整することにより、第一の吸込口の吸込風向を下方から上方に設定するものである。
【0012】
また他の手段は、本体の操作部にマニュアルスイッチを有し、制御部は、運転中に使用者によって前記マニュアルスイッチが押された場合に、吸込風向板により吸込風向を上方から下方に設定している場合には、吸込風向板を角度調整することにより、第一の吸込口の吸込風向を下方から上方に設定するものである。
【0013】
また他の手段は、本体の操作部にマニュアルスイッチを有し、制御部は、運転中に使用者によって前記マニュアルスイッチが押されたときに、埃センサーの判定に関わらず、送風手段の送風量を最大とするものである。
【0014】
これにより、粉塵の粒径の大きさおよび濃度に適した吸気口の大きさや吸気方向などを変更することにより、粉塵の粒径に対応した吸込気流を形成し、粉塵を効率的に吸気口から吸引して、確実に除去できる空気清浄機が得られる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、吸込風向板により吸込風向を上方から下方および下方から上方に角度調整することにより粉塵の粒径に応じた吸込み気流を形成することにより、粉塵を効率的に本体に吸引し除去できる効果のある空気清浄機が得られる。
【0016】
また、大粒径の粉塵を検出したと判定する場合、または大粒径と小粒径の粉塵を検出したと判定する場合において、埃センサーが粉塵の濃度が高いと判定するときは、吸込風向板により吸込風向を下方から上方に角度調整することにより低域空間空気の吸気比率の高い気流を形成することで、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を効率的に本体に吸引し除去できる効果のある空気清浄機が得られる。
【0017】
また、小粒径の粉塵を検出したと判定するときは、吸込風向板により吸込風向を上方から下方に角度調整することにより高域空間空気の吸気比率の高い気流を形成することで、高域空間に浮遊する粒径の小さい粉塵を効率的に本体に吸引し除去できる効果のある空気清浄機が得られる。
【0018】
また、人がいると判定するときは、吸込風向板により吸込風向を下方から上方に角度調整することにより低域空間空気の吸気比率の高い気流を形成し、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を効率的に本体に吸引し除去できる効果のある空気清浄機が得られる。
【0019】
また、運転中に使用者によってマニュアルスイッチが押されたときに、吸込風向板により吸込風向を上方から下方に設定している場合には、吸込風向板により吸込風向を下方から上方に設定することで使用者が必要と感じたときにタイミングよく低域空間空気の吸気比率の高い気流を形成し、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を効率的に本体に吸引し除去することができる効果のある空気清浄機が得られる。
【0020】
また、運転中に使用者によってマニュアルスイッチが押されたときに、埃センサーの判定に関わらず、送風手段の送風量を最大とすることで使用者が必要と感じたときにタイミングよく低域空間空気の吸気比率の高い気流を形成し、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を効率的に本体に吸引し除去することができる効果のある空気清浄機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】前提例1、および参考例1、2の空気清浄機の一部破断の外観斜視図
【図2】本発明の実施の形態1、2および3の空気清浄機の一部破断の外観斜視図
【図3】前提例1、および参考例1、2の第二の吸込口の吸込蓋部を示す概略断面図((イ)閉鎖状態を示す図、(ロ)半分開口状態を示す図、(ハ)全開状態を示す図)
【図4】同第二の吸込口の吸込蓋部を示す要部斜視図((イ)閉鎖状態を示す図、(ロ)半分開口状態を示す図、(ハ)全開状態を示す図)
【図5】本発明の実施の形態1、2および3の第二の吸込口の吸込風向板を示す概略断面図((イ)閉鎖状態を示す図、(ロ)第二の吸込口の吸込風向板を角度調整して上方から下方への風向状態を示す図、(ハ)第二の吸込口の吸込風向板を角度調整して下方から上方への風向状態を示す図)
【図6】同第二の吸込口の吸込風向板を示す要部斜視図((イ)第二の吸込口の吸込風向板の閉鎖状態を示す図、(ロ)第二の吸込口の吸込風向板を角度調整して上方から下方への風向状態を示す図、(ハ)第二の吸込口の吸込風向板を角度調整して下方から上方への風向状態を示す図)
