説明

空気清浄装置

【課題】空気清浄装置の壁面吊り下げ使用時にスタンド式支持金具用止金具を壁掛けフックに兼用する。
【解決手段】上下方向の係合孔を有し下面を支持面としケース背面中央部に固定した止金具2と水平方向の支持台31とそれより直立する支持体を有し、支持体上端部に止金具の係合孔に挿入自在とし止金具の支持面との係止段面を形成し支持体の前面上半部をケース背面と接当自在とするスタンド式支持台と、止金具の係合孔に挿入自在の係止片を有する壁掛支持台とにより、空気清浄装置を支持する。ケース背面に、その中央部に先端に係止面を有する軸支突起を設け該突起を中心とする円上に位置し上下対向する上側2個の床面方向係止突起と下側2個の天井方向係止突起とを設け、軸支突起係止面を挿入自在とする軸支孔と、該孔を中心とする放射方向で互いに対向する左右一対の凹部を有する壁面支持金具を設ける。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、空気清浄装置に関するものである。より詳しくは、箱状のケース頂面に吹出口を有し、ケース前面に吸込みグリルを有する空気清浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の空気清浄装置は、空気の清浄を目的として、事務室、応接室、リビィング等に設置するが、スタンド式支持金具を使用してこれらの室内の床面に設置している。また、室内壁面に吊り下げるための壁掛けフックがケース背面に固定されていて、室内壁面に固定した壁掛け金具と前記壁掛けフックとにより、室内壁面に吊り下げての使用を自在としている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、室内壁面に吊り下げて使用するにあたり、スタンド式支持金具用の止金具を壁掛けフックとして兼用するとともに、吹出口を下向きとする設置を自在とすることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に記載の考案は、上下方向の係合孔を有し下面を支持面としケース背面の中央部に固定した止金具と、水平方向の支持台と支持台より直立する支持体とを有し、支持体の上端部に止金具の係合孔に挿入自在とし止金具の支持面との係止段面を形成し支持体の前面上半部をケース背面と接当自在とするスタンド式支持台と、止金具の係合孔に挿入自在とする係止片を有し壁面に取付け自在とする壁掛式支持台とにより、空気清浄装置の支持構造を構成する。
本願請求項2に記載の考案は、ケース背面に、その中央部に先端に係止面を有する軸支突起を設けるとともに、該軸支突起を中心とする円上に位置し上下対向する、上側の2個の床面方向係止突起と、下側の2個の天井方向係止突起とを設け、前記軸支突起の係止面を挿入自在とする鍵穴状軸支孔と、該鍵穴状軸支孔を中心とする放射方向で互いに対向する左右一対の凹部とを有する壁面支持金具を設け、ケース背面の軸支突起と床面方向係止突起と天井方向係止突起および壁面支持金具の鍵穴状軸支孔と凹部とにより、空気清浄装置の支持構造を構成する。
本願請求項3に記載の考案は、上記の請求項1、請求項2に記載の考案に加えて、空気の吸込み方向をケース前面上方向とケース前面下方向とに選択自在とするグリル前方カバーを装備する。
【0005】
【作用】
本願請求項1に記載の考案は、吹出口を上向きとする床面支持にあたってはスタンド式支持台を使用する。壁面支持にあたっては壁掛式支持台を使用する。
吹出口を下向きとする場合は、ケースを天地逆としてケース頂面を底面として吹出口を下向きとした状態で壁掛式支持台を使用する。
本願請求項2に記載の考案は、壁面に固定した壁面支持金具の鍵穴状軸支孔に軸支突起を係合させるとともに、吹出口を上向きとする場合は、壁面支持金具の左右一対の凹部に床面方向係止突起係止させることで、清浄空気の吹出方法を天井方向とする。吹出口を下向きとする場合は、壁面支持金具の左右一対の凹部に天井方向係止突起を係止突起係止させることで、清浄空気の吹出方法を床面方向とする。
