説明

空気調和機の清掃装置及び空気調和機

【課題】空気調和機のエアフィルターと除塵体に付着した塵埃を、効率よく、確実に除去できるための清掃装置を提供すること。
【解決手段】本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記空気調和機は、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する清掃装置を有し、前記清掃装置は、端部の長手方向に切り欠き溝を有する棒状の芯棒に、短冊状の清掃片をらせん状に巻き付けるとともに、前記芯棒の切り欠き溝に前記清掃片の端部を折り込んだので、清掃片全体が剥がれにくい、外径の細い回転清掃体を簡単に作ることができる。このような回転清掃体により、エアフィルターに付着した塵埃を効率よく除去でき、エアフィルターを常に清潔で、長期間に亘り目詰まりのない状態で使用できるため、空気調和機の性能も維持され、且つ前記エアフィルターを取り外して塵埃の清掃を行う必要もなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアコンディショナーや送風機、加湿器、除湿機、換気扇、あるいは空気清浄機等の空気調和機に配置されたエアフィルターの清掃装置及び、それを用いた空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気調和機には、吸込口と熱交換器との間に、空気調和機本体内部への塵埃侵入を防ぐためにエアフィルターが配置されており、空気調和機の運転に伴い吸込口から空気と共に侵入する塵埃を捉える機能を有している。このため、エアフィルターには捉えた塵埃が徐々に付着するとともに、目が徐々に詰まってしまい風量を低下させてしまうので、空気調和機本体から着脱可能に構成され、定期的にエアフィルター表面を電気掃除機等で吸引したり、洗浄したりしなければならなかった。
【0003】
これに対し、エアフィルターの上流側表面に沿って移動することができる吸引口を有する吸引ノズルと、この吸引ノズルに連結された吸引装置を空気調和機本体に設けて、吸引口からエアフィルター表面に付着した塵埃を吸引することで、エアフィルターを取り外すことなくエアフィルターの自動清掃が行える構造が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、フィルターのメンテナンスの手間を低減する目的で、駆動軸に張架したベルト上のエアフィルターと、前記エアフィルターの表面に接する回転ブラシを設け、前記駆動軸を回転させてエアフィルターを移動させながら、その表面に堆積した塵埃を、回転ブラシを回転させて掻きとるようにした空気調和機がある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、図10に示すように、エアフィルターの塵埃の除去に、円筒形状の合成樹脂の芯棒61の端部から、基布62にブラシ毛63を植設した清掃片64をらせん状に巻きつけて、前記芯棒61の端部にキャップ65を取り付けた回転清掃体60も、従来から使用されている。
【特許文献1】特開2005−140405号公報
【特許文献2】特開2006−71121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたような従来の空気調和機においては、吸引口の開閉面積を絞ることで風量を落として、吸引圧力を高めている。このような吸引ノズルで塵埃を除去しようとすると、エアフィルター表面に浮いたような状態で乗っている綿埃等は容易に吸引できるが、吸引力のみでは、エアフィルターの網目に絡んだ塵埃や、油分を含む塵埃等を、清掃ブラシのように掻き出して剥離させることはできず、エアフィルターにこびりついた塵埃を確実に除去することは非常に困難であった。
【0007】
また、上記特許文献2に開示されたような従来の空気調和機においては、回転ブラシの芯棒が樹脂でできており、その外周にブラシ毛が植毛されている。前記回転ブラシはブラシが植毛されているため、加工に手間がかかり、かつ、回転ブラシの外径が大きくなり、空気調和機本体が大きくなるという欠点があった。
【0008】
また、従来から使用されているような、エアフィルターの塵埃の除去に、円筒形状の合成樹脂の芯棒61の端部から、清掃片64をらせん状に巻きつけて、芯棒61の端部にキャップ65を取り付けた回転清掃体60は、回転してエアフィルターの塵埃を除去する際に、清掃片64の端部から剥がれやすいという問題があった。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、清掃片全体、特に端部が剥がれにくく、清掃片とキャップが芯棒から容易に外れることのない、かつ外径の細い回転清掃体を提供することで、エアフィルターに付着した塵埃を効率よく除去でき、長期間に亘ってエアフィルターの目詰まりのない状態で使用することができる空気調和機の清掃装置及び、空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明では、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記空気調和機は、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する清掃装置を有し、前記清掃装置は、端部の長手方向に切り欠き溝を有する棒状の芯棒に、短冊状の清掃片をらせん状に巻き付けるとともに、前記芯棒の前記切り欠き溝に前記清掃片の端部を折り込んだので、清掃片全体が剥がれにくい、外径の細い回転清掃体を簡単に作ることができる。外径が細く、剥がれにくい清掃片を有する回転清掃体により、前記エアフィルターに付着した塵埃を効率よく除去できる。