【図7】前提例1、および参考例1、2のブロック回路図
【図8】本発明の実施の形態1、2および3のブロック回路図
【図9】本発明の実施の形態1〜3、前提例1、および参考例1、2の室内空気の浮遊粉塵分布の概念図
【図10】従来の空気清浄機を示す視図
【発明を実施するための形態】
【0022】
請求項1記載の発明は、本体は吸込口から吸気した空気を清浄化する清浄化手段と、この清浄化手段に通風する送風手段と、本体に設けた清浄された空気を室内に吹出すための吹出口と、空気中の粉塵の粒径と濃度を検出する埃センサーと、この埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさと濃度に応じて前記吸込風向板の角度を制御する制御部を有し、室内空気を吸気する吸込口は、本体の前面下部に設けた第一の吸込口と、この第一の吸込口より上部に設けた第二の吸込口からなり、吸込風向を上方から下方および下方から上方に角度調整可能な吸込風向板を前記第一の吸込口に設け、前記制御部は前記吸込風向板を角度調整することにより吸込風向を上方から下方または下方から上方に設定するとしたものであり、粉塵の粒径に適応する方向の吸込み気流を形成することにより、粉塵を効率的に本体に吸引し除去できるという作用を有する。
【0023】
また、請求項2記載の発明は、制御部は、少なくとも埃センサーが大粒径の粉塵を検出したと判定する場合において、埃センサーの検出する粉塵濃度が高いと判定するときは、吸込風向板の角度調整により吸込風向を下方から上方に設定するとしたものであり、低域空間空気の吸気比率の高い気流を形成することで、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を効率的に本体に吸引し除去できるという作用を有する。
【0024】
また、請求項3記載の発明は、制御部は、埃センサーが小粒径の粉塵を検出したと判定する場合は、埃センサーの検出する粉塵の濃度に関わらず、吸込風向板を角度調整することにより吸込風向を上方から下方に設定するとしたものであり、小粒径の粉塵を検出したときは、吸込風向板により吸込風向を上方から下方に変更することにより、高域空間空気の吸気比率の高い気流を形成することで、高域空間に浮遊する粒径の小さい粉塵を効率的に本体に吸引し除去できるという作用を有する。
【0025】
また、請求項4記載の発明は、本体に人を検知する人感センサーを有し、制御部は、この人感センサーが居室内に人を検出する場合は、吸込風向板を角度調整することにより、第一の吸込口の吸込風向を下方から上方に設定するとしたものであり、人がいると判定するときは、吸込風向板により吸込風向を下方から上方に設定して、低域空間空気の吸気比率の高い気流を形成し、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を効率的に本体に吸引し除去できるという作用を有する。
【0026】
また、請求項5記載の発明は、本体の操作部にマニュアルスイッチを有し、制御部は、運転中に使用者によって前記マニュアルスイッチが押された場合に、吸込風向板により吸込風向を上方から下方に角度調整している場合には、吸込風向板を角度調整することにより、第一の吸込口の吸込風向を下方から上方に設定したものであり、運転中に使用者によってマニュアルスイッチが押されたときに、吸込風向板により吸込風向を上方から下方に角度調整している場合には、吸込風向板により吸込風向を下方から上方に角度調整することで使用者が必要と感じたときにタイミングよく低域空間空気の吸気比率の高い気流を形成し、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を効率的に本体に吸引し除去できるという作用を有する。
【0027】
また、請求項6記載の発明は、本体の操作部にマニュアルスイッチを有し、制御部は、運転中に使用者によって前記マニュアルスイッチが押されたときに、埃センサーの判定に関わらず、送風手段の送風量を最大としたものであり、運転中に使用者によってマニュアルスイッチが押されたときに、埃センサーの判定に関わらず、送風手段の送風量を最大とすることで使用者が必要と感じたときにタイミングよく低域空間空気の吸気比率の高い気流を形成し、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を効率的に本体に吸引し除去できるという作用を有する。