本願請求項3に記載の考案は、上記の請求項1、請求項2の考案に加えて、スタンド式支持台を使用した床面支持では、空気の吸込み方向をケース前面下向きとし、壁掛式支持台を使用した壁面支持では、空気の吸込み方向をケース前面上向きとする。
【0006】
【考案の実施の態様】
以下、図面を参照して説明する実施例にもとづいて、以下本考案の実施の態様を詳細に説明する。
図2を参照して、空気清浄装置1は、全体形状を箱状とし、ケース前面10aに吸込みグリル11を、ケース頂面10bに吹出口12を装備し、ケース内部にプレフィルター13、キトサンフィルター14、ファン15等を内蔵して構成する、公知の空気清浄装置である。
【0007】
図1を参照して、ケース背面10cの中央部に止金具2を固定する。
止金具2は、図3を参照して、上下方向の係合孔21を有し両側部を取付片22とする形状である。また、止金具の下面を支持面23とする。と スタンド式支持台3は、図4を参照して、水平方向の支持台31と、支持台31より直立する支持体32とを有し、支持体32の上端部には止金具2の係合孔21に挿入自在とする係止片33と係止段面34が形成されている。
【0008】
壁掛式支持台4は、図5を参照して、壁面に取付け自在とする支持板41と、該支持板41より突出して止金具2の係合孔21に挿入自在とする係止片42とを有する構造である。ビス43により室内の壁面Aに固定自在とする。
図6は、請求項3の考案を実施するためのグリル前方カバー5の実施例を示し、前面カバー51と、左右一対の側面カバー52、52の三面カバーの構造とし、開口面53を下向きとする状態と、開口面53を上向きとする状態とに選択自在に、空気清浄装置1の側面10dにビス54により着脱自在に取付け、吸込みグリル11の前方に位置させることで、空気の吸込み方向をケース前面上方向とケース前面下方向とに変更自在な構造とする。
【0009】
本考案の空気清浄装置1の使用状態を図7および図8を参照して説明する。
吹出口を上向きとする床面支持にあたってはスタンド式支持台3を使用する。
図7を参照して、止金具2の係合孔21に、スタンド式支持台3の支持体の上端部の係止片33を挿入することで止金具2とスタンド式支持台3の支持体とを一体化するとともに、止金具2の支持面23を係止段面34に接当することで、空気清浄装置1の荷重をスタンド式支持台3に負担させる。
【0010】
吹出口を下向きとする壁面支持にあたっては壁掛式支持台4を使用する。図8を参照して、ビス43によりに支持板41を室内の壁面Aの適所に固定する。
支持板41より突出する係止片42に止金具2の係合孔21を挿入することで、止金具2を壁掛式支持台4に固定することで、空気清浄装置1を壁掛式支持台4を介して壁面Aで支持する。
【0011】
本願請求項3の考案は、上記の本願請求項1の考案に加えて、スタンド式支持台を使用した床面支持では、グリル前方カバー5を図7の状態でビス54によりケース側面に固定して、開口面53を下方として、空気の吸込み方向をケース前面下向きとする。
床面に沿った汚れた室内空気Pを吸込み、清浄な空気Qを上方へ向け放出する。
壁掛式支持台4を使用した壁面支持では、グリル前方カバー5を図8の状態でビス54によりケース側面に固定して、開口面53を上方として空気の吸込み方向をケース前面上向きとする。
天井面に沿った汚れた室内空気Pを吸込み、清浄な空気Qを下方へ向け放出する。
【0012】
つぎに、図9ないし図16を参照して、本願請求項2の考案の実施例を説明する。
ケース背面10cに、その中央部に先端に係止面61を有する軸支突起6を設けるとともに、該軸支突起6を中心とする円上に位置し上下対向する、上側の2個の床面方向係止突起62と、下側の2個の天井方向係止突起63を設ける(図13参照)。