【0011】
また、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記空気調和機は、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する清掃装置を有し、前記清掃装置は、少なくとも端部に中空部を有する棒状の芯棒に、短冊状の清掃片をらせん状に巻き付け、前記中空部に、キャップを挿入して固着するとともに、前記キャップの外周部に設けたフランジにて前記清掃片の端部を覆ったので、清掃片全体が剥がれにくく、清掃片とキャップが容易に外れない、かつ外径の細い回転清掃体を簡単に作ることができる。外径が細く、剥がれにくい清掃片を有する回転清掃体により、前記エアフィルターに付着した塵埃を効率よく除去できる。
【0012】
また、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記空気調和機は、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する清掃装置を有し、前記清掃装置は、少なくとも端部に中空部を有する棒状の芯棒に、短冊状の清掃片をらせん状に巻き付けるとともに、前記清掃片の端部を前記芯棒の中空部に折り込み、前記中空部にキャップを挿入した後、前記芯棒の外周をカシメることにより、前記芯棒に、前記清掃片と前記キャップを固着したので、清掃片全体が剥がれにくく、清掃体とキャップが容易に外れない、かつ外径の細い回転清掃体を作ることができる。外径が細く、剥がれにくい清掃片を有する回転清掃体により、前記エアフィルターに付着した塵埃を効率よく除去できる。
【0013】
また、本発明の空気調和機は、空気調和機本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置するとともに、請求項1〜4の何れかに記載の清掃装置を有しているので、効率よく確実にエアフィルターに付着した塵埃が除去できる。また、長期間に亘ってエアフィルターのメンテナンスが不要となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、清掃片は芯棒に簡単に巻き付けができ、かつ、清掃片全体が剥がれにくい。また、キャップも芯棒に簡単に取付けができ、かつ、清掃片とキャップが容易に外れない、安定した回転清掃体を作ることができる。このような回転清掃体を、エアフィルターの清掃装置に組み込むことにより、エアフィルターを常に清潔で、長期間に亘って目詰まりのない状態で使用することができるため、空気調和機の性能も維持され、且つエアフィルターを取り外して塵埃の清掃を行う必要もなくなる。清潔で、長期間に亘ってエアフィルターの目詰まりのない状態で使用することができるため、空気調和機の性能も維持され、且つ、エアフィルターを取り外して塵埃の清掃を行う必要もなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1の発明は、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記空気調和機は、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する清掃装置を有し、前記清掃装置は、端部の長手方向に切り欠き溝を有する棒状の芯棒に、短冊状の清掃片をらせん状に巻き付けるとともに、前記芯棒の前記切り欠き溝に前記清掃片の端部を折り込んだ回転清掃体を有するので、清掃片全体が剥がれにくい、外径の細い前記回転清掃体により、前記エアフィルターに付着した塵埃を効率よく除去できる。また、前記回転清掃体は、端部の長手方向に前記切り欠き溝を有する棒状の前記芯棒に、短冊状の前記清掃片をらせん状に巻き付けるとともに、前記芯棒の前記切り欠き溝に前記清掃片の端部を折り込んだので、前記回転清掃体は簡単に作ることができる。
【0016】
第2の発明は、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記空気調和機は、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する清掃装置を有し、前記清掃装置は、少なくとも端部に中空部を有する棒状の芯棒に、短冊状の清掃片をらせん状に巻き付け、前記中空部に、キャップを挿入して固着するとともに、前記キャップの外周部に設けたフランジにて前記清掃片の端部を覆った回転清掃体を有するので、清掃片全体が剥がれにくく、前記清掃片の端部とキャップが容易に外れない、かつ、外径の細い前記回転清掃体により、前記エアフィルターに付着した塵埃を効率よく除去できる。
【0017】