【0028】
(前提例1)
図1、図3、図4および図7に示すように、本体1は略箱形に形成し、本体1の天面に吹出口5を設けるとともに、本体1の前面下部に第一の吸込口2aを設け、この第一の吸込口2aより上部の本体1側面に第二の吸込口2bを設け、第一の吸込口2aに全開、半分開口および閉鎖可能な吸込蓋部9を設けている。
【0029】
本体1内に空気清浄化手段としてのフィルター3と、このフィルター3に通風する送風手段としてのファンモータ4を備え、ファンモータ4の駆動により吸込口2から吸い込まれた空気が、フィルター3を通って清浄され、吹出口5から吹出される。また本体1には空気中の粉塵の粒径と濃度を検出する埃センサー7を設け、制御部8は埃センサー7の検出値に対応して、吸込蓋部用駆動部12を駆動制御することにより、吸込蓋部9を全開、半分開口または閉鎖する。また、制御部8は埃センサー7の検出値に対応して、吹出ルーバー用駆動部11を駆動して吹出ルーバー6を回動させて、吹出口5の吹き出し方向を上方又は斜め前方に変更できるものである。
【0030】
埃センサー7は、検出する粉塵の粒径の大きさが1.0μmを超えた場合と、2.5μmを超えた場合に、各々異なる出力値を制御部8に伝達する。たとえば、検出した粉塵の粒径が2.5μm以上の場合は、1.0μmを超えた場合の出力値と2.5μmを超えた場合の出力値の2種類の出力値が出力される。このとき、一定のサンプリング時間内の出力頻度がそれぞれ基準以上のとき、制御部8は大粒径と小粒径の粉塵を検出したと判別する。それに対して、1.0μm〜2.5μmの出力値の出現頻度が基準未満のときは、制御部8は大粒径の粉塵を検出したと判別する。また検出した粉塵の粒径が1.0μm以上2.5μm未満の場合は、1.0μmを超えた場合の出力値のみが出力される。このとき、一定のサンプリング時間内の出力頻度が基準以上のときは、制御部8は小粒径の粉塵を検出したと判別する。検出した粉塵の粒径が1.0μm未満の場合は、ノイズを避けるため出力値を出力しない。このとき、制御部8は、粉塵を検出していないと判別する。なお表示部13は本体1表面に設けられ、運転状態をLEDと表示文字などで視覚的に表示するものである。
【0031】
図3に示すように、室内空気において、粒径の大きいダニの糞や死がい、花粉、埃等の粉塵は沈降しやすく室内の低域空間に多く分布し、粒径の小さいタバコの煙、ウイルス等や臭気は浮遊しやすく、室内の高域空間に多く分布することが知られている。
【0032】
上記構成において、本体1を運転中に、制御部8は埃センサー7が大粒径の粉塵を検出したと判定する場合、または大粒径と小粒径の粉塵を検出したと判定する場合において、埃センサー7が粉塵の濃度が高いと判定するときは、吸込蓋部用駆動部12を駆動して吸込蓋部9を全開する。これにより、低域空間空気の吸気比率の高い気流20を形成するので、室内の低域空間に多く分布し浮遊する粒径の大きいダニの糞や死がい、花粉、埃等の粉塵を巻き込みながら、気流20が本体1の前面下部に到達し、このように形成した循環気流20が本体1の第一の吸込口2aに吸引されて、フィルター3で粒径大なる汚染空気を清浄化することができる。このとき、吹出口5の吹出ルーバー6を回動して斜め前方に設定することにより、気流20を形成しやすくなる。
【0033】
また、制御部8は埃センサー7が小粒径の粉塵を検出したと判定する場合において、埃センサー7が粉塵の濃度が高いまたは低いと判定するときは、吸込蓋部用駆動部12を駆動して吸込蓋部9を閉鎖する。これにより、高域空間空気の吸気比率の高い気流19を形成するので、室内の高域空間に多く分布し浮遊する粒径の小さいタバコの煙、ウイルス等の粉塵を巻き込みながら、気流19が本体1の側面に到達し、このように形成した循環気流19が本体1の第二の吸込口2bに吸引されて、フィルター3で粒径小なる汚染空気を清浄化することができる。このとき、吹出口5の吹出ルーバー6を回動して上方向に設定することにより、気流19を形成しやすくなる。
【0034】
また、制御部8は埃センサー7が大粒径の粉塵を検出したと判定する場合、または大粒径と小粒径の粉塵を検出したと判定する場合において、埃センサー7が粉塵の濃度が低いと判定するときは、吸込蓋部用駆動部12を駆動して吸込蓋部9を半分開口する。これにより、運転音の低減、消費電力を抑制しながら、通過風速を減少せずに低域空間空気の吸気比率の高い気流20を形成するので、室内の低域空間に多く分布し浮遊する粒径の大きいダニの糞や死がい、花粉、埃等の粉塵を巻き込みながら、気流20が本体1の前面下部に到達し、このように形成した循環気流20が本体1の第一の吸込口2aに吸引されて、フィルター3で粒径大なる汚染空気を清浄化することができる。