前記軸支突起の係止面61を挿入自在とする鍵穴状軸支孔71と、該鍵穴状軸支孔71を中心とする放射方向で互いに対向する左右一対の凹部72とを有する壁面支持金具7を設ける(図9参照)。壁面支持金具7には、左右一対の凹部74および凹部74の中心に取付け孔73を設ける(図10参照)。
取付け孔73に挿入したビス75により壁面または壁面に固定した横木Nに固定自在とする(図12参照)。
【0013】
空気清浄装置1に取付けにあたっては、上記のごとくビス75により壁面Nに固定した壁面支持金具7の接当面7aにケース背面10cに接近させ、ケース背面10cの軸支突起6の係止面61を壁面支持金具7の鍵穴状軸支孔71の円形部71bに遊合したのち、軸支突起6の軸支部6aを鍵穴状軸支孔71の狭小部71aに位置させることで軸支突起6の軸支部6aを中心として空気清浄装置1を回動自在とする。
空気清浄装置1の回動により、壁面に固定した壁面支持金具の左右一対の凹部72に床面方向係止突起63または天井方向係止突起62を択一的に選択して係止させることで、空気清浄装置1を壁面に固定状態とする(図14参照)。
【0014】
口吹出口を上向きとする場合は、壁面支持金具の左右一対の凹部72に床面方向係止突起62を係止させることで、清浄空気の吹出方法を天井方向とする(図15参照)。
吹出口を下向きとする場合は、壁面支持金具の左右一対の凹部72に天井方向係止突起63を係止突起係止させることで、清浄空気の吹出方法を床面方向とする(図16参照)。
なお、吹出方法を天井方向とする図15の支持状態と、吹出方法を床面方向とする図16の支持状態との変更にあたっては、係止突起63、62を凹部72より浮上げらせ接当面7a上を移動させることで、空気清浄装置1の回動を自由とし、図16(吹出方法を床面方向)または図15(吹出方法を天井方向)へ変更する。
【0015】
【考案の効果】
本考案は、空気清浄装置の支持構造としの止金具を床面載置と壁面吊下げとに兼用することで、製品コスト低減をはかるとともに設置作業を容易にする効果を有する。
本願請求項2に記載の考案は、壁面支持金具の回動により、清浄空気の吹出方法を上向きとする取り付けと、ケース頂面に吹出口を下向きに位置させてケースを支持して清浄空気の吹出方法を下向きとする取り付けとを自在とし、室内に取付後における清浄空気の吹出方法の床面方向と天井方向と選択を容易する効果を有する。
本願請求項3に記載の考案は、空気の吸込み方向を床面載置と壁面吊下げとに対応して、床面に沿った汚れた室内空気Pを吸込みと、天井面に沿った汚れた室内空気Pを吸込みとを容易に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 空気清浄装置の背面側の斜視図。
【図2】 同じく正面側の斜視図。
【図3】 止金具の斜視図。
【図4】 スタンド式支持台の斜視図。
【図5】 壁掛式支持台の斜視図。
【図6】 グリル前方カバーの斜視図。
【図7】 スタンド式支持台を使用した床面支持状態を示す側面図。
【図8】 壁掛式支持台4を使用した壁面支持状態を示す側面図。
【図9】 壁面支持金具の平面図。
【図10】 同じく断面図。
【図11】 凹部を示す断面図。
【図12】 壁面支持金具の壁面への取付け状態を示す斜視図。
【図13】 軸支突起および係止突起を示すケース背面側の斜視図。
【図14】 壁面支持金具による支持状態を示す断面図。
【図15】 清浄空気の吹出方法を天井方向とする壁面支持金具による支持状態を示す略図。
【図16】 清浄空気の吹出方法を床面方向とする壁面支持金具による支持状態を示す略図。
【符号の説明】
1 空気清浄装置
2 止金具
3 スタンド式支持台
4 壁掛式支持台
5 グリル前方カバー
6 軸支突起
7 壁面支持金具
10c ケース背面
11 吸込みグリル
12 吹出口
21 係合孔
31 支持台
32 支持体
33 係止片
61 係止面
62 床面方向係止突起
63 天井方向係止突起
71 鍵穴状軸支孔
72 凹部