第3の発明は、第1または2の発明において、芯棒の端部に回り止め部を設けて、前記回り止め部にキャップを固着したので、回転清掃体が回転するときに、前記キャップに回転方向の負荷がかかっても、前記芯棒と前記キャップが容易にずれたり、外れることがない。
【0018】
第4の発明は、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記空気調和機は、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する清掃装置を有し、前記清掃装置は、少なくとも端部に中空部を有する棒状の芯棒に、短冊状の清掃片をらせん状に巻き付けるとともに、前記清掃片の端部を前記芯棒の中空部に折り込み、前記中空部にキャップを挿入した後、前記芯棒の外周をカシメることにより、前記芯棒に、前記清掃片と前記キャップを固着した回転清掃体を有するので、清掃片全体が剥がれにくく、前記清掃片と前記キャップが容易に外れことがなく、かつ、外径の細い前記回転清掃体により、前記エアフィルターに付着した塵埃を効率よく除去できる。
【0019】
空気調和機本体内に、第1〜4の発明の何れかの清掃装置を有しているので、エアフィルターの目詰まりが起こらず、常に安定した風量を確保でき、運転効率も良い、空気調和機を提供することができる。
【0020】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施例によって本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の第1の実施例における空気調和機の清掃装置を搭載した空気調和機の縦断面図、図2は、同空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体の横断面図、図3は、同空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体を構成する芯棒の斜視図、図4(a)は、同空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体を構成する芯棒の正面図、図4(b)は、同空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体を構成する清掃片を展開した正面図、図5は、同空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体を組み立てる途中の状態を示す斜視図である。
【0022】
図1において、空気調和機本体1は、熱交換器4と、室内の空気を取り入れる吸込口2と、熱交換器4と吸込口2の間に配され、吸込口2から流入する空気中に含まれる塵埃を捕集するエアフィルター5と、エアフィルター5の上流側に配されると共に、エアフィルター5で捕集された塵埃を除去する清掃装置を有し、前記清掃装置は、回転清掃体7と前記回転清掃体7を回転させるための回転駆動手段(図示せず)と、前記回転清掃体7をエアフィルター5の上流側の表面に沿って上下方向に移動させる上下移動手段(図示せず)にて形成されており、室内の空気を吸込口2から吸引し、エアフィルター5、熱交換器4を通して、吹き出し口3から、熱交換された空気を室内に吹き出す送風ファン6とを備えている。
【0023】
次に、図2を用いて回転清掃体7とその周辺部分の構成について説明する。8はアルミニウムの金属材料を用いた芯棒である。11は、基布9にブラシ毛10を植設した清掃片11である。12はキャップである。13は軸であり、14はキャップ12に軸13を一体成形したブラケット14である。15は、軸13の外周を受け、回転清掃体7を回転自在に軸支する軸受けである。
【0024】
図3は、アルミニウムの金属材料を用いた、端部に中空部17と切り欠き溝16を有する円筒形状の芯棒8の斜視図である。
【0025】
図4において、図4(a)は、芯棒8の正面図であり、図4(b)は、基布9にブラシ毛10を植設し、端部には、ブラシ毛10を植設しない基布9のみの折込み代14a、及び折込み代14bを設けた清掃片11の正面図である。
【0026】
図5は、アルミニウムの芯棒8の切り欠き溝16に、短冊状の清掃片11の端部のブラシ毛10を植設していない折込み代14a、及び折込み代14bを挟み込んで、芯棒8にらせん状に巻き付けている状態を示す、回転清掃体7の斜視図である。
【0027】
アルミニウムの材料を用いた、端部に中空部17と切り欠き溝16を有する円筒形状の芯棒8の切り欠き溝16に、基布9にブラシ毛10を植設した短冊状の清掃片11における、折込み代11aを挟み込んで、芯棒8の外周に、清掃片11を一周巻き付けたところで、今度は、折込み代14bを切り欠き溝16に挟み込み、続けて、清掃片11をらせん状に巻き付けて行き、芯棒8の反対側の端部の切り欠き溝16に、清掃片11の反対側の端部の切り欠き溝11b、及び11aを挟み込んで、芯棒の外周全体に清掃片11を巻きつける。キャップ12と軸13を一体成形したブラケット14を芯棒8の中空部17に圧入して固着して、回転清掃体7が完成する。回転清掃体7は、両端の軸13が、軸受け15によって回転自在に軸支されている。
【0028】