【0035】
(実施の形態1)
図2、図5、図6、図8および図9に示すように、吸込口2は、本体1の前面下部に設けた第一の吸込口2aと、この第一の吸込口2aより上部に設けた第二の吸込口2bからなり、第一の吸込口2aに吸込風向を上方から下方または下方から上方に角度調整可能な吸込風向板17を設けている。また本体1には空気中の粉塵の粒径と濃度を検出する埃センサー7を設け、制御部8は埃センサー7の検出値に対応して、吸込風向板用駆動部16を駆動制御することにより、吸込風向板17が角度調整されて、第一の吸込口2aの吸込風向を上方から下方または下方から上方に設定できるものである。
【0036】
上記構成において、本体1を運転中に、制御部8は埃センサー7が大粒径の粉塵を検出したと判定する場合、または大粒径と小粒径の粉塵を検出したと判定する場合において、埃センサー7の粉塵濃度の検出値が高いと判定するときは、吸込風向板用駆動部16を駆動して吸込風向板17を角度調整することにより吸込風向を下方から上方に設定する。これにより、低域空間空気の吸気比率の高い気流20が形成されやすくなるので、室内の低域空間に多く分布し浮遊する粒径の大きいダニの糞や死がい、花粉、埃等の粉塵を巻き込みながら、気流20が本体1の前面下部に到達し、このように形成した循環気流20が本体1の第一の吸込口2aに吸引されて、フィルター3で粒径大なる汚染空気を清浄化することができる。
【0037】
また、制御部8は埃センサー7が小粒径の粉塵を検出したと判定する場合において、埃センサー7が粉塵の濃度が高いまたは低いと判定するときは、吸込風向板用駆動部16を駆動して吸込風向板17により吸込風向を上方から下方に角度調整する。これにより、高域空間空気の吸気比率の高い気流19を形成するので、室内の高域空間に多く分布し浮遊する粒径の小さいタバコの煙、ウイルス等の粉塵を巻き込みながら、気流19が本体1の側面に到達し、このように形成した循環気流19が本体1の第二の吸込口2bに吸引されて、フィルター3で粒径小なる汚染空気を清浄化することができる。
【0038】
(参考例1)
図1、図3、図4、図7および図9に示すように、本体1には居室内の人の有無を検出する人感センサー15を設け、本体1を運転中に、制御部8は人感センサー15が居室内に人を検出する場合、吸込蓋部用駆動部12を駆動して吸込蓋部9を全開する。これにより、低域空間空気の吸気比率の高い気流20を形成するので、室内の低域空間に多く分布し浮遊する粒径の大きいダニの糞や死がい、花粉、埃等の粉塵を巻き込みながら、気流20が本体1の前面下部に到達し、このように形成した循環気流20が本体1の第一の吸込口2aに吸引されて、フィルター3で粒径大なる汚染空気を清浄化することができる。
【0039】
(実施の形態2)
図2、図5、図6、図8および図9に示すように、本体1には居室内の人の有無を検出する人感センサー15を設け、本体1を運転中に、制御部8は人感センサー15が居室内に人を検出する場合、吸込風向板用駆動部16を駆動して吸込風向板17により吸込風向を下方から上方に角度調整する。これにより、低域空間空気の吸気比率の高い気流20を形成するので、室内の低域空間に多く分布し浮遊する粒径の大きいダニの糞や死がい、花粉、埃等の粉塵を巻き込みながら、気流20が本体1の前面下部に到達し、このように形成した循環気流20が本体1の第一の吸込口2aに吸引されて、フィルター3で粒径大なる汚染空気を清浄化することができる。
【0040】
(参考例2)
図1、図3、図4、図7および図9に示すように、本体1の操作部21にはマニュアルスイッチ18を設け、本体1を運転中に、使用者によってマニュアルスイッチ18が押されたときに、吸込蓋部9を半分開口または閉鎖している場合には、制御部8は吸込蓋部用駆動部12を駆動して吸込蓋部9を全開する。また、このとき制御部8はファンモータ4の送風量を最大とする運転に切り換える。
【0041】
これにより、使用者が必要と感じたときに、例えば布団の上げ下げを開始するときなどに、マニュアルスイッチ18を押すことにより、タイミングよく吸込蓋部9を全開して、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を吸込蓋部9から最大風量で本体1に吸引し、大きい粉塵を含む空気が拡散する前に効率よく清浄化することができる。