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】箱状のケース頂面に吹出口を有し、ケース前面に吸込みグリルを有する空気清浄装置において、上下方向の係合孔を有し下面を支持面としケース背面の中央部に固定した止金具と、、水平方向の支持台と支持台より直立する支持体とを有し、支持体の上端部に止金具の係合孔に挿入自在とし止金具の支持面との係止段面を形成し支持体の前面上半部をケース背面と接当自在とするスタンド式支持台と、止金具の係合孔に挿入自在とする係止片を有し壁面に取付け自在とする壁掛式支持台とを有し、吹出口を上向きとする床面支持にあたってはスタンド式支持台を使用し、吹出口を下向きとする壁面支持にあたっては壁掛式支持台を使用すめことで、清浄空気の吹出方法および床面支持と壁面支持とを選択自在としたことを特徴とする空気清浄装置。
【請求項2】箱状のケース頂面に吹出口を有し、ケース前面に吸込みグリルを有する空気清浄装置において、ケース背面に、その中央部に先端に係止面を有する軸支突起を設けるとともに、該軸支突起を中心とする円上に位置し上下対向する、上側の2個の床面方向係止突起と、下側の2個の天井方向係止突起とを設け、前記軸支突起の係止面を挿入自在とする鍵穴状軸支孔と、該鍵穴状軸支孔を中心とする放射方向で互いに対向する左右一対の凹部とを有する壁面支持金具を設け、壁面に固定した壁面支持金具の鍵穴状軸支孔に軸支突起を係合させるとともに、壁面に固定した壁面支持金具の左右一対の凹部に床面方向係止突起または天井方向係止突起を択一的に選択して係止させることで、吹出口を上向きに位置させてケースを支持して清浄空気の吹出方法を上向きとする取り付けと、ケース頂面に吹出口を下向きに位置させてケースを支持して清浄空気の吹出方法を下向きとする取り付けとを自在とし、清浄空気の吹出方法を床面方向と天井方向とする壁面支持を選択自在としたことを特徴とする空気清浄装置。
【請求項3】箱状のケース頂面に吹出口を有し、ケース前面に吸込みグリルを有する空気清浄装置において、上下方向の係合孔を有し下面を支持面としケース背面の中央部に固定した止金具と、、水平方向の支持台と支持台より直立する支持体とを有し、支持体の上端部に止金具の係合孔に挿入自在とし止金具の支持面との係止段面を形成し支持体の前面上半部をケース背面と接当自在とするスタンド式支持台と、止金具の係合孔に挿入自在とする係止片を有し壁面に取付け自在とする壁掛式支持台とを有し、空気の吸込み方向をケース前面上方向とケース前面下方向とに選択自在とするグリル前方カバーを有し、吹出口を上向きとする床面支持にあたってはスタンド式支持台を使用し吹出口を下向きとする壁面支持にあたっては壁掛式支持台を使用することで清浄空気の吹出方法および床面支持と壁面支持とを選択自在とるとともに、空気の吸込み方向をケース前面上向きとケース前面下向きとに選択自在としたことを特徴とする空気清浄装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図10】
image rotate


【図11】
image rotate


【図12】
image rotate


【図15】
image rotate


【図8】
image rotate


【図9】
image rotate


【図13】
image rotate


【図14】
image rotate


【図16】
image rotate


【登録番号】第3053126号
【登録日】平成10年(1998)7月29日
【発行日】平成10年(1998)10月23日
【考案の名称】空気清浄装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平10−2808
【出願日】平成10年(1998)4月10日
【出願人】(592044499)株式会社千石 (19)