回転清掃体7は、円筒形状の芯棒8の外周に、短冊状の清掃片11をらせん状に巻き付けてあるため、簡単に巻き付けることができ、かつ、清掃片11が剥がれにくくなる。また、短冊状の清掃片11の端部のブラシ毛10を植設していない折込み代11a、及び折込み代11bを芯棒8の切り欠き溝16に挟み込むので、取付けが簡単であり、かつ、清掃片11の端部の剥がれが防止できる。また、芯棒8をアルミニウムの金属の材料を用いて短冊状の清掃片11をらせん状に巻き付けてあるため、反りに対する強度が増し、外径の細い回転清掃体7を作ることができる。外径が細く、剥がれにくい清掃片11を有する回転清掃体7により、エアフィルター5に付着した塵埃を効率よく除去できる。
【0029】
芯棒8は、合成樹脂の材料でもよい。また、芯棒8の断面形状は、多角形状でもよく、かつ、端部のみに中空部17を設けてもよい。また、清掃片11端部の折込み代11a、11bは、ブラシ毛10を植設しない状態で形成する方法の他に、ブラシ毛10を短く毛刈りしてもよい。
【0030】
また、上記においては、回転清掃体7における清掃片11を基布9に植設されたブラシ毛10で説明しているが、材質はこれに限定するものではなく、用途に応じて、適宜選択することができる。
【0031】
次に、本実施例における空気調和機の清掃装置及びそれを搭載した空気調和機の動作を説明する。
空気調和機本体1を、例えば、冷房運転すると、送風ファン6により室内の空気が吸込口2から流入し、エアフィルター5を通って熱交換器4に至り、そこで冷却され、冷たい空気が吹き出し口3から室内に吹き出される。吸込口2から吸引される室内の空気に含まれる塵埃は、エアフィルター5で捕集され、エアフィルター5の表面に次第に堆積していく。エアフィルター5の表面に塵埃が堆積してくると、空気の通気圧損が増加し、熱交換器4での熱交換効率が低下してくるので、定期的に或いは、必要に応じて、エアフィルター5に堆積した塵埃の除去運転が必要となる。
【0032】
塵埃の除去運転の開始に当たり、回転清掃体7は、エアフィルター5の下端に位置している。塵埃の除去運転を開始すると、回転駆動手段(図示せず)により回転清掃体7が矢印の方向に回転すると共に、その回転する回転清掃体7が上下移動手段(図示せず)で、エアフィルター5の表面に沿って上方に移動する。この間に、回転清掃体7の清掃片11の先端で、エアフィルター5に付着堆積した塵埃が掻き落とされる。
【0033】
次に、上下移動手段(図示せず)により、回転清掃体7が、エアフィルター5の上端まで達すると、自動的に下降し、エアフィルター5の下端まで移動する。この間も上昇時と同様に、回転清掃体7の清掃片11の先端で、エアフィルター5に付着堆積した塵埃が掻き落とされる。
【0034】
回転清掃体7は、回転しながらエアフィルター5に接触しながら移動するため、回転清掃体7によって、強力にエアフィルター5に付着した塵埃を掻き出して除去することができる。
【0035】
また、本実施例では図示しないが、回転清掃体7が上下移動せずに、エアフィルター5自身が、回転する回転清掃体7の清掃片11の先端に接触しながら移動して、エアフィルター5に付着した塵埃を除去する構造にしてもよい。
【実施例2】
【0036】
図6、及び7において、実施例2について説明する。なお、実施例1と重複する部分については、その説明を省略する。図6は、本発明の第2の実施例における空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体の横断面図、図7は、同空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体を組み立てる途中の状態を示す斜視図である。
端部に中空部32を有する円筒状の芯棒19に、両端部に、ブラシ毛21を植設していない被せ代26を有する、短冊状の清掃片22をらせん状に巻き付け、芯棒19の中空部32に、キャップ23に軸13を一体成形したブラケット24を挿入して固着するとともに、キャップ23の外周部に設けたフランジ23aにて清掃片22の端部に設けた被せ代26の外周を覆って回転清掃体18が完成する。回転清掃体7は、両端の軸13が、軸受け15によって回転自在に軸支されている。
【0037】
回転清掃体18は、円筒形状の芯棒19の外周に、短冊状の清掃片22をらせん状に巻き付けてあるため、簡単に巻き付けることができ、かつ、清掃片22が剥がれにくくなる。また、芯棒19の中空部32に、キャップ23に軸13を一体成形したブラケット24を挿入して固着するとともに、キャップ23の外周部に設けたフランジ23aにて清掃片22の被せ代26を覆っているので、清掃片22の剥がれを防止でき、清掃片22と、ブラケット24が容易に外れない、かつ、外径の細い回転清掃体18を作ることができる。また、アルミニウムの材料を用いて短冊状の清掃片22をらせん状に巻き付けてあるため、反りに対する強度が増し、外径の細い回転清掃体18を作ることができる。外径が細く、剥がれにくい清掃片22を有する回転清掃体18により、エアフィルター5に付着した塵埃を効率よく除去できる。また、短冊状の清掃片22は、ブラシ毛21を植設していない被せ代26を設けたので、両端にブラケット24をかぶせて固着する際に、ブラシ毛21が邪魔にならずに組み立てることができる。
【0038】