【0042】
(実施の形態3)
図2、図5、図6、図8および図9に示すように、本体1の操作部21にはマニュアルスイッチ18を設け、本体1を運転中に、使用者によってマニュアルスイッチ18が押されたときに、吸込風向板17により吸込風向を上方から下方に角度調整している場合には、制御部8は埃センサー7の判定に関わらず、吸込風向板用駆動部16を駆動して吸込風向板17を角度調整することにより吸込風向を下方から上方に設定する。また、このとき制御部8はファンモータ4の送風量を最大とする運転に切り換える。
【0043】
これにより、使用者が必要と感じたときに、例えば布団の上げ下げを開始するときなどに、マニュアルスイッチ18を押すことにより、タイミングよく吸込風向板17を角度調整して、低域空間に浮遊する粒径の大きい粉塵を、吸い込み方向が下方から上方に設定された吸込蓋部9から最大風量で本体1に吸引し、大きい粉塵を含む空気が拡散する前に効率よく清浄化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、吸込み気流を制御できる空気清浄機に関する。粉塵の粒径の大きさと濃度に対応した吸気口の大きさや吸気方向などを変更することにより、粉塵の粒径に対応した吸込気流を形成し、粉塵を効率的に吸気口から吸引して、確実に除去できる空気清浄機を提供することを目的としている。
【符号の説明】
【0045】
1 本体
2 吸込口
2a 第一の吸込口
2b 第二の吸込口
3 フィルター(清浄化手段)
4 ファンモータ(送風手段)
5 吹出口
7 埃センサー
8 制御部
9 吸込蓋部
15 人感センサー
17 吸込風向板
18 マニュアルスイッチ
21 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体は吸込口から吸気した空気を清浄化する清浄化手段と、この清浄化手段に通風する送風手段と、本体に設けた清浄された空気を室内に吹出すための吹出口と、空気中の粉塵の粒径と濃度を検出する埃センサーと、この埃センサーより出力される粉塵の粒径の大きさと濃度に応じて吸込風向板の角度を制御する制御部を有し、室内空気を吸気する吸込口は、本体の前面下部に設けた第一の吸込口と、この第一の吸込口より上部に設けた第二の吸込口からなり、吸込風向を上方から下方および下方から上方に角度調整可能な吸込風向板を前記第一の吸込口に設け、前記制御部は前記吸込風向板を角度調整することにより吸込風向を上方から下方または下方から上方に設定してなる空気清浄機。
【請求項2】
制御部は、少なくとも埃センサーが大粒径の粉塵を検出したと判定する場合において、埃センサーの検出する粉塵濃度が高いと判定するときは、吸込風向板の角度調整により吸込風向を下方から上方に設定してなる請求項1記載の空気清浄機。
【請求項3】
制御部は、埃センサーが小粒径の粉塵を検出したと判定する場合は、埃センサーの検出する粉塵の濃度に関わらず、吸込風向板により吸込風向を上方から下方に角度調整する請求項1記載の空気清浄機。
【請求項4】
本体に人を検知する人感センサーを有し、制御部は、この人感センサーが居室内に人を検出する場合は、吸込風向板を角度調整することにより、第一の吸込口の吸込風向を下方から上方に設定してなる請求項1〜3いずれかに記載の空気清浄機。
【請求項5】
本体の操作部にマニュアルスイッチを有し、制御部は、運転中に使用者によって前記マニュアルスイッチが押された場合に、吸込風向板により吸込風向を上方から下方に角度調整している場合には、吸込風向板を角度調整することにより、第一の吸込口の吸込風向を下方から上方に設定してなる請求項1記載の空気清浄機。
【請求項6】
本体の操作部にマニュアルスイッチを有し、制御部は、運転中に使用者によって前記マニュアルスイッチが押されたときに、埃センサーの判定に関わらず、送風手段の送風量を最大とする請求項5記載の空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−40566(P2012−40566A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259934(P2011−259934)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【分割の表示】特願2007−269939(P2007−269939)の分割
【原出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】