芯棒19は、合成樹脂の材料でもよい。また、芯棒19の断面形状は、多角形状でもよく、かつ、端部のみに中空部32を設けてもよい。また、清掃片22端部の被せ代26は、ブラシ毛21を短く毛刈りする方法で形成してもよく、更には、ブラシ毛21をそのまま残し、フランジ23aによってブラシ毛23aを倒しながら覆い被せてもよいものである。
【0039】
また、上記においては、回転清掃体18における清掃片22を基布20に植設されたブラシ毛21で説明しているが、材質はこれに限定するものではなく、用途に応じて、適宜選択することができる。
【実施例3】
【0040】
第8を用いて、実施例3について説明する。なお、実施例1と重複する部分については、その説明を省略する。アルミニウムの材料を用いた、端部に中空部47と切り欠き溝45を有する円筒形状の芯棒34の中空部47に、基布35にブラシ毛36を植設した短冊状の清掃片37の端部のブラシ毛36を植設しない折込み代43を折り込んで、芯棒34の外周に、清掃片37をらせん状に巻き付けるとともに、芯棒34の反対側の端部の中空部47に、清掃片37の反対側の端部の折込み代43を折り込む。キャップ38と軸13を一体成形したブラケット40の、嵌合部41に設けた溝42を、芯棒34の中空部47の回り止め部46に嵌合させて挿入固着し、て、回転清掃体33が完成する。なお、キャップ38のDカット部分は、ブラケット40を挿入する際に、清掃片37の折込み代43を折り込んで、芯棒34の中空部47の内側にはみでた端部が、邪魔にならないための空隙部を設けるためのものである。
【0041】
芯棒34の端部に回り止め部46を設けて、回り止め部46にキャップ38と軸13を一体成形したブラケット40を固着したので、回転清掃体33が回転するときに、ブラケット40に回転方向の負荷がかかっても、芯棒34と、ブラケット40が容易にずれたり、外れることが防止できる。
【0042】
芯棒34は、合成樹脂の材料でもよい。また、芯棒34の断面形状は、多角形状でもよく、かつ、端部のみに中空部47を設けてもよい。また、清掃片37の端部は、ブラシ毛36を短く毛刈りする方法で形成してもよい。
【0043】
また、上記においては、回転清掃体33における清掃片37を基布35に植設されたブラシ毛36で説明しているが、材質はこれに限定するものではなく、用途に応じて、適宜選択することができる。
【実施例4】
【0044】
図9を用いて、実施例4について説明する。アルミニウムの金属材料を用いた、端部に中空部56を有する円筒形状の芯棒50の外周に、基布51にブラシ毛52を植設した短冊状の清掃片53をらせん状に巻き付けるとともに、清掃片53の端部の折込み代59を芯棒50の中空部56に折り込む。キャップ54と軸13を一体成形したブラケット55を、芯棒50の中空部56に圧入するとともに、芯棒50の外部から、キャップ54に形成された凹部54aに当たる位置をカシメて、芯棒50を変形させて凹部54aにくい込ませることで、清掃片53、及びブラケット55を芯棒50に固着し、回転清掃体49が完成される。回転清掃体49は、両端の軸13が、軸受け15によって回転自在に軸支されている。
【0045】
回転清掃体49は、円筒形状の芯棒50の外周に、短冊状の清掃片53をらせん状に巻き付けてあるため、簡単に巻き付けることができ、かつ、清掃片53が剥がれにくくなる。また、両端にキャップ54と軸13を一体成形したブラケット55を、芯棒50の中空部56に挿入するとともに、カシメて、固着したので、ブラケット55は外れにくく、かつ、清掃片53の端部が剥がれにくくなる。また、短冊状の清掃片53は、端部のブラシ毛52を植設していないので、両端にブラケット55を挿入して、カシメて、固着する際に、ブラシ毛52が邪魔にならずに組み立てることができる。また、芯棒50をアルミニウムの金属の材料を用いて短冊状の清掃片53をらせん状に巻き付けてあるため、反りに対する強度が増し、外径の細い回転清掃体49を作ることができる。外径が細く、剥がれにくい清掃片53を有する回転清掃体49により、エアフィルター5に付着した塵埃を効率よく除去できる。
【0046】
芯棒50の断面形状は、多角形状でもよく、また、端部のみに中空部56を設けてもよい。また、清掃片53の端部は、ブラシ毛52を短く毛刈りする方法で形成してもよい。
【0047】
また、上記においては、回転清掃体49における清掃片53を基布51に植設されたブラシ毛52で説明しているが、材質はこれに限定するものではなく、用途に応じて、適宜選択することができる。
【0048】
また、本発明の清掃装置を空気調和機本体内に設けることにより、エアフィルター5の目詰まりが起こらず、常に安定した風量を確保でき、運転効率も良いので、性能も維持されて空気調和機本体の消費電力も節約できる。且つ、エアフィルター5を取り外して塵埃の清掃を行う必要もなくなり、メンテナンスの頻度が大幅に低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明にかかる空気調和機の清掃装置、及び空気調和機は、エアフィルターの清掃装置として優れた性能を有し、エアコンディショナーや空気清浄機は勿論、エアフィルターを有する機器であれば、そのエアフィルターの清掃装置にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施例における空気調和機の清掃装置を搭載した空気調和機の縦断面図
【図2】同空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体の横断面図
【図3】同空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体を構成する芯棒の斜視図
【図4】(a)同空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体を構成する芯棒の正面図 (b)同空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体を構成する清掃片を展開した正面図
【図5】同空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体を組み立てる途中の状態を示す斜視図
【図6】本発明の第2の実施例における空気調和機の清掃装置本に組み込まれる回転清掃体の横断面図
【図7】同空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体を組み立てる途中の状態を示す斜視図
【図8】本発明の第3の実施例における空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体を組み立てる途中の状態を示す斜視図
【図9】本発明の第4の実施例における空気調和機の清掃装置に組み込まれる回転清掃体の部分横断面図
【図10】従来の回転清掃体の一部を断面にした正面図
【符号の説明】
【0051】
1 空気調和機本体
2 吸込口
3 吹き出し口
4 熱交換器
5 エアフィルター
6 送風ファン
7 回転清掃体
8 芯棒
9 基布
10 ブラシ毛
11 清掃片
11a、11b 折込み代
12 キャップ
13 軸
14 ブラケット
15 軸受け
16 切り欠き溝
17 中空部
18 回転清掃体
19 芯棒
20 基布
21 ブラシ毛
22 清掃片
23 キャップ
24 ブラケット
25 回転清掃体
26 被せ代
33 回転清掃体
34 芯棒
35 基布
36 ブラシ毛
37 清掃片
38 キャップ
39 軸
40 ブラケット
41 嵌合部
42 溝
43 折込み代
45 切り欠き溝
46 回り止め部
47 中空部
49 回転清掃体
50 芯棒
51 基布
52 ブラシ毛
53 清掃片
54 キャップ
54a 凹部
55 ブラケット
56 中空部
60 回転清掃体
61 芯棒
62 基布
63 ブラシ毛
64 清掃片
65 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記空気調和機は、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する清掃装置を有し、前記清掃装置は、端部の長手方向に切り欠き溝を有する棒状の芯棒に、短冊状の清掃片をらせん状に巻き付けるとともに、前記芯棒の前記切り欠き溝に前記清掃片の端部を折り込んだ回転清掃体を有することを特徴とした、空気調和機の清掃装置。
【請求項2】
本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記空気調和機は、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する清掃装置を有し、前記清掃装置は、少なくとも端部に中空部を有する棒状の芯棒に、短冊状の清掃片をらせん状に巻き付け、前記中空部に、キャップを挿入して固着するとともに、前記キャップの外周部に設けたフランジにて前記清掃片の端部を覆った回転清掃体を有することを特徴とした、空気調和機の清掃装置。
【請求項3】
芯棒の端部に回り止め部を設けて、前記回り止め部にキャップを固着したことを特徴とした、請求項1〜2記載の空気調和機の清掃装置。
【請求項4】
本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記空気調和機は、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する清掃装置を有し、前記清掃装置は、少なくとも端部に中空部を有する棒状の芯棒に、短冊状の清掃片をらせん状に巻き付けるとともに、前記清掃片の端部を前記芯棒の中空部に折り込み、前記中空部にキャップを挿入した後、前記芯棒の外周をカシメることにより、前記芯棒に、前記清掃片と前記キャップを固着した回転清掃体を有することを特徴とした、空気調和機の清掃装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうち、何れかに記載の清掃装置を有する、空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−285551(P2007−285551A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111422(P2006−111422)